JP2002216861A - 色素増感型太陽電池及びその製法 - Google Patents

色素増感型太陽電池及びその製法

Info

Publication number
JP2002216861A
JP2002216861A JP2001006839A JP2001006839A JP2002216861A JP 2002216861 A JP2002216861 A JP 2002216861A JP 2001006839 A JP2001006839 A JP 2001006839A JP 2001006839 A JP2001006839 A JP 2001006839A JP 2002216861 A JP2002216861 A JP 2002216861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
substrate
solar cell
dye
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001006839A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Matsui
浩志 松井
Kenichi Okada
顕一 岡田
Nobuo Tanabe
信夫 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2001006839A priority Critical patent/JP2002216861A/ja
Publication of JP2002216861A publication Critical patent/JP2002216861A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルの封止劣化や破壊等によるセル内の電解
質の漏洩や揮発を抑制可能とする色素増感型太陽電池及
びその製法を提供する。 【解決手段】 色素増感半導体電極が形成された第1の
基板8と、導電膜が形成された第2の基板9との間に、
架橋ポリシロキサンからなるマトリクスが電解液で膨潤
されてなるゲル状電解質6が封入されてなる色素増感型
太陽電池、及び、色素増感半導体電極が形成された第1
の基板8と、導電膜が形成された第2の基板9とを重ね
合わせ、両基板間に少なくともヒドロシリル基を有する
ポリシロキサン誘導体の前駆体と電解液との混合物を注
入、加熱する色素増感型太陽電池の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゲル状電解質を用い
た色素増感型太陽電池及びその製法に関し、さらに詳し
くはセルの封止劣化等による電解質の漏洩や揮発を抑制
し得る色素増感型光太陽電池及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽電池などの光電気化学電池は
地球環境を配慮したクリーンなエネルギー源の一つとし
て大きな注目を集めている。しかし、シリコン系半導体
等を使用した従来の太陽電池には、製造コストが高い、
原料供給が不十分などの課題が残されており、まだ広く
普及するには至っていない。
【0003】1991年にグレッツェルらが提案した色
素増感型太陽電池は安価で高い変換効率の光電変換素子
として着目されている(例えば、Nature、35
3,p737(1991))。このような太陽電池の一
般的な構造としては、実質的に透明な基板上に形成した
二酸化チタンなどの半導体多孔質膜に増感色素を組み合
わせた半導体電極と、白金層などを基板上に形成して得
られる対極とを組合せ、両極間にヨウ素やヨウ化物イオ
ンなどの酸化・還元種を含む有機電解液を充填したもの
を挙げることができる。このような太陽電池は、両極間
に電解液を充填しているので、電解液が漏れ出ないよう
に封止するため、両極間に電解液を注入した後その周辺
部に厚く樹脂を塗布して硬化させている。
【0004】また、電解液の漏れを防止する工夫とし
て、特開2000−173680号公報には、樹脂で周
辺部を封止するとともに、ガラス、金属又はプラスチッ
クの角柱からなる封止用固形物を用いることが開示され
ている。さらに、特開平10−92477号公報や特開
平10−93118号公報には特定の有機色素を用いた
色素増感型半導体電極及びそれを含む太陽電池が開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような太
陽電池は両極間の周辺部に厚く樹脂を塗布して硬化させ
ているだけであるので両極との接着強度が弱い上に、樹
脂が電解液と接触するため電解液の溶媒が樹脂を溶か
し、長い間には電解液が両極と樹脂の界面から漏れ出し
てしまい、長期間安定に封止することは困難であった。
また、このような封止用固形物を用いたものでも、両極
間には電解液が液状のままで用いられているため、電解
液注入後の封止に不良があったり、何らかの外的応力に
よりセルが破損したり、破損までいかなくとも封止部分
にゆるみが生じたりした場合には漏液の問題が不可避で
あった。
【0006】また、電解液溶媒としてアセトニトリルな
ど比較的沸点の低い溶媒もよく用いられたり、溶質とし
