JP2002221632A - 分散補償光ファイバおよび分散補償光ファイバモジュール - Google Patents

分散補償光ファイバおよび分散補償光ファイバモジュール

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JP2002221632A JP2001215886A JP2001215886A JP2002221632A JP 2002221632 A JP2002221632 A JP 2002221632A JP 2001215886 A JP2001215886 A JP 2001215886A JP 2001215886 A JP2001215886 A JP 2001215886A JP 2002221632 A JP2002221632 A JP 2002221632A
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dispersion compensating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い波長帯域で波長分散と分散スロープを補
償でき、有効コア断面積が大きく、かつ波長分散の絶対
値が大きい分散補償光ファイバを提供する。 【解決手段】 いわゆるゼグメント付きW型の屈折率プ
ロファイルを備えた分散補償光ファイバであって、1.
53μm〜1.63μmから選択された使用波長帯にお
ける有効コア断面積が20μm2以上、曲げ損失が20
dB/m以下、波長分散が−70〜−100ps/nm
/kmの範囲に有り、かつ前記使用波長帯において、実
質的にシングルモード伝搬可能なカットオフ波長を有
し、さらに前記使用波長帯よりも短波長の零分散波長を
有するシングルモード光ファイバの波長分散を零に補償
できる長さで、該シングルモード光ファイバを補償した
ときの分散スロープの補償率が80〜120%となる分
散補償光ファイバを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分散補償光ファイバ
および分散補償光ファイバモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】分散補償光ファイバは、光通信システム
の伝送路を構成するシングルモード光ファイバを伝搬す
ることによって蓄積される波長分散を補償する光ファイ
バである。具体的には、例えば1.55μm帯におい
て、1.3μm用シングルモード光ファイバなどの1.
55帯よりも短波長側に零分散波長を備えたシングルモ
ード光ファイバを使用するときに波長分散が生じるが、
この波長分散を分散補償光ファイバを用いることによっ
て補償することができる。その結果、光通信システムの
伝送速度を向上させることができる。以下、本明細書に
おいては、便宜上、このように分散補償光ファイバによ
って補償される対象のシングルモード光ファイバを伝送
用シングルモード光ファイバという。一方、光通信シス
テムにおいては、大容量化、高速化の要求に伴い、波長
帯域の広帯域化、波長多重数の増加が急速に進んでい
る。
【0003】そこで、分散補償光ファイバにおいても、
広い波長帯域において、伝送用シングルモード光ファイ
バの波長分散を補償できるものが開発されている。その
ためには、波長分散のみならず、波長に対する波長分散
の傾きを示す分散スロープも補償することが必要とされ
る。なお、1.3μm用シングルモード光ファイバなど
の伝送用シングルモード光ファイバの1.55μm帯に
おける波長分散と分散スロープは、一般にいずれも正の
値である。そこで、分散補償光ファイバは負の波長分散
と負の分散スロープを備えていることが要求される。
【0004】このように波長分散と分散スロープの両方
を補償するものとして、図1に示した、いわゆるW型の
屈折率プロファイルを備えた分散補償光ファイバが提案
されている。この屈折率プロファイルは、コア1とその
外周上に設けられたクラッド2とからなる。そして、こ
のコア1は、中心に設けられた中心コア部3とその外周
上に設けられた中間コア部4とから構成されている。中
心コア部3はクラッド2よりも高い屈折率を有し、中間
コア部4はクラッド2よりも低い屈折率を備えている。
図1中、Δ1はクラッド2を基準にしたときの中心コア
部3の比屈折率差である。Δ2は、クラッド2を基準に
したときの中間コア部4の比屈折率差である。また、a
は中心コア部3の半径、bは中間コア部4の半径であ
る。このW型の屈折率プロファイルを備えた分散補償光
ファイバにおいては、Δ1、Δ2、およびb/aの値を
調整することによって、例えば1.55μm帯におい
て、正の波長分散と正の分散スロープを有する伝送用シ
ングルモード光ファイバの波長分散と分散スロープを補
償できる特性が得られる。
【0005】また、有効コア断面積(以下、Aeffと
略記する)の拡大、曲げ損失の改善、分散スロープ補償
の広帯域化を目的として、図2に示したいわゆるセグメ
ント付きW型の屈折率プロファイルを備えた分散補償光
ファイバも開発されている。この屈折率プロファイル
は、コア11とその外周上に設けられたクラッド12と
からなる。そして、このコア11は、中心に設けられた
中心コア部13と、その外周上に設けられた中間コア部
14と、その外周上に設けられたリングコア部15とか
ら構成されている。中心コア部13はクラッド12より
も高い屈折率を有し、中間コア部14はクラッド12よ
りも低い屈折率を有し、リングコア部15は中心コア部
13よりも低く、かつクラッド12よりも高い屈折率を
有している。
【0006】図2中、Δ1はクラッド12を基準にした
ときの中心コア部13の比屈折率差、Δ2はクラッド1
2を基準にしたときの中間コア部14の比屈折率差、Δ
3はクラッド12を基準にしたときのリングコア部15
の比屈折率差である。また、aは中心コア部13の半
径、bは中間コア部14の半径、cはリングコア部15
の半径である。この場合もΔ1、Δ2、Δ3およびb/
a、c/bなどの値を調整することによって、例えば
1.55μm帯において正の波長分散と正の分散スロー
プを有する伝送用シングルモード光ファイバの波長分散
と分散スロープを補償できる特性が得られる。
【0007】分散補償光ファイバは、例えばケーブルに
加工され、伝送路に挿入される。また、小型の分散補償
光ファイバモジュール(以下、モジュールと略記する場
合がある)に加工され、既存の伝送路の受信側または送
信側の端局などに設置される。なお、モジュールは、例
えば筐体内に分散補償光ファイバを巻き込んだリールを
収容したものである。そして、筐体内部で、分散補償光
ファイバの両端部は、引き出し用の伝送用シングルモー
ド光ファイバに接続され、これらの引き出し用の光ファ
イバが筐体に設けられたふたつの孔からそれぞれ引き出
される。そして、これらの引き出し用の光ファイバの端
部に、前記筐体の外部に配置される伝送用シングルモー
ド光ファイバが接続されることによって伝送路に挿入さ
れる。なお、モジュールの構造としては、外部の伝送用
シングルモード光ファイバと接続するための接続部が筐
体側面に設けられていることもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、分散補償光
ファイバにおいては、比較的短い使用長さで補償効果が
得られる方が好ましい。そのため、分散補償光ファイバ
においては、単位長さ当たりの波長分散の絶対値が大き
いことが望ましい。上述のW型の屈折率プロファイルを
備えた分散補償光ファイバは、単位長さ当たりの波長分
散の絶対値を大きくするために、Δ1を大きな値とし、
コアの半径を小さな値に設定していた。図3は、図1に
示したW型の屈折率プロファイルにおいて、Δ1を1.
