JP2002225330A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002225330A
JP2002225330A JP2001023601A JP2001023601A JP2002225330A JP 2002225330 A JP2002225330 A JP 2002225330A JP 2001023601 A JP2001023601 A JP 2001023601A JP 2001023601 A JP2001023601 A JP 2001023601A JP 2002225330 A JP2002225330 A JP 2002225330A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低電圧でも高効率で電荷注入を行うことがで
き、静電潜像の電位、サイズを安定させ高分解能、高画
質の画像を形成する。 【解決手段】像担持体2の軸方向に沿って像担持体と接
触配置される複数の書込電極3bを備えた書込装置3を
用いて像担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置に
おいて、前記像担持体2は、導電性基体2c上に形成さ
れた誘電層2bと、該誘電層上に形成された電荷注入層
2aとを備え、電荷注入層の厚みをd1としたとき、d1
2<電極単位面積の関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書込電極を像担持
体に接触させて像担持体上に静電潜像を形成する画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多数の針電極を用いて像担持体に
静電潜像を形成する方式の画像形成装置が知られてい
る。この多針電極方式においては、針電極からの放電に
よって像担持体上に静電潜像を形成するものであり、従
って、放電部は最も放電開始電圧が低い針電極が用いら
れ、これは画像分解能を向上させることからも先端が尖
っていることが望ましい。一般に、針電極と像担持体は
微小な間隙をもって非接触配置され、放電現象によって
像担持体に静電潜像を形成する。
【0003】しかし、間隙変動による放電開始電圧のバ
ラツキはそのまま静電潜像の電位バラツキになり、筋ム
ラ、画像の途切れ、ボヤケ、チリ等の重大画像欠陥につ
ながっている。よって、間隙を安定的に一定に保つため
に、針電極は高精度かつ高剛性が必要で、これを位置決
め支持する保持部材も高精度かつ高剛性が必要となる。
さらに像担持体の円周方向にも像担持体の母線上に針電
極を正確に位置決めしないと間隙は変化し、均一な帯電
ができない。また、像担持体の回転振れは確実に間隙を
変動させるため、スペーサ等を付加し間隙を管理する
が、像担持体が高速回転する高速印字では振動等によっ
て、間隙を一定に保つことができず、結果として印字ス
ピードが低く抑えられていた。
【0004】これらを解決するものとして、特開昭63
−45104号公報においては、針電極を、絶縁性の無
機ガラスをコーティングした像担持体に当接させ、更
に、像担持体に潤滑油を塗布することにより針電極の像
担持体への摩耗損傷を防止する提案を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−45104号公報の方式においては、今度は針電
極の摩耗が発生し、放電開始電圧が変動し静電潜像のサ
イズや帯電電位が変動してしまうという問題を有してい
る。また、オイルを像担持体に塗る構成が摩耗低減のた
めに必須の要件のため、トナー等を直接現像できず、像
担持体は中間像担持体としてしか使用できないという問
題を有している。
【0006】このように、多針電極方式は、静電潜像電
位がバラツキやすく、静電潜像分解能も経時変化するた
め、画像品質が低下するという問題を有し、また、針電
極と像担持体との間隙や位置決めのための高精度な保持
部材や位置決め部材が必要であり、装置の複雑化、大型
化を招くという問題を有している。また、針電極のため
接触圧力が高く、電極および像担持体が短時間で損傷し
てしまうという問題や、印字高速化が難しいとともに、
中間像担持体として使用するため、装置の大型化を招く
という問題を有している。
【0007】また、絶縁体への書き込みは、放電モード
で行われるため高圧電源が必要になるという問題や、オ
ゾンが発生するという問題を有している。
【0008】また、放電モードは、電極と像担持体の接
触部分では起きず、周囲の微小空隙部分で起き、電極の
接触している部分は帯電できず、中抜け帯電不良が生じ
てしまう。例えば、(電圧印加時間)>(電極接触部分
の長さ)/(像担持体の移動速度)としたとしても、印
加電圧をオフする直前では必ず中抜けが生じてしまう。
【0009】また、高電圧による書き込みのため、リー
クの防止から電極同士を近接して配置できず、解像度に
限界があるという問題を有している。
【0010】また、像担持体表面が絶縁体であるので残
留電荷が大きく、一連の画像形成プロセスが終了し、再
書き込みをする場合に除電器で残留電荷を除去する必要
があるが、このとき高圧除電器による放電モードを利用
しないと除電できないという問題を有している。
【0011】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であって、低電圧でも高効率で電荷注入を行うことがで
き、静電潜像の電位、サイズを安定させ高分解能、高画
質の画像を形成することができる画像形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の画像形成装置は、像担持体
の軸方向に沿って像担持体と接触配置される複数の書込
電極を備えた書込装置を用いて像担持体上に静電潜像を
形成する画像形成装置において、前記像担持体は、導電
性基体上に形成された誘電層と、該誘電層上に形成され
た電荷注入層とを備え、電荷注入層の厚みをd1とした
とき、 d1 2<電極単位面積 の関係を満足することを特徴とし、請求項2記載の発明
は、像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触配置され
る複数の書込電極を備えた書込装置を用いて像担持体上
に静電潜像を形成する画像形成装置において、前記像担
持体は、導電性基体上に形成された誘電層と、該誘電層
上に形成された電荷注入層とを備え、電荷注入層の厚み
