JP2002212334A - 高分子物質の破壊方法及び化学原料化法 - Google Patents

高分子物質の破壊方法及び化学原料化法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子化合物を有機化学工業の最終生成物とせ
ず、高分子化合物を工業原料として合成素材を生み出
し、有用な有機化合物を生産する、新たな循環型の有機
化学工業、いわばポリマーカスケード(高分子還流工業)
の構築する技術を提供すること。 【解決手段】高分子物質の分子鎖の一部又は全部を、不
活性ガス中で、窒素酸化物を用いて酸化分解反応させて
切断し、前記高分子物質を破壊することを特徴とする高
分子物質の破壊方法であり、前記窒素酸化物が二酸化窒
素及び/又は四酸化二窒素であり、前記不活性ガスが超
臨界二酸化炭素であること、高分子物質が、付加重合型
の高分子化合物、重付加型の高分子化合物、重縮合型の
高分子化合物、付加縮合型の高分子化合物又はこれらの
廃棄ポリマー若しくは石油高沸点留分から選ばれる少な
くとも1種であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人類の作りだした
合成高分子に対する破壊のプログラムを提供する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】生物は細胞の中でDNAを始め、たんぱく
質や糖類など種々の高分子化合物を次々と生産する。し
かし、それらの生産された高分子化合物はある程度使用
された後には破壊し、代謝する。つまり生物は、いわゆ
る破壊のプログラムを持っており、このような仕組みで
生命が維持されている。細胞の中でも破壊のプログラム
を持たないのが癌細胞であり、命の集合体としての地球
から見ると、20世紀の合成高分子化合物は破壊のプロ
グラムを持たない癌細胞のようなものとの見方もでき
る。
【0003】従って、本発明者は、人類の作りだした合
成高分子に対する破壊のプログラムを提供することこそ
が、21世紀における人類の持続可能な発展に資する上
で極めて重要なことであると考える。
【0004】本発明者が考える破壊のプログラムとは、
焼却や熱分解あるいは解重合と異なり、生物が行うもの
と同様、化学反応により分子鎖を切断するもので、切断
の程度により、完全分解はもとより、再利用可能な付加
価値の高い化合物を得ることも可能である。
【0005】ポリマーのリサイクル方法として、廃棄ポ
リマーの焼却により発生する熱を利用するサーマルリサ
イクル、廃棄ポリマーを再度成型して用いるマテリアル
リサイクル、廃棄ポリマーをモノマーや化学原料に変換
するケミカルリサイクルがあげられる。マテリアルリサ
イクルは形を変えてもう一度利用されるが、最終的には
廃棄されることになり、廃棄ポリマーの処理問題は解決
されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在の石油化学工業は
低級オレフィン、BTXなどの芳香族炭化水素、合成ガス
が原料となり、これらの小分子をつなぎ合わせて有機化
合物を製造している。中でも高分子化合物は最も大量に
生産されているが、小分子を非常にたくさんつなぎ合わ
せた高分子化合物は、合成の最終形態であり、利用した
後は廃棄の道をたどってきた。
【0007】本発明者は、高分子化合物を有機化学工業
の最終生成物とせず、高分子化合物を工業原料として合
成素材を生み出し、有用な有機化合物を生産する、新た
な循環型の有機化学工業、いわばポリマーカスケード
(高分子還流工業)の構築を最重要な課題と考えている。
【0008】高分子化合物を原料として利用するには、
その高分子鎖を思い通りに切断する手段を持たなくては
ならない。いわば、木工製品をつくるときの丸太や板を
切るノコギリであり、服を作るとき大きな生地を裁断す
るはさみが必要なのである。
【0009】近年廃棄ポリマーの処理法として、ケミカ
ルリサイクルが検討されているが、熱エネルギーを利用
したモノマー化や油化技術のみである。
【0010】特にポリエチレンやポリプロピレンのよう
な付加重合型の高分子化合物は、その化学的な安定性ゆ
えに反応性に乏しく、化学原料としての利用価値がない
と考えられ、燃料などへの利用あるいはマテリアルリサ
イクルしか考えられてこなかった。
【0011】しかるに高分子化合物の大半は、ポリエチ
レンやポリプロピレンのような付加重合型の高分子であ
り、このような高分子化合物を簡単に反応させる技術を
開発することが、循環型社会における化学工業の使命で
あると考える。
【0012】そこで、本発明の課題は、高分子化合物を
有機化学工業の最終生成物とせず、高分子化合物を工業
原料として合成素材を生み出し、有用な有機化合物を生
産する、新たな循環型の有機化学工業、いわばポリマー
カスケード(高分子還流工業)の構築する技術を提供する
ことにある。
【0013】また本発明の他の課題は、21世紀の循環
型社会に高分子化合物が調和できるようになるため、高
分子化合物およびそれらの廃棄物等を比較的穏やかな条
件で酸化分解し、付加価値の高い化合物を得る技術を提
供することにある。
【0014】また本発明の他の課題は以下の記載によっ
て明らかとなる。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1記載の発明は、高分子物質の分子鎖の一部又
は全部を、不活性ガス中で、窒素酸化物を用いて酸化分
解反応させて切断し、前記高分子物質を破壊することを
特徴とする高分子物質の破壊方法である。
【0016】請求項2に記載の発明は、前記窒素酸化物
が二酸化窒素及び/又は四酸化二窒素であり、前記不活
性ガスが超臨界二酸化炭素であることを特徴とする請求
項1記載の高分子物質の破壊方法である。
【0017】請求項3に記載の発明は、高分子物質が、
付加重合型の高分子化合物、重付加型の高分子化合物、
重縮合型の高分子化合物、付加縮合型の高分子化合物又
はこれらの廃棄ポリマー若しくは石油高沸点留分から選
ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
