JP2002212033A - 乳化型メイクアップ化粧料 - Google Patents

乳化型メイクアップ化粧料

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JP2002212033A
JP2002212033A JP2001006105A JP2001006105A JP2002212033A JP 2002212033 A JP2002212033 A JP 2002212033A JP 2001006105 A JP2001006105 A JP 2001006105A JP 2001006105 A JP2001006105 A JP 2001006105A JP 2002212033 A JP2002212033 A JP 2002212033A
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silicone
makeup
acrylic resin
resistance
cosmetic
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JP2001006105A
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English (en)
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Sousei Oka
宗清 岡
Jun Taya
潤 田屋
Hiroshi Asano
浩志 浅野
Hisanori Sakatani
尚紀 坂谷
Satoru Nakada
悟 中田
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Nonogawa Shoji Ltd
Original Assignee
Nonogawa Shoji Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、耐水性、耐油性および耐摩擦性が良
好で化粧もちに優れ、顔の動きにもフィットする良好な
皮膜を形成し、さらに、潤い感が高く、べたつきのない
使用感である乳化型メイクアップ化粧料を提供すること
を目的とする。 【構成】本発明は、シリコーングラフト共重合アクリル
樹脂、融点が50〜120℃の固形状組成物および疎水
化処理粉体を含有することを特徴とする乳化型メイクア
ップ化粧料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳化型メイクアップ化粧
料、さらに詳しくは耐水性、耐油性および耐摩擦性が良
好で化粧もちに優れ、顔の動きにもフィットする良好な
皮膜の形成能と、潤い感が高く、べたつきのない使用感
を有する乳化型メイクアップ化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】メイクアップ化粧料は、例えばプレスド
ファンデーション、固形アイシャドウ、油性ファンデー
ション、口紅等の固形メイクアップ化粧料、乳化型ファ
ンデーションや化粧下地等の液状メイクアップ化粧料
等、種々の形態と種類があるが、いずれも主に粉末と油
剤からなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらのメイクアップ
化粧料は、有色の顔料等の付着性や油剤の結合力によっ
て皮膚に固定されている。しかしながら、これらの付着
性や結合力は一般的には弱く、経時的に分泌される皮脂
や汗によって、てかり、よれや色ぐすみ等の化粧くずれ
を生じたり、手や衣服等に付いてしまうといった傾向が
あった。とくに夏季の高温多湿条件下における化粧くず
れは、女性の悩みとして改良が望まれていた。
【0004】そこで、これらの問題点を解決するため、
その1つの方法として、顔料をパーフルオロポリエーテ
ル等で表面を処理する方法も試みられているが、色ぐす
みは抑えられるものの、てかりやよれを抑える効果は、
十分ではなかった。また化粧膜を強固にする目的で、比
較的高粘度のトリメチルシリル末端封鎖オルガノシロキ
サンを用いた特公昭48−1503号公報等があるが、
皮膚に塗布したときにべたつき感が強く、またてかり等
の化粧くずれ防止効果も十分ではなかった。さらに、こ
れら以外にも油剤等の改良も試みられ、化粧持ちの良い
製品が検討・発売されてきたが、未だ満足な製品が開発
されていないのが現状である。
【0005】従って、本発明の目的は、化粧くずれを防
止するため、てかりや色ぐすみの原因である皮脂を吸収
し、汗や皮脂になじまない耐水性、耐油性の高い化粧膜
