JP2002220602A - 球状金属粉末とその製造方法 - Google Patents

球状金属粉末とその製造方法

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JP2002220602A
JP2002220602A JP2001019772A JP2001019772A JP2002220602A JP 2002220602 A JP2002220602 A JP 2002220602A JP 2001019772 A JP2001019772 A JP 2001019772A JP 2001019772 A JP2001019772 A JP 2001019772A JP 2002220602 A JP2002220602 A JP 2002220602A
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spherical
spherical metal
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metal powder
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Chihiro Kawai
千尋 河合
Shinji Inasawa
信二 稲澤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 これまでよりも、真球度ならびに粒度
分布の優れた微小球状金属粉末とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 多数の微小電極部11を、その先端面
11aが絶縁基体12の表面に露出されるように配置し
ためっき金型1を使用して、各微小電極部11を陰極と
する電気めっきにより、各先端面11aに選択的に金属
を析出させてその形状に対応した平面形状を有する微小
な金属薄膜30を形成し、真空、不活性ガスあるいはシ
リコーンオイル中で、その金属の融点以上の温度に加熱
することにより、該金属薄膜を溶融して球状化し、球状
金属粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒度ならびに真球
度が揃った微小な球状金属粉末とその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報通信機器の高性能化、小型化
に伴い、基板実装分野においてさらなる高密度実装すな
わち多ピン化、狭ピッチ化の要求が高まってきている。
中でも、ハンダボールを用いて形成されるBGA(Ball
Grid Array)は、搭載する半導体とそれを実装する配
線基板との接続点をいっそう高密度にできるので大いに
注目されている半導体パッケージである。
【0003】半導体パッケージのいっそうの高密度実装
が進むにつれて、狭ピッチ化の要求を満足するために、
このBGAハンダボールの粒径は、0.75mmのレベ
ルから0.1mmさらには0.03mm程度まで微細化
されようとしている。また、各ボールの粒度分布はでき
るだけ均一であり、個々のボールの真球度はできるだけ
真球に近いものが要求されている。
【0004】ハンダボールのような球状金属粉末の製造
方法は、例えば、特開平2−145710号公報に示さ
れる遠心分離法や特開平2−290907号公報に示さ
れる回転ディスク法などの技術が考案されている。しか
し、これらの技術を用いて、例えば、粒径が45μm以
下の微細な球状金属粉末を作製しようとすると実際には
困難であり、作製できたとしても金属粉末の粒度分布は
広いものしか得られない。また、概して微細な金属粉末
の表面にサテライトと呼ばれる超微粒子が付着しやす
く、そのために個々の球状金属粉末の真球度が悪いの
で、実用には耐えないものしか得られない。
【0005】このような問題点を解決するために、例え
ば、特開平6−264116号公報に示されるように、
溶融金属を回転体に滴下し、遠心力により飛散させて微
細な球状金属粉末を作製する方法や、特許第26740
53号公報のように、溶融金属をノズルを通して液滴と
して滴下し、表面張力を利用して微細な球状金属粉末を
得る方法などが考案されているが、前記課題を解決する
には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題を解決した粒度分布が小さく、かつ個々の粒子の真
