JP2002212300A - 親媒性処理中空微粒子およびその製造方法、ならびに該中空微粒子含有組成物およびそれを使用した処理物品 - Google Patents

親媒性処理中空微粒子およびその製造方法、ならびに該中空微粒子含有組成物およびそれを使用した処理物品

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JP2002212300A
JP2002212300A JP2001011717A JP2001011717A JP2002212300A JP 2002212300 A JP2002212300 A JP 2002212300A JP 2001011717 A JP2001011717 A JP 2001011717A JP 2001011717 A JP2001011717 A JP 2001011717A JP 2002212300 A JP2002212300 A JP 2002212300A
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hollow fine
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amphiphilic
heat
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Michiei Nakamura
道衛 中村
Yoshihiko Iijima
義彦 飯島
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であることから飛散が激しく、取り扱い
が困難であった中空微粒子の飛散を防止すると共に、従
来の引火性の液状有機物質を使用することによる中空微
粒子の処理、加工等の製造所、 製造や管理上の問題、
処理品の貯蔵所などの火災の危険性に対する問題、経済
性の問題等および液状有機物質で湿潤させることによる
保存中のブロッキングや、容器や作業中の汚染などの問
題を解決した親媒性処理中空微粒子を提供すること。 【解決手段】 中空微粒子の表面が親媒性を有する常温
で固体の熱溶融性有機物質で被覆処理されたことを特徴
とする親媒性処理中空微粒子およびその製造方法、なら
びに該中空微粒子を含む組成物、それを使用した物品お
よびそれで処理された物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親媒性処理中空微
粒子およびその製造方法、ならびに該中空微粒子を含む
組成物およびそれを使用した処理物品、更に詳しくは内
添、塗布あるいは含浸等の公知の方法で物品を処理する
用途に使用される中空微粒子含有組成物およびそれを用
いた内添、塗布あるいは含浸等の処理物品に関する。
【0002】
【従来の技術】中空微粒子は密度が非常に低く、軽量で
あることから充填材として軽量成形物の製造に、また、
外殻が高気密性の中空球状体で弾性が高いことからクッ
ション性保護材などの製造に使用され、更には熱膨張性
を利用して機能性あるいはデザインとしての凸状の印刷
物や捺染物等の製造に使用されている。しかし、中空微
粒子は軽量であるために飛散が激しく、取り扱いが困難
であり、また、配合される媒体への濡れが悪く、加工に
際して分散媒体中に混入、湿潤、分散させることが困難
であった。それらの問題点を解決するための飛散防止の
手段として、例えば、特開平4−71664号公報では
中空微粉体に液状物質をエアレススプレーで噴霧して湿
潤させる方法や特開平4−178442号公報では中空
微粒子を液状有機化合物中に分散したスラリーを加熱し
て膨張させる方法などが提案されている。
【0003】しかしながら、これらの中空微粉体を分
散、 湿潤処理している常温で液状の有機化合物として
使用されている有機溶剤、モノマー、可塑剤、油脂など
は、引火性液体であり、資材としての液状有機物質の貯
蔵、中空微粒子を処理、加工するための製造所、 液状
有機物質で湿潤させた中空微粉体製品の貯蔵所において
は火災の危険性に対し消防法の規定に則り充分注意して
管理しなければならない。また、 中空微粉体の表面を
湿潤している有機物質が常温で液状であるため、中空微
粒子は保存中にブロッキングしたり、 中空微粒子の製
造中に容器や袋などが液体で汚れ、 取り扱いにくいこ
とがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のごとき引火性液状有機物質による中空微粒子の処理、