を形成させ、さらにはよれや衣類等に付いてしまう二次
付着を防ぐため、化粧塗膜の皮膚との結合力を高くし、
しかも使用感のよいメイクアップ化粧料を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような現状を鑑
み、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を
行なった結果、乳化型メイクアップ化粧料に特定のシリ
コーングラフト共重合アクリル樹脂、特定範囲の融点の
固形状物質、疎水処理粉体を配合することにより、耐水
性、耐油性および耐摩擦性が良好で化粧もちに優れ、顔
の動きにもフィットする良好な皮膜を形成し、さらに、
潤い感が高く、べたつきのない感触が得られることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 (A)シリコーングラフト共重合アクリル樹脂 (B)融点が50〜120℃の固形状物質 (C)疎水化処理粉体 を含有することを特徴とする乳化型メイクアップ化粧料
である。
【0008】本発明に使用される成分(A)のシリコー
ングラフト共重合アクリル樹脂とは一般式(1)で示さ
れるアクリル系化合物と一般式(2)の構造を有するオ
ルガノポリシロキサン化合物とを共重合することによっ
て得られるシリコーングラフト共重合アクリル樹脂であ
る。
【0009】
【化3】 〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子
又は直鎖でも分岐状であってもよい炭素数1〜10個の
炭化水素基を表す。〕
【0010】
【化4】 〔式中、R3は水素原子又はメチル基、R4は酸素原子
により中断されてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、
R5は炭素数1〜6個の炭化水素基、mは1〜3の整数
を、nは3〜200の整数を表す。〕
【0011】本発明に使用されるシリコーングラフト共
重合アクリル樹脂のGPCによるポリスチレン換算の平
均分子量は特に限定されないが、好ましくは5,000
〜500,000、特に30,000〜300,000
の範囲に有ることが好ましい。平均分子量が5,000
未満では皮膜形成能が不十分となり、効果が充分発揮さ
れないことが有る場合があるためである。また、50
0,000を超えると形成された皮膜が硬く、また粘度
が高いため、同様に本発明の効果が得られ難い場合があ
る。
【0012】当然のことながら、このシリコ−ングラフ
ト共重合体アクリル樹脂は、その分子量に分布がある場
合と、さらには各官能基が異なる場合も考えられるの
で、本発明の範囲内であれば、その混合物であっても構
わない。
【0013】実際に、このシリコーングラフト共重合体
アクリル樹脂を合成し、溶剤に溶解して市販しているも
のとしては、例えば、シリコーン KP541、KP5
43、KP545(信越化学工業(株)製)等が挙げら
れる。
【0014】また、このシリコーングラフト共重合アク
リル樹脂の配合量は特に限定されないが、好ましくは
0.1〜10重量%(以下単に「%」とする)、さらに
好ましくは1〜6%の範囲で配合される。0.1%未満
では耐摩擦性等の化粧もちが不十分である場合があり、
10%より多いと化粧膜が硬くなり、さらに伸びが重く
なり使用性が満足できるものが得られ難いこともある。
【0015】本発明に使用される成分(B)の固形状物
質としては、融点が50〜120℃の範囲にある固形状
物質であれば特に限定されず、例えば、パラフィンワッ
クス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリ
スタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィ
ッシュトロプスワックス、ポリエチレンワックス、12
−ヒドロキシステアリン酸等の炭化水素類、カルナウバ
ロウ、ミツロウ、キャンデリラ等の天然物類、ラノリン
ワックスおよびその誘導体等の天然物抽出ワックス、ト
リベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエ
ステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸等の
脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコール等の高級アルコール類を挙げることがで
き、これらを必要に応じて一種又は二種以上用いること
ができる。なかでも、好ましくは炭化水素類、天然物類
が挙げられる。融点が50〜120℃の固形状物質を配
