JP3283252B2 - ベンズイミダゾール化合物の結晶 - Google Patents

ベンズイミダゾール化合物の結晶

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JP3283252B2
JP3283252B2 JP2000181640A JP2000181640A JP3283252B2 JP 3283252 B2 JP3283252 B2 JP 3283252B2 JP 2000181640 A JP2000181640 A JP 2000181640A JP 2000181640 A JP2000181640 A JP 2000181640A JP 3283252 B2 JP3283252 B2 JP 3283252B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗潰瘍作用を有す
るベンズイミダゾール化合物の結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】抗潰瘍作用を有する2−[[[3−メチ
ル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−
ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイ
ミダゾールまたはその塩は、特開昭61−50978号
等に報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】より安定で吸収性に優
れた抗潰瘍剤が望まれている。
【0004】
【発明が解決するための手段】2−[[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリ
ジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾールは、分子内にキラル硫黄を有し、2種の光学異性
体が存在する。本発明者は、鋭意探索した結果、2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾールの(R)異性体を光学分割
し、結晶化することに成功し、この結晶が医薬として十
分満足できるものであることを初めて見出し、これらの
知見に基づいて、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまたは
その塩の結晶、(2)(R)−2−[[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリ
ジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾールの結晶、(3)粉末X線回折の格子面間隔(d)
が11.68、6.77、5.84、5.73、4.4
3、4.09、3.94、3.89、3.69、3.4
1、3.11オングストローム(Å)に特徴的ピークが
現われる粉末X線回折パターンを有する前記(2)記載
の結晶、(4)前記(1)記載の結晶を含有してなる医
薬組成物、(5)消化性潰瘍の予防・治療剤である前記
(4)記載の医薬組成物等に関する。
【0005】「(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ルまたはその塩」の「塩」としては、例えば金属塩、有
機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げられ、
生理学的に許容される塩が好ましい。金属塩としては、
例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などの
アルカリ土類金属塩などが挙げられる。有機塩基との塩
としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシル
アミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの
塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩としては、例え
ばアルギニン、リジンなどとの塩が挙げられる。(R)
−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾールまたはその塩の結晶
は、水和物であってもよく、非水和物であってもよい。
該「水和物」としては、0.5水和物ないし5.0水和
物が挙げられる。このうち、0.5水和物、1.0水和
物、1.5水和物、2.0水和物、2.5水和物が好ま
しい。特に好ましくは1.5水和物である。
【0006】(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ルまたはその塩の結晶は、2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ルまたはその塩を光学分割に付すか、2−[[[3−メ
チル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2
−ピリジニル]メチル]チオ]−1H−ベンズイミダゾ
ールを不斉酸化することにより(R)異性体を得た後、
これを結晶化させて得られる。光学分割の方法として
は、自体公知の方法が挙げられ、例えば、分別再結晶
法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられ
る。不斉酸化は、自体公知の方法が用いられる。「分別
再結晶法」としては、ラセミ体と光学活性な化合物
〔例、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、
(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネ
チルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニ
ン、(−)−シンコニジン、ブルシン等)とで塩を形成
させ、これを分別再結晶法などによって分離し、所望に
より中和工程に付し、フリーの光学異性体を得る方法が
挙げられる。「キラルカラム法」としては、ラセミ体ま
たはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)
に付す方法が挙げられる。例えば液体クロマトグラフィ
ーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)ま
たはダイセル社製CHIRALシリーズなどのキラルカ
ラムにラセミ体を添加し、水、緩衝液(例、リン酸緩衝
液)、有機溶媒(例、ヘキサン、エタノール、メタノー
ル、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ
酢酸、ジエチルアミン、トリエチルアミンなど)、また
はこれらの混合溶媒で展開して光学異性体を分離する方
法が挙げられる。例えばガスクロマトグラフィーの場
合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエル
サイセンス社製)などのキラルカラムを使用して分離す
る方法が挙げられる。「ジアステレオマー法」として
は、ラセミ体および光学活性な試薬を反応させ(好まし
くは、ベンズイミダゾール基の1位に光学活性な試薬を
反応させ)てジアステレオマーの混合物を得、次いで通
常の分離手段(例、分別再結晶、クロマトグラフィー法
等)により一方のジアステレオマーを得た後、化学反応
(例、酸加水分解反応、塩基性加水分解反応、加水素分
解反応等)に付して光学活性な試薬部位を切り離し、目
的とする光学異性体を得る方法が挙げられる。該「光学
活性な試薬」としては、例えば、MTPA〔α−メトキ
シ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、
(−)−メントキシ酢酸などの光学活性な有機酸;(1
R−エンド)−2−(クロロメトキシ)−1,3,3−
トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどの光学
活性なアルコキシメチルハライドなどが挙げられる。
【0007】2−[[[3−メチル−4−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまたはその
塩は、特開昭61−50978号公報、USP 4,6
28,098等に記載の方法またはこれらに準じた方法
により製造される。
【0008】結晶化の方法としては、自体公知の方法が
挙げられ、例えば、溶液からの結晶化、蒸気からの結晶
化、溶融体からの結晶化が挙げられる。該「溶液からの
結晶化」の方法としては、例えば濃縮法、除冷法、反応
法(拡散法、電解法)、水熱育成法、融剤法などが挙げ
られる。用いられる溶媒としては、例えば、芳香族炭化
水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロ
ゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム
等)、飽和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、ケト
ン類(例、アセトン等)、スルホキシド類(例、ジメチ
ルスルホキシド等)、酸アミド類(例、N,N−ジメチ
ルホルムアミド等)、エステル類(例、酢酸エチル
等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール等)、水などが用いられる。これ
らの溶媒は単独あるいは二種以上を適当な割合(例、
1:1ないし1:100)で混合して用いられる。該
「蒸気からの結晶化」の方法としては、例えば気化法
(封管法、気流法)、気相反応法、化学輸送法などが挙
げられる。該「溶融体からの結晶化」の方法としては、
例えばノルマルフリージング法(引上げ法、温度傾斜
法、ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンレベリング
法、フロートゾーン法)、特殊成長法(VLS法、液相
エピタキシー法)などが挙げられる。得られた結晶の解
析方法としては、X線回折による結晶解析の方法が一般
的である。さらに、結晶の方位を決定する方法として
は、機械的な方法または光学的な方法なども挙げられ
る。
【0009】かくして得られた(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾールまたはその塩の結晶(以下、「本発明の
結晶」と略記することもある)は、優れた抗潰瘍作用、
胃酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘリコバクター・
ピロリ作用等を有し、また毒性は低いため、医薬品とし
て有用である。しかも、R体を結晶化することにより、
安定性が向上するだけでなく、取り扱いが容易になり、
再現性良く固体の医薬組成物に製造することができる。
また、本発明の結晶を経口投与した場合、ラセミ体に比
べて吸収性に優れ、作用が速く発現する。また、本発明
の結晶を投与した場合、ラセミ体に比べてCmax(最
大血中濃度)は高く、AUC(area under the concent
ration-time curve)は大きくなり、かつ蛋白結合率が
高くなること等により代謝されにくくなり、作用の持続
時間が長くなる。従って、投与量が少量で、かつ副作用
の少ない医薬品として有用である。
【0010】本発明の結晶は、哺乳動物(例、ヒト、サ
ル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラッ
ト、マウスなど)において、消化性潰瘍(例、胃潰瘍、
十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、ゾリンジャー・エリソン
(Zollinger-Ellison)症候群等)、胃炎、逆流性食道
炎、NUD(Non Ulcer Dyspepsia)、胃癌、胃MAL
Tリンパ腫等の治療および予防、ヘリコバクター・ピロ
リ除菌、消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍および出血性胃
炎による上部消化管出血の抑制、侵襲ストレス(手術後
に集中管理を必要とする大手術や集中治療を必要とする
脳血管障害、頭部外傷、多臓器不全、広範囲熱傷から起
こるストレス)による上部消化管出血の抑制、非ステロ
イド系抗炎症剤に起因する潰瘍の治療および予防;手術
後ストレスによる胃酸過多および潰瘍の治療および予
防、麻酔前投与等に有用である。本発明の結晶は、毒性
が低く、そのままあるいは自体公知の方法に従って、薬
理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例えば
錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散
剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、口
腔内崩壊錠、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤など
として、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈
投与等)に安全に投与することができる。本発明の結晶
の本発明の医薬組成物中の含有量は、組成物全体の約
0.01ないし100重量%である。該投与量は、投与
対象、投与ルート、疾患などによっても異なるが、例え
ば抗潰瘍剤として、成人(60kg)に対し経口的に投
与する場合、有効成分として約0.5〜1500mg/
日、好ましくは約5〜150mg/日である。本発明の結
晶は、1日1回または2〜3回に分けて投与してもよ
い。
【0011】本発明の医薬組成物の製造に用いられても
よい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材とし
て慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例
えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊
剤、水溶性高分子、塩基性無機塩;液状製剤における溶
剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化
剤などがあげられる。また、必要に応じて、通常の防腐
剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、発泡剤、香料
などの添加物を用いることもできる。該「賦形剤」とし
ては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプ
ン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ
酸、酸化チタンなどが挙げられる。該「滑沢剤」として
は、例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン
酸などが挙げられる。該「結合剤」としては、例えばヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、結晶セルロース、αデンプン、ポリビニ
ルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられ
る。
【0012】該「崩壊剤」としては、(1)クロスポビ
ドン、(2)クロスカルメロースナトリウム(FMC−
旭化成)、カルメロースカルシウム(五徳薬品)などス
ーパー崩壊剤と称される崩壊剤、(3)カルボキシメチ
ルスターチナトリウム(例、松谷化学(株)製)、
(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(例、信
越化学(株)製)、(5)コーンスターチ等が挙げられ
る。該「クロスポピドン」としては、ポリビニルポリピ
ロリドン(PVPP)、1−ビニル−2−ピロリジノン
ホモポリマーと称されているものも含め、1−エテニル
−2−ピロリジノンホモポリマーという化学名を有し架
橋されている重合物のいずれであってもよく、具体例と
しては、コリドンCL(BASF社製)、ポリプラスド
ンXL(ISP社製)、ポリプラスドンXL−10(I
SP社製)、ポリプラスドンINF−10(ISP社
製)などである。該「水溶性高分子」としては、例えば
エタノール可溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプ
ロピルセルロース(以下、HPCと記載することがあ
る)などのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンな
ど〕、エタノール不溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCと記載
することがある)、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギ
ン酸ナトリウム、グアーガムなど〕などが挙げられる。
該「塩基性無機塩」としては、例えば、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウムおよび/またはカルシウムの塩基
性無機塩が挙げられる。好ましくはマグネシウムおよび
/またはカルシウムの塩基性無機塩である。さらに好ま