又は2記載の高分子物質の破壊方法である。
【0018】請求項4に記載の発明は、高分子物質の分
子鎖が、炭素-炭素結合を主鎖とするものであることを
特徴とする請求項1、2又は3記載の高分子物質の破壊
方法である。
【0019】請求項5に記載の発明は、高分子物質の分
子鎖の長さを、下記(1)〜(5)の少なくとも一つの
方法で制御することを特徴とする請求項1、2、3又は
4記載の高分子物質の破壊方法である。
【0020】(1)記高分子物質の量に対して窒素酸化
物の量を変える (2)反応温度を変える (3)不活性ガスで反応圧力を変える (4)反応時間を変える (5)添加剤を変える
【0021】請求項6に記載の発明は、酸化分解反応の
温度が、前記高分子物質の熱分解温度あるいは解重合温
度より低温であることを特徴とする請求項5記載の高分
子物質の破壊方法である。
【0022】請求項7に記載の発明は、下記一般式
[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]又は[7]で表され
る化合物を得ることを特徴とする請求項1〜6の何れか
に記載の高分子物質の破壊方法である。
【0023】一般式[1] HOOCRCOOH 一般式[2] HOOCRNO2 一般式[3] HOOCRNO 一般式[4] ONRNO 一般式[5] ONRNO2 一般式[6] O2NRNO2
【0024】〔式中、Rはゼロまたは1個あるいは複数
個の炭素鎖を表し、それらは枝分かれがあってもなくて
もよく、環状になっていてもよく、さらにそれらの間に
は不飽和結合があってもよい。またそれらの炭素鎖中の
水素原子はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、
シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリ
ールカルボニル基又はアリール基からなる置換基で置換
されていてもよい。これらの置換基は更に他の置換基で
置換されていてもよい。〕
【0025】一般式[7] RCOOH
【0026】〔式中、Rは水素原子または1個あるいは
複数個の炭素鎖を表し、それらは枝分かれがあってもな
くてもよく、環状になっていてもよく、さらにそれらの
間には不飽和結合があってもよい。またそれらの炭素鎖
中の水素原子はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド
基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カ
ルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、
アリールカルボニル基又はアリール基からなる置換基で
置換されていてもよい。これらの置換基は更に他の置換
基で置換されていてもよい。〕
【0027】上記課題を解決する請求項8に記載の発明
は、高分子物質の分子鎖の一部又は全部を、不活性ガス
中で、窒素酸化物を用いて酸化分解反応させて切断し、
中分子又は小分子からなる化学原料を得ることを特徴と
する化学原料化法である。
【0028】請求項9に記載の発明は、前記窒素酸化物
が二酸化窒素及び/又は四酸化二窒素であり、前記不活
性ガスが超臨界二酸化炭素中であることを特徴とする請
求項8記載の化学原料化法である。
【0029】請求項10に記載の発明は、高分子物質
が、付加重合型の高分子化合物又は廃棄ポリマーあるい
は石油高沸点留分から選ばれる少なくとも1種であるこ
とを特徴とする請求項8又は9記載の化学原料化法であ
る。
【0030】請求項11に記載の発明は、高分子物質の
分子鎖が、炭素-炭素結合を主鎖とするものであること
を特徴とする請求項8、9又は10記載の化学原料化法
である。
【0031】請求項12に記載の発明は、高分子物質の
分子鎖の長さを、下記(1)〜(5)の少なくとも一つ
の方法で制御して中分子又は小分子からなる化学原料を
得ることを特徴とする請求項8、9、10又は11記載
の化学原料化法である。
【0032】(1)高分子物質の量に対して窒素酸化物
の量を変える (2)反応温度を変える (3)不活性ガスで反応圧力を変える (4)反応時間を変える (5)添加剤を変える
【0033】請求項13に記載の発明は、酸化分解反応
の温度が、前記高分子物質の熱分解温度あるいは解重合
温度より低温であることを特徴とする請求項12記載の
化学原料化法である。
【0034】請求項14に記載の発明は、下記一般式
[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]又は[7]で表され
る化合物を得ることを特徴とする請求項8〜13の何れ
かに記載の化学原料化法である。
【0035】一般式[1] HOOCRCOOH 一般式[2] HOOCRNO2 一般式[3] HOOCRNO 一般式[4] ONRNO 一般式[5] ONRNO2 一般式[6] O2NRNO2
【0036】〔式中、Rはゼロまたは1個あるいは複数
個の炭素鎖を表し、それらは枝分かれがあってもなくて
もよく、環状になっていてもよく、さらにそれらの間に
は不飽和結合があってもよい。またそれらの炭素鎖中の
水素原子はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、
シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリ
ールカルボニル基又はアリール基からなる置換基で置換
されていてもよい。これらの置換基は更に他の置換基で
置換されていてもよい。〕
【0037】一般式[7] RCOOH
【0038】〔式中、Rは水素原子または1個あるいは
複数個の炭素鎖を表し、それらは枝分かれがあってもな
くてもよく、環状になっていてもよく、さらにそれらの
間には不飽和結合があってもよい。またそれらの炭素鎖
中の水素原子はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド
基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カ
ルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、
アリールカルボニル基又はアリール基からなる置換基で
置換されていてもよい。これらの置換基は更に他の置換
基で置換されていてもよい。〕
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0040】高分子物質の破壊方法 本発明において破壊の対象とする高分子物質としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、メ
タクリル酸樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、
ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリピロール、ポリ
チオフェン、ポリアセタール樹脂、アリル樹脂等の付加
重合型の高分子化合物、ポリウレタン、エポキシ樹脂等
の重付加型の高分子化合物、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド等の
重縮合型の高分子化合物、フェノール樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂等の付加縮合型の高分子化合物が含まれ、
更にそれらの2種またはそれ以上の共重合体でもよく、
または混合物でもよく、更に分子鎖が炭素-炭素結合を
主鎖とするものであれば架橋していてもよく、官能基が
ついていてもよい。
【0041】また本発明に係る高分子物質は上記高分子
化合物の廃棄ポリマーであってもよく、更に石油高沸点
留分や蒸留残渣、石炭なども含まれる。
【0042】本発明に係る高分子物質の破壊方法は、上
記の高分子物質の分子鎖の一部又は全部を、不活性ガス
中で、窒素酸化物を用いて酸化分解反応させて切断し、
前記高分子物質を破壊することを特徴とする。
【0043】不活性ガスとしては、二酸化炭素、窒素、
アルゴン、ヘリウム等が挙げられ、好ましくは二酸化炭
素であり、より好ましくは超臨界二酸化炭素である。
【0044】窒素酸化物としては、二酸化窒素、四酸化
二窒素、一酸化窒素、一酸化二窒素、三酸化二窒素等が
挙げられ、それらは単独で使用してもよいし、あるいは
組み合わせて使用してもよく、中でも好ましいのは二酸
化窒素及び/又は四酸化二窒素である。
【0045】超臨界二酸化炭素中で窒素酸化物として二
酸化窒素及び/又は四酸化二窒素が好ましい理由を以下
に詳述する。
【0046】四酸化二窒素が2分子の二酸化窒素に開裂
する反応(N24 =2NO2)は平衡反応であるが、四
酸化二窒素が開裂する時には二酸化窒素ラジカルが発生
する。この二酸化窒素ラジカルは極めて反応性に富む
が、超臨界二酸化炭素中では、ラジカルは二酸化炭素分
子に囲まれる、所謂ラジカルケージ(籠)のためにその
反応は非常に抑えられる。超臨界二酸化炭素中で二酸化
窒素を酸化剤としてプラスチックを酸化する場合、激し
い反応性をもつ二酸化窒素ラジカルはラジカルケージに
入り、反応性が抑えられると同時に、超臨界流体の特性
である高浸透性、高拡散性のために、ラジカルケージで
保護された二酸化窒素ラジカルはプラスチックの分子鎖
の奥深くに運ばれ、そこで二酸化炭素の保護がはずれ、
効率よく酸化反応が進行する。従って、固体のプラスチ
ックのような物質を超臨界二酸化炭素中で二酸化窒素を
用いた酸化反応を行なことは、激しい反応を抑制すると
同時に、効率よく酸化反応を進行させる反応系である。
【0047】本発明は、人類の作りだした合成高分子に
対する破壊のプログラムを提供するものであり、21世
紀における人類の持続可能な発展に資することが可能と
なる。
【0048】本発明における破壊のプログラムとは、焼
却や熱分解あるいは解重合と異なり、生物が行うものと
同様、化学反応により分子鎖を切断するもので、切断の
程度により、完全分解はもとより、再利用可能な付加価
値の高い化合物を得ることが可能となる。
【0049】即ち、本発明は、高分子化合物を有機化学
工業の最終生成物とせず、高分子化合物を工業原料とし
て合成素材を生み出し、有用な有機化合物を生産する、
新たな循環型の有機化学工業、いわばポリマーカスケー
ド(高分子還流工業)の構築する技術を提供するものであ
る。
【0050】本発明において、高分子物質を破壊するこ
とによって得られる化合物は、高分子化合物を工業原料
として合成素材を生み出し、有用な有機化合物を生産
し、新たな循環型の有機化学工業、いわばポリマーカス
ケード(高分子還流工業)の構築する観点から、高分子物
質の分子鎖を中分子又は小分子まで切断したものまで含
まれる。
【0051】本発明において、「中分子」というのは、
大分子の高分子物質を本発明の方法で破壊したときの破
壊率(FR)が0%<FR≦80%の範囲を意味し、ま
た「小分子」というのは大分子の高分子物質を本発明の
方法で破壊したときの破壊率(FR)が80%<FR≦
100%の範囲及び前記中分子の物質を更に破壊したと
きの破壊率(FR2)が20%≦FR2≦100%の範
囲を意味する。従って、本発明において、中分子及び小
分子という概念は分子量によって規定されるものでな
く、本発明の破壊方法を適用して分子量を少しでも低下
させた場合を含み、更に完全に分解して炭素鎖を1にし
た(炭酸ガスと水等に分解した場合)場合を含むもので
ある。
【0052】ここで得られる中分子又は小分子は、種々
の合成原料や製品として用途があり、高分子物質の分子
鎖の一部が切断されたものは、その切断部分が官能基化
されるので、元の高分子物質とは性質が異なり新たな用
途が考えられるとともに、その官能基を利用して種々の
反応を行えば、高分子物質の改質も可能である。
【0053】本発明の高分子物質の破壊方法において
は、高分子物質の分子鎖の長さを、前記高分子物質の
量に対して窒素酸化物の量を変える、反応温度を変え
る、不活性ガスで反応圧力を変える、反応時間を変
える、添加剤を変えるなどの方法で制御することが好
