JP2002217342A - 相変化型放熱部材及びその製造方法、用途 - Google Patents

相変化型放熱部材及びその製造方法、用途

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JP2002217342A
JP2002217342A JP2001007412A JP2001007412A JP2002217342A JP 2002217342 A JP2002217342 A JP 2002217342A JP 2001007412 A JP2001007412 A JP 2001007412A JP 2001007412 A JP2001007412 A JP 2001007412A JP 2002217342 A JP2002217342 A JP 2002217342A
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JP2001007412A
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Taku Kawasaki
卓 川崎
Masahide Kaneko
政秀 金子
Masato Kawano
正人 川野
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Denki Kagaku Kogyo KK
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  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発熱性電子部品と放熱フィンの間に位置ずれを
起こすことなく装着でき、加熱により流動化する放熱部
材を提供する。この放熱部材の組み込まれた放熱フィン
一体型発熱性電子部品の構造体を提供する。 【解決手段】加温によって相変化する放熱部材におい
て、その少なくとも一方の面に、粘着部を点在させてな
ることを特徴とする相変化型放熱部材とその製造方法。
相変化型放熱部材の組み込まれた放熱フィン一体型発熱
性電子部品の構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化型放熱部材
及びその製造方法、用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、発熱性電子部品は高密度化によ
り、放熱部材の高熱伝導化の要求が益々高まっている。
また、携帯用パソコンをはじめ電子機器は小型化、薄型
化、軽量化が進み、従って、これら電子機器に用いられ
る放熱部材も高熱伝導性のものが要求されている。
【0003】従来、放熱部材の熱伝導率を向上させる方
法としては、高熱伝導性フィラーを含有する放熱グリー
スや、シリコーンゴムなどの柔軟、且つ復元力のあるマ
トリックスに熱伝導性の高い粒子を分散させたものが主
流となっている。
【0004】しかしながら、放熱グリースは塗布工程で
の作業性の悪さ、周辺部位の汚れなどの問題から敬遠さ
れる傾向にある。また、熱伝導率の高い粒子を分散させ
た柔軟性部材では使用時の厚みが比較的厚くなるため、
発熱性電子部品と放熱フィンの間に装着した場合、放熱
部材自身の熱伝導性が高くとも、実装を踏まえた伝熱指
標である熱抵抗を極端に下げることは難しかった。
【0005】すなわち、放熱部材自身の熱伝導率を上
げ、しかも放熱部材が発熱性電子部品と放熱フィンのそ
れぞれの接合面に微視的に追随して密着することで熱接
触抵抗を低減させるとともに、使用時の部材厚みがを極
力薄くなるすることが理想的である。
【0006】一方、高熱伝導性フィラーとしては窒化ア
ルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、アルミナ、炭化
ケイ素、黒鉛、ダイヤモンド、金属あるいはこれらの混
合物などがあるが、とりわけ窒化アルミニウムが適して
おり、これを用いた放熱部材は数多く提案されている
(特開平2−133450号公報、特開平3−1487
3号公報、特開平4−174910号公報、特開平6−
164174号公報、特開平6−209057号公報な
ど)。しかしながら、前述のように放熱部材にこれら高
熱伝導性フィラーを分散させたとしても、放熱部材自身
