JP2002216390A - 光記録媒体、再生ヘッド及び再生装置 - Google Patents

光記録媒体、再生ヘッド及び再生装置

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JP2002216390A
JP2002216390A JP2001357625A JP2001357625A JP2002216390A JP 2002216390 A JP2002216390 A JP 2002216390A JP 2001357625 A JP2001357625 A JP 2001357625A JP 2001357625 A JP2001357625 A JP 2001357625A JP 2002216390 A JP2002216390 A JP 2002216390A
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laser beam
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JP2001357625A
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English (en)
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Morihisa Tomiyama
盛央 富山
Toshinori Kishi
俊法 貴志
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度かつ片面読み取りを行う2層式光ディ
スクにおいて、それぞれの信号面を再生したときの再生
信号の品質を等しくすること。 【解決手段】 第1信号層2,42と半透明膜4,44
と中間層6,46と反射膜10,50と第2信号層8,
48とを順次形成し、第1信号層2,42の半透明膜側
と第2信号層8,48の反射膜側にそれぞれ信号ピット
を有する片面読み取り型2層式光ディスクを作製した。
この片面読み取り型2層式光ディスクに対し、再生ヘッ
ドHからの読み出しレーザー光を第1信号層側より略垂
直に入射させたとき、読み出しレーザー光が最も絞られ
る焦点位置FPが中間層内に設定されるように、第1信
号層2,42の厚み、再生ヘッドHの開口NAあるいは
レーザー光の波長を適宜選定し、第1及び第2信号層
2,42,8,48の各信号ピットを再生した時のジッ
タを略均等化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度かつ片面読
み取りを実現するための2層式光ディスクの構造、及
び、この光ディスクを読み取り再生する再生ヘッドの焦
点位置の設計に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタルビデオディスク(DV
D)の規格の一つとして、片側から2つの信号面を再生
できる2層式光ディスクが、将来の大容量メディアとし
て有望視されている。
【0003】以下に、従来の片面読み取り型2層式光デ
ィスクの構造について述べる。 (a)第1層(読み出しレーザー光入射側)として、信
号層(信号面は第2層側) (b)第2層として、半透明膜 (c)第3層として、2つの信号層を分離するための中
間層 (d)第4層として、反射膜 (e)第5層として、第4層側に信号ピットが形成され
た信号層
【0004】このような片面読み取り型2層式光ディス
クを再生する場合、光ディスクの第1層側に配置された
再生ヘッドを用いて、再生ヘッドからの読み出しレーザ
ー光を光ディスクに集束させて入射させ、例えばその読
み出しレーザー光が最も絞られる焦点位置に第1層の信
号面を設けたり、あるいは、第1層の信号面でレーザー
光が最も絞られるように再生ヘッドの焦点位置を設計し
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、再生ヘッドからの読み出しレーザー
光の最も絞られる焦点位置が第1層(読み取りレーザー
光入射側信号層)の信号面にあるため、もう一方の信号
層である第5層の信号面に読み出しレーザー光の最も絞
られる焦点位置を移行すると、中間層の厚み(光路長が
長くなる)による収差を発生し、第1層再生時と比較し
てレーザー光の絞りが大きくなる。その結果、第1層の
信号再生時より第5層の信号再生時の方が前後左右の信
号ピットも再生してしまい、再生信号のジッタ(信号読
み取りばらつき率)が悪くなる。
【0006】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、読み出しレーザー光
