JP2002213305A - 蒸発燃料パージ装置の異常診断方法及び異常診断装置 - Google Patents

蒸発燃料パージ装置の異常診断方法及び異常診断装置

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JP2002213305A JP2001007808A JP2001007808A JP2002213305A JP 2002213305 A JP2002213305 A JP 2002213305A JP 2001007808 A JP2001007808 A JP 2001007808A JP 2001007808 A JP2001007808 A JP 2001007808A JP 2002213305 A JP2002213305 A JP 2002213305A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パージを中断する時間をより短縮する。 【解決手段】 パージを行なっている状態で検出する内
圧Pの変化量ΔPから2階差分積算値ΣΔΔPを求め、
この2階差分積算値ΣΔΔPが第1判定値α1を超える
ことをもって、車両の走行状態に基づく燃料の油面揺れ
が内圧Pの異常な上昇を招く状態であると判定する。内
圧Pの異常な上昇がないと判定したときにパージを中断
し、この状態で検出する内圧Pから求めた2階差分値Σ
ΔΔPが、第1判定値α1よりも小さい値に設定した第
2判定値α2を超えることをもって燃料の異常な油面揺
れを検知するとともに、内圧Pの判定時間T1当たりの
変化量ΔP1が判定値βを超えることをもって、車両状
況に基づく燃料温度の上昇が内圧Pの異常な上昇を招く
状態であることを検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両において燃料
タンクから蒸発する燃料を内燃機関の吸気系に放出する
蒸発燃料パージ装置の異常診断方法及び異常診断装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような蒸発燃料パージ装置は、燃
料タンクで発生した燃料蒸気をベーパ管を介してチャコ
ールキャニスタ(以下、キャニスタという。)に一旦捕
集し、捕集した蒸発燃料をパージ管を介して内燃機関の
吸気系に放出する。このとき、パージ管を介して吸気系
からキャニスタ及び燃料タンクまで負圧を導入するとと
もに、新気導入管を介してキャニスタに外気を導入する
ことで捕集されている燃料蒸気を放出(パージ)させ
る。
【0003】一方、異常診断装置は、吸気系から負圧が
導入されるパージ管からキャニスタを経て燃料タンクま
で至る燃料蒸気放出流路上に、燃料蒸気が外気に漏出す
るピンホールや亀裂が生じているか否かその気密状態を
検査する異常診断を行う。
【0004】この異常診断は、図4に示すように、パー
ジ管上のパージ量調節弁を開けたまま新気導入管上の新
気量調節弁を閉じてパージを中断し、吸気系から導入す
る負圧によって燃料タンクの内圧Pを第1基準値P2ま
で低下させた後にパージ量調節弁でパージ管を遮断する
ことで行う。この状態では、燃料タンクからキャニスタ
を経てパージ管の途中に至るまでの診断流路が外気から
密封される。
【0005】この密封された診断流路の内圧Pは、燃料
タンク内での燃料の蒸発により、この診断流路内にある
空気及び燃料蒸気の平衡圧に近づくように徐々に上昇し
ていく。このとき、診断流路上にピンホールや亀裂が存
在していると、そこから燃料蒸気が外部に漏出すること
で内圧Pはより急速に上昇する。そこで、燃料タンクに
設けた圧力センサで内圧Pを検出し、この内圧Pの変化
様態を監視することでピンホール等の有無を検査する。
【0006】ところが、車両が悪路を走行する場合に
は、燃料タンク内の燃料が激しく揺れ、その油面が揺れ
ることで燃料の気化が促進される。このため、悪路を走
行中に診断流路の異常診断を行うと、検出される内圧P
がより急速に上昇する。また、燃料温度が高くなった状
況でも、燃料の気化が促進される。このため、燃料温度
が高くなった状態で異常診断を行ったときにも、診断流
路の内圧Pがより急速に上昇する。従って、車両が悪路
を走行している状態や、燃料温度が高くなった状態で診
断流路の異常診断を行うと、内圧Pの変化様態から診断
流路の気密性を確実に検査することが困難となり、診断
結果の信頼性が低下したり、誤診断する可能性がある。
そこで、従来の異常診断装置では、異常診断を行う前
に、車両の走行状態が燃料の激しい油面揺れを招くよう
な状態でなく、また、燃料温度が高くなっておらず、異
常診断が可能な状態であることを確認する診断条件の判
定を行なっている。
【0007】この診断条件の判定方法としては、例えば
特開平10−26055号公報で開示されているエバポ
パージシステムの故障診断装置で行うように、異なるサ
ンプリング様態で検出する2つのサンプリング値の差分
値ΔPが判定値を超えたことをもって、燃料の激しい油
面揺れが発生していると判定する方法がある。また、図
4に示すように、燃料タンクの内圧Pの判定時間T1当
たりの変化量ΔP1が判定値を超えたことをもって、燃
料温度が高くなった状態であると判定する方法が提案さ
れている。さらに、一定時間離れた時点で検出する内圧
Pの各変化量ΔPから2階差分積算値ΣΔΔPを算出
し、この2階差分積算値ΣΔΔPが判定値を超えたこと
をもって燃料の激しい油面揺れが発生したと判定する方
法が提案されている。
【0008】ところで、キャニスタから蒸発燃料のパー
ジを行なっているときには、吸気系からパージ管を介し
てキャニスタに導入される負圧が燃料タンクにまで導入
される。従って、燃料タンクで検出する内圧Pが、エン
ジンの運転状態に応じて変動する吸気圧によっても変動
