JP2002212094A - コレステロール生成抑制剤及びその製造方法 - Google Patents

コレステロール生成抑制剤及びその製造方法

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JP2002212094A
JP2002212094A JP2001010316A JP2001010316A JP2002212094A JP 2002212094 A JP2002212094 A JP 2002212094A JP 2001010316 A JP2001010316 A JP 2001010316A JP 2001010316 A JP2001010316 A JP 2001010316A JP 2002212094 A JP2002212094 A JP 2002212094A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既に人体に対する安全性が確認されている材
料、すなわちアオサに由来する抽出物としてコレステロ
ールを抑制するコレステロール生成抑制剤およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 緑藻アオサからの抽出物を有効成分とし
て含むコレステロール生成抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、健康食品、健康飲
料、および医薬品として用いる緑藻アオサの抽出物を利
用したコレステロール生成抑制剤及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活の欧米化、即ち高脂肪食化
により血管のみならず、肝臓等への脂肪の蓄積が急激に
広がり、高脂血症、動脈硬化、脂肪肝等の成人疾病の原
因となっていることが問題視されている。この血栓等の
脂肪の蓄積の主要因はコレステロール由来といわれてお
り、近年、医薬品メーカーから様々な薬品が製品化され
ており、数千億円規模の市場となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コレステロー
ル低下効果を示す薬品の大部分は化学合成品からなり、
種々の副作用を伴うため、その使用にあたっては医者の
処方箋が必須となっている。
【0004】このような状況から、副作用を生じない、
より安全なコレステロール低下剤の開発が多方面から期
待されている。
【0005】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、従来から食料として使用され、既に人
体に対する安全性が確認されている材料、すなわちアオ
サに由来する抽出物としてコレステロールを抑制するコ
レステロール生成抑制剤、機能性食品(健康食品および
健康飲料)、医薬品、およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安全なコ
レステロール低下剤の検索として、食べられる安全な海
藻を起源とすることに着目し、種々の海藻類に関してコ
レステロール抑制効果の有無について鋭意研究した。そ
の結果、多数の海藻類のうちアオサ(Ulva属)の抽出物
にコレステロールの生成を抑制する働きがあることを見
出した。即ち、本発明はアオサからの抽出操作によって
濃縮された形態で有効成分を摂取できることに基づくも
のであり、アオサ抽出物を少量摂取することによってコ
レステロールを低下させる作用があることを見出したこ
とによる。
【0007】ここでいう「生成」とは、生体におけるコ
レステロールの合成と分解の総和、即ちバランスを意味
し、合成のみに限られるものではない。
【0008】上記の目的を達成するために、本発明は次
の特定事項を有する。
【0009】(1)緑藻アオサからの抽出物を含むコレ
ステロール生成抑制剤およびその製造方法。
【0010】(2)上記(1)記載のアオサ抽出におい
て有機溶媒または熱水にてアオサ成分を抽出するコレス
テロール生成抑制剤およびその製造方法。
【0011】(3)上記(1)記載のアオサ抽出物を含
む機能性食品、医薬組成物、およびその製造方法。
【0012】本発明のアオサ抽出物は、コレステロール
抑制効果を有する添加剤として、如何なる種類、また如
何なる形状の食品にも含ませることも可能である。該添
加物を添加することにより、様々な食品を健康食品、保
健食品、栄養強化食品等として使用することが可能にな
る。
【0013】本発明の食品は、アオサ抽出物を、該活性