8%、Δ2を−0.4%に固定し、bとb/aの値を変
化させたときの分散スロープと波長分散の関係を示した
グラフである。測定波長は1.55μmである。
【0009】グラフ中の破線Sは一般的な1.3μm用
シングルモード光ファイバの波長分散と分散スロープを
両方とも100%補償できるときの波長分散と分散スロ
ープの関係を示しており、この破線Sに近い程理想的な
補償の作用が得られる。なお、この1.3μm用シング
ルモード光ファイバの使用波長1.55μmにおける波
長分散は+17ps/nm/km、分散スロープは+
0.056ps/nm2/kmである。
【0010】このグラフ中にはb/aの比率を一定とし
て0.1μm間隔でbの値を変化させたときの点がb/
aの値毎にまとめられている。各b/aについてbを変
化させた範囲は以下のようになっている。 b/a=3.0のとき、b=4.0〜3.6μm b/a=3.5のとき、b=4.5〜4.2μm b/a=4.0のとき、b=5.0〜4.7μm b/a=4.5のとき、b=5.5〜5.3μm bの値が小さくなるにしたがって波長分散の絶対値が大
きくなる傾向があるため、b/aの値毎に、最も波長分
散の絶対値が大きいものはbの範囲の下限値が設定され
ており、最も小さいものはbの範囲の上限値が設定され
ている。
【0011】また、グラフ中の数値はAeffである。
光通信システムにおいては、光信号の伝送中に非線形効
果が発生すると伝送状態が劣化し、長距離伝送、高速伝
送などの妨げになることが知られている。非線形効果は
光信号のパワーが大きい場合に発生しやすい。そして、
波長多重伝送においては、中継地点における光信号の増
幅時のみならず、入力時当初から光信号のパワーが大き
く、非線形効果が発生しやすい。そして、非線形効果を
抑制するためにはAeffが大きい程好ましいことが知
られている。グラフ中に示されているように、W型の屈
折率プロファイルを備えた分散補償光ファイバはAef
fが小さいため、非線形効果の抑制が不十分であった。
なお、2000年電気通信情報通信学会総合大会*1など
では、W型の屈折率プロファイルを備えた分散補償光フ
ァイバであって、Aeffが18.4μm2のものが報
告されている。しかし、さらに大きなAeffを有する
分散補償光ファイバは報告されていない。*1:梁田英
二 等、「完全分散スロープ補償型複合光伝送路(Pure
CoupleTM)」、C−3−38、P217、2000年電
気総合通信学会総合大会
【0012】また、図2に示したセグメント付きW型の
屈折率プロファイルにおいては、本発明者らの過去の検
討によれば、設計条件によってはAeffが21μm2
のものが得られている。しかしながら、この分散補償光
ファイバは波長分散の絶対値が61.5ps/nm/k
mと小さく、伝送用シングルモード光ファイバの波長分
散を補償するための使用長さが長くなるという問題があ
った。その結果、分散補償光ファイバは伝送用シングル
モード光ファイバと比較して高価である場合が多いた
め、コストが高くなるという問題があった。また、使用
長さが長いと、特にモジュールにする際に以下のような
問題を生じていた。すなわち、分散補償光ファイバをモ
ジュールにする場合は、モジュールを構成するリールに
巻き込むことができ、かつリールに巻き込んだ状態で筐
体内に収めることができなければならない。したがっ
て、使用長さが長くなると、必然的にリールと筐体が大
型化し、コストが高くなるとともに、設置スペースが大
きくなるという問題もあった。
【0013】さらに、このようにモジュールはできるだ
け小型のものが設置するスペースやコストなどの観点か
ら好ましいが、分散補償光ファイバの曲げ損失が大きい
と小型のリールに巻き込んだときに伝送損失が増加す
る。しかし、従来の分散補償光ファイバにおいては、広
い波長帯域において、波長分散と分散スロープを補償す
ることができるとともに、Aeffが大きく、波長分散
の絶対値が大きく、かつ曲げ損失が小さいという条件を
満足することは非常に困難であると考えられていた。
【0014】本発明の目的は、できるだけ広い波長帯域
で伝送用シングルモード光ファイバの波長分散と分散ス
ロープの両方を補償できる分散補償光ファイバであっ
て、Aeffが大きく、かつ波長分散の絶対値が大きい
分散補償光ファイバを提供することにある。そして、非
線形効果の発生を抑制することができることによって伝
送損失が低い分散補償光ファイバを提供することを課題
とする。また、使用長さが短いため、コストが安く、か
つ小型のモジュールに加工することができる分散補償光
ファイバを提供することを課題とする。さらに、曲げ損
失が小さく、特に小型のリールに巻き込んで筐体内に収
めても伝送損失の劣化を引き起こさない分散補償光ファ
イバを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
以下の(1)〜(4)の条件を満足することを特徴とす
る分散補償光ファイバである。 (1)コアとその外周上に設けられたクラッドからな
り、該コアが、前記クラッドより高い屈折率を有する中
心コア部と、該中心コア部の外周上に設けられ、かつ前
記クラッドより低い屈折率を有する中間コア部と、該中
間コア部の外周上に設けられ、かつ前記クラッドよりも
高い屈折率を有するリングコア部とを備えている。 (2)前記中心コア部、前記中間コア部、および前記リ
ングコア部において、半径と、前記クラッドに対する比
屈折率差を、それぞれ(a、Δ1)、(b、Δ2)、
(c、Δ3)としたとき、cが6〜9μm、Δ1が1.