の熱伝導率の向上は期待できるものの、熱抵抗を飛躍的
に低減せしめることは難しかった。
【0007】他方、特開平10−67910号公報で
は、メチルシロキサンホストと単一末端に不飽和結合を
有する線状炭化水素のポリオルガノシロキサングラフト
重合体からなる熱的に安定なワックスと、アルミナ、窒
化ほう素、黒鉛、炭化けい素、ダイヤモンド、金属粉末
あるいはそれらの混合物からなる群から選択された熱伝
導性粒状固体粘度安定化剤からなる界面材が開示されて
いるが、このようなポリオルガノシロキサングラフト重
合体は高価であるとともに、比較的溶融粘度が高くなる
ため、所意の流動性を発現させるためには高熱伝導性フ
ィラーの充填量も極めて限られていた。
【0008】また、特開平06−13508号公報で
は、加熱時に粘性流を示す熱伝導性半流体物質が充填さ
れた金属メッシュを含むことを特徴とする熱インターフ
ェースが開示されており、それらの熱伝導率は2.3〜
2.7W/mKであることが記載されている。しかし、
補強材が金属メッシュであり導電性を有するため、その
用途が限られると同時に、接合面が複雑な形状であると
きにはその形状に追随したものとすることは困難であ
る。
【0009】さらには、特許第3032505号公報で
は、熱伝導フィラーが分散され、外部からの加熱により
相変化を生じ、電子部品に当接して電子部品と放熱板と
を連接することができる相変化部材が開示されている。
加熱により容易に相変化を生じることで、電子部品に当
接させることはできるが、相変化部材をヒートシンクに
固定させる際に接着剤を用いて貼り付けねばならず、接
着剤を塗布する手間を要する上に、相変化部材実装後に
接着剤が熱抵抗層となって発熱性電子部品からの放熱を
阻害する懸念がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みて
なされたものであり、その目的は加温によって相変化す
る放熱部材において、その少なくとも一方の面に、粘着
性を付与することを特徴とする、発熱性電子部品と放熱
フィンとの間への実装作業において位置決めや位置の修
正が容易にできるようにして作業性を向上させた、相変
化型放熱部材を提供することである。
【0011】また、網目状絶縁体と一体化しても、高熱
伝導率の著しい低下を伴わず、格段に扱いやすくなり、
切断等により所望の形状に加工することが可能な放熱部
材及び、これを用いた放熱フィン一体型発熱性部品の構
造体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の通りである。 (請求項1)加温によって相変化する放熱部材におい
て、その少なくとも一方の面に、粘着部を点在させてな
ることを特徴とする相変化型放熱部材。 (請求項2)加温によって相変化する放熱部材が、ワッ
クス及び/又はパラフィンと高熱伝導性フィラーを含有
してなることを特徴とする請求項1記載の相変化型放熱
部材。 (請求項3)熱可塑性樹脂を更に含有してなることを特
徴とする請求項2記載の相変化型放熱部材。 (請求項4)網目状絶縁体で補強されてなることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の相変化型放熱部
材。 (請求項5)粘着部の平面形状が、円形、長短径比2以
下の楕円形もしくはこれらに類似する形状であって、隣
接する粘着部同士の中心間距離が粘着部の平均円相当径
の3倍〜10倍であり、しかも粘着部の形成率が粘着部
形成面の面積の0.8〜20%であることを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載の相変化型放熱部材。 (請求項6)請求項1〜5のいずれかに記載の放熱部材
を用いて発熱性電子部品と放熱フィンが接着されてなる
ことを特徴とする放熱フィン一体型発熱性電子部品の構
造体。 (請求項7)加温によって相変化する放熱部材を用意
し、その少なくとも粘着部を形成させる面に孔を点在さ
せたフィルムを配置し、そのフィルム上面から粘着剤を
塗布した後、フィルムを取り除き、孔部に対応する粘着
部を形成させることを特徴とする相変化型放熱部材の製
造方法。 (請求項8)加温によって相変化する放熱部材が、ワッ
クス及び/又はパラフィンと高熱伝導性フィラーとを含
有してなることを特徴とする請求項7記載の相変化型放