をd1、電荷注入層の厚み方向の体積抵抗率をρv、表面
方向の体積抵抗率をρsとしたとき、 d1 2<ρs/ρv の関係を満足することを特徴とし、請求項3記載の発明
は、請求項2において、ρs>ρvとすることを特徴と
し、請求項4記載の発明は、像担持体の軸方向に沿って
像担持体と接触配置される複数の書込電極を備えた書込
装置を用いて像担持体上に静電潜像を形成する画像形成
装置において、前記像担持体は、導電性基体上に形成さ
れた誘電層と、該誘電層上に形成された電荷注入層とを
備え、万線グレーパターンにより階調表現する場合に、
書込電圧をV、注入電位をVon、線間電位をVoff、電
荷注入層の厚みをd1、誘電層の厚みをd2、電荷注入層
の体積抵抗率をρ、誘電層の誘電率をε、書込時間をΔ
t、線間距離をliとしたとき、 (d2/(ρd1ε))(1−4d1 2/li 2)>|Von−Voff
/(|V|Δt) の関係を満足することを特徴とし、請求項5記載の発明
は、像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触配置され
る複数の書込電極を備えた書込装置を用いて像担持体上
に静電潜像を形成する画像形成装置において、前記像担
持体は、導電性基体上に形成された誘電層と、該誘電層
上に形成された電荷注入層とを備え、ドットグレーパタ
ーンにより階調表現する場合に、書込電圧をV、注入電
位をVon、ドット間電位をVoff、電荷注入層の厚みを
1、誘電層の厚みをd2、電荷注入層の体積抵抗率を
ρ、誘電層の誘電率をε、書込時間をΔt、ドット間距
離をliとしたとき、 d2/(ερd1)×(1−2d1 2/(li 2(1+2r0
li)ln(1+li/r0)))>|Von−Voff|/(|
V|Δt) の関係を満足することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明に係る画像
形成装置の実施の形態の基本構成を模式的に示す図であ
る。
【0014】図1に示すように、本発明に係る画像形成
装置1は、静電潜像が形成される像担持体2と、像担持
体2に接触してこの像担持体2に静電潜像を書き込む帯
電書込装置3と、像担持体2上の静電潜像を現像剤担持
体4aに担持・搬送された現像剤で現像する現像装置4
と、この現像装置4で現像された像担持体2上の現像剤
像を紙等の転写材5に転写する転写装置6と、転写後の
像担持体2上に残っている電荷を除電するかまたは転写
後の像担持体2を帯電するかして像担持体2上を一様電
荷状態にする像担持体一様電荷制御装置(以下、単に電
荷制御装置という)7とを少なくとも備えている。
【0015】像担持体2は、アルミ等からなるドラム状
の導電性基体2cと、導電性基体2cの外周に形成され
たPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる誘電
層2bと、誘電層2bの外周に形成された電荷注入層2
aを有する3層構造からなり、導電性基体2cは接地さ
れている。
【0016】本発明の特徴である電荷注入層2aとして
は、複合導電性高分子材料(電気絶縁性をもつ高分子
材料に導電性材料を混入、分散させたもの)、或いは
導電性高分子材料(高分子材料自体に導電性を有するも
の)が用いられる。
【0017】のバインダー樹脂の具体例としては、ポ
リエステル樹脂*、ポリカーボネート樹脂*、ポリスチ
レン樹脂*、フッ素樹脂*、セルロース、塩化ビニル樹
脂、ポリウレタン樹脂*、アクリル樹脂*、エポキシ樹
脂*、シリコーン樹脂*、アルキド樹脂*、メラミン樹
脂*、フェノール樹脂*、ポリアミド樹脂*、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂のいずれか単体、もしくは
2種以上のポリマーアロイを用いる。
【0018】特に、*印の樹脂には塗料用樹脂があり、
溶媒を用いて導電性材料と混合、分散が容易、かつ、混
合分散物を塗布して溶媒を飛ばすだけで電荷注入層を形
成できる利点がある。塗料用以外の樹脂の場合は、導電
性材料を入れて溶融混練して混合、分散させる。よっ
て、熱と力が必要であり、また、高温でも粘性の高い樹
脂に異質材料を均一分散させるには界面活性剤や長時間
混練が必要である。ただし、塗料用に比較して高分子同
士の結合が強いので耐摩耗性には優れる。よって、書込
電極が接触する本発明には有効である。
【0019】また、の導電性材料の具体例としては、
酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化チタン各々
に、アンチモン、インジウム等ドーピングして導電化処
理したもの(**)、或いは銅、アルミ、ニッケル、ス
テンレス、鉄の金属粒子や金属繊維を用いる。前記**
印の酸化物の表面張力は約100dyn/cm、金属は
約1000dyn/cm、バインダー樹脂は約40dy
n/cmであり、よって表面張力の近い**印の酸化物
の方が樹脂との相溶性が高く、均一分散させやすい利点
がある。
【0020】上記の導電性高分子材料の具体例として
は、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p
−フェニレンスルフィド、ポリピロール、ポリチェニレ
ン、ポリアニリンの単体または各々にAsF5、I2、B
4等をドーピングしたものを用いる。
【0021】書込装置3は、FPC(Flexible Print C
ircuit )あるいはPET等の絶縁性が高くかつ比較的
柔らかく弾性のある可撓性の基材3aと、基材3aに支
持されかつこの基材3aの撓みによる弱い弾性復元力で
像担持体2上に軽く押圧されて接触して静電潜像を書き
込む書込電極3bとを備えている。なお、書込電極3b
の押圧力は、幅300mmで押圧力10N以下、すなわ
ち線圧0.33N/mm以下が接触を安定化し電荷注入
を安定化する上で好ましく、摩耗の観点からは接触を安
定に保つ状態を維持しつつ極力線圧を下げることが望ま
しい。
【0022】このように構成された画像形成装置1にお
いては、電荷制御装置7で像担持体2上を一様電荷状態
にした後、像担持体2に接触している書込装置3によ
り、静電潜像が一様電荷状態の像担持体2上に書き込ま
れる。そして、像担持体2上の静電潜像が現像装置4の
現像剤で現像され、その現像剤像が転写装置6で転写材
5に転写される。
【0023】図2は、本発明の画像形成装置1における