合することで、顔の動きにもフィットする良好な皮膜形
成能を高めることが出来る。融点が50℃未満の固形状
物質は、その性状が常温で液状〜ペースト状であり、て
かり等の原因になり易く、化粧持ちが満足できるものが
得られ難い。逆に、融点が120℃より高い固形状物質
は、本発明の化粧膜の可塑性を損ない、さらに伸びが重
くなる傾向があり、やはり使用性が満足するものは得ら
れない。このような観点及び使用性から、固形状物質の
融点のさらに好ましい範囲は60〜80℃である。固形
状物質の配合量としては特に限定されないが、好ましく
は、本発明の乳化型メイクアップ化粧料中に0.1〜1
0%範囲で配合される。0.1%未満では付着力が弱ま
ることがあり、顔の動きにより化粧の塗膜の強度が不十
分であり、10%より多いと、伸びが重くなり使用性が
満足できるものが得られ難いこともある。
【0016】本発明に使用される成分(C)の疎水化処
理粉体としては、疎水化された粉体であれば特に限定さ
れず、さらに化粧品に一般に使用される粉体であれば、
形状、大きさ等も限定されない。例えばタルク、マイ
カ、セリサイト、合成金雲母、カオリン、酸化鉄、酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸(酸
化ケイ素)、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸
バリウム、硫酸バリウム、雲母チタン系パール顔料等の
無機白色顔料、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒色酸化鉄、鉄
含有酸化チタン、低次酸化チタン、酸化セリウム、酸化
コバルト、チタン酸コバルト、チタン酸リチウムコバル
ト、チタン・酸化チタン焼結体、ポルフィリン系化合
物、金、銀、白金、カーボンブラック、炭化ケイ素等の
無機有色顔料、ナイロン、セルロース等の有機白色顔
料、銅クロロフィル、タール色素等の有機有色顔料、有
機染料等が挙げられる。疎水化処理については化学的、
物理的な表面処理、含浸等、特に限定はされないが、例
えば、その処理方法としてはオルガノポリシロキサン処
理、フッ素化合物処理、シランカップリング剤処理、ア
シル化リジン処理、脂肪酸処理、金属石鹸処理、アミノ
酸処理等が挙げられる。疎水化処理粉体の配合量として
は特に限定されないが、本発明の乳化型メイクアップ化
粧料中0.5〜30%が好ましく、さらに好ましくは5
〜30%の範囲で配合される。配合量が0.5%未満で
は、分泌される皮脂を吸収する量が少なく、経時的にて
かりを生じる可能性があり、30%より多いと使用感が
かさついた感じとなり好ましくない場合がある。
【0017】さらに化粧持ちの効果を高める為には、用
いられる粉体の吸油量が100ml/100g以上ある
ことが望ましい。なぜなら化粧くずれの要因の一つに皮
膚内部からの皮脂、汗の分泌があげられ、この皮脂を吸
収することにより、化粧塗膜の持続性を上げることが可
能となることが検討の結果わかった。したがって、本発
明における疎水化処理粉体としては、吸油量、汎用性、
使用性等の面から、シリコーン処理無水ケイ酸が好まし
い。
【0018】当然のことながら、上記必須成分に加え
て、目的に応じて本発明の効果を損なわない量、質の範
囲内で水性成分、油性成分、有機、無機顔料および適切
な界面活性剤等を配合しても良い。また乳化技術を駆使
することによって、油中水型あるいは水中油型の乳化型
メイクアップ化粧料にすることができる。
【0019】
【実験例】以下、実験例により本発明をさらに詳細に説
明する。本発明は、これらによって限定されるものでは
ない。配合量はすべて重量%である。
【0020】シリコーングラフト共重合アクリル樹脂の
配合量の検討を行うために、表1のように処方設計され
た実験例1〜6および比較例1の乳化型メイクアップ化
粧料を常法により調製した。シリコーングラフト共重合
アクリル樹脂の平均分子量の検討を行うために、表2の
ように処方設計された実験例7〜11の乳化型メイクア
ップ化粧料を常法により調製した。融点が50〜120
℃の固形状物質の配合量を検討するために、表3のよう
に処方設計された実験例3、12〜15および比較例2
の乳化型メイクアップ化粧料を常法により調製した。ま
た固形状物質の融点を検討するために、表4のように処
方設計された実験例3、16〜18および比較例3〜4
の乳化型メイクアップ化粧料を常法により調製した。疎
水化処理粉体の配合量および吸油量を検討するために、
表5のように処方設計された実験例3、19〜24およ
び比較例5の乳化型メイクアップ化粧料を常法により調