の最も絞られる位置を二つの信号層の中間位置とするこ
とにより、再生信号のジッタを均等化できる高密度の光
記録媒体、再生ヘッド及び再生装置を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、特定の仕
様基材厚みで最適な焦点を結ぶ再生ヘッドを用いて再生
される光記録媒体であって、第1信号層と半透明膜と中
間層と反射膜と第2信号層とが順次形成され、前記第1
信号層の前記半透明膜側に信号面が形成されるととも
に、前記第2信号層の前記反射膜側に信号面が形成され
た光記録媒体において、再生ヘッドからの読み出しレー
ザー光を前記第1信号層側より略垂直に入射させたと
き、読み出しレーザー光が最も絞られる焦点位置が前記
中間層内に設定されるように前記第1信号層の厚みを調
整することを特徴とする光記録媒体であって、前記焦点
位置を前記中間層の光軸方向における略中央と前記反射
膜との間に設定し、前記第1信号層および第2信号層の
各信号面を読み取る際の戻り光強度を、(前記半透明膜
からの戻り光強度)>(前記反射膜からの戻り光強度)
となるようにしたことを特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、特定の仕
様基材厚みで最適な焦点を結ぶ前記再生ヘッドにおける
レーザー光の波長が略650nm以下、対物レンズの開
口数が略0.6以上であることを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1あるいは2に記載の光記録媒体を再生する再生ヘッド
である。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、レーザー
光の波長が略650nm以下、対物レンズの開口数が略
0.6以上であることを特徴とする。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、基材厚み
が略0.6mmで最適な焦点を結ぶことを特徴とする。
【0012】さらに、請求項6に記載の発明は、請求項
1あるいは2に記載の光記録媒体を再生する再生ヘッド
を用いて信号を読み出す再生装置である。
【0013】また、請求項7に記載の発明は、レーザー
光の波長が略650nm以下、対物レンズの開口数が略
0.6以上であることを特徴とする。
【0014】また、請求項8に記載の発明は、基材厚み
が略0.6mmで最適な焦点を結ぶことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 実施形態1 実施形態1として、信号層の基板材料としてポリカーボ
ネート、半透明膜としてAu、中間層の材料としてUV
硬化樹脂、反射膜としてAl、再生系のレーザー波長と
して略650nm、再生ヘッドの対物レンズの開口NA
として略0.6のものを用いた場合を例として説明す
る。
【0016】図1は、本発明にかかる片面読み取り型2
層ディスクの断面図を示している。図1において、2は
読みだしレーザー光に対してほぼ透明で(ほぼ透過
し)、屈折率が1.45〜1.65程度の読み出しレーザ
ー光入射側の第1信号層で、樹脂圧縮成形等により片面
にスパイラル状に信号ピットが形成されている厚さ0.
56〜0.58mm程度の円板からなる。4は第1信号
層2の信号面側にスパッタリング等の方法で膜付けさ
れ、第1信号層2からレーザー光を入射させた場合その
入射光量に対して20〜40%程度の反射率をもつ半透
明膜で、入射されたレーザー光を一部反射、残りを透過
する性質があり、誘電体膜等の光吸収率の低い材料を用
いることでも実現可能である。6は読み出しレーザー光
に対してほぼ透明で(ほぼ透過し)、屈折率が1.35
〜1.75程度の中間層で、再生ヘッドからの読み出し
レーザー光が最も絞られるように設計された焦点位置F
Pから、ディスク面に対して略垂直に置かれた読み出し
レーザー光の光軸OA方向にそれぞれ20〜30μm程
度ずつの厚みを持っている。8は中間層6側に信号ピッ
トが形成され、第1信号層2と同様の構造の第2信号層
で、片面にスパイラル状に信号ピットが形成されている
円板からなる。10は第2信号層8にスパッタリング等
の方法で膜付けされた反射率70%以上の反射膜であ
り、RAはディスクが回転するときの回転中心軸であ
る。なお、上記反射率は分光光度計を用いて測定した値
であり、以下に記載する反射率についても、同様に分光
光度計を用いて測定した値である。
【0017】上記構成の片面読み取り型2層式光ディス
クに対して、まず読み出しレーザー光入射側の第1信号
面を再生する場合、再生ヘッドのレンズに入射した読み
取りレーザー光が回転中心軸RAを中心に線速一定で回
転しているディスクの信号面上で最も絞り込めるように
