JP2002226362A - リガンド応答性ゲル - Google Patents

リガンド応答性ゲル

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JP2002226362A
JP2002226362A JP2001024091A JP2001024091A JP2002226362A JP 2002226362 A JP2002226362 A JP 2002226362A JP 2001024091 A JP2001024091 A JP 2001024091A JP 2001024091 A JP2001024091 A JP 2001024091A JP 2002226362 A JP2002226362 A JP 2002226362A
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Hirotaka Furukawa
裕考 古川
Tokuyuki Onishi
徳幸 大西
Kazunori Kataoka
一則 片岡
Katsuhiko Ueno
勝彦 上野
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドラッグデリバリー、薬物放出マイクロカプセ
ル等の用途が格段に広いリガンド応答性ゲルを提供す
る。 【解決手段】蛋白を認識するリガンドを固定化したポリ
マーと多価蛋白とを含有させることによりゲル(凝集
体)が得られる。該ゲルは、フリーのリガンド又はリガ
ンド類縁体を添加することによりゲルが崩壊するリガン
ド応答性ゲルである。更に該ゲルに活性物質を含有させ
ることにより、活性物質放出剤とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドラッグデリバリ
ーや薬物放出マイクロカプセルなどに利用することがで
きる、リガンドに応答し、更に崩壊するゲルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱やpH、光などに応答し、その高
次構造が変化して水溶液中で膨潤もしくは収縮する高分
子を利用したドラッグ放出システムが広く応用されつつ
ある。例えば、特開平8-103653号公報では、温度に応答
し、膨潤収縮を繰り返すアクリルアミド誘導体類のポリ
マーが利用されている。しかしながら、これらの刺激応
答性材料を実際にドラッグデリバリー(DDS)に使用する
場合、患部の環境を大きく変化させる必要があり、実用
上の大きな問題であった。
【0003】一方、Nature (London) (1999), 399(673
8), 766-769では抗体を固定化したポリマーを抗原を介
してゲル化し、さらにフリーの抗体を添加することでゲ
ルが崩壊するシステムを構築している。この場合、抗原
あるいは抗体を利用しなければならず、体内での使用に
おいて問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、生体内での使用が可能な蛋白と、それを認識するリ
ガンドとを使用した、簡易で安全性の高いリガンド応答
性ゲル、およびそれを用いた活性物質放出剤を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の問題
を解決すべく鋭意努力した結果、蛋白を認識するリガン
ドを固定化したポリマーに多価蛋白を添加することでゲ
ルが生じること、更に該ゲルにフリーのリガンドを添加
することにより該ゲルが崩壊することを見いだし、本発
明に至ったものである。即ち、本発明は以下の構成から
なる。
【0006】(1)蛋白を認識するリガンドを固定化し
たポリマーおよび多価蛋白を含有することからなるリガ
ンド応答性ゲル。 (2)更に活性物質を含有する上記(1)記載のリガン
ド応答性ゲル。
【0007】(3)該蛋白を認識するリガンドが(イミ
ノ)ビオチンであり、該多価蛋白が(ストレプト)アビ
ジンである上記(1)または(2)記載のリガンド応答
性ゲル。 (4)該ポリマーが刺激応答性ポリマーであることを特
徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリガン
ド応答性ゲル。
【0008】(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記
載のリガンド応答性ゲルに、フリーのリガンド又はリガ