しくはマグネシウムの塩基性無機塩である。該ナトリウ
ムの塩基性無機塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどが挙
げられる。該カリウムの塩基性無機塩としては、例え
ば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられ
る。該マグネシウムの塩基性無機塩としては、例えば、
重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグ
ネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウ
ム、合成ヒドロタルサイト〔Mg6Al2(OH)16・C
3・4H2O〕および水酸化アルミナ・マグネシウム、
好ましくは、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げ
られる。該カルシウムの塩基性無機塩としては、例え
ば、沈降炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどが挙げ
られる。
【0013】該「溶剤」としては、例えば注射用水、ア
ルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ
油、トウモロコシ油、オリーブ油などが挙げられる。該
「溶解補助剤」としては、例えばポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香
酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレス
テロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、ク
エン酸ナトリウムなどが挙げられる。該「懸濁化剤」と
しては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レ
シチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、
モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分
子などが挙げられる。
【0014】該「等張化剤」としては、例えばブドウ
糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリ
ン、D−マンニトールなどが挙げられる。該「緩衝剤」
としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸
塩などの緩衝液などが挙げられる。該「無痛化剤」とし
ては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。該
「防腐剤」としては、例えばパラオキシ安息香酸エステ
ル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネ
チルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げ
られる。該「抗酸化剤」としては、例えば亜硫酸塩、ア
スコルビン酸、α−トコフェロールなどが挙げられる。
該「着色剤」としては、例えば食用黄色5号、食用赤色
2号、食用青色2号などの食用色素;食用レーキ色素、
ベンガラなどが挙げられる。該「甘味剤」としては、例
えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウ
ム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げ
られる。該「酸味剤」としては、例えばクエン酸(無水
クエン酸)、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。該
「発泡剤」としては、例えば重曹などが挙げられる。該
「香料」としては、合成物および天然物のいずれでもよ
く、例えばレモン、ライム、オレンジ、メントール、ス
トロベリーなどが挙げられる。
【0015】本発明の結晶は、自体公知の方法に従い、
例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤などを添加
して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、
腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコ
ーティングすることにより経口投与製剤とすることがで
きる。腸溶性製剤とする場合、腸溶層と薬剤含有層との
間に両層の分離を目的として、自体公知の方法により中
間層を設けることもできる。本発明の結晶を口腔内崩壊
錠とする場合、例えば、結晶セルロースおよび乳糖を含
有する核を、本発明の結晶および塩基性無機塩で被覆
し、さらに水溶性高分子を含む被覆層で被覆して組成物
を得、得られた組成物をポリエチレングリコールを含有
する腸溶性被覆層で被覆し、クエン酸トリエチルを含有
する腸溶性被覆層で被覆し、ポリエチレングリコールを
含有する腸溶性被覆層で被覆し、さらにマンニトールで
被覆して細粒を得、得られた細粒と添加剤とを混合し、
成形する方法等が挙げられる。上記「腸溶性被覆層」と
しては、例えば、セルロースアセテートフタレート(C
AP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネー
ト、メタアクリル酸共重合体〔例えば、オイドラギット
(Eudragit) L30D−55(商品名;レーム社製)、コ
リコートMAE30DP(商品名;BASF社製)、ポ
リキッドPA30(商品名;三洋化成社製)など〕、カ
ルボキシメチルエチルセルロース、セラックなどの水系
腸溶性高分子基剤;メタアクリル酸共重合体〔例えば、