画像形成の基本プロセスを示す図である。本発明の画像
形成装置1における画像形成の基本プロセスとして、
(1) 一様除電−接触帯電書込−正規現像、(2) 一様除電
−接触帯電書込−反転現像、(3) 一様帯電−接触除電書
込−正規現像、および(4) 一様除電−接触除電書込−反
転現像の4つの画像形成プロセスがある。以下、これら
の画像形成プロセスについて説明する。 (1) 一様除電−接触帯電書込−正規現像 この画像形成プロセスの一例として、図(A)に示すプ
ロセスがある。この画像形成プロセスは電荷制御装置7
として除電ローラ7bが用いられ、また、書込装置3の
書込電極3bは電荷注入層2aに接触して電荷注入層2
aの画像部を(+)帯電することでこの電荷注入層2a
に静電潜像を書き込むようになっている。除電ローラ7
bは電荷注入層2aに接触されており、この除電ローラ
7bにより電荷注入層2aの電荷が除電されて電荷注入
層2a上が、電荷が取り除かれた0Vに近い一様電荷状
態にされる。次いで、書込装置3の書込電極3bにより
電荷注入層2a上の画像部が(+)帯電されてこの電荷
注入層2a上に静電潜像が書き込まれる。そして、現像
装置4の現像ローラ4aによって搬送される(−)帯電
された現像剤8が電荷注入層2aの(+)帯電された画
像部に付着して静電潜像が正規現像される。 (2) 一様除電−接触帯電書込−反転現像 この画像形成プロセスの一例として、図(B)に示すプ
ロセスがある。この画像形成プロセスは、図(A)に示
す例と同様に、電荷制御装置7として除電ローラ7bが
用いられている。また、書込装置3の書込電極3bは電
荷注入層2aに接触して電荷注入層2aの非画像部を
(−)帯電するようになっている。この例の画像形成プ
ロセスにおいては、除電ローラ7bにより電荷注入層2
aの電荷が除電されて電荷注入層2a上が、電荷が取り
除かれた0Vに近い一様電荷状態にされた後、書込装置
3の書込電極3bにより電荷注入層2a上の非画像部が
(−)帯電されてこの電荷注入層2a上に静電潜像が書
き込まれる。そして、現像装置4の現像ローラ4aによ
って搬送される(−)帯電された現像剤8が電荷注入層
2aの(−)帯電されない0Vに近い画像部に付着して
静電潜像が反転現像される。 (3) 一様帯電−接触除電書込−正規現像 この画像形成プロセスの一例として、図(C)に示すプ
ロセスがある。この画像形成プロセスは、電荷制御装置
7として帯電用コロナ放電器7dが用いられている。図
示しないが、この帯電用コロナ放電器7dには、従来と
同様に(−)の直流のバイアス電圧または(−)の直流
に交流を重畳されたバイアス電圧が印加される。また、
書込装置3の書込電極3bは電荷注入層2aに接触して
電荷注入層2aの非画像部の(−)電荷を除電するよう
になっている。更に、現像ローラ4aには(+)の直流
のバイアス電圧が印加されていて、現像ローラ4aは
(+)に帯電された現像剤8を電荷注入層2aの方へ搬
送するようになっている。そして、(+)帯電された現
像剤8が電荷注入層2aの除電されない(−)帯電残留
画像部に付着して静電潜像が正規現像される。 (4) 一様帯電−接触除電書込−反転現像 この画像形成プロセスの一例として、図(D)に示すプ
ロセスがある。この画像形成プロセスは、電荷制御装置
7として帯電用コロナ放電器7dが用いられている。図
示しないが、この帯電用コロナ放電器7dには、従来と
同様に(+)の直流のバイアス電圧または(+)の直流
に交流を重畳されたバイアス電圧が印加される。この例
の画像形成プロセスの他の構成は、前述の図2(C)に
示す例と同じである。この例の画像形成プロセスにおい
ては、帯電用コロナ放電器7dにより電荷注入層2a上
が(+)帯電されて所定電圧の一様電荷状態にされた
後、書込装置3の書込電極3bにより電荷注入層2a上
の画像部の(+)電荷が除電されてこの電荷注入層2a
上に静電潜像が書き込まれる。そして、現像装置4の現
像ローラ4aによって搬送される(+)帯電された現像
剤8が誘電体2bの(+)帯電されない画像部に付着し
て静電潜像が反転現像される。
【0024】図3(A)は、書込装置3の書込電極3b
の帯電または除電による電荷注入層2aの機能を示す模
式図、図3(B)は、電極への印加電圧と電荷注入層2
aの表面電位との関係を示す図である。
【0025】図3(A)に示すように、書込電極3bに
電圧Vを印加すると、書込電極3bと電荷注入層2aと
の間で、電圧の低い方から高い方へ直接(−)の電荷の
電荷注入が行われる。すなわち、電荷注入により電荷注
入層2aが帯電または除電される。このとき、図3
(B)に示すように、電荷注入層2aの表面電位は電極
3bへの印加電圧Vに比例し、電圧を印加した分だけ電
荷が注入される。
【0026】図4は、本発明に対する比較例を示し、図
4(A)は、図3(A)において電荷注入層2aをなく
した場合の機能を示す模式図、図4(B)は、電極への
印加電圧と誘電層の表面電位との関係を示す図である。
【0027】書込電極の印加電圧Vを上げていくと、放
電開始電圧Vthで電極の周囲から誘電層表面に空隙を介
して放電により電荷が誘電層に移動する。なお、誘電層
は絶縁体なので書込電極が接触していても電荷注入は起
きず、電荷が注入されるまで電極電圧を上げると絶縁破
壊が生じ、誘電層が変質してしまう。従って、図3で説
明した電荷注入による静電書込の方が電源電圧を低くで
きる利点がある。
【0028】図5は、本発明の特徴を説明するための模
式図である。電荷注入による静電書込においては、書込
電極3bの直下に注入される電荷が、書込電極3bの周
辺にリークする電荷より大きいこと(以下、これをコン
トラスト電位という)が必要条件となる。そのために
は、電荷注入層2aの厚み方向の抵抗をRvとし、表面
方向の抵抗をRhとしたとき、 Rh>Rv …(1) が必要条件となる。ここで、電荷注入層2aの体積抵抗
率をρ(厚み方向も表面方向も同一)とすると、(1)
式は、 ρ/d1>ρ・d1 故に、 d1 2<1 …(2) となり、d1 2が電極単位面積より小さいことが必要条件
となる。
【0029】次に、電荷注入層2aの体積抵抗率に異方
性がある場合を考える。すなわち、電荷注入層2aの厚
み方向の体積抵抗率をρv、表面方向の体積抵抗率をρs
とすると、(1)式より、 ρs/d1>ρv・d1 となり、従って、 d1 2<ρs/ρv …(3) が必要条件となる。この場合、(2)式と比較して、ρ
s>ρvのとき、可能な電荷注入層2aの厚みd1をより