する。このため、診断条件の判定を内圧Pの変化量ΔP
や2階差分値ΔPPが判定値を超えたことをもって判定
することが困難となる。そこで、従来の異常診断装置に
は、ベーパ管上に設けた差圧弁を迂回する負圧導入管
と、負圧導入管を開閉する開閉弁とが設けられていた。
そして、診断条件の判定を行うときには開閉弁を閉じて
吸気系からキャニスタに導入する負圧が燃料タンクに直
接導入されないようにし、異常診断を行うときには開閉
弁を開けて負圧導入管を介して燃料タンクに負圧を導入
するようにしていた。ところが、異常診断の判定を行う
ためだけに負圧導入管及び開閉弁を設けているので、異
常診断装置が複雑になり原価が高くなっていた。
【0009】そこで、負圧導入管及び開閉弁を設けてな
い異常診断装置とし、図4に示すように、変化量ΔP1
や2階差分積算値ΔΔPを求めて診断条件の判定を行う
ときにはパージ量調節弁を閉じてパージを中断(パージ
カット)することが考えられる。この場合には、診断条
件の判定中に吸気管から負圧がキャニスタ及び燃料タン
クに導入されないので、吸気管内の負圧の変動の影響を
受けない内圧Pから求めた例えば2階差分積算値ΔΔP
が判定値αを超えたことをもって、燃料の過度の油面揺
れが発生したことを検知することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パージ
を中断した状態で診断条件の判定を行うようにすると、
車両が悪路を走行中であった場合には、診断条件の判定
を行う毎にパージを中断することになる。そして、診断
条件の判定によって燃料の激しい油面揺れが発生してい
ると判定した後に、異常診断を行うことなくパージを再
開することになる。このため、車両が悪路を走行する状
態が続くと、頻繁にパージが中断されることになり、パ
ージが実行される時間が全体として短くなってしまう。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、蒸発燃料捕集装置に捕
集した蒸発燃料の放出を中断する時間をより短縮するこ
とができる蒸発燃料パージ装置の異常診断方法及び異常
診断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、燃料タンクで発生する燃
料蒸気をベーパ流路を介して蒸発燃料捕集装置に捕集
し、内燃機関の吸気系からパージ流路を介して負圧を蒸
発燃料捕集装置に導入するとともに新気導入流路を介し
て新気を蒸発燃料捕集装置に導入することで該蒸発燃料
捕集装置に捕集した燃料蒸気を前記パージ流路を介して
前記吸気系に放出する蒸発燃料パージ装置の異常診断方
法において、前記新気導入流路及びパージ流路を共に遮
断することで前記燃料タンクを含んで密封される診断流
路内の内圧を検出し、燃料の液面揺れを検知するための
検知量を、前記蒸発燃料捕集装置から燃料蒸気を放出し
ている状態で検出する前記内圧の変化量から予め設定さ
れている方法で求め、予め設定されている第1判定値を
この検知量が超えたことをもって前記内圧を異常な様態
で上昇させる燃料の液面揺れが発生したと判定し、前記
検知量が第1判定値を超えないときには、前記蒸発燃料
捕集装置からの燃料蒸気の放出を停止した状態で検出す
る内圧の変化量から前記検知量を求め、前記第1判定値
よりも小さい値で予め設定されている第2判定値をこの
検知量が超えたことをもって前記内圧を異常な様態で上
昇させる燃料の液面揺れが発生したと改めて判定し、前
記検知量が第2判定値を超えないときに、前記診断流路
を密封した状態での前記内圧の経時的な変化様態から該
診断流路の気密状態を診断することを要旨とする。
【0013】請求項1に記載の発明によれば、吸気系か
ら導入する負圧の変動が診断流路で検出する内圧の変動
に影響する状態で内圧を検出し、この内圧から求めた検
知量が第1判定値を超えることをもって、車両の走行状
態に基づく燃料タンク内の燃料の液面揺れが、内圧の異
常な変動を招く状態であることが判定される。そして、
車両の走行状態が内圧の異常な上昇を招かない状態であ
ると判定したときに初めて負圧の導入が停止され、負圧
の変動が内圧に影響しない状態で、改めて車両の走行状
態に基づく燃料の液面揺れが判定される。従って、車両
の走行状態が燃料の激しい液面揺れを招くような状態で
あって、内圧の変化様態から診断流路の気密状態を検査
することが容易でないような状況で、異常診断が実行さ
れないにも拘らず蒸発燃料の放出が頻繁に中断されこと
がない。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記蒸発燃料捕集装置から蒸発燃料の
放出を停止した状態で検出する内圧の計時的な変化様態
に基づいて該内圧を異常な様態で上昇させる燃料温度の
上昇が発生したか否かを判定し、前記内圧を異常な様態
で燃料の液面揺れが発生していないと判定し、かつ、内
圧を異常な様態で上昇させる燃料温度の上昇が発生して
いないと判定したときに前記診断流路を密封した状態で
の前記内圧の経時的な変化様態から該診断流路の気密状
態を診断することを要旨とする。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、燃料の液面揺れに起因す
る内圧の異常な変動が小さいと判定したことに加え、燃
料温度の上昇に起因する内圧の変動が小さいと判定した
ときに、内圧の変化様態に基づいて診断流路の気密状態
が検査される。このため、診断流路の気密状態に関する
診断結果の信頼性がより向上し、また、誤診断がより発
生し難い。
【0016】請求項3に記載の発明は、燃料タンクで発
生する燃料蒸気をベーパ流路を介して蒸発燃料捕集装置
に捕集するとともに、内燃機関の吸気系からパージ流路
を介して負圧を蒸発燃料捕集装置に導入し、新気導入流