熱部材の製造方法。 (請求項9)熱可塑性樹脂を更に含有してなることを特
徴とする請求項8記載の相変化型放熱部材の製造方法。 (請求項10)網目状絶縁体で補強されてなることを特
徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の相変化型放熱
部材の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明する。本発明の大きな特徴は、室温においては固体
であるが加温によって相変化する、すなわち所要の温度
で流動性が良好になる高熱伝導性組成物を得て、その組
成物の厚みを薄化した成形体の少なくとも一方の面に粘
着部を点在させることによって、発熱性電子部品と放熱
フィンとの間への実装作業において、位置決めや位置の
修正が容易にできる放熱部材が得られることであり、さ
らにはこの成形体を網目状絶縁体で補強することによっ
て、取り扱い性に優れ、加工性の良好な放熱部材が得ら
れることである。
【0014】本発明の相変化型放熱部材を構成する、所
要の温度で流動性が良好になる高熱伝導性組成物の例と
して、高熱伝導性フィラーをマトリックスに充填してな
る組成物を挙げることができる。マトリックスとして
は、室温においては固体であり、加熱により低粘度の液
体となる樹脂等が用いられるが、とりわけ融点を40〜
100℃の範囲に有するワックス及び/又はパラフィン
が優れている。
【0015】ワックス及び/又はパラフィンをマトリッ
クスとした放熱部材を用いて、発熱性電子部品と放熱フ
ィンを加熱・加圧して接合させると、流動性が良好であ
るので、それぞれの接合面に微視的に追随して密着し、
隙間を十分に埋めることによって熱接触抵抗を低減さ
せ、発生した熱を放熱フィン方向に円滑に伝達すること
ができる。また、両者を極力近接させることが可能とな
り、放熱効率が向上する。
【0016】本発明に使用されるワックス又はパラフィ
ンの融点が40℃未満であれば、成形体として用いた時
に、夏場などの高温期に組成物が液状化してしまい形状
が保持できなくなる懸念があり、融点が100℃を超え
ると加熱溶融させて発熱性電子部品に接着する際に、電
子部品を高温にしてしまうことになるので好ましくな
い。
【0017】ワックスの種類としては、マイクロクリス
タリンワックス、モンタン酸ワックス、モンタン酸エス
テルワックス等を挙げることができるが、融点が上記の
条件を満たすものであれば、これらに限定されるもので
はない。パラフィンとしてはパラフィンワックスが挙げ
られ、流動パラフィンに対して室温で固体のパラフィン
を特にパラフィンワックスと称する。これらの具体例と
しては日本精蝋社製の「パラフィンワックス・シリー
ズ」、「マイクロクリスタリンワックス Hi−Mic
・シリーズ」などを例示することができる。また、これ
らのワックス及びパラフィンは単独でも2種類以上を混
合して使用してもよい。
【0018】本発明で使用される40〜100℃で軟化
する熱可塑性樹脂は、ワックス又はパラフィンに混合し
成形体としたときに、クリープ性、脆さの改善効果を示
すものである。たとえば、エチレン系樹脂、プロピレン
系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができるが、上記
効果を示すものであれば、これらに限定されるものでは
ない。ワックス又はパラフィンを融点以上の温度で加熱
溶融させて混合する際に、均一に混合されるものが好ま
しい。これらの具体例としては三井化学社製の「ハイワ
ックス110P」、「ハイワックスNP055」、「タ
フマーP−0180」、三井・デュポンポリケミカル社
製「エバフレックス150」などを例示することができ
る。
【0019】上記熱可塑性樹脂はワックス又はパラフィ
ンよりも比較的熱伝導率が高いので、放熱部材の放熱特
性を向上させる一端を担う作用も期待できる。上記熱可
塑性樹脂は、ワックス及び/又はパラフィンに対して4
0体積%以下で混合することができる。40体積%を超
えて混合すると、放熱部材として加熱・加圧したとき
に、流動性が不良となり、発熱性電子部品と放熱フィン
の接合面への密着性が不良となり、従って両者の隙間を
十分に埋めることが困難となる。また、密着性を上げる
ためには加圧を大きくする必要があり、電子部品の信頼