ンド類縁体(但し、多価蛋白に対するフリーのリガンド
の結合定数βは、ポリマーに固定化したリガンドの結合
定数αより大きい)を添加することを特徴とするゲルの
崩壊方法。
【0009】(6)蛋白を認識するリガンドを固定化し
たポリマー、多価蛋白および活性物質を同時に、または
時間をおいて別々に含有することからなる活性物質放出
剤。
【0010】本発明では、蛋白質を認識するリガンドを
固定化したポリマーに多価蛋白を添加することにより、
該リガンドと多価蛋白とが結合してゲルを生じることを
見出すと共に、このゲルにフリーのリガンド又はリガン
ド類縁体を添加することにより、該ゲルが崩壊すること
を見出したものである。
【0011】ポリマー中のリガンドと多価蛋白の結合定
数α(以下、多価蛋白とポリマーに固定したリガンドと
の結合定数を「結合定数α」と称する)は、該リガンド
がポリマーに固定化されているため、フリーのリガンド
と多価蛋白との結合定数β(以下、多価蛋白とフリーの
リガンドとの結合定数を「結合定数β」と称する)と比
較すると低くなっているため、ゲル(凝集体)にフリー
のリガンドを添加することにより、多価蛋白はフリーの
リガンドと結合し、ゲルが崩壊するものと推定される。
すなわち、上記本発明のゲルは、フリーのリガンドの添
加に応答してゲルが崩壊し得るものであり、本発明では
これを「リガンド応答性ゲル」と称する。
【0012】本発明において、フリーのリガンドとは、
未修飾のリガンドあるいは天然に存在する形のままのリ
ガンドを意味するが、本発明は、該フリーのリガンドで
ある場合に限定されず、例えば該リガンドがポリマー等
に固定されていても、多価蛋白との結合定数βが、上記
の結合定数αより大きければ、フリーのリガンドの場合
と同様に上記作用機構が達成され、その添加に応答して
ゲルが崩壊する。本発明では、この上記結合定数の条件
を満たすものを「リガンド類縁体」と称し、本発明の態
様に包含されるものである。
【0013】本発明のリガンド応答性ゲルは、更に活性
物質を含有させておくことにより、フリーのリガンド又
はリガンド類縁体を添加することにより、ゲルの崩壊に
伴い活性物質を放出することができる。これにより、リ
ガンド添加に応答して活性物質を放出する「活性物質放
出剤」として有効に利用できる。より具体的には、活性
物質として各種薬物、蛋白質、ペプチド、生理活性物
質、触媒等を含有させることにより、ゲルの崩壊に伴
い、これらの活性物質を放出することができ、各種ドラ
ッグデリバリーや薬物放出マイクロカプセル等に広範に
利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。本発明に用いることのできる多価蛋白およびリガ
ンドの組み合わせとしては、例えば、下記表1に示す如
きものが挙げられる(但し、いずれも多価、すなわち同
一のリガンドの結合部位が複数ある必要がある)。
【0015】
【表1】
【0016】中でも、(ストレプト)アビジンと(イミ
ノ)ビオチンの組み合わせが好ましい。
【0017】本発明に使用するポリマー(高分子)は、
リガンドが固定化できるものであれば何れでも良く、特
に限定されない。
【0018】本発明では更に、上記ポリマーとして刺激
応答性ポリマーを用いることにより、複数の刺激に応答
するゲルを調整することができ、好ましい。刺激応答性
ポリマーは、何らかの物理的または化学的な外部刺激に
応答して、構造的変化(例えば凝集など)を生じるポリ
マーであり、かかる外部刺激としては、温度、pH、塩濃
度、光等が挙げられる。本発明では、公知の刺激応答性
ポリマーのいずれでも用いることができる。
【0019】例えば温度応答性ポリマーとして、下限臨
界溶液温度(LCST)を有するポリマーが知られており、ポ
リイソプロピルアクリルアミド(相転移温度約32
℃)、ポリイソプロピルメタクリルアミド(相転移温度
約38℃)、ポリビニルメチルエーテル(相転移温度約
30℃)、ポリNビニルイソブチルアミド(相転移温度
約38℃)、メチルセルロース(相転移温度約65℃)
等が挙げられる。また、上限臨界溶液温度(UCST)有する
ポリマーも知られており、例えば特開2000−867
29号記載のアクリルアミドとN-アセチルアクリルアミ
ドの共重合体が挙げられる。なお、本発明において、LC
ST(下限臨界溶液温度)とは、特定温度以下では溶解状
態を維持するが、その特定温度以上の溶液中では不溶性
となり凝集する温度を言い、同様に、UCST(上限臨界溶
