JP2002226208A - マグネシウム成分の安定化処理方法 - Google Patents
マグネシウム成分の安定化処理方法Info
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Abstract
収が困難なマグネシウム成分、又はマグネシウムの鋳物
工場やダイカスト工場において溶解精錬を行う時に生じ
る溶解滓(マグネシウムスラッジ及びマグネシウムドロ
ス)にならびにその混合物に含まれるマグネシウム成分
を回収し有効に利用する。 【解決手段】 使用済みマグネシウム合金、マグネシウ
ム溶解滓、又はそれらの混合物に含まれるマグネシウム
成分と正リン酸とをク溶性リン酸マグネシウム結晶が生
成する条件下で反応させる。得られたク溶性リン酸マグ
ネシウムは安定な物質であるため、埋立て処理が可能な
だけでなく、ク溶性リン酸肥料として利用できる。
Description
グネシウム合金を使用したマグネシウムダイカスト、鋳
物、展伸材などとして使用されていた使用済みマグネシ
ウム合金を廃棄する際に回収が困難なマグネシウム成
分、又はマグネシウム鋳物工場やダイカスト工場におい
て発生するマグネシウム溶解滓(マグネシウムスラッジ
又はマグネシウムドロス)を構成する金属マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、炭化マグネ
シウムなどのマグネシウム成分の安定化処理方法に関す
るものである。
使用され始めてから100年が経ち、最近に至って各種
産業への利用が急進し、その勢いは目覚ましいものがあ
る。この躍進は、マグネシウムの持つ多くの優れた特性
が、省エネルギー、部品の軽量・薄型・小型化などの社
会的ニーズに適応していること、そして技術革新により
諸課題(高コスト、腐食性、燃焼性など)が克服されつ
つあることに起因している。マグネシウムは密度1.7
4mg/m3とアルミニウムの約2/3、鉄の約1/4
で実用金属材料中で最も小さく、さらに、比強度、比耐
力、振動吸収性、放熱性、寸法安定性、電磁遮蔽能、切
削性、リサイクル性などに優れるという利点を持ってい
る。このような材料特性を生かして、自動車部品、携帯
用電子機器を始めとした家電製品の筐体への応用が急速
に伸びている。全世界における総生産量は約37万トン
で、対前年比約8%の伸びを記録している。日本では、
1999年には国内需要量が3万トンを超えている。こ
れは、携帯用電子機器へのマグネシウム合金の応用を起
点として、開発研究が活発に進められつつあることに起
因している。特に、ダイカストあるいはプラスチックの
射出成形機を応用した新しいプロセスによる厚さ1mm
以下の薄肉製品を製造する技術の進展には目を見張るも
のがある。
を最大限に生かすために、Al、Zn、Zr、Mn、R
E(希土類元素)、Ag、Si、Cu、Ni、Fe等を
添加し固溶させて合金としたもので、ASTM(Americ
an Society of Testing andMaterials;米国材料試験協
会)による材料規格表示が国際的に通用している。近年
需要が伸びている携帯用電子機器、パソコン筐体などで
は、薄肉のダイカスト成形が主流である。これに使用さ
れている代表的な材料は、JIS規格(JISH 5303)の
MDC1D(ASTM規格ではAZ91D)であり、主
成分であるMgに、Al,Zn,Zr,Mn,Si,C
u,Feを固溶させている。マグネシウム合金を前述の
用途に採用した際に、最適な材料の選択で最も重視する
のが成形時の流動性、及び市場性である。よって、低価
格で入手し易い材料で、且つ成型性が良いとされている
MDC1Dが最も多く使用されているのが実状である。
スクラップの貯蔵、溶解、鋳造(砂型、金型、ホットチ
ャンバーダイカスト、コールドチャンバーダイカス