て昇華性のヨウ素なども添加されることがあり、このよ
うなタイプでは、封止部の経時劣化により電解液中の揮
発性成分が揮発してセル特性が大幅に低下する問題も指
摘されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
状況に鑑み鋭意検討した結果、発電特性を著しく損じる
ことなく電解液の漏液や電解液中の揮発性成分の揮発を
抑制した太陽電池及びこのような太陽電池に適した電解
質を見出し、本発明に到達した。すなわち、第1の発明
の要旨は、色素増感半導体電極が形成された第1の基板
と、導電膜が形成された第2の基板との間に、架橋ポリ
シロキサンからなるマトリクスが電解液で膨潤されてな
るゲル状電解質が封入されてなる色素増感型太陽電池に
あり、第2の発明の要旨は、色素増感半導体電極が形成
された第1の基板と、導電膜が形成された第2の基板と
を重ね合わせ、両基板間に少なくともヒドロシリル基を
有するポリシロキサン誘導体の前駆体と電解液との混合
物を注入、加熱する色素増感型太陽電池の製法にある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる架橋ポリシロキサ
ンからなるマトリクスは、ポリシロキサン誘導体を主成
分とし、側鎖にメチル基、エチル基、プロピル基などの
アルキル基やフェニル基を有するものが例示され、側鎖
の一部がビニル基をはじめとした枝分かれ可能な官能基
で置換されて架橋したものも用いられる。また、ポリシ
ロキサンはヒドロシリル基とビニル基やアクリロイル
基、グリシジル基との反応によりこれらの重合体が付加
したものでもよい。本発明で用いるゲル状電解質は、上
記ポリシロキサンマトリクスが電解液で膨潤している。
【0009】本発明において用いられる電解液として
は、酸化・還元種を含むものであり、酸化・還元種とし
て用いられる塩類としては、例えばアニオンとして、ヨ
ウ化物イオン、臭化物イオンなどを、またカチオンとし
てリチウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオ
ン、イミダゾリウムイオンなどを用いることができる
が、これらに限定されるものではない。さらに必要に応
じてヨウ素などを添加してもよい。
【0010】電解液を構成する溶媒としては、例えば、
アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニ
トリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラ
クトンなどを用いることができるが、色素増感型太陽電
池の電解液用の溶媒として既に報告されているものを含
め、求める特性に応じて適宜選択され、これらの溶媒を
適宜組み合わせて用いることもできる。
【0011】ポリシロキサンからなるマトリクスと電解
液の量比については、マトリクスがゲル状電解質に含ま
れる電解液の1〜50wt%となるようにすることが好
ましく、2〜30wt%とするることがより好ましい。
上記範囲よりマトリクス成分が少ないと、ゲル化が不十
分となる傾向にあり、多すぎるとゲル化はするが、電解
液として十分な電荷輸送能を発揮できなくなる傾向にあ
る。
【0012】このゲル状電解質は少なくともヒドロシリ
ル基を有するポリシロキサン誘導体の前駆体(以下ゲル
プリカーサという)と電解液との混合物を加熱すること
により得られる。また、電解液以外の溶媒あるいは膨潤
溶媒を用いてゲルプリカーサをゲル化した後、この溶媒
あるいは膨潤溶媒を電解液で置換してもよい。ゲルプリ
カーサとしてはヒドロシリル基を有する分子であればど
のようなものも用いられる。また、各種のシロキサンオ
リゴマーを含んでいてもよく、グリシドキシプロピルト
リメチルシランのようにグリシジル基を有するシラン、
ビニルトリメトキシシランなどのビニル基を有するシラ
ン、(メタ)アクリロイルオキシアルキルシランのよう
な(メタ)アクリロイル基を有するシランなどを含んで
いてもよい。また、ビニル基や(メタ)アクリロイル基
を有するオルガノシランが存在する場合はこれらと共重
合可能なビニル基や(メタ)アクリロイル基を有するモ
ノマーを含んでいてもよい。
【0013】ゲル化させるゲルプリカーサとしてはゲル
プリカーサに含まれる単量体あるいは線状高分子の立体
構造や分子量は特に限定されるものではないが、電解液
混合時の粘度が100dPa・sを超えない範囲である
ことが好ましい。
【0014】次に本発明の色素増感型太陽電池を、図面
を用いて本発明を説明する。図1は本発明の実施態様の
一つである色素増感型太陽電池の概略断面図を示す。こ
の色素増感型太陽電池(以下、太陽電池と略記する。)
は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極3が一方の
面に形成された第1の基板1と、導電膜4が形成された
第2の基板5と、これらの間に封入されたゲル状電解質
を主な構成要素としている。
【0015】本発明に用いられる基板1としては、光透
過性の素材からなる板が用いられ、ガラス、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常太陽電池