加工などの製造所、 製造や管理、処理品の貯蔵所など
の防火上の問題、経済性の問題など、および液状有機物
質で表面を湿潤させることによる保存中のブロッキング
や、湿潤処理における容器や作業場などの汚染などの問
題が解決された親媒性処理中空微粒子を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記欠点
や問題点を克服するために、種々検討を行った結果、中
空微粒子の表面を親媒性を有する常温で固体の有機物質
で被覆することにより、上記の問題点が解決されると共
に従来の未処理の中空微粒子の欠点も解決できることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、中空微粒子の表面
が、親媒性を有する常温で固体の熱溶融性有機物質で被
覆処理されたことを特徴とする親媒性処理中空微粒子お
よびその製造方法ならびに該中空微粒子を含む組成物、
それを使用してなる物品およびそれで処理された物品で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によれば中空微粒子の表面
を、親媒性を有する常温で固体の熱溶融性有機物質で被
覆処理することによって、従来の提案である引火性の液
状有機物質を使用することによる製造中や貯蔵中などに
おける火災の危険性にからむ管理上の問題や経済性の問
題、また液状であることに起因する保存中のブロッキン
グ現象や親媒性処理中空微粒子製造中の容器や作業場の
汚染などを解決して、所期の目的の中空微粒子の有する
飛散性、取り扱いの困難さ、分散媒体中への湿潤、分散
性などの欠点を改良することができる。
【0008】本発明で使用される中空微粒子としては、
未膨張の熱膨張性中空微粒子、それを加熱膨張させた熱
膨張中空微粒子のほか、非熱膨張性の中空微粒子など従
来公知の中空微粒子がいずれも使用され、特に限定され
ない。熱膨張性中空微粒子としては、例えば、特許第1
209016号、特開昭49−32966号公報、特開
昭50−53111号公報および特公昭53−4544
0号公報、米国特許第3615972号明細書などにお
いて公知のものが挙げられる。中空微粒子の外殻を構成
する素材は、特に限定されないが、中空微粒子の製造上
プラスチック(熱可塑性樹脂)や熱硬化性樹脂などの重
合体が好ましい。非熱膨張性の中空微粒子としては、例
えば、外殻の構成素材がメラミン樹脂、フェノール樹脂
やポリスチレン、炭素などである中空微粒子が挙げられ
る。
【0009】本発明で使用される親媒性を有する常温で
固体の熱溶融性有機物質は、常温で固体であり、融点な
いし溶融温度が常温以上で、中空微粒子の外殻有機物質
が破裂または分解する温度以下の温度範囲にある有機物
質である。特に中空微粒子が熱膨張性中空微粒子の場合
には、中空微粒子の熱膨張する温度では、上記の熱溶融
性有機物質は溶融状態であることが望ましいことから、
その融点ないし溶融温度が、熱膨張性中空微粒子の熱膨
張温度以下である有機物質である。中空微粒子の熱膨張
温度は、外殻重合体の構成モノマーの種類、 組成など
に起因する軟化温度により決まり、 重合体によりそれ
ぞれ約5℃くらいの温度幅あるが、 使用されている
熱膨張性中空微粒子の上限と下限では、例えば70℃〜
180℃位の温度である。 従って、常温で固体の熱溶
融性有機物質としては、凡そ40℃以上、180℃以
下、好ましくは凡そ40℃以上、150℃以下の融点な
いし溶融温度を有する有機物質が使用される。
【0010】上記の親媒性を有する常温で固体の熱溶融
性有機物質としては、例えば、常温で固体の重合体オリ
ゴマー類、加工レジン類、ワックス類、油脂類、脂肪酸
グリセライド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル
類、脂肪族エーテル類、芳香族エーテル類、脂肪族アミ
ド類、芳香族アミド類、脂肪族カルボン酸類、脂環式カ
ルボン酸類、脂肪族アルコール類などからなる群から選
ばれた少なくとも1種類の有機物質が挙げられる。それ
らの例を具体的に示すと、ポリエチレングリコールオリ
ゴマー、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリ
コールブロックコポリマーオリゴマー、エチレングリコ
ール−プロピレングリコールランダムコポリマーオリゴ
マー、ポリエチレンオリゴマー、ポリプロピレンオリゴ