化成分を含有しない食品(または少量含有する食品)に
補うことにより、本発明の食品を摂取した健康な対象に
おいて、コレステロール生成を抑制することによって健
康を恒常的に維持することに寄与する。例えば、生活習
慣病とされる高脂血症、動脈硬化、虚血性疾患等に関連
する疾患を食品として穏やかに予防し、それにより健康
の維持と体調の改善に寄与することが可能である。
【0014】また、例えば、高脂血症、動脈硬化、虚血
性疾患等に関連する疾患を罹患する対象が、本発明の食
品を摂取すれば、コレステロールの生成を抑制すること
により、医師若しくは獣医師により施される医療効果
や、民間療法での治療効果を補助することも可能であろ
う。本発明の食品には、アオサ抽出物を食品として相応
しい有効量で添加することが適切である。当業者に周知
のことであるように、前記罹患の対象に与える場合の本
発明は、該疾患に悪影響を与えない組成にする必要があ
る。
【0015】アオサ抽出物を添加することが可能な食品
には、豆類、麦類、米類、澱粉、小麦粉、砂糖、澱粉
糖、パン類、菓子類、麺類、食用油、乳製品(チーズ、
バター、アイスクリーム、乳酸菌製品等)、豆製品、園
芸加工品(ジャム、缶詰、乾燥果実、果実飲料等)、清
涼飲料、発酵食品類(酒類、食酢、ソース、味噌、醤
油、納豆、漬物等)、肉製品類(べーコン、ソーセー
ジ、ハム、缶詰類)、水産食品類、卵製品、各種冷凍食
品類、乾燥食品類、レトルト食品類、インスタント食品
類等が例に挙げられ、また、調味料類、酵素製品類等に
添加することも可能であるが、これらに限られるもので
はない。また、前記の食品への添加の方法は、当業者に
公知の如何なる方法によっても可能である。
【0016】本発明の医薬組成物は、その活性成分であ
るアオサ抽出物により、コレステロールの生成が抑制さ
れ、それによって生活習慣病とされる高脂血症、虚血性
疾患、動脈硬化等の疾患を予防および/または治療する
ことが可能である。また、本発明の医薬組成物は、アオ
サ抽出物と共に、治療および/または予防効果を有する
様々な他の活性成分を含むことも可能である。
【0017】本発明の医薬組成物は、アオサ抽出物を有
効量で含有し、例えば、単回投与量として約2mg/体
重kgから約200mg/体重kgの範囲内で含有する
ことが可能である。また、その投与は、1日当たりの投
与量を1回で投与することも可能であるし、または数回
に分割する方法で投与することも可能である。厳密な用
量は、投与様式、投与薬の剤形、治療する対象の症状お
よび体重等によって広範に変化し得るので、責任のある
医師若しくは獣医師の経験と選択によって決定される
が、過度の摂取が無い限り、副作用は少なく、民間療法
として適用可能であり、投与経路としては経口が好まし
い。
【0018】典型的な組成物は、薬学的に許容される担
体と組み合わせた、本発明の活性成分を含む。医薬組成
物の製造においては、該アオサ抽出物を、薬学的に使用
可能な賦形剤および補助剤を含む担体と含有することが
可能であり、それ自身公知の方法、例えば、慣用的な混
合、穎粒化、糖衣形成、溶解または凍結乾燥工程のよう
な方法で製造できる。例えば、該活性抽出物は、通常担
体と混合し、担体により希釈し、または担体内に封入す
ることができる。これらはアンプル、カプセル、紙また
はその他の容器中に加えることができる。希釈剤として
担体を用いるときは、その担体は、該活性抽出物のため
の媒体、賦形剤または媒介物となり得るような固体、半
固体または液体材料等が当てはまる。適切な担体とし
て、水、塩溶液、ポリエチレングリコール、アルコー
ル、ひまし油、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリ
ン酸マグネシウム、タルク、珪酸、脂肪酸モノグリセラ
イドおよびジグリセライド、ペンダエリスリトール脂肪
酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース並びにポリビ
ニルピロリジン等が挙げられるが、これらに制限される
ものではない。
【0019】薬学的製剤は、滅菌することができ、また
所望とあれば、本発明の活性抽出物と無害に混合できる
ものである限り、如何なる補助剤、浸透圧調整用塩、乳
化剤、緩衝液および/または着色剤等と共に混合するこ
とができる。経口剤に使用可能な薬学的製剤は、薬学的
に経口剤として許容される限り、粉末、顆粒、錠剤、カ
プセル、軟カプセル、糖衣錠、溶液、懸濁液、シロップ