の透明基板として用いられるものであればどのようなも
のも用いることができ、電解液への耐性などを考慮して
適宜選択すればよいが、用途上、できるだけ光透過性の
高い基板が好ましい。
【0016】基板1の半導体側の面には金属、炭素、導
電性金属酸化物層などからなる透明導電層2を形成して
導電性を与えておくことが好ましい。金属層や炭素層を
形成する場合には透明性を著しく損ねない構造とするこ
とが好ましく、導電性と透明性を損なわない薄膜を形成
でいるものという観点から金属の種類も適宜選択され
る。導電性金属酸化物としては、例えばITO、SnO
2 、フッ素ドープのSnO2などを用いることができ
る。
【0017】基板1上に設けられた透明導電層2の上に
半導体多孔質膜に増感色素を担持させてなる色素増感半
導体電極3が形成される。この半導体多孔質膜を形成す
る半導体としては特に限定はされず、通常、太陽電池用
の多孔質半導体を形成するに用いられるものであればど
のようなものも用いることができ、例えば、TiO2
SnO2、WO3、ZnO、Nb25などを用いることが
できる。多孔質膜を形成する方法としては、例えばゾル
ゲル法からの膜形成、微粒子の泳動電着、発泡剤による
多孔質化、ポリマービーズなどとの混合物塗布後の余剰
成分の除去などの方法を例示できるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0018】増感色素としては、ビピリジン構造、ター
ピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポル
フィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エ
オシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素など
も使用することができ、用途、使用半導体に適した励起
挙動をとるものを特に限定無く選ぶことができる。
【0019】第2の基板5としては、金属板も用いるこ
とができ、上記第1の基板で用いたと同様のものも用い
ることができる。基板5の上には導電膜4を設けた電極
が用いられ、例えばこうして得られる導電性基板9上に
炭素や白金などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗
布後に熱処理を行ったものなどを用いることができる
が、電極として用いられるものであれば特に限定される
ものではない。
【0020】第1の基板1と第2の基板5とは、間隔を
おいて対向配置されており、これらの基板の間には電解
液を含有するゲルからなるゲル状電解質6が封入されて
いる。両基板の間の周辺部にはエポキシ樹脂などからな
る封止剤7が設けられ、ゲル状電解質6中の電解液が漏
出したり、揮発性成分が揮発したりするのを防いでい
る。
【0021】本発明においてはゲル状電解質6が第1の
基板1と第2の基板5の間に設けられていて、色素増感
半導体電極3および導電膜4に接していればよく、ゲル
状電解質6が多孔質半導体膜の多孔部分にも入り込んで
いることが好ましい。また、必ずしも両基板の間全体が
ゲル状電解質でのみ充填されている必要はなく、電解液
の揮発や漏液が実質的に問題とならない程度であればゲ
ル状電解質に含まれた状態になっていない電解液が共存
していてもよい。
【0022】次に本発明の太陽電池の製法について説明
する。上述の透明基板1の一方の面に色素増感多孔質半
導体電極3が形成された第1の基板1と、導電膜4が形
成された第2の基板5とを熱可塑性樹脂フィルムなどの
スペーサーにより設けられた100μm〜3mm程度の
間隔をおいて重ねる。スペーサーは電解液注入口部分を
残してその他の周辺部をふさぐよう設置する。スペーサ
ーが熱可塑性樹脂製の場合は熱圧着で固定することもで
き、スペーサー素材が何であってもエポキシ樹脂などで
固定することもできる。
【0023】次いで電解液注入口部分から半導体電極と
導電膜4が形成された第2の基板5の間に電解液を含有
する溶液状態のゲルプリカーサを充填し、電解液注入口
部分も含め半導体電極と上記基板の間のすべての周辺部
をエポキシ樹脂などの封止剤を用いて封止する。次いで
銀ペーストなどの集電用導電性ペーストを塗布すること
により、色素増感型太陽電池セルが得られる。溶液状態
のゲルプリカーサを加熱してゲル化させるが、ゲル化の
完了は周辺部の封止前でも後でもよい。ここで、溶液状
態のゲルプリカーサとしては、すべてがゲル化前のゲル
プリカーサであってもよく、全体として溶液状態あるい
は溶液に準じた状態であって充填に支障がなければ、部
分的にゲル化が進んだ状態のものであってもよい。ま
た、ゲル状電解質を入れやすい部分のみに入れ、残った
空間にゲルプリカーサあるいは、部分的にゲル化が進ん
だゲルプリカーサを充填することもできる。
【0024】なお、ゲルプリカーサ、特に部分的にゲル
化が進んだゲルプリカーサが通常の電解液に比べて粘度
が高くなることを利用して、ゲルプリカーサ、あるいは
部分的にゲル化が進んだプレカーサーを色素増感半導体
電極3と導電膜4が形成された第2の基板5の少なくと
も一方に塗布してから両極を重ね合わせる方法を採るこ
ともでき、また、このようにして重ね合わせた後、補完