2〜1.7%、Δ2が−0.25〜−0.45%、Δ3
が0.2〜1.1%、b/aが2.5〜4.0、c/b
が1.1〜2.0の範囲にある。 (3)1.53μm〜1.63μmから選択された使用
波長帯における有効コア断面積が20μm2以上、前記
使用波長帯における曲げ損失が20dB/m以下、前記
使用波長帯における波長分散が−70〜−100ps/
nm/kmの範囲に有り、かつ前記使用波長帯におい
て、実質的にシングルモード伝搬可能なカットオフ波長
を有する。 (4)前記使用波長帯よりも短波長の零分散波長を有す
るシングルモード光ファイバの波長分散を零に補償でき
る長さで、該シングルモード光ファイバを補償したとき
の分散スロープの補償率が80〜120%である。第2
の発明は、前記第1の発明の分散補償光ファイバにおい
て、前記クラッドが純粋石英ガラスの屈折率の値以下の
屈折率を有することを特徴とする分散補償光ファイバで
ある。第3の発明は、前記第2の発明の分散補償光ファ
イバにおいて、クラッドがフッ素添加石英ガラスからな
り、該フッ素の添加量が、前記クラッドの純粋石英ガラ
ス基準の比屈折率が−0.1〜−0.4%となる様に調
整されていることを特徴とする分散補償光ファイバであ
る。第4の発明は、前記第1〜3のいずれかの発明の分
散補償光ファイバにおいて、前記aが1.5〜3.0μ
mであることを特徴とする分散補償光ファイバである。
第5の発明は、前記第1〜4のいずれかの発明の分散補
償光ファイバにおいて、前記使用波長帯における有効コ
ア断面積が22μm2以上であることを特徴とする分散
補償光ファイバである。第6の発明は、前記第1〜5の
いずれかの発明の分散補償光ファイバにおいて、前記使
用波長帯における曲げ損失が10dB/m以下であるこ
とを特徴とする分散補償光ファイバである。第7の発明
は、前記第1〜6のいずれかの発明の分散補償光ファイ
バにおいて、前記使用波長帯における波長分散が−75
〜−95ps/nm/kmであることを特徴とする分散
補償光ファイバである。第8の発明は、前記第1〜7の
いずれかの発明の分散補償光ファイバにおいて、前記使
用波長帯における分散スロープが負の値であることを特
徴とする分散補償光ファイバである。第9の発明は、前
記第1〜8のいずれかの発明の分散補償光ファイバにお
いて、前記使用波長帯における分散スロープが−0.1
8〜−0.39ps/nm2/kmであることを特徴と
する分散補償光ファイバである。第10の発明は、前記
第1〜9のいずれかの発明の分散補償光ファイバにおい
て、前記使用波長帯における分散スロープが−0.23
〜−0.32ps/nm 2/kmであることを特徴とす
る分散補償光ファイバである。第11の発明は、前記第
1〜10のいずれかの発明の分散補償光ファイバにおい
て、前記使用波長帯よりも短波長の零分散波長を有する
シングルモード光ファイバの波長分散を零に補償できる
長さで、該シングルモード光ファイバを補償したとき、
前記分散補償光ファイバの長さと、前記シングルモード
光ファイバの長さの比率が1:3〜1:7であることを
特徴とする分散補償光ファイバである。第12の発明
は、前記第1〜11のいずれかの発明の分散補償光ファ
イバにおいて、前記シングルモード光ファイバが、前記
使用波長において、正の波長分散を備え、かつ該使用波
長帯において、正の分散スロープを備えていることを特
徴とする分散補償光ファイバである。第13の発明は、
前記第1〜12のいずれかの発明の分散補償光ファイバ
において、前記シングルモード光ファイバが1.3μm
用シングルモード光ファイバであることを特徴とする分
散補償光ファイバである。第14の発明は、前記第1〜
13のいずれかの発明の分散補償光ファイバを用いたこ
とを特徴とする分散補償光ファイバモジュールである。
第15の発明は、前記第14の発明の分散補償光ファイ
バモジュールにおいて、リールに巻き回された分散補償
光ファイバが筐体内に収められていることを特徴とする
分散補償光ファイバである。第16の発明は、前記第1
〜12のいずれかひとつの発明の分散補償光ファイバ
と、該分散補償光ファイバによって波長分散と分散スロ
ープが補償されるシングルモード光ファイバとを組み合
わせたことを特徴とする複合伝送路である。第17の発
明は、前記第16の発明の複合伝送路において、前記分
散補償光ファイバの長さと、前記シングルモード光ファ
イバの長さの比率が1:3〜1:7であることを特徴と
する複合伝送路である。第18の発明は、前記第16ま
たは17の発明の複合伝送路において、前記シングルモ
ード光ファイバが、前記使用波長において、正の波長分
散を備え、かつ該使用波長帯において、正の分散スロー
プを備えていることを特徴とする複合伝送路である。第
19の発明は、前記第16〜18のいずれかの発明の複
合伝送路において、前記シングルモード光ファイバが
1.3μm用シングルモード光ファイバであることを特
徴とする複合伝送路である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の分散補償光ファイバは、
図2に示したものと同様のセグメント付きW型の屈折率
プロファイルを備えている。以下、図2を利用して説明
する。本発明者らは、セグメント付きW型の屈折率分布
形状において、複数の構造パラメータの数値範囲をそれ
ぞれ限定し、かつこれらの数値範囲から選ばれる複数の
構造パラメータの組み合わせを適切に設定することによ
って、上記課題を解決することができる分散補償光ファ
イバが得られることを見出し、本発明を完成させた。す
なわち、この分散補償光ファイバは、コア11とその外
周上に設けられたクラッド12からなり、該コア11
が、前記クラッド12より高い屈折率を有する中心コア