等の如何なるものも可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付の図面等を参照して詳細に説明する。
【0021】本発明において「アオサ」とは、内湾等の
海に浮遊して自然界に存在するアオサ(Ulva)属に属す
る藻類の中で、例えば年間を通して安定に培養生産が可
能な不稔性アオサ(Ulva lactuca)を用いることができ
る。不稔性アオサは一部で食品として利用され、アオサ
の中でも安定に培養生産可能な品種である。本発明の事
例としては不稔性アオサMH1−ATRC−1株が挙げ
られるが、この株は工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託申請したが、「緑藻であるため」との理由により
受託を拒否されている。
【0022】本発明において使用する出発材料として用
いるアオサは生の藻体でもよく、乾燥した藻体でもよ
い。アオサから抽出する場合にはアオサ乾重量当り数〜
数10倍の熱水または有機溶媒にて抽出するのが有効で
ある。ここで用いる有機溶媒としてはエタノール、メタ
ノール等がこれに該当するが、安全性の観点からエタノ
ールが望ましい。この抽出物から真空乾燥等にて有機溶
媒や水分を取り除くことができる。なお、真空乾燥等に
より乾燥させ、粉末状にして長期保存することも可能で
ある。
【0023】本発明は、またコレステロールを抑制させ
る活性を有する機能性食品(健康食品、健康飲料等)や
医薬品原料に関するもので、アオサを1mm以下に微粉
砕し、アオサの細胞内成分を露呈しやすくした状態で上
述のように有機溶媒または熱水抽出することで、有効成
分を濃縮した形態で提供するものであって、この抽出し
た有効成分を従来常用される既知成分からなる健康飲料
や医薬品に混合してコレステロールを抑制する技術を提
供するものである。
【0024】アオサ由来のコレステロール抑制剤の抽出
工程は、図1に示すようにアオサ回収工程S1、アオサ
の有効成分抽出工程S2、アオサ抽出物の濃縮・乾燥工
程S3、およびアオサ抽出物添加工程S4からなるもの
である。
【0025】アオサ回収工程S1は自然界に存在するア
オサや培養生産したアオサを回収籠等により回収し、ベ
ルトコンベヤー等で所定の場所に集積する。この回収工
程S1において使用する装置の詳細については本発明者
らの先願発明にあたる特願平11−066247号公報
記載の装置を利用できる。
【0026】アオサの有効成分抽出工程S2は,アオサ
が泥混じりの際には、水で洗浄した後、アオサの乾燥重
量比で数〜数10倍の水を加え、ホモジナイサーにてア
オサを粉砕して、40〜90℃の熱水にて抽出するか、
該アオサにアオサ乾燥重量で数〜数10倍の有機溶媒を
加えて抽出を行うもので、有機溶媒としてはエタノー
ル、メタノール等が挙げられ、操作上の容易さや安全性
からエタノールが望ましい。
【0027】抽出温度は40〜90℃の範囲とすること
が好ましく、40〜70℃の範囲とすることが最も好ま
しい。抽出温度が70℃を上回ると緑藻アオサの細胞膜
の熱分解が始まり、90℃を超えると細胞膜の熱分解が
顕著となって有効成分の他に不要な不純物成分が増加す
るので、抽出温度の上限値は90℃、より好ましくは7
0℃とする。一方、抽出温度が40℃を下回ると有効成
分の抽出効率が低いので、抽出温度の下限値は40℃と
する。しかし、室温下であってもある程度の有効成分を
抽出することは可能である。
【0028】なお、抽出条件(熱水、または有機溶媒)
の選定はアオサ抽出物を添加する対象(健康飲料や医薬
品の形態)によって任意に選定することができる。抽出
操作後は遠心分離、またはメッシュろ過にてアオサ破砕
残渣を分離して抽出液を得ることができる。さらに、該
抽出液の純度を上げる場合にはジエチルエーテルと活性
炭処理により脱色することも可能である。これらの操作
によって、原料のアオサから重量比で1/10〜1/4
程度の有効成分を抽出することができる。
【0029】アオサ抽出物の濃縮・乾燥工程S3は、真
空凍結乾燥装置にてアオサ抽出物を濃縮または乾燥させ
るもので、乾燥によって粉末化でき、長期保存が容易に
なると共に後段の食品・医薬品への混合を容易にさせる
ものである。なお、抽出にメタノールを使用した場合は
完全にこれらの有機溶媒を真空減圧下で飛ばした後、乾
燥させることになるが、毒性の低いエタノールを使用し
た場合には、エタノールを真空減圧下で完全に除去する
必要はなく、少量のエタノール溶液として抽出物を保存
したり、あるいは後段の食品・医薬品の添加工程に利用
することができる。