再生ヘッドのフォーカス制御を行い、続いて信号列を追
従するためにトラッキング制御を行い、信号面からの反
射光を受光ディテクタで検出し、アナログ信号として読
み出す。また、もう一方の信号面である読み出しレーザ
ー光入射奥側の第2信号面を再生する際は、この信号面
上でレーザー光が最も絞り込めるように再生ヘッドのフ
ォーカス制御を行い、続いて信号列を追従するためにト
ラッキング制御を行い、再生光入射側の第1信号面を再
生するときと同様に、信号の検出を行う。
【0018】表1は、本発明にかかる片面読み取り型2
層式光ディスクの両信号面を再生したときと、従来の片
面読み取り型2層式光ディスクの両信号面を再生したと
きの再生信号ジッタ(信号読み取りばらつき率)を示し
ている。
【表1】
【0019】表1から明らかなように、本発明にかかる
片面読み取り型2層式光ディスクは従来の片面読み取り
型2層式光ディスクと比べ、それぞれの信号面での再生
信号ジッタが変わらず、両信号面をほぼ同条件で再生す
ることが可能である。
【0020】なお、読み出しレーザー光入射奥側の第2
信号層8として、従来用いられている基板厚さ約0.6
mmで基板材料を作製し使用することも可能で、例え
ば、読み出しレーザー光入射側の第1信号層2の厚み
と、中間層6の厚みの略1/2の厚さを足したものに近
い厚みを持つ信号層とすることもできる。また、上記実
施形態1に用いた材料に代わる材料を使用することも可
能である。
【0021】実施形態2 実施形態2として、本発明にかかる再生ヘッドを使用し
て従来の片面読み取り型2層式光ディスクを読み取る場
合を例にとり説明する。なお、光ディスクの材料として
は、実施形態1と同様に、信号層の基板材料としてポリ
カーボネート、半透明膜としてAu、中間層としてUV
硬化樹脂、反射膜としてAlを使用している。
【0022】図2に示されるように、本発明にかかる再
生ヘッドHは、読み出しレーザー光を出射するレーザー
光源としての半導体レーザー12と、この半導体レーザ
ー12から出射されたレーザー光を透過する一方、光デ
ィスクからの反射光を90度横方向に反射するビームス
プリッタ14と、ビームスプリッタ14の光ディスク側
に配置される1/4波長板16と、1/4波長板16のさらに
光ディスク側に配置される少なくとも一つの再生レンズ
18と、ビームスプリッタ14で反射されたレーザー光
を絞り込む絞り込みレンズ20と、絞り込みレンズ20
で絞り込まれたレーザー光が入射する受光ディテクタ2
2とを備えている。
【0023】上記構成の再生ヘッドHにおいて、半導体
レーザー12を適宜選定して出射するレーザー光の波長
を従来(略650nm)より短くすることにより、ある
いは、再生レンズ18を適宜選定してその開口NAを従
来(略0.6)より大きくすることにより、再生ヘッド
Hにより最も絞られるレーザー光の焦点位置をレーザー
光入射側の第1信号面とレーザー光入射奥側の第2信号
面との間で、例えば中間層6の厚みを略1/2に分ける
中心線上に位置させることができる(図3参照)。
【0024】次に、この再生ヘッドHを使用して、従来
の片面読み取り型2層式光ディスクのレーザー光入射側
の第1信号面を再生する方法について説明する。
【0025】中央でクランプされた光ディスクをスピン
ドルにより線速一定で回転させる。光ディスクに反りが
ある場合、この回転動作により静止状態のヘッドの焦点
位置から見た信号面は上下に揺れる。この時、図2に示
されるように、焦点位置を中心に信号面が上下するよう
にヘッドもしくはディスクの高さ調整を行う。ディスク
に反りがない場合、信号面に焦点位置がくるようにヘッ
ドもしくはディスクの高さ調整を行う。
【0026】半導体レーザー12より出射されたレーザ
ー光は、ビームスプリッタ14及び1/4波長板16を透
過し、再生レンズ18によりディスクに照射される。デ
ィスクに照射されたレーザー光のうち、第1信号面で反
射したレーザー光は、再び再生レンズ18に入射し、1/
4波長板16を透過してビームスプリッタ14で反射
し、絞り込みレンズ20で絞り込まれて受光ディテクタ
22に入射する。受光ディテクタ22で検出されたレー
ザー光は、レーザー光の焦点位置から信号面までのズレ
量であるフォーカスエラー信号としてフォーカスエラー
検出回路24により検出され、光信号から電気信号に変
換される。この電気信号はコイルドライバ26に入力さ
れ、焦点位置と信号面とのズレ量をキャンセルするよう
にヘッドを上下駆動させるための電流を上下駆動用コイ
ル28に供給することによりヘッドのフォーカス制御を
行う。続いて、信号ピット列を追従するためのトラッキ
ングエラー信号がトラッキングエラー検出回路30によ
り検出され、フォーカス制御と同様、光信号から電気信
