JP2002222990A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法

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JP2002222990A
JP2002222990A JP2001018915A JP2001018915A JP2002222990A JP 2002222990 A JP2002222990 A JP 2002222990A JP 2001018915 A JP2001018915 A JP 2001018915A JP 2001018915 A JP2001018915 A JP 2001018915A JP 2002222990 A JP2002222990 A JP 2002222990A
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nitride semiconductor
semiconductor layer
layer
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light emitting
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Hideto Sugawara
原 秀 人 菅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インジウムを含んだ窒化物半導体を用い発光
特性の優れた半導体発光素子及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 第1の窒化物半導体層と、前記第1の窒
化物半導体層の上に設けられ、第2の窒化物半導体層と
前記第2の窒化物半導体層の上に積層された第3の窒化
物半導体層とを有する複数の島状積層体と、前記複数の
島状積層体を埋め込んで前記第1の窒化物半導体層の上
に形成された第4の窒化物半導体層と、を備え、前記第
2の窒化物半導体層は、インジウムを含有し、前記第3
の窒化物半導体層は、アルミニウムを含有する半導体発
光素子を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子及
びその製造方法に関し、より詳細には、窒化物半導体か
らなり紫外から赤色の波長領域において効率良く発光す
る半導体発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(GaN)をはじめとする
窒化物半導体は、その光学遷移が直接遷移型であるため
高効率の発光再結合が可能であり、またその遷移エネル
ギーが組成に応じて1.89〜6.2eVと広く、短波
長半導体レーザ(LD)あるいは高輝度可視LED(li
ght emitting diode)などの発光素子の材料としてその
開発が行われている。
【0003】なお、本願において「窒化物半導体」と
は、BInAlGa(1−x− y−z)N(0≦
x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)なる組成式で表され
る全てのIII−V族化合物半導体を含み、さらに、V族
元素としては、Nに加えてリン(P)や砒素(As)な
どを含有する混晶も含むものとする。
【0004】窒化物半導体は、基本構成2元半導体であ
るGaN、AlN、InN、及びBNの組み合わせとし
て捉えることができ、これらのなかでは、GaNについ
ての開発が盛んに行われてきた。GaNは、融点が17
00℃以上と高く、また成長温度での窒素の平衡蒸気圧
が極めて高いことからバルク単結晶の成長が困難であ
る。このため、その単結晶成長には、ハイドライド気相
成長(HVPE)法や有機金属気相成長(MOCVD)
法が主として用いられている。なかでも、MOCVD法
を用いた成長開発が盛んに行われ、GaNにInあるい
はAlを混ぜたInGal−XNやAlGal−Y
Nなどの3元混晶が得られている。これら材料のヘテロ
接合を用いれば、発光効率の向上が可能となり、さらに
は注入キャリアの閉じ込めや光の閉じ込めに有効なダブ
ルヘテロ構造を形成することにより高輝度LEDや短波
長LDを実現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インジウム・ガリウム
窒素(InGal−XN)は、Inの組成比x(III
族元素全体に対する原子数の割合)を変化させることに
よりバンドギャップエネルギをGaNの3.4eVから
InNの1.89eVまで変えることができ、可視光領
域の発光素子の活性層として用いることができる。この
3元混晶は、GaNとInNの組み合わせとして構成す
ることができる。
【0006】しかし、GaNは、結晶品質を高めるため
に1000℃以上の成長温度を必要とするのに対して、