性のためには好ましくない。
【0020】本発明に用いられる高熱伝導性フィラー
は、例えば窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ
素、アルミナ、炭化ケイ素、黒鉛、ダイヤモンド、金属
あるいはこれらの混合物などであるが、特に窒化アルミ
ニウムが適している。窒化アルミニウムフィラーは、例
えば原料の窒化アルミニウム粉末に酸化イットリウム等
の焼結助剤を0.5〜10%程度添加して成形後、窒
素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下、温度1600〜2
000℃程度で焼結された窒化アルミニウム焼結体を粉
砕して得ることができる。
【0021】高熱伝導性フィラーは、その粒子径が大き
いものほど熱伝導パスが生じて伝熱しやすくなるので好
ましい。しかし、あまりにも粒子径が大きくなると、粒
子表面の凸凹が大きくなり、伝熱抵抗となる空気層が形
成されやすくなり、更には近接した発熱性電子部品と放
熱フィンに接触してしまい、それらの近接を妨げる懸念
があるので、平均粒径が10〜50μmの粉末であるこ
とが好ましい。
【0022】高熱伝導性フィラーの含有量は、全組成物
に対して、45〜55体積%であることが好ましく、特
に47〜50体積%であることが好ましい。45体積%
未満では所要の熱伝導性が得られにくく、55体積%超
ではマトリックスの溶融温度における流動性が悪くな
る。
【0023】本発明においては、上記高熱伝導性フィラ
ーは、平均粒径が10μm以下の良熱伝導性微粉末と併
用されることが好ましい。何故ならば、平均粒径が10
〜50μmの粉末のみでは、その平均粒径が比較的大きい
ことから充填密度が限られ、熱伝導性の向上に限界があ
るが、良熱伝導性微粉末を併用することで充填密度が上
げられ、熱伝導性改善効果が期待できるからである。
【0024】良熱伝導性微粉末としては、窒化アルミニ
ウム、窒化けい素、窒化ほう素、炭化けい素、アルミ
ナ、酸化亜鉛などの非導電性の微粉末が挙げられる。中
でも、窒化アルミニウムおよびアルミナが好ましいが、
平均粒径が10μm以下のものであれば、これらに限定
されるものではない。良熱伝導性微粉末は1種又は2種
以上を混合して用いられる。
【0025】平均粒径が10〜50μmの高熱伝導性フ
ィラーと平均粒径が10μm以下の良熱伝導性微粉末か
らなる混合粉末の合計の含有率は、全組成物に対して7
5体積%以下であることが好ましく、特に50〜70体
積%であることが好ましい。75体積%を越えるとマト
リックスの溶融温度における流動性が悪くなる。
【0026】高熱伝導性フィラーと良熱伝導性微粉末か
らなる上記混合粉末のマトリックスへの濡れ性を改善
し、分散性を高める目的で、両者を混合する前にそれら
粉末の表面改質処理を行なっておくこともできる。表面
処理としては、一般的な界面活性剤やカップリング剤を
混合することで行なうことができる。表面処理により、
粉末表面に薄い皮膜層が形成され、マトリックスに対す
る濡れ性が向上する。とりわけ、平均粒径が10μm以
下の良熱伝導性微粉末として窒化アルミニウム微粉末を
用いる場合は、耐水性が著しく向上する。
【0027】本発明においては、上記材料の他に熱伝導
率及び流動性に影響のない範囲であれば、必要に応じて
炭化水素系合成油、α−オレフィンのオリゴマーなどの
軟化剤、ハロゲン系、リン酸エステル系などの難燃剤、
シラン系、チタネート系カップリング剤などの粉体表面
改質剤、ビスフェノール系、ヒンダード・フェノール系
などの耐酸化剤、ピリジン系、トリアジン系などの抗菌
剤、べんがら、アルミン酸コバルトなどの着色剤等を含
有させることもできる。
【0028】本発明の放熱部材は、室温においては固体
であり、加熱により低粘度の液体となるワックス及び/
又はパラフィン等のマトリックス材料、熱伝導性フィラ
ー、熱可塑性樹脂及び良熱伝導性微粉末を、マトリック
ス材料の融点以上の温度でブレンダーやミキサー等を用
いて混合し、所望形状に成形後、その成形体の少なくと
も一方の面に粘着部を点在させることによって製造する
ことができる。
【0029】本発明の放熱部材においては、粘着部を点
在ではなく面状に形成させると、放熱部材実装時に粘着
部が熱抵抗層となり放熱特性が低下してしまう。放熱特