オイドラギットNE30D(商品名)、オイドラギット
RL30D(商品名)、オイドラギットRS30D(商
品名)など〕などの徐放性基剤;水溶性高分子;クエン
酸トリエチル、ポリエチレングリコール、アセチル化モ
ノグリセリド、トリアセチン、ヒマシ油などの可塑剤等
の一種または二種以上混合したものなどが挙げられる。
上記「添加剤」としては、例えば水溶性糖アルコール
(例、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還
元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチノース、エリ
スリトールなど)、結晶セルロース(例、セオラスKG
801、アビセルPH 101、アビセルPH 10
2、アビセルPH 301、アビセルPH 302、アビ
セルRC−591(結晶セルロース・カルメロースナト
リウム)など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス(例、LH−22、LH−32、LH−23、LH−
33(信越化学(株))およびこれらの混合物など)な
どが用いられ、さらに結合剤、酸味料、発泡剤、甘味
剤、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、賦形剤、崩壊剤
なども用いられる。
【0016】本発明の結晶は、さらに他の1ないし3種
の活性成分と併用してもよい。該「他の活性成分」とし
ては、例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イ
ミダゾール系化合物、ビスマス塩、キノロン系化合物等
が挙げられる。このうち、抗ヘリコバクター・ピロリ活
性物質、イミダゾール系化合物等が好ましい。該「抗ヘ
リコバクター・ピロリ活性物質」としては、例えばペニ
シリン系抗生物質(例、アモキシシリン、ベンジルペニ
シリン、ピペラシリン、メシリナム等)、セフェム系抗
生物質(例、セフィキシム、セファクロル等)、マクロ
ライド系抗生物質(例、エリスロマイシン、クラリスロ
マイシン等)、テトラサイクリン系抗生物質(例、テト
ラサイクリン、ミノサイクリン、ストレプトマイシン
等)、アミノグリコシド系抗生物質(例、ゲンタマイシ
ン、アミカシン等)、イミペネムなどが挙げられる。中
でもペニシリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質等
が好ましい。該「イミダゾール系化合物」としては、例
えばメトロニダゾール、ミコナゾール等が挙げられる。
該「ビスマス塩」としては、例えばビスマス酢酸塩、ビ
スマスクエン酸塩等が挙げられる。該「キノロン系化合
物」としては、例えばオフロキサシン、シプロキサシン
等が挙げられる。該「他の活性成分」と本発明の結晶と
を自体公知の方法に従って混合し、ひとつの医薬組成物
(例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプ
セルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤など)中に
製剤化して併用してもよく、それぞれを別々に製剤化
し、同一対象に対して同時にまたは時間差を置いて投与
してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、参考例、実施例および実
験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら
は本発明を限定するものではない。以下の参考例、実施
例において、室温は、約15〜30℃を意味する。融点
は、Micro Melting Point Appa
ratus(柳本製作所製)を用いて測定し、補正して
いない数値を示した。1H−NMRは、Varian
Gemini−200を用いて測定し、CDCl3を溶
媒として用い、内部標準のテトラメチルシランからのケ
ミカルシフトδ(ppm)を示した。IRは、SHIMA
DZU FTIR−8200で測定した。UVは、HI
TACHI U−3200 Spectrophotom
eterで測定した。旋光度〔α〕Dは、DIP−37
0 Digital polarimeter(日本分光
(JASCO)製)を用い、20℃で測定した。光学純
度の測定は、キラルカラムを用いてHPLC(カラム:
CHIRALCEL OD 4.6mmφ×250mm、
温度:約20℃、移動相:ヘキサン/2−プロパノール
=80/20またはヘキサン/2−プロパノール=85
/15、流速:1.0mL/分、検出波長:285n
m)により行った。スルホキシドの絶対構造を決定する
ための結晶のX線回折データは、Cu−K α線を用い、
四軸回折計(RIGAKU AFC5R)により測定し
た。直接法で初期位相を決定し、SHELXL−93で
構造を精密化した。粉末X線回折は、X−ray Po
wder Diffractometer Rigaku
RINT2500(ultraX18)No.PX−
3を用いて測定した。その他の本明細書中で記号は以下
の意味を示す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:クアルテット m:マルチプレット bs:ブロードシングレット J:結合定数
【0018】
【実施例】参考例1 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール(R(+)−ラ
ンソプラゾール)の分取 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)
(ラセミ体)(3.98g)を、下記移動相(330m
L)およびアセトニトリル(37mL)に溶解し、HP
LC(カラム:CHIRALCEL OD20mmφ×
250mm、温度:30℃、移動相:ヘキサン/2−プ