比較的蒸気圧の高いInを含むInNでは、GaNより
も低い温度でのみ成長が可能である。このためインジウ
ム・ガリウム窒素(InGal−XN)の成長におい
てもInの組成比xを比較的高く形成するためには、成
長温度をGaNよりも低くする必要がある(Appl. Phy
s. Lett., 59, p2251(1991))。これまでに、このIn
Gal−XNを活性層とする青色(x=0.2)ある
いは緑色(x=0.45)発光型のLEDが開発されつ
つある(Jpn. J. Appl. Phys., 34, L1332(1995))。
【0007】しかし、インジウム・ガリウム窒素を活性
層に用いた発光素子においては、発光スペクトルが広
く、発光効率も十分に高いとは言えなかった。この傾向
は、特に、波長の長い領域つまりIn組成の大きいイン
ジウム・ガリウム窒素において顕著であり、このような
長い波長領域での発光素子は実用に至っていない。これ
は、InGaN(インジウム・ガリウム窒素)からなる
活性層と、この上に積層する半導体層(たとえばAlG
aN)とを含めた成長方法が確立していないことによ
る。つまり、In組成の高いInGaNは、熱に対する
耐性が弱いことから、上層の成長ではあまり成長温度を
上げることができず、高い成長温度が適しているAlG
aNとの組み合わせが困難となる。
【0008】具体的には、AlGaNの成長において平
坦面を形成するためには成長温度を約1000℃以上と
することが必要されるが、In組成比(x)が0.5以
上のInGal−XNは熱分解してしまい結晶品質を
保つことができなくなってしまう。
【0009】以上説明したように、インジウムを含む窒
化物半導体を用いた発光素子は、紫外光から緑色よりも
長波長までの発光の可能性を秘めているにも関わらず、
その積層構造や結晶成長技術が確立していない。このた
めに、特に黄色から赤色の波長領域において、実用的な
発光素子が実現されていなかった。
【0010】本発明は、かかる課題の認識に基づいてな
されたものであり、その目的は、インジウムを含んだ窒
化物半導体を用い発光特性の優れた半導体発光素子及び
その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の半導体発光素子は、第1の窒化物半導体層
と、前記第1の窒化物半導体層の上に設けられ、第2の
窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層の上に積層
された第3の窒化物半導体層とを有する複数の島状積層
体と、前記複数の島状積層体を埋め込んで前記第1の窒
化物半導体層の上に形成された第4の窒化物半導体層
と、を備え、前記第2の窒化物半導体層は、インジウム
を含有し、前記第3の窒化物半導体層は、アルミニウム
を含有することを特徴とする。
【0012】ここで、前記第3の窒化物半導体層のアル
ミニウムの組成比は、前記第2の窒化物半導体層のアル
ミニウムの組成比よりも大きいものとすれば、島状に形
成された第3の窒化物半導体層をマスクとして第2の窒
化物半導体層を気相エッチングすることが容易となる。
【0013】また、前記第3の窒化物半導体層のアルミ
ニウム組成比は、5%以上であるものとすれば、気相エ
ッチングにおけるエッチング速度を顕著に低下させてマ
スク効果を十分に得ることができる。
【0014】また、前記第2の窒化物半導体層のインジ
ウムの組成比は、前記第3の窒化物半導体層のインジウ
ムの組成比よりも大きいものとすれば、第2の窒化物半
導体層のエッチング速度を相対的に大きくすることがで
きる。
【0015】また、前記第1の窒化物半導体層は、アル
ミニウムを含有するものとすれば、この半導体層をエッ
チングストップ層として作用させることができる。
【0016】また、前記第1の窒化物半導体層と前記第
2の窒化物半導体層との間に設けられた第5の窒化物半
導体層をさらに備え、前記第5の窒化物半導体層は、イ
ンジウムを実質的に含有しないものとすれば、第2の窒
化物半導体層をエッチングした後に残存するインジウム
ドロプレットをリフトオフすることが容易となる。
【0017】また、前記第1の窒化物半導体層と前記第
3の窒化物半導体層は、前記第2の窒化物半導体層より
も大きなバンドギャップを有し、前記第2の窒化物半導
体層は、光を放出する活性層として作用するものとすれ
ば、いわゆるダブルヘテロ構成を得ることができる。
【0018】また、前記第2の窒化物半導体層から放出
される光とは異なる波長を有する光を放出する第2の活
性層をさらに備えたものとすれば、両方の活性層からの
光による混光効果を得ることができる。
【0019】一方、本発明の半導体発光素子製造方法
は、基板上に第1の窒化物半導体層を形成する工程と、
前記第1の窒化物半導体層の上に、第2の窒化物半導体
層を形成する工程と、前記第2の窒化物半導体層の上