号に変換される。この電気信号はコイルドライバ32に
入力され、信号ピット列から再生レーザースポットのズ
レ量をキャンセルするようにヘッドを左右駆動するため
の電流を左右駆動用コイル34に供給することによりト
ラッキング制御を行い、再生信号をアナログ信号として
読み出す。
【0027】一方、レーザー光入射奥側の第2信号面を
再生する場合、第2信号面でレーザー光が最も絞り込め
るように再生ヘッドHのフォーカス制御を行い、続いて
信号列を追従するためのトラッキング制御を行い、再生
光入射側の第1信号面を再生するときと同様、信号の検
出を行う。
【0028】表2は、本発明にかかる再生ヘッドHで片
面読み取り型2層式光ディスクの両信号面を再生したと
きと、従来の再生ヘッドで両信号面を再生したときの再
生信号ジッタ(信号読み取りばらつき率)を示してい
る。
【表2】
【0029】表2から明らかなように、本発明にかかる
再生ヘッドHは従来の再生ヘッドと比べ、片面読み取り
型2層式光ディスクのそれぞれの信号面を再生したとき
の再生信号ジッタが変わらず、両信号面をほぼ同条件で
再生することが可能である。
【0030】実施形態3 実施形態3の片面読み取り型2層式光ディスクとして、
実施形態1の片面読み取り型2層式光ディスク(図1)
と比較して説明する。
【0031】実施形態1の片面読み取り型2層式光ディ
スクを試作したものとして、信号層2,8の基板材料と
してポリカーボネートを使用するとともに、半透明膜4
としてAuを使用し、レーザー光入射側の第1信号層2
からレーザー光を入射し、その入射光量に対して略25
%程度の反射率となるようにした。また、中間層6とし
てUV硬化樹脂を使用するとともに、反射膜10として
Alを用い、その反射率を70%以上とすることによ
り、反射膜10で反射され再生ヘッドに戻ってくる光強
度と半透明膜4の反射光強度とを略等しくした。再生系
のレーザー波長としては略650nmものを使用し、再
生ヘッドの対物レンズの開口NAとしては略0.6(信
号層の基板材料及びUV硬化樹脂の厚みが略0.6mm
の位置で収差がもっとも少なくなる)のものを用いた。
この構造をとるときに、再生ヘッドにより再生光をディ
スクに入射して、反射膜10で反射された再生光が再び
再生ヘッドに戻ってくるときの光強度は次式で表すこと
ができる。 (反射膜からの戻り光強度[%])=(半透明膜の透過
率[%])×(樹脂材料の透過率[%])×(反射膜の
反射率[%])
【0032】また、実施形態3の片面読み取り型2層式
光ディスクを試作したものとして、信号層の基板材料と
してポリカーボネートを使用するとともに、半透明膜と
してAuを使用し、レーザー光入射側の第1信号層から
レーザー光を入射し、その入射光量に対して略20%の
反射率となるようにした。また、中間層としてUV硬化
樹脂を使用するとともに、反射膜としてAlを用い、そ
の反射率を70%以上とした。再生系のレーザー波長及
び再生ヘッドの対物レンズの開口NAとしては実施形態
1と同一のものを選定し、それぞれ略650nm及び略
0.6のものを用いた。
【0033】この構造では、再生ヘッドにより再生光を
ディスクに入射して、反射膜で反射された再生光が再び
再生ヘッドに戻ってくるときの光強度は、基板の材料と
して実施形態1と同じ樹脂材料を使用すると、半透明膜
の透過率が上がることにより反射膜で反射され再生ヘッ
ドに戻ってくる光強度の方が半透明膜の反射光強度より
大きくなる。
【0034】図4は、実施形態3の片面読み取り型2層
式光ディスクの断面図である。図4において、42は読
みだしレーザー光に対してほぼ透明で、樹脂圧縮成形等
により片面にトラックピッチ0.74μm程度、最短ピ
ット長が略0.44μmのスパイラル状の信号ピットが
形成された読み出しレーザー光入射側の第1信号層で、
屈折率が1.45〜1.65程度、厚さ0.56〜0.58
mm程度の円板からなる。44は第1信号層42の信号
面側にスパッタリング等の方法で膜付けされ、第1信号
層42からレーザー光を入射させた場合その入射光量に
対して20〜40%程度の反射率をもつ半透明膜で、入
射されたレーザー光を一部反射、残りを透過する特性が
ある。46は読み出しレーザー光に対して透明で、再生
ヘッド焦点位置FPからディスク面に対して略垂直に置
かれた読み出しレーザー光の光軸OA方向にそれぞれ2
0〜30μm程度ずつの厚みをもつ中間層である。48
は中間層46側に信号ピットが形成され、第1信号層4
2と同様の構造のレーザー光入射奥側の第2信号層で、
樹脂圧縮成形等により片面にトラックピッチ0.74μ
m程度、最短ピット長が略0.44μmのスパイラル状
の信号ピットが形成されており、屈折率が1.45〜1.
