JP2002226478A - 結晶の製造法 - Google Patents

結晶の製造法

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JP2002226478A JP2001367473A JP2001367473A JP2002226478A JP 2002226478 A JP2002226478 A JP 2002226478A JP 2001367473 A JP2001367473 A JP 2001367473A JP 2001367473 A JP2001367473 A JP 2001367473A JP 2002226478 A JP2002226478 A JP 2002226478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れた(R)−ランソプラゾー
ルまたは(S)−ランソプラゾールの結晶の製造法の提
供など。 【解決手段】 (R)−ランソプラゾールまたは(S)
−ランソプラゾールを約0.1〜約0.5g/mlの濃
度で含有する酢酸C1-4アルキルエステル溶液から約0
〜約35℃の温度で晶出させることを特徴とする(R)
−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールの
結晶の製造法など。 【効果】 本発明の製造法によれば、保存安定性に優れ
る(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラ
ゾールの結晶を効率よく工業的大量規模で製造すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗潰瘍作用を有す
る光学活性なスルホキシド化合物の製造法および安定性
が顕著に向上した光学活性なスルホキシド化合物の結晶
等に関する。
【0002】
【従来の技術】抗潰瘍作用を有する(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾール〔以下、(R)−ランソプラ
ゾールと称することもある〕または(S)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾール〔以下、(S)−ランソプラ
ゾールと称することもある〕を製造する方法としては、
例えば、特表平11−508590号公報(WO 97
/02261)には、(+)−エナンチオマーまたは
(−)−エナンチオマーのいずれかが多い、即ち一つの
エナンチオマーの富化された化合物の調製物を溶媒で処
理し、この化合物のラセミ体の晶出性を利用してラセミ
化合物を溶媒から選択的に沈殿させ、沈殿したラセミ化
合物を濾過して除去し、続いて溶媒を除去して、ランソ
プラゾールなどの対応する化合物の光学的純度が増大し
た単一のエナンチオマーを得る、一つのエナンチオマー
の富化された化合物の調製物を光学的に精製する方法お
よび溶媒除去による結晶化方法について記載されてい
る。
【0003】また、特表平10−504290号公報
(WO 96/02535)にはチオ化合物を酸化反応
に付し、光学活性なスルホキシド化合物を得る製造法、
アセトニトリル溶液濃縮などによるオメプラゾールの結
晶化(実施例11)について記載されている。
【0004】ランソプラゾールは現在優れた抗潰瘍作用
を有する医薬品として世界中で販売されている。該ラン
ソプラゾールの結晶はラセミ体であり保存安定性に優れ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来法
により得られる光学活性な(R)−ランソプラゾールお
よび(S)−ランソプラゾールの結晶は、保存安定性が
十二分に満足できるものとは言えず、保存中に、純度が
低下する、類縁物質が増加する、あるいは着色するなど
の可能性を否定できなかった。
【0006】保存安定性に十二分に優れた(R)−ラン
ソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールの結晶の
製造法が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、(R)−
ランソプラゾールおよび(S)−ランソプラゾールの結
晶の製造法を種々検討したところ、特定の条件下で
(R)−ランソプラゾールおよび(S)−ランソプラゾ
ールを晶出させることにより、意外にも、極めて安定な
結晶が得られ、この方法が工業的規模で十分満足できる
製造法であることを初めて見出し、これらの知見に基づ
いて鋭意研究し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、〔1〕(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールまたは(S)−2−[[[3
−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)
−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベ
ンズイミダゾールを約0.1g/ml〜約0.5g/m
lの濃度で含有する酢酸C1-4アルキルエステル溶液か
ら約0℃〜約35℃の温度で晶出させることを特徴とす
る(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまたは(S)
−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶の製造法、
〔2〕(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまたは
(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールを約0.1g/
ml〜約0.5g/mlの濃度で含有する酢酸C1-4
ルキルエステル溶液から約0℃〜約35℃の温度で晶出
させ、ついで同温度で該酢酸C1-4アルキルエステル溶
液量の7倍量以下のC5-8炭化水素を滴下することを特
徴とする(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまた
は(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶の製造
法、〔3〕晶出温度が約20℃〜約30℃である上記
〔1〕または〔2〕記載の製造法、〔4〕晶出時間が約
30分〜約4時間である上記〔1〕または〔2〕記載の
製造法、〔5〕酢酸C1-4アルキルエステルが酢酸エチ
ルまたは酢酸プロピルである上記〔1〕または〔2〕記
載の製造法、〔6〕酢酸C1-4アルキルエステル溶液量
の5倍量以下のC5-8炭化水素を滴下することを特徴と
する上記〔2〕記載の製造法、〔7〕C5-8炭化水素が
ヘプタンまたはヘキサンである上記〔2〕記載の製造
法、〔8〕C5-8炭化水素の滴下時間が約15分〜約4
時間である上記〔2〕記載の製造法、
〔9〕上記〔1〕
または〔2〕記載の製造法により製造される(R)−2
−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロ
エトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]
−1H−ベンズイミダゾールまたは(S)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの結晶、〔10〕上記〔1〕
または〔2〕記載の製造法により製造される(R)−2
−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロ
エトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]
−1H−ベンズイミダゾールの結晶、〔11〕融解開始
温度が約131℃以上である(R)−2−[[[3−メ
チル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2
−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズ
イミダゾールまたは(S)−2−[[[3−メチル−4
−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
ニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾ
ールの結晶、〔12〕融解開始温度が約135℃である
上記〔11〕記載の結晶、〔13〕上記
〔9〕または
〔11〕記載の結晶を含有してなる医薬組成物、〔1
4〕消化性潰瘍;胃炎;逆流性食道炎;NUD(Non Ul
cer Dyspepsia);胃癌;胃MALTリンパ腫;上部消
化管出血;非ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍;手
術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍;またはヘリコ
バクター・ピロリ菌に起因する疾患の予防・治療剤であ
る上記〔13〕記載の医薬組成物、〔15〕上記
〔9〕
または〔11〕記載の結晶をヒトに投与し、消化性潰
瘍;胃炎;逆流性食道炎;NUD(Non Ulcer Dyspepsi
a);胃癌;胃MALTリンパ腫;上部消化管出血;非
ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍;手術後ストレス
による胃酸過多および潰瘍;またはヘリコバクター・ピ
ロリ菌に起因する疾患を予防または治療する方法、〔1
6〕消化性潰瘍;胃炎;逆流性食道炎;NUD(Non Ul
cer Dyspepsia);胃癌;胃MALTリンパ腫;上部消
化管出血;非ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍;手
術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍;またはヘリコ
バクター・ピロリ菌に起因する疾患に対する予防・治療
用医薬組成物を製造するための上記
〔9〕または〔1
1〕記載の結晶の使用、〔17〕(R)−2−[[[3
−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)
−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベ
ンズイミダゾールまたは(S)−2−[[[3−メチル
−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピ
リジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾールを約0.1g/ml〜約0.5g/mlの濃度
で含有する酢酸C1-4アルキルエステル溶液から約0℃
〜約35℃の温度で晶出させることを特徴とする(R)
−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾールまたは(S)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの結晶の安定化方法などに関
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の結晶の製造法に原料とし
て付される「(R)−ランソプラゾール」または
「(S)−ランソプラゾール」は自体公知の方法、例え
ば、特表平10−504290号公報(WO 96/0
2535)に記載の方法またはこれに準じた方法、また
は以下の製造法1または2に記載の方法等により製造さ
れる。
【0010】(1)製造法1 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]チオ]−1H
−ベンズイミダゾールと過剰量(約1.5〜10モル当
量)の酸化剤(例、過酸化水素、tert-ブチルヒド
ロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の過酸化
物など)とを、不斉誘導触媒(例、光学活性なジオー
ル、チタニウム(IV)アルコキシドおよび水の錯体な
ど)、有機溶媒〔例、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノールなどのアルコール類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類;酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類;アセ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;クロロ
ホルム、ジクロロメタン、エチレンジクロライド、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチル
ホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドな
どのスルホキシド類;酢酸など〕および塩基〔例、炭酸
カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの
アルカリ金属水素化物などの無機塩基;ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アル
コキシド類、酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属カルボ
ン酸塩類、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モル
ホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、トリオクチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、ジメチルフェニルアミンなどのアミン類、
ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類な
どの有機塩基;アルギニン、リジン、オルニチンなどの
塩基性アミノ酸など〕の存在下、約−20〜20℃で、
約0.1〜50時間反応させることにより得ることがで
きる。
【0011】得られた化合物は自体公知の分離精製手
段、例えば濃縮、溶媒抽出、晶出、転溶、クロマトグラ
フィーあるいはそれらの組み合わせにより単離される。
【0012】(2)製造法2 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾールを光学分割に付し、異
性体を得ることができる。
【0013】光学分割の方法としては、自体公知の方法
が挙げられ、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、
ジアステレオマー法等が用いられる。
【0014】「分別再結晶法」としては、ラセミ体と光
学活性な化合物〔例、(+)−マンデル酸、(−)−マ
ンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−
1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミ
ン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン等)
とで塩を形成させ、これを分別再結晶法などによって分
離し、所望により中和工程に付し、フリーの光学異性体
を得る方法が挙げられる。
【0015】「キラルカラム法」としては、ラセミ体ま
たはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)
に付す方法が挙げられる。例えば液体クロマトグラフィ
ーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)ま
たはダイセル社製CHIRALシリーズなどのキラルカ
ラムにラセミ体を添加し、水、緩衝液(例、リン酸緩衝
液)、有機溶媒(例、ヘキサン、エタノール、メタノー
ル、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ
酢酸、ジエチルアミン、トリエチルアミンなど)、また
はこれらの混合溶媒で展開して光学異性体を分離する方
法が挙げられる。例えばガスクロマトグラフィーの場
合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエル
サイエンス社製)などのキラルカラムを使用して分離す
る方法が挙げられる。
【0016】「ジアステレオマー法」としては、ラセミ
体および光学活性な試薬を反応させ(好ましくは、ベン
ズイミダゾール基の1位に光学活性な試薬を反応させ)
てジアステレオマーの混合物を得、ついで通常の分離手
段(例、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)により
一方のジアステレオマーを得た後、化学反応(例、酸加
水分解反応、塩基性加水分解反応、加水素分解反応等)
に付して光学活性な試薬部位を切り離し、目的とする光
学異性体を得る方法が挙げられる。該「光学活性な試
薬」としては、例えば、MTPA〔α−メトキシ−α−
(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メン
トキシ酢酸などの光学活性な有機酸;(1R−エンド)
−2−(クロロメトキシ)−1,3,3−トリメチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプタンなどの光学活性なアルコ
キシメチルハライドなどが挙げられる。
【0017】上記、2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
チル]チオ]−1H−ベンズイミダゾールは、特開昭6
1−50978号公報、USP 4,628,098、
特開平10−195068号公報、WO 98/212
01等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製
造される。
【0018】また、2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールは、
特開昭61−50978号公報、USP 4,628,
098等に記載の方法またはこれらに準じた方法により
製造される。
【0019】上記方法により製造される(R)−ランソ
プラゾールまたは(S)−ランソプラゾールは、固体
(結晶、非晶質)および油状物のいずれでもよく、単離
精製されていなくてもよい。
【0020】さらに、(R)−ランソプラゾールまたは
(S)−ランソプラゾールの結晶は、水和物であっても
よく、非水和物であってもよい。
【0021】該「水和物」としては、0.5水和物ない
し5.0水和物が挙げられる。このうち、0.5水和
物、1.0水和物、1.5水和物、2.0水和物、2.