路を介して新気を蒸発燃料捕集装置に導入することで、
蒸発燃料捕集装置に捕集した燃料蒸気をパージ流路を介
して前記吸気系に放出する蒸発燃料パージ装置の異常診
断装置において、前記新気導入流路を遮断可能な新気流
路遮断手段と、前記パージ流路を遮断可能なパージ流路
遮断手段と、前記新気流路開閉手段及びパージ流路開閉
手段を制御する流路制御手段と、前記新気導入流路及び
パージ流路が共に遮断されることで前記燃料タンクを含
んで密封される診断流路内の内圧を検出する内圧検出手
段と、燃料の液面揺れを検知するための検知量を予め設
定されている方法で前記内圧の変化量から求める検知量
取得手段と、前記流路制御手段を制御し、前記新気導入
流路及びパージ流路を共に遮断しない状態で検出された
前記内圧の変化量から求めた前記検知量が予め設定され
ている第1判定値を超えたときに前記新気導入流路を遮
断しない状態でパージ流路を遮断し、この状態で検出さ
れた内圧から求めた前記検知量が前記第1判定値よりも
小さい値に予め設定されている第2判定値を超えたとき
に前記新気導入流路を遮断するとともにパージ流路を遮
断しなくすることで前記内圧を下げた後、新気導入流路
を遮断したままでパージ流路を遮断して前記診断流路を
密封する内圧制御手段と、前記診断流路を密封した状態
での前記内圧の変化様態から該診断流路の気密状態を検
査する流路検査手段とを備えたことを要旨とする。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、吸気系か
ら導入する負圧の変動が診断流路で検出する内圧の変動
に影響する状態で内圧を検出し、この内圧から求めた検
知量が第1判定値を超えることをもって、車両の走行状
態に基づく燃料タンク内の燃料の液面揺れが、内圧の異
常な変動を招く状態であることが判定される。そして、
車両の走行状態が内圧の異常な上昇を招かない状態であ
ると判定したときに初めて負圧の導入が停止され、負圧
の変動が内圧に影響しない状態で、改めて車両の走行状
態に基づく燃料の液面揺れが判定される。従って、車両
の走行状態が燃料の激しい液面揺れを招くような状態で
あって、内圧の変化様態から診断流路の気密状態を検査
することが容易でないような状況で、異常診断が実行さ
れないにも拘らず蒸発燃料の放出が頻繁に中断されこと
がない。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記内圧制御手段が前記新気導入流路
を遮断せずパージ流路を遮断している状態で検出された
前記内圧の経時的な変化様態に基づいて燃料温度の過度
の上昇を検知する燃料温度上昇検知手段を備え、前記内
圧制御手段は、前記新気導入流路を遮断せずパージ流路
を遮断した状態で検出された内圧から求めた前記検知量
が前記第2判定値を超えず、かつ、燃料温度の過度の上
昇が検知されないときに前記新気導入流路を遮断すると
ともにパージ流路を遮断しなくして前記内圧を下げるこ
とを要旨とする。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明の作用に加えて、燃料の液面揺れに起因す
る内圧の異常な変動が小さいと判定したことに加え、燃
料温度の上昇に起因する内圧の変動が小さいと判定した
ときに、内圧の変化様態に基づいて診断流路の気密状態
が検査される。このため、診断流路の気密状態の診断結
果の信頼性がより向上し、また、誤診断がより発生し難
い。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項3または
請求項4に記載の発明において、前記検知量は、前記内
圧の変化量から求めた2階差分値を積算した2階差分積
算値であることを要旨とする。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
または請求項4に記載の発明の作用に加えて、内圧の変
化量から求めた2階差分値を積算した2階差分積算値が
予め設定した判定値を超えたことをもって、車両の走行
状態に基づく燃料の液面揺れが内圧の異常な上昇を招く
状態であると判定するので、内圧の変化様態に基づいて
行う診断流路の気密性の検査精度がより向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両の内燃機関に
設けられた蒸発燃料パージ装置の異常診断装置に具体化
した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0023】図2に示すように、蒸発燃料パージ装置1
0は、ベーパ管11、差圧弁12、蒸発燃料捕集装置と
してのチャコールキャニスタ(以下、単にキャニスタと
いう。)13、パージ流路としてのパージ管14、パー
ジ流路遮断手段としてのパージ量調節弁15、新気導入
流路としての新気導入管16、新気流路遮断手段として
の新気量調節弁17、防塵フィルタ18及び電子制御装
置(以下、ECUという。)19等から構成されてい
る。また、異常診断装置20は、パージ量調節弁15、
新気量調節弁17、内圧検出手段としての圧力センサ2
1及びECU19等から構成されている。
【0024】キャニスタ13は、ベーパ管11を介して
燃料タンク22の上部にある気室22aに連通されてい
る。ベーパ管11は、燃料の流入を防止するフロート式
逆止弁23を介して気室22a内に連通されている。ベ
ーパ管11の途中には、差圧弁12が設けられている。
【0025】差圧弁12はダイアフラム式の自律動作弁
であって、燃料タンク22の気室22aの内圧Pとキャ
ニスタ13側の内圧との差圧が、設定されている差圧値
を超えるときに開弁し、気室22a内のの燃料蒸気をキ
ャニスタ13側に放出する。なお、差圧弁12の内部に
は、ダイアフラムの弁部を迂回して燃料タンク22とキ