に、第3の窒化物半導体層を島状に形成する工程と、前
記島状に形成された前記第3の窒化物半導体層の間に露
出している前記第2の窒化物半導体層をエッチングする
工程と、前記島状に形成された前記第3の窒化物半導体
層を埋め込むように第4の窒化物半導体層を形成する工
程と、を備えたことを特徴とする。
【0020】ここで、前記第2の窒化物半導体層は、イ
ンジウムを含有し、前記第3の窒化物半導体層は、アル
ミニウムを含有するものとすれば、第3の窒化物半導体
層を島状に形成し、且つ島状に形成された第3の窒化物
半導体層をマスクとして第2の窒化物半導体層を気相エ
ッチングすることが容易となる。
【0021】また、前記エッチングする工程は、水素を
含有する雰囲気中において前記第2の窒化物半導体層を
気相エッチングするものとすれば、製造工程が簡略化で
きる。
【0022】また、前記第1の窒化物半導体層を形成す
る前記工程から前記第4の窒化物半導体層を形成する前
記工程までを、ひとつの結晶成長室内において実施する
ものとすれば、製造工程が容易となり、界面に不純物や
変成層などを形成することなく半導体発光素子を得るこ
とができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。
【0024】図1は、本発明の実施の形態に関わる窒化
物半導体発光素子の要部の断面構造を例示する概念図で
ある。すなわち、同図に例示した発光素子は、下地の窒
化物半導体層101の上に、第1の窒化物半導体層10
2が積層され、この半導体層102の上に第2の窒化物
半導体層103と第3の窒化物半導体層104とからな
る複数の島状積層体が形成されている。さらにこれらを
埋め込むように第4の窒化物半導体層105が形成され
ている。
【0025】下地の窒化物半導体層101は、例えばn
型コンタクト層であり、n型GaNにより形成すること
ができる。
【0026】第1の窒化物半導体層102は、例えばク
ラッド層として作用し、例えばn型AlGaNにより形
成することができる。
【0027】第2の窒化物半導体層103は活性層とし
て作用し、インジウムを含む窒化物半導体により形成さ
れる。この層は、InGaAlN(X+Y+Z=
1、0.5≦X)を含むMQW(multiple quantum wel
l:多重量子井戸)などの多層構造としても良い。この
点に関しては後に詳述する。
【0028】第3の窒化物半導体層104はマスク層と
して作用し、クラッド層の一部を兼ねることもできる。
この層は、Alを含む窒化物半導体により形成され、例
えばp型AlGaNとすることができる。
【0029】第4の窒化物半導体層105は、埋め込み
層であり、コンタクト層あるいはクラッド層の一部を兼
ねることもできる。この層は、例えば、p型GaNによ
り形成することができる。
【0030】図1に例示した積層構造は、サファイアや
SiC、GaNなどの各種の基板上あるいは他の窒化物
半導体層などの上にバッファ層などを介して形成するこ
とができるが、これらの要素は同図においては省略し
た。同様に、図1に例示した積層構造の上には、コンタ
クト層や保護層あるいは電極などの図示しない要素が必
要に応じて設けられる。
【0031】図1に例示した構造のひとつの特徴点は、
インジウムを含有した第2の窒化物半導体層103とア
ルミニウムを含有した第3の窒化物半導体層104から
なる積層体が島(アイランド)状に形成されている点に
ある。
【0032】以下、この構造について、その製造方法を
参照しつつ説明する。
【0033】この構造は、例えばMOCVD法により形
成することができる。その場合、V族元素(窒素)の原
料としてはアンモニアを用い、III族元素の原料として
は、ガリウム、アルミニウム、またはインジウム有機金
属化合物を用いることができる。また、キャリアガスと
しては、水素と窒素を適宜用いることができる。
【0034】図2は、本発明の半導体発光素子の製造方
法の要部を表す工程断面図である。
【0035】まず、同図(a)に表したように、図示し
ない基板の上に、下地の窒化物半導体層101、第1の
窒化物半導体層102、第2の窒化物半導体層103を
成長し、さらに第3の窒化物半導体層104を島状に形
成する。
【0036】具体的には、例えば、GaN層(下地の窒
化物半導体層)101の上に、キャリアガスに水素を用
い成長原料としてアンモニア、TMG(トリメチルガリ
ウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)を供給し、
1100℃の成長温度でAl 0.07Ga0.93N層
(第1の窒化物半導体層)102を成長する。
【0037】次に、Inx1Ga1−x1Nバリア層1
03AとInx2Ga1−x2Nウエル層103Bとを
交互に積層したMQW多層構造(第2の窒化物半導体
層)103を成長する。ここでIn組成比x1とx2
は、それぞれ0.05、0.7程度とし、バリア層10