【0030】なお、このアオサ抽出物の濃縮・乾燥工程
S3は、アオサ抽出物を配合する食品・医薬品が液状の
場合には、この工程で該アオサ抽出物を濃縮して、目的
に応じてその濃度を調整することができる。この操作に
よってアオサに含まれるコレステロール生成を抑制する
有効成分を濃縮できるため、少量摂取にて、その効果を
発揮する効果を引き出すものである。
【0031】アオサ抽出物の食品・医薬品添加工程S4
は、食品や医薬品原末に該アオサ抽出物を混合するもの
で、アオサ抽出物を食品・医薬品に混合する割合は重量
比で0.2〜2%が望ましい。
【0032】次に、本発明の具体的使用例について説明
する。本発明のアオサ抽出物由来のコレステロール抑制
剤は、他の活性成分や調味成分等を含有することも可能
である。本発明の組成物は、コレステロールに関連する
疾患を予防または治療するために使用できる。例えば、
生活習慣病とされる高脂血症、虚血性心疾患、動脈硬化
等の予防および治療に効果的である。尚、本発明の医薬
組成物についての詳細を更に後述する。
【0033】また、本発明は、アオサ抽出物を活性成分
として具備する食品を提供する。本発明のアオサ抽出物
を添加した食品は、栄養強化食品または特定保健用食品
として用いることも可能である。尚、本発明の食品につ
いての詳細は、更に後述する。
【0034】以下に、本発明で用いられる医薬組成物に
ついて説明する。本発明の医薬組成物は、その活性成分
であるアオサ抽出物により、コレステロールの生成が抑
制され、それによって生活習慣病とされる高脂血症、虚
血性疾患、動脈硬化等の疾患を予防および/または治療
することが可能である。また、本発明の医薬組成物は、
アオサ抽出物と共に、治療および/または予防効果を有
する様々な他の活性成分を含むことも可能である。本発
明の医薬組成物は、アオサ抽出物を有効量で含有し、例
えば、単回投与量として約2mg/体重kgから約20
0mg/体重kgの範囲内で含有することが可能であ
る。また、その投与は、1日当たりの投与量を1回で投
与することも可能であるし、または数回に分割する方法
で投与することも可能である。厳密な用量は、投与様
式、投与薬の剤形、治療する対象の症状および体重等に
よって広範に変化し得るので、責任のある医師若しくは
獣医師の経験と選択によって決定されるが、過度の摂取
が無い限り、副作用は少なく、民間療法として適用可能
であり、投与経路としては経口が好ましい。
【0035】典型的な組成物は、薬学的に許容される担
体と組み合わせた、本発明の活性成分を含む。医薬組成
物の製造においては、該アオサ抽出物を、薬学的に使用
可能な賦形剤および補助剤を含む担体と含有することが
可能であり、それ自身公知の方法、例えば、慣用的な混
合、穎粒化、糖衣形成、溶解または凍結乾燥工程のよう
な方法で製造できる。例えば、該活性抽出物は、通常担
体と混合し、担体により希釈し、または担体内に封入す
ることができる。これらはアンプル、カプセル、紙また
はその他の容器中に加えることができる。希釈剤として
担体を用いるときは、その担体は、該活性抽出物のため
の媒体、賦形剤または媒介物となり得るような固体、半
固体または液体材料等が当てはまる。適切な担体とし
て、水、塩溶液、ポリエチレングリコール、アルコー
ル、ひまし油、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリ
ン酸マグネシウム、タルク、珪酸、脂肪酸モノグリセラ
イドおよびジグリセライド、ペンダエリスリトール脂肪
酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース並びにポリビ
ニルピロリジン等が挙げられるが、これらに制限される
ものではない。
【0036】薬学的製剤は、滅菌することができ、また
所望とあれば、本発明の活性抽出物と無害に混合できる
ものである限り、如何なる補助剤、浸透圧調整用塩、乳
化剤、緩衝液および/または着色剤等と共に混合するこ
とができる。経口剤に使用可能な薬学的製剤は、薬学的
に経口剤として許容される限り、粉末、顆粒、錠剤、カ
プセル、軟カプセル、糖衣錠、溶液、懸濁液、シロップ
等の如何なるものも可能である。
【0037】以下に、本発明の食品について説明する。
本発明のアオサ抽出物は、コレステロール抑制効果を有
する添加剤として、如何なる種類、また如何なる形状の
食品にも含ませることも可能である。該添加物を添加す
ることにより、様々な食品を健康食品、保健食品、栄養
強化食品等として使用することを可能にする。