ト)、機械加工、熱処理、廃棄物の処理といった工程が
ある。マグネシウム合金鋳物の使用量は前述のように増
加する傾向にあり、鋳造工程などで発生するマグネシウ
ム溶解滓(マグネシウムスラッジ又はマグネシウムドロ
ス)の量は必然的に増加する。
ト工場において、主にフラックスで溶解精錬を行う時に
生じ、その構成成分は工場によって違う。フラックス
は、一般的に塩化カリウム、塩化カルシウムを主とし、
塩化バリウム、ふっ化カルシウム、酸化マグネシウムな
どを含む溶剤である。
伴う溶解法により鍋底に分離沈殿した非金属、酸化物、
窒化物や極微粒子状で採取困難な状態の金属マグネシウ
ムを若干含む老化フラックスを主体とする溶解滓のこと
を呼ぶ。ドロスとは溶湯面上に生じるフラックス等の付
着した薄い酸化皮膜や窒化物、炭化物となったものや非
金属物質を含んでマグネシウムより軽いが同程度の比重
を持つものを呼ぶ。両者ともに溶湯の含有が少なく再
生、回収価値が少ない為、廃棄物として処理されてい
る。
マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、
炭化マグネシウムなどのマグネシウム成分が多量に含ま
れており、そのまま廃棄すれば水分を吸収して発熱し、
水素ガス、メタンガス、アンモニアガス、アセチレンガ
ス、アリレンガスなどを発生する。条件によっては自然
発火を起こす為、安全な処理をして産業廃棄物としなけ
ればならない。
うなものがある。処理用容器中に乾燥砂を敷き、一連の
溶解精錬工程で発生した溶解滓を容器の中で激しく砂と
攪拌して小粒塊状にする。小粒塊状になった溶解滓に対
して乾燥砂を容積比で1:1〜2程度で混合攪拌し、水
を散布して反応を促進させる。これにより、溶解滓と水
は緩慢なる水素ガス反応により安全に処理することが出
来る。
サイクルは種々の方法が試みられているが、鋳物、ダイ
カスト成形品の板厚が厚い場合は、マグネシウム回収効
率が高いので経済的であるが、薄肉製品の場合は再利用
が困難で大部分を廃棄しているのが現状である。これら
使用済みマグネシウム合金に含まれるマグネシウムを容
易に回収し有効利用できる処理法の開発が望まれてい
た。
含まれるマグネシウム成分が回収されることなく廃棄さ
れることや、廃棄物の処分場をめぐる問題などを考慮し
た場合、あまり好ましくない。また、マグネシウム業界
では、安定化処理及び廃棄処理業者への委託費用に多額
の投資を強いられており経済的なリスクも無視できな
い。以上のような観点から、既存の処理法よりも容易に
溶解滓を安定化でき、且つマグネシウム成分を有効利用
できる処理法の開発が望まれていた。
ム成分の安定化(無害化)処理方法は、使用済みマグネ
シウム合金、マグネシウム溶解滓、又はそれらの混合物
に含まれるマグネシウム成分と正リン酸とをク溶性リン
酸マグネシウム結晶が生成する条件下で反応させること
を特徴とする。
かに容易に使用済みマグネシウム合金、又はマグネシウ
ム溶解滓を処理でき、且つ処理後に得られた組成物はク
溶性のリン酸マグネシウムであるため、埋立て処理が可
能なだけでなく、マグネシウム成分をク溶性リン酸肥料
として有効利用できる。
用済みマグネシウム合金は、携帯用電子機器(主に携帯
電話)、パソコン筐体などに使用されるダイカスト薄肉
製品である。これらは軽量かつコンパクトであることが
要求されるため、板厚は数mm、または1mm以下とな
っている。使用されているマグネシウム合金ダイカスト
は幾つか挙げられるが、JIS規格のMDC1Dが最も
多く利用されている。化学成分は次の通りである。A
l:8.3〜9.7%、Zn:0.35〜1.0%、M
n:0.15〜0.50%、Si:0.10%以下、C
u:0.03%以下、Fe:0.005%以下、その他
の不純物:0.02%以下、そして残部がMg(88.