5水和物が好ましい。特に好ましくは0.5水和物、
1.0水和物、1.5水和物である。
【0022】上記方法により得られる(R)−ランソプ
ラゾールまたは(S)−ランソプラゾールを例えば結晶
(以下、結晶と称する場合がある)として得た後に、
さらに本発明の結晶の製造法に付す場合、結晶を得る
ための結晶化の方法としては、自体公知の方法が挙げら
れ、例えば、溶液からの結晶化、蒸気からの結晶化、溶
融体からの結晶化が挙げられる。
【0023】該「溶液からの結晶化」の方法としては、
例えば濃縮法、除冷法、反応法(拡散法、電解法)、水
熱育成法、融剤法などが挙げられる。用いられる溶媒と
しては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジ
クロロメタン、クロロホルム等)、飽和炭化水素類
(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、エー
テル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類
(例、アセトニトリル等)、ケトン類(例、アセトン
等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド
等)、酸アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド
等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、アルコール類
(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等)、水などが用いられる。これらの溶媒は単独ある
いは二種以上を適当な割合(例、1:1ないし1:10
0)で混合して用いられる。
【0024】該「蒸気からの結晶化」の方法としては、
例えば気化法(封管法、気流法)、気相反応法、化学輸
送法などが挙げられる。
【0025】該「溶融体からの結晶化」の方法として
は、例えばノルマルフリージング法(引上げ法、温度傾
斜法、ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンレベリング
法、フロートゾーン法)、特殊成長法(VLS法、液相
エピタキシー法)などが挙げられる。
【0026】本発明の結晶の製造法に原料として付され
る(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラ
ゾールの結晶としては、例えば(1)未乾燥結晶の粉末
X線回折の格子面間隔(d)が5.88、4.70、
4.35、3.66、3.48オングストロームに特徴
的なピークが現れる粉末X線回折パターンを示す結晶、
(2)未乾燥結晶の粉末X線回折の格子面間隔(d)が
8.33、6.63、5.86、4.82オングストロ
ームに特徴的なピークが現れる粉末X線回折パターンを
示す結晶、(3)前記(1)および(2)の結晶の混合
物、(4)粉末X線回折の格子面間隔(d)が11.6
8、6.77、5.84、5.73、4.43、4.0
9、3.94、3.89、3.69、3.41、3.1
1オングストロームに特徴的なピークが現われる粉末X
線回折パターンを示す結晶である。
【0027】本発明の結晶の製造法に付される(R)−
ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールの鏡
像体過剰率は、例えば約80%ee以上、好ましくは約
90%ee以上である。
【0028】より好ましい(R)−ランソプラゾール
は、(S)−ランソプラゾールを実質的に含まないもの
である。「実質的に含まない」とは(S)−ランソプラ
ゾールを0〜3%、好ましくは0〜1%含む(R)−ラ
ンソプラゾールを意味する。また、より好ましい(S)
−ランソプラゾールは、(R)−ランソプラゾールを実
質的に含まないものである。「実質的に含まない」とは
(R)−ランソプラゾールを0〜3%、好ましくは0〜
1%含む(S)−ランソプラゾールを意味する。
【0029】(R)−ランソプラゾールまたは(S)−
ランソプラゾールを上記した製造方法により得た後、さ
らに後述の光学的純度を向上させる工程に付すのが好ま
しい。
【0030】上記した製造法により得られる(R)−ラ
ンソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールの光学
的純度を向上させるには、例えば特表平11−5085
90号公報(WO 97/02261)に記載の方法ま
たはこれに準じた方法、または以下の方法〔1〕または
〔2〕により実施される。
【0031】〔1〕(R)−ランソプラゾールを、
(S)−ランソプラゾールよりも多く含む溶液から、
(R)−ランソプラゾールの結晶を選択的に晶出させ、
晶出させた結晶を分取することにより(S)−ランソプ
ラゾールを実質的に含まない(R)−ランソプラゾール
の結晶を製造することができる。
【0032】〔2〕(S)−ランソプラゾールを、
(R)−ランソプラゾールよりも多く含む溶液から、
(S)−ランソプラゾールの結晶を選択的に晶出させ、
晶出させた結晶を分取することにより(R)−ランソプ
ラゾールを実質的に含まない(S)−ランソプラゾール
の結晶を製造することができる。
【0033】上記、〔1〕または〔2〕の操作後、晶出
した結晶を分取し、さらに一回または二回以上の再結晶
に付してもよい。
【0034】「選択的に晶出させる」方法としては、例
えば、該溶液を攪拌する方法、該溶液に種晶を加える方
法、該溶液の温度を変化させる方法、該溶液の溶媒組成
を変化させる方法、該溶液の液量を減少させる方法、ま
たはこれらの方法の二種以上を組合せる方法などが挙げ
られる。
【0035】「溶液を攪拌する方法」としては、例えば
(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾ
ールのいずれか一方を多く含む溶液を、約−80〜12
0℃、好ましくは約−20〜60℃、約0.01〜10
0時間、好ましくは約0.1〜10時間攪拌する方法が
挙げられる。
【0036】「溶液に種晶を加える方法」としては、例
えば(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプ
ラゾールのいずれか一方を多く含む溶液に、(1)粉末
X線回折の格子面間隔(d)が5.88、4.70、
4.35、3.66、3.48オングストロームに特徴
的なピークが現れる粉末X線回折パターンを示す結晶、
(2)粉末X線回折の格子面間隔(d)が8.33、
6.63、5.86、4.82オングストロームに特徴
的なピークが現れる粉末X線回折パターンを示す結晶、
(3)前記(1)および(2)の結晶の混合物または
(4)溶液中、前記(1)〜(3)に転移する固体
(例、粉末X線回折の格子面間隔(d)が11.68、
6.77、5.84、5.73、4.43、4.09、
3.94、3.89、3.69、3.41、3.11オ
ングストロームに特徴的ピークが現われる粉末X線回折
パターンを有する結晶、粉末X線回折の格子面間隔
(d)が8.86,8.01,6.58,5.91,
5.63,5.02,4.48オングストロームに特徴
的ピークが現われる粉末X線回折パターンを有する結
晶、粉末X線回折の格子面間隔(d)が8.37,4.
07,5.65,5.59,5.21,4.81,4.