65程度、厚さ0.56〜0.58mm程度の円板からな
る。50は第2信号層48にスパッタリング等の方法で
膜付けされた反射率70%以上の反射膜であり、RAは
ディスクが回転するときの中心軸である。
【0035】上記構成の片面読み取り型2層式光ディス
クに対して、まず読み出しレーザー光入射側の第1信号
面を再生する場合、再生ヘッドのレンズに入射した読み
取りレーザー光が回転中心軸RAを中心に回転している
ディスク中の信号面上で絞り込めるように再生ヘッドの
フォーカス制御を行い、続いて信号列を追従するために
トラッキング制御を行い、信号面からの反射光を受光デ
ィテクタで検出し、アナログ信号として読み出す。ま
た、もう一方の信号面である読み出しレーザー光入射奥
側の第2信号面を再生する際は、この信号面上でレーザ
ー光が絞り込めるように再生ヘッドのフォーカス制御を
行い、続いて信号列を追従するためにトラッキング制御
を行い、再生光入射側の第1信号面を再生するときと同
様に信号の検出を行う。
【0036】実施形態1の片面読み取り型2層式光ディ
スクを試作し、再生測定を行った結果を図5の(a),
(b),(c)に示し、実施形態3の片面読み取り型2
層式光ディスクを試作し、再生測定を行った結果を図6
の(a),(b),(c)に示す。それぞれの図は再生信
号ジッタ(信号読み取りばらつき率)を縦軸に、再生レ
ーザー光がディスク内に入射してから再生する信号面ま
での距離(光路長)を横軸にとっている。
【0037】図5の(a)は再生光入射側基板2の厚み
として、0.54mm,0.56mm,0.58mm程度
のものを使用し、中間層6の厚みを略30μm、半透明
膜4として第1信号層2からレーザー光を入射しその入
射光量に対して略25%の反射率をもつものを用い、反
射膜10の反射率を70%以上、再生光入射奥側の第2
信号層基板8としてディスクの総厚みが1.14〜1.5
mm程度となるように厚み調整を施し、試作した3種の
ディスクを再生測定した結果である。52はそのディス
クの再生光入射側基板2の信号面を再生測定した結果で
あり、54は再生光入射奥側基板8の信号面を再生測定
した結果である。図5の(b)は再生光入射側基板2の
厚みとして、0.54mm,0.56mm,0.58mm,
0.6mm程度のものを使用し、中間層6の厚みを略4
0μm、半透明膜4として第1信号層2からレーザー光
を入射しその入射光量に対して略25%の反射率をもつ
ものを用い、反射膜10の反射率を70%以上、再生光
入射奥側の第2信号層基板8としてディスクの総厚みが
1.14〜1.5mm程度となるように厚み調整を施し、
試作した4種のディスクを再生測定した結果である。5
6はそのディスクの再生光入射側基板2の信号面を再生
測定した結果であり、58は再生光入射奥側基板8の信
号面を再生測定した結果である。図5の(c)は再生光
入射側基板2の厚みとして、0.61mm,0.62m
m,0.63mm程度のものを使用し、中間層6の厚み
を略50μm、半透明膜4として第1信号層2からレー
ザー光を入射しその入射光量に対して略25%程度の反
射率をもつものを用い、反射膜10の反射率を70%以
上、再生光入射奥側の信号層基板8としてディスクの総
厚みが1.14〜1.5mm程度となるように厚み調整を
施し、試作した3種のディスクを再生測定した結果であ
る。60はそのディスクの再生光入射側基板2の信号面
を再生測定した結果であり、62は再生光入射奥側基板
8の信号面を再生測定した結果である。
【0038】ここで、ディスクの信号面を再生する場
合、個々のディスクによって反り,偏心,複屈折等の製
造ばらつきが生じ、また再生ヘッドに関しても同様に製
造ばらつきが生じる。このことを考慮すれば再生信号ジ
ッタは10%以内に抑えなければならない。
【0039】図5の(a)によれば、中間層6の厚み略
30μmでは、上記再生信号ジッタの限界である10%
以内を満足していない。これは中間層6の厚みが薄いた
めに、どちらかの信号層を再生した際に他方の信号層ま
で再生し、信号層間のクロストークとして再生信号ジッ
タを劣化させていると考えられる。
【0040】図5の(b)から、中間層6の厚み略40
μmでは、再生信号ジッタの限界である10%以内を満
足するためには再生光入射側基板2が0.54mm以上
なくてはならない。また、再生ヘッドが再生光を最も絞
ることができる基板材及び樹脂の厚みが略0.6mmに
対して、信号面をその位置から再生光の光軸方向に等距
離離れた位置に有することにより、再生信号ジッタを両
信号面上でほぼ同じにしている。
【0041】図5の(c)から、中間層6の厚み略50
μmでは、再生信号ジッタの限界である10%以内を満
足するためには再生光入射奥側基板2までの長さが0.