球度が高い微細な球状金属粉末とこれを製造する方法を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、多数の
微小電極部を、その所定の形状に形成された先端面が、
絶縁基体の表面に露出されるように配置しためっき金型
を使用して、各微小電極部を陰極とする電気めっきによ
り、上記各先端面に選択的に金属を析出させて、当該先
端面の形状に対応した平面形状を有する多数の金属薄膜
を形成した後、真空、不活性ガスあるいはシリコーンオ
イル中で、これらの金属薄膜を該金属薄膜の融点以上に
加熱することにより該金属薄膜を溶融して球状化せしめ
た後、冷却して回収するという球状金属粉末の製造方法
である。
【0008】本発明の第2は、前記金属薄膜を溶融して
球状化した後、回収せずに金型上に保持したまま、新た
に該第1の金属よりも融点の低い第2の金属をめっき
し、該第2の金属の融点以上でかつ該第1の金属の融点
未満の温度に加熱して、第2の金属のみを溶融させ、第
2の金属を第1の金属の外殻に形成して、第1の金属の
中心部と第2の金属の外殻部とから成る複合球状金属粉
末を製造する方法である。
【0009】本発明の金属粉末の製造方法によれば、上
記めっき金型を使用した電気めっきを行うことで、当該
めっき金型の微小電極部の、絶縁基体の表面に露出した
先端面に対応する所定の平面形状と、電気めっきによる
金属薄膜の厚みに対応する所定の厚みとを有する金属薄
膜がまず形成され、これを真空、不活性ガスあるいはシ
リコーンオイル中で金属薄膜の融点以上に加熱して溶融
することにより、該融体の表面張力によって融体は球状
化し、粒度及び真球度の高い微細な球状金属粉末が得ら
れる。
【0010】尚、上記めっき金型としては、微小電極部
の先端面に形成される金属薄膜が球状化する際のし易さ
を考慮して、上記先端面を、絶縁基体の表面に、当該表
面と同一面となるように露出させたものや、微小電極部
とその周囲の絶縁基体との間に隙間の無いもの、あるい
は上記先端面に金属球を剥離しやすくする層を形成した
ものを用いるのが好ましい。
【0011】また、前記絶縁基体は、セラミックスを用
いるのが好ましい。さらに、電気めっきにより形成する
金属は、2種以上の異種金属を積層させてもよい。2種
以上の異種金属を積層させた場合は、該2種以上の金属
が合金化した時の合金の融点以上に加熱する。また、前
記不活性ガスには、微量の酸素、窒素又は炭化水素が含
まれてもよい。
【0012】本発明により得られる球状金属は、平均直
径が10μm以上であって、個々の金属球の真球度(最
小直径Ds、最大直径DlとしてR=Dl/Dsを真球
度とする)が、1.00〜1.04である。また、同時
に作製した粉末の最大平均直径と最小平均直径の比が
1.00〜1.15である。
【0013】さらに、球状金属の組成が、中心部と外殻
部とで、異なるような球状金属とすることもできる。ま
た、球状金属の外殻部の組成が、球状金属の中心部を構
成する金属成分の少なくとも1種以上の酸化物、窒化物
または炭化物であるとすることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の球状金属粉末の
製造方法を、実施の形態の一例を示す図面を参照して説
明する。この製造方法では、まず図1(a)及び図2
(a)に示すように、多数の微小電極部11を、その周
囲の絶縁基体12との間に隙間ができないように、また
所定の形状に形成された先端面11aが、絶縁基体12
の表面12aと同一面となるよう露出させるべく配置し
ためっき金型1を用意する。
【0015】各微小電極部11はそれぞれ上記先端面1
1aの形状に対応した円柱状に形成されており、それが
絶縁基体12の表面12aから、当該絶縁基体12を貫
通して、その裏面側に積層された電極基体10に達する
ようには位置されている。そして、電極基体10を電気
めっき用の電源のうち陰極21と接続することで、各微
小電極部11が、この電極基体10を介して陰極21と
電気的に接続されて、電気めっきの際の陰極として機能
するように、電極基体10と微小電極部11とが一体化
されている。
【0016】このようなめっき金型は、例えば、フォト
リソグラフ法を用いて、(1)少なくとも、電極基体1
0の厚みに微小電極部11の高さを加えた分の厚みを有