21オングストロームに特徴的ピークが現われる粉末X
線回折パターンを有する結晶、粉末X線回折の格子面間
隔(d)が11.68、6.78、5.85、5.7
3、4.43、4.09、3.94、3.90、3.6
9、3.41、3.11オングストロームに特徴的なピ
ークが現われる粉末X線回折パターンを示す結晶など)
を種晶として添加する方法が挙げられる。
【0037】「溶液の温度を変化させる方法」として
は、例えば(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ラ
ンソプラゾールのいずれか一方を多く含む溶液の温度を
変化させる、好ましくは冷却(例、液温を5〜100℃
下げる)する方法が挙げられる。
【0038】「溶液の溶媒組成を変化させる方法」とし
ては、例えば(R)−ランソプラゾールまたは(S)−
ランソプラゾールのいずれか一方を多く含む溶液に、
水、低極性の有機溶媒(例、エステル類、エーテル類、
芳香族炭化水素類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類
またはこれら二種以上の混合物など)またはこれら二種
以上の混合物を添加する方法が挙げられる。
【0039】「溶液の液量を減少させる方法」として
は、例えば(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ラ
ンソプラゾールのいずれか一方を多く含む溶液から溶媒
を、留去、蒸発する方法などが挙げられる。
【0040】このうち好ましくは、(i)溶液を攪拌す
る方法、(ii)溶液を攪拌する方法および溶液に種晶を
加える方法をともに行う方法、(iii)溶液を攪拌する
方法および溶液の温度を変化させる方法をともに行う方
法、(iv)溶液を攪拌する方法および溶液の溶媒組成を
変化させる方法をともに行う方法、(v)溶液を攪拌す
る方法および溶液の液量を減少させる方法をともに行う
方法、(vi)溶液を攪拌する方法、溶液の温度を変化さ
せる方法および溶液に種晶を加える方法をともに行う方
法、(vii)溶液を攪拌する方法、溶液の溶媒組成を変
化させる方法および溶液に種晶を加える方法をともに行
う方法、(viii)溶液を攪拌する方法、溶液の液量を減
少させる方法および溶液に種晶を加える方法をともに行
う方法、(ix)溶液を攪拌する方法、溶液の温度を変化
させる方法および溶液の溶媒組成を変化させる方法をと
もに行う方法、(x)溶液を攪拌する方法、溶液の温度
を変化させる方法、溶液の溶媒組成を変化させる方法お
よび溶液に種晶を加える方法をともに行う方法、(xi)
溶液を攪拌する方法、溶液の温度を変化させる方法およ
び溶液の液量を減少させる方法をともに行う方法、(xi
i)溶液を攪拌する方法、溶液の温度を変化させる方
法、溶液の液量を減少させる方法および溶液に種晶を加
える方法をともに行う方法である。
【0041】晶出した結晶は、例えばろ過、遠心分離な
どの方法によって分取することができる。
【0042】かくして得られた結晶は、そのまま、ある
いは必要に応じ、乾燥させ、ついで必要に応じ、さらに
再結晶工程に付してもよい。
【0043】該「乾燥」としては、例えば、減圧乾燥、
通気乾燥、加熱乾燥、自然乾燥などが挙げられる。
【0044】例えば、不斉合成により得られた(R)−
ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールを使
用した場合、上記〔1〕または〔2〕の方法または必要
によりさらに一回または二回以上の再結晶に付すことに
より析出した結晶中の類縁物質(例、2−[[[3−メ
チル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2
−ピリジニル]メチル]チオ]−1H−ベンズイミダゾ
ールおよび(または)2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルホニル]−1H−ベンズイミダゾール
など)の量を低減させることができる。
【0045】具体的には、得られた結晶またはその乾燥
結晶を、溶媒(例、水、エステル類、ケトン類、フェノ
ール類、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素
類、アミド類、スルホキシド類、炭化水素類、ニトリル
類、ハロゲン化炭化水素類、ピリジン類またはこれら二
種以上の混合物等)に溶解後、必要に応じ脱水工程に付
した後、結晶を晶出させる。
【0046】該「脱水」としては、通常の脱水方法であ
ればよく、例えば、濃縮する方法、脱水剤〔例、無水硫
酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、モレキュラーシ
ーブ(商品名)〕を使用する方法などが挙げられる。
【0047】該「晶出」方法としては、前記の晶出方法
が挙げられる。
【0048】上記再結晶後の得られた結晶としては、
(1)未乾燥結晶の粉末X線回折の格子面間隔(d)が
5.88、4.70、4.35、3.66、3.48オ
ングストロームに特徴的なピークが現れる粉末X線回折
パターンを示す結晶、(2)未乾燥結晶の粉末X線回折
の格子面間隔(d)が8.33、6.63、5.86、
4.82オングストロームに特徴的なピークが現れる粉
末X線回折パターンを示す結晶、(3)前記(1)およ
び(2)の結晶の混合物、または(4)粉末X線回折の
格子面間隔(d)が11.68、6.77、5.84、
5.73、4.43、4.09、3.94、3.89、
3.69、3.41、3.11オングストロームに特徴
的ピークが現われる粉末X線回折パターンを有する結晶
が挙げられる。
【0049】また、結晶中の類縁物質の量は、1重量%
未満、好ましくは0.4重量%未満である。
【0050】再結晶工程で晶出した結晶は、例えばろ
過、遠心分離などの方法によって分取することができ
る。
【0051】かくして得られた結晶とは、そのまま、あ
るいは必要に応じ、乾燥し、ついで必要に応じ、さらに
第二の再結晶工程に付してもよい。
【0052】該「乾燥」としては、上記の「乾燥」と同
様の方法が挙げられる。
【0053】具体的には、得られた結晶を、溶媒(例、
水、エステル類、ケトン類、フェノール類、アルコール
類、エーテル類、芳香族炭化水素類、アミド類、スルホ
キシド類、炭化水素類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水
素類、ピリジン類またはこれら二種以上の混合物等)に
溶解後、必要に応じ脱水工程に付した後、結晶を晶出さ
せ、分取し、乾燥させる。
【0054】該「脱水」としては、上記の「脱水方法」
と同様の方法が挙げられる。
【0055】該「晶出」方法としては、前記の晶出方法
が挙げられる。
【0056】上記第二の再結晶工程で得られた結晶とし
ては、粉末X線回折の格子面間隔(d)が11.68、
6.77、5.84、5.73、4.43、4.09、
3.94、3.89、3.69、3.41、3.11オ
ングストロームに特徴的ピークが現われる粉末X線回折
パターンを有する(R)−または(S)−ランソプラゾ
ールの結晶が挙げられる。
【0057】第二の再結晶工程で晶出した結晶は、例え
ばろ過、遠心分離などの方法によって分取することもで
きる。
【0058】分取した結晶は、例えば減圧乾燥、通気乾
燥、加熱乾燥、自然乾燥などの方法により乾燥できる。
【0059】前記「エステル類」としては、例えば、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸エチルなどが挙
げられる。
【0060】前記「ケトン類」としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
が挙げられる。
【0061】前記「フェノール類」としては、例えば、
アニソールなどが挙げられる。
【0062】前記「アルコール類」としては、例えば、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチ
ル−1−プロパノール、ペンタノール、3−メチル−1
−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
【0063】前記「エーテル類」としては、例えば、t
−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、1,1−
ジエトキシプロパン、1,1−ジメトキシプロパン、
2,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルエーテル、
テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランなどが
挙げられる。
【0064】前記「芳香族炭化水素類」としては、例え
ば、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなど
が挙げられる。
【0065】前記「アミド類」としては、例えば、ホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げ
られる。
【0066】前記「スルホキシド類」としては、例え
ば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0067】前記「炭化水素類」としては、例えば、プ
ロパン、ヘキサン、ペンタン、オクタン、イソオクタン
などが挙げられる。
【0068】前記「ニトリル類」としては、例えば、ア
セトニトリルなどが挙げられる。
【0069】前記「ハロゲン化炭化水素類」としては、
例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエテ
ン、トリクロロエテンなどが挙げられる。
【0070】前記「ピリジン類」としては、例えば、ピ
リジンなどが挙げられる。
【0071】上記方法で晶出させた結晶またはその乾燥
結晶は、他の鏡像異性体を実質的に含まない。
【0072】上記した各種の方法により得られる(R)
−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールを
本発明の結晶の製造法に付す。
【0073】本発明の結晶の製造法について下記に詳述
する。
【0074】(1)(R)−ランソプラゾールまたは
(S)−ランソプラゾールを約0.1g/ml〜約0.
5g/mlの濃度で含有する酢酸C1-4アルキルエステ
ル溶液から約0℃〜約35℃の温度で晶出させる工程
【0075】まず、(R)−ランソプラゾールまたは
(S)−ランソプラゾールが酢酸C1- 4アルキルエステ
ルに約0.1g/ml〜約0.5g/ml(好ましくは
約0.1g/ml〜約0.35g/ml、より好ましく
は約0.2g/ml〜約0.3g/ml、特に好ましく
は約0.25g/ml〜約0.28g/ml)の濃度で
存在する状態を実現する。
【0076】例えば、(R)−ランソプラゾールまたは
(S)−ランソプラゾールに酢酸C 1-4アルキルエステ
ルの過剰量を加えて、所望により約30℃〜60℃に加
熱下、溶解させた後、減圧下で濃縮することにより所定
の濃度(約0.1g/ml〜約0.5g/ml)にする
ことができる。
【0077】ここで、濃度は、高速液体クロマトグラフ
ィーを使用する標準品溶液との面積比較法で測定され
る。以下にその測定法を詳細に説明する。
【0078】測定条件 Column: Shiseido CAPCELL PAK C18 SG120 5μm
4.6×250mm Column Temp.: 25℃ Mobile Phase: H2O:CH3CN:Et3N=50:5
0:1(リン酸でpHを7.0に調整) Flow rate: 1.0ml/min. Inject. Vol.: 10μl Wave length: 285nm
【0079】Sample調製 標準溶液:標準品約75mgを精秤し、移動相を加えて
100mlとする。試料溶液:酢酸エチル溶解液1ml
に移動相を加えて100mlとする。
【0080】濃度測定法 標準溶液および試料溶液10μlにつき、上記HPLC
条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、標準溶
液の(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプ
ラゾールのピーク面積AS、試料溶液の(R)−ランソ
プラゾールまたは(S)−ランソプラゾールのピーク面
積ATを自動積分法により測定し、次式により(R)−
ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールの濃
度を算出する。
【0081】
【数1】
【0082】かかる濃度は選択した溶媒によって適宜最
適範囲にすればよく、(R)−ランソプラゾールまたは
(S)−ランソプラゾールの飽和または過飽和状態とす
ることが結晶の晶出のために好ましい。
【0083】酢酸C1-4アルキルエステルとしては酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどが
挙げられる。好ましくは酢酸エチルまたは酢酸プロピル
が用いられる。
【0084】晶出は上記(R)−ランソプラゾールまた
は(S)−ランソプラゾールの酢酸C1-4アルキルエス
テル溶液を、晶出温度約0℃〜約35℃において放置ま
たは自体公知の方法により攪拌することにより行われ
る。
【0085】晶出温度の下限としては、好ましくは約1
0℃、より好ましくは約15℃、さらに好ましくは約2
0℃である。一方、晶出温度の上限としては、好ましく
は約30℃である。特に晶出温度としては約20℃〜約
30℃が好ましい。
【0086】晶出時間は約30分〜約10時間、好まし
くは約30分〜約4時間であり、特に約1時間〜約2時
間が好ましい。
【0087】本工程においては、溶液に種晶を加えても
よい。かかる種晶としては、後述するC5-8炭化水素の
滴下前、もしくは滴下中に溶液に加えてもよい種晶が挙
げられる。
【0088】本工程における操作は大気中、不活性ガス
雰囲気下、または不活性ガス気流下で行う。ここでいう
「不活性ガス」としては後述するC5-8炭化水素の滴下
の際に使用され得るものが挙げられる。
【0089】本工程により晶出した結晶をろ過、遠心分
離などの方法によって分取することができる。
【0090】分取した結晶は、必要に応じて酢酸C1-4
アルキルエステル−C5-8炭化水素(1:0〜1:1
0)混合液などで洗浄しても良い。なお、ここでいう酢
酸C1-4アルキルエステルとしては前述したものが挙げ
られ、また、C5-8炭化水素としては後述するものが挙