部13と、該中心コア部13の外周上に設けられ、かつ
前記クラッド12より低い屈折率を有する中間コア部1
4と、該中間コア部14の外周上に設けられ、かつ前記
クラッド12よりも高い屈折率を有するリングコア部1
5とを備えている。この屈折率プロファイルにおいて
は、例えば中心コア部13とリングコア部15がゲルマ
ニウム添加石英ガラス、中間コア部14がフッ素添加石
英ガラス、クラッド12は純粋石英ガラス、もしくはフ
ッ素添加石英ガラスから形成されている。なお、クラッ
ド12は純粋石英ガラスの屈折率の値以下の屈折率を有
すると好ましい。その理由は、コア11とクラッド12
の軟化温度の差を小さくすることにより、ファイバ母材
から光ファイバを線引きする分散補償光ファイバの製造
において、線引き後に中心コア部13などに残留する応
力を小さくでき、より損失の小さい分散補償光ファイバ
を得ることができるからである。クラッド12がフッ素
添加石英ガラスからなる場合において、クラッド12へ
のフッ素の添加量は、例えば純粋石英ガラス基準の比屈
折率差が−0.1〜−0.4%程度になるように添加量
を調整すれば、十分にクラッド12の軟化温度を低下さ
せる効果を得ることができる。
【0017】本発明の分散補償光ファイバにおいては、
図2に示したcが6〜9μmであると好ましい。6μm
未満では曲げ損失が劣化し、伝送特性が劣化する。9μ
mをこえるとカットオフ波長が長くなり、実質的なシン
グルモード伝搬が保証できなくなる。
【0018】また、Δ1が1.2〜1.7%であると好
ましい。1.2%未満であると波長分散の絶対値を大き
くすることができなくなり、1.7%をこえるとAef
fが小さくなってしまい、伝送特性が劣化する。また、
Δ2が−0.25〜−0.45%であると好ましい。こ
の範囲外では分散スロープ補償率が80〜120%の範
囲からはずれてしまう。または、−0.45%未満では
分散スロープ補償率が120%をこえてしまい、−0.
25%をこえると分散スロープ補償率が80%未満とな
ってしまう。また、Δ3が0.2〜1.1%であると好
ましい。0.2%未満ではリングコア部15の効果が小
さくなり、Aeffの値が小さくなったり、曲げ損失が
劣化する。1.1%をこえるとカットオフ波長が長くな
り、実質的なシングルモード伝搬が保証できなくなる。
さらに、b/aは2.5〜4.0とされる。2.5未満
では分散スロープ補償率が80%以下となってしまい、
4.0をこえると曲げ損失が劣化する。また、c/bが
1.1〜2.0とされる。1.1未満ではリングコア部
15の効果が小さくなり、Aeffの値が小さくなった
り、曲げ損失が劣化する。2.0をこえるとカットオフ
波長が長くなり、実質的なシングルモード伝搬が保証で
きなくなる。aの値は目的とする特定値によって適宜変
更することができ、特に限定するものではないが、例え
ば1.5〜3.0μmの範囲とされる。なお、クラッド
12の外径は特に限定しないが通常約125μmであ
る。
【0019】本発明においては、上述の数値範囲から選
択される複数の構造パラメータの適切な組み合わせによ
り、以下のような好ましい特性を実現することができ
る。なお、これらの数値範囲を全て満足していても以下
のような特性を備えた分散補償光ファイバを得ることが
できるとは限らない。すなわち、ある程度の試行錯誤を
行うことによって、以下のような特性が得られる適切な
複数の構造パラメータの組み合わせを得ることができ
る。
【0020】したがって、本発明の分散補償光ファイバ
は、屈折率プロファイルと構造パラメータの数値範囲の
みでは特定することが困難であり、これらの構成に加え
て以下のような特性値によって特定するものである。上
述のように、このように波長分散と分散スロープの補償
効果に優れ、非線形効果を抑制するためにAeffを拡
大し、かつ波長分散の絶対値が大きく、短い使用長さで
光通信システムに適用することができ、かつ曲げ損失が
小さい分散補償光ファイバは、従来得られていなかった
ものである。
【0021】本発明における使用波長帯とは、1.53
μm〜1.63μmから選択された波長帯をいう。使用
波長帯の帯域幅は必要に応じて適宜選択することがで
き、実質的にひとつの波長であってもよい。なお、波長
多重伝送などにおいては比較的広い波長帯が選択され、
例えば1.53〜1.57μm帯(いわゆるCバンド
帯)や、1.57〜1.63μm帯(いわゆるLバンド
帯)などを選択することができる。
【0022】そして、本発明の分散補償光ファイバは、
この選択した使用波長帯において、Aeffが20μm
2以上、好ましくは22μm2以上のものである。上限値
は特に限定しないが、実質的には25μm2程度までの
ものを製造することができる。20μm2未満では非線
形効果を十分に抑制することができない。なお、Aef
fは以下の式で定義されるものである。
【0023】
【数1】
【0024】また、曲げ損失は小さい程好ましいが、本
発明の分散補償光ファイバは、前記選択した使用波長帯
において、20dB/m以下、好ましくは10dB/m
以下である。20dB/m以下であると、曲げ損失は十
分に小さく、リールに巻き込んで小型のモジュールとし
ても伝送損失の劣化が生じにくく、好ましい。なお、曲
げ損失は曲げ直径(2R)が20mmの条件の値であ
る。
【0025】さらに、本発明の分散補償光ファイバは、
前記選択した使用波長帯において、波長分散が−70〜
−100ps/nm/km、好ましくは−75〜−95
ps/nm/kmであって、その絶対値が十分に大き
い。そのため、1.3μm用シングルモード光ファイバ
に代表される前記使用波長帯よりも短波長の零分散波長
を備え、この使用波長帯において比較的大きな正の波長