66mm以下でなくてはならない。
【0042】しかしながら、この実施形態1の片面読み
取り型2層式光ディスクに関しては、信号面上に膜付け
される半透明膜4及び反射膜10の膜厚,基板2,8及
び中間層6の厚みの製造ばらつきに対して高度な制御が
必要である。実際の製造工程に於いては、半透明膜4の
膜付け制御は反射率で略15%程度のマージンが必要と
なる。図6は、その製造ばらつきによってディスク再生
装置が認識できる半透明膜4及び反射膜10の反射率限
界の条件、すなわち、実施形態3の片面読み取り型2層
式光ディスクを試作し、測定したものである。
【0043】図6の(a)は再生光入射側基板42の厚
みとして、0.56mm,0.58mm,0.61mm程
度のものを使用し、中間層46の厚みを略30μm、半
透明膜44として第1信号層42からレーザー光を入射
しその入射光量に対して略20%程度の反射率をもつも
のを用い、反射膜50の反射率を70%以上、再生光入
射奥側の第2信号層基板48としてディスクの総厚みが
1.14〜1.5mm程度となるように厚み調整を施し、
試作した3種のディスクを再生測定した結果である。6
4はそのディスクの再生光入射側基板42の信号面を再
生測定した結果であり、66は再生光入射奥側基板48
の信号面を再生測定した結果である。図6の(b)は再
生光入射側基板42の厚みとして、0.54mm,0.5
8mm,0.6mm程度のものを使用し、中間層46の
厚みを略40μm、半透明膜44として第1信号層42
からレーザー光を入射しその入射光量に対して略20%
の反射率をもつものを用い、反射膜50の反射率を70
%以上、再生光入射奥側の信号層基板48としてディス
クの総厚みが1.14〜1.5mm程度となるように厚み
調整を施し、試作した3種のディスクを再生測定した結
果である。68はそのディスクの再生光入射側基板42
の信号面を再生測定した結果であり、70は再生光入射
奥側基板48の信号面を再生測定した結果である。図6
の(c)は再生光入射側基板42の厚みとして、0.6
1mm,0.63mm程度のものを使用し、中間層46
の厚みを略50μm、半透明膜44として第1信号層4
2からレーザー光を入射しその入射光量に対して略20
%の反射率をもつものを用い、反射膜50の反射率を7
0%以上、再生光入射奥側の信号層基板48としてディ
スクの総厚みが1.14〜1.5mm程度となるように厚
み調整を施し、試作した2種のディスクを再生測定した
結果である。72はそのディスクの再生光入射側基板4
2の信号面を再生測定した結果であり、74は再生光入
射奥側基板48の信号面を再生測定した結果である。
【0044】上記実施形態3の片面読み取り型2層式光
ディスクを再生したときの結果より、再生光入射奥側信
号面を再生したときよりも、再生光入射側信号面を再生
したときの方がジッタ値が大きい。これは各信号面上の
反射膜50と半透明膜44から再生ヘッドへの戻り光量
に差があるためで、反射光量の少ない再生光入射側の信
号面を再生したときの受光ディテクタ内に戻ってくる光
信号及びその光信号を電気信号に変換し測定するまでに
ノイズ成分が影響しているためである。
【0045】図6の(a)によれば、中間層46の厚み
略30μmの再生光入射側信号層を再生したときの再生
信号ジッタが、限界である10%以内を満足していな
い。これは実施形態1の片面読み取り型2層式光ディス
クの中間層6の厚み略30μmを再生したときと同様、
中間層厚みが薄いためにどちらかの信号層を再生した際
に他方の信号層まで再生し、信号層間のクロストークと
して再生信号ジッタを劣化させていると考えられる。
【0046】図6の(b)から、中間層46の厚み略4
0μmでは再生信号ジッタの限界である10%以内を満
足するためには再生光入射側基板42が0.56mm以
上なくてはならない。また、ここで再生光入射側基板4
2を0.6mm程度としたときに、再生光入射側信号面
を再生したときのジッタが8.1%、再生光入射奥側信
号面を再生したときのジッタが8.0%と、ジッタを均
等に分けた結果となっている。これは再生光入射側信号
面を再生したときに信号面上の半透明膜からの戻り光量
が少なく、外部ノイズに影響されやすい分を、信号面を