性を低下させないためには、点在させる粘着部の平面形
状は、円形、長短径比2以下の楕円形もしくはこれらに
類似する形状であって、隣接する粘着部同士の中心間距
離が粘着部の平均円相当径の3倍〜10倍であり、しか
も粘着部の形成率が粘着部形成面の面積の0.8〜20
%であることが特に好ましい。
【0030】隣接する粘着部同士の中心間距離が粘着部
の平均円相当径の3倍未満の場合、粘着部の形成率が全
面積の20%を超える場合、あるいは隣接する粘着部同
士の中心間距離が粘着部の平均円相当径の3倍〜10倍
でありしかも粘着部の形成率が粘着部形成面の面積の
0.8〜20%であっても、点在させる粘着部の平面形
状が長短径比2を超える楕円形もしくはこれらに類似す
る形状である場合は、放熱部材実装時に粘着部が熱抵抗
層となり放熱特性が低下する恐れがある。一方、隣接す
る粘着部同士の中心間距離が粘着部の平均円相当径の1
0倍超あるいは粘着部の形成率が粘着部形成面の面積の
0.8%未満の場合は、粘着力が不充分なため放熱部材
実装時にが位置ずれが生じやすくなる。
【0031】粘着部の形成方法は、成形体の少なくとも
粘着部を形成させる面に孔を点在させたフィルムを配置
し、そのフィルム上面から粘着剤を塗布した後、フィル
ムを取り除く方法であることが好ましい。これによって
フィルムの孔部に対応して粘着部を容易に点在させるこ
とができる。粘着剤としては、アクリルゴムなどの合成
ゴム系接着剤などが用いられる。具体的には、住友スリ
ーエム社製「スプレーのり55」を例示することができ
る。
【0032】本発明の放熱部材は網目状絶縁体で補強さ
れていることが好ましい。網目状絶縁体としては、ガラ
スクロス、ポリエステルクロスなどを挙げることができ
る。具体例としては、鐘紡社製「テキストグラス スク
リムクロス KSシリーズ」、NBC工業社製「MON
OFILAMENT POLYESTER TNo.6
0、タイプ55」等を例示することができる。
【0033】網目状構造としては、繊維状素材を織って
形成されたものを例示することができる。また、本発明
における網目状絶縁体は、厚みの薄いものほど良く、厚
みが150μm以下のものが好ましく、特に120μm以
下のものが好ましい。さらには、目開きは大きいものほ
ど開口率が大となって好ましいが、大きすぎると細部の
補強効果が失われる。これらのことを勘案すると、目開
きは200〜1000μmが望ましく、さらに好ましく
は350〜800μmである。
【0034】本発明の放熱部材が補強材と一体化された
構造である場合の製造方法としては、例えば、ワックス
及び/又はパラフィン等のマトリックス材料、熱可塑樹
脂、高熱伝導性フィラー等からなる混合物をマトリック
ス材料の融点以上の温度に保持したまま、金型への注型
法、押出法あるいはドクターブレード法により成形した
後、成形体の任意の位置に網目状絶縁体を配置して、プ
レスする方法を挙げることができる。
【0035】本発明の放熱部材は用途に応じた形状に成
形することができるが、量産性、実装性を勘案するとシ
ートであることが好適である。さらに、網目状絶縁体と
一体化されたものであっても、裁断等の加工が容易であ
る。例えば、通常の打ち抜き刃で容易に連続して切断す
ることができる。なお、用途によってはブロック形状の
ものを実装することも可能である。
【0036】本発明の放熱部材の熱伝導率は2.0W/
mK以上であることが望ましい。より好ましくは2.5
W/mK以上である。
【0037】本発明の放熱部材は、例えば発熱性電子部
品と放熱フィンの間に装着させて用いられる。このと
き、少なくとも一方の面に粘着部を点在させてあるの
で、実使用時における放熱特性を低下させることなく放
熱部材の位置決めや位置の修正が容易にできるようにな
り、作業性が著しく向上する。放熱部材を装着した後、
加熱しながら加圧することによって放熱部材が両者の隙
間に溶け広がり、発熱性電子部品と放熱フィンのそれぞ
れの接合面に微視的に追随して密着すると同時に、発熱
性電子部品と放熱フィンを極力近接せしめた状態で接合
することができる。
【0038】このときの加熱条件は用いるマトリックス
材料の融点以上で、なおかつ上記熱可塑性樹脂の軟化温
度以上であれば良く、加圧条件は高圧になるほど厚みを
薄くすることができて好ましいが、電子部品を損傷させ
ないためには0.05〜1.0MPaの範囲であること