製した。評価方法は下記に示す耐水性、耐油性、耐摩擦
性、化粧持ち効果および使用感を指標とした。その結果
も表1〜5に併せて示す。
【0021】(評価方法) (1.耐水性および耐摩擦性の評価)耐水性および耐摩
擦性を以下のごとく検討した。まず、表1〜5のように
処方設計したメイクアップ化粧料を腕に塗布した後、そ
の時の水との接触角を測定し、その後、ぬるま湯で洗浄
し、タオルで拭くという操作を5回繰り返した後に残っ
ている化粧膜の水との接触角を測定した。表1〜5には
その結果を示した。本試験では、接触角が80°以上あ
れば耐水性があると判断でき、その値が高いほど耐水性
があるといえる。また、その変化が少ないほど耐摩擦性
があると判断できる。
【0022】(2.耐油性の評価)耐油性を以下のごと
く検討した。表1〜5のように処方設計したメイクアッ
プ化粧料を腕に塗布した後、スクワランを滴下し、スキ
ンスコープにて観察する。その時のスクワランとの顔料
のなじみや凝集等の変化の様子を下記の判定基準にて判
断した。 ◎:まったく変化(スクワランとの顔料のなじみや凝集
等)が見られない ○:ほとんど変化(スクワランとの顔料のなじみや凝集
等)が見られない △:少し変化(スクワランとの顔料のなじみや凝集等)
がある ×:スクワランとの顔料のなじみや凝集等が起きている
【0023】(3.化粧持ち効果の評価)あらかじめア
ンケート調査により、化粧くずれに悩む人を被験者とし
て10名選抜した。被験者には表1〜5のように処方設
計したメイクアップ化粧料を全顔に通常使用している量
を塗布して、1時間後、2時間後および4時間後の化粧
くずれ具合を自己判断により、下記の基準で4段階評価
を行った。 ◎:てかり、よれともにまったく見られない ○:てかり、よれのどちらかがわずかに見られる △:てかり、よれのどちらかがおきている ×:てかり、よれがともにおきている なお、上記のてかりとは皮脂や汗の分泌によって化粧塗
膜がぬれ、表面が平滑化され鏡面反射が起こり光って見
えることを言い、よれとは皮脂や汗により顔料が希釈さ
れ、流動性をおび、顔の筋肉の動きに伴いしわ等へ顔料
が凝集することを言う。
【0024】(4.使用感の評価)使用感評価として、
専門パネラー20名により、表1〜5のように処方設計
したメイクアップ化粧料を顔に塗布したときの潤い感、
べたつきのなさを自己判断により、下記の基準により評
価し、その平均点により判定した。 <評価基準> 潤い感がなく、べたつく スコア1 やや潤い感がなく、べたつく スコア2 普通 スコア3 やや潤い感があり、べたつかない スコア4 潤い感があり、べたつかない スコア5 <判定基準> ◎:平均スコア4.5以上 ○:平均スコア3.5以上4.5未満 △:平均スコア2.5以上3.5未満 ×:平均スコア2.5未満
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】※1:式(3)で示されるアクリル系化合
物と式(4)で示される平均重合度100(n=10
0)のオルガノポリシロキサン化合物とを共重合するこ
とによって得られたシリコーングラフト共重合アクリル
樹脂。(なお、平均分子量はGPCによるポリスチレン
換算した値である)
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】表1の結果より、特定のシリコーングラフ
ト共重合アクリル樹脂を配合した実験例1〜6は耐油性
および耐摩擦性が良好で、比較例1と比較して化粧もち
に優れたものが得られた。シリコーングラフト共重合ア
クリル樹脂の配合量が0.1%未満の実験例5では、
0.1%以上である実験例1と比較して耐摩擦性、化粧
持ちに差があった。また、10%よりも多い実験例6は
実験例4と比較して、ややべたつき、伸びの重い傾向が
あった。シリコーングラフト共重合アクリル樹脂の量が
0.1〜10%の範囲である実験例1〜4では耐水性、
耐油性および耐摩擦性が良好で、化粧もちに優れ、さら
に、潤い感が高く、べたつきのない使用感の良いものが
得られた。特に実験例2、3は耐水性、耐油性および耐
摩擦性、化粧持ち効果が非常に高いものであった。
【0034】表2の結果より、シリコーングラフト共重
合アクリル樹脂の平均分子量が、5,000未満の実験
例7では、平均分子量5,000以上である実験例8と
比較して、耐摩擦性、化粧持ちに差があった。また、平
均分子量500,000よりも多い実験例11は、実験
例10と比較して、ややべたつき、のびが重い傾向があ
った。シリコーングラフト共重合アクリル樹脂の平均分
子量が、5,000〜500,000の範囲にある実験
例8〜10では耐水性、耐油性および耐摩擦性が良好
