JP2002225782A - 肥大船の船首構造、及び、肥大船の改修方法 - Google Patents

肥大船の船首構造、及び、肥大船の改修方法

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JP2002225782A
JP2002225782A JP2001022413A JP2001022413A JP2002225782A JP 2002225782 A JP2002225782 A JP 2002225782A JP 2001022413 A JP2001022413 A JP 2001022413A JP 2001022413 A JP2001022413 A JP 2001022413A JP 2002225782 A JP2002225782 A JP 2002225782A
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cap
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Hiroki Yasukawa
宏紀 安川
Nobuyuki Manabe
宣行 真鍋
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T70/00Maritime or waterways transport
    • Y02T70/10Measures concerning design or construction of watercraft hulls

Abstract

(57)【要約】 【課題】改修期間がより短く、改修コストがより低く、
且つ、速度性能がより高いこと。 【解決手段】原船の上方側船首部6を覆うキャップが旧
船に追加される。そのキャップは、それの水線面形状が
鋭角に形成されている。原船の構造を変えないので、改
修が容易である。キャップは、喫水線より上方である上
方部分を備えている。その上方部分は、公知技術と同様
に錐状に(嘴状に)形成されている。キャップは、喫水
線より下方である下方部分を備えている。この下方部分
が原船の喫水線よりも下方にある下方側船首部分2の最
先端よりも船尾側に配置されている点は、公知技術に同
じである。キャップは、喫水線より上方である上方部分
11を備え、上方部分11は、原船の喫水線より下方で
ある下方側船首部分2の最先端よりも船首方向に前方に
は位置していない。このように、本発明の嘴状部分は、
公知技術の嘴状部分よりも短く形成され、船体長さの延
長が公知技術のそれよりも抑制されているが、速度・燃
料費の点で公知技術よりも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肥大船の船首構
造、及び、肥大船の改修方法に関し、特に、喫水線より
上方にある船首部分が嘴状又楔状のように先鋭に形状化
され、荒天時の波浪中抵抗の増加を低減する肥大船の船
首構造、及び、肥大船の改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】荒天時に航行する船舶は、航行の速度を
維持するために、通常の航行時(晴天時、波浪程度が低
い時間帯)のエンジンの馬力よりも大きい馬力に上げる
必要がある。このような馬力の上昇は、燃料の消費に大
きく影響する。荒天時に通常航行の馬力を維持するため
の技術として、水面より上方にある船首部分をとがらせ
た楔形又は嘴形の船首構造が知られている。このような
先鋭船首構造は、波の抵抗増加を低減させることができ
る。新造船は、このような船首構造として初めから設計
される。先鋭船首部を持たない旧型船では、その船首部
分の一部分が切断され除去されて、その切断除去位置に
先鋭船首構造が再配置されている。
【0003】このような切断除去は、その改善工事に要
する時間が多くかかり、就航中の船舶の改善工事はその
タイミングの調整が困難である。同じエンジン馬力で、
通常航行時の15ノットに対して荒天時に速度を0.3
ノット上げることができる程度の改修が求められる。
【0004】改修の工事期間がより短いことが求められ
ている。更に、その改修がより低いコストで行われるこ
とが望まれる。更に、同じエンジン馬力で、通常航行時
の15ノットに対して荒天時に速度を0.3ノット上げ
ることができる程度の改修が可能であり、このような改
修により船長の増大を0.5%以下に抑えることができ
ることが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、改修
期間がより短い肥大船の船首構造、及び、肥大船の改修
方法を提供することにある。本発明の他の課題は、改修