645〜91.063%)である。マグネシウム合金は
種類によって化学成分が異なるが、本発明の対象となる
使用済みマグネシウム合金は主成分としてマグネシウム
成分を含んでいれば問題はない。
(板状)、粉砕片状、粉末状等どのような形状でも構わ
ないが、これら使用済みマグネシウム合金には耐食性を
向上させるために、陽極酸化処理、化成処理、クロメー
ト系皮膜処理、ノンクロム系(主にリン酸塩系)皮膜処
理などの表面処理が施されているので、正リン酸との反
応性を高めるために、粒子径を直径2mm以下にして未
処理面を露出させることがより好ましい。
ウム溶解滓は、マグネシウムスラッジ又はマグネシウム
ドロスであり、主要成分は、金属マグネシウム(M
g)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化マグネシウム
(Mg3N2)、炭化マグネシウム(Mg2C3、Mg
C2)、塩化カルシウム(CaCl2)である。構成成
分の割合は各工場や溶解精錬の工程などによって異なる
が、本発明で対象となる溶解滓は、マグネシウム成分を
含んでいるものであれば良い。
のような形状でも構わないが、正リン酸との反応性を高
めるためには、粒子径を直径2mm以下にすることがよ
り好ましい。
る特定の比率で反応させることによってク溶性(クエン
酸溶解性)のリン酸マグネシウムを形成する。なお、ク
溶性とは、含有するリン酸成分が水に難溶性であるが2
%クエン酸水溶液に可溶なものをいう。リン酸肥料とし
て肥効上分類されており、作物に対して緩やかに肥効を
現す特徴がある。リン酸マグネシウムには、リン酸一水
素マグネシウム水和物(1水塩、3水塩、4.5水塩、
7水塩、一般的には3水塩)、リン酸二水素マグネシウ
ム水和物(無水塩、2水塩)、リン酸マグネシウム水和
物(無水塩、4水塩、8水塩、22水塩、一般的には2
2水塩)が存在する。この他にはアンモニアとの複塩等
も知られている。本発明で対象となるク溶性リン酸マグ
ネシウムは、リン酸一水素マグネシウム水和物(MgH
PO4・3H2O)及びリン酸マグネシウム水和物(M
g3(PO4)2・22H2O)である。これらのリン
酸塩は、リン酸肥料(苦土過リン酸肥料)に含まれるク
溶性成分として知られている。特に、MgHPO4・3
H2Oは、水100gに対して0.025g程度の低い
溶解度であり、反応が進行すると直ぐに結晶が析出して
くるので回収が容易である。
酸(H3PO4)の形態で含まれているものが好まし
い。リンが他の形態(ピロリン酸やリン酸塩化合物等)
の場合、マグネシウム成分と反応せず、対象となるク溶
性リン酸マグネシウムが得られないといった問題が生じ
る。また正リン酸濃度は特に限定しないが、溶液中で目
的とするリン酸マグネシウム結晶の析出ならびに固液分
離を効率よく行わせるために、望ましくは5〜40%程
度がよい。希薄溶液では反応速度が遅くなる。リン酸水
溶液中のH3PO4濃度が50%を超えると反応後の溶
液の粘性が上がるか又は溶液が凝固してしまうため好ま
しくない。
ウム溶解滓に含まれるマグネシウム成分と正リン酸との
配合割合は、マグネシウム1重量部(Mg元素換算)に
対して、正リン酸2.5〜4.5重量部(H3PO4換
算)であることが好ましい。これ以下の割合では、未反
応のマグネシウム成分が残るため好ましくない。また、
これ以上の割合では、水溶性リン酸塩であるリン酸二水
素マグネシウム水和物が生成して水溶液中に溶解してし
まうため、マグネシウムの回収率が下がる。
ウム溶解滓に含まれるマグネシウム成分とリン酸水溶液
を反応させる際に、反応速度論に従って生成反応が進行
するため、水溶液の温度は高温であることが好ましく、