的に上述のようにゲルプリカーサを注入することもでき
る。
【0025】
【実施例】以下に、実施例、比較例を用いて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0026】(実施例1)ヒドロシリル基を有するゲル
プリカーサとして両末端にヒドロシリル基を有するポリ
ジメチルシロキサン11wt%と、両末端にビニル基を
有するポリジメチルシロキサン4wt%とからなるポリ
ジメチルシロキサン混合物を用い、これを0.1Mヨウ
化リチウム、0.3Mテトラプロピルアンモニウムのヨ
ウ素塩、0.05Mヨウ素を含むアセトニトリル溶液中
に溶解し、更に白金系触媒2wt%を添加、十分に攪拌
してゲルプリカーサを得た。これを80℃に加温してそ
の状態で5時間保持することによりゲル状電解質を得
た。
【0027】このゲル状電解質をサンプル瓶にとり、6
0℃に加温した恒温槽中に5時間放置し、放置による重
量変化を測定した。また、同様の実験を密封したサンプ
ル瓶で行い、サンプル瓶を恒温槽から取り出した後、シ
リンジを用いてサンプル瓶内上部の気相を分取し、GC
−MASにより気相に含まれるヨウ素量を測定した。
【0028】(実施例2)酸化チタン微粒子(平均粒径
25nm)を水に分散させた分散液をITO蒸着ガラス
電極上に塗布、80℃のホットプレート上にて分散媒を
乾燥させた後、450℃で30分間焼成して半導体電極
が形成された第1の基板を得た。ルテニウムピリジン錯
体を溶解したエタノール溶液中にこの基板を一昼夜浸漬
して増感色素を担持させた後、室温で乾燥して増感色素
担持半導体電極が形成された第1の基板を得た。
【0029】第2の基板としては白金をスパッタしたI
TO蒸着ガラス電極を用いた。得られた第1の基板をを
30μmのスペーサーを介して第2の基板と重ね合わせ
た。また、スペーサーには熱可塑性樹脂フィルムを用
い、ゲル状電解質注入口部分を開口させ、その他の周辺
部をふさぐようにして、熱圧着により両極を固定するこ
とにより電解液が注入されていない色素増感型太陽電池
セルを得た。
【0030】電解液が注入されていない色素増感型太陽
電池セルの電解液注入口部分から実施例1で用いたと同
様のゲルプリカーサを注入し、80℃に加温してその状
態で5時間保持してゲル化させた。この後、電解液注入
口部分を含む周辺部をエポキシレジンで封止、集電用銀
ペーストを塗布することによりゲル化色素増感型太陽電
池の実験セル1を得た。
【0031】ソーラーシュミレーターを用い、強度10
0W/m2 の光を照射した際の実験セル1の光電特性を
評価した。実験セル1では1cm2 当たり11mAの短
絡電流と610mVの開放電圧を得た。また、作製した
セルの一つを中央部で切断して放置したところ、目視で
は電解液の滲み出しは認められなかった。
【0032】(実施例3)実施例2と同様にして増感色
素担持半導体電極が形成された第1の基板を得た。ヨウ
化リチウム、テトラプロピルアンモニウムのヨウ素塩及
びヨウ素を含まない以外は実施例1と同様にして得たゲ
ルプリカーサをこの電極上に塗布し、80℃の恒温槽中
で加温することによりゲル化させてゲル被覆電極を得
た。
【0033】0.1Mヨウ化リチウム、0.3Mテトラ
プロピルアンモニウムのヨウ素塩、0.05Mヨウ素を
含むアセトニトリル溶液を調製し、この溶液中にゲル被
覆電極を一昼夜浸漬することにより、酸化・還元種含有
電解液でゲル被覆電極に含まれていた溶媒を置換した。
こうして得られたゲル被覆電極と実施例1で用いたと同
様の第2の基板とを間隔が30μmとなるようにして重
ね合わせ、周辺部をエポキシレジンで封止、集電用銀ペ
ーストを塗布することによりゲル化色素増感型太陽電池
の実験セル2を得た。
【0034】実施例2と同様にして光電特性を評価した
ところ、1cm2 当たり10mAの短絡電流と、610
mVの開放電圧であった。また、実施例2と同様に実験
セル2の一つを中央部で切断放置しても電解液の滲み出
しは目視では認められなかった。
【0035】比較例1 0.1Mヨウ化リチウム、0.3M、テトラプロピルア
ンモニウムのヨウ素塩、0.05Mヨウ素を含むアセト
ニトリル溶液を調製し、比較用の電解液とした。実施例
2と同様にして、電解液が注入されていない色素増感型
太陽電池セルを得、その電解液注入口部分から比較用電
解液を充填した。次いで実施例2と同様にして電解液注
入部を含む周辺部の封止、集電用銀ペーストの塗布を行
って比較用セルを得た。
【0036】実施例1と同様にして、比較用の電解液の
放置による重量変化と、気相に含まれるヨウ素量を測定
した。重量減少量(主にアセとニトリルの揮発量)、気
層中のヨウ素濃度ともゲル状電解質の場合、比較用電解
液と比較して1/10以下であった。また、実施例2と
同様にして、比較用セルの光電特性を評価した。比較用
セルでは1cm2 当たり13mAの短絡電流と620m
Vの開放電圧を得た。また、比較用セルの一つを中央部
で切断して放置したところ、すぐ電解液の滲み出しが目
視で確認された。
【0037】以上から、セル内の電解液をゲル状電解質
にしても電解液をそのまま用いた場合と比較して遜色の
ない光電特性が得られ、ゲル状電解質にすることにより
揮発性の高いアセトニトリルや、昇華性のヨウ素の昇華