げられる。また分取した結晶は、例えば減圧乾燥、通気
乾燥、加熱乾燥、自然乾燥などの方法により乾燥でき
る。
【0091】本工程により得られた結晶は、保存安定性
に優れた結晶であり、そのまま後述の医薬品として使用
し得るものである。しかしながら、下記の工程(2)を
さらに実施することにより、目的とする保存安定性に優
れた結晶を収率よく得ることが出来る。
【0092】(2)(1)の工程についで同温度で該酢
酸C1-4アルキルエステル溶液量の7倍量以下のC5-8
化水素を滴下する工程
【0093】上記(1)の工程で晶出した結晶を分取後
または分取せずに本工程に付すことによりさらに結晶を
晶出させることができる。
【0094】本工程は上記(1)の工程において結晶が
析出した後に行うことが好ましい。好ましくは原料とし
て加えた(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ラン
ソプラゾールのうち少なくとも約20重量%、より好ま
しくは約30重量%〜約90重量%、特に好ましくは約
50重量%〜約90重量%が結晶として析出した後に行
う。
【0095】本工程における結晶の晶出温度は(1)の
工程と同様である。
【0096】C5-8炭化水素としては、ペンタン、イソ
ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、3
−メチルペンタン、ネオヘキサン、2,3−ジメチルブ
タン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキ
サン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタ
ン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペン
タン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメ
チルブタン、オクタン、イソオクタンなどの直鎖または
分枝のC5-8脂肪族炭化水素またはトルエン、キシレン
などのC7-8芳香族炭化水素が挙げられる。好ましくは
ヘプタンあるいはヘキサンなどの直鎖C5-8脂肪族炭化
水素が用いられる。
【0097】C5-8炭化水素の滴下量は、(1)の工程
における(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ラン
ソプラゾールの酢酸C1-4アルキルエステル溶液量の7
倍量以下、好ましくは5倍量以下、より好ましくは1倍
量〜3倍量である。
【0098】滴下は、溶液を静置下または攪拌下、例え
ば約15分〜約4時間(好ましくは約1時間〜約2時
間)かけてほぼ等量づつを逐次滴下することにより行わ
れる。
【0099】また、滴下の際の温度も上記晶出温度に調
節しておくことが好ましい。
【0100】本工程においてはC5-8炭化水素の滴下
前、もしくは滴下中に溶液に種晶を加えてもよい。
【0101】かかる種晶としては、例えば、(1)粉末
X線回折の格子面間隔(d)が5.88、4.70、
4.35、3.66、3.48オングストロームに特徴
的なピークが現れる粉末X線回折パターンを示す結晶、
(2)粉末X線回折の格子面間隔(d)が8.33、
6.63、5.86、4.82オングストロームに特徴
的なピークが現れる粉末X線回折パターンを示す結晶、
(3)粉末X線回折の格子面間隔(d)が11.68、
6.77、5.84、5.73、4.43、4.09、
3.94、3.89、3.69、3.41、3.11オ
ングストロームに特徴的ピークが現われる粉末X線回折
パターンを有する結晶、(4)粉末X線回折の格子面間
隔(d)が8.86、8.01、6.58、5.91、
5.63、5.02、4.48オングストロームに特徴
的ピークが現われる粉末X線回折パターンを有する結
晶、(5)粉末X線回折の格子面間隔(d)が8.3
7、4.07、5.65、5.59、5.21、4.8
1、4.21オングストロームに特徴的ピークが現われ
る粉末X線回折パターンを有する結晶、(6)粉末X線
回折の格子面間隔(d)が11.68、6.78、5.
85、5.73、4.43、4.09、3.94、3.
90、3.69、3.41、3.11オングストローム
に特徴的なピークが現われる粉末X線回折パターンを示
す結晶、(7)前記(1)〜(6)のうち二つ以上の結
晶の混合物または(8)溶液中、前記(1)〜(6)に
転移する固体が挙げられる。
【0102】滴下後、所望によりさらに約1時間〜約3
時間静置または攪拌してもよい。
【0103】本工程における操作は大気中、不活性ガス
雰囲気下、または不活性ガス気流下で行う。該「不活性
ガス」としては例えば窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ンなどが挙げられる。
【0104】本工程により晶出した結晶をろ過、遠心分
離などの方法によって分取することができる。
【0105】分取した結晶は、必要に応じて酢酸C1-4
アルキルエステル−C5-8炭化水素(1:0〜1:1
0)混合液などで洗浄しても良い。なお、ここでいう酢
酸C1-4アルキルエステルおよびC5-8炭化水素として
は、前述したものが挙げられる。また分取した結晶は、
例えば減圧乾燥、通気乾燥、加熱乾燥、自然乾燥などの
方法により乾燥できる。
【0106】得られた結晶の解析方法としては、X線回
折による結晶解析の方法が一般的である。さらに、結晶
の方位を決定する方法としては、機械的な方法または光
学的な方法なども挙げられる。
【0107】上記製造方法(工程(1)のみを実施、ま
たは工程(1)実施の後、工程(2)を実施)により晶
出した結晶は、以下のDSC測定(昇温速度0.5℃/
min)による融解開始温度を有する。ここでいう「融
解開始温度」とは、例えば、後述するDSC測定条件下
で、結晶を加温した場合に結晶の融解が始まる温度をい
う。当該結晶は、約131℃以上、好ましくは約131
℃〜約137℃、より好ましくは約132℃〜約135
℃、さらに好ましくは約133℃〜約135℃、特に好
ましくは約135℃の融解開始温度を有する。例えば、
上記工程(1)で得られる結晶の融解開始温度は約13
5℃となり得る。また、上記工程(1)実施の後、工程
(2)で得られる結晶の融解開始温度は約132℃〜約
135℃となり得る。
【0108】一方、従来の方法で得られる結晶の融解開
始温度は約131℃未満である。例えば、後述の参考例
3の方法で得られる結晶の融解開始温度は、約125℃
〜約130℃である。
【0109】上記製造方法により得られる融解開始温度
が約131℃以上である結晶は、従来の方法で得られる
融解開始温度が約131℃未満である結晶に比べ、非常
に優れた保存安定性を有する。例えば、後述する安定性
試験(40℃・一ヶ月残存率、60℃・一ヶ月残存率)
において、本発明の製造方法による結晶は、残存率が9
9%以上であるのに対して、先行技術の方法による結晶
の残存率は94%未満である。しかも先行技術の方法に
よる結晶は保存中に顕著な着色が見られる。
【0110】したがって、本発明の製造方法により得ら
れる融解開始温度が約131℃以上である結晶は、この
ような優れた保存安定性を有することにより、従来法に
より得られる融解開始温度が約131℃未満である結晶
よりも医薬品として有利に使用することができる。
【0111】本発明の結晶の製造法により得られた
(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾ
ールの結晶は優れた抗潰瘍作用、胃酸分泌抑制作用、粘
膜保護作用、抗ヘリコバクターピロリ作用等を有し、ま
た毒性は低いため、医薬品として有用である。(R)−
ランソプラゾールまたは(S)−ランソプラゾールの乾
燥結晶は(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ラン
ソプラゾールの晶出させた結晶(未乾燥結晶)よりも安
定であり、医薬品として用いる場合には(R)−ランソ
プラゾールまたは(S)−ランソプラゾールの乾燥物と
しての結晶が好ましく用いられる。
【0112】本発明の方法で晶出させた結晶または乾燥
結晶は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ヒツジ、ウシ、ウ
マ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)におい
て、消化性潰瘍(例、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰
瘍、ゾリンジャー・エリソン(Zollinger-Ellison)症
候群等)、胃炎、逆流性食道炎、NUD(Non Ulcer Dy
spepsia)、胃癌(インターロイキン−1の遺伝子多形
によるインターロイキン−1βの産生促進に伴う胃癌を
含む)、胃MALTリンパ腫等の治療および予防、ヘリ
コバクター・ピロリ除菌、消化性潰瘍、急性ストレス潰
瘍および出血性胃炎による上部消化管出血の抑制、侵襲
ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術や集中
治療を必要とする脳血管障害、頭部外傷、多臓器不全、
広範囲熱傷から起こるストレス)による上部消化管出血
の抑制、非ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍の治療
および予防;手術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍
の治療および予防、麻酔前投与等に有用である。ヘリコ
バクター・ピロリ除菌のためには、本発明の方法で晶出
させた結晶または乾燥結晶と、ペニシリン系抗生物質
(例、アモキシシリン等)およびエリスロマイシン系抗
生物質(例、クラリスロマイシン等)とが好ましく用い
られる。
【0113】上記した種々の医薬用途に用いる場合、
(R)−ランソプラゾールの結晶が好ましく用いられ
る。
【0114】本発明の結晶は、そのままあるいは自体公
知の方法に従って、薬理学的に許容される担体を混合し
た医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティ
ング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカ
プセルを含む)、口腔内崩壊錠、液剤、注射剤、坐剤、
徐放剤、貼布剤などとして、経口的または非経口的
(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与すること
ができる。
【0115】本発明の医薬組成物中の結晶の含有量は、
組成物全体の約0.01ないし100重量%である。該
投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などによっても
異なるが、例えば抗潰瘍剤として、成人(60kg)に
対し経口的に投与する場合、有効成分として約0.5〜
1500mg/日、好ましくは約5〜150mg/日で
ある。本発明の結晶は、1日1回または2〜3回に分け
て投与してもよい。
【0116】本発明の医薬組成物の製造に用いられても
よい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材とし
て慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例
えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊
剤、水溶性高分子、塩基性無機塩;液状製剤における溶
剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化
剤などが挙げられる。また、必要に応じて、通常の防腐
剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、発泡剤、香料
などの添加物を用いることもできる。
【0117】該「賦形剤」としては、例えば乳糖、白
糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結
晶セルロース、軽質無水ケイ酸、酸化チタンなどが挙げ
られる。
【0118】該「滑沢剤」としては、例えばステアリン
酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレン
グリコール、タルク、ステアリン酸などが挙げられる。
【0119】該「結合剤」としては、例えばヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、結晶セルロース、αデンプン、ポリビニルピロリ
ドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、低置換度
ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
【0120】該「崩壊剤」としては、(1)クロスポビ
ドン、(2)クロスカルメロースナトリウム(FMC−
旭化成)、カルメロースカルシウム(五徳薬品)などス
ーパー崩壊剤と称される崩壊剤、(3)カルボキシメチ
ルスターチナトリウム(例、松谷化学(株)製)、
(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(例、信
越化学(株)製)、(5)コーンスターチ等が挙げられ
る。該「クロスポピドン」としては、ポリビニルポリピ
ロリドン(PVPP)、1−ビニル−2−ピロリジノン
ホモポリマーと称されているものも含め、1−エテニル
−2−ピロリジノンホモポリマーという化学名を有し架
橋されている重合物のいずれであってもよく、具体例と
しては、コリドンCL(BASF社製)、ポリプラスド
ンXL(ISP社製)、ポリプラスドンXL−10(I
SP社製)、ポリプラスドンINF−10(ISP社
製)などである。
【0121】該「水溶性高分子」としては、例えばエタ
ノール可溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプロピ
ルセルロース(以下、HPCと記載することがある)な
どのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンなど〕、
エタノール不溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(以下、HPMCと記載するこ
とがある)、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースナトリウムなどのセルロース誘導体、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナ
トリウム、グアーガムなど〕などが挙げられる。
【0122】該「塩基性無機塩」としては、例えば、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウムおよび/またはカル
シウムの塩基性無機塩が挙げられる。好ましくはマグネ
シウムおよび/またはカルシウムの塩基性無機塩であ
る。さらに好ましくはマグネシウムの塩基性無機塩であ
る。該ナトリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナト
リウムなどが挙げられる。該カリウムの塩基性無機塩と
しては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなど
が挙げられる。該マグネシウムの塩基性無機塩として
は、例えば、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸
アルミン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン
酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト〔Mg6Al
2(OH)16・CO3・4H2O〕および水酸化アルミナ
・マグネシウム、好ましくは、重質炭酸マグネシウム、
炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウムなどが挙げられる。該カルシウムの塩基性無機塩と
しては、例えば、沈降炭酸カルシウム、水酸化カルシウ
ムなどが挙げられる。
【0123】該「溶剤」としては、例えば注射用水、ア
ルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ
油、トウモロコシ油、オリーブ油などが挙げられる。
【0124】該「溶解補助剤」としては、例えばポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニ
トール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノ
メタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸
ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0125】該「懸濁化剤」としては、例えばステアリ
ルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラ
ウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセ
リンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
【0126】該「等張化剤」としては、例えばブドウ
糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリ
ン、D−マンニトールなどが挙げられる。
【0127】該「緩衝剤」としては、例えばリン酸塩、
酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げら
れる。
【0128】該「無痛化剤」としては、例えばベンジル
アルコールなどが挙げられる。
【0129】該「防腐剤」としては、例えばパラオキシ
安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアル
コール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビ
ン酸などが挙げられる。
【0130】該「抗酸化剤」としては、例えば亜硫酸
塩、アスコルビン酸、α−トコフェロールなどが挙げら
れる。
【0131】該「着色剤」としては、例えば食用黄色5
号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素;食用
レーキ色素、ベンガラなどが挙げられる。
【0132】該「甘味剤」としては、例えばサッカリン
ナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテー
ム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。
【0133】該「酸味剤」としては、例えばクエン酸
(無水クエン酸)、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられ
る。
【0134】該「発泡剤」としては、例えば重曹などが
挙げられる。
【0135】該「香料」としては、合成物および天然物
のいずれでもよく、例えばレモン、ライム、オレンジ、
メントール、ストロベリーなどが挙げられる。
【0136】本発明の結晶は、自体公知の方法に従い、
例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤などを添加
して圧縮成形し、ついで必要により、味のマスキング、
腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコ
ーティングすることにより経口投与製剤とすることがで
きる。腸溶性製剤とする場合、腸溶層と薬剤含有層との
間に両層の分離を目的として、自体公知の方法により中
間層を設けることもできる。
【0137】本発明の結晶を口腔内崩壊錠とする場合、
例えば、結晶セルロースおよび乳糖を含有する核を、本
発明の結晶および塩基性無機塩で被覆し、さらに水溶性
高分子を含む被覆層で被覆して組成物を得、得られた組
成物をポリエチレングリコールを含有する腸溶性被覆層
で被覆し、クエン酸トリエチルを含有する腸溶性被覆層
で被覆し、ポリエチレングリコールを含有する腸溶性被
覆層で被覆し、さらにマンニトールで被覆して細粒を
得、得られた細粒と添加剤とを混合し、成形する方法等
が挙げられる。上記「腸溶性被覆層」としては、例え
ば、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシ
メチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリ
ル酸共重合体〔例えば、オイドラギット(Eudrag
it) L30D−55(商品名;レーム社製)、コリコ
ートMAE30DP(商品名;BASF社製)、ポリキ
ッドPA30(商品名;三洋化成社製)など〕、カルボ
キシメチルエチルセルロース、セラックなどの水系腸溶
性高分子基剤;メタアクリル酸共重合体〔例えば、オイ
ドラギットNE30D(商品名)、オイドラギットRL
30D(商品名)、オイドラギットRS30D(商品
名)など〕などの徐放性基剤;水溶性高分子;クエン酸
トリエチル、ポリエチレングリコール、アセチル化モノ
グリセリド、トリアセチン、ヒマシ油などの可塑剤等の
一種または二種以上混合したものなどが挙げられる。上
記「添加剤」としては、例えば水溶性糖アルコール
(例、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還
元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチノース、エリ
スリトールなど)、結晶セルロース(例、セオラスKG
801、アビセルPH 101、アビセルPH 10
2、アビセルPH 301、アビセルPH 302、ア
ビセルRC−591(結晶セルロース・カルメロースナ
トリウム)など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース(例、LH−22、LH−32、LH−23、LH
−33(信越化学(株))およびこれらの混合物など)
などが用いられ、さらに結合剤、酸味料、発泡剤、甘味
剤、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、賦形剤、崩壊剤
なども用いられる。
【0138】本発明の結晶は、さらに他の1ないし3種
の活性成分と併用してもよい。
【0139】該「他の活性成分」としては、例えば、抗
ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミダゾール系化合
物、ビスマス塩、キノロン系化合物等が挙げられる。こ
のうち、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミダゾ
ール系化合物等が好ましい。該「抗ヘリコバクター・ピ
ロリ活性物質」としては、例えばペニシリン系抗生物質
(例、アモキシシリン、ベンジルペニシリン、ピペラシ
リン、メシリナム等)、セフェム系抗生物質(例、セフ
ィキシム、セファクロル等)、マクロライド系抗生物質
(例、エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、テ
トラサイクリン系抗生物質(例、テトラサイクリン、ミ
ノサイクリン、ストレプトマイシン等)、アミノグリコ
シド系抗生物質(例、ゲンタマイシン、アミカシン
等)、イミペネムなどが挙げられる。中でもペニシリン
系抗生物質、マクロライド系抗生物質等が好ましい。特
に、ペニシリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質お
よび(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソプ
ラゾールの結晶の3剤併用療法が好ましい。該「イミダ
ゾール系化合物」としては、例えばメトロニダゾール、
ミコナゾール等が挙げられる。該「ビスマス塩」として
は、例えばビスマス酢酸塩、ビスマスクエン酸塩等が挙
げられる。該「キノロン系化合物」としては、例えばオ
フロキサシン、シプロキサシン等が挙げられる。
【0140】該「他の活性成分」と本発明の結晶とを自
体公知の方法に従って混合し、ひとつの医薬組成物(例
えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル
を含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤など)中に製剤
化して併用してもよく、それぞれを別々に製剤化し、同
一対象に対して同時にまたは時間差を置いて投与しても
よい。
【0141】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0142】粉末X線回折は、X−ray Diffr
actometer RINT Ultima+(Ri
gaku)を用いて測定した。
【0143】融解開始温度は、DSC(示差走査熱量計
SEIKO DSC220C)を用いて以下の測定条
件により測定した。
【0144】DSC測定条件; 温度範囲:室温〜220℃ 昇温速度:0.5℃/min. 試料容器:アルミニウムパン(カバーなし) 雰囲気:窒素ガス(100mL/min.)
【0145】鏡像体過剰率(%ee)は、以下の条件
(A)の光学活性カラムを用いる高速液体クロマトグラ
フィーにより測定した。
【0146】スルフィド体およびスルホン体の存在量
は、以下の条件(A)の光学活性カラムを用いる高速液
体クロマトグラフィーまたは条件(B)の高速液体クロ
マトグラフィーにより測定した。
【0147】高速液体クロマトグラフィー条件(A); カラム:CHIRALCEL OD(4.6×250m
m;ダイセル化学工業(株)製) 移動層:ヘキサン/エタノール=90/10 流速:1.0ml/min 検出:UV285nm
【0148】高速液体クロマトグラフィー条件(B); カラム:CAPCELL PAK C18 SG120 5μm 4.6×25
0mm(資生堂(株)製) 移動層:アセトニトリル:水:トリエチルアミン混液
(50:50:1)にリン酸を加えて、pH7.0に調
整したもの。 流速:1.0ml/min 検出:UV285nm
【0149】参考例1 不斉酸化による(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ルを含む溶液の製造
【0150】2−[[[3−メチル−4−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]
チオ]−1H−ベンズイミダゾール一水和物(6kg,
16.2mol)を80℃で21時間減圧乾燥すること
により2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリ
フルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]チオ]
−1H−ベンズイミダゾール(5.73kg,水分含量
0.0364%)を得た。窒素気流下、2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]チオ]−1H−ベンズイミダ
ゾール(5.00kg,14.1mol,水分1.82
gを含む)、トルエン(25L)、水(13.18g,
0.732mol,全水分量として0.833mo
l)、(+)−酒石酸ジエチル(531mL,3.10
mol)を混合した。窒素気流下、50〜60℃でチタ
ニウム(IV)イソプロポキシド(414ml,1.4
0mol)を添加し、同温度で30分間攪拌した。窒素
気流下、15〜25℃で、ジイソプロピルエチルアミン
(815ml,4.68mol)を加えた後、−10〜
5℃でクメンヒドロペルオキシド(7.65L,含量8
2%、42.7mol)を加え、−8〜2℃で3時間攪
拌することにより反応させた。
【0151】該反応液を高速液体クロマトグラフィー
(条件(A))にて分析した結果を示す。
【0152】該反応液中の(R)−2−[[[3−メチ
ル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−
ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイ
ミダゾールの鏡像体過剰率は96.9%eeであった。
【0153】該反応液を高速液体クロマトグラフィー
(条件(B))にて分析した結果、該反応液中の類縁物
質としては、スルフィド体1.0%、スルホン体1.7
%が存在し、その他の類縁物質は存在しなかった。
【0154】参考例2 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの精製法
【0155】(1)上記参考例1で得られた反応液に、
窒素気流下、30%チオ硫酸ナトリウム水溶液(13.