最低でも36℃以上が良い。36℃以下の温度では、ク
溶性リン酸マグネシウムのうち、特にリン酸一水素マグ
ネシウム3水塩が生成し難いからである。ただし、固体
/液体比を大きくした場合、反応熱により水溶液の温度
が上昇するので、加温する必要はない。反応温度が高い
場合は、ク溶性リン酸マグネシウム結晶が一気に析出し
て反応時間は短縮するが、小さな結晶になるため固液分
離が難しくなる。一方、低い温度でゆっくり反応させた
場合は、結晶の成長が進行するため大きい結晶が得られ
固液分離が容易となる。回収したク溶性リン酸マグネシ
ウムの使用目的や、反応プロセス(反応時間、濾過)の
何処に重点を置くかによって、温度条件をコントロール
することが望ましい。
ム成分、マグネシウム溶解滓に含まれるマグネシウム成
分(金属Mg、MgO、Mg3N2、Mg2C3、Mg
C2等)と正リン酸(H3PO4)との反応は、例えば
表1に示す反応式のように行われると考えられる。反応
式に従って反応が進行すると、マグネシウム成分は正リ
ン酸と反応してMgHPO4・3H2O及びMg3(P
O4)2・22H2Oが生成し、結晶が析出する。
Al、Zn、Mn、Cu、Fe等を含んでいる。またマ
グネシウム溶解滓も同様にAl、Zn等を含んでいる場
合がある。これらは正リン酸と反応してリン酸塩化合物
(AlPO4、Zn(PO4) 2、Mn(PO4)2、Cu
3(PO4)2、Fe(PO4)2、FePO4)を形成す
るため、正リン酸のMgに対する反応量が少なくなるの
で、注意が必要である。この場合、正リン酸の使用量を
配合割合の範囲(2.5〜4.5重量部)内でなるべく
多めに設定することが好ましい。ただし、これらのリン
酸塩化合物は水に不溶性、又は難溶性であるため、ろ液
中に金属イオンが溶出することはなく、ク溶性リン酸マ
グネシウムに混入したこれらは、埋立処理や肥料として
使用した際にも雨水などによって溶出することは殆ど無
く安全である。
素ガス(H2)、アンモニアガス(NH3)、アセチレ
ンガス(C2H2)、アリレンガス(C3H4)などの
ガスが発生するので、溶解滓の処理設備にガスの回収設
備を設けておくことが好ましい。またアンモニアとリン
酸マグネシウムが反応してリン酸マグネシウム・アンモ
ニウム(NH3・MgPO4)を形成する場合がある
が、この物質はク溶性リン酸塩として知られており、本
発明のク溶性マグネシウムと同様に利用できる。不溶解
残渣として、溶解滓由来のアルミナ(Al2O3)、シ
リカ(SiO2)、アルミノケイ酸塩、炭素などが混入
するが、これらは安定な物質であり混入する量も極微量
なので問題はない。残りの水溶液中にはフラックスの成
分である塩化物等が溶解しているが、カルシウム塩やナ
トリウム塩が主体なので問題はなく、さらに富栄養化の
原因となるリンが実質的に除去されて低濃度になるの
で、排出基準をクリアできる程度にまで希釈して、必要
に応じてpH調整を行った後、下水道などに排出するこ
とが出来る。
例及びその効果を説明するが、本発明は下記の実施例に
限定されるものではない。
いたボディはマグネシウム合金ダイカスト製で、板厚は
0.7mmであった。表面は皮膜処理が施されており、
金属特有の光沢は見られなかった。使用されているマグ
ネシウム合金ダイカストはJIS規格のMDC1Dであ
った。成分値を表2に示す。また、粉末X線回折による
結晶相の同定を行った結果、主成分は金属Mgであっ
た。
8重量部(H3PO4として100重量部)と水100
0重量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液
を得た。そこに板厚0.7mmで大きさ10mm以下に
粗砕したダイカストの粗砕物25重量部(Mg:22.