量を大幅に抑制することができ、しかもセルが破壊され
た場合でも電解液の漏液を抑制できることが確認され
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の太陽電池は、電解液をそのまま
用いる代わりにゲル状電解質を用いているため、従来の
電解液を用いたセルと同等の光電特性を維持しながら、
セルの破壊や封止の劣化などが生じた場合においても電
解液の漏液を抑制でき、電解液単独で用いた場合に比べ
溶媒や昇華性添加物の揮発を大幅に抑制できるという効
果を有する。また、本発明の太陽電池の製法は、溶液状
のゲルプリカーサを用いているため、容易にゲル状電解
質を充填することができ、しかも電解質の充填から封止
剤による封止の工程における溶媒の漏れや揮発成分の揮
発が抑制されるためより良好な作業環境とすることがで
きるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施態様の一つである色素増感型太
陽電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・第1の基板 2・・・透明導電膜 3・・・色素増感半導体電極 4・・・導電膜 5・・・第2の基板 6・・・ゲル状電解質 7・・・封止剤 8・・・色素増感半導体電極が形成された第1の基板 9・・・導電性基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 信夫 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 5F051 AA14 FA03 FA04 GA03 5H032 AA06 AS16 CC17 EE16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素増感半導体電極が形成された第1の
    基板と、導電膜が形成された第2の基板との間に、架橋
    ポリシロキサンからなるマトリクスが電解液で膨潤され
    てなるゲル状電解質が封入されてなる色素増感型太陽電
    池。
  2. 【請求項2】 色素増感半導体電極が形成された第1の
    基板と、導電膜が形成された第2の基板とを重ね合わ
    せ、両基板間に少なくともヒドロシリル基を有するポリ
    シロキサン誘導体の前駆体と電解液との混合物を注入、
    加熱する色素増感型太陽電池の製法。
JP2001006839A 2001-01-15 2001-01-15 色素増感型太陽電池及びその製法 Withdrawn JP2002216861A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001006839A JP2002216861A (ja) 2001-01-15 2001-01-15 色素増感型太陽電池及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001006839A JP2002216861A (ja) 2001-01-15 2001-01-15 色素増感型太陽電池及びその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002216861A true JP2002216861A (ja) 2002-08-02

Family

ID=18874668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001006839A Withdrawn JP2002216861A (ja) 2001-01-15 2001-01-15 色素増感型太陽電池及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002216861A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004021503A1 (ja) * 2002-08-30 2004-03-11 Three Bond Co., Ltd. 色素増感型太陽電池用封止剤組成物
JP2006032308A (ja) * 2003-09-29 2006-02-02 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 色素増感型太陽電池スペーサー
KR100624765B1 (ko) 2004-06-25 2006-09-20 한국전기연구원 광감응형 태양전지와 p-n 접합 실리콘계 태양전지의복합구조를 갖는 태양전지 및 그 제조방법
CN100409459C (zh) * 2002-10-03 2008-08-06 株式会社藤仓 光电变换元件以及染料敏化太阳电池
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
WO2014129575A1 (ja) 2013-02-22 2014-08-28 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光電変換素子の製造方法および色素増感太陽電池