5kg)を加え、残存するクメンヒドロペルオキシドを
分解した。液量が約25Lになるまで減圧濃縮した。0
〜10℃を保ちながら、ヘプタン−t−ブチルメチルエ
ーテル(ヘプタン:t−ブチルメチルエーテル=1:
1)(20L)を滴下、ついでヘプタン(70L)を滴
下した。析出結晶を分離し、冷t−ブチルメチルエーテ
ル−トルエン(t−ブチルメチルエーテル:トルエン=
4:1)(5L)で洗浄した。
【0156】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、該結晶中の(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの鏡像体過剰率は98.3%
eeであった。
【0157】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(B))にて分析した結果、該結晶中の類縁物質とし
ては、スルフィド体0.45%、スルホン体1.8%が
存在し、その他の類縁物質は存在しなかった。
【0158】(2)上記(1)で得られた湿結晶のアセ
トン(20L)懸濁液を、アセトン(7.5L)および
水(37.5L)の混液中に滴下し、ついで水(52.
5L)を加えた。析出結晶を分離し、冷アセトン−水
(アセトン:水=1:3)(5L)および水(6.5
L)で洗浄した。
【0159】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、該結晶中の(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの鏡像体過剰率は100%e
eであった。
【0160】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(B))にて分析した結果、該結晶中の類縁物質とし
ては、スルフィド体0.19%、スルホン体0.08%
が存在し、その他の類縁物質は存在しなかった。
【0161】(3)上記(2)で得られた湿結晶を酢酸
エチル(50L)に懸濁後、硫酸マグネシウム(2.5
kg)を加えた。硫酸マグネシウムを分離し、酢酸エチ
ル(3.5L)で洗浄した。トリエチルアミン(250
mL)添加した後、減圧下で液量が約10Lになるまで
濃縮した。濃縮液にメタノール(2.5L)、約50℃
の約12.5%アンモニア水(25.5L)、約50℃
のt−ブチルメチルエーテル(24.5L)を加え、分
液した。有機層に約50℃の約12.5%アンモニア水
(12L)を加え、分液した(本操作をもう一回繰り返
した)。水層を合わせ、酢酸エチル(24.5L)を加
え、20℃以下で、酢酸を滴下し、pHを約8に調整し
た。分液し、水層を酢酸エチル(24.5L)で抽出し
た。有機層を合わせ、約20%食塩水(24.5L)で
洗浄した。トリエチルアミン(250mL)添加後、有
機層を減圧濃縮した。濃縮物にアセトン(5.55L)
を加え、減圧濃縮した。濃縮物をアセトン(10L)に
溶解させ、同液をアセトン(5L)および水(25L)
の混合液へ滴下し、ついで得られた混合液に水(20
L)を滴下した。析出結晶を分離し、冷アセトン−水
(1:3)(4L)、水(13L)で順次洗浄した。
【0162】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、該結晶中の(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの鏡像体過剰率は100%e
eであった。
【0163】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(B))にて分析した結果、該結晶中の類縁物質とし
ては、スルフィド体0.018%、スルホン体0.01
6%が存在し、その他の類縁物質は存在しなかった。
【0164】参考例3 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの精製法
【0165】上記参考例2の方法で得られた湿結晶を酢
酸エチル(43L)に溶解した。分離した水層を分液操
作により分離し、得られた有機層を、液量が約19Lに
なるまで減圧濃縮した。残留液に酢酸エチル(48L)
を加えた後、液量が約19Lになるまで減圧濃縮した。
残留液に酢酸エチル(48L)および活性炭(360
g)を加え、攪拌した後、活性炭をろ過により除去し
た。ろ液を液量が約19Lになるまで減圧濃縮した。約
40℃でヘプタン(150L)を残留液物に滴下した。
同温度で約30分間攪拌後、結晶を分離し、約40℃の
酢酸エチル−ヘプタン(1:8、8L)で洗浄した。乾
燥し、表記化合物を4.5kg得た。
【0166】該結晶を粉末X線回折により分析した結果
を以下に示す。
【0167】該結晶は、粉末X線回折の格子面間隔
(d)が11.68、6.77、5.84、5.73、
4.43、4.09、3.94、3.89、3.69、
3.41、3.11オングストロームに特徴的なピーク
が現れる粉末X線回折パターンを示した。
【0168】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質とし
て、スルホン体0.02%が存在し、スルフィド体およ
びその他の類縁物質は存在しなかった。該結晶中の
(R)−ランソプラゾールの鏡像体過剰率は、100%
eeであった。
【0169】また、該結晶の融解開始温度は127.5
℃であった。
【0170】参考例4 (S)−ランソプラゾールの製造
【0171】(1)窒素雰囲気下、2−[[[3−メチ
ル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−
ピリジニル]メチル]チオ]−1H−ベンズイミダゾー
ル(50.0g,0.14mol,水分20mgを含
む)、トルエン(250ml)、水(130mg,0.
0072mol,全水分量として0.0083mol)
および(−)−酒石酸ジエチル(5.31ml,0.0
31mol)を混合した。窒素雰囲気下、50℃で混合
物にチタニウム(IV)イソプロポキシド(4.14m
l,0.014mol)を添加し、50〜55℃で1時
間攪拌した。窒素雰囲気下、冷却下で、得られた混合液
にジイソプロピルエチルアミン(8.13ml,0.0
47mol)を加えた後、−10〜0℃でクメンヒドロ
ペルオキシド(76.50ml,含量82%、0.42
mol)を加え、−5〜5℃で3.5時間攪拌し、反応
液を得た。
【0172】反応液を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、反応液中の(S)−ラン
ソプラゾールの鏡像体過剰率は96.5%eeであっ
た。
【0173】該反応液を高速液体クロマトグラフィー
(条件(B))にて分析した結果、反応液中の類縁物質
として、スルホン体1.90%およびスルフィド体1.
50%が存在し、その他の類縁物質は存在しなかった。
【0174】(2)上記(1)で得られた反応液に、窒
素気流下、30%チオ硫酸ナトリウム水溶液(180m
l)を加え、残存するクメンヒドロペルオキシドを分解
した。分液し、得られた有機層に、水(50ml)、ヘ
プタン(150ml)、t−ブチルメチルエーテル(2
00ml)およびヘプタン(300ml)を順次加え、
晶出させた。結晶を分離し、t−ブチルメチルエーテル
−トルエン(t−ブチルメチルエーテル:トルエン=
4:1)(45ml)で洗浄し、以下の粉末X線回折の
格子面間隔(d)を有する(S)−ランソプラゾールを
湿結晶として得た。
【0175】該湿結晶を粉末X線回折により分析した結
果、該湿結晶は、粉末X線回折の格子面間隔(d)が
5.88、4.70、4.35、3.66、3.48オ
ングストロームに特徴的なピークが現れる粉末X線回折
パターンを示した。
【0176】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、結晶の鏡像体過剰率は、
100%eeであった。
【0177】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(B))にて分析した結果、結晶中の類縁物質とし
て、スルホン体0.72%が存在し、スルフィド体およ
びその他の類縁物質は存在しなかった。
【0178】(3)上記(2)で得られた湿結晶のアセ
トン(220ml)懸濁液を、アセトン(75ml)お
よび水(370ml)の混液中に滴下し、ついで水(5
20ml)を加えた。析出結晶を分離し、アセトン−水
(アセトン:水=1:3)(44ml)および水(13
0ml)で洗浄し、以下の粉末X線回折の格子面間隔
(d)を有する(S)−ランソプラゾールを湿結晶とし
て得た。
【0179】該湿結晶を粉末X線回折により分析した結
果、粉末X線回折の格子面間隔(d)が8.33、6.