5重量部、Al:2.26重量部、その他の成分:微
量)を投入しプロペラ式攪拌機によって攪拌を行った。
ダイカストの粗砕物は破砕面辺りから速やかに反応を開
始し、水溶液の温度は反応熱の発生によって約40℃ま
で上昇した。ダイカストの粗砕物は徐々に小さくなり、
溶液中に結晶粒子が析出してきた。反応が終了して完全
に粗砕物が消失したのは3日後であった。反応終了後、
結晶粒子を濾過回収し真空乾燥後に収量を測定したとこ
ろ174重量部であった。この結晶粒子を粉末X線回折
にて結晶相の同定を行った。その結果、リン酸一水素マ
グネシウム水和物(MgHPO4・3H2O)と僅かに
リン酸アルミニウム水和物(AlPO4・3.5H
2O)が生成していることが判明した。また、ろ液中の
P2O5濃度を測定したところ、140mg/Lであっ
た。
重量部(H3PO4として69重量部)と水1000重
量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液を得
た。そこに、板厚0.7mmで大きさ10mm以下に粗
砕したダイカストの粗砕物25重量部(Mg:22.5
重量部、Al:2.26重量部、その他の成分:微量)
を投入し、プロペラ式攪拌機によって攪拌を行った。以
下、実施例1と同様に反応が進行した。この反応によっ
て得られた結晶粒子は、濾過、真空乾燥後の収量が22
0重量部であった。粉末X線回折にて結晶相の同定を行
った結果、リン酸マグネシウム水和物(Mg3(PO4)
2・22H2O)と僅かにリン酸アルミニウム水和物
(AlPO4・3.5H2O)が生成していることが判
明した。また、ろ液中のP2O5濃度を測定したとこ
ろ、110mg/Lであった。
で大きさ2mm以下に粉砕したものについて実施例1と
同様に試験を行ったところ、約12時間で反応が終了し
た。得られた結晶粒子の収量及び結晶相は同じであっ
た。
で大きさ2mm以下に粉砕したものについて、溶液温度
を70℃に設定した以外、実施例1と同様に試験を行っ
たところ、約6時間で反応が終了した。得られた結晶粒
子の収量及び結晶相は同じであったが結晶粒子が細かい
ために固液分離に時間を要した。
5重量(をH3PO4として200重量部)と水100
0重量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液
を得た。以下、実施例1と同様に試験を行ったが、溶液
中に結晶粒子が析出してこなかった。これは、水溶液中
のリン酸が過剰に存在する為に、いったんダイカスト粗
砕物とリン酸が反応してリン酸二水素マグネシウム(M
g(H2PO4)2)を形成し、再び溶解したと考えられ
る。また、水溶液中のP2O5濃度を測定したところ、
145,000mg/Lであった。
重量部(H3PO4として50重量部)と水1000重
量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液を得
た。以下実施例1と同様に試験を行ったが、3日後にお
いてもダイカスト粗砕物は完全には消失しなかった。固
形分を濾過して真空乾燥後に粉末X線回折による結晶相
の同定を行ったところ、MgHPO4・3H2Oの他
に、AlPO4・3.5H2O、金属Mg、水酸化マグ
ネシウム(Mg(OH)2)の含有が認められた。
水1000重量部を2Lのガラス製容器中で混合してリ
ン酸アンモニウム水溶液を得た。以下、実施例1と同様
に試験を行ったが、ダイカスト粗砕物は全く反応せず、
3日後も変化がなかった。
したマグネシウム溶解滓(マグネシウムドロス)は塊状
で、表面は鈍い金属光沢を放ち、破砕面を観察すると炭
素化合物の混入による黒色部分が確認できた。蛍光X線
分析によるマグネシウム溶解滓の成分分析結果を表3に
示す。また、粉末X線回折による結晶相の同定を行った
結果、主な結晶相は金属MgとMgOであった。
8重量部(H3PO4として100重量部)と水100
0重量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液
を得た。そこに10mm以下に粗砕した溶解滓50重量
部(Mg換算で25.5重量部)を投入し、プロペラ式
攪拌機によって攪拌を行った。溶解滓はガスの発生によ
る発泡とともに速やかに反応を開始し、水溶液の温度は
反応熱の発生によって約40℃まで上昇した。溶解滓の
塊は徐々に小さくなり溶液中に結晶粒子が析出してき
た。反応が終了して溶解滓の塊が消失したのは約50時
間後であった。反応終了後、結晶粒子を濾過回収し、真
空乾燥後に収量を測定したところ170重量部であっ
た。この結晶粒子を粉末X線回折にて結晶相の同定を行
った。その結果、リン酸一水素マグネシウム水和物(M
gHPO4・3H2O)であることが判明した。また、
ろ液中のP2O5濃度を測定したところ、99mg/L
であった。
重量部(H3PO4として68重量部)と水1000重
量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液を得
た。そこに、10mm以下に粗砕した溶解滓50重量部
を投入しプロペラ式攪拌機によって攪拌を行った。以下
実施例5と同様に反応が進行した。この反応によって得
られた結晶粒子は、濾過、真空乾燥後の収量が210重
量部であった。粉末X線回折にて結晶相の同定を行った
結果、リン酸マグネシウム水和物(Mg3(PO4)2・
22H2O)であることが判明した。また、ろ液中のP