マー、エチレン−プロピレンコポリマーオリゴマー、ビ
スフェノールA系エポキシ樹脂オリゴマーなどの重合体
オリゴマー類;ロジンエステル、水添ロジンエステルな
どの加工レジン類;カルナウバワックス、シェラックワ
ックス、モンタンワックス、パラフィンワックスなどの
ワックス類;木蝋、牛脂、硬化ひまし油などの油脂類;
トリパルミチン酸グリセライド、トリステアリン酸グリ
セライド、トリベヘニン酸グリセライドなどの脂肪酸グ
リセライド類;
【0011】パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチ
ル、ベヘニン酸メチル、ステアリン酸ステアリル、ベヘ
ニン酸ベヘニル、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエ
チレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコ
ールモノベヘネートなどの脂肪族エステル類;ジベンジ
ルフタレート、シクロヘキシルベンジルフタレート、ジ
ベヘニルフタレートなどの芳香族エステル類;ポリエチ
レングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレング
リコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコール
モノステアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
ベヘニルエーテルなどの脂肪族エーテル類;ポリエチレ
ングリコールモノノニルフェニルエーテル、ポリエチレ
ングリコールモノオクチルフェニルエーテルなどの芳香
族エーテル類;
【0012】エチレン−ジパルミチルアミド、エチレン
−ジステアリルアミド、エチレン−ジ12−ヒドロキシ
ステアリルアミドなどの脂肪族アミド類;ジパルミチル
フタルアミド、ジステアリルフタルアミド、ジ12−ヒ
ドロキシステアリルフタルアミドなどの芳香族アミド
類;パルミチン酸、ステアリン酸、12―ヒドロキシス
テアリン酸、ベヘニン酸などの脂肪族カルボン酸類;ア
ビエチン酸などの脂環式カルボン酸類;パルミチルアル
コール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールな
どの脂肪族アルコール類などが挙げられる。これらは1
種または2種以上を組み合わせて使用される。
【0013】上記した中空微粒子とそれを被覆処理する
親媒性を有する常温で固体の熱溶融性有機物質との比率
は、一概に規定出来るものではないが、中空微粒子の表
面を被覆処理し親媒性を付与する目的から好ましい重量
比率は、 中空微粒子の吸油量を測定することで目安を
決め、 それに対する比率で決めることが出来る。好ま
しい重量比率としては、中空微粒子1重量部に対して熱
溶融性有機物質は凡そ0.5〜30重量部、 好ましく
は1〜10重量部の割合である。熱溶融性有機物質を多
く使用すると飛散性、取り扱いの困難さ、分散媒体中へ
の湿潤、分散性などは改良出来るが、必要以上に加えて
も効果はそれほど向上しない。
【0014】中空微粒子を親媒性処理する方法として
は、例えば、中空微粒子と親媒性を有する融点ないし溶
融温度が常温以上の熱溶融性有機物質とを混合し、つい
で加熱することによって該有機物質を溶融させ、中空微
粒子の表面を該有機物質で被覆する方法が挙げられる。
この親媒性処理する方法において、中空微粒子として熱
膨張性中空微粒子を使用した場合には、加熱することに
よって該有機物質を溶融させると共に熱膨張性中空微粒
子を加熱膨張させ、親媒性処理された熱膨張中空微粒子
とすることが出来る。
【0015】中空微粒子と固体の熱溶融性有機物質との
混合は、従来公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー
あるいはタンブラーなどを用いて行うことが出来る。そ
の際、固体の熱溶融性有機物質を微粉末状で使用する場
合と加熱溶融したものを使用する場合とがある。微粉末
状で使用する場合は、例えば、ヘンシェルミキサー、ハ
イスピードミキサー等の高速攪拌混合機、タンブラーな
どの回転式混合機、スクリューブレンダーなどの混合機
を用いて中空微粒子と有機物質微粉末を粉体混合した
後、加熱することで熱溶融性有機物質を溶融させ、中空
微粒子表面を被覆処理する。この際、前述のごとく中空
微粒子が熱膨張性中空微粒子の場合には、これを加熱膨