する金属板をエッチングして、図に示した電極基体10
と、多数の微小電極部11とを一体に形成した後、各微
小電極部11の空隙に樹脂等の絶縁材料を層状に隙間な
く充填し、その表面12aと微小電極部11の先端面1
1aとが同一面になるように研磨して絶縁基体12を形
成する。(2)絶縁基体12をエッチングして、多数の
微小電極部11の外形に対応する多数の通孔を形成し、
次いで電気めっき法等によって絶縁基体12の裏面側に
電極基体10を形成するとともに、通孔を金属で隙間な
く充填して多数の微小電極部11を形成した後、当該微
小電極部11の先端面11aと絶縁基体12の表面12
aとを同一面となるように研磨する。(3)絶縁基体1
2の裏面側に電極基体10が積層された積層体を用意
し、この積層体のうち絶縁基体12をエッチングして多
数の微小電極部11の外形に対応する電極基体10に達
する多数の通孔を形成し、次いで電気めっき法等により
通孔を金属で隙間なく充填して多数の微小電極部11を
形成した後、当該微小電極部11の先端面11aと絶縁
基体12の表面12aとを同一面になるように研磨す
る。等の、プリント配線基板を製造する際の技術を応用
した種々の方法によって製造することができる。
【0017】そしてこのいずれの方法においても、微小
電極部11の先端面11aの形状を、フォトリソグラフ
法によって極めて高精度に規定することができるため、
最初に形成される金属薄膜の面積を極めて高精度に制御
できる。このような電極にめっきを行う際、めっきの厚
みの制御は比較的容易である。したがって、形成される
めっき層の体積を高精度に制御することが可能である。
その結果、このようにして形成した金属薄膜を溶融して
表面張力を利用して球状化した金属粉末の体積は高精度
になるので、粒径が極めて揃った球状金属粉末を製造す
ることが可能となる。
【0018】上記めっき金型1のうち電極基体10およ
び微小電極部11は、種々の金属によって形成できる
が、特に微小電極部11は、その先端面11aに電気め
っきする金属の種類およびめっき液の組成などに応じ
て、形成された球状金属を剥離しやすく、かつ先端面1
1aがめっき液によって冒されないように、安定ででき
ればめっきする金属よりイオン化傾向の小さい金属によ
って形成するのが好ましい。
【0019】絶縁基体12は、樹脂やセラミックス等種
々の絶縁材料によって形成することができるが、めっき
液に冒されない材料であることはもちろんであるが、金
属薄膜を溶融する温度での耐熱性が必要である。すなわ
ち、めっきする金属の種類に応じて絶縁基体の材料を選
択する必要がある。例えば、ハンダ材であるSn−0.
7at%Cu−8.6at%Ni(融点227℃)の場
合であれば、絶縁基体としてはフッ素樹脂等の高耐熱性
樹脂を用いることができる。一方、導電性ペースト用に
用いられるAgやCuといった高融点金属であれば、絶
縁基体として前記樹脂は使用できない。この場合は、酸
化アルミニウムや窒化アルミニウムあるいは窒化珪素等
のセラミックスを用いる必要がある。セラミックスを絶
縁基体とするためには、例えば、前記したように少なく
とも電極基体10の厚みに微小電極部11の高さを加え
た分の厚みを有する金属板をフォトリソグラフ法により
エッチングして、電極基体10と多数の微小電極部11
とを一体に形成した後、各微小電極部11間の空隙にセ
ラミックスを微小電極部の表面11aの高さまでコーテ
ィングして、隙間なくセラミックスで充填し、セラミッ
クスの表面12aを微小電極部11の表面11aと同一
の面になるように研磨して絶縁基体12を形成するなど
の方法で形成できる。セラミックスのコーティングは、
一般的に用いられているCVD法やPVD法が利用でき
るが、電極基体10の耐熱温度以下の低い温度でコーテ
ィングすることが必要であるので、たとえばCVD法で
あればプラズマCVD法が好ましい。
【0020】形成した金属薄膜をその金属の融点以上に
加熱すると、金属薄膜は球状となる。これは、金属が溶
解するとその表面張力によって球状化する性質を利用し
ている。加熱する時の雰囲気は真空でもよいが、不活性
ガスまたはシリコーンオイル中が好ましい。これは、微
小電極部材と濡れ性の高い金属の場合、真空で溶融させ
ると融体が球状化せずに微小電極部の表面に広がってし
まうことがあるからである。したがって、真空で行う場
合は、微小電極部材とめっきする金属との濡れ性が極端
に悪い場合に限られる。