2O5濃度を測定したところ66mg/Lであった。
て、実施例5と同様に試験を行ったところ、約12時間
で反応が終了した。得られた結晶粒子の収量及び結晶相
は同じであった。
て、溶液温度を70℃に設定した以外、実施例5と同様
に試験を行ったところ、約6時間で反応が終了した。得
られた結晶粒子の収量及び結晶相は同じであったが結晶
粒子が細かいために固液分離に時間を要した。
5重量部(H3PO4として200重量部)と水100
0重量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液
を得た。以下、実施例5と同様に試験を行ったが、溶液
中に結晶粒子が析出してこなかった。これは比較例1と
同様の現象が起きたためと考えられる。水溶液中のP 2
O5濃度を測定したところ、150,000mg/Lで
あった。
重量部(H3PO4として50重量部)と水1000重
量部を2Lのガラス製容器中で混合しリン酸水溶液を得
た。以下実施例5と同様に試験を行ったが、50時間後
においても未反応の溶解滓の塊が消失しなかった。固形
分を濾過して真空乾燥後に粉末X線回折による結晶相の
同定を行ったところ、MgHPO4・3H2Oの他に、
金属MgやMg(OH) 2の含有が認められた。
水1000重量部を2Lのガラス製容器中で混合してリ
ン酸アンモニウム水溶液を得た。以下、実施例5と同様
に試験を行ったが、溶解滓は水と緩やかに水素ガス反応
を起こしているだけで、50時間経過後も殆ど変化がな
かった。
金、マグネシウム溶解滓、又はそれらの混合物に含まれ
るマグネシウム成分を適量の正リン酸と反応させて安定
なク溶性リン酸マグネシウム結晶に変換して分離回収す
る。これにより埋立て処理やク溶性リン酸肥料としての
利用が可能になるため工業的意義は大きい。
Claims (5)
- 【請求項1】 使用済みマグネシウム合金、マグネシウ
ム溶解滓、又はそれらの混合物に含まれるマグネシウム
成分と正リン酸とをク溶性リン酸マグネシウム結晶が生
成する条件下で反応させることを特徴とするマグネシウ
ム成分の安定化処理方法。 - 【請求項2】 使用済みマグネシウム合金、マグネシウ
ム溶解滓、又はそれらの混合物に含まれるマグネシウム
成分1.0重量部(Mg元素換算)に対して正リン酸
2.5〜4.5重量部(H3PO4換算)を反応させる
請求項1に記載のマグネシウム成分の安定化処理方法。 - 【請求項3】 使用済みマグネシウム合金、マグネシウ
ム溶解滓、又はそれらの混合物を粉砕して粒子径を2m
m以下にしたものを用いる請求項1又は2に記載のマグ
ネシウム成分の安定化処理方法。 - 【請求項4】 マグネシウム成分と正リン酸とを反応さ
せる際の温度を36℃以上とする請求項1,2又は3に
記載のマグネシウム成分の安定化処理方法。 - 【請求項5】 生成するク溶性リン酸マグネシウムがリ
ン酸一水素マグネシウム水和物およびリン酸マグネシウ
ム水和物のうち少なくとも一種である請求項1,2,3
又は4に記載のマグネシウム成分の安定化処理方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CZ304477B6 (cs) * | 2011-05-09 | 2014-05-21 | Michal Friml - Posp | Způsob získávání surovin ze strusky a zařízení k uskutečnění tohoto způsobu |
KR101464362B1 (ko) * | 2012-12-28 | 2014-11-24 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 마그네슘 제련 슬래그의 MgO 저감방법 |
CZ305929B6 (cs) * | 2007-10-30 | 2016-05-11 | Lm Technologies S. R. O. | Způsob získávání využitelných surovin ze strusky z výroby hořčíkových slitin a zařízení k provádění způsobu |
-
2001
- 2001-01-31 JP JP2001023100A patent/JP2002226208A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CZ305929B6 (cs) * | 2007-10-30 | 2016-05-11 | Lm Technologies S. R. O. | Způsob získávání využitelných surovin ze strusky z výroby hořčíkových slitin a zařízení k provádění způsobu |
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KR101464362B1 (ko) * | 2012-12-28 | 2014-11-24 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 마그네슘 제련 슬래그의 MgO 저감방법 |
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