【0038】本発明の食品は、アオサ抽出物を、該活性
化成分を含有しない食品(または少量含有する食品)に
補うことにより、本発明の食品を摂取した健康な対象に
おいて、コレステロール生成を抑制することによって健
康を恒常的に維持することに寄与する。例えば、生活習
慣病とされる高脂血症、動脈硬化、虚血性疾患等に関連
する疾患を食品として穏やかに予防し、それにより健康
の維持と体調の改善に寄与することが可能である。ま
た、例えば、高脂血症、動脈硬化、虚血性疾患等に関連
する疾患を罹患する対象が、本発明の食品を摂取すれ
ば、コレステロールの生成を抑制することにより、医師
若しくは獣医師により施される医療効果や、民間療法で
の治療効果を補助することも可能であろう。本発明の食
品には、アオサ抽出物を食品として相応しい有効量で添
加することが適切である。当業者に周知のことであるよ
うに、前記罹患の対象に与える場合の本発明は、該疾患
に悪影響を与えない組成にする必要がある。
【0039】アオサ抽出物を添加することが可能な食品
には、豆類、麦類、米類、澱粉、小麦粉、砂糖、澱粉
糖、パン類、菓子類、麺類、食用油、乳製品(チーズ、
バター、アイスクリーム、乳酸菌製品等)、豆製品、園
芸加工品(ジャム、缶詰、乾燥果実、果実飲料等)、清
涼飲料、発酵食品類(酒類、食酢、ソース、味噌、醤
油、納豆、漬物等)、肉製品類(べーコン、ソーセー
ジ、ハム、缶詰類)、水産食品類、卵製品、各種冷凍食
品類、乾燥食品類、レトルト食品類、インスタント食品
類等が例に挙げられ、また、調味料類、酵素製品類等に
添加することも可能であるが、これらに限られるもので
はない。また、前記の食品への添加の方法は、当業者に
公知の如何なる方法によっても可能である。
【0040】
【実施例】次に本発明の実施例について具体的に説明す
る。
【0041】(1)アオサ抽出物の製造の一例 横浜市金沢区八景島付近から入手した溶存態窒素濃度が
約1.1ppmの海水を用いてアオサMH1−ATRC
−1株を屋外の透明アクリル製の培養装置(40L)で
培養した。なお、培養は以下の操作で行った。空気を培
養槽に0.15L/海水容量L・分の速度で供給し、海
水はアオサヘの溶存態窒素を供給するため2L/hrの
流速で入れ替えた。3日間の予備培養後、12日間培養
した。この培養によって増殖速度を求めた結果、15g
(乾燥重量)/m2・日で増殖することが確認された。
【0042】次に、このような培養により得られたアオ
サを純水で洗浄し、脱水した後、室内で乾燥させた。こ
うして乾燥重量として20gのアオサを得た。この乾燥
アオサを熱水(70℃)に浸し、温浴下にて抽出した。
さらに抽出液を減圧濃縮した後に、ジエチルエーテルで
脱脂・脱色し、半透明な水溶液を得た。次に、この水溶
液を活性炭処理して余分な色素を吸着させた後、ろ過し
て透明なアオサ抽出液を得た。この操作を繰りかえし
て、下記ウサギヘの投与試験に用いるアオサ抽出物を確
保した。
【0043】(2)アオサ抽出物によるコレステロール
生成抑制の効果 得られたアオサ抽出物のコレステロール抑制効果を調べ
るため、ウサギ(Japanese white、体重約1.8kg)
の餌に1%(重量比)のコレステロールを経口投与し続
け、投与1週間目からアオサ熱水抽出物を80mg/d
・kgを1週間経口投与した後、血液中のコレステロー
ルの濃度を測定した。なお、同時に、コレステロール投
与期間にアオサ抽出物を投与しない検体群を対称試験と
して、アオサ抽出物投与によるコレステロール生成抑制
効果の評価を行った。
【0044】アオサ抽出物投与の後、該ウサギから採血
し、遠心分離により血液から血清を調製した。得られた
血清からクロロルム−メタノールを用いて総脂質を抽出
し、減圧エバポレータで濃縮した。総脂質は一定量の石
油エーテルに溶解し、その一部をコレステロールの定量
に用いた。
【0045】図2は縦軸に総コレステロールの減少量
(相対値)をとり、アオサ抽出物を投与した検体群とア
オサ抽出物を投与しない検体群との結果を比較したグラ
フ図である。図3は縦軸にLDLコレステロールの減少
量(相対値)をとり、アオサ抽出物を投与した検体群と
アオサ抽出物を投与しない検体群との結果を比較したグ
ラフ図である。各群ごとに4つの検体数についてそれぞ
れ調べ、アオサ抽出物無添加時の減少量を100(基準
値)として、アオサ抽出物投与(添加)時の各々の減少
量を指数表示した。なお、アオサ抽出物投与前の総コレ
ステロールは約400mg/dlであり、LDLコレス
テロールは約300mg/dlである。
【0046】その結果、図2に示すようにアオサ抽出物