コストがより低い肥大船の船首構造、及び、肥大船の改
修方法を提供することにある。本発明の他の課題は、改
修コストがより低く、且つ、速度性能がより高い肥大船
の船首構造、及び、肥大船の改修方法を提供することに
ある。本発明の更に他の課題は、同じエンジン馬力で、
通常航行時の15ノットに対して荒天時に速度を0.3
ノット上げることができる程度の改修が可能であり、こ
のような改修により船長の増大を0.5%以下に抑える
ことができる改修期間がより短い肥大船の船首構造、及
び、肥大船の改修方法を提供することにある。本発明の
他の課題は、改修コストがより低い肥大船の船首構造、
及び、肥大船の改修方法を提供することにある。本発明
の更に他の課題は、同じエンジン馬力で、通常航行時の
15ノットに対して荒天時に速度を0.3ノット上げる
ことができる程度の改修が可能であり、このような改修
により船長の増大を0.5%以下に抑えることができる
肥大船の船首構造、及び、肥大船の改修方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中に現れ
る技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添
記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複
数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実
施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特
に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現さ
れている技術的事項に付せられている参照番号、参照記
号等に一致している。このような参照番号、参照記号
は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の
技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このよ
うな対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の
形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されるこ
とを意味しない。
【0007】本発明による肥大船の船首構造は、原船の
上方側船首部と、上方側船首部を覆うキャップとから構
成されている。キャップは、それの水線面形状が鋭角に
形成されている。原船の構造を変えないので、改修が容
易である。キャップは、喫水線より上方である上方部分
を備えている。その上方部分は、公知技術と同様に錐状
に(嘴状に)形成されている。
【0008】キャップは、喫水線より下方である下方部
分(9)を備えている。下方部分(9)が原船の喫水線
よりも下方にある下方側船首部分(2)の最先端よりも
船尾側に配置されている点は、公知技術に同じである。
キャップは、喫水線より上方である上方部分(11)を
備え、上方部分(11)は、原船の喫水線より下方であ
る下方側船首部分(2)の最先端よりも船首方向に前方
には位置していない。このように、本発明の嘴状部分
は、公知技術の嘴状部分よりも短く形成され、船体長さ
の延長が公知技術のそれよりも抑制されている。このよ
うな抑制は、速度・燃料費の点で公知技術よりも優れて
いる。
【0009】キャップは、喫水線より下方である下方部
分(9)と、喫水線より上方である上方部分(11)と
を備え、下方部分(9)は、原船の喫水線より下方であ
る下方側船首部分(2)の最先端よりも船尾側に配置さ
れ、上方部分(11)は、原船の喫水線より下方である
下方側船首部分の最先端よりも船尾方向に前方には位置
していない。原船の喫水線より下方である下方側船首部
分(2)は、改修後のそれ(2)に全く同じである。
【0010】原船の上方側船首部は、原船嘴状船首部
(6)と、嘴状船首部(6)より下側に位置し概ね鉛直
線に形成される先端線(4)を持ち原船嘴状船首部
(6)より船尾側に位置する原船窪み部分(5)とを備
えている。キャップは、新船嘴状船首部(11)と、新
船嘴状船首部(11)より下側に位置し概ね鉛直線に形
成される先端線(8)を持ち新船嘴状船首部(11)よ
り船尾側に位置する新船窪み部分(9)とを備えてい
る。新船嘴状船首部(11)は、原船嘴状船首部(6)
を覆い、新船窪み部分(9)は、原船窪み部分(5)を
覆っている。
【0011】本発明による肥大船の改修方法は、原船の
上方側船首部を水線面形状が鋭角に形成されているキャ
ップで覆うこと、キャップの上方部分の前面を錐面状に
形成すること、キャップの下方部分を鉛直面状に形成す