分散を備えたシングルモード光ファイバの波長分散を、
短い使用長さで補償することができる。
【0026】また、本発明の分散補償光ファイバはシン
グルモード光ファイバである必要がある。すなわち、実
際の使用状態でシングルモード伝搬を維持できるカット
オフ波長を備えていなければならない。カットオフ波長
は通常はいわゆる2m法によって測定された値を用いる
が、実際の長尺の使用状態では、2m法のカットオフ波
長が使用波長帯の最短波長よりも長くてもシングルモー
ド伝搬を行うことができる。したがって、カットオフ波
長については、分散補償光ファイバの使用波長帯および
使用長さによって適切な上限値を設定し、この上限値を
こえない値を実現できるように設計する。
【0027】また、本発明の分散補償光ファイバの分散
スロープは、この分散補償光ファイバによって補償する
伝送用シングルモード光ファイバの波長分散を零に補償
できる長さの分散補償光ファイバを用いたときの分散ス
ロープの補償率が80〜120%である。この範囲外で
あると分散スロープの補償が不十分になり、波長多重伝
送などにおいて支障を来す場合がある。
【0028】この分散スロープの補償率は以下のように
して求める。使用波長帯において、伝送用シングルモー
ド光ファイバの単位長さ当たりの波長分散と分散スロー
プの絶対値をそれぞれd1(ps/nm/km)、s1
(ps/nm2/km)、分散補償光ファイバの単位長
さ当たりの波長分散と分散スロープの絶対値をそれぞれ
d2(ps/nm/km)、s2(ps/nm2/k
m)とする。前記伝送用シングルモード光ファイバの波
長分散および分散スロープは、通常は正の値である。本
発明の分散補償光ファイバの波長分散および分散スロー
プは負の値である。
【0029】まず、単位長さの伝送用シングルモード光
ファイバの波長分散を零に補償できる分散補償光ファイ
バの長さはd1/d2で表される。この長さにおける分
散補償光ファイバの分散スロープの絶対値はd1/d2
×s2となる。そして、この長さの分散補償光ファイバ
による単位長さ当たりの伝送用シングルモード光ファイ
バの分散スロープの補償率は、(d1/d2×s2)/
s1×100となる。このように分散スロープの補償率
は、使用波長帯における補償対象の伝送用シングルモー
ド光ファイバの波長分散と分散スロープ、および分散補
償光ファイバ自体の波長分散と分散スロープによって変
化するため、目的とする使用波長帯や伝送用シングルモ
ード光ファイバにあわせて分散補償光ファイバを設計す
る必要がある。本発明の分散補償光ファイバにおいて
は、上述の数値範囲から選択される構造パラメータの適
切な組み合わせにより、1.3μm用シングルモード光
ファイバに代表される、上述の使用波長帯よりも短い零
分散波長を備えた伝送用シングルモード光ファイバの分
散スロープを、この分散スロープの補償率の範囲内で十
分に補償することができる。
【0030】分散補償光ファイバの負の分散スロープ
は、例えば−0.18〜−0.39ps/nm2/k
m、好ましくは−0.23〜−0.32ps/nm2
kmの範囲から任意に設定することができる。
【0031】本発明の分散補償光ファイバは、例えばV
AD法、MCVD法、PCVD法などの公知の方法を用
いて製造することができる。
【0032】なお、伝送用シングルモード光ファイバに
ついては、使用波長帯よりも短い零分散波長を有するも
のであれば特に限定しないが、本発明の分散補償光ファ
イバによって補償するのに適したものとして、以下に具
体例を示す。例えば1.27〜1.35μmの範囲に零
分散波長を備え、使用波長帯における波長分散が正の値
であって、具体的には+14〜+26ps/nm/km
であり、使用波長帯における分散スロープが正の値であ
って、具体的には+0.04〜+0.08ps/nm2
/kmの伝送用シングルモード光ファイバなどを例示す
ることができる。この様な特性を備えた伝送用シングル
モード光ファイバの屈折率プロファイルは、例えば、ス
テップ型や階段型、あるいは図1に例示したW型などを
例示することができる。ステップ型とは中央の約一定の
屈折率を備えたコアと、その外周上に設けられたクラッ
ドとからなる2層構造のものである。階段型とは、コア
が中央コア部と階段コア部とからなり、中央コア部、こ
の中央コア部の外周上に設けられた階段コア部、この階
段コア部の外周上に設けられたクラッドの順に、屈折率
が段階的に低くなっているものである。なお、1.3μ
m用シングルモード光ファイバは、通常ステップ形の屈
折率プロファイルを備えている。
【0033】そして、本願発明の分散補償光ファイバ
が、この伝送用シングルモード光ファイバの波長分散を
零に補償できる長さで、この伝送用シングルモード光フ
ァイバを補償したときの、この分散補償光ファイバの長
さと、この伝送用シングルモード光ファイバの長さの比
率は、伝送損失の点から例えば1:3〜1:7であると
好ましい。
【0034】次に、本発明の分散補償光ファイバは伝送
用シングルモード光ファイバと組み合わせた複合伝送路
を構築することができる。本願発明の分散補償光ファイ
バは、例えば小型の分散補償光ファイバモジュールに加
工され、シングルモード光ファイバからなる伝送路の前
段または後段に組み込まれて用いられる。複合伝送路に
おいて、使用する分散補償光ファイバおよびシングルモ
ード光ファイバの長さなどは、各光ファイバの特性や設
計条件によって適切な値が設定される。具体的には、特
に限定するものではないが、例えば伝送損失の点から、
分散補償光ファイバの長さと伝送用シングルモード光フ
ァイバの長さとの比率は1:3〜1:7が好ましい。
【0035】伝送用シングルモード光ファイバは上述の