が好ましい。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例をあげて更に本発明
を説明する。
【0040】実施例1 日本精蝋社製「パラフィンワックス115(融点47
℃)」と、高熱伝導性フィラーとして窒化アルミニウム
焼結体を粉砕して得た平均粒径45μmの粉末、及び良
熱伝導性微粉末としてトクヤマ社製窒化アルミニウム粉
末「Hグレード(平均粒子径1.6μm)」を表1に示
す割合で85℃で混合し、スラリー状物を得た。このス
ラリー状物を85℃に保ったまま真空脱泡し、金型内に
離型剤処理したPETフィルムをセットしたものに注ぎ
込み、室温下でシート状にプレス成形した。プレス後、
PETフィルムごと試料を取り出し、PETフィルムか
ら室温硬化した成形物を剥がし、厚さ0.32mmのシ
ート状相変化部材を得た。
【0041】このシート状相変化部材の片面を表1に示
す所定形状の孔を開けたPETフィルムで覆い、その上
方から、粘着剤として住友スリーエム社製「スプレーの
り55」を、約20〜50μmの厚さになるように噴霧
した後、PETフィルムを取り除くことによって孔に対
応した形状を有する粘着部を点在させ、放熱部材を製造
した。
【0042】実施例2 日本精蝋社製「パラフィンワックス115」を85℃に
加熱溶融した中に、熱可塑性樹脂としてエチレン−酢酸
ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル社製「エバ
フレックス150」)を表1に示す割合で加熱混合した
こと、粘着部の平面形状を長方形としたこと、シート厚
みを0.18mmとしたこと以外は、実施例1に準じて
放熱部材を製造した。
【0043】実施例3 実施例2と同様にしてスラリー状物を得、これを85℃
に保ったまま真空脱泡し、金型内に離型剤処理したPE
Tフィルムをセットしたものに注ぎ込み、その上にポリ
エステル製網目状体(NBC工業社製「MONOFIL
AMENT POLYESTER TNo.60、タイ
プ55」、目開き370μm、厚さ90μm)をのせ、
室温下でシート状にプレス成形したこと、粘着部の平面
形状を正方形としたこと以外は、実施例2に準じて放熱
部材を製造した。
【0044】実施例4〜5 高熱伝導性フィラーとして球状アルミナ粉末又は窒化ホ
ウ素粉末、良熱伝導性微粉末としてアルミナ粉末又は酸
化亜鉛粉末を用い、実施例3に準じて放熱部材を製造し
た。
【0045】比較例1 粘着部を全く点在させなかったこと以外は、実施例1と
同様にして放熱部材を製造した。
【0046】比較例2 粘着部を放熱部材の表面の全面に形成させたこと以外
は、実施例1と同様にして放熱部材を製造した。
【0047】得られた放熱部材について、以下に従い、
(1)熱抵抗、(2)熱伝導率及び(3)取り扱い性を
評価した。それらの結果を表1、表2に示す。
【0048】(1)熱抵抗 放熱部材をTO−3型銅製ヒーターケースと銅板の間に
0.35MPaの圧力がかかるようにネジ止めした後、
ヒーターケースと銅板が60℃になるまで加熱後室温ま
で冷却する。ついで、ヒーターケースに電力15Wをか
けて4分間保持したときに、銅製ヒーターケースと銅板
の温度差を測定し、(1)式により算出した。 熱抵抗(℃/W)=温度差(℃)/印加電力(W) (1)
【0049】(2)熱伝導率 (2)式により算出した。なお、ここで試料厚みは熱抵
抗測定時の厚み(試料に0.35MPaの圧力がかかる
ようにネジ止めし、ヒーターケースと銅板を60℃に加
熱した後、室温冷却した時の試料厚み)とした。また、
伝熱面積はTO−3型の伝熱面積0.0006m2とし
た。 熱伝導率(W/mK)=[試料厚み(m)]/[熱抵抗(℃/W)×伝熱面積 (m2)] (2)
【0050】(3)取扱い性 放熱部材を12×12mmの形状に打ち抜き、10mm
×10mmの発熱性電子部品の上面に、粘着部が電子部
品に接するように配置した。なお、粘着部を有さない比
較例1の放熱部材は、任意の面が電子部品に接するよう
に配置した。ついで、その上面から50×50mmで高
さが30mmの放熱フィンを被せ、板バネで固定した。
その後、板バネを外して解体し、放熱部材が発熱性電子
部品の上面から位置ずれを起こしていないかを目視にて
確認した。解体後に真上から見て、放熱部材が発熱性電