3Aでウエル層103Bを挟んだ積層構造として、バリ
ア層103Aを6層、ウエル層103Bを5層とするこ
とができる。また、バリア層103Aの層厚は約7n
m、ウエル層103Bの層厚は約3nmとすることがで
きる。
【0038】この多層構造103の成長は、Al
0.07Ga0.93N層102の上に、キャリアガス
に窒素を用い成長原料としてアンモニア、TMG、TM
I(トリメチルインジウム)を供給し700℃の成長温
度で成長する。
【0039】次に、この多層構造103上に、Al
0.07Ga0.93N層(第3の窒化物半導体層)1
04をキャリアガスに水素を用い成長原料としてアンモ
ニア、TMG、TMAを供給し、900℃の成長温度で
成長する。その層厚は、数10nm乃至100nm程度
とすることができる。ここで、成長温度が900℃と低
いことから、Al0.07Ga0.93N層104は連
続的な薄膜層にはならず、島(アイランド)状に結晶成
長が進行する。
【0040】図3は、第3の窒化物半導体層が島状に形
成された状態を例示する平面図である。すなわち、同図
の例においては、InGaN層103の上に、AlGa
N層104が、6角形状のパターンで島状に形成されて
いる。これは、サファイアの(0001)面にエピタキ
シャル成長させることにより、6方晶のC軸に沿ってア
イランド状成長が生じた場合を例示する。また、図3の
具体例においては、それぞれの島の寸法は、数μm〜数
10μm程度である。
【0041】しかし、第3の窒化物半導体層104の島
の形状や平均の寸法、分布の平均間隔、分布の平均密度
などは、図3には限定されない。例えば、半導体層10
4の組成や成長温度、あるいは、キャリアガスに窒素を
使用したり、あるいは水素/窒素の混合ガスとしてその
流量比を変化させたり、あるいは基板の面方位などに応
じて制御することができる。
【0042】但し、インジウムを含有した第2の窒化物
半導体層103は熱に対して弱いため、第3の窒化物半
導体層104の成長温度は、その成長初期の段階では9
00度以下にすることが望ましい。
【0043】次に、図2(b)に表したように、第2の
窒化物半導体層103を選択的に除去する。具体的に
は、Al0.07Ga0.93N層104の成長後に連
続して水素雰囲気中に晒すことにより、第2の窒化物半
導体層を気相エッチングする。つまり、成長中や成長中
断時にはV族原料(ここではアンモニア)を供給しなが
ら高温保持するのが通常であるが、このV族原料の供給
を停止し、活性ガス(ここでは水素)を含む雰囲気に結
晶を晒すことにより、エッチング作用が得られる。
【0044】本発明者の実験の結果、この気相エッチン
グによるエッチング速度は、活性ガスの流量や時間や温
度により制御できる他、結晶の混晶比によっても制御で
きることがわかった。例えば、水素を10%含有した窒
素雰囲気にGaNを晒して温度を900℃に保持する
と、GaNはおよそ毎秒0.002μmの速度でエッチ
ングされる。また、水素雰囲気中で温度を1000℃に
保持すると、GaNはおよそ毎秒0.4μmの速度でエ
ッチングされる。これに対して、Alを5%以上含んだ
AlGaN結晶では水素中で1000℃程度まで昇温し
ても殆どエッチングが進まないことが判明した。
【0045】したがって、図2(a)の構造を水素雰囲
気に900℃で晒すことによりインジウムを含有した第
2の窒化物半導体層103を高い選択比でエッチングす
ることができる。
【0046】より一般的には、本エッチング工程におい
て、第2の窒化物半導体層103のエッチング速度が第
3の窒化物半導体層のエッチング速度よりもある程度大
きければ良い。水素ガスを含む雰囲気中での気相エッチ
ングの速度は、窒化物半導体層のインジウムの組成が大
きくなるにつれて増大する。また、窒化物半導体層のア
ルミニウムの組成が大きくなるにつれて減少し、アルミ
ニウムの組成比が5%を越えると顕著に小さくなる。
【0047】従って、第3の窒化物半導体層104がエ
ッチングマスクとして作用するためには、第3の窒化物
半導体層104のアルミニウム組成が第2の窒化物半導
体層103のアルミニウム組成よりも大きいか、若しく
は、第3の窒化物半導体層104のインジウム組成が第
2の窒化物半導体層103のインジウム組成よりも小さ
ければ良い。両者の半導体層の組成の差が大きい程、エ
ッチング速度の選択比を大きくできる。
【0048】しかし、仮に、第2の窒化物半導体層10
3と第3の窒化物半導体層104のエッチング速度が同
程度であったとしても、第3の窒化物半導体層104の
方が十分に厚い層厚を有する場合には、エッチングマス
クとして作用させることが可能である。
【0049】但し、上述の如く、窒化物半導体層のアル
ミニウム組成が5%を越えると気相エッチングにおける
エッチング速度が顕著に低下する傾向が認められるの
で、第3の窒化物半導体層104のアルミニウム組成を