大きくすることができ、その結果、書込電極3bやその
他による摩耗膜減りに対してより長寿命化することがで
きる。
【0030】以下に、電荷注入層2aの厚み方向も表面
方向も同一の体積抵抗率ρを有する場合の実施例を説明
する。
【0031】
【実施例1】電荷注入層2a 導電化処理した酸化チタンTi2(チタン工業(株)製、
商品名FC−300)とポリアミド樹脂((株)鉛市製、
商品名FR−104)をエタノール溶液を溶媒として混
合した。混合重量比は、(酸化チタン/ポリアミド樹
脂)=95%である。この混合液を誘電層2b上に塗
布、乾燥(真空乾燥機150℃、3時間)して電荷注入
層2aを形成した。体積抵抗率ρは、7×109Ω・c
mであった(ハイレスタIP/三菱油化製で測定)。 誘電層2bと導電性基体2c アルミ素管上に120μm厚のポリカーボネート樹脂誘
電層を形成した。誘電率εは、2.9×10-13F/c
mであった。 書込時間 電極直径60μm、像担持体表面速度60mm/sec
より、 書込時間Δt=60×10-4/6=1(ms) 複数の電極を用いて(単位面積)=100μm×10
0μm領域に電荷注入した。 電極電位−300Vに対して、書込領域の電荷注入層
表面電位は−300Vであった(275μm厚まで電荷
注入不良無し)。 書込領域に隣接する(単位面積)=100μm×10
0μmの電荷注入層表面電位は、電荷注入層の厚みを7
0μmとしたときは、ー150Vであり、電荷注入層の
厚みを50μmとしたときは、ー60Vであり、電荷注
入層の厚みを30μmとしたときは、ー30Vであっ
た。
【0032】
【比較例1】電荷注入層の厚みを100μmとしたとき
は、ー300Vであり、電位差をつけることができなか
った。電荷注入層の厚みを120μmとしたときも、ー
300Vであり、電位差をつけることができなかった。
【0033】
【実施例2】〜は実施例と同様であり、 複数の電極を用いて(単位面積)=200μm×20
0μm領域に電荷注入した。 電極電位−300Vに対して、書込領域の電荷注入層
表面電位は−300Vであった(275μm厚まで電荷
注入不良無し)。 書込領域に隣接する(単位面積)=200μm×20
0μmの電荷注入層表面電位は、電荷注入層の厚みを1
00μmとしたときは、ー75Vであり、電荷注入層の
厚みを70μmとしたときは、ー30Vであり、電荷注
入層の厚みを50μmとしたときは、ー25Vであり、
電荷注入層の厚みを30μmとしたときは、0Vであっ
た。
【0034】
【比較例2】電荷注入層の厚みを200μmとしたとき
は、ー300Vであり、電位差をつけることができなか
った。
【0035】次に、電荷注入層2aの厚み方向の体積抵
抗率ρvと表面方向の体積抵抗率ρsとが、ρs>ρvの関
係を有する実施例について説明する。
【0036】
【実施例3】図6に示すように、電荷注入層2aの表面
に電極の大きさより小さい凹凸を形成させて、表面方向
の体積抵抗率ρsが厚み方向の体積抵抗率ρvより大きく
する。凹凸を形成する方法としては、ブラスト処理、研
磨、エッチング、導電性繊維(炭素、ステンレスなど)
のメッシュ構造を用いる。
【0037】
【実施例4】図7に示すように、誘電層2bの表面に電
極の大きさより小さい凹凸を形成し、凹部に抵抗体を充
填させて、表面方向の体積抵抗率ρsが厚み方向の体積
抵抗率ρvより大きくする。この方法としては、誘電層
2bの表面に凹凸を形成し導電性塗料を塗布する。また
は、多孔質誘電体(延伸または発泡多孔質高分子、アル
マイトハニカム構造体、多孔質セラミック)に導電性塗
料を含浸または塗布する。または、導電性繊維(炭素繊
維、グラファイト、鉄繊維、ステンレス繊維、銅繊維)
と高分子材料を混合分散し、延伸または収縮より繊維を
電荷注入層厚み方向に配向させる。または、ポリアクリ
ロニトリルと別高分子のポリマーアロイシートを作り、
厚み方向に部分的に通電焼成し、炭素繊維を作る。
【0038】
【実施例5】本実施例は、材料自体に異方性をもたせる
もので、導電性高分子を延伸または収縮により通電しや
すい分子方向を電荷注入層厚み方向に配向させる。
【0039】次に、図8により、べた黒やべた白ではな
く灰色を表現(階調表現)するために、細線を並べた万
線グレーパターンについて、電荷注入層の厚みの条件に
ついて説明する。
【0040】図8(A)は万線グレーパターンの例を示
し、例えば、120μm幅白地に64μm幅黒線のパタ
ーンを示している。図8(B)は、図8(A)の万線グ
レーパターンにおいて、電荷注入層上の位置に対応する
表面電位の絶対値を示している。
【0041】上記万線グレーパターンにおいて、所定の
コントラスト電位|Vct|を得るためには、書込電極3
bの書込幅l0の注入電荷による電位が、線間中央部
(li/2)における注入電荷による電位より大きいこ
とが必要条件となる。従って、 |V|d2Δt/(ρd1ε)-|V|d1d2Δt/(ρ(li/2)ε(li/2))>|Von−Voff|=|Vct| … (4) ここで、Vは、書込電圧、d1は電荷注入層の厚み、d2
は誘電層の厚み、ρは電荷注入層の体積抵抗率、εは誘
電層の誘電率、Δtは書込時間である。従って、 (d2/(ρd1ε))(1−4d1 2/li 2)>|Vct|/(|V|Δt) …(5) となる。
【0042】次に、図9および図10により、べた黒や
べた白ではなく灰色を表現(階調表現)するために、ド
ット(点)を並べたグレーパターンについて、電荷注入
層の厚みの条件について説明する。
【0043】図9(A)はドットグレーパターンの例を
示し、例えば、直径および間隔が60μmの黒ドットの
パターンを示している。図9(B)は、図9(A)のド
ットパターンにおいて、電荷注入層上の位置に対応する
表面電位の絶対値を示している。ドット領域の厚み方向
の電荷注入層2aの抵抗Rvは、 Rv=ρd1/(π(r0/2)2) …(7) ここで、d1は電荷注入層の厚み、ρは電荷注入層の体
積抵抗率、r0はドットの直径である。ドット領域の厚
み方向の誘電層2bの容量Cvは、 Cv=ε(π(r0/2)2)/d2 …(8) ここで、d2は誘電層の厚み、εは誘電層の誘電率であ
る。
【0044】図10(A)において、あるドットにおい
て、隣りのドット間距離liの半分を半径とする円内を
ドット周辺領域とし、図10(B)に示す微小厚さdr