で、化粧もちに優れ、さらに、潤い感が高く、べたつき
のない使用感の良いものが得られた。
【0035】表3の結果より、融点が50〜120℃の
固形状物質を配合した、実験例3、12〜15は比較例
2と比較して耐摩擦性に優れ、化粧持ちの良いものであ
った。融点が50〜120℃の固形状物質の配合量が
0.1%未満の実験例14は耐摩擦性、化粧持ちの効果
が、0.1%以上である実験例12と比較して差があっ
た。10%よりも多い実験例15は、実験例13と比較
して、ややべたつき、伸びの重い傾向があった。融点が
50〜120℃の固形状物質の配合量が0.1〜10%
の範囲である実験例3、12〜13では耐水性、耐油性
および耐摩擦性が良好で、化粧もちに優れ、さらに、潤
い感が高く、べたつきのない使用感の良いものが得られ
た。特に実験例3は耐水性、耐油性および耐摩擦性、化
粧持ち効果が非常に高いものであった。
【0036】また、表4の結果より融点が120℃より
高い固形状物質を配合した比較例3は本発明の化粧膜の
可塑性を損ない、経時的にややよれが生じ、さらに使用
感は潤い感がなく、べたついたものとなり、使用性も満
足するものは得られなかった。融点が50℃未満の固形
状物質を配合した比較例4は、経時的にテカリが生じ、
化粧持ちが良好な結果が得られず、ややべたついた感じ
となり、使用感の満足のいくものが得られなかった。融
点が50〜120℃の範囲にある固形状物質を配合した
実験例3、16〜18は耐水性、耐油性および耐摩擦性
が良好で、化粧もちに優れ、さらに、潤い感が高く、べ
たつきのない使用感の良いものが得られた。
【0037】表5の結果から、疎水化処理粉体を配合し
た実験例3、19〜24は比較例5と比較して、耐油性
に優れ、化粧持ちの良いものであった。また、吸油量が
100ml/100g以上の疎水化処理粉体を配合した
実験例3は、実験例23と比較して、耐油性に優れ、化
粧持ちの良いものであった。疎水化処理粉体の配合量が
0.5%未満の実験例22は、耐油性と化粧持ちにおい
て、0.5%以上である実験例19と比較して、やや差
があった。疎水化処理粉体の配合量が30%よりも多い
実験例24は、潤い感において30%以下である実験例
21と比較してやや差が見られた。疎水化処理粉体の配
合量が0.5〜30%である実験例3、19〜21は耐
水性、耐油性および耐摩擦性が良好で、化粧もちに優
れ、さらに、潤い感が高く、べたつきのない使用感の良
いものであった。
【0038】表1〜5に示した評価結果から明らかなよ
うに、本発明に係わる実験例1〜24の乳化型メイクア
ップ料は耐水性、耐油性および耐摩擦性が良好で化粧も
ちに優れ、さらに、潤い感が高く、べたつきのない使用
感の良いものであった。
【0039】 実施例1.リキッドファンデーション 処 方 配合量(重量%) (1)シリコーングラフト共重合アクリル樹脂※8 1.0 (2)デカメチルペンタシクロポリシロキサン 12.0 (3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 8.0 (4)ポリエーテル変性シリコーン※9 4.0 (5)ソルビタンセスキオレート 1.0 (6)キャンデリラワックス※10 2.0 (7)2−エチルヘキサン酸グリセリル 4.0 (8)シリコーン処理無水ケイ酸※11 5.0 (9)シリコーン処理酸化鉄 (吸油量24ml/100g) 3.5 (10)シリコーン処理二酸化チタン (吸油量17ml/100g) 10.0 (11)硫酸ナトリウム 0.5 (12)1,3−ブチレングリコール 5.0 (13)精製水 44.0
【0040】※8:式(3)で示されるアクリル系化合
物と式(4)で示される平均重合度100(n=10
0)のオルガノポリシロキサン化合物とを共重合するこ
とによって得られたシリコーングラフト共重合アクリル
樹脂。(式(3):式(4)=70:30の重量比で重
合し、GPCによるポリスチレン換算の平均分子量が約
50,000)
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】※9:シリコーンKF−6017(信越化
学工業(株)製) ※10:精製キャンデリラワックス MD−21(横関
油脂(株)製、融点66℃) ※11:SA−SB−300(吸油量:150ml/1
00g)(三好化成(株)製)
【0044】調製方法:(1)〜(7)を70〜80℃
で加熱しながら均一に混合した。さらに(8)〜(1
0)を分散した後、(11)〜(13)の混合水溶液を
加えて乳化した。脱気後、所定の容器に充填してリキッ
ドファンデーションを得た。
【0045】実施例1のリキッドファンデーションは、