5%以上とすることが望ましい。
【0050】また、この際に第1の窒化物半導体層(A
0.07Ga0.93N層)102のアルミニウム組
成を適度に調節することにより、エッチングストップ層
として利用することもできる。
【0051】次に、図2(c)に表したように、第4の
窒化物半導体層105を成長する。具体的には、水素キ
ャリアガスに加えて成長原料としてアンモニア、TMG
を供給し、900℃の成長温度でGaN層105を成長
し、第3及び第3の窒化物半導体層103、104を埋
め込む。
【0052】この後、図示しない上側の層の形成、パタ
ーニング、電極形成などの工程を経て、本発明の窒化物
半導体発光素子が完成する。
【0053】本発明の半導体発光素子が従来と異なる点
は、第2の窒化物半導体層103のインジウム組成比が
例えば70%と極めて高いような場合であっても、その
結晶品質を熱劣化させることなく、アルミニウムを含有
した第3の窒化物半導体層をその上に積層でき、さら
に、面内方向での発光素子の特性分布の「ばらつき」を
なくすことができる点にある。
【0054】従来は、AlGaN層104を平坦成長す
ることが前提とされていたために、1000℃以上の成
長温度にすることが必要とされ、インジウムを含む窒化
物半導体層103の熱劣化との間でトレードオフの関係
にあった。また、インジウムを含む半導体層103の熱
劣化を防ぐために、仮にAlGaN層104の成長温度
を1000℃以下に抑えたとしても、上述の如く島状の
成長になってしまい、これをそのままGaN層105で
埋め込んだ構造では、AlGaN層104が存在する場
所とそうでない場所とができてしまい、例えば電流注入
を行う発光素子を作成した場合には注入電流に分布が生
じて「発光班」ができてしまう等の問題が生ずる。本発
明者の検討によれば、この構造では上部にAlGaN層
104が存在する部分の下のInGaN多層膜部103
は高い発光効率が得られるが、AlGaN層104が存
在しない場所では発光効率が低く非発光再結合成分が多
く存在することが判明している。このことからも、Al
GaN層104の下部分のみ残し第2の窒化物半導体層
103の残部を除去する本発明の構造は有用である。
【0055】なお、図2においては、第2の窒化物半導
体層103を結晶成長装置内において水素ガスによる気
相エッチングによりエッチングする具体例を挙げたが、
これ以外にも、例えば、結晶成長装置から一旦取り出し
て、ドライエッチングあるいはウエットエッチングなど
の方法によりエッチングしても良い。
【0056】この場合には、結晶成長装置から取り出
し、エッチングし、再び結晶成長装置にウェーハを導入
して第4の窒化物半導体層105を成長するという手順
が必要とされる。
【0057】次に、本発明の半導体発光素子の全体構成
について説明する。
【0058】図4は、本発明の窒化物半導体発光素子の
全体構成を例示する断面図である。同図においては、図
1乃至図3に例示したものと同様の要素には同一の符号
を付した。
【0059】すなわち、本具体例においては、サファイ
ア基板301の上に、n型GaNコンタクト層101、
n型AlGaNクラッド/エッチングストップ層10
2、InGaN系活性層103、p型AlGaNクラッ
ド/エッチングブロック層104、p型GaNコンタク
ト層105が積層されている。また、コンタクト層10
1の上にはn側電極306が形成され、コンタクト層1
05の上にはp側電極307が形成されている。
【0060】ここで、n型の不純物としてはSi(シリ
コン)、p型の不純物としてはMg(マグネシウム)を
それぞれ用いることができる。また、InGaN系活性
層103は、Inx1Ga1−x1Nバリア層103A
/Inx2Ga1−x2Nウエル層103BのMQW構
造とすることができる。例えば、In組成比x1および
x2は、それぞれ0.05、0.7とし、InGaNバ
リア層103AでInGaNウエル層103Bを挟み込
んだ積層構造としてバリア層103Aを6層、ウエル層
103Bを5層とすることができる。
【0061】本具体例の半導体発光素子の場合、電極3
06、307にバイアスを加えて電流注入を行ったとこ
ろ、InGaN活性層103からの黄色の発光が得られ
た。発光ピーク波長は590nm、スペクトル半値幅は
30nm、動作電流20mAにおける光出力は3mWで
あった。
【0062】図5は、本発明の窒化物半導体発光素子の
変形例を表す断面図である。本変形例が図4の構造と異
なる点は、n型AlGaN層102とInGaN系発光
層103との間に、GaNエッチング層401を設けた
点にある。また、MQW活性層のInx2Ga1−x2
Nウエル層103BのIn組成比を0.9とし、この上
層104の成長温度およびそれに続く層103のエッチ
ング温度はいずれも880℃とした。
【0063】本変形例の発光素子においては、ウエル層