張させることにより、親媒性処理された熱膨張中空微粒
子とすることが出来る。一方、加熱溶融したものを使用
する場合には、同様にヘンシェルミキサー、ハイスピー
ドミキサーなどの高速攪拌混合機、タンブラーなどの回
転式混合機、スクリューブレンダーなどの混合機を用い
て中空微粒子を攪拌しつつ、該有機物質の溶融液を任意
の手段で噴霧することにより中空微粒子の表面を被覆処
理することが出来る。この際、中空微粒子が熱膨張性中
空微粒子の場合には、親媒性処理された熱膨張中空微粒
子とすることが出来る。
【0016】なお、上記の中空微粒子を親媒性処理する
に際しては、熱溶融性有機物質に色素を添加して親媒性
処理着色中空微粒子とすることが出来る。色素としては
通常の有機染・顔料が使用される。具体的には、例えば
アゾ系染・顔料、アントラキノン系染・顔料、フタロシ
アニン系染・顔料、キナクリドン系染・顔料、ペリレン
系染・顔料、アゾメチン系染・顔料、ピロール系染・顔
料、カーボンブラック顔料、 酸化チタン系顔料、 酸化
鉄系顔料、複合酸化物顔料、群青、 紺青などの油溶性
染料、分散性染料、有機顔料、無機顔料などが挙げられ
る。これらの色素は、上記した常温で固体の重合体オリ
ゴマー類、加工レジン類、ワックス類、油脂類、脂肪酸
グリセライド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル
類、脂肪族アミド類、芳香族アミド類、脂肪族カルボン
酸類、脂環式カルボン酸類、脂肪族アルコール類などと
予め混合して使用することができる。また、本発明に使
用される親媒性を有する常温で固体の有機物質は、常温
で固体状である範囲において、それに常温で液状の有機
物質を添加して使用することは本発明の達成を妨げな
い。
【0017】本発明の常温で固体の有機物質で被覆され
た親媒性処理中空微粒子は、使用に際しては、その使用
目的に応じた媒体に分散させた組成物として使用される
が、本発明においては媒体は特に限定されるものではな
い。本発明の親媒性処理中空微粒子と媒体とからなる組
成物は、該中空微粒子を該組成物の用途に応じた媒体
に、その用途で従来から実施されている方法で混合及び
分散させることによって製造されるが、製造方法は特に
限定されるものではない。親媒性処理中空微粒子は、被
覆の常温で固体の有機物質の媒体への溶解性によって、
そのまま媒体に分散させて使用するか、該有機物質を媒
体中に溶解させて使用するか、 媒体を該有機物質の溶
融温度以上に加温して該有機物質を媒体中に溶融、 溶
解させて使用するが、使用の態様は特に限定されない。
【0018】媒体としては、例えば、親媒性処理中空微
粒子をエラストマーやプラスチックなどに配合する場合
には、エラストマーやプラスチックなどが、塗料に配合
する場合にはバインダーの溶液や分散液が、印刷インキ
に配合する場合にはビヒクルなどが挙げられる。組成物
中の親媒性処理中空微粒子の含有割合は、組成物の用途
によって異なり、一概に規定することはできず、特に限
定されないが、例えば、組成物中に1〜5重量%程度で
含有される。又、本発明の組成物には、媒体以外にも、
それぞれの用途で従来から使用されている着色剤、分散
剤、粘度調整剤、防黴剤、酸化防止剤などの各種添加剤
を含有させることができる。
【0019】本発明の常温で固体の有機物質で被覆され
た親媒性処理中空微粒子を含む組成物は、エラストマー
やプラスチックの従来公知の成形方法や、塗布あるいは
含浸等の公知の処理方法で各種物品の製造に使用され
る。例えば、本発明の組成物は、該中空微粒子を軽量充
填剤として含む成形材、クッション性塗装、熱膨張性を
利用した印刷や捺染等の用途に使用され、軽量成形物、
自動車のシャーシーに塗布されたクッション性衝撃保護
材、衝撃保護包装材料、発泡印刷物、発泡プリントなど
の中空微粒子処理物品が得られる。
【0020】本発明の中空微粒子は、表面が親媒性を有
する常温で固体の有機物質で被覆されていることから、
従来の液状有機物質で表面が湿潤された中空微粒子に比
して保存中のブロッキング現象や該中空微粒子の製造中
の容器や作業場の汚染などの問題はなく、また液状有機
物質の使用に伴う貯蔵上および製造管理上の問題や、経
済上の問題も解消され、製造が容易で、使用に際しても
取り扱い性に優れた中空微粒子である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお実施例中、部及び%とあるのは重量部であ