【0021】濡れ性が通常の場合は、ガスを導入して金
属が溶融する際の表面張力の発現を補助する必要があ
る。ガス種としては、Ar、Heなどの不活性ガス、ま
たは、これらのガスを主成分とし、酸素が微量含まれて
もよい。例えば、Agの薄膜をめっきで形成し、これを
融点(960℃)以上に加熱して球状化する場合、ガス
種としてN2またはArに微量の酸素を加えておくと、
Agが溶融して球状化する際、球の表面にAgOが極薄
く形成されるので、金属基体との剥離性が向上する等の
利点がある。酸素の量は、後述する金属球表面に酸化物
を形成する場合を除いて、1.0vol%以下が好まし
い。ハンダ材等のように表面に酸化物が形成されると使
用時に所定の温度で溶融しなくなる場合には、酸素の量
は0.1vol%未満が好ましい。また、ガス中での処
理の替わりにシリコーンオイル中で金属の融点以上に加
熱しても良い。この場合は、シリコーンオイルの耐熱性
の問題から、加熱温度は300〜400℃程度が上限と
なる。したがって、この温度以下の融点である金属ある
いは合金の場合に限られる。
【0022】作製した球状金属粉末の真球度(最小直径
Ds、最大直径DlとしてR=Dl/Dsを真球度とす
る)には、金属薄膜が球状化するときの表面張力が最も
大きく影響を与える。基本的に、溶融温度が低いほど表
面張力が大きくなるので、球状化した時の真球度は良く
なるが、融点(Tm)直上の温度では、かえって真球度
は悪くなる。これは、融点直上の温度では、液相−固相
の遷移状態にあるので、溶融体が安定して存在しにくい
ためであると考えられる。好ましい温度(T)は、融点
より20℃以上の温度(T>Tm+20)である。ただ
し、Alなどのように表面が酸化しやすい金属の場合
は、溶融体表面にAl23の膜が形成されており、これ
はかなりの高温でも安定に存在するので加熱温度は高け
れば高いほど真球度はよくなる。本発明で得られる微細
球状金属粉末の真球度Rは1.0〜1.04の範囲に制
御できる。
【0023】作製した球状金属粉末の粒度分布は、微小
電極部の面積とめっき厚さの精度によって決まる。微小
電極部表面を円形にした場合、円の半径をr、めっき厚
さをLとすると、作製される金属薄膜の体積vは、v=
πr2Lである。金属薄膜が球体化した時の半径をR、
体積をVとすると、V=(4/3)πR3である。v=
Vであるから、R=(3/4)(1/3)(2/3)(1/3)
なる。このように、生成する球体の半径は、r(2/3)
(1/3)に比例して変化する。
【0024】本発明では、多数の微小電極部の表面を円
形にした場合、個々の円の半径の最大値と最小値の比
は、1.0〜1.2の範囲に制御できる。また、めっき
の厚みの最大値と最小値の比は、1.0〜1.4の範囲
に制御できる。したがって、微小球状金属粉末個々の平
均半径の最大値と最小値は、1.0〜1.15の範囲で
制御できる。例えば、最大半径が100μmの場合、最
小半径は87μm以上となる。また、最大半径が30μ
mの場合は、最小半径は26μm以上となり、極めて粒
径の揃った微細球状金属粉末を得ることができる。
【0025】また、球状金属を剥離しやすくする方法と
して、微小電極部の表面に不働態膜を形成してもよい。
不働態膜は、微小電極部の表面を化学的あるいは電気的
に処理するなどして形成できる。
【0026】さらに、上記方法により、各種組成の合金
の球状金属粉末を得ることができる。例えば、ハンダ材
料としては、AuSn、AuSi、AuGeやPbフリ
ー化に対応するPbフリーハンダとして、Sn/3Ag
/Cu、An/Ag/Bi、Sn/Cu/Ni系等、さ
らには粉末冶金に用いられるCu合金などがある。これ
らの合金組成の球状金属粉末を作製するためには、該合
金組成の金属をめっきするか、あるいは合金を構成する
各金属を層状にめっきしてもよい。例えば、Sn/Cu
/Ni合金の球状金属粉末を作製する場合は、最初にS
n、次いでCu、最後にNiをめっきして層状にした金
属薄膜を形成し、該Sn/Cu/Ni合金の融点以上に
加熱すればよい。加熱により、各成分は均一に混ざり合
い、均一組成の球状合金粉末が作製できる。
【0027】また、1つの金属球において、その中心部
と外殻部の組成が異なる複合球状金属粉末も作製するこ
とができる。例えば、図3(a)に示すように、第1の
金属を上記方法で球状化した後、金型から回収せず、金
型上に保持したまま図3(b)に示すように、第1の金