ること、上方部分の先端を原船の喫水線より下方にある
下方側船首部の最先端よりも船首方向に前方には位置さ
せないこと、下方部分の先端を上方部分の後端より後方
に位置させることとから形成されている。このような新
船改修は、その改修費用の増大を抑制し、且つ、船長の
増大を抑制しつつその速度性能を高めることができる。
喫水面と原船との交線を含む形状面で定義される船体長
さがLppで表され、旧型船首部分に対して新型船首部
分により延長される長さがΔLで表され、次の関係:Δ
L<0.005・Lppが充足されることは、具体的な
課題を解決するための改修設計で重要な指針になる。
【0012】
【発明の実施の形態】図に対応して、本発明による肥大
船の船首構造の実施の形態は、旧型船の船首部分である
旧型船首部分とともに、新型船の船首部分である新型船
首部分が設けられている。以下、船体が浮いている海水
面が水平面である時の船体の縦方向中心線を含む縦方向
中心鉛直面に直交する面のうち鉛直面でない方の面は、
水線面といわれる。この定義によれば、海水面が水平面
である時の水線面は、水平面に平行である。本明細書で
は、完全静止水面に浮く船体に固定された座標系上で、
水平、水平面、鉛直、鉛直面、船尾方向(船尾に向かう
方向)、船首方向(船首に向かう方向)、喫水線、喫水
面が定義される。
【0013】旧型船首部分10は、図1に示されるよう
に、(1)球状船首部(肥大部)2と、(2)喫水面又
は喫水面近傍の喫水面近傍水線面3の近傍上下領域で旧
型鉛直前端線4を有し、球状船首部2に対して船尾方向
に前面が後退して窪み、球状船首部2より上方に配置さ
れる旧型窪み部分5と、(3)旧型窪み部分5より上方
に配置され旧型窪み部分5に対して旧型窪み部分5より
船首方向に張り出すが、その前端Qが球状船首部2の前
端Pより船尾方向に後退して配置される張出し部6とか
ら構成されている。
【0014】新型船首部分(別名では、キャップといわ
れる)20は、図1に示されるように、(1)旧型船首
部分10と共有する球状船首部2と、(2)喫水面又は
喫水面近傍の喫水面近傍水線面3の近傍上下領域のうち
で、旧型窪み部分5の鉛直前端線4より船尾方向に後退
する後退位置面(横方向鉛直面)7から旧型窪み部分5
の鉛直前端線4より船首方向に前進する前進位置線8ま
での間で船首方向に張り出すが、球状船首部2の前端P
よりも船尾方向に後退して配置され、新型前端鉛直線8
が張出し部6の前端Qよりも船尾方向に後退して配置さ
れる新型窪み部分9と、(3)新型窪み部分9より上方
に配置され新型窪み部分9に対して新型窪み部分9より
船首方向に張り出すが、その前端Rが球状船首部2の前
端Pより船首方向に前進していない領域に配置される新
型張出し部11とから構成されている。
【0015】本発明の著しい性格は、新型船首部分20
は旧型船首部分10を覆うように配置されて取り付けら
れていることである。その取り付けは、溶接による。又
は、その取り付けは着脱自在である。未知の物理法則の
解明、船首構造の数学的解析の確立、試行錯誤的実験と
により、新たに好ましい船首構造が見出された場合、更
に新しい新型船首部構造を取り換え自在に交換すること
ができるためには、その取り付け方法は、交換自在・着
脱自在であることは好ましい。荒天時の波の波長・周期
に対応して船首部構造を取り換えることは、技術的には
不可能ではない。
【0016】図2は、水平断面上の船首部分の水線(外
形線)を示している。新型窪み部分9は、既述の縦方向
中心鉛直面12に含まれる旧型鉛直前端線4に水平方向
に直交する旧型水平前端線13より前方(船首方向)
に、縦方向中心鉛直面12に対して対称に張り出してい
る。新型窪み部分9の外形線は、その断面(喫水面14
又はこれに上下方向に近傍である水平断面)上で、鈍角
に旧型窪み部分5に対して突き出して、鈍角張出し嘴状
船首部分を形成している。このような鈍角張出し嘴状船
首部分9は、概ね柱状であり、その周面は概ね3角柱面
の2面を有している。前進位置線8は、張出し部6の前
端(線)Q(仮想的に図示されている)よりも後方位置
にある。
【0017】図3は、他の水平断面上の船首部分の水線
(外形線)を示している。図3である断面は、喫水面1
4と船体頂面15との間にあり新型張出し部11を切断
する高さ位置にある。新型張出し部11の前方部分は、
張出し部6と同じ高さ位置で、その張出し部6より前方
に張出している。その断面上で、新型張出し部11の前
端点Tは、張出し部6の前端点Sよりも前方に進んだ位
置にある。新型張出し部11の最先端は、張出し部6の
前端Q(仮想的に図示されている)よりも前方に進んだ
位置にある。
【0018】新型張出し部11は、新型窪み部分9の上