63、5.86、4.82オングストロームに特徴的な
ピークが現れる粉末X線回折パターンを示した。
【0180】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、結晶の鏡像体過剰率は、
100%eeであった。
【0181】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(B))にて分析した結果、結晶中の類縁物質とし
て、スルホン体、スルフィド体およびその他の類縁物質
は存在しなかった。
【0182】参考例5 (S)−ランソプラゾールの製造
【0183】参考例4に準じて得られた湿結晶(表題化
合物35.37g含有,類縁物質存在量:0%,鏡像体
過剰率:100%ee)を酢酸エチル(340ml)に
溶解した。分離した水層を分液操作により分離し、得ら
れた有機層を、液量が約100mlになるまで減圧濃縮
した。残留液に酢酸エチル(400ml)および活性炭
(3g)を加え、攪拌した後、活性炭をろ過により除去
した。ろ液を、液量が約100mlになるまで減圧濃縮
した。約40℃でヘプタン(1000ml)を残留液物
に滴下した。同温度で約30分間攪拌後、結晶を分離
し、約40℃の酢酸エチル−ヘプタン(1:8,63m
l)で洗浄した。乾燥し、表題化合物を35.08g
(収率:99.2%)得た。
【0184】該結晶を粉末X線回折により分析した結
果、該結晶は、粉末X線回折の格子面間隔(d)が1
1.68、6.77、5.84、5.73、4.43、
4.09、3.94、3.89、3.69、3.41、
3.11オングストロームに特徴的なピークが現れる粉
末X線回折パターンを示した。
【0185】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質とし
て、スルホン体、スルフィド体およびその他の類縁物質
は存在しなかった。該結晶中の(S)−ランソプラゾー
ルの鏡像体過剰率は、100%eeであった。
【0186】また、該結晶の融解開始温度は127.0
℃であった。
【0187】参考例6 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(1.5
g、4.06mmol)を酢酸エチル(30mL)に溶
解させた後、外温約25℃で6mLまで減圧濃縮した。
約−5℃でヘプタン(24mL)を約30分間で滴下し
た。約2.5時間の攪拌の後、析出結晶を分離し、乾燥
し、題記化合物(1.46g、収率:97.3%)を得
た。
【0188】該結晶を粉末X線回折により分析した結
果、該結晶は、粉末X線回折の格子面間隔(d)が1
1.68、6.77、5.84、5.73、4.43、
4.09、3.94、3.89、3.69、3.41、
3.11オングストロームに特徴的なピークが現れる粉
末X線回折パターンを示した。
【0189】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質とし
て、スルホン体、スルフィド体およびその他の類縁物質
は存在しなかった。該結晶中の(R)−ランソプラゾー
ルの鏡像体過剰率は、100%eeであった。
【0190】また、該結晶の融解開始温度は130.0
℃であった。
【0191】参考例7 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(1.5
g、4.06mmol)を酢酸エチル(30mL)に溶
解させた後、外温約25℃で20mLまで減圧濃縮し
た。約25℃でヘプタン(90mL)を約30分間で滴
下した。約2.5時間の攪拌の後、析出結晶を分離し、
乾燥し、題記化合物(1.40g、収率:93.3%)
を得た。
【0192】該結晶を粉末X線回折により分析した結
果、該結晶は、粉末X線回折の格子面間隔(d)が1
1.68、6.77、5.84、5.73、4.43、
4.09、3.94、3.89、3.69、3.41、
3.11オングストロームに特徴的なピークが現れる粉
末X線回折パターンを示した。
【0193】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質とし
て、スルホン体、スルフィド体およびその他の類縁物質
は存在しなかった。該結晶中の(R)−ランソプラゾー
ルの鏡像体過剰率は、100%eeであった。また、該
結晶の融解開始温度は128.5℃であった。
【0194】実施例1 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの高融点結晶の
製造法
【0195】上記参考例2の方法で得られた湿結晶を酢
酸エチル(50L)に溶解させた後、分液した。有機層
を減圧下で液量が約25Lになるまで濃縮した。残留物
に酢酸エチル(30L)を加えた後、減圧下で液量が約
15Lになるまで濃縮した。残留物に酢酸エチル(30
L)および活性炭(150g)を加えた。活性炭を除去
し、酢酸エチル(1.5L)で洗浄した。(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの濃度が約0.28g/mL
になるまで、ろ洗液を減圧下で濃縮した(12.5
L)。窒素気流下、約25℃で約2時間攪拌し、結晶の
析出を確認後、ヘプタン(25L)を約1.5時間かけ
て滴下、ついで約1.5時間攪拌した。析出結晶を分離
し、酢酸エチル−ヘプタン(酢酸エチル:ヘプタン=
1:5)(6L)で洗浄後、乾燥し、題記化合物(3.
66kg,2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]チ
オ]−1H−ベンズイミダゾール基準の収率:70%)
を得た。
【0196】該結晶を粉末X線回折により分析した結
果、該結晶は、粉末X線回折の格子面間隔(d)が1
1.68、6.77、5.84、5.73、4.43、
4.09、3.94、3.89、3.69、3.41、
3.11オングストロームに特徴的なピークが現れる粉
末X線回折パターンを示した。
【0197】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、該結晶中の(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの鏡像体過剰率は100%e
eであった。
【0198】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(B))にて分析した結果、該結晶中の類縁物質とし
ては、スルホン体0.01%が存在し、スルフィド体お
よびその他の類縁物質は存在しなかった。また該結晶の
融解開始温度は、134.0℃であった。
【0199】実施例2 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(3g、
8.12mmol)を酢酸エチル(12mL)に約50
℃で溶解させた後、約25℃で約6時間攪拌した。析出
結晶を分離し、酢酸エチル−ヘプタン(酢酸エチル:ヘ
プタン=1:5)(3mL)で洗浄後、乾燥し、題記化
合物(1.55g、収率:52%)を得た。
【0200】該結晶を粉末X線回折により分析した結
果、該結晶は、粉末X線回折の格子面間隔(d)が1
1.68、6.77、5.84、5.73、4.43、
4.09、3.94、3.89、3.69、3.41、
3.11オングストロームに特徴的なピークが現れる粉
末X線回折パターンを示した。
【0201】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、結晶中の類縁物質とし
て、スルホン体、スルフィド体およびその他の類縁物質
は存在しなかった。該結晶中の(R)−ランソプラゾー
ルの鏡像体過剰率は、100%eeであった。
【0202】該結晶の融解開始温度は、135.0℃で
あった。
【0203】実施例3 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(1.5
g、4.06mmol)をn−酢酸プロピル(30m
L)に溶解させた後、外温約25℃で6mLまで減圧濃
縮した。約2.5時間の攪拌の後、析出結晶を分離し、
乾燥し、題記化合物(0.94g、収率:63%)を得
た。該結晶の融解開始温度は、134.5℃であった。
【0204】実施例4 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(3.0
g、8.12mmol)を酢酸エチル(12mL)に約
50℃で溶解させた後、約25℃で約2.5時間攪拌し
た。結晶の析出を確認後、これにヘプタン(60mL)
を約15分かけて滴下した後、析出結晶を分離し、酢酸
エチル−ヘプタン(酢酸エチル:ヘプタン=1:5)
(3mL)で洗浄後、乾燥し、題記化合物(2.84
g、収率:95%)を得た。
【0205】該結晶の融解開始温度は、133.5℃で
あった。
【0206】実施例5 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(3.0
g、8.12mmol)を酢酸エチル(12mL)に約
50℃で溶解させた後、約25℃で約2時間攪拌した。
結晶の析出を確認後、これにヘキサン(24mL)を約
20分かけて滴下した後、析出結晶を分離し、酢酸エチ
ル−ヘキサン(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)(3m
L)で洗浄後、乾燥し、題記化合物を得た。
【0207】該結晶の融解開始温度は、133.5℃で
あった。
【0208】実施例6 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(2.0
g、5.41mmol)をn−酢酸プロピル(30m
L)に約30℃で溶解させた後、外温約25℃で8mL
まで減圧濃縮した。約1.5時間の攪拌の後、結晶の析
出を確認し、ついでヘプタン(16mL)を約20分か
けて滴下した。析出結晶を分離し、n−酢酸プロピル−
ヘプタン(n−酢酸プロピル:ヘプタン=1:5)(6
mL)で2回洗浄後、乾燥し、題記化合物(1.86
g、収率:93%)を得た。
【0209】該結晶の融解開始温度は、134.0℃で
あった。
【0210】実施例7 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(2.0
g、5.41mmol)をi−酢酸プロピル(40m
L)に約35℃で溶解させた後、外温約35℃で8mL
まで減圧濃縮した。約1.5時間の攪拌の後、結晶の析
出を確認し、ついでヘプタン(16mL)を約20分か
けて滴下した。析出結晶を分離し、i−酢酸プロピル−
ヘプタン(i−酢酸プロピル:ヘプタン=1:5)(6
mL)で2回洗浄後、乾燥し、題記化合物(1.89
g、収率:95%)を得た。該結晶の融解開始温度は、
133.0℃であった。
【0211】実施例8 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(2.0
g、5.41mmol)をn−酢酸ブチル(40mL)
に約35℃で溶解させた後、外温約35℃で8mLまで
減圧濃縮した。約1時間の攪拌の後、結晶の析出を確認
し、ついでヘプタン(16mL)を約20分かけて滴下
した。析出結晶を分離し、n−酢酸ブチル−ヘプタン
(n−酢酸ブチル:ヘプタン=1:5)(6mL)で2
回洗浄後、乾燥し、題記化合物(1.87g、収率:9
3%)を得た。該結晶の融解開始温度は、133.0℃
であった。
【0212】実施例9 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(2.0
g、5.41mmol)を酢酸メチル(15mL)に溶
解させた後、外温約25℃で8mLまで減圧濃縮した。
約1.5時間の攪拌の後、結晶の析出を確認し、ついで
ヘプタン(16mL)を約20分かけて滴下した。析出
結晶を分離し、酢酸メチル−ヘプタン(酢酸メチル:ヘ
プタン=1:5)(6mL)で2回洗浄後、乾燥し、題
記化合物(1.71g、収率:86%)を得た。該結晶
の融解開始温度は、134.0℃であった。
【0213】実施例10 上記参考例4の方法で得られた湿結晶を酢酸エチル(5
0L)に溶解させた後、分液した。有機層を減圧下で液
量が約27Lになるまで濃縮した。残留物に酢酸エチル
(30L)を加えた後、減圧下で液量が約16Lになる
まで濃縮した。残留物に酢酸エチル(30L)および活
性炭(150g)を加えた。活性炭を除去し、酢酸エチ
ル(1.5L)で洗浄した。(S)−2−[[[3−メ
チル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2
−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズ
イミダゾールの濃度が約0.27g/mLになるまで、
ろ洗液を減圧下で濃縮した(12.5L)。窒素気流
下、約25℃で約2時間攪拌後、結晶の析出を確認し、
ついでヘプタン(25L)を約1.5時間かけて滴下
し、ついで約1.5時間攪拌した。析出結晶を分離し、
酢酸エチル−ヘプタン(酢酸エチル:ヘプタン=1:
5)(6L)で洗浄後、乾燥し、題記化合物(3.76
kg,2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリ
フルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]チオ]
−1H−ベンズイミダゾール基準の収率:72%)を得
た。
【0214】該結晶を粉末X線回折により分析した結
果、該結晶は、粉末X線回折の格子面間隔(d)が1
1.68、6.77、5.84、5.73、4.43、
4.09、3.94、3.89、3.69、3.41、
3.11オングストロームに特徴的なピークが現れる粉
末X線回折パターンを示した。
【0215】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(A))にて分析した結果、該結晶中の(S)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの鏡像体過剰率は100%e
eであった。
【0216】該結晶を高速液体クロマトグラフィー(条
件(B))にて分析した結果、該結晶中の類縁物質とし
ては、スルホン体、スルフィド体およびその他の類縁物
質は存在しなかった。
【0217】該結晶の融解開始温度は、133.5℃で
あった。
【0218】実施例11 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶(1.5
g、4.06mmol)を酢酸エチル(30mL)に溶
解させた後、外温約25℃で6mLまで減圧濃縮した。
同温度で約2時間撹拌した後、結晶の析出を確認し、つ
いでヘプタン(24mL)を約30分間で滴下した。約
2.5時間の攪拌の後、析出結晶を分離し、乾燥し、題
記化合物(1.46g、収率:97.3%)を得た。該
結晶の融解開始温度は、133.5℃であった。
【0219】試験例 安定性試験(融解開始温度と安定
性との関係) 上記参考例および実施例で得られた各種(R)−ランソ
プラゾール結晶について60℃・一ヶ月の安定性試験を
実施した結果の一例を下表1に示す。
【0220】
【表1】
【0221】本発明の方法による結晶は60℃・一ヶ月
の安定性試験において99%以上の残存率を示すが、従
来法による結晶は、約90〜94%の残存率まで低下す
ることがわかった。