ロパノール/エタノール=255/35/10、流速:
16mL/分、検出波長:285nm、1ショット:2
0−25mg)にて分画した。保持時間が小さい光学異
性体の分画を集めて濃縮し、各ロットを集めてエタノー
ルに溶解し、0.45μmのフィルターで濾過し、濾液
にヘキサンを加えて再び乾固し、R(+)−ランソプラ
ゾール(1.6g,光学純度 >97.6%ee)をア
モルファスとして得た。得られたアモルファスを、再度
上記と同様にして分画および分取し、R(+)−ランソ
プラゾール(1.37g,光学純度 >99.9%e
e)をアモルファスとして得た。 〔α〕D=+174.3°(c=0.994%,CHC
3
【0019】参考例2 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール(R(+)−ラ
ンソプラゾール)の分取 ランソプラゾール(ラセミ体)(34.2g)を、トリ
エチルアミン(0.2%)を含む2−プロパノール(1
710mL)およびヘキサン(1140mL)に溶解
し、HPLC(カラム:CHIRALCEL OD 50
mmφ×500mm、温度:室温、移動相:ヘキサン/
2−プロパノール=85/15、流速:60mL/分、
検出波長:285nm、1ショット:約300mg)に
て各光学異性体を分取した。保持時間が小さい光学異性
体の分画を集めて濃縮し、各ロットを集めてエタノール
(250mL)に溶解し、トリエチルアミン(3mL)
を添加後、0.45μmのフィルターで濾過した。濾液
を濃縮し、ヘキサンを加えて再び乾固し、R(+)−ラ
ンソプラゾール(9.31g,光学純度 98.3%e
e)をアモルファスとして得た。
【0020】実施例1 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール(R(+)−ラ
ンソプラゾール)の結晶 参考例1で得られたアモルファスのR(+)−ランソプ
ラゾール(100mg)をアセトニトリル(1mL)に
溶解し、窒素気流下、室温でゆっくりとアセトニトリル
を蒸発させた。結晶が生成し始めた後に、ジエチルエー
テル(1.5mL)を加え、栓をして室温で放置した。
かくして生成された結晶のX線構造解析を行い、スルホ
キシドの絶対配置はR配置であることが、フラックパラ
メータを用いた判定法により判明した。残りの結晶を濾
取し、ジエチルエーテル(1mL)で2回洗浄後、減圧
下乾燥することによりR(+)−ランソプラゾールの結
晶(38mg)を得た。 融点:144.0−144.5℃(分解) 元素分析 理論値:C:52.03,H:3.82,N:11.38,S:8.68,F:1
5.43,O:8.66 分析値:C:52.08,H:3.76,N:11.58,S:8.75,F:1
5.421 H-NMR:2.25(3H,s), 4.40(2H,q,J=7.8Hz), 4.68(1H,d,
J=13.8Hz), 4.85(1H,d,J=13.8Hz), 6.69(1H, d,J=6.0H
z), 7.29-7.39(2H,m), 7.52(1H,m), 7.81(1H,m),8.37(1
H,d,J=6.0Hz),11.00(1H,bs). IR(νcm-1):3081,3042,2984,1586,1478,1441,1306,1
267,1163. UVmax(CHCl3):283.7 nm 〔α〕D=+199.2°(c=0.202%,CHC
3
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール(R(+)−ラ
ンソプラゾール)の結晶 参考例2で得られたアモルファスの(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾール(9.17g)をアセトン
(20mL)に溶解し、軽く加温しながら水(15m
L)を加えた。室温で一晩放置後、水(20mL)を加
え、超音波処理した。固体を濾取し、水(30mL、2
0mL)で洗浄後、ジイソプロピルエーテル(20m
L)で洗浄した。減圧乾燥し、固体(9.10g)を得
た。得られた固体(9.00g)をアセトン(30m
L)に溶解し、濾過後、濾液にジイソプロピルエーテル
(50mL)を加えた。結晶の種を入れ、室温で一晩放
置した。析出した結晶を濾取し、ジイソプロピルエーテ
ル(10mL)で3回洗浄した。減圧乾燥し、結晶
(7.85g)を得た。得られた結晶(7.80g)を
アセトン(22.5mL)および水(30mL)に加温
溶解し、室温で1時間放置した。析出した固体を濾取
し、アセトン−水(1:4)(15mL)で洗浄し、減
圧乾燥することにより、固体(3.88g)を得た。得
られた固体(3.88g)をアセトン(4mL)に加熱
溶解し、ジイソプロピルエーテル(14mL)を加え
た。室温で30分間放置した。析出した結晶を濾取し、
ジイソプロピルエーテル(6mL)で2回洗浄した。減
圧乾燥し、R(+)−ランソプラゾールの結晶(3.4
0g,光学純度 99.8%ee)を得た。 融点:147.0−148.0℃(分解) 元素分析 理論値:C:52.03,H:3.82,N:11.38,S:8.68,F:1
5.43,O:8.66 分析値:C:51.85,H:3.92, N:11.26,S:8.82,F:1
5.221 H-NMR:2.24(3H,s), 4.38(2H,q,J=7.8Hz), 4.74(1H,d,
J=13.6Hz), 4.87(1H,d,J=13.6Hz), 6.68(1H,d,J=5.8H
z), 7.26-7.36(2H,m), 7.45(1H,m), 7.78(1H,m), 8.35
(1H,d,J=5.8Hz). IR(νcm-1):3083,3034,2975,1586,1478,1441,1306,1
267,1163 UVmax(CHCl3):283.6 nm 〔α〕D=+180.3°(c=1.004%,CHC
3
【0023】
【表2】