液温度)とは、特定温度以上では溶解状態を維持する
が、その特定温度以下の溶液中では不溶性となり凝集す
る温度を言う。
【0020】また、pH応答性ポリマーとしては、ポリ
アクリル酸またはアクリル酸とイソプロピルアクリルア
ミドとの共重合体等を挙げることができる。また、光応
答性ポリマーとしては、スピロランをポリイソプロピル
アクリルアミドと結合させることにより、光に応答し、
凝集収縮を繰り返すポリマーを得ることができる。
【0021】上記ポリマーへリガンドを固定化する方法
は特に限定されないが、例えば、アルコールやアミノ基
等の官能基を有するポリマーを用い、該官能基にリガン
ドを結合させて固定してもよいし、リガンド成分を含有
する重合性成分(モノマー成分)を重合させることによ
り、リガンドを固定化したポリマーとしてもよい。
【0022】例えば、リガンドとして(イミノ)ビオチ
ンをポリマーに固定化する方法としては、例えばアルコ
ールを有する高分子であれば、(イミノ)ビオチンをエ
ステル結合で固定化する事が出来る。また、N-(3-アミ
ノプロピル)メタクリルアミドの様なアミノ基を持つ化
合物とアクリルアミドの様なアミノ基を持たない化合物
を共重合させ、そこへ(イミノ)ビオチン-N-スクシン
イミドエステルを用いてポリマー中のアミノ基へビオチ
ンを固定化することも出来る。また、下記一般式(I)
で示されるような重合性ビオチン誘導体を合成し、アク
リルアミド誘導体等と共重合させることによりビオチン
成分を有する重合体とすることもできる。
【0023】
【化1】
【0024】式(I)中、R2は水素原子またはアルキ
ル基を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、ア
ルキル基またはアリール基を示す。Tは酸素原子または
=NH基を示す。Wは単結合またはカルボニル基、チオ
カルボニル基もしくは炭素数1〜5のアルキレン基を示
す。Uは単結合または−NH−基、1,2−ジオキシエ
チレン基もしくは1,2−ジアミノエチレン基を示す。
Zは単結合またはカルボニル基、チオカルボニル基、炭
素数1〜5のアルキレン基、酸素原子もしくは−NH−
基を示す。Vは単結合または炭素数1〜5のアルキレン
基を示す。
【0025】さらに具体的には、下記(Ia)〜(I
c)で表される(イミノ)ビオチン誘導体が好ましい。
【0026】
【化2】
【0027】一般式(Ia)〜(Ic)中、R1は単結
合または炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R5は炭
素数2または3のアルキレン基を示す。X1は酸素原子
または硫黄原子を示し、X2〜X5はそれぞれ独立に酸素
原子または−NH−基を示す。T、R2、R3およびR4
はそれぞれ上記式(I)で定義される通りである。
【0028】一般式(Ia)で示される重合性(イミ
ノ)ビオチン誘導体は、一般に下記式(a1)で示され
る(イミノ)ビオチンまたは(イミノ)ビオチン誘導体
の側鎖カルボキシル基を適当な脱離基に変換後、下記一
般式(a2)で示されるアクリル誘導体と縮合反応させ
ることにより得ることが出来る。
【0029】
【化3】
【0030】上記一般式(Ib)で示される重合性(イ
ミノ)ビオチン誘導体は、一般に下記一般式(b1)で
示される(イミノ)ビオチン誘導体を、適当なアクリル
化剤(b2)(メタクリル化剤も含む。例えばアクリル
酸、アクリル酸クロリド、無水アクリル酸、アクリロキ
シスクシンイミド等のアクリル化剤、メタクリル酸、メ
タクリル酸クロリド、無水メタクリル酸、メタクリロキ
シスクシンイミド等のメタクリル化剤)と反応させて得
ることが出来る。
【0031】
【化4】
【0032】ここで、式(b1)の(イミノ)ビオチン
誘導体は、式(a1)の(イミノ)ビオチンまたは(イ
ミノ)ビオチン誘導体を適当な還元剤で還元することに
よりアルコール体(X4=酸素原子)を得ることが出
来、更に該アルコール体の水酸基を脱離基機能を有する
官能基に変換後、アミン誘導体(X4=−NH−)と置
換反応させることにより得ることが出来る。
【0033】上記一般式(Ic)で示される重合性(イ
ミノ)ビオチン誘導体は、一般に下一般式(c1)で示
される(イミノ)ビオチン誘導体を、THF、DMS
O、エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エ
チル、アセトン、脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン
等の非プロトン性溶媒中で、式(c2)で示されるイソ
シアネート化合物と反応させることにより得ることが出
来る。
【0034】
【化5】
【0035】本発明の重合性ビオチンモノマーの具体例
を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。下記重合性ビオチンモノマーの中でも、特に化
合物(B-1)が好ましい。
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】用いるリガンドは何らかの修飾を行い、多
価蛋白との結合定数αをフリーのリガンドの結合定数β
と比較してより低くすることが好ましい。ただし、結合
定数αはポリマーと結合した時点でフリーの結合定数β
と比較し低くなることが一般的である。ポリマーに結合
させたリガンドの結合定数αは、フリーのリガンドの結
合定数βより小さければいくらでも良いが、多価蛋白と
結合する範囲でなくてはならない。これらの結合定数は
例えば、ビーズなどに固定化したリガンドへの蛋白の結
合量を遠心や溶出などにより調べスッキャッチャードー
プロットなどを描くことにより求めることが出来る。
【0039】本発明では上記いずれかの方法によりリガ
ンドを固定化した高分子を多価蛋白と水溶液又は極性媒
体(例えばメタノール、エタノール、アセトン、DMSO
等)中で混合させることで、ゲル(または凝集体)を形
成させることが出来る。(ストレプト)アビジンを添加
することにより形成されるゲル又は凝集体の性状(例え
ば、ゲルを形成するか又は単に凝集するだけか、ゲルの
編み目の大きさ(固さ)等)は、高分子中のビオチンの
含有量およびそれに対して添加されたアビジンの比によ
り決定することができる。
【0040】更に、ゲルを形成させる際、多価蛋白を添
加する前に予め薬物や生理活性物質等の活性物質を添加
しておき、その後多価蛋白を添加することにより、活性
物質を含有するマイクロカプセルとすることもできる。
【0041】このゲルは、上記の通り、高分子に固定化
したリガンドよりも多価蛋白と親和性の高い化合物、例
えばフリーのリガンドを添加することにより崩壊する。
例えば、固定化したものがイミノビオチンであれば、フ
リーの(イミノ)ビオチンあるいはビオチン誘導体等を
添加することにより、固定化したものがビオチンであれ
ば、フリーのビオチン等を添加することにより、ゲルが
崩壊する。
【0042】この際、本発明のゲルに薬物等の活性物質
が含有されていれば、ゲル(または凝集体)の崩壊によ
りそれらが放出される。従って、本発明は、上記リガン
ドが固定されたポリマー、多価蛋白、および活性物質を
含有する活性物質放出剤を提供する。なお、この活性物
質放出剤は、ゲル形成時にこの三種が含有されていれば
よく、リガンド固定ポリマー、多価蛋白および活性物質
のうちのそれぞれ一種以上からなる活性物質放出剤用試
剤を組み合わせた形態(キットオブパーツ)で流通等す
ることもでき、本発明の活性物質放出剤は当然これらの
形態、すなわち上記三種を時間をおいて別々に含有する
ことからなる活性物質放出剤をも包含するものである。
【0043】上記の通り、本発明のリガンド応答性ゲル
はドラッグデリバリー、薬物放出マイクロカプセル等応
用範囲が格段に広いものである。
【0044】
【実施例】以下、実施例を示してこの発明をさらに詳細
にかつ具体的に説明するが、この発明は以下の例に限定
されるものではない。
【0045】合成例1[ビオチン固定化ポリアクリルア
ミド(1)の調製] 重合性ビオチンを使用し、ビオチンが固定化されたポリ
アクリルアミドを下記の方法により調製した。アクリル
アミド123mg、上記ビオチン誘導体(B-1)64mg
を蒸留水10mlによく混合した。この溶液を50℃と
した後、過硫酸アンモニウム10mgを添加し重合を開
始させ、6時間撹拌した。得られた溶液を一昼夜投石
し、ビオチン固定化ポリアクリルアミド(1)を得た。
【0046】実施例1[アビジンを介したポリアクリル
アミドの凝集体形成とアビジン添加による崩壊] 2%のアビジン水溶液850μl、1Mのリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.0)50μlをよく混合し、そこへ上記
合成例1で製造したビオチン固定化ポリアクリルアミド
(1)の約2%水溶液100μlを添加し、混合液の吸光度
を経時的に測定したところ、ポリアクリルアミドの添加