103BのIn組成比が高くなったことによりエッチン
グ温度を低くする必要があり、このことから活性層10
3のエッチング後にInドロップレットが残ることがあ
る。このため、エッチングストップ層102の上層にI
nを含まないGaNエッチング層401を積層すること
によって、そのInドロップレットをリフトオフ(除
去)することができ、平坦なエッチング面を作成するこ
とができる。
【0064】こうして得られた本変形例の発光素子に電
流を注入したところ、発光ピーク波長630nmの赤色
の発光が観測された。
【0065】図6は、本発明の半導体発光素子の第2の
変形例を表す断面図である。本変形例が図4の構造と異
なる点は、n型GaN層101とAlGaNエッチング
ストップ層102との間に、第2の発光層501を設け
た点と、AlGaNエッチングストップ層102をアン
ドープした点にある。
【0066】第2の発光層501は、例えば、ZnとS
iとをドープしたInGaNにより形成することができ
る。Zn/SiドープInGaN層501のIn組成比
は例えば0.08として、ドーピングされたZn及びS
iの発光センターを介して450nmの発光をするよう
に調整することが可能である。
【0067】こうして得られた本変形例の発光素子に電
流を注入したところ、InGaN活性層103からの黄
色の発光が得られ、さらに第2の発光層であるZn/S
iドープInGaN層501からは青色の発光が得ら
れ、この両方の発光の混色によって発光素子からの発光
は白色に観測された。この白色光は色温度8000Kで
光度200mcdであった。
【0068】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具
体例及び変形例に限定されるものではない。
【0069】例えば、窒化物半導体を気相エッチングす
る条件は、半導体の組成、デバイスの構造、エッチング
工程の前後の製造工程の内容などに応じて適宜決定する
ことができ、気相エッチングの温度を上限させたり雰囲
気にアンモニア(NH)などのガスを添加したりする
ことができる。
【0070】また、活性層としての役割を有する第2の
窒化物半導体層103の積層構造や組成は、必要とされ
る光の波長に応じて適宜調節することができる。一例を
挙げると、発光波長として370nmの短波長光が必要
な場合には、第2の窒化物半導体層103を、層厚15
nmのGa0.97Al0.03Nバリア層103Aと
層厚5nmのIn0.02Ga0.95Al0.03
ウエル層103Bとを5周期積層したMQW構造とすれ
ば良い。つまり、6層のバリア層103Aの間にそれぞ
れウエル層103Bを挟んだ構成とする。この場合、第
1乃至第4の窒化物半導体層の組成は図1に関して前述
した具体例と同様でも良い。
【0071】さらに、第2の窒化物半導体層103は、
その他のIn組成比の低い青色や緑色のInGaN系の
単層あるいは積層構造でも良く、さらにはInGaAl
N系から選ばれる種々の混晶を用いることもできる。
【0072】一方、本発明の半導体発光素子は、LED
のみならず、面発光型のレーザ素子にも同様に適用する
ことができる。さらに、発光素子作成において用いる結
晶成長用基板はサファイアに限るものではなく、Si
C、GaN、Si、GaAsなどでも同様の効果は得ら
れる。
【0073】その他本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施可能である。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、島
状に形成した窒化物半導体層をマスクとしてその下層の
インジウムを含有する窒化物半導体層をエッチングする
ことにより、In組成比xが高い窒化物半導体層を積層
構造中に結晶品質劣化することなく作成することがで
き、その結果、紫外線から黄色さらに赤色波長領域にお
いて高い効率で均一に発光可能な半導体発光素子を作成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に関わる窒化物半導体発光
素子の要部の断面構造を例示する概念図である。
【図2】本発明の半導体発光素子の製造方法の要部を表
す工程断面図である。
【図3】第3の窒化物半導体層が島状に形成された状態
を例示する平面図である。
【図4】本発明の窒化物半導体発光素子の全体構成を例
示する断面図である。
【図5】本発明の窒化物半導体発光素子の変形例を表す
断面図である。
【図6】本発明の半導体発光素子の第2の変形例を表す
断面図である。
【符号の説明】
101 下地の窒化物半導体層 102 第1の窒化物半導体層 103 第2の窒化物半導体層 103A バリア層 103B ウエル層 104 第3の窒化物半導体層 105 第4の窒化物半導体層 301 基板 306 n側電極 307 p側電極 401 エッチング層 501 第2の発光層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の窒化物半導体層と、 前記第1の窒化物半導体層の上に設けられ、第2の窒化