方に位置し、新型窪み部分9に対して船首方向に突き出
し、船体頂面15を1面とする3面で形成される3角錐
面状に上方に向いて傾斜して窄み、縦方向中心鉛直面1
2に対して対称である窄み面を下面として有し、新型張
出し部11はいわゆる嘴状錐体を形成している。このよ
うな嘴状錐体11の最先端は、船体頂面15に含まれ、
球状船首部2の前端Pより船首方向に進んだ位置にはな
く、球状船首部2の前端Pよりむしろ船尾方向に後退し
た位置にある。実施例としては、嘴状錐体11の最先端
(前端)Rと球状船首部2の前端Pとは、ともに縦方向
中心鉛直面12に含まれる同一鉛直線上にある。
【0019】このように本発明による肥大船の船首構造
は、その嘴状錐体(新型張出し部)11が公知の嘴状突
き出し体(特開平9−290796号、特開平11−2
0773号、特開平11−222181号)のようには
先鋭に前方に長く突き出すことはない。喫水面と船体と
の交線を含む形状面で定義される船体長さはLppで表
され、旧型船首部分10に対して新型船首部分20によ
り延長される長さがΔLで表され、次の関係が充足され
る。ΔL<0.005・Lpp
【0020】喫水面上で定義される船長の延長率は、こ
のように小さい。このように小さい延長率の嘴11の追
加は、後述されるように、15.0ノット巡航の比較対
象の標準公知船に対して、同一馬力で、0.33ノット
の速度上昇を可能とし、荒天時の基準の荒波に対して、
燃料比較では6%の節約を可能にする。
【0021】旧型船首部分10を持つ公知標準船とこの
公知標準船に新型船首部分20を追加した本発明実験船
との比較は、比較用キャップをその公知標準船に装備し
た比較用実験船との対比で行われた。比較用実験船の比
較用キャップ30は、図1に示されるように、球状船首
部2の前端Pを通り鉛直線を前端線とし、球状船首部2
に連続して球状船首部2より上方に位置し船体頂面15
まで届き、新型船首部分20よりも更に前方まで延長さ
れる広域的比較用船首構造を有している。このような広
域的比較用船首構造30は、図2,3に示されるよう
に、球状船首部2より上方の領域で広域的嘴状船首部分
16を形成し、比較用キャップ30を切断する任意の水
線面(水平面)で、その先端が新型張出し部11の前端
Rを通る鉛直線上にあり、全体的に楔形状であり3角柱
面の2面17を形成している。
【0022】以下、旧型船首部分10を持つ公知標準船
はオリジナルキャップ(キャップなし)、原船型、又
は、W/Oキャップといわれ、新型船首部分20を持つ
本発明船はキャップ・1といわれ、比較用キャップ30
を持つ比較用船はキャップ・2と言われる。キャップ・
1の船長延長率は既述の通り0.5%であるが、キャッ
プ・2の船長延長率は、1.7%である。キャップ・1
は、既述の通り、喫水線付近で楔形状であり、上方部位
でBeak Bowである。
【0023】図4は、実験結果を示している。平穏時
(海水面平坦時)には、どの船形も同じ速度(Vs・ノ
ット)−馬力(BHP)曲線を示すが、荒天時に同じ速
度を得るためには、W/Oキャップの出力が最も大きく
必要であり、次に、キャップ・2の出力が大きく、キャ
ップ・1の出力はもっとも小さい。15ノットのW/O
キャップに対して、キャップ・2は0.33ノットの速
度の上昇があることを示している。
【0024】図5は、肥大船の性能の特徴を表現する波
浪中抵抗増加値−Bluntness係数・関数を示している。
縦軸は、波浪中抵抗増加値を示している。公知の肥大船
首に関しては、y=1.2xで示される直線関係が知ら
れているが、W/Oキャップとキャップ・2は、公知直
線から大幅に離れている。キャップ・1の波浪中抵抗増
加値は、W/Oキャップとキャップ・2のそれらより小
さい。W/Oキャップからキャップ・2までの波浪中抵
抗増加減は、既述の公知の直線の傾きと同じ減少率を示
しているが(W/Oキャップのプロット点とキャップ・
2のプロット点を結ぶ直線は、公知直線に概ね平行)、
キャップ・1の波浪中抵抗増加値は、比較的に新しいV
LCC船型の中では最も低いレベルにある。このような
ことは、Bluntness係数だけでは説明できない新しい知
見に基づいた現象であると推定される。キャップ・1が
示す物理現象の詳細なメカニズムは、現在、知られてい
ない。嘴状船首が長いことは、波浪中抵抗を減少させる
ことに対応していない。錐状船首は、船体に向かって来
る波浪を左右方向に分ける。従って、錐状船首は、船体
を後方に押しやる波浪力の後方向き成分を小さくする
が、その延長率と抵抗減少率との間の相関性は、未知で
ある。
【0025】図6は、開発されたEUT(Enhanced Uni
fied Theory)による計算結果を示している。図6は、
波浪中抵抗増加値−波長・関数曲線を示している。実線