属より融点の低い第2の金属をめっきする。その後、第
2の金属の融点以上、第1の金属の融点未満の温度に加
熱する。このようにすれば、第2の金属のみが溶融し、
その表面張力により第2の金属が第1の金属の表面に外
殻を形成する。このようにすれば、中心部と外殻部と
で、組成の異なる複合球状金属粉末を作製することがで
きる。
【0028】また、金属球の表面が、セラミック化した
複合球状金属粉末も作製することができる。例えば、C
uを上記方法でめっきし、加熱して球状化させた後、引
き続いて雰囲気ガス中の酸素の濃度を上げると、Cu球
の表面部は、酸化銅(CuOまたはCu2O)になる。
酸化物の厚さは、酸素濃度や反応時間で制御することが
できる。同じように、雰囲気ガス中に窒素を入れると表
面は、窒化物となる。また、雰囲気ガス中に炭化水素を
入れると表面は、炭化物とすることができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 <めっき金型>前述したフォトリソグラフ法を用いた製
造方法のうち(1)の方法により、図1,2に示すよう
に多数の円柱状の微小突起部11を、絶縁基体12の裏
面側の電極基体10から突出させて、その周囲の絶縁基
体12との間に隙間ができないように、またその円形の
先端面11aが、絶縁基体12の表面12aと同一面に
なるように露出させるべく配置しためっき金型1を作製
した。絶縁基体は、フッ素樹脂とし、電極基体と微小電
極は、SUS310とした。
【0030】図2(a)に示す各寸法のうち、先端面1
1aの直径Dは25μm、隣接する先端面間の最短距離
Iは30μm、互いに隣接する3つの先端面11aの中
心を通る2つの中心線のなす角度θは60°とした。
【0031】<めっき>上記金型を用いて、一般的な電
気めっき装置により、Sn、Cu、Niの順に一層ずつ
めっき層を形成した。Snめっきは、ホウフッ化スズ
(Sn(BF42)200g/L、フッ化水素酸(HB
4)100g/L、ゼラチン6g/L、β―ナフトー
ル1g/Lを含むめっき液を用意し、温度40℃、陰極
電流密度3A/dm2でめっきした。
【0032】Cuのめっきは、硫酸銅200g/L、硫
酸60g/L、チオ尿素0.04g/Lを含むめっき液
を用意し、室温、陰極電流密度2A/dm2でめっきし
た。
【0033】Niのめっきは、硫酸ニッケル水和物24
0g/L、塩化ニッケル6水和物45g/L、ホウ酸4
0g/Lを含むめっき液を用意し、温度60℃、陰極電
流密度5A/dm2でめっきした。各金属のめっき厚さ
は、めっき層全体の組成がSn−0.7at%Cu−
8.6at%Ni(融点227℃)の組成になるよう時
間を制御して調整した。表1に示すめっき厚は、Sn、
Cu、Ni合計のめっき厚さである。
【0034】<溶融球状化>めっきした金型をめっき槽
から取り出し、熱処理炉に設置後、表1に示すガス種の
1気圧(101kPa)の雰囲気中で、各温度条件で5
分間加熱後、自然冷却し、粉末を回収した。
【0035】
【表1】 *は比較例
【0036】<評価>得られた粉末から任意に100個
の粉末について、走査型電子顕微鏡を用いて、その直径
分布を測定した。その結果を表2に示す。また、任意に
採取した20個については、真球度を測定し、最も真球
度の悪い値を真球度として表3に示す。比較としてガス
アトマイズ法で作製した同じ組成の粉末についても同様
の評価を行った。
【0037】
【表2】 *は比較例
【0038】
【表3】 *は比較例
【0039】表2より、本発明の粉末は、最大半径と最
小半径の比が1.0〜1.15の範囲にあり粒度分布が
良いことが判る。また、表3より、本発明の粉末は、真
球度が1.00〜1.04の範囲にあり、真球度も優れ
ていることが判る。
【0040】実施例2 <めっき金型>前述したフォトリソグラフ法を用いた製
造方法のうち(1)の方法により、図1,2に示すよう
に多数の円柱状の微小突起部11を、絶縁基体12の裏
面側の電極基体10から突出させて、その周囲の絶縁基
体12との間に隙間ができないように、またその円形の
先端面11aが、絶縁基体12の表面12aと同一面に
なるように露出させるべく配置しためっき金型1を作製
した。絶縁基体は、プラズマCVD法によりAl23
コーティングして作製した。電極基体と微小電極は、S
US310とした。
【0041】図2(a)に示す各寸法のうち、先端面1
1aの直径Dは10μm、隣接する先端面間の最短距離