耐水性、耐油性、耐摩擦性に優れ、化粧くずれの少ない
乳化型メイクアップ化粧料であり、使用感も潤い感があ
り、べとつき感のないさっぱりしたものであった。
【0046】 実施例2.液状口紅 処 方 配合量(重量%) (1)シリコーングラフト共重合アクリル樹脂※12 6.0 (2)ジデカン酸プロピレングリコール 7.0 (3)パルミチン酸デキストリン 1.5 (4)12−ヒドロキシステアリン酸コレステロール 0.5 (5)ポリエーテル変性シリコーン※13 0.5 (6)マイクロクリスタリンワックス※14 2.0 (7)ホホバ油 5.0 (8)2−エチルヘキサン酸セチル 10.0 (9)シリコーン処理無水ケイ酸※15 2.0 (10)シリコーン処理赤色226号 (吸油量34ml/100g) 5.0 (11)ジプロピレングリコール 7.0 (12)グリセリン 8.0 (13)精製水 45.5
【0047】※12:式(5)で示されるアクリル系化
合物と式(6)で示される平均重合度100(n=10
0)のオルガノポリシロキサン化合物とを共重合するこ
とによって得られたシリコーングラフト共重合アクリル
樹脂。(式(5):式(6)=70:30の重量比で重
合し、GPCによるポリスチレン換算の平均分子量が約
60,000)
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】※13:シリコーンKF−6017(信越
化学工業(株)製) ※14:Hi−Mic−1080(日本精蝋(株)製、
融点84℃) ※15:サイリシア 350(富士シリシア(株)製)
90部をメチルハイドロジェンポリシロキサン10部で
被覆した。(吸油量:310ml/100g)
【0051】調製製法:(1)〜(7)を70〜80℃
均一混合し、別途、(8)〜(10)のローラー処理物
を加えて分散した。その後、(11)〜(13)の混合
水溶液を80℃にて加えて乳化した。脱気後、所定の容
器に充填し液状口紅を得た。
【0052】実施例2の液状口紅は耐水性、耐油性に優
れ、またコップ等への付着による化粧くずれも少ないも
のであった。使用感もべとつかず、つっぱり感もなくさ
っぱりしていた。
【0053】 実施例3.固形クリームアイシャドウ 処 方 配合量(重量%) (1)シリコーングラフト共重合アクリル樹脂※16 6.0 (2)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0 (3)ジメチルポリシロキサン 10cs 5.0 (4)2−エチルヘキサン酸セチル 7.0 (5)長鎖アルキル基含有ポリオキシアルキレン 変性オルガノポリシロキサン※17 3.0 (6)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0 (7)ポリエチレンワックス※18 3.0 (8)シリコーン処理合成金雲母/酸化チタン※19 5.0 (9)シリコーン化合物処理赤色226号 (吸油量34ml/100g) 1.0 (10)1,3−ブチレングリコール 3.0 (11)エタノール 2.0 (12)精製水 54.0
【0054】※16:式(7)で示されるアクリル系化
合物と式(8)で示される平均重合度50(n=50)
のオルガノポリシロキサン化合物とを共重合することに
よって得られたシリコーングラフト共重合アクリル樹
脂。(式(7):式(8)=80:20の重量比で重合
し、GPCによるポリスチレン換算の平均分子量が約3
5,000)
【0055】
【化11】
【0056】
【化12】
【0057】※17:アビルEM−90(ゴールドシュ
ミット社製) ※18:ポリワックス 500(ペトロライト社製、融
点90℃) ※19:プロミネンスSH(トピー工業(株)製)95
部をメチルハイドロジェンポリシロキサン5部で被覆し
た。(吸油量:130ml/100g)
【0058】調製製法:(1)〜(9)を85℃にて加
熱混合し、攪拌しながら、(10)〜(12)を添加し
て乳化した。80℃に加熱し、所定容器に流し込み、冷
却して固形クリームアイシャドウを得た。
【0059】実施例3の固形クリームアイシャドウは耐
水性、耐油性、耐摩擦性に優れ、また、よれ等の化粧く
ずれも少ないものであった。使用感も潤い感が高く、べ
とつきのない使用感であった。
【0060】 実施例4.マスカラ 処 方 配合量(重量%) (1)シリコーングラフト共重合アクリル樹脂※20 6.0 (2)デカメチルシクロペンタシロキサン 14.0 (3)ジメチルポリシロキサン 1.5cs 4.0 (4)パルミチン酸デキストリン 1.5 (5)オクタメチルシクロテトラシロキサン 5.0 (6)ポリエーテル変性シリコーン※21 3.5 (7)キャンデリラワックス※22 2.0 (8)シリコーン処理無水ケイ酸※23 2.0 (9)シリコーン処理酸化鉄黒 (吸油量24ml/100g) 10.0 (10)1,3−ブチレングリコール 7.0 (11)精製水 45.0