ャニスタ13とを常時連通する連通孔12aが設けられ
ている。
【0026】また、キャニスタ13は、パージ管14を
介して図示しない吸気ポートに連通されている。パージ
管14の途中にはパージ量調節弁15が設けられてい
る。パージ量調節弁15はECU19によって制御され
る負圧作動式の電磁弁であって、パージ管14を介して
吸気管側に放出される燃料蒸気の流量を調節するととも
にパージ管14を遮断する。
【0027】また、キャニスタ13は、新気導入管16
を介して外気に連通されている。新気導入管16は、給
油口24の近傍に開口されるとともに、その途中には大
気防塵フィルタ18が設けられている。大気防塵フィル
タ18は、新気導入管16を介してキャニスタ13に導
入される新気中の塵を除去する。新気導入管16の端部
には、新気量調節弁17が設けられている。
【0028】新気量調節弁17はECU19によって制
御される電磁式の流量調節弁であって、新気導入管16
を介して大気中からキャニスタ13に導入される新気の
流量を調節するとともに新気導入管16を遮断する。
【0029】キャニスタ13は、活性炭を主成分とする
吸着材が収容された密閉容器であって、ベーパ管11を
介して放出される燃料蒸気を吸着材に吸着することで一
時的に捕集する。キャニスタ13の内部は、第1室25
及び第2室26に区画され、両室25,26は通気性フ
ィルタ27を介して連通されている。第1室25及び第
2室26はそれぞれ2室に区画され、通気性フィルタ2
7に隣接する各室には吸着材が充填され、反対側の各室
はそれぞれ第1気室25a及び第2気室26aとされて
いる。第1気室25aには、ベーパ管11とパージ管1
4とがそれぞれ連通されている。第2気室26aには、
新気導入管16が連通されている。
【0030】以上のように構成された蒸発燃料パージ装
置10では、燃料タンク22の内圧と、キャニスタ13
の第1気室25aの内圧との差圧が、設定されている差
圧値を超えているときに、差圧弁12が開いて燃料タン
ク22の気室22aから燃料蒸気をキャニスタ13側に
放出する。そして、キャニスタ13側に放出された燃料
蒸気はキャニスタ13に一時的に捕集される。また、エ
ンジンが運転されているときに吸気管内に発生する負圧
により、新気導入管16を介して新気がキャニスタ13
の第2室26側から導入するときには、キャニスタ13
に捕集されている蒸発燃料をパージ管14を介して吸気
管に放出する。
【0031】次に、上記のように構成された蒸発燃料パ
ージ装置の異常診断装置の電気的構成について説明す
る。圧力センサ21は、燃料タンク22の気室22aの
内圧を検出し、その圧力信号SPをECU19に出力す
る。
【0032】ECU19は、パージ量調節弁15に出力
する制御信号SV1によってその弁開度を調節する。ま
た、新気量調節弁17に出力する制御信号SV2によっ
てその弁開度を調節する。
【0033】ECU19は、マイクロコンピュータ(以
下、マイコンという。)30、駆動装置31等からな
る。本実施形態では、マイコン30及び駆動装置31
が、内圧制御手段を構成する。また、マイコン30が、
検知量取得手段、流路検査手段及び燃料温度上昇検知手
段である。
【0034】マイコン30は、記憶されている制御プロ
グラムに従い、公知の制御である燃料噴射制御、点火時
期制御、アイドル回転数制御、キャニスタパージ制御、
各種自己診断等を行う。 (キャニスタパージ制御)キャニスタパージ制御とし
て、マイコン30は、冷却水温、エンジン回転数等の検
出値に基づいてパージ量調節弁15及び新気量調節弁1
7を制御し、キャニスタ13からのパージ量を制御す
る。詳述すると、パージ量調節弁15を開状態として吸
気管からパージ管14を介して負圧をキャニスタ13側
に作用させるとともに、新気量調節弁17を開状態とし
て新気導入管16を介して新気をキャニスタ13に導入
することで、キャニスタ13に捕集されている蒸発燃料
を吸気管に放出させる。また、パージ量調節弁15及び
新気量調節弁17の各弁開度を調節することでパージ量
を調節する。 (異常診断処理)また、マイコン30は、新たな処理で
ある蒸発燃料パージ装置の異常診断処理を行う。マイコ
ン30は、異常診断処理を、キャニスタパージ制御にお
いてキャニスタ13から蒸発燃料の放出を行なっている
とき(以下、パージ時という。)に、予め設定されてい
る制御時間が経過する毎に周期的に実行するルーチンに
よって行う。この異常診断処理として、マイコン30
は、診断条件判定処理及び診断処理を実行する。そし
て、診断条件判定処理として、車両の状態が蒸発燃料パ
ージ装置の異常診断を行うことができる状態であるか否
かを判定する。また、診断条件判定処理において異常診
断を行うことができる状態であると判定したときに診断
処理を実行し、この診断処理において蒸発燃料パージ装
置10の実際の異常診断を行う。 (診断条件判定処理)異常診断処理の処理内容を、図1
に示すフローチャートに従って説明する。
【0035】診断条件判定処理として、マイコン30
は、先ず、ステップ(以下、Sと表記する。)10で、
予め設定されている判定時間(例えば30秒)内で予め
設定されている検出時間(例えば0.5秒)が経過する
毎に検出した内圧Pから、燃料の油面揺れを判定する検
知量としての2階差分積算値ΣΔΔPを求める。そし
て、この2階差分積算値ΣΔΔPが予め設定されている
第1判定値α1以下であるか否かを判断する。
【0036】詳述すると、周期的に実行するルーチンに
おいて今回検出した内圧Pと前回検出した内圧Pとの差
分を変化量ΔPとして毎回求め、過去の異なる時期に求
めた複数の変化量ΔPと今回求めた変化量ΔPとから、
予め設定されている関係式を用いて変化量ΔPの経時的
な変化量である2階差分値ΔΔPを算出する。次に、予