の円筒の白矢印方向の抵抗は、 dR=ρdr/(π(2r+r0)d1) …(9) 周辺領域の抵抗Rhは、 Rh=∫dR=2ρ/(πd1)×ln(1+li/r0) …(10) r=0からli/2まで積分 ドット周辺領域の厚み方向の誘電層の容量Chは、 Ch=(πεli 2/(4d2))×(1+2r0/li) …(11) よって、電位差条件式は、 1/(Rvv)−1/(Rhh)>|Von−Voff|/
(|V|Δt) ここで、Vは電極電位、Δtは電圧印加時間、Vonは注
入電位、Voffはドット間電位である。従って、(7)
式、(8)式、(10)式、(11)式より、 d2/(ερd1)×(1−2d1 2/(li 2(1+2r0/li)ln(1+li/r0) )) >|Von−Voff|/(|V|Δt) …(12) となる。
【0045】図11は、複数の書込電極3bを像担持体
2の軸方向に配列した場合の配列パターンの例を示す図
である。
【0046】複数の書込電極3bの最もシンプルな配列
パターンは、図(A)に示すように複数の長方形の書込
電極3bが像担持体2の軸方向に一列に配列されたもの
である。その場合、複数の書込電極3bのうち、所定数
(図示例では8個)の書込電極3bがそれぞれそれらの
書込電極3bを所定電圧または接地電圧に切り替えるこ
とで駆動制御する1つのドライバ11に接続されて1組
にまとめられており、この組の複数組が像担持体2の軸
方向に一列に配列されている。
【0047】しかし、このように単純な長方形の書込電
極3bを単に像担持体2の軸方向に一列に配列した場
合、隣接する書込電極3bの間に隙間が生じる。このた
め、この隙間に対向する像担持体2の表面は帯電されな
い非帯電部あるいは除電されない非除電部となってしま
う。そこで、図(B)に示す例においては、書込電極3
bが三角形に形成されるとともに、隣接する三角形の書
込電極3bの向きが反対となるように交互に配列されて
いる。その場合、複数の書込電極3bは、隣接する書込
電極3bの三角形の底辺の互いに対向する端部が像担持
体2の軸方向と直交する方向(像担持体の回転方向)に
オーバーラップするように配列されている。これによ
り、前述の非帯電部あるいは除電部は形成されることが
なく、像担持体2全面への帯電可能となる。なお、書込
電極3bの形状は、三角形以外に、例えば台形、平行四
辺形、隣接する書込電極3bの対向辺に凹凸を設けた形
状等、隣接する書込電極3bの一部が互いに像担持体2
の軸方向と直交する方向にオーバーラップするものであ
ればどのような形状にすることもできる。
【0048】また、図(C)に示す例の書込電極3bの
配列パターンでは、書込電極3bが円形に形成されると
とともに、複数の円形の書込電極3bを像担持体2の軸
方向と直交する方向に2列にかつ千鳥状に配列してい
る。その場合、1列目および2列目の互いに隣接する各
書込電極3bの一部同士が像担持体2の軸方向と直交す
る方向にオーバーラップするように配列されている。こ
の例の書込電極3bの配列パターンでも、像担持体2の
表面に前述のような非帯電部あるいは除電部は形成され
ることがなく、像担持体2の全面が帯電可能となる。こ
の例では、隣接する1列目の電極3bと2列目の電極3
bの所定数の電極3bを1つのドライバ11に接続した
組が複数組、像担持体2の軸方向に配列されているとと
もに、各ドライバ11はそれぞれ電極3bに関して同じ
側に配置されている。
【0049】そして、図12に示すように、各ドライバ
11が、基材3a上に形成されかつ断面矩形状の薄い平
板状の例えば銅箔からなる導電パターン9により電気的
に接続されているとともに、同様に各ドライバ11と各
電極3bとが基材3a上に形成された導電パターン9に
より電気的に接続されている。そして、これらの導電パ
ターン9は、例えばエッチング等の従来の薄膜パターン
形成方法で形成することができる。そして、図において
上方からラインデータ、書込タイミング信号および高圧
電源が各々のドライバ11に供給されるようになってい
る。
【0050】図13は、書込電極3bに所定電圧V0
よび接地電圧V1を切替接続するためのスイッチング回
路を示す図である。例えば4列に配置された書込電極3
bは、それぞれ、対応する高電圧スイッチ(High Volta
ge Switch;H.V.S.W.)15に接続されており、これら
の高電圧スイッチ15は、それぞれ、対応する電極3b
を所定電圧V0と接地電圧V1とに切替接続するようにな
っている。各高電圧スイッチ15には、それぞれシフト
レジスタ(S.R.)16からの画像書込制御信号が入力
され、またこのシフトレジスタ16には、バッファ17
に蓄えられている画像信号およびクロック18からのク
ロック信号がそれぞれ入力される。そして、シフトレジ
スタ16からの画像書込制御信号はアンド回路19によ
りエンコーダ20からの書込タイミング信号に基づいて
各高電圧スイッチ15に入力されるようになる。各高電
圧スイッチ15およびアンド回路19により各書込電極
3bへの供給電圧を切替制御する前述のドライバ11が
構成されている。
【0051】図14は、各電極3bの各高電圧スイッチ
15をそれぞれ所定電圧V0または接地電圧V1に選択的
に切替制御したときの状態を示し、図(A)は各電極の
電圧状態を示す図、図(B)は図(A)の電圧状態で正
規現像したときの現像剤像を示す図、図(C)は図
(A)の電圧状態で反転現像したときの現像剤像を示す
図である。
【0052】図Aに示すように、例えばn−2番目、n
−1番目、n番目、n+1番目、n+2番目の各電極3
bが、それぞれの高電圧スイッチ15が切替制御されて
図Aに示す電圧状態になっているとする。そこで、この
ような電圧状態の各電極で像担持体2に静電潜像の書込
を行うとともに、正規現像によりこの静電潜像を現像す
ると、現像剤8が像担持体2の所定電圧V0部上に付着
し、図(B)にハッチングで示すような現像剤像が得ら
れる。また、同様にして静電潜像の書込を行い、反転現
像によりこの静電潜像を現像すると、現像剤8が像担持
体2の接地電圧V1部上に付着し、図(C)にハッチン
グで示すような現像剤像が得られる。
【0053】このように構成された書込装置3を用いた
画像形成装置1によれば、書込電極3bを基材3aの小
さな弾性復元力による軽い押圧力で像担持体2に接触さ
せているので、書込電極3bを像担持体2に安定して接
触させることができるようになる。したがって、像担持
体2に対する書込電極3bによる帯電をより安定して高
精度に行うことができる。これにより、静電潜像の書込