Iは15μm、互いに隣接する3つの先端面11aの中
心を通る2つの中心線のなす角度θは60°とした。
【0042】<めっき>上記金型を用いて、一般的な電
気めっき装置により、Agをめっきした。Agのめっき
は、シアン化銀5mg/L、シアン化カリウム60g/
L、炭酸カリウム15g/Lを含むめっき液を用意し、
液のPHを3に調整した状態で、窒素ガスをバブリング
しながら室温で、陰極電流密度1.5A/dm2で行っ
た。めっきしたAgの厚みを表4に示す。
【0043】<溶融球状化>めっきした金型をめっき槽
から取り出し、熱処理炉に設置後、表4に示すガス種1
気圧(101kPa)の雰囲気中で、990℃で5分間
加熱後、自然冷却し、粉末を回収した。尚、例えば0.
1O2−N2とは、0.1vol%の酸素を含有させた窒
素の意味である。
【0044】
【表4】 *は比較例
【0045】<評価>得られた粉末から任意に100個
の粉末について、走査型電子顕微鏡を用いて、その直径
分布を測定した。その結果を表5に示す。また、任意に
採取した20個については、真球度を測定し、最も真球
度の悪い値を真球度として表6に示す。比較としてガス
アトマイズ法で作製した同じ組成の粉末についても同様
の評価を行った。
【0046】
【表5】 *は比較例
【0047】
【表6】 *は比較例
【0048】表5より、本発明の粉末は、最大半径と最
小半径の比が1.0〜1.15の範囲にあり粒度分布が
良いことが判る。また、表6より、本発明の粉末は、真
球度が1.00〜1.04の範囲にあり、真球度も優れ
ていることが判る。さらに、表6より、雰囲気ガスに酸
素を1vol%以下含有させると真球度が向上すること
が判る。
【0049】
【発明の効果】本発明は、一般的なめっき技術とフォト
リソグラフ法を基礎にしているので、低コストで真球度
が極めて良く、粒度分布も極めて狭い球状金属あるいは
金属とセラミックスの球状複合粉末を製造することがで
きる。このため、電子部品の実装用ハンダ材料や、導電
性ペースト中の分散剤など多くの分野の用途に用いるこ
とができる。
【0050】本発明の球状金属を携帯電話やコンピュー
タ内部で使用されるLSIのハンダ接合用のバンプに用
いると、効果を発揮する。すなわち、LSIのフリップ
チップ実装において、従来のハンダバンプは、粒度分布
が広く真球度もよくないので、多すぎると電極間のリー
クが発生したり、少なすぎると断線が発生する等の不良
が生じていたが、本発明のハンダバンプを用いることに
より、そのような不良を低減することができる。また、
半導体レーザー素子(LD素子)とマイクロベンチの接
合に用いれば、ハンダ量の調節が厳密にできるので、セ
ルフアライメントが容易になりLD素子と光ファイバー
間の位置ズレをなくすことができる。GaAs、In
P、Si/SiGeなどの高周波素子のバンプは特に小
さいので、本発明のハンダバンプを用いれば良好なフリ
ップチップ実装が可能となり、この時のバンプ接合部
は、40Gbps以上の高周波領域において、反射損失
の少ない高周波接合となる。
【0051】さらに、粒度が極めて揃っているので、粉
末冶金プロセスにおける原料粉末として用いれば、その
成形性や焼結性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属粉末の製造方法の、実施の形態の
一例を示す図であり、同図(a)は、金属粉末製造に使
用するめっき金型の断面図、同図(b)は、前記めっき
金型の微小電極部の先端面に、電気めっきによって微小
な金属薄膜を形成した状態を示す断面図、同図(c)
は、前記金属薄膜を溶融して球状化させた状態を示す断
面図である。
【図2】同図(a)は、前記めっき金型における、微小
電極部の先端面の平面形状と、絶縁基体表面での配置と
を示す拡大平面図、同図(b)は、前記めっき金型の一
部を切り欠いて拡大した拡大斜視図である。
【図3】本発明の金属粉末の製造方法の、別な実施の形
態の一例を示す図であり、同図(a)は、前記めっき金
型の微小電極部の先端面に電気めっきにより、微小な金
属薄膜を形成した後、球状化した状態を示す断面図、同
図(b)は、前記球状化させた金属球の上にさらに電気
めっきにより、第2の金属薄膜を形成した状態を示す断
面図、同図(c)は、前記第2の金属薄膜を溶融して球