    物半導体層と前記第2の窒化物半導体層の上に積層され
    た第3の窒化物半導体層とを有する複数の島状積層体
    と、 前記複数の島状積層体を埋め込んで前記第1の窒化物半
    導体層の上に形成された第4の窒化物半導体層と、 を備え、 前記第2の窒化物半導体層は、インジウムを含有し、 前記第3の窒化物半導体層は、アルミニウムを含有する
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】前記第3の窒化物半導体層のアルミニウム
    の組成比は、前記第2の窒化物半導体層のアルミニウム
    の組成比よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の
    半導体発光素子。
  3. 【請求項3】前記第3の窒化物半導体層のアルミニウム
    組成比は、5%以上であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】前記第2の窒化物半導体層のインジウムの
    組成比は、前記第3の窒化物半導体層のインジウムの組
    成比よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1つに記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】前記第1の窒化物半導体層は、アルミニウ
    ムを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1つに記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒
    化物半導体層との間に設けられた第5の窒化物半導体層
    をさらに備え、 前記第5の窒化物半導体層は、インジウムを実質的に含
    有しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つ
    に記載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】前記第1の窒化物半導体層と前記第3の窒
    化物半導体層は、前記第2の窒化物半導体層よりも大き
    なバンドギャップを有し、 前記第2の窒化物半導体層は、光を放出する活性層とし
    て作用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    つに記載の半導体発光素子。
  8. 【請求項8】前記第2の窒化物半導体層から放出される
    光とは異なる波長を有する光を放出する第2の活性層を
    さらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1つに記載の半導体発光素子。
  9. 【請求項9】基板上に第1の窒化物半導体層を形成する
    工程と、 前記第1の窒化物半導体層の上に、第2の窒化物半導体
    層を形成する工程と、 前記第2の窒化物半導体層の上に、第3の窒化物半導体
    層を島状に形成する工程と、 前記島状に形成された前記第3の窒化物半導体層の間に
    露出している前記第2の窒化物半導体層をエッチングす
    る工程と、 前記島状に形成された前記第3の窒化物半導体層を埋め
    込むように第4の窒化物半導体層を形成する工程と、 を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記第2の窒化物半導体層は、インジウ
    ムを含有し、 前記第3の窒化物半導体層は、アルミニウムを含有する
    ことを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子の製造
    方法。
  11. 【請求項11】前記エッチングする工程は、水素を含有
    する雰囲気中において前記第2の窒化物半導体層を気相
    エッチングすることを特徴とする請求項9または10に
    記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 【請求項12】前記第1の窒化物半導体層を形成する前
    記工程から前記第4の窒化物半導体層を形成する前記工
    程までを、ひとつの結晶成長室内において実施すること
    を特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載の半
    導体発光素子の製造方法。
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