をより安定して行うことができるので、良好な画像を確
実にかつ高精度に得ることができる。
【0054】また、書込電極3bを軽い押圧力で像担持
体2に接触させているだけであるので、書込電極3bに
よる像担持体2の損傷を防止でき、像担持体2の耐久性
を向上させることができる。更に、書込装置3として書
込電極3bを用いているだけであり、従来のような大型
のレーザ光発生装置やLEDランプ光発生装置等を設け
ないので、装置をより一層小型化することができるとと
もに、部品点数をより一層削減できて一層シンプルで安
価な画像形成装置を得ることができる。また、書込電極
3bによりオゾンの発生をより一層抑制することができ
るようになる。
【0055】次に、電極3bを潜像担持体2へ接触させ
て静電潜像を書き込む本発明の画像形成装置の具体例に
ついて説明する。
【0056】図15は、本発明の書込装置を用いた画像
形成装置の一例を模式的に示し、図(A)はクリーナを
備えた画像形成装置を示す図、図(B)はクリーナを備
えていないクリーナレスの画像形成装置を示す図であ
る。
【0057】図(A)に示す画像形成装置1はモノクロ
の画像形成装置であり、書込装置3の基材3aが像担持
体2の回転方向上流側から下流側に向かって延びてお
り、この基材3aの先端に固定された書込電極3bが設
けられている。また、転写装置6より像担持体2の回転
方向下流側にクリーニング装置21が設けられている。
なお、図示しないが書込装置3とクリーニング装置21
との間に、前述の電荷制御装置7を設けてもよい。電荷
制御装置7を設けない場合には前回の潜像に上書きして
潜像を形成することになるが、電荷制御装置7を省略す
る分、部品点数の削減や装置の小型化を達成することが
できる。
【0058】このように構成されたモノクロの画像形成
装置1においては、前述と同様に電荷制御装置7により
像担持体2の表面が一様電荷状態にされた後、書込装置
3の各書込電極3bが像担持体2を帯電または除電する
ことで、像担持体2の表面に静電潜像が書き込まれる。
像担持体2上の潜像は、像担持体2に非接触の現像装置
4の現像ローラ4aによって現像剤が付着されて現像さ
れた後、その像担持体2上の現像剤像が転写装置6によ
って転写材5に転写される。転写後に像担持体2上に残
留する現像剤はクリーニング装置21のクリーニングブ
レード21aによって除去され、クリーニングされた像
担持体2の表面が再び像担持体一様電荷制御装置7によ
り一様電荷状態にされる。この例の画像形成装置1は本
発明の書込装置3を用いることにより、より小型でより
シンプルな構成とすることができる。
【0059】図(B)に示す画像形成装置1は、図
(A)に示す画像形成装置1においてクリーニング装置
21を備えていないクリーナレスの画像形成装置であ
る。この例の画像形成装置1は、現像装置4の現像ロー
ラ4aが像担持体2に接触されていて、接触現像を行う
ようになっている。
【0060】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、図示しない電荷制御装置7により、像
担持体2および前回の転写後に像担持体2上に残留する
残留現像剤がともに一様電荷状態にされた後、書込装置
3の書込電極3bによって像担持体2の表面および残留
現像剤の表面が帯電または除電されて像担持体2上およ
び残留現像剤上に静電潜像が書き込まれる。そして、現
像装置4によってこれらの静電潜像が現像される。この
とき、書込電極3bの帯電列を現像剤8がもともと持つ
べき極性に帯電させるように選択することにより、像担
持体2上の非画像部にある残留現像剤は書込電極3bに
よってその極性に帯電されるので現像装置4の方へ移動
し、また、像担持体2上の画像部にある残留現像剤はそ
のまま像担持体2に残って現像剤像として用いられるよ
うになる。このように非画像部にある残留現像剤を現像
装置4の方へ移動させることにより、クリーニング装置
21を設けなくても像担持体2の表面がクリーニングさ
れるようになる。特に、図示しないが転写装置6より像
担持体2の回転方向下流側にブラシを設けて、このブラ
シにより像担持体2上の残留現像剤を散らして均すこと
で、非画像部にある残留現像剤を現像装置4の方へより
効果的移動させて除去することができる。
【0061】この例の画像形成装置1の他の画像形成動
作は、図(A)に示す画像形成装置1と同じである。こ
の例の画像形成装置1も本発明の書込装置3を用いるこ
とにより、より小型でよりシンプルな構成とすることが
でき、特に、クリーナ装置21を設けないクリーナレス
にすることで、更にシンプルな構成とすることができ
る。
【0062】図16は、本発明の書込装置を用いた画像
形成装置の他の例を模式的に示す図である。この例の画
像形成装置1は、像担持体2上に黒K、イエローY、マ
ゼンタMおよびシアンCの4色を色重ねしてフルカラー
の現像を行う画像形成装置であり、無端ベルト状の像担
持体2を備えている。この無端ベルト状の像担持体2は
2つのローラ22,23の間に張架されて、ローラ22,
23のうち、駆動側のローラによって図において時計方
向に回転するようになっている。
【0063】像担持体2の無端ベルトの直線部に沿っ
て、それぞれ各色毎の書込装置3K,3 Y,3M,3Cおよび
現像装置4K,4Y,4M,4Cが像担持体2の回転方向上流
側から色K、Y、M、Cの順に配設されている。もちろ
ん、これらの現像装置4K,4Y,4 M,4Cは図示以外のど
のような順序で配設することもできる。各色の書込装置
K,3Y,3M,3Cの各書込電極3bK,3bY,3bM,3bC
は、それぞれ前述のように可撓性の基材3aK,3aY,3
M,3aCに設けられている。なお図示しないが、この
例の画像形成装置1においても、像担持体2の無端ベル
トの書込装置3K,3 Y,3M,3Cと反対側の直線部に前述
の電荷制御装置7が設けられている。
【0064】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、まずブラックKの書込装置3Kの電極
3bKでブラックKの静電潜像が像担持体の表面に書き
込まれるとともに、このブラックKの静電潜像が現像装
置4Kで現像されて潜像担持体2の表面にブラックKの
現像剤像が形成される。次いで、シアンCの書込装置3
Cの電極3bCでシアンCの静電潜像が像担持体2Cの表
面におよびブラックKの現像剤像の上に重ねて書き込ま
れるとともに、このシアンCの静電潜像が現像装置4C