【0222】また、(R)−ランソプラゾールの結晶に
ついて40℃・一ヶ月の安定性試験を実施した結果の一
例を下表2に示す。
【0223】
【表2】
【0224】本発明の方法では40℃・一ヶ月の安定性
試験において分解が認められないが、従来法では、外観
が悪化、含量が低下、類縁物質量が増加することがわか
った。
【0225】また、図1に、融解開始温度が約134℃
の結晶(実施例1)および融解開始温度が約130℃の
結晶(参考例6)の安定性試験前と、40℃・2週間、
50℃・2週間および60℃・2週間の安定性試験後の
外観を示す。融解開始温度が約134℃の結晶では外観
に変化が生じていないが、融解開始温度が約130℃の
結晶では明らかに外観が悪化することがわかった。
【0226】以上の結果より、(R)−ランソプラゾー
ルおよび(S)―ランソプラゾールの結晶の場合、融解
開始温度と安定性には明確な関係があり、融解開始温度
が約131℃以上の結晶は、安定であるが、融解開始温
度が約131℃未満の結晶は、不安定であることがわか
った。
【0227】製剤例1 カプセル剤の製造 下記〔表3〕の仕込量−1で、以下に示す方法に従っ
て、15mgカプセル剤を得た(〔表4〕には1カプセ
ル当りの処方量を示す)。
【0228】(1)実施例1で得られた(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの結晶(以下、化合物Aと略
称する)および(3)から(6)の成分をよく混合して
散布剤とした。遠心流動型コーティング造粒装置中に、
(2)ノンパレルを入れ、(7)ヒドロキシプロピルセ
ルロースを精製水に溶解した水溶液をスプレーしなが
ら、上記の散布剤をコーティングした。該球状顆粒を4
0℃で16〜20時間真空乾燥し、篩(600μm、1
180μm)で篩過して主薬粒を得た。主薬粒を転動流
動型コーティング機に入れ、(8)メタアクリル酸コポ
リマーLD〜(12)ポリソルベート80を精製水に懸
濁させた懸濁液をコーティングした。このコーティング
した粒を篩(710μm、1400μm)で篩過し、4
0℃で16〜20時間真空乾燥して腸溶性粒を得た。腸
溶性粒に(13)タルクおよび(14)軽質無水ケイ酸
を加えてタンブラー混合機を用い、混合粒とした。混合
粒をカプセル充填機により、(17)HPMCカプセル
2号に充填して、15mgカプセルとした。
【0229】さらに、上記の混合粒の充填量を調整する
ことにより20mgおよび10mgカプセルとした。
【0230】
【表3】
【0231】
【表4】
【0232】製剤例2 カプセル剤の製造 下記〔表5〕の仕込量−2で、以下に示す方法に従って
15mgカプセル剤を得た(〔表6〕には1カプセル当
りの処方量を示す)。(1)化合物Aおよび(3)から
(6)の成分をよく混合して主薬散布剤とした。(7)
から(9)の成分をよく混合して上掛散布剤とした。遠
心流動型コーティング造粒装置中に、(2)ノンパレル
を入れ、(10)ヒドロキシプロピルセルロースを精製
水に溶解した水溶液をスプレーしながら、上記の主薬散
布剤、上掛散布剤をその順にコーティングした。該球状
顆粒を40℃で16〜20時間真空乾燥し、篩(600
μm、1180μm)で篩過して主薬粒を得た。主薬粒
を転動流動型コーティング機に入れ、(11)メタアク
リル酸コポリマーLD〜(15)ポリソルベート80を
精製水に懸濁させた懸濁液をコーティングした。このコ
ーティングした粒を篩(710μm、1400μm)で
篩過し、40℃で16〜20時間真空乾燥して腸溶性粒
を得た。腸溶性粒に(16)タルクおよび(17)軽質
無水ケイ酸を加えてタンブラー混合機を用い、混合粒と
した。混合粒をカプセル充填機により、(18)HPM
Cカプセル2号に充填して15mgカプセルとした。
【0233】
【表5】
【0234】
【表6】
【0235】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、保存安定性に
優れる(R)−ランソプラゾールまたは(S)−ランソ
プラゾールの結晶を効率よく工業的大量規模で製造する
ことができる。
【0236】
【図面の簡単な説明】
【図1】融解開始温度が約134℃の結晶(実施例1)
および融解開始温度が約130℃の結晶(参考例6)の
安定性試験前(イニシャル)と、40℃・2週間、50
℃・2週間および60℃・2週間の安定性試験後の外観
を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 35/00 35/00 B01D 9/02 601 B01D 9/02 601K 602 602A 602B 602E 608 608A 625 625A 625F

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (R)−2−[[[3−メチル−4−
    (2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
    ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
    ルまたは(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,
    2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
    チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールを約
    0.1g/ml〜約0.5g/mlの濃度で含有する酢
    酸C1-4アルキルエステル溶液から約0℃〜約35℃の
    温度で晶出させることを特徴とする(R)−2−
    [[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
    トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
    1H−ベンズイミダゾールまたは(S)−2−[[[3
    −メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)
    −2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベ
    ンズイミダゾールの結晶の製造法。
  2. 【請求項2】 (R)−2−[[[3−メチル−4−
    (2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
    ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
    ルまたは(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,
    2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
    チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールを約
    0.1g/ml〜約0.5g/mlの濃度で含有する酢
    酸C1-4アルキルエステル溶液から約0℃〜約35℃の
    温度で晶出させ、ついで同温度で該酢酸C1-4アルキル
    エステル溶液量の7倍量以下のC5-8炭化水素を滴下す
    ることを特徴とする(R)−2−[[[3−メチル−4
    −(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
    ニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾ
    ールまたは(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,
    2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
    チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結
    晶の製造法。
  3. 【請求項3】 晶出温度が約20℃〜約30℃である請
    求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 晶出時間が約30分〜約4時間である請
    求項1または2記載の製造法。
  5. 【請求項5】 酢酸C1-4アルキルエステルが酢酸エチ
    ルまたは酢酸プロピルである請求項1または2記載の製
    造法。
  6. 【請求項6】 酢酸C1-4アルキルエステル溶液量の5
    倍量以下のC5-8炭化水素を滴下することを特徴とする
    請求項2記載の製造法。
  7. 【請求項7】 C5-8炭化水素がヘプタンまたはヘキサ
    ンである請求項2記載の製造法。
  8. 【請求項8】 C5-8炭化水素の滴下時間が約15分〜
    約4時間である請求項2記載の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の製造法により製
    造される(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,
    2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
    チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまた
    は(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
    トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
    ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶。
  10. 【請求項10】 請求項1または2記載の製造法により
    製造される(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,
    2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
    チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの結
    晶。
  11. 【請求項11】 融解開始温度が約131℃以上である
    (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
    リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
    フィニル]−1H−ベンズイミダゾールまたは(S)−
    2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオ
    ロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
    ル]−1H−ベンズイミダゾールの結晶。
  12. 【請求項12】 融解開始温度が約135℃である請求
    項11記載の結晶。
  13. 【請求項13】 請求項9または11記載の結晶を含有
    してなる医薬組成物。
  14. 【請求項14】 消化性潰瘍;胃炎;逆流性食道炎;N
    UD(Non Ulcer Dyspepsia);胃癌;胃MALTリン
    パ腫;上部消化管出血;非ステロイド系抗炎症剤に起因
    する潰瘍;手術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍;
    またはヘリコバクター・ピロリ菌に起因する疾患の予防
    ・治療剤である請求項13記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 請求項9または11記載の結晶をヒト
    に投与し、消化性潰瘍;胃炎;逆流性食道炎;NUD
    (Non Ulcer Dyspepsia);胃癌;胃MALTリンパ
    腫;上部消化管出血;非ステロイド系抗炎症剤に起因す
    る潰瘍;手術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍;ま
    たはヘリコバクター・ピロリ菌に起因する疾患を予防ま
    たは治療する方法。
  16. 【請求項16】 消化性潰瘍;胃炎;逆流性食道炎;N
    UD(Non Ulcer Dyspepsia);胃癌;胃MALTリン
    パ腫;上部消化管出血;非ステロイド系抗炎症剤に起因
    する潰瘍;手術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍;
    またはヘリコバクター・ピロリ菌に起因する疾患に対す
    る予防・治療用医薬組成物を製造するための請求項9ま
    たは11記載の結晶の使用。
  17. 【請求項17】 (R)−2−[[[3−メチル−4−
    (2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
    ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
    ルまたは(S)−2−[[[3−メチル−4−(2,
    2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
    チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールを約
    0.1g/ml〜約0.5g/mlの濃度で含有する酢
    酸C1-4アルキルエステル溶液から約0℃〜約35℃の
    温度で晶出させることを特徴とする(R)−2−
    [[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
    トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
    1H−ベンズイミダゾールまたは(S)−2−[[[3
    −メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)
    −2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベ
    ンズイミダゾールの結晶の安定化方法。
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EP2292612A2 (en) 2007-12-31 2011-03-09 Takeda Pharmaceutical Company Limited Crystalline solvated forms of (R)-2-[[[3-methyl-4-(2,2,2-trifluoroethoxy)-2-pyridinyl]methyl]sulfinyl]-1H-benzimidazole
JP2011513202A (ja) * 2008-03-10 2011-04-28 武田薬品工業株式会社 ベンズイミダゾール化合物の結晶

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