る。
【0022】実施例1 ポリエチレングリコールのロウ状固体(融点:43〜4
6℃、平均分子量:1300〜1600)200部を加
熱装置及び攪拌機を備えた容器に仕込んだ。80℃に加
熱溶融しておき、攪拌しながら熱膨張性中空微粒子微粉
末(粒子径:10〜20μm、比重:1.05、発泡倍
率:10倍、外殻重合体:アクリロニトリル系共重合
体、内包溶剤:ペンタン)100部を添加し、充分に混
合した。更に、別に160℃に加熱した上記のポリエチ
レングリコール300部を添加し、攪拌した。次いで、
得られた混合物をステンレス製バットに入れ、150℃
の送風乾燥機中で加熱し、中空微粒子を熱膨張させた。
得られた親媒性処理された熱膨張中空微粒子を取り出し
て冷却した。表面被覆された中空微粒子は飛散などのト
ラブルはなかった。
【0023】実施例2 加熱装置及び攪拌機を備えた容器に融点の異なる二種類
のポリエチレングリコール、すなわち、融点が48〜5
4℃のポリエチレングリコール(平均分子量:1900
〜2100)160部及び融点が4〜8℃のポリエチレ
ングリコール(平均分子量:380〜420)50部を
仕込み、80℃に加熱して溶融し、混合した。このポリ
エチレングリコール混合物は冷却すると常温では固体状
になり、融点は43〜46℃を示した。実施例1と同様
にして、そこへ実施例1で使用した熱膨張性中空微粒子
微粉末100部を添加し、充分に混合した。更に、別に
160℃に加熱した上記のポリエチレングリコール20
0部を添加し、 攪拌した。次いで、得られた混合物を
ステンレス製バットに入れ、150℃の送風乾燥機中で
加熱し、中空微粒子を熱膨張させた。得られた親媒性処
理された熱膨張中空微粒子を取り出して冷却した。表面
被覆された中空微粒子は飛散などのトラブルはなかっ
た。
【0024】実施例3 加熱装置及び攪拌機を備えた容器にビスフェノールA系
エポキシ樹脂オリゴマーの微粉末(融点:64〜76
℃、平均分子量:凡そ900)400部及びポリエチレ
ングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレ
ングリコールブロックコポリマーオリゴマー(融点:4
2℃、平均分子量:6350、ポリプロピレングリコー
ル鎖の平均分子量:3250、ポリエチレングリコール
含有率:凡そ50%)200部を仕込み、加熱溶融して
混合した。加熱装置及び攪拌機を備えた容器に上記のオ
リゴマー混合物を200部を採り、 80℃に加熱し
た。実施例1と同様にして、そこへ実施例1で使用した
熱膨張性中空微粒子微粉末100部を添加し、充分に混
合した。更に、別に160℃に加熱した上記のオリゴマ
ー混合物400部を添加し、 攪拌した。次いで、得ら
れた混合物をステンレス製バットに入れ、150℃の送
風乾燥機中で加熱し、中空微粒子を熱膨張させた。得ら
れた親媒性処理された熱膨張中空微粒子を取り出して冷
却した。表面被覆された中空微粒子は飛散などのトラブ
ルはなかった。
【0025】実施例4 可塑剤(DOP)30部に実施例1で得られた表面被覆
された熱膨脹中空微粒子4部及び塩化ビニル樹脂用安定
剤、滑剤等からなる塩化ビニル樹脂添加剤16部を添
加、攪拌した。表面被覆された熱膨脹中空微粒子は、そ
の親媒性処理の効果により、可塑剤中に容易に分散し
た。更に、塩化ビニル樹脂50部を添加し、全体が均一
になるように充分に攪拌、混合した。得られた中空微粒
子を含む塩化ビニル樹脂塗料を塗装ガンにより自動車車
体の床裏面に塗布し、約140℃で30分焼付けを行
い、床裏面にクッション性衝撃保護性アンダーコート材
を塗布した。中空微粒子を含有するアンダーコート材の
塗布された自動車車体には耐チッピング性及び防錆性、
防音性等の性能の向上に効果が見られた。
【0026】実施例5、6 表面被覆された熱膨脹中空微粒子を実施例2及び3で得
られた表面被覆された熱膨脹中空微粒子にそれぞれ代え
る以外は実施例4と同様にして自動車車体の床裏面にア
ンダーコート材を塗布した。これらの場合も実施例4と
同様に自動車車体には耐チッピング性及び防錆性、防音
性等の性能の向上に効果が見られた。
【0027】
【発明の効果】以上の本発明によれば、飛散が防止され
ると共に、従来の引火性の液状有機物質で中空微粒子を
処理する際及び処理中空微粒子を加工する際等の火災の
危険性に対する問題、経済性の問題、更には液状有機物
質で湿潤させることによる保存中の中空微粒子のブロッ
キングや、作業中の容器や作業場の汚染などの問題が解