再生ヘッドのもっとも絞れる位置すなわち厚み略0.6
mmの位置に設定することにより収差を最小としてい
る。逆に再生光入射奥側信号面を再生したときは、再生
ヘッドのもっとも絞れる位置すなわち0.6mmの位置
から中間層の厚み分である略40μm離れることによる
収差でのジッタ劣化を、再生光入射側信号面上の反射膜
からの戻り光量を多くすることによりノイズからの影響
を少なくしている。
【0047】すなわち、レーザー光が最も絞られる焦点
位置を中間層46の光軸OA方向における略中央と半透
明膜44との間に設定するとともに、半透明膜44の反
射率を適宜選定し、半透明膜からの戻り光強度より反射
膜からの戻り光強度を大きくすることにより再生光入射
側の信号面を再生した時と再生光入射奥側信号面を再生
した時のジッタを略均等化することができる。
【0048】本実施形態によれば、ディスクの製造ばら
つきを考慮すると、半透明膜及び反射膜の反射率マージ
ンはそれぞれ20〜40%程度、光路長すなわち再生光
入射側基板42として0.56mm〜0.58mm程度、
中間層厚みは40〜60μm程度(再生光入射奥側基板
48の信号面までの光路長0.64mm以内)が適当で
あると考えられる。
【0049】なお、上記実施形態3において、反射膜で
反射され再生ヘッドに戻ってくる光強度を半透明膜の反
射光量より大きくしたが、逆に、反射膜で反射され再生
ヘッドに戻ってくる光強度を半透明膜の反射光量より小
さくすることもできる。
【0050】すなわち、レーザー光が最も絞られる焦点
位置を中間層46の光軸OA方向における略中央と反射
膜50との間に設定するとともに、半透明膜44の反射
率を適宜選定し、半透明膜からの戻り光強度より反射膜
からの戻り光強度を小さくすることにより再生光入射側
の信号面を再生した時と再生光入射奥側信号面を再生し
た時のジッタを略均等化することができる。
【0051】以上のように、実施形態3を用いることに
より、再生ヘッドの焦点位置から不等距離離れた位置に
信号面を設けることでも、半透明膜と反射膜とで戻り光
量に差をもたせることで各信号層を再生したときのジッ
タを略均等化することが可能である。
【0052】この片面読み取り型2層式光ディスクの条
件として、半透明膜の反射率を30%、反射膜の反射率
が70%以上でも上記実施形態と同様のディスク構造マ
ージン結果が得られる。
【0053】また、各信号面を再生した際に戻り光量が
少ない信号面側に焦点位置を設定できる開口NAをもつ
再生ヘッドを用いたり、半導体レーザーから出射される
レーザー光の波長を適宜選定することにより、各信号層
を再生したときのジッタを略均等化することもできる。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0055】本発明によれば、読み出しレーザー光が最
も絞られる焦点位置を二つの信号面の間にくるようにし
たので、各信号面を再生した時のジッタを略均等化で
き、各信号面からの再生信号の品質を略同等にすること
ができる。
【0056】また、上記焦点位置から光軸方向にほぼ等
距離離れた位置に各信号面があるので、それぞれの信号
面を再生したときの各信号面上の光スポットの絞り径は
収差による劣下でほぼ等しくなり、またその戻り光強度
がほぼ等しいために再生信号へのノイズ影響度もほぼ等
しく、両信号面をほぼ同条件で再生することが可能であ
る。
【0057】さらに、二つの信号層の厚みを同じにした
ので、同じ基板材料を使用することができる。
【0058】また、入射奥側信号層の厚みを入射側信号
層の厚みに中間層の厚みの略1/2を加えた厚みとした
ので、従来用いられている基板材料の厚みを調整するこ
となく入射奥側信号層として作製し使用することができ
る。
【0059】さらに、再生ヘッドによって読み出しレー
ザー光が最も絞られるように設計された焦点位置から信
号面が遠く、収差による影響が大きい信号面に関して
は、その信号面上の反射膜もしくは半透明膜から再生ヘ
ッドへの戻り光強度を上げることによりノイズの影響度
を低減させ、またもう一方の信号面を再生するときに関
しては、再生ヘッドによって読み出しレーザー光が最も
絞られるように設計された焦点位置から信号面が近く、
収差による影響が小さいのでその信号面上の反射膜もし