【0061】※20:式(5)で示されるアクリル系化
合物と式(6)で示される平均重合度100(n=10
0)のオルガノポリシロキサン化合物とを共重合するこ
とによって得られたシリコーングラフト共重合アクリル
樹脂。(式(5):式(6)=70:30の重量比で重
合し、GPCによるポリスチレン換算の平均分子量が約
60,000)
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】※21:シリコーンKF−6017(信越
化学工業(株)製) ※22:精製キャンデリラワックス MD−21(横関
油脂(株)製、融点66℃) ※23:SA−SB−300(吸油量:150ml/1
00g)(三好化成(株)製)
【0065】調製製法:(1)〜(7)を70〜80℃
で撹拌溶解し、さらに(8)、(9)を分散した。その
後、(10)、(11)を添加し、乳化した。その後、
所定容器に充填し、マスカラを得た。
【0066】実施例4のマスカラは耐水性、耐油性、耐
摩擦性に優れ、涙等による化粧くずれも少なく、まぶた
への付着もなかった。使用感は、べとつかず、さっぱり
していた。
【0067】 実施例5.化粧下地 処 方 配合量(重量%) (1)シリコーン処理カオリン (吸油量48ml/100g) 10.0 (2)シリコーン処理二酸化チタン (吸油量17ml/100g) 5.0 (3)シリコーン処理酸化鉄 (吸油量24ml/100g) 0.5 (4)シリコーン処理無水ケイ酸※24 0.5 (5)シリコーングラフト共重合アクリル樹脂※25 6.0 (6)ジメチルポリシロキサン 6cs 5.0 (7)デカメチルシクロペンタシロキサン 24.5 (8)固形パラフィン※26 1.0 (9)マイクロクリスタリンワックス※27 4.0 (10)ソルビタンセスキオレート 1.0 (11)ポリエーテル変性シリコーン※28 3.5 (12)1,3−ブチレングリコール 7.0 (13)精製水 32.0
【0068】※24:サイリシア 350(富士シリシ
ア(株)製)90部をメチルハイドロジェンポリシロキ
サン10部で被覆した。(吸油量:310ml/100
g) ※25:式(3)で示されるアクリル系化合物と式
(4)で示される平均重合度100(n=100)のオ
ルガノポリシロキサン化合物とを共重合することによっ
て得られたシリコーングラフト共重合アクリル樹脂。
(式(3):式(4)=70:30の重量比で重合し、
GPCによるポリスチレン換算の平均分子量が約50,
000)
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】※26:Paraffin wax 15
5(日本精蝋(株)製、融点72℃) ※27:Hi−Mic−1080(日本精蝋(株)製、
融点84℃) ※28:シリコーンKF−6017(信越化学工業
(株)製)
【0072】調製製法:(5)〜(11)を70〜80
℃で均一混合し、(1)〜(4)の混合粉砕物を添加す
る。(12)、(13)を加えて乳化し、化粧下地を得
た。
【0073】実施例5の化粧下地は、耐水性、耐油性、
耐摩擦性に優れ、上に塗布したファンデーションの化粧
くずれが少ない、乳化型化粧下地であり、潤い感が高
く、べたつきのない使用感であった。
【0074】 実施例6.クリームファンデーション 処 方 配合量(重量%) (1)シリコーングラフト共重合アクリル樹脂 含有希釈物※29 10.0 (2)固形パラフィン※30 4.0 (3)キャンデリラワックス※31 3.0 (4)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 1.0 (5)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0 (6)トリメチルシロキシケイ酸 含有希釈物※32 10.0 (7)ジメチルポリシロキサン 6cs 3.0 (8)ポリエーテル変性シリコーン※33 0.5 (9)シリコーン処理酸化チタン (吸油量17ml/100g) 16.0 (10)シリコーン処理酸化鉄 (吸油量24ml/100g) 3.5 (11)シリコーン処理無水ケイ酸※34 7.0 (12)1,3−ブチレングリコール 3.0 (13)精製水 29.0
【0075】※29:シリコーン KP−545(信越
化学工業(株)製、シリコーングラフト共重合アクリル