決された親媒性処理中空微粒子が提供される。本発明の
親媒性処理中空微粒子は、軽量充填材などとして各種成
形材、クッション性塗装、熱膨張性を利用した印刷や捺
染等の用途に使用され、軽量成形物、自動車のシャーシ
ーに塗布されたクッション性衝撃保護材、衝撃保護包装
材料、発泡印刷物、発泡プリント物などの製造に使用す
ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA11 AA18 AA34 AA41 AA44 AA45 AB09 AB10 AC36 AC38 AC40 AC43 AC47 AC71 AC75 AC84 AC87 AC94 AC96 AE30 DB03 DC02 DC03 DC13

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空微粒子の表面が、親媒性を有する常
    温で固体の熱溶融性有機物質で被覆処理されたことを特
    徴とする親媒性処理中空微粒子。
  2. 【請求項2】 中空微粒子が熱膨張性中空微粒子を加熱
    膨張させたものである請求項1に記載の親媒性処理中空
    微粒子。
  3. 【請求項3】 親媒性を有する常温で固体の熱溶融性有
    機物質が、融点ないし溶融温度(以下、融点と称する)
    が40℃以上、熱膨張性中空微粒子の熱膨張温度以下の
    有機物質である請求項1または2に記載の親媒性処理中
    空微粒子。
  4. 【請求項4】 常温で固体の熱溶融性有機物質が、重合
    体オリゴマー類、加工レジン類、ワックス類、油脂類、
    脂肪酸グリセライド類、脂肪族エステル類、芳香族エス
    テル類、脂肪族エーテル類、芳香族エーテル類、脂肪族
    アミド類、芳香族アミド類、脂肪族カルボン酸類、脂環
    式カルボン酸類および脂肪族アルコール類からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の有機物質である請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の親媒性処理中空微粒子。
  5. 【請求項5】 熱膨張性中空微粒子または中空微粒子と
    親媒性を有する融点が40℃以上の熱溶融性有機物質と
    を混合し、ついで加熱して該有機物質を溶融させ、中空
    微粒子の表面を該有機物質で被覆することを特徴とする
    親媒性処理中空微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱して該有機物質を溶融すると共に熱
    膨張性中空微粒子を加熱膨張させる請求項5に記載の親
    媒性処理中空微粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 内添、塗布あるいは含浸等などで使用さ
    れる媒体と請求項1〜4のいずれか1項に記載の親媒性
    処理中空微粒子、あるいは請求項5または6に記載の製
    造方法によって得られた親媒性処理中空微粒子とからな
    ることを特徴とする中空微粒子含有組成物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の中空微粒子含有組成物
    を使用してなることを特徴とする物品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法で得られた物品。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の中空微粒子含有組成
    物で物品を処理することを特徴とする物品の処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の方法で処理されて
    なる処理物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS50138058A (ja) * 1974-04-06 1975-11-04
JPH10501563A (ja) * 1994-06-07 1998-02-10 シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ 発泡性ビーズのための被覆組成物

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