後、急激に吸光度の上昇が観察された。さらにそこへ、
0.1%のビオチン溶液100μl添加し、同様に吸光度
の変化を経時的に測定したところ、急激な吸光度の現象
が観察され、アビジンを介して生じたポリアクリルアミ
ドの凝集体が、フリーのビオチンの添加により、解離し
たことが確認された。
【0047】実施例2[アビジンを介したポリアクリル
アミドゲルの形成と崩壊] 上記合成例1で製造したビオチン固定化ポリアクリルア
ミド(1)の約2%水溶液約200μlに20mgのアビジ
ンを添加し、良く混合し、しばらく室温で放置したとこ
ろゲルが生じた。さらにこのゲルへフリーのビオチンを
添加し、かき混ぜるとゲルは崩壊し、溶液となった。
【0048】合成例2[ビオチン固定化ポリイソプロピ
ルアクリルアミドの調製] 300ml容のフラスコ内にN-イソプロピルアクリルアミ
ド0.488g、上記ビオチン誘導体(B-1)0.159g
および蒸留水94mlを添加し室温でよく撹拌した。そ
こに0.1gの過硫酸カリウムを添加し、室温で6時間
撹拌した。得られた溶液を一昼夜透析し、下限臨界溶液
温度(LCST)を有するビオチン固定化ポリマー(2)を得
た。得られた溶液のLCSTを測定したところ、31℃であっ
た。尚、LCST は可視光の透過率を用いて求めた。
【0049】実施例3[アビジンを介した感温性ビオチ
ン共重合体の凝集体形成とビオチン添加による崩壊] 2%のアビジン水溶液850μl、1Mのリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.0)50μlをよく混合し、そこへ上記
合成例2で調製した約2%のポリマー(2)水溶液100
μlを添加し、混合液の吸光度を経時的に測定したとこ
ろ、アビジンの添加後、急激に吸光度の上昇が観察され
た。さらにこの溶液の温度を40℃としたところ、白濁
が顕著になった。そこへ、0.1%のビオチン溶液10
0μl添加し、さらに溶液の温度を20℃として、同様
に吸光度の変化を経時的に測定したところ、急激な吸光
度の減少が観察された。ビオチン添加及び冷却、いずれ
か一方のみでは溶液は完全に透明にはならず、二つの要
因応答してゲルが崩壊したことが明らかである。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ドラッグデリバリー、
薬物放出マイクロカプセル等の用途が格段に広いリガン
ド応答性ゲルを提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 大西 徳幸 茨城県つくば市東一丁目1番 財団法人化 学技術戦略推進機構内 (72)発明者 片岡 一則 東京都文京区本郷七丁目3番1号 東京大 学大学院工学部内 (72)発明者 上野 勝彦 茨城県つくば市東一丁目1番 経済産業省 産業技術総合研究所物質工学工業技術研究 所内 Fターム(参考) 4C076 AA09 AA95 DD61 EE41 FF31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白を認識するリガンドを固定化したポ
    リマーおよび多価蛋白を含有することからなるリガンド
    応答性ゲル。
  2. 【請求項2】 更に活性物質を含有する請求項1記載の
    リガンド応答性ゲル。
  3. 【請求項3】 該蛋白を認識するリガンドが(イミノ)
    ビオチンであり、該多価蛋白が(ストレプト)アビジン
    である請求項1または2記載のリガンド応答性ゲル。
  4. 【請求項4】 該ポリマーが刺激応答性ポリマーである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリガ
    ンド応答性ゲル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のリガン
    ド応答性ゲルに、フリーのリガンド又はリガンド類縁体
    (但し、多価蛋白に対するフリーのリガンドの結合定数
    βは、ポリマーに固定化したリガンドの結合定数αより
    大きい)を添加することを特徴とするゲルの崩壊方法。
  6. 【請求項6】 蛋白を認識するリガンドを固定化したポ
    リマー、多価蛋白および活性物質を同時に、または時間
    をおいて別々に含有することからなる活性物質放出剤。
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