樹脂のデカメチルシクロペンタシロキサン希釈物、シリ
コーングラフト共重合アクリル樹脂として約30%含
有) ※30:Paraffin wax 155(日本精蝋
(株)製、融点72℃) ※31:精製キャンデリラワックス MD−21(横関
油脂(株)製、融点66℃) ※32:シリコーン KF−7312J(信越化学工業
(株)製、トリメチルシロキシケイ酸のデカメチルシク
ロペンタシロキサン希釈物、トリメチルシロキシケイ酸
として約50%含有) ※33:シリコーンKF−6017(信越化学工業
(株)製) ※34:SA−SB−300(吸油量:150ml/1
00g)(三好化成(株)製)
【0076】調製製法:(1)〜(8)を70〜80℃
で均一混合し、(9)〜(11)の混合粉砕物を添加す
る。(12)、(13)を加えて乳化し、クリームファ
ンデーションを得た。
【0077】実施例6のクリームファンデーションは、
耐水性、耐油性、耐摩擦性に優れ、潤い感が高く、べた
つきのない使用感であった。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明の特定のオルガノポ
リシロキサンエステル、固形状物質、疎水処理粉体を配
合することにより、耐水性、耐油性および耐摩擦性が良
好で、化粧持ちに優れた乳化型メイクアップ化粧料を提
供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂谷 尚紀 名古屋市西区鳥見町2丁目7番地 日本メ ナード化粧品株式会社総合研究所 (72)発明者 中田 悟 名古屋市西区鳥見町2丁目7番地 日本メ ナード化粧品株式会社総合研究所 Fターム(参考) 4C083 AA122 AB172 AB232 AB242 AB352 AC112 AC122 AC422 AC442 AD161 AD162 AD172 AD242 AD492 BB25 CC12 CC13 CC14 DD23 EE06 EE07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(C)を含有することを特徴
    とする乳化型メイクアップ化粧料。 (A)一般式(1)で示されるアクリル系化合物と一般
    式(2)の構造を有するオルガノポリシロキサン化合物
    とを共重合することによって得られるシリコーングラフ
    ト共重合アクリル樹脂 【化1】 〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子
    又は炭素数1〜10個の炭化水素基を表す。〕 【化2】 〔式中、R3は水素原子又はメチル基、R4は酸素原子
    により中断されてもよい炭素数1〜12個の炭化水素
    基、R5は炭素数1〜6個の炭化水素基、mは1〜3の
    整数を、nは3〜200の整数を表す。〕 (B)融点が50〜120℃の固形状物質 (C)疎水化処理粉体
  2. 【請求項2】成分(A)のシリコーングラフト共重合ア
    クリル樹脂の配合量が0.1〜10重量%であることを
    特徴とする請求項1記載の乳化型メイクアップ化粧料。
  3. 【請求項3】成分(B)の融点が50〜120℃の固形
    状物質の配合量が0.1〜10重量%であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の乳化型メイクアップ化粧
    料。
  4. 【請求項4】成分(C)の疎水化処理粉体の配合量が
    0.5〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜
    3記載の乳化型メイクアップ化粧料。
  5. 【請求項5】成分(C)の疎水化処理粉体の吸油量が1
    00ml/100g以上であることを特徴とする第4項
    記載の乳化型メイクアップ化粧料。
  6. 【請求項6】成分(A)のシリコーングラフト共重合ア
    クリル樹脂の配合量が1〜6重量%であることを特徴と
    する請求項1〜5記載の乳化型メイクアップ化粧料
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Cited By (3)

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WO2020204195A1 (ja) * 2019-04-05 2020-10-08 株式会社 資生堂 紫外線波長変換物質、並びに疎水化処理シリカ及び/又は疎水化処理デンプンを含有する組成物

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