の投与によって、血清内の総コレステロールはアオサ抽
出物無添加の検体に比べて大幅な低下量を示した。アオ
サ抽出物投与(添加)によって総コレステロールは初期
値の約60%まで低下した。
【0047】さらに、図3に示すようにアオサ抽出物の
投与によって、血液中(血清中)のLDLコレステロー
ル(悪玉コレステロール)に対する抑制効果も顕著であ
った。アオサ抽出物投与(添加)によってLDLコレス
テロールは初期値の約60%まで低下した。
【0048】これらの結果から、アオサ抽出物には血栓
や脂肪肝等の主要因となっている総コレステロールや悪
玉コレステロールを大幅に抑制する効果があり、アオサ
抽出物はコレステロール抑制に顕著な効果を持つ活性成
分があることが判明した。
【0049】上記結果から、アオサ抽出物を少量投与す
ることでコレステロール生成を抑制する効果を有し、健
康食品や医薬品等の添加剤として利用可能であると言え
る。
【0050】(3)健康飲料への配合例 アオサ抽出物の配合は、乾燥したアオサの微粉末を熱水
抽出物し、この抽出液を半透明な飲料(市販品)に混合
した。混合比は乾燥物換算で添加濃度は1%(重量比)
とした。
【0051】上記ケースの混合形態において、ヒトが違
和感なく、容易に飲むことが可能であり、これによりコ
レステロール抑制のため、アオサ抽出物を容易に摂取す
ることが可能であった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、アオサ抽出物によって
種々の高脂血症等の要因となるコレステロールの生成を
抑制することができる。本発明は、このように食品とし
て用いられている安全性の高いアオサから有効成分を一
旦抽出し、濃縮したため、このアオサ有効成分を少量摂
取することにより生活習慣病とされる高脂血症、虚血性
心疾患、動脈硬化等の予防医学的な新たな利用法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る製造方法を示す工程
図。
【図2】アオサ抽出物の添加によるコレステロール生成
抑制効果を示すグラフ図。
【図3】アオサ抽出物の添加によるコレステロール生成
抑制効果を示すグラフ図。
【符号の説明】
S1…回収工程、S2…抽出工程、S3…濃縮・乾燥工
程、S4…添加工程。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A23L 2/52 A23L 2/38 F 2/38 2/00 F Fターム(参考) 4B017 LC03 LG18 LP01 LP03 4B018 LB08 MD67 ME04 MF01 MF06 4C088 AA15 AC01 BA09 CA05 MA52 NA14 ZA36 ZA45 ZC33

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑藻アオサからの抽出物を有効成分とし
    て含むことを特徴とするコレステロール生成抑制剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアオサ抽出物は、緑藻ア
    オサを乾燥させ、乾燥アオサを有機溶媒または熱水に浸
    漬して抽出したものであることを特徴とするコレステロ
    ール生成抑制剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアオサ抽出物を活性成分
    として含むことを特徴とする機能性食品。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアオサ抽出物を活性成分
    として含むことを特徴とする医薬組成物。
  5. 【請求項5】 緑藻アオサを所定条件下で乾燥させる工
    程と、該乾燥アオサを有機溶媒または熱水に浸漬して有
    効成分を抽出する工程と、を具備することを特徴とする
    コレステロール生成抑制剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のアオサ抽出物を機能性食
    品に加工または添加することを特徴とする機能性食品の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のアオサ抽出物を医薬品に
    加工または添加することを特徴とする医薬組成物の製造
    方法。
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