子部品の上面を完全に覆わずに端から発熱性電子部品の
上面が覗いているものを、位置ずれ有りと見なした。同
じ操作を一種類の放熱部材について100回行い、位置
ずれが生じなかった回数を計測した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】つぎに、本発明の実施例で得られた放熱部
材を、発熱性電子部品と放熱フィンの間に挟み、60℃
に加熱して、0.35MPaの圧力をかけて放熱フィン
一体型発熱性電子部品を作製した。いずれも放熱部材が
位置ずれを起こすことなく発熱性電子部品と放熱フィン
の接合面に微視的に追随して密着し、両者の隙間を充分
に埋めている構造のものであることを確認した。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、発熱性電子部品と放熱
フィンの間に位置ずれを起こすことなく装着でき、加熱
により流動化する放熱部材が提供される。
【0055】本発明によれば、優れた放熱特性を有する
放熱フィン一体型発熱性電子部品の構造体が提供され
る。
【0056】本発明の製造方法によれば、発熱性電子部
品と放熱フィンの間に位置ずれを起こすことなく装着で
き、加熱により流動化する放熱部材を容易に製造するこ
とができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加温によって相変化する放熱部材におい
    て、その少なくとも一方の面に、粘着部を点在させてな
    ることを特徴とする相変化型放熱部材。
  2. 【請求項2】 加温によって相変化する放熱部材が、ワ
    ックス及び/又はパラフィンと高熱伝導性フィラーとを
    含有してなるものであることを特徴とする請求項1記載
    の相変化型放熱部材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂を更に含有してなることを
    特徴とする請求項2記載の相変化型放熱部材。
  4. 【請求項4】 網目状絶縁体で補強されてなることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の相変化型放熱
    部材。
  5. 【請求項5】 粘着部の平面形状が、円形、長短径比2
    以下の楕円形もしくはこれらに類似する形状であって、
    隣接する粘着部同士の中心間距離が粘着部の平均円相当
    径の3倍〜10倍であり、しかも粘着部の形成率が粘着
    部形成面の面積の0.8〜20%であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の相変化型放熱部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の放熱部
    材を用いて発熱性電子部品と放熱フィンが接着されてな
    ることを特徴とする放熱フィン一体型発熱性電子部品の
    構造体。
  7. 【請求項7】 加温によって相変化する放熱部材を用意
    し、その少なくとも粘着部を形成させる面に孔を点在さ
    せたフィルムを配置し、そのフィルム上面から粘着剤を
    塗布した後、フィルムを取り除き、孔部に対応する粘着
    部を形成させることを特徴とする相変化型放熱部材の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 加温によって相変化する放熱部材が、ワ
    ックス及び/又はパラフィンと高熱伝導性フィラーとを
    含有してなることを特徴とする請求項7記載の相変化型
    放熱部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂を更に含有してなることを
    特徴とする請求項8記載の相変化型放熱部材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 網目状絶縁体で補強されてなることを
    特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の相変化型放
    熱部材の製造方法。
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