ように1.3μm用シングルモード光ファイバに代表さ
れる、使用波長帯よりも短かい零分散波長を有し、使用
波長帯において正の波長分散と、正の分散スロープを備
えているものであれば特に限定することはない。また、
本発明の分散補償光ファイバは波長分散の絶対値が大き
いため、短い使用長さで伝送用シングルモード光ファイ
バを補償することができる場合が多い。また、曲げ損失
も小さく、小型のリールに巻き回しても、伝送損失の劣
化が小さい。したがって、特に小型のモジュールとして
用いるのに適している。
【0036】モジュールの形態、サイズなどは使用する
分散補償光ファイバの長さなどによって適宜変更可能で
あり、限定することはないが、以下にひとつの具体例に
ついて説明する。この例のモジュールにおいて、リール
は円柱状の胴部と、その上下面に平行に固着された円板
状部材とからなる。分散補償光ファイバを巻き込む前記
胴部の外径は60〜100mm、胴部の幅は10〜60
mmである。前記円板状部材の外径は前記胴部の外径よ
りも大きく、150〜250mmである。
【0037】そして、このリールには、例えば石英系ガ
ラスからなる外径約125μmの分散補償光ファイバの
表面に保護のための紫外線硬化型樹脂からなる被覆層が
設けられた外径200〜250μmの光ファイバ素線
が、1〜25km程度巻き回されている。そして、この
リールは例えば230×250×40mmの直方体状の
筐体内に収められている。このリールは、石英ガラス、
インバー合金などの、分散補償光ファイバの材料と近い
熱膨張係数を備えた材料から構成されていると好ましい
が、アルミニウム製のものなどを用いることもできる。
【0038】また、前記筐体は鉄、アルミニウムなどの
金属などから形成されていると、強度の観点から好まし
い。この筐体には、2カ所、引き出し用の光ファイバの
両端部を引き出すための直径2〜3mm度の孔が設けら
れており、これらの孔からそれぞれ引き出された光ファ
イバの端部に、この筐体の外部に配置されるシングルモ
ード光ファイバが接続されることによって、このモジュ
ールは光通信システムに組み込まれる。なお、モジュー
ルの構造としては、筐体側面に外部のシングルモード光
ファイバと接続するための接続部が設けられていること
もある。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。 (実施例1)VAD法、MCVD法、PCVD法等の公知
の方法を用いて、図2に示した屈折率プロファイルを有
する分散補償光ファイバを4種類作製した(NO.A〜
D)。これらの分散補償光ファイバにおいて、図2中に
示したΔ1、Δ2、Δ3、b/a、c/bは、表1に示
した値となるようにした。これらの分散補償光ファイバ
の光学特性の測定結果(使用波長1.55μm)を表1
にあわせて示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示したように、これらの分散補償光
ファイバは、本発明の特性値の範囲を満足するものであ
った。特に、これらの分散補償光ファイバの伝送損失は
0.25〜0.30dB/kmの範囲内であり、低損失で
あった。また、Aeffも20μm2以上であり、非線
形効果を抑制できるものであった。したがって、この分
散補償光ファイバを用いた光通信システムにおいては、
伝送容量を上げたり、伝送距離を延ばすために、入力す
る光信号のパワーを大きくすることが可能となることが
わかった。
【0042】また、これらの分散補償光ファイバにおい
て、使用波長1.55μmにおける波長分散+17ps
/nm/km、分散スロープ+0.056ps/nm2
/kmの1.3μm用シングルモード光ファイバの波長
分散を100%補償したときの分散スロープの補償率
は、それぞれ、94%、89%、91%、91%であっ
た。なお、このときの使用長さは、1.3μm用シング
ルモード光ファイバ80kmに対して、それぞれ、1
6.15km、16.59km、16.96km、1
7.00kmであった。また、表1に示したように、こ
れらの分散補償光ファイバは曲げ損失も小さい。これら
の分散補償光ファイバを用いて、上述の具体例と同様の
構成の小型のモジュールを構成し、挿入損失を測定した
ところ、損失の増加は、引き出し用の1.3μm用シン
グルモード光ファイバとの接続を含んで0.4〜0.6
dBと小さい範囲であり、実用に十分耐えるものであっ
た。
【0043】(比較例)VAD法、MCVD法、PCVD
法等の公知の方法により図1に示した屈折率プロファイ
ルを備えた分散補償光ファイバを2種類製造した(N
O.E、F)。これらの分散補償光ファイバにおいて、
図1に示したΔ1、Δ2、b/aは、表2に示した値と
なるようにした。これらの分散補償光ファイバの光学特
性の測定結果(使用波長1.55μm)を表2にあわせ
て示した。
【0044】
【表2】
【0045】表2に示したように、これらの分散補償光
ファイバのAeffはすべて20μm2未満であり、非
線形効果の抑制が不十分なものであった。したがって、
この分散補償光ファイバを用いた光通信システムにおい
ては、伝送容量を上げたり、入力する光信号のパワーを
強くして伝送距離を延ばすことができないことがわかっ
た。
【0046】また、これらの分散補償光ファイバにおい
て、使用波長1.55μmにおける波長分散+17ps
/nm/km、分散スロープ+0.056ps/nm2
/kmの1.3μm用シングルモード光ファイバの波長
分散を100%補償したときの分散スロープの補償率
は、それぞれ、88%、87%であった。なお、このと
きの使用長さは、1.3μm用シングルモード光ファイ
バ80kmに対して、それぞれ、16.48km、1