【0024】実施例3 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール(R(+)−ラ
ンソプラゾール)1.5水和物の結晶 参考例1で得られたアモルファスの(R)−2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−
1H−ベンズイミダゾール(100mg)をエタノール
(0.15mL)に溶解し、水(0.15mL)を加え
た。種を入れ、室温で1時間放置した。析出した結晶を
濾取し、水(2mL)で2回洗浄後、減圧下乾燥するこ
とにより(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(R
(+)−ランソプラゾール)1.5水和物の結晶(96
mg)を得た。 融点:76.0−80.0℃ 元素分析 理論値:C:48.48,H:4.32,N:10.60,S:8.09,F:1
4.38,O:14.13 分析値:C:48.5 2,H:4.44,N:10.49
【0025】
【表3】
【0026】実験例1 ラットおける水浸拘束ストレス負荷による胃粘膜損傷に
対する抑制作用 雄性SD系ラット(7週齢;体重230−250g)を
24時間絶食後、拘束ケージに入れ、23℃の恒温水槽
中に立位で剣状突起下まで浸すことによりストレスを負
荷した。5時間後、ラットをケージから取り出し炭酸ガ
スで致死させ、胃を摘出した。食道下部をクリップで閉
塞後、十二指腸から1%ホルマリン液(10mL)を胃
内に注入し、十二指腸を閉塞し、同液中に浸した。10
分後、大彎に沿って切開し、個々の粘膜損傷の長さ(m
m)を実体顕微鏡下に計測した。個々の胃における損傷
の長さの総和を胃粘膜損傷指数とした。実施例2で得ら
れたR(+)−ランソプラゾールの結晶を、0.05M
NaHCO3を含む0.5%メチルセルロース(pH
9.5)に懸濁し、ストレス負荷の30分前に経口投与
した(投与容量2mL/kg)。各処置の例数は一群9
匹とした。対照群(溶媒投与群)と薬物投与群との比較
にはSteelの検定を用いた。結果を〔表4〕に示
す。
【0027】
【表4】
【0028】実験例2 実施例2で得られたR(+)−ランソプラゾールの結晶
および参考例1で得られたR(+)−ランソプラゾール
のアモルファスのそれぞれ約5mgを、無色ガラス瓶に
とり、60℃(開栓)下で保存したときの安定性を調べ
た。保存終了後の試料を移動相に溶かして25mLとし
た液(濃度:約0.2mg/mL) を、イニシャル品
を用いて調製した標準溶液と共に下記のHPLC条件で
分析し、得られたピーク面積から含量(残存率)を算出
した。結果を〔表5〕に示す。 HPLC分析条件 検出波長:UV275nm カラム:YMC Pro C18 4.6×150mm 移動相:水/アセトニトリル/トリエチルアミン(6
3:37:1)にリン酸を加えてpH7に調整した液 流速:1.0mL/分 カラム温度:40℃ 注入量:10μL
【0029】
【表5】
【0030】60℃(開栓)下で保存したとき、結晶で
は4週間後まで90%以上の含量を保ったが、アモルフ
ァスでは1週間後で70.8%、2週間後で57.5%
の含量に低下した。これより、R(+)−ランソプラゾ
ールの結晶が、R(+)−ランソプラゾールのアモルフ
ァスに比べて非常に安定であり、医薬品として用いる場
合に優れていることは明らかである。
【0031】
【発明の効果】本発明の結晶は、優れた抗潰瘍作用、胃
酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘリコバクター・ピ
ロリ作用等を有し、また毒性は低いため、医薬品として
有用である。しかも、(R)異性体を結晶化することに
より、安定性が向上するだけでなく、取り扱いが容易に
なり、再現性良く固体の医薬組成物に製造することがで
きる。また、本発明の結晶を経口投与した場合、ラセミ
体に比べて吸収性に優れ、作用が速く発現する。また、
本発明の結晶を投与した場合、ラセミ体に比べてCma
xは高く、AUCは大きくなり、かつ蛋白結合率が高く
なること等により代謝されにくくなり、作用の持続時間
が長くなる。従って、投与量が少量で、かつ副作用の少
ない医薬品として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−195068(JP,A) 特表 平10−504290(JP,A) 国際公開92/8716(WO,A1) 国際公開97/2261(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 401/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(R)−2−[[[3−メチル−4−
    (2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
    ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
    ルまたはその塩の結晶。
  2. 【請求項2】(R)−2−[[[3−メチル−4−
    (2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
    ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
    ルの結晶。
  3. 【請求項3】粉末X線回折の格子面間隔(d)が11.
    68、6.77、5.84、5.73、4.43、4.
    09、3.94、3.89、3.69、3.41、3.
    11オングストロームに特徴的ピークが現われる粉末X
    線回折パターンを有する請求項2記載の結晶。
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