状化させた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 めっき金型 11 微小電極部 11a 先端面 12 絶縁基体 30 金属薄膜 31 球状金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 BA01 BA02 BA20 BB03 BB04 BC06 BC22 BC28 BD10 4K024 AA21 AA22 AA23 AB19 BB09 BB28 BC10 CB06 DB02 DB10 GA16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の微小電極部を、その所定の形状に
    形成された先端面が、絶縁基体の表面に露出されるよう
    に配置しためっき金型を使用して、各微小電極部を陰極
    とする電気めっきにより、上記各先端面に選択的に金属
    を析出させて、当該先端面の形状に対応した平面形状を
    有する多数の金属薄膜を形成した後、真空、不活性ガス
    あるいはシリコーンオイル中で、これらの金属薄膜を該
    金属薄膜の融点以上に加熱することにより該金属薄膜を
    溶融して球状化させた後、冷却して回収することを特徴
    とする球状金属粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 多数の微小電極部を、その所定の形状に
    形成された先端面が、絶縁基体の表面に露出されるよう
    に配置しためっき金型を使用して、各微小電極部を陰極
    とする電気めっきにより、上記各先端面に選択的に第1
    の金属を析出させて、当該先端面の形状に対応した平面
    形状を有する多数の第1の金属薄膜を形成した後、真
    空、不活性ガスあるいはシリコーンオイル中で、これら
    の第1の金属薄膜を該金属薄膜の融点以上に加熱するこ
    とにより該金属薄膜を溶融して球状化させた後、回収せ
    ずに金型上に保持したまま、新たに該第1の金属よりも
    融点の低い第2の金属をめっきし、該第2の金属の融点
    以上でかつ該第1の金属の融点未満の温度に加熱して、
    第2の金属のみを溶融させ、第2の金属を第1の金属の
    外殻に形成して、第1の金属の中心部と第2の金属の外
    殻部とから成る複合球状金属粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 微小電極部の先端面を、絶縁基体の表面
    に、当該表面と同一面になるように露出させためっき金
    型を用いることを特徴とする請求項1、2記載の球状金
    属粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁基体として、セラミックスを用いる
    ことを特徴とする請求項1、2記載の球状金属粉末の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 2種類以上の異種金属を積層させてめっ
    きすることを特徴とする請求項1記載の球状金属粉末の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 不活性ガス中に微量の酸素、窒素または
    炭化水素が含まれることを特徴とする請求項1、2記載
    の球状金属粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 平均直径が10μm以上の球状金属粉末
    であって、個々の金属球の真球度(最小直径Ds、最大
    直径DlとしてR=Dl/Dsを真球度とする)が、
    1.00〜1.04である球状金属粉末。
  8. 【請求項8】 同時に作製した粉末の最大平均直径と最
    小平均直径の比が1.00〜1.15である請求項7記
    載の球状金属粉末。
  9. 【請求項9】 球状金属の組成が、中心部と外殻部と
    で、異なることを特徴とする請求項7記載の球状金属粉
    末。
  10. 【請求項10】 球状金属の外殻部の組成が、球状金属
    の中心部を構成する金属成分の少なくとも1種以上の酸
    化物、窒化物または炭化物であることを特徴とする請求
    項7記載の球状金属粉末。
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