6.96kmであった。これらの分散補償光ファイバを
用いて、実施例と同様に小型のモジュールを構成し、挿
入損失を測定したところ、引き出し用の1.3μm用シ
ングルモード光ファイバとの接続を含んで、NO.Eの
分散補償光ファイバの損失の増加は0.4〜0.6dB
と小さい範囲であり、実用に十分耐えるものであった。
一方、NO.Fの分散補償光ファイバの損失の増加は曲
げ損失の劣化が生じたため1.0〜1.5dBと大き
く、このサイズのモジュールには不向きであることがわ
かった。
【0047】(実施例2)VAD法、MCVD法、PCV
D法等の公知の方法を用いて、図2に示した屈折率プロ
ファイルを有する分散補償光ファイバを1種類作製した
(NO.G)。これらの分散補償光ファイバにおいて、
図2中に示したΔ1、Δ2、Δ3、b/a、c/bは、
表3に示した値となるようにした。これらの分散補償光
ファイバの光学特性の測定結果(使用波長1.59μ
m)を表3にあわせて示した。
【0048】
【表3】
【0049】表3に示したように、この分散補償光ファ
イバは、本発明の特性値の範囲を満足するものであっ
た。特に、この分散補償光ファイバの伝送損失は0.2
9dB/kmであり、低損失であった。また、Aeff
も20μm2以上であり、非線形効果を抑制できるもの
であった。したがって、この分散補償光ファイバを用い
た光通信システムにおいては、伝送容量を上げたり、伝
送距離を延ばすために、入力する光信号のパワーを大き
くすることが可能となることがわかった。
【0050】また、この分散補償光ファイバにおいて、
使用波長1.59μmにおける波長分散+19ps/n
m/km、分散スロープ+0.053ps/nm2/k
mの1.3μm用シングルモード光ファイバの波長分散
を100%補償したときの分散スロープの補償率は11
3%であった。なお、このときの使用長さは、1.3μ
m用シングルモード光ファイバ80kmに対して、1
7.14kmであった。また、表3に示したように、こ
の分散補償光ファイバは曲げ損失も小さい。これらの分
散補償光ファイバを用いて、上述の具体例と同様の構成
の小型のモジュールを構成し、挿入損失を測定したとこ
ろ、引き出し用の1.3μm用シングルモード光ファイ
バとの接続を含んで、損失の増加は0.4〜0.6dB
と小さい範囲であり、実用に十分耐えるものであった。
【0051】
【発明の効果】本発明の分散補償光ファイバは、広い波
長帯域で伝送用シングルモード光ファイバの波長分散と
分散スロープの両方を補償でき、Aeffが大きく、か
つ波長分散の絶対値が大きい。その結果、非線形効果の
発生を抑制することができることによって良好な伝送特
性が得られ、また、使用長さが短いため、コストが安
く、かつ小型のモジュールに加工することができる。さ
らに、このように使用長さが短く、かつ曲げ損失が小さ
いため、特に小型のモジュールとして用いるのに適して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 いわゆるW型の屈折率プロファイルを示した
説明図である。
【図2】 本発明の分散補償光ファイバに用いるいわゆ
るセグメント付きW型の屈折率プロファイルの説明図で
ある。
【図3】 図1に示した屈折率プロファイルにおいて、
使用波長1.55μmにおいて、Δ1を1.8%、Δ2
を−0.4%に固定し、bとb/aの値を変化させたと
きの分散スロープと波長分散の関係を示したグラフであ
る。
【符号の説明】
11…コア、12…クラッド、13…中心コア部、14
…中間コア部、15…リングコア部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 姫野 邦治 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H050 AB04Y AB05X AB10X AB10Y AC14 AC15 AC16 AC28 AC73 AC74 AC75 AC76 AC81 AD00 5K002 CA01 DA02 FA02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)〜(4)の条件を満足する
    ことを特徴とする分散補償光ファイバ。 (1)コアとその外周上に設けられたクラッドからな
    り、 該コアが、前記クラッドより高い屈折率を有する中心コ
    ア部と、 該中心コア部の外周上に設けられ、かつ前記クラッドよ
    り低い屈折率を有する中間コア部と、 該中間コア部の外周上に設けられ、かつ前記クラッドよ
    りも高い屈折率を有するリングコア部とを備えている。 (2)前記中心コア部、前記中間コア部、および前記リ
    ングコア部において、半径と、前記クラッドに対する比
    屈折率差を、それぞれ(a、Δ1)、(b、Δ2)、
    (c、Δ3)としたとき、 cが6〜9μm、 Δ1が1.2〜1.7%、 Δ2が−0.25〜−0.45%、 Δ3が0.2〜1.1%、 b/aが2.5〜4.0、 c/bが1.1〜2.0 の範囲にある。 (3)1.53μm〜1.63μmから選択された使用
    波長帯における有効コア断面積が20μm2以上、 前記使用波長帯における曲げ損失が20dB/m以下、 前記使用波長帯における波長分散が−70〜−100p
    s/nm/kmの範囲に有り、 かつ前記使用波長帯において、実質的にシングルモード
    伝搬可能なカットオフ波長を有する。 (4)前記使用波長帯よりも短波長の零分散波長を有す
    るシングルモード光ファイバの波長分散を零に補償でき
    る長さで、該シングルモード光ファイバを補償したとき