は、EUTによる計算結果を示し、点線は従来計算法S
TFMにより計算結果を示している。丸印は、実験結果
の離散点を示している。EUTは波長が長い領域で推定
精度が向上していることが、図6によりよく示されてい
る。しかし、図5が示すように、嘴船首の長さ、傾きに
関する物理法則は、波浪力の船尾方向成分の減少だけで
は説明され得ない。本発明による肥大船の船首構造は、
船体の僅かな0.5%延長により、従来新型船と同じ燃
料節約を可能とし、且つ、船体の質量の大幅な増大を招
いていない。
【0026】
【発明の効果】本発明による肥大船の船首構造、及び、
肥大船の改修方法は、改修期間をより短く、改修コスト
をより低く抑えることができ、且つ、船長の大幅な延長
を招かない。同じエンジン馬力で、通常航行時の15ノ
ットに対して荒天時に速度を0.3ノット上げることが
できる程度の改修を行って、船長の増大を0.5%以下
に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による肥大船の船首構造の実施
の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、図1のある高さ位置の水平断面図であ
る。
【図3】図3は、図1の他のある高さ位置の水平断面図
である。
【図4】図4は、速度と馬力の関係を示すグラフであ
る。
【図5】図5は、波浪中抵抗増加値−Bluntness係数を
示すグラフである。
【図6】図6は、波浪中抵抗増加値−波長を示すグラフ
である。
【符号の説明】
2…下方側船首部分 4…先端線 5…原船窪み部分 6…原船嘴状船首部 8…先端線 9…下方部分 11…上方部分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原船の船首部と、 前記船首部を覆うキャップとを含み、 前記キャップは、水線面形状が鋭角に形成されている肥
    大船の船首構造。
  2. 【請求項2】前記キャップは、喫水線より上方である上
    方部分を備え、 前記上方部分は錐状に形成されている請求項1の肥大船
    の船首構造。
  3. 【請求項3】前記キャップは、喫水線より下方である下
    方部分を備え、 前記下方部分は、前記原船の喫水線よりも下方にある下
    方側船首部分の最先端よりも船尾側に配置されている請
    求項2の肥大船の船首構造。
  4. 【請求項4】前記キャップは、喫水線より上方である上
    方部分を備え、 前記上方部分は、前記原船の喫水線より下方である下方
    側船首部分の最先端よりも船首方向に前方には位置して
    いない請求項1の肥大船の船首構造。
  5. 【請求項5】前記キャップは、 喫水線より下方である下方部分と、 前記喫水線より上方である上方部分とを備え、 前記下方部分は、前記原船の喫水線より下方である下方
    側船首部分の最先端よりも船尾側に配置され、 前記上方部分は、前記原船の喫水線より下方である下方
    側船首部分の最先端よりも船尾方向に前方には位置して
    いない請求項1の肥大船の船首構造。
  6. 【請求項6】前記原船の喫水線より上方である上方側船
    首部は、 原船嘴状船首部と、 前記嘴状船首部より下側に位置し概ね鉛直線に形成され
    る先端線を持ち前記原船嘴状船首部より船尾側に位置す
    る原船窪み部分とを備え、 前記キャップは、 新船嘴状船首部と、 前記新船嘴状船首部より下側に位置し概ね鉛直線に形成
    される先端線を持ち前記新船嘴状船首部より船尾側に位
    置する新船窪み部分とを備え、 前記新船嘴状船首部は、前記原船嘴状船首部を覆い、 前記新船窪み部分は、前記原船窪み部分を覆う請求項5
    の肥大船の船首構造。
  7. 【請求項7】原船の上方側船首部を水線面形状が鋭角に
    形成されているキャップで覆うこと、 前記キャップの上方部分の前面を錐面状に形成するこ
    と、 前記キャップの下方部分を鉛直面状に形成すること、 前記上方部分の先端を前記原船の喫水線より下方にある
    下方側船首部の最先端よりも船首方向に前方には位置さ
    せないこと、 前記下方部分の先端を前記上方部分の後端より後方に位
    置させることとを含む肥大船の改修方法。
  8. 【請求項8】喫水面と前記原船との交線を含む形状面で
    定義される船体長さがLppで表され、旧型船首部分に
    対して新型船首部分により延長される長さがΔLで表さ
    れ、次の関係: ΔL<0.005・Lpp が充足される請求項7の肥大船の改修方法。
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