め設定されている判定時間が経過する毎に、この判定時
間内に求めた各2階差分値ΔΔPを積算した2階差分積
算値ΣΔΔPを算出する。
【0037】ここで、2階差分値ΔΔPは、燃料タンク
22に蓄えられている燃料の油面揺れに基づく内圧Pの
変動を反映する変数であり、その2階差分積算値ΣΔΔ
Pは、同じ燃料の油面揺れ量を反映する変数である。ま
た、第1判定値α1は、パージ時において、2階差分積
算値ΣΔΔPがこの第1判定値α1を超えることをもっ
て、燃料の油面揺れに起因する内圧Pの上昇程度が過度
であると判定することができるように設定されている。
そして、内圧Pの上昇程度が、診断処理において内圧P
の変化様態に基づいて異常診断を行うことができる限度
を超える状態であると判定することができるように設定
されている。
【0038】このS10での処理内容を詳述する。キャ
ニスタ13からの蒸発燃料の放出が行われているとき
(パージ時)には、吸気管からパージ管14を介してキ
ャニスタ13に導入される負圧が、差圧弁12の連通孔
12aを介して燃料タンク22まで導入される。このと
き、内圧Pの変動量は、エンジンの運転状態に応じた負
圧の変動が影響する分だけ、蒸発燃料の放出を行なって
おらず負圧が燃料タンク22まで導入されていないとき
(パージカット時)よりも大きくなる。その結果、内圧
Pの変化量ΔPから求めた2階差分値ΔΔP、さらに、
2階差分値ΔΔPを積算した2階差分積算値ΣΔΔP
は、図3に示すように、負圧の変動が影響する分だけ大
きくなる。従って、パージ中に検出する内圧Pから求め
た2階差分積算値ΣΔΔPを判定する第1判定値α1
は、車両の走行状態に応じた燃料の油面揺れに基づく内
圧Pの変動量に対応した従来の判定値αよりも、負圧の
変動が影響する分だけ大きくした値を基にして設定され
ている。
【0039】また、通気抵抗を有する大気防塵フィルタ
18が新気導入管16に設けられているので、パージ中
のパージ率が大きいほど、吸気の変動に基づく2階差分
積算値ΣΔΔPの増分値が大きくなる。このため、使用
する大気防塵フィルタ18の通気抵抗に応じパージ率が
100%のときの2階差分積算値ΣΔΔPの増分値を実
験で求め、負圧の影響を除いた状態で設定する判定値α
にこの増分値を加算した値をも基にして第1判定値α1
が設定されている。
【0040】従って、このS10においてマイコン30
は、パージを行なっている状態において、燃料の油面揺
れを招く車両の走行状態が、蒸発燃料パージ装置10の
異常診断を行うことができる状態であるか否かを判定す
る。
【0041】そして、S10で2階差分積算値ΣΔΔP
が判定値α1を超えていたときには、診断処理を実行す
ることなく本処理を終了する。一方、S10で2階差分
積算値ΣΔΔPが判定値α1以下であったときには、S
11で、パージ量調節弁15を閉弁させて、キャニスタ
パージ制御で実行しているパージを中断させる。
【0042】次に、S12で、パージを中断している状
態で検出する内圧Pの変化量ΔPから2階差分値ΔΔP
さらに2階差分積算値ΣΔΔPを求め、この2階差分積
算値ΣΔΔPが予め設定されている第2判定値α2以下
であるか否かを判定する。さらに、予め設定されている
判定時間T1が経過する間の内圧Pの変化量ΔP1が、
予め設定されている判定値β以下であるか否かを判定す
る。そして、この両方の条件が共に成立するか否かを判
定する。
【0043】ここで、第2判定値α2は第1判定値α1
よりも小さい値に設定され、パージを行っていない状態
において検出する内圧Pから求めた2階差分積算値ΣΔ
ΔPがこの第2判定値α2を超えることをもって、燃料
の油面揺れが過度であると判定することができるように
設定されている。そして、第2判定値α2は、燃料の油
面揺れに起因する内圧Pの上昇程度が、診断処理におい
て内圧Pの変化様態に基づいて異常診断を行うことがで
きる限度を超える状態であると判定することができるよ
うに設定されている。
【0044】即ち、パージカット時には燃料タンク22
まで吸気管から負圧が導入されず、内圧Pの変動に負圧
の変動が影響しない。従って、車両の走行状態が変化し
なくても内圧Pの変動が小さくなり、図3に示すよう
に、この内圧Pから求める2階差分積算値ΣΔΔPも小
さくなる。このため、パージカット状態で検出する内圧
Pから求めた2階差分積算値ΣΔΔPが、第1判定値α
1よりも小さい値に設定した第2判定値α2を超えたこ
とをもって内圧Pの異常な上昇を招く燃料の油面揺れが
発生したと判定する。従って、この第2判定値α2は、
従来において、パージを中断した状態で検出する内圧P
から求めた2階差分積算値ΔΔPに基づいて燃料の過度
な油面揺れを判定する場合の判定値αと同じであっても
よい。
【0045】また、内圧Pの変化量ΔP1は、燃料タン
ク22の燃料温度の上昇様態を反映する変数である。判
定値βは、変化量ΔP1がこの判定値βを超えることを
もって、車両状況に応じた燃料温度の上昇程度が内圧P
の異常な上昇を招く状態であると判定することができる
ように設定されている。そして、診断処理において内圧
Pの変化様態に基づいて異常診断を行うことができる限
度を超える状態であると判定することができるように設
定されている。
【0046】従って、このS12で、マイコン30は、
パージカット状態において、車両の走行状態に応じた燃
料の油面揺れ状態と、車両状況に応じた燃料温度の上昇
状態とが、共に診断処理において異常診断を行うことが
できる状態であるか否かを判定する。
【0047】S12で条件が成立しなかったときには、
S13でパージを再開させた後、S14で異常フラグを
リセットして本処理を終了する。一方、S12で条件が
成立したときには診断処理を実行する。 (診断処理)診断処理として、マイコン30は、S15