    の分散スロープの補償率が80〜120%である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分散補償光ファイバに
    おいて、 前記クラッドが純粋石英ガラスの屈折率の値以下の屈折
    率を有することを特徴とする分散補償光ファイバ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の分散補償光ファイバに
    おいて、 クラッドがフッ素添加石英ガラスからなり、 該フッ素の添加量が、前記クラッドの純粋石英ガラス基
    準の比屈折率が−0.1〜−0.4%となる様に調整さ
    れていることを特徴とする分散補償光ファイバ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、 前記aが1.5〜3.0μmであることを特徴とする分
    散補償光ファイバ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、前記使用波長帯における有
    効コア断面積が22μm2以上であることを特徴とする
    分散補償光ファイバ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、前記使用波長帯における曲
    げ損失が10dB/m以下であることを特徴とする分散
    補償光ファイバ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、前記使用波長帯における波
    長分散が−75〜−95ps/nm/kmであることを
    特徴とする分散補償光ファイバ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、前記使用波長帯における分
    散スロープが負の値であることを特徴とする分散補償光
    ファイバ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、前記使用波長帯における分
    散スロープが−0.18〜−0.39ps/nm2/k
    mであることを特徴とする分散補償光ファイバ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    分散補償光ファイバにおいて、前記使用波長帯における
    分散スロープが−0.23〜−0.32ps/nm2
    kmであることを特徴とする分散補償光ファイバ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項に記載
    の分散補償光ファイバにおいて、前記使用波長帯よりも
    短波長の零分散波長を有するシングルモード光ファイバ
    の波長分散を零に補償できる長さで、該シングルモード
    光ファイバを補償したとき、 前記分散補償光ファイバの長さと、前記シングルモード
    光ファイバの長さの比率が1:3〜1:7であることを
    特徴とする分散補償光ファイバ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の分散補償光ファイバにおいて、 前記シングルモード光ファイバが、前記使用波長におい
    て、正の波長分散を備え、かつ該使用波長帯において、
    正の分散スロープを備えていることを特徴とする分散補
    償光ファイバ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか一項に記載
    の分散補償光ファイバにおいて、前記シングルモード光
    ファイバが1.3μm用シングルモード光ファイバであ
    ることを特徴とする分散補償光ファイバ。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか一項に記載
    の分散補償光ファイバを用いたことを特徴とする分散補
    償光ファイバモジュール。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の分散補償光ファイ
    バモジュールにおいて、リールに巻き回された分散補償
    光ファイバが筐体内に収められていることを特徴とする
    分散補償光ファイバ。
  16. 【請求項16】 請求項1〜12のいずれか一項に記載
    の分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバによっ
    て波長分散と分散スロープが補償されるシングルモード
    光ファイバとを組み合わせたことを特徴とする複合伝送
    路。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の複合伝送路におい
    て、前記分散補償光ファイバの長さと、前記シングルモ
    ード光ファイバの長さの比率が1:3〜1:7であるこ
    とを特徴とする複合伝送路。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の複合伝
    送路において、 前記シングルモード光ファイバが、前記使用波長におい
    て、正の波長分散を備え、かつ該使用波長帯において、
    正の分散スロープを備えていることを特徴とする複合伝
    送路。
  19. 【請求項19】 請求項16〜18のいずれか一項に記
    載の複合伝送路において、前記シングルモード光ファイ
    バが1.3μm用シングルモード光ファイバであること
    を特徴とする複合伝送路。
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