で現像されて像担持体2の表面にシアンCの現像剤像が
形成される。同様にして、マゼンタMの書込装置3M
電極3bMによる像担持体2およびブラックKとシアン
Cの各現像剤像の上に重ねてマゼンタMの静電潜像が書
き込まれた後に、マゼンタMの静電潜像が現像装置4M
で現像されて像担持体2の表面およびブラックKとシア
ンCの各現像剤像の上にマゼンタMの現像剤像が形成さ
れ、更に、シアンCの書込装置3Cの電極3bCによる像
担持体2およびブラックKとシアンCとマゼンタMの各
現像剤像の上に重ねてシアンCの静電潜像が書き込まれ
た後に、シアンCの静電潜像が現像装置4Cで現像され
て像担持体2の表面およびブラックKとシアンCとマゼ
ンタMの各現像剤像の上にシアンCの現像剤像が形成さ
れて色合わせされ、その後これらの現像剤像が転写装置
6によって転写材5に各色の現像剤像が色合わせされた
フルカラーの現像剤像が形成される。なお、各色の現像
剤の形成順序は前述の順序以外にどのような順序にも設
定することができる。
【0065】このように、各色の現像剤像が像担持体2
上で重ね合わされて色合わせされるフルカラーの画像形
成装置においても、本発明の書込装置3を用いること
で、より小型にかつよりシンプルな構成にすることがで
きる。
【0066】図17は、本発明の書込装置を用いた画像
形成装置の更に他の例を模式的に示す図である。この例
の画像形成装置1は、各色毎の画像形成装置1K,1C,1
M,1 Yが転写材5の移動方向の上流側からこれらの順に
タンデムに配設されている。各色の画像形成装置1K,1
C,1M,1Yの配設順は、どのような順序にも設定するこ
とができる。各画像形成装置1K,1C,1M,1Yは、それ
ぞれ、像担持体2K,2C,2M,2Y、書込装置3K,3C,
M,3Y、現像装置4K,4C,4M,4Y、および転写装置6
K,6C,6M,6Yを備えている。また、図示しないが各画
像形成装置1K,1C,1M,1Yは、それぞれ、前述と同様
の電荷制御装置7が各色毎に書込装置3K,3C,3M,3Y
より各像担持体2K,2C,2M,2Yの回転方向上流側に配
設されていてもよい。
【0067】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、まずブラックKの画像形成装置1K
おいて、ブラックKの電荷制御装置7によって像担持体
Kの表面が一様に帯電された後、書込装置3Kの電極3
KでブラックKの静電潜像が像担持体2Kの表面に書き
込まれるとともに、このブラックKの静電潜像が現像装
置4Kで現像されて像担持体2Kの表面にブラックKの現
像剤像が形成される。この像担持体2K上のブラックK
の現像剤像が転写装置6Kで、供給されてきた転写材5
に転写され、転写材5にブラックKの現像剤像が形成さ
れる。次いで、シアンCの画像形成装置1Cにおいて、
シアンCの電荷制御装置7によって像担持体2Cの表面
が一様に帯電された後、書込装置3Cの電極3bCでシア
ンCの静電潜像が像担持体2Cの表面に書き込まれると
ともに、このシアンCの静電潜像が現像装置4Cで現像
されて潜像担持体2Cの表面にシアンCの現像剤像が形
成される。この像担持体2C上のシアンCの現像剤像が
転写装置6Cで、供給されてきたブラックKの現像剤像
が形成された転写材5に重ねて転写され、転写材5にシ
アンCの現像剤像が形成される。同様にして、マゼンタ
Mの画像形成装置1Mにおいて書込装置3Mの電極3bM
による像担持体2MへのマゼンタMの静電潜像の書込、
現像装置4Mの静電潜像の現像、および転写装置6Mの転
写材5へのマゼンタMの現像剤像の重ね転写が行われた
後に、イエローYの画像形成装置1Yにおいて書込装置
Yの電極3bYによる像担持体2YへのイエローYの静
電潜像の書込、現像装置4Yの静電潜像の現像、および
転写装置6Yの転写材5へのイエローYの現像剤像の転
写が行われて、転写材5に各色の現像剤像が色合わせさ
れたフルカラーの現像剤像が形成される。
【0068】このように各色の画像形成装置1K,1C,1
M,1Yがタンデムに配設されたフルカラーの画像形成装
置においても、本発明の書込装置3を用いることで、よ
り小型にかつよりシンプルな構成にすることができる。
【0069】図18は、本発明の書込装置を用いた画像
形成装置の更に他の例を模式的に示す図である。図17
に示す例の各色の画像形成装置1K,1C,1M,1Yがタン
デムに配置された画像形成装置1では、各画像形成装置
K,1C,1M,1Yの像担持体2K,2C,2M,2Yに形成され
た各色の現像剤像が各画像形成装置1K,1C,1M,1Y
に転写材5に転写されるようになっているが、この例の
画像形成装置1では、各色の像担持体2K,2C,2M,2Y
に形成された各色の現像剤像が一旦中間転写された後、
転写材5に転写されるようになっている。すなわち、こ
の例の画像形成装置1では、中間転写装置24が設けら
れている。この中間転写装置24は無端ベルト状の中間
転写体25を備えており、この中間転写体25は2つの
ローラ26,27間に張架されていて、一方のローラの
駆動で図において反時計方向に回転するようになってい
る。
【0070】そして、この中間転写体25の直線状部分
に沿って各画像形成装置1K,1C,1 M,1Yが配設されて
いるとともに、ローラ27の位置に1つの転写装置6が
設けられている。この例の画像形成装置1の他の構成は
図17に示す例の画像形成装置1と同じである。
【0071】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、図17に示す例の画像形成装置1と同
様に各色の像担持体2K,2C,2M,2Yに各色の現像剤像
がそれぞれ形成され、これらの各色の現像剤像が中間転
写体25に、図17に示す例の転写材5へ転写する場合
と同様にして各色の現像剤像が色合わせされて重ね転写
される。この中間転写体25に中間転写された各色の現
像剤像が転写装置6で転写材5に転写されて、転写材5
にフルカラーの現像剤像が形成される。この例の画像形
成装置1の他の画像形成動作は図17に示す例の画像形
成装置1と同じである。
【0072】このように中間転写装置24を備え、各色
の画像形成装置1K,1C,1M,1Yがタンデムに配設され
たフルカラーの画像形成装置においても、本発明の書込
装置3を用いることで、より小型にかつよりシンプルな
構成にすることができる。