ましい。
【0054】例えば、の前記高分子物質の量に対して
窒素酸化物の量を変える方法による制御を説明すると、
窒素酸化物が炭素鎖を密に攻撃すると生成物の炭素鎖長
は短くなり、粗に攻撃すると生成物の炭素鎖長は長くな
るので、窒素酸化物の量を制御することで望みの炭素鎖
長範囲の生成物を得ることができる。
【0055】次に、の反応温度を変える方法による制
御の場合、酸化分解反応の温度が前記高分子物質の熱分
解温度あるいは解重合温度より低温であることが好まし
い。
【0056】熱分解温度あるいは解重合温度より低温で
あることは、エネルギーの節約になるばかりでなく、反
応温度が高すぎると生成物が小さくなり過ぎて、生成物
の付加価値が高くなりにくい。反応温度を低くすると、
生成物の炭素鎖長が長くすることができるばかりでな
く、反応性の高い酸化反応の中間体を得ることも可能で
ある。
【0057】次に、の不活性ガスで反応圧力を変える
方法による制御を説明すると、不活性ガスで反応圧力を
変えることにより、二酸化窒素と四酸化二窒素との平衡
を制御したり、爆発的なラジカル反応を抑制して穏やか
な反応を進行させるなどの制御ができる。そして酸化反
応の活性程度を制御することで、望みの炭素鎖長範囲の
生成物を得ることができる。
【0058】次に、の反応時間を変える方法による制
御を説明すると、逐次酸化が進行するので、反応時間に
より生成物の炭素鎖の長さが制御できる。
【0059】次に、の添加剤を変える方法による制御
を説明すると、金属酸化物などの触媒や、有機化合物の
添加剤を加えることで、反応を加速したり抑制したりす
ることができ、生成物の炭素鎖長範囲を制御することが
できる。
【0060】本発明においては、上述した高分子物質の
破壊方法によって下記一般式[1]、[2]、[3]、[4]、
[5]、[6]又は[7]で表される化合物を得ることができ
る。
【0061】一般式[1] HOOCRCOOH 一般式[2] HOOCRNO2 一般式[3] HOOCRNO 一般式[4] ONRNO 一般式[5] ONRNO2 一般式[6] O2NRNO2
【0062】上記一般式中、Rはゼロまたは1個あるい
は複数個の炭素鎖を表す。Rで表される炭素鎖は枝分か
れがあってもなくてもよい。またRで表される炭素鎖は
環状になっていてもよい。さらにRで表される炭素鎖の
間には不飽和結合があってもよい。
【0063】また上記一般式中のRの中の水素原子はハ
ロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、
ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカル
ボニル基又はアリール基からなる置換基で置換されてい
てもよい。これらの置換基は更に他の置換基で置換され
ていてもよい。
【0064】一般式[7] RCOOH
【0065】上記式中、Rは水素原子または1個あるい
は複数個の炭素鎖を表し、それらは枝分かれがあっても
なくてもよく、環状になっていてもよく、さらにそれら
の間には不飽和結合があってもよい。またそれらの炭素
鎖中の水素原子はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ア
ミド基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、ホルミル基、アルキルカルボニ
ル基、アリールカルボニル基又はアリール基からなる置
換基で置換されていてもよい。これらの置換基は更に他
の置換基で置換されていてもよい。
【0066】上記一般式[1]、[2]、[3]、[4]、
[5]、[6]又は[7]で表される化合物の具体例として
は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、メチルコハク酸、2,4-ジメチ
ルグルタル酸、安息香酸、4-ニトロ安息香酸、テレフタ
ル酸などが挙げられる。
【0067】化学原料化法 本発明に係る化学原料化法は、高分子物質の分子鎖の一
部又は全部を、不活性ガス中で、窒素酸化物を用いて酸
化分解反応させて切断し、中分子又は小分子からなる化
学原料を得ることを特徴とする。
【0068】本発明において、中分子又は小分子の定義
は、前述の破壊方法で説明したものと同義であるので、
ここではその説明を省略する。
【0069】本発明に係る化学原料化法の好ましい態様
は、高分子物質の分子鎖の一部又は全部を、超臨界二酸
化炭素中で、酸化分解反応させて切断し、中分子又は小
分子からなる化学原料を得ることである。
【0070】原料となる高分子物質は、前記の破壊方法
で挙げたものと同様のものを用いることができる。
【0071】高分子物質の分子鎖の長さの制御に関して
も、前述の破壊方法で述べた方法と同様の方法を採用で
きる。
【0072】本発明に係る化学原料化法によって得られ
る化合物は、前記一般式[1]、[2]、[3]、[4]、
[5]、[6]又は[7]で表される化合物が挙げられ、これ
らの化合物が中分子又は小分子からなる化学原料とな
る。
【0073】本発明では、中分子又は小分子からなる化
学原料が得られることによって、高分子化合物を工業原
料として合成素材を生み出し、有用な有機化合物を生産
し、新たな循環型の有機化学工業、いわばポリマーカス
ケード(高分子還流工業)の構築を実現できる。
【0074】中分子又は小分子は、破壊方法でも述べた
が、種々の合成原料や製品として用途があり、高分子物
質の分子鎖の一部が切断されたものは、その切断部分が
官能基化されるので、元の高分子物質とは性質が異なり
新たな用途が考えられるとともに、その官能基を利用し
て種々の反応を行えば、高分子物質の改質も可能であ
る。
【0075】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する
が、本発明はかかる実施例によって何ら限定されるもの
ではない。
【0076】実施例1 50mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に板状