で、パージ量調節弁15を閉弁から開弁させ、新気量調
節弁17を開弁から閉弁させることで、吸気管から負圧
をパージ管14を介してキャニスタ13に導入する。そ
して、キャニスタ13から差圧弁12の連通孔12aを
介して燃料タンク22まで負圧を導入し、図3に示すよ
うに、内圧Pを予め設定されている第1基準値P2以下
まで低下させる。
【0048】次に、S16で、新気量調節弁17を閉弁
させたままパージ量調節弁15を開弁から閉弁させ、パ
ージ管14からキャニスタ13を経て燃料タンク22に
至るまでの診断流路を密封する。そして、密封された燃
料タンク22の内圧Pが、燃料の気化に伴って上昇し再
び第1基準値P2に達した時点から、図3に示すよう
に、予め設定されている検出時間ΔTsだけ経過する間
の内圧Pの変化量ΔP2を取得する。
【0049】次に、S17で、図3に示すように、第1
基準値P2に達した時点から、予め設定されている判定
時間Tdが経過した時点での内圧Pが、第2基準値P3
以上となったか否かを判定する。
【0050】ここで、第2基準値P3及び判定時間Td
は、判定時間Tdが経過する間に内圧Pが第1基準値P
2から第2基準値P3を超えて上昇したことをもって、
燃料タンク22を含む診断流路の気密状態に異常がない
と判定することができるように設定されている。
【0051】詳述すると、第1基準値P2まで下げられ
た内圧Pは、燃料タンク22内での燃料の蒸発によって
時間の経過とともに次第に上昇する。このとき、密封さ
れた診断流路内に燃料蒸気が外部に漏出するピンホール
や亀裂がなければ、内圧Pの上昇様態は、燃料タンク2
2の形状、診断流路の容積等の車両に固有の固定値によ
ってほぼ決定される。そして、第2基準値P3及び判定
時間Tdは、この蒸発燃料パージ装置10において、密
封される診断流路からの燃料蒸気の漏出がない状態で内
圧Pが第1基準値P2からある第2基準値P3まで達す
るまでに要する時間を基に設定されている。
【0052】従って、このS17で、マイコン30は、
燃料タンク22を含む診断流路の気密状態を判定する。
S17で、判定時間Tdが経過した時点での内圧Pが、
第2基準値P3未満であったときには、S13でパージ
を再開させた後、S14で異常フラグをリセットして本
処理を終了する。
【0053】従って、このS17で、燃料タンク22を
含む診断流路に、燃料蒸気が漏出するピンホールや亀裂
を検知しなかったときには、以後の処理を実行せず、キ
ャニスタ13からの蒸発燃料の放出を再開させる。
【0054】一方、S17で、判定時間Tdが経過した
時点での内圧Pが、第2基準値P3以上であったときに
は、S18で、図3に示すように、第2基準値P3に達
した時点から検出時間ΔTsが経過するまでの間の内圧
Pの変化量ΔP3を取得する。
【0055】次に、S19で、変化量ΔP2及びP3か
ら圧力変化率ΔP2/ΔP3を求め、この圧力変化率Δ
P2/ΔP3と変化量ΔP3とを、予め記憶されている
マップに照らし合わせることで、密封する診断流路内に
燃料蒸気が漏出するピンホールや亀裂等があるか否かを
改めてより高い検知精度で判定する。
【0056】ここで、第2基準値P3及び圧力変化率Δ
P2/ΔP3を照合するマップは、密封する診断流路に
燃料蒸気が漏出するピンホールや亀裂がある場合とない
場合とにおける、第1基準値P2から第2基準値P3ま
での内圧Pの上昇様態の相違点を反映する第2基準値P
3及び圧力変化率ΔP2/ΔP3とを、二次元で正常領
域、異常領域及び判定保留領域に対応させたものであ
る。
【0057】詳述すると、第1基準値P2からの内圧P
の上昇様態は、以下の4つの条件によって特徴づけられ
ることが分かっている。第1は、内圧Pが第1基準値P
2からより大きくなるほどその変化量ΔPが次第に小さ
くなる。第2は、燃料タンク22の燃料残量が少ないほ
ど内圧Pの上昇速度が遅くなる。第3は、診断流路から
燃料蒸気が漏出するときには内圧Pが直線的に速く上昇
する。第4は、第1基準値P2からの内圧Pの変化量
は、燃料蒸気が漏出するときの変化量が漏出しないとき
の変化量を上回るが、内圧Pがある値まで上昇して以降
は、燃料蒸気が漏出しないとき変化量が漏出するときの
変化量を上回るようになる。そして、この各特徴点を、
第2基準値P3及び圧力変化率ΔP2/ΔP3に置き換
え、この両値の組み合せによって、燃料蒸気が漏れてな
い状態と、漏れていない状態と、いずれとも判定できな
い状態とを判定する。
【0058】従って、S19で、マイコン30は、燃料
タンク22を含む診断流路の気密状態を改めて判定す
る。S19で、診断流路の気密状態が正常であると判定
したときには、S13でパージを再開させた後、S14
で異常フラグをリセットして本処理を終了する。
【0059】一方、S19で、診断流路の気密状態が異
常であると判定するか、または、判定を保留したときに
は、S20で異常フラグをセットして本処理を終了す
る。 (実施形態の効果)以上詳述した本実施形態によれば、
以下の効果を得ることができる。
【0060】(1) パージをしている状態で内圧Pを
検出し、この内圧Pの変化量ΔPから求めた2階差分積
算値ΣΔΔPが第1判定値α1を超えることをもって、
車両の走行状態に基づく燃料の油面揺れが、内圧Pの異
常な上昇を招く状態であることが判定される。そして、
車両の走行状態が内圧Pの異常な上昇を招かない状態で
あると判定されたときに初めてパージが中断され、負圧
の変動が内圧Pに影響しない状態で改めて車両の走行状
態に基づく燃料の油面揺れと、車両状況に応じた燃料温
度の異常な上昇とが判定される。この両条件が満たされ
たときに、診断流路を密封した状態での内圧Pの変動様
態から、診断流路の気密性が検査される。
【0061】従って、車両の走行状態が燃料タンク22