くは半透明膜から再生ヘッドへの戻り光強度を下げるこ
とにより、各信号面を再生したときの再生信号の品質を
ほぼ同等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる片面読み取り型2層式光ディ
スクの断面図である。
【図2】 本発明にかかる再生ヘッドの概略構成図であ
る。
【図3】 図2の再生ヘッドからの読み出しレーザー光
が最も絞られる焦点位置を片面読み取り型2層式光ディ
スクの中間層の光軸方向における略中央に設定した場合
の断面図である。
【図4】 図1の片面読み取り型2層式光ディスクの変
形例を示す断面図である。
【図5】 図1の片面読み取り型2層式光ディスクを使
用して、ジッタの測定を行った結果を示しており、
(a)は中間層厚みを略30μm、(b)は中間層厚み
を略40μm、(c)は中間層厚みを略50μmに設定
した場合を示している。
【図6】 図4の片面読み取り型2層式光ディスクを使
用して、ジッタの測定を行った結果を示しており、
(a)は中間層厚みを略30μm、(b)は中間層厚み
を略40μm、(c)は中間層厚みを略50μmに設定
した場合を示している。
【符号の説明】
2,42 第1信号層 4,44 半透明膜 6,46 中間層 8,48 第2信号層 10,50 反射膜 12 半導体レーザー 14 ビームスプリッタ 16 1/4波長板 18 再生レンズ 20 絞り込みレンズ 22 受光ディテクタ 24 フォーカスエラー検出回路 26,32 コイルドライバ 28,34 コイル 30 トラッキングエラー検出回路 H 再生ヘッド FP 焦点位置 OA 光軸 RA 回転中心軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の仕様基材厚みで最適な焦点を結ぶ
    再生ヘッドを用いて再生される光記録媒体であって、第
    1信号層と半透明膜と中間層と反射膜と第2信号層とが
    順次形成され、前記第1信号層の前記半透明膜側に信号
    面が形成されるとともに、前記第2信号層の前記反射膜
    側に信号面が形成された光記録媒体において、 再生ヘッドからの読み出しレーザー光を前記第1信号層
    側より略垂直に入射させたとき、読み出しレーザー光が
    最も絞られる焦点位置が前記中間層内に設定されるよう
    に前記第1信号層の厚みを調整することを特徴とする光
    記録媒体であって、前記焦点位置を前記中間層の光軸方
    向における略中央と前記反射膜との間に設定し、前記第
    1信号層および第2信号層の各信号面を読み取る際の戻
    り光強度を、(前記半透明膜からの戻り光強度)>(前
    記反射膜からの戻り光強度)となるようにした光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 特定の仕様基材厚みで最適な焦点を結ぶ
    前記再生ヘッドにおけるレーザー光の波長が略650n
    m以下、対物レンズの開口数が略0.6以上であること
    を特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2に記載の光記録媒体
    を再生する再生ヘッド。
  4. 【請求項4】 レーザー光の波長が略650nm以下、
    対物レンズの開口数が略0.6以上であることを特徴と
    する請求項3に記載の再生ヘッド。
  5. 【請求項5】 基材厚みが略0.6mmで最適な焦点を
    結ぶことを特徴とする請求項4に記載の再生ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1あるいは2に記載の光記録媒体
    を再生する再生ヘッドを用いて信号を読み出す再生装
    置。
  7. 【請求項7】 レーザー光の波長が略650nm以下、
    対物レンズの開口数が略0.6以上であることを特徴と
    する請求項6に記載の再生装置。
  8. 【請求項8】 基材厚みが略0.6mmで最適な焦点を
    結ぶことを特徴とする請求項6に記載の再生装置。
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