の架橋低密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素 3.2
gおよび液化二酸化炭素 16.3 gを加え、110℃に加熱す
ると、9.0 MPaとなる。混合物を 110 ℃で15時間反応
したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブ
を開けると半固体物質が 1.46 g 得られた。
【0077】この粗成生物はジアゾメタンでメチルエス
テルにした後、エチルベンゼンを内部標準としたガスク
ロマトグラフィーにより、コハク酸 0.19 g 、グルタル
酸 0.20 g 、アジピン酸 0.16 g 、ピメリン酸 0.12 g
、スベリン酸 0.08 g 、アゼライン酸 0.04 g 、セバ
シン酸 0.02 g を含むことを確認した。さらにクマリン
を内部標準としたメチルエステルの1H NMRにより、メチ
ルプロトンとメチレンプロトンの面積を比較すること
で、生成したジカルボン酸の平均鎖長を炭素 6.5個分と
見積もった。
【0078】実施例2 50mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に板状
の架橋低密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素 3.9
gおよび液化二酸化炭素 17.6 gを加え、110℃に加熱す
ると、12.1 MPaとなる。混合物を110 ℃で15時間反応
したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブ
を開けると半固体物質が 1.32 g 得られた。
【0079】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.26 g 、グルタル酸 0.24 g 、アジピ
ン酸 0.16 g 、ピメリン酸 0.08 g 、スベリン酸 0.02
g 、アゼライン酸 0.01 g 、セバシン酸 0.01 g を含む
ことを確認した。さらに1H NMRにより、生成したジカル
ボン酸の平均鎖長を炭素 5.8 個分と見積もった。
【0080】実施例3 50mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に板状
の架橋低密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素 2.5
gおよびアルゴン 10.7 gを加え、120 ℃に加熱する
と、13.3 MPaとなる。混合物を120 ℃で1時間反応した
のち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブを開
けると半固体物質が 1.53 g 得られた。
【0081】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.10 g 、グルタル酸 0.12 g 、アジピ
ン酸 0.10 g 、ピメリン酸 0.09 g 、スベリン酸 0.08
g 、アゼライン酸 0.06 g 、セバシン酸 0.05 g を含む
ことを確認した。さらに1H NMRにより、生成したジカル
ボン酸の平均鎖長を炭素 9.8 個分と見積もった。
【0082】実施例4 50mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に粒状
の低密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素 3.2 gお
よび液化二酸化炭素 20.2 gを加え、130 ℃に加熱する
と、15.0 MPaとなる。混合物を130 ℃で15時間反応し
たのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブを
開けると半固体物質が 1.27 g 得られた。
【0083】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.26 g 、グルタル酸 0.21 g 、アジピ
ン酸 0.12 g 、ピメリン酸 0.05 g 、スベリン酸 0.01
g 、アゼライン酸 0.01 g 、セバシン酸 0.01 g を含む
ことを確認した。さらに1H NMRにより、生成したジカル
ボン酸の平均鎖長を炭素 5.7 個分と見積もった。
【0084】実施例5 50mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に粒状
の低密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素 3.2 gお
よび液化二酸化炭素 19.8 gを加え、130 ℃に加熱する
と、15.0 MPaとなる。混合物を130 ℃で4時間反応した
のち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブを開
けると半固体物質が 1.66 g 得られた。
【0085】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.10 g 、グルタル酸 0.10 g 、アジピ
ン酸 0.07 g 、ピメリン酸 0.05 g 、スベリン酸 0.03
g 、アゼライン酸 0.01 g 、セバシン酸 0.01 g を含む
ことを確認した。さらに1H NMRにより、生成したジカル
ボン酸の平均鎖長を炭素 8.1 個分と見積もった。
【0086】実施例6 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に粒
状の直鎖低密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素
3.2 gおよび液化二酸化炭素 17.8 gを加え、130℃に加
熱すると、14.4 MPaとなる。混合物を130 ℃で15時間
反応したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレ
ーブを開けると半固体物質が 1.24 g 得られた。
【0087】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.18 g 、グルタル酸 0.16 g 、アジピ
ン酸 0.09 g 、ピメリン酸 0.04 g 、スベリン酸 0.01
g 、アゼライン酸 0.01 g 、セバシン酸 0.01 g を含む
ことを確認した。さらに1H NMRにより、生成したジカル
ボン酸の平均鎖長を炭素 6.1 個分と見積もった。
【0088】実施例7 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に粒
状の高密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素 3.2 g
および液化二酸化炭素 19.2 gを加え、120 ℃に加熱す
ると、13.9 MPaとなる。混合物を120 ℃で15時間反応
したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブ
を開けると半固体物質が 1.46 g 得られた。
【0089】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.25 g 、グルタル酸 0.21 g 、アジピ
ン酸 0.12 g 、ピメリン酸 0.06 g 、スベリン酸 0.01
g 、アゼライン酸 0.01 g 、セバシン酸 0.02 g を含む
ことを確認した。さらに1H NMRにより、生成したジカル
ボン酸の平均鎖長を炭素 6.5 個分と見積もった。
【0090】実施例8 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に粒
状の高密度ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素 3.2 g
および液化二酸化炭素 16.9 gを加え、130 ℃に加熱す
ると、13.7 MPaとなる。混合物を130 ℃で15時間反応
したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブ
を開けると半固体物質が 1.32 g 得られた。
【0091】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.25 g 、グルタル酸 0.20 g 、アジ
ピン酸 0.10 g 、ピメリン酸 0.04 g 、スベリン酸 0.0
1 g、アゼライン酸 0.01 g 、セバシン酸 0.02 g を含
むことを確認した。さらに1HNMRにより、生成したジカ
ルボン酸の平均鎖長を炭素 5.5 個分と見積もった。
【0092】実施例9 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に粒
状の高密度ポリエチレン試料 0.2 g、二酸化窒素 3.1 g
および液化二酸化炭素 19.4 gを加え、130 ℃に加熱す
ると、14.2 MPaとなる。同様にして、高密度ポリエチレ
ン試料 0.2 g、二酸化窒素 3.1 gおよび液化二酸化炭素
24.8 gを加え、130 ℃に加熱すると、17.2 MPaとな
る。混合物をそれぞれ130 ℃で1時間反応したのち、反
応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブを開けると半
固体物質がそれぞれ 0.20 g 及び 0.18 g得られた。1H
NMRにより、生成したジカルボン酸の平均鎖長はそれぞ
れ炭素 7.7個分及び炭素 9.1個分と見積もられた。
【0093】実施例10 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に粉
末状の超高分子量ポリエチレン試料 1.0 g、二酸化窒素
3.2 gおよび液化二酸化炭素 21.1 gを加え、140 ℃に
加熱すると、17.4 MPaとなる。混合物を140 ℃で15時
間反応したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートク
レーブを開けると半固体物質が 1.29 g得られた。
【0094】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.27 g 、グルタル酸 0.20 g 、アジピ
ン酸 0.09 g 、ピメリン酸 0.02 g 、アゼライン酸 0.0
1 g、セバシン酸 0.02 g を含むことを確認した。さら
1H NMRにより、生成したジカルボン酸の平均鎖長を炭
素 5.9 個分と見積もった。
【0095】実施例11 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に板
状の架橋ポリエチレン試料 0.2 g、二酸化窒素 1.76 g
および液化二酸化炭素 18.1 gを加え、63 ℃に加熱する
と、8.6 MPaとなる。混合物を63 ℃で1時間反応したの
ち、反応容器を冷却し常圧に戻し過剰の二酸化窒素を除
去する。得られた試料は板状の形状を保持し、1389, 13
00 cm-1にIR吸収が確認された。この得られた試料に
あらためて液化二酸化炭素 14.9 gを加え、140 ℃、9.6
MPaで1時間処理し、冷却後常圧に戻してから板状の試
料を取りだした。このものは1389, 1300 cm-1のIR吸
収が消え、1716, 1551 cm-1にIR吸収が現れ、カルボン
酸とともに酸化中間体のニトロソ基が炭素鎖中に導入さ
れた、中分子に該当することが確認できた。
【0096】実施例12 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に、
シンジオタクティックのポリプロピレン試料 0.2 g、二
酸化窒素 6.19 gおよび液化二酸化炭素 9.6 gを加え、1
40 ℃に加熱すると9.3 MPaとなる。混合物を140 ℃で1
時間反応したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオート
クレーブを開けると液状物質が生成していた。50 ml
のクロロホルムで抽出すると、0.27 gのクロロホルム可
溶物が得られた。クロロホルムに溶解しなかったものは
アセトンに溶解し、アセトン可溶物として 0.14 g得ら
れた。クロロホルム可溶物中にはメチルコハク酸および
syn-2,4-ジメチルグルタル酸が生成していて、anti-2,4
-ジメチルグルタル酸は生成していないことを確認し
た。アセトン可溶物は3000 cm-1付近および1715、1556
cm-1にIRの吸収をもつものである。
【0097】実施例13 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に発
泡スチロール試料 0.2g、二酸化窒素 1.98 gおよび液化
二酸化炭素 9.6 gを加え、140 ℃に加熱すると8.0 MPa
となる。混合物を140 ℃で1時間反応したのち、反応容
器を冷却し常圧に戻しオートクレーブを開けると淡黄色
物質が生成していた。クロロホルムを用いて反応容器か
ら生成物を取りだし、クロロホルム可溶物と不溶物とを
ろ過により分けた。クロロホルム可溶物は 0.03 gあ
り、1H NMRから安息香酸と4−ニトロ安息香酸が生成し
ていることがわかった。クロロホルム不溶物は1712 cm
-1および1520 cm-1付近、1350 cm-1付近にIR吸収があ
り、ポリスチレン鎖の切断およびベンゼン環へのニトロ
化が起こったことがわかった。
【0098】実施例14 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に板
状のポリエチレンテレフタレート試料 0.2 g、二酸化窒
素 1.93 gおよび液化二酸化炭素 12.1 gを加え、140 ℃
に加熱すると9.0 MPaとなる。混合物を140 ℃で1時間
反応したのち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレ
ーブを開けると白色物質が生成していた。このものは
0.17 gありIRからテレフタル酸であることがわかっ
た。
【0099】実施例15 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)に顆
粒状のポリ塩化ビニル試料 0.2 g、二酸化窒素 1.83 g
および液化二酸化炭素 11.8 gを加え、150 ℃に加熱す
ると9.0 MPaとなる。混合物を150 ℃で1時間反応した
のち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブを開
けると淡黄色物質が生成していた。クロロホルムを用い
て反応容器から生成物を取りだし、クロロホルム可溶物
と不溶物とをろ過により分けた。クロロホルム可溶物は
0.11 gあり、クロロホルム不溶物は 0.12 g得られた。
これらの物はいずれも3000 cm-1付近および 1719、1569
cm -1にIRの吸収をもつものである。
【0100】実施例16 50 mlのステンレス製オートクレーブ(加圧容器)にパ
ラフィンワックス試料1.0 g、二酸化窒素 3.2 gおよび
液化二酸化炭素 19.8 gを加え、130 ℃に加熱すると、1
5.6 MPaとなる。混合物を130 ℃で15時間反応したの
ち、反応容器を冷却し常圧に戻しオートクレーブを開け
ると半固体物質が 1.47 g 得られた。
【0101】この粗成生物はガスクロマトグラフィーに
より、コハク酸 0.22 g 、グルタル酸 0.16 g 、アジピ
ン酸 0.07 g 、ピメリン酸 0.02 g 、アゼライン酸 0.0
1 g、セバシン酸 0.01 g を含むことを確認した。さら
1H NMRにより、生成したジカルボン酸の平均鎖長を炭
素 6.0 個分と見積もった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 55/12 C07C 55/12 55/14 55/14 55/16 55/16 55/18 55/18 55/20 55/20

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子物質の分子鎖の一部又は全部を、不
    活性ガス中で、窒素酸化物を用いて酸化分解反応させて
    切断し、前記高分子物質を破壊することを特徴とする高
    分子物質の破壊方法。
  2. 【請求項2】前記窒素酸化物が二酸化窒素及び/又は四
    酸化二窒素であり、前記不活性ガスが超臨界二酸化炭素
    であることを特徴とする請求項1記載の高分子物質の破
    壊方法。
  3. 【請求項3】高分子物質が、付加重合型の高分子化合
    物、重付加型の高分子化合物、重縮合型の高分子化合
    物、付加縮合型の高分子化合物又はこれらの廃棄ポリマ
    ー若しくは石油高沸点留分から選ばれる少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の高分子物
    質の破壊方法。
  4. 【請求項4】高分子物質の分子鎖が、炭素-炭素結合を
    主鎖とするものであることを特徴とする請求項1、2又
    は3記載の高分子物質の破壊方法。
  5. 【請求項5】高分子物質の分子鎖の長さを、下記(1)
    〜(5)の少なくとも一つの方法で制御することを特徴
    とする請求項1、2、3又は4記載の高分子物質の破壊
    方法。 (1)前記高分子物質の量に対して窒素酸化物の量を変
    える (2)反応温度を変える (3)不活性ガスで反応圧力を変える (4)反応時間を変える (5)添加剤を変える
  6. 【請求項6】酸化分解反応の温度が、前記高分子物質の
    熱分解温度あるいは解重合温度より低温であることを特
    徴とする請求項5記載の高分子物質の破壊方法。
  7. 【請求項7】下記一般式[1]、[2]、[3]、[4]、
    [5]、[6]又は[7]で表される化合物を得ることを特徴
    とする請求項1〜6の何れかに記載の高分子物質の破壊