の燃料の激しい油面揺れを招くような状態であって、内
圧Pの変化様態から診断流路の気密状態を検査すること
が容易でないような状況で、異常診断が実行されないに
も拘らずパージが頻繁に中断されることがない。このた
め、パージを中断する時間を全体としてより短縮するこ
とができる。
【0062】(2) パージを中断した状態において、
車両の走行状態に基づく燃料の油面揺れに起因する内圧
Pの異常な変動がないと判定したことに加え、車両の状
況に基づく燃料温度の上昇に起因する内圧Pの異常な変
動がないと判定したことをもって、異常診断を行うこと
ができる車両状況であると判定される。このため、診断
流路の気密状態の診断結果の信頼性をより向上させ、誤
診断がより発生し難くすることができる。 (その他の実施形態)以下、上記実施形態以外の実施形
態を箇条書で記載する。
【0063】・ 上記実施形態の診断条件判定処理で、
内圧Pの異常な上昇を招く燃料の油面揺れを検知するた
めの検知量を、異なるサンプリング周期及び徐変量でサ
ンプリングした内圧Pの2つの検出値の差分値ΔPと
し、この差分値ΔPが判定値を超えたことをもって判定
する。
【0064】・ 上記実施形態の診断条件判定処理で、
内圧Pの異常な上昇を招く燃料の油面揺れを検知するた
めの検知量を、内圧Pの変化量ΔPから求めた2次差分
値ΔΔPとする。
【0065】・ 上記実施形態の診断処理で、診断流路
の気密状態を検査する方法は、上記実施形態に記載する
方法に限らない。 ・ 上記実施形態で、内圧検出手段を、ベーパ管11
上、差圧弁12、キャニスタ13、あるいは、パージ管
14におけるパージ量調節弁15よりもキャニスタ13
側の部分に設けた圧力センサとする。
【0066】・ 上記実施形態で、新気流路遮断手段
を、新気量調節弁17と別に新気導入管16上に設けた
電磁開閉弁とする。また、パージ流路遮断手段を、パー
ジ量調節弁15とは別にパージ管14上に設けた電磁開
閉弁とする。 (その他の技術思想)以下、前述した各実施形態から把
握される技術的思想をその効果とともに記載する。
【0067】(1) 請求項1または請求項2に記載の
発明において、前記診断流路を密封した状態での内圧の
計時的な変化様態を、前記蒸発燃料捕集装置から蒸発燃
料を放出させているときの内圧よりも低い値で予め設定
されている第1基準値(P2)に達してからの内圧の変
化量と、該第1基準値よりも高い値で予め設定されてい
る第2基準値(P3)に達してからの内圧の変化量との
比に基づいて把握することを特徴とする蒸発燃料パージ
装置の異常診断方法。このような構成によれば、診断流
路に漏出がない状態とある状態とを明確に判別すること
ができるので、診断流路の気密状態をより高精度に診断
することができる。
【0068】(2) 請求項3〜請求項5のいずれか一
項に記載の発明において、前記流路検査手段は、前記診
断流路を密封した状態での内圧の計時的な変化様態を、
前記蒸発燃料捕集装置から蒸発燃料を放出させていると
きの内圧よりも低い値で予め設定されている第1基準値
(P2)に達してからの内圧の変化量と、該第1基準値
よりも高い値で予め設定されている第2基準値(P3)
に達してからの内圧の変化量との比に基づいて把握する
ことを特徴とする蒸発燃料パージ装置の異常診断装置。
このような構成によれば、診断流路に漏出がない状態と
ある状態とを明確に判別することができるので、診断流
路の気密状態をより高精度に診断することができる。
【0069】
【発明の効果】請求項1〜請求項5に記載の発明によれ
ば、車両の走行状態が燃料の激しい油面揺れを招くよう
な状態であって、内圧の変化様態から診断流路の気密状
態を検査することが容易でないような状況で、異常診断
が実行されないにも拘らず蒸発燃料の放出が頻繁に中断
されことがない。このため、パージを中断する時間を全
体としてより短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の蒸発燃料パージ装置の異常診断
装置が行う診断条件判定処理のフローチャート。
【図2】 蒸発燃料パージ装置及び異常診断装置の概略
構成図。
【図3】 パージカットと2階差分積算値及び変化量の
判定時期との関係を示すタイムチャート。
【図4】 同じく従来におけるタイムチャート。
【符号の説明】
10…蒸発燃料パージ装置、11…ベーパ管、13…蒸
発燃料捕集装置としてのチャコールキャニスタ、14…
パージ流路としてのパージ管、15…パージ流路遮断手
段としてのパージ量調節弁、16…新気導入流路として
の新気導入管、17…新気流路遮断手段としての新気量
調節弁、19…電子制御装置、20…異常診断装置、2
1…内圧検出手段としての圧力センサ、22…燃料タン
ク、30…内圧制御手段を構成する検知量取得手段、流
路検査手段及び燃料温度上昇検知手段としてのマイクロ
コンピュータ、31…内圧制御手段を構成する駆動回
路、P…内圧、ΔP…変化量、ΔΔP…2階差分値、Σ
ΔΔP…検知量としての2階差分積算値。
フロントページの続き (72)発明者 花井 修一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 2G087 AA19 BB25 CC31 DD07 EE16 FF13 FF23 3G044 BA18 BA22 DA02 DA03 DA04 EA32 EA63 FA04 FA38 FA39

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパ
    流路を介して蒸発燃料捕集装置に捕集し、内燃機関の吸
    気系からパージ流路を介して負圧を蒸発燃料捕集装置に
    導入するとともに新気導入流路を介して新気を蒸発燃料
    捕集装置に導入することで該蒸発燃料捕集装置に捕集し