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004021503A1 (ja) * 2002-08-30 2004-03-11 Three Bond Co., Ltd. 色素増感型太陽電池用封止剤組成物
CN100409459C (zh) * 2002-10-03 2008-08-06 株式会社藤仓 光电变换元件以及染料敏化太阳电池
JP2006032308A (ja) * 2003-09-29 2006-02-02 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 色素増感型太陽電池スペーサー
KR100624765B1 (ko) 2004-06-25 2006-09-20 한국전기연구원 광감응형 태양전지와 p-n 접합 실리콘계 태양전지의복합구조를 갖는 태양전지 및 그 제조방법
WO2010050575A1 (ja) 2008-10-29 2010-05-06 富士フイルム株式会社 色素、これを用いた光電変換素子、光電気化学電池、および色素の製造方法
EP2845882A2 (en) 2008-10-29 2015-03-11 Fujifilm Corporation Dye, Photoelectric Conversion Element and Photoelectrochemical Cell
EP2302650A2 (en) 2009-09-28 2011-03-30 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
EP2306479A2 (en) 2009-09-28 2011-04-06 Fujifilm Corporation Method of producing photoelectric conversion element, photoelectric conversion element, and photoelectrochemical cell
WO2014129575A1 (ja) 2013-02-22 2014-08-28 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光電変換素子の製造方法および色素増感太陽電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4119267B2 (ja) 光増感型太陽電池
Kubo et al. Quasi-solid-state dye-sensitized TiO2 solar cells: effective charge transport in mesoporous space filled with gel electrolytes containing iodide and iodine
JP5008034B2 (ja) 光電変換素子及びその製造方法
JP4177172B2 (ja) 色素増感型太陽電池
EP1981047B1 (en) Photoelectric conversion device
JP2007066526A (ja) 半導体電極,色素増感太陽電池およびその製造方法
JP2004152613A (ja) 色素増感型太陽電池
AU2004303035B2 (en) Electrolyte composition and photoelectric converter using same
JP2002216861A (ja) 色素増感型太陽電池及びその製法
KR20090062774A (ko) 자외선 경화형 우레탄아크릴레이트를 포함하는 염료감응태양전지용 겔형 고분자 전해질, 이를 포함하는 염료감응태양전지 및 염료감응 태양전지의 제조방법
KR101388598B1 (ko) 다공성 고분자 박막으로 도포된 금속산화물 반도체전극 및 이를 이용한 염료감응 태양전지의 제조 방법
JP4493921B2 (ja) 色素増感型太陽電池
JP2007149652A (ja) 光電気化学電池
JP2004111277A (ja) 色素増感型太陽電池
JP2002289268A (ja) 光増感型太陽電池
JP2010177031A (ja) 色素増感型太陽電池およびその製法
JP4091463B2 (ja) 光増感型太陽電池
JP4116825B2 (ja) 色素増感型太陽電池
JP2005268107A (ja) 色素増感型太陽電池とその製造方法
JP5160051B2 (ja) 光電変換素子
JP2004253333A (ja) 色素増感型太陽電池
JP2004319197A (ja) 光電変換素子およびその製造方法
KR20100041486A (ko) 세라믹 나노필러를 포함하는 염료감응 태양전지용 겔형 고분자 전해질, 이를 포함하는 염료감응 태양전지 및 염료감응 태양전지의 제조방법
KR100990970B1 (ko) 산란층을 포함하는 염료감응 태양전지용 겔형 고분자 전해질, 이를 포함하는 염료감응 태양전지 및 염료감응 태양전지의 제조방법
JP4885511B2 (ja) 色素増感型太陽電池素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080401