【0073】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、低電圧でも高効率で電荷注入を行うことがで
き、静電潜像の電位、サイズを安定させ高分解能、高画
質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の基本
構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置1における画像形成の基
本プロセスを示す図である。
【図3】図(A)は、書込装置の書込電極の帯電または
除電による電荷注入層の機能を示す模式図、図(B)
は、電極への印加電圧と電荷注入層の表面電位との関係
を示す図、図(C)は書込時間を説明するための図であ
る。
【図4】本発明に対する比較例を示し、図(A)は、図
3(A)において電荷注入層をなくした場合の機能を示
す模式図、図(B)は、電極への印加電圧と誘電層の表
面電位との関係を示す図である。
【図5】本発明の特徴を説明するための模式図である。
【図6】本発明の1実施例を説明するための図である。
【図7】本発明の1実施例を説明するための図である。
【図8】万線グレーパターンについての電荷注入層の厚
みの条件を説明するための図である。
【図9】ドットグレーパターンについての電荷注入層の
厚みの条件を説明するための図である。
【図10】ドットグレーパターンについての電荷注入層
の厚みの条件を説明するための図である。
【図11】本発明に係わる書込装置の書込電極の配列パ
ターンの例を示す図である。
【図12】本発明に係わる書込装置の平面図である。
【図13】書込電極に所定電圧および接地電圧を切替接
続するためのスイッチング回路を示す図である。
【図14】各電極の各高電圧スイッチをそれぞれ所定電
圧または接地電圧に選択的に切替制御したときの状態を
示し、図(A)は各電極の電圧状態を示す図、図(B)
は図(A)の電圧状態で正規現像したときの現像剤像を
示す図、図(C)は図(A)の電圧状態で反転現像した
ときの現像剤像を示す図である。
【図15】本発明の書込装置を用いた画像形成装置の他
の例を模式的に示す図である。
【図16】本発明の書込装置を用いた画像形成装置の他
の例を模式的に示す図である。
【図17】本発明の書込装置を用いた画像形成装置の他
の例を模式的に示す図である。
【図18】本発明の書込装置を用いた画像形成装置の他
の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
2…像担持体 2a…電荷注入層 2b…誘電層 2c…導電性基体 3…書込装置 3b…書込電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C162 AE13 AE21 AE31 AE44 AE61 AF20 AF70 EA20 2H029 AA06 AB01 AC01 2H035 CA07 CB02 2H068 GA01 GA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触
    配置される複数の書込電極を備えた書込装置を用いて像
    担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置において、
    前記像担持体は、導電性基体上に形成された誘電層と、
    該誘電層上に形成された電荷注入層とを備え、電荷注入
    層の厚みをd1としたとき、 d1 2<電極単位面積 の関係を満足することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触
    配置される複数の書込電極を備えた書込装置を用いて像
    担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置において、
    前記像担持体は、導電性基体上に形成された誘電層と、
    該誘電層上に形成された電荷注入層とを備え、電荷注入
    層の厚みをd1、電荷注入層の厚み方向の体積抵抗率を
    ρv、表面方向の体積抵抗率をρsとしたとき、 d1 2<ρs/ρv の関係を満足することを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】ρs>ρvとすることを特徴とする請求項2
    記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触
    配置される複数の書込電極を備えた書込装置を用いて像
    担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置において、
    前記像担持体は、導電性基体上に形成された誘電層と、
    該誘電層上に形成された電荷注入層とを備え、万線グレ
    ーパターンにより階調表現する場合に、書込電圧をV、
    注入電位をVon、線間電位をVoff、電荷注入層の厚み
    をd1、誘電層の厚みをd2、電荷注入層の体積抵抗率を
    ρ、誘電層の誘電率をε、書込時間をΔt、線間距離を
    liとしたとき、 (d2/(ρd1ε))(1−4d1 2/li 2)>|Von−Voff
    /(|V|Δt) の関係を満足することを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】像担持体の軸方向に沿って像担持体と接触
    配置される複数の書込電極を備えた書込装置を用いて像
    担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置において、
    前記像担持体は、導電性基体上に形成された誘電層と、
    該誘電層上に形成された電荷注入層とを備え、ドットグ
    レーパターンにより階調表現する場合に、書込電圧を
    V、注入電位をVon、ドット間電位をVoff、電荷注入
    層の厚みをd1、誘電層の厚みをd2、電荷注入層の体積
    抵抗率をρ、誘電層の誘電率をε、書込時間をΔt、ド
    ット間距離をliとしたとき、 d2/(ερd1)×(1−2d1 2/(li 2(1+2r0
    li)ln(1+li/r0))) >|Von−Voff|/(|V|Δt) の関係を満足することを特徴とする画像形成装置。
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