    た燃料蒸気を前記パージ流路を介して前記吸気系に放出
    する蒸発燃料パージ装置の異常診断方法において、 前記新気導入流路及びパージ流路を共に遮断することで
    前記燃料タンクを含んで密封される診断流路内の内圧を
    検出し、 燃料の液面揺れを検知するための検知量を、前記蒸発燃
    料捕集装置から燃料蒸気を放出している状態で検出する
    前記内圧の変化量から予め設定されている方法で求め、 予め設定されている第1判定値をこの検知量が超えたこ
    とをもって前記内圧を異常な様態で上昇させる燃料の液
    面揺れが発生したと判定し、 前記検知量が第1判定値を超えないときには、前記蒸発
    燃料捕集装置からの燃料蒸気の放出を停止した状態で検
    出する内圧の変化量から前記検知量を求め、 前記第1判定値よりも小さい値で予め設定されている第
    2判定値をこの検知量が超えたことをもって前記内圧を
    異常な様態で上昇させる燃料の液面揺れが発生したと改
    めて判定し、 前記検知量が第2判定値を超えないときに、前記診断流
    路を密封した状態での前記内圧の経時的な変化様態から
    該診断流路の気密状態を診断する蒸発燃料パージ装置の
    異常診断方法。
  2. 【請求項2】 前記蒸発燃料捕集装置からの蒸発燃料の
    放出を停止した状態で検出する内圧の経時的な変化様態
    に基づいて該内圧を異常な様態で上昇させる燃料温度の
    上昇が発生したか否かを判定し、 前記内圧を異常な様態で燃料の液面揺れが発生していな
    いと判定し、かつ、内圧を異常な様態で上昇させる燃料
    温度の上昇が発生していないと判定したときに前記診断
    流路を密封した状態での前記内圧の経時的な変化様態か
    ら該診断流路の気密状態を診断することを特徴とする請
    求項1に記載の蒸発燃料パージ装置の異常診断方法。
  3. 【請求項3】 燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパ
    流路を介して蒸発燃料捕集装置に捕集するとともに、内
    燃機関の吸気系からパージ流路を介して負圧を蒸発燃料
    捕集装置に導入し、新気導入流路を介して新気を蒸発燃
    料捕集装置に導入することで、蒸発燃料捕集装置に捕集
    した燃料蒸気をパージ流路を介して前記吸気系に放出す
    る蒸発燃料パージ装置の異常診断装置において、 前記新気導入流路を遮断可能な新気流路遮断手段と、 前記パージ流路を遮断可能なパージ流路遮断手段と、 前記新気流路開閉手段及びパージ流路開閉手段を制御す
    る流路制御手段と、 前記新気導入流路及びパージ流路が共に遮断されること
    で前記燃料タンクを含んで密封される診断流路内の内圧
    を検出する内圧検出手段と、 燃料の液面揺れを検知するための検知量を予め設定され
    ている方法で前記内圧の変化量から求める検知量取得手
    段と、 前記流路制御手段を制御し、前記新気導入流路及びパー
    ジ流路を共に遮断しない状態で検出された前記内圧の変
    化量から求めた前記検知量が予め設定されている第1判
    定値を超えたときに前記新気導入流路を遮断しない状態
    でパージ流路を遮断し、この状態で検出された内圧から
    求めた前記検知量が前記第1判定値よりも小さい値に予
    め設定されている第2判定値を超えたときに前記新気導
    入流路を遮断するとともにパージ流路を遮断しなくする
    ことで前記内圧を下げた後、新気導入流路を遮断したま
    までパージ流路を遮断して前記診断流路を密封する内圧
    制御手段と、 前記診断流路を密封した状態での前記内圧の変化様態か
    ら該診断流路の気密状態を検査する流路検査手段とを備
    えたことを特徴とする蒸発燃料パージ装置の異常診断装
    置。
  4. 【請求項4】 前記内圧制御手段が前記新気導入流路を
    遮断せずパージ流路を遮断している状態で検出された前
    記内圧の経時的な変化様態に基づいて燃料温度の過度の
    上昇を検知する燃料温度上昇検知手段を備え、 前記内圧制御手段は、前記新気導入流路を遮断せずパー
    ジ流路を遮断した状態で検出された内圧から求めた前記
    検知量が前記第2判定値を超えず、かつ、燃料温度の過
    度の上昇が検知されないときに前記新気導入流路を遮断
    するとともにパージ流路を遮断しなくして前記内圧を下
    げることを特徴とする請求項3に記載の蒸発燃料パージ
    装置の異常診断装置。
  5. 【請求項5】 前記検知量は、前記内圧の変化量から求
    めた2階差分値を積算した2階差分積算値であることを
    特徴とする請求項3または請求項4に記載の蒸発燃料パ
    ージ装置の異常診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017040191A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 三菱自動車エンジニアリング株式会社 蒸発燃料処理装置

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CN100356053C (zh) * 2003-05-21 2007-12-19 本田技研工业株式会社 蒸发燃料处理系统的故障诊断设备
JP2017040191A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 三菱自動車エンジニアリング株式会社 蒸発燃料処理装置

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