    方法。 一般式[1] HOOCRCOOH 一般式[2] HOOCRNO2 一般式[3] HOOCRNO 一般式[4] ONRNO 一般式[5] ONRNO2 一般式[6] O2NRNO2 〔式中、Rはゼロまたは1個あるいは複数個の炭素鎖を
    表し、それらは枝分かれがあってもなくてもよく、環状
    になっていてもよく、さらにそれらの間には不飽和結合
    があってもよい。またそれらの炭素鎖中の水素原子はハ
    ロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ
    基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、
    ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カルボキシル基、
    アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
    基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカル
    ボニル基又はアリール基からなる置換基で置換されてい
    てもよい。これらの置換基は更に他の置換基で置換され
    ていてもよい。〕 一般式[7] RCOOH 〔式中、Rは水素原子または1個あるいは複数個の炭素
    鎖を表し、それらは枝分かれがあってもなくてもよく、
    環状になっていてもよく、さらにそれらの間には不飽和
    結合があってもよい。またそれらの炭素鎖中の水素原子
    はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ
    基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカ
    ルボニル基又はアリール基からなる置換基で置換されて
    いてもよい。これらの置換基は更に他の置換基で置換さ
    れていてもよい。〕
  8. 【請求項8】高分子物質の分子鎖の一部又は全部を、不
    活性ガス中で、窒素酸化物を用いて酸化分解反応させて
    切断し、中分子又は小分子からなる化学原料を得ること
    を特徴とする化学原料化法。
  9. 【請求項9】前記窒素酸化物が二酸化窒素及び/又は四
    酸化二窒素であり、前記不活性ガスが超臨界二酸化炭素
    中であることを特徴とする請求項8記載の化学原料化
    法。
  10. 【請求項10】高分子物質が、付加重合型の高分子化合
    物又は廃棄ポリマーあるいは石油高沸点留分から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項8又は
    9記載の化学原料化法。
  11. 【請求項11】高分子物質の分子鎖が、炭素-炭素結合
    を主鎖とするものであることを特徴とする請求項8、9
    又は10記載の化学原料化法。
  12. 【請求項12】高分子物質の分子鎖の長さを、下記
    (1)〜(5)の少なくとも一つの方法で制御して中分
    子又は小分子からなる化学原料を得ることを特徴とする
    請求項8、9、10又は11記載の化学原料化法。 (1)前記高分子物質の量に対して窒素酸化物の量を変
    える (2)反応温度を変える (3)不活性ガスで反応圧力を変える (4)反応時間を変える (5)添加剤を変える
  13. 【請求項13】酸化分解反応の温度が、前記高分子物質
    の熱分解温度あるいは解重合温度より低温であることを
    特徴とする請求項12記載の化学原料化法。
  14. 【請求項14】下記一般式[1]、[2]、[3]、[4]、
    [5]、[6]又は[7]で表される化合物を得ることを特徴
    とする請求項8〜13の何れかに記載の化学原料化法。 一般式[1] HOOCRCOOH 一般式[2] HOOCRNO2 一般式[3] HOOCRNO 一般式[4] ONRNO 一般式[5] ONRNO2 一般式[6] O2NRNO2 〔式中、Rはゼロまたは1個あるいは複数個の炭素鎖を
    表し、それらは枝分かれがあってもなくてもよく、環状
    になっていてもよく、さらにそれらの間には不飽和結合
    があってもよい。またそれらの炭素鎖中の水素原子はハ
    ロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ
    基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、
    ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カルボキシル基、
    アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
    基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカル
    ボニル基又はアリール基からなる置換基で置換されてい
    てもよい。これらの置換基は更に他の置換基で置換され
    ていてもよい。〕 一般式[7] RCOOH 〔式中、Rは水素原子または1個あるいは複数個の炭素
    鎖を表し、それらは枝分かれがあってもなくてもよく、
    環状になっていてもよく、さらにそれらの間には不飽和
    結合があってもよい。またそれらの炭素鎖中の水素原子
    はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ
    基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカ
    ルボニル基又はアリール基からなる置換基で置換されて
    いてもよい。これらの置換基は更に他の置換基で置換さ
    れていてもよい。〕
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