JP2002211810A - 用紙搬送用トラクタ及びそれを搭載したドットラインプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高速での多部紙印刷においても常
に高品質の印字をするドットプリンタを提供することを
課題としたものである。 【解決手段】 搬送用トラクタのトラクタベルトに突起
を設け、用紙との摩擦力を増加させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はドットプリンタ等の
紙送り機構に使用される用紙搬送用トラクタに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】図４及び図５にドットプリンタの印字機
構の概略を示す。

【０００３】印字素子３１を有するハンマバンク３２
は、図示していないシャトル機構部により桁方向（図中
矢印Ａ方向）に往復運動する。また、ハンマバンク３２
は、インクリボン３３と印字用紙３４とを間に挟み、印
字力を支持するためのプラテン６０と対向した状態で配
置されている。ハンマバンク３２が往復運動した状態で
印字素子３１が適時駆動される毎にドットマトリクスの
形で文字、図形等を印字用紙３４に印字する。印字用紙
３４は印字の過程で適時、トラクタ３６を配置した紙送
り機構部３５により、桁方向と垂直方向（図中矢印Ｂ方
向）に送られる。トラクタ３６は印字用紙３４の両端に
連続的に配置する送り穴にピンを勘合させ、印字用紙３
４を搬送する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年、ドットプリンタ
で使用される印字用紙３４は多種多様となってきてい
る。特にインパクトタイプのドットプリンタで使用され
る印字用紙３４としては、複写用紙を何枚も重ねた宅配
伝票などの使用頻度が増えてきており、年々複写用紙の
枚数も多くなってきている。このような伝票タイプの印
字用紙３４は、糊または紙ホッチキスなどで束ねられ、
複写用紙の枚数も多く、特に送り穴付き連続用紙など
は、１箱に数百シートの伝票がミシン目等で折り畳まれ
た状態で収納されている。この折り畳み部は収納箱に納
めるため、強度の折り癖がつく場合がほどんどである。

【０００５】このような状態の折り畳み部が印字素子３
１とプラテン６０との非常に狭い隙間（ハンマギャッ
プ）を通過するため、プラテン６０と印字用紙３４の摩
擦負荷が大きくなり、トラクタの紙送り特性も非常に厳
しい条件となる。

【０００６】更に、従来のドットプリンタには次のよう
な問題がある。

【０００７】近年、宅配伝票等の多部紙の需要が多いド
ットプリンタにおいては、８枚程度重ね合わされた用紙
を搬送する際、印字素子３１とプラテン６０との非常に
狭い隙間(ハンマギャップ)を通過するため、プラテンと
印字用紙３４の摩擦負荷が大きくなり、用紙間の層ずれ
が発生して、多部紙の最上部から徐々にずれが生じ、最
下部ではズレが累積して大きな印字位置ズレとなるので
ある。

【０００８】そこで、本発明では上記した従来技術の欠
点をなくし、宅配伝票等の多部紙でも、常に安定した搬
送用トラクタを提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は、トラクタベルトのトラクタピン間に最下
部紙をサポートする突起（本実施例では金属製ペーパプ
レートより0.5mm突出）を設置し、用紙搬送時に層ずれ
が発生しやすい最下部紙に対し、摩擦力を高め、なおか
つ用紙最上部よりトラクタカバーで押え込むことで、金
属製ペーパプレートより突出させた突起により最下部紙
により強い摩擦力を与えるたものである。

【００１０】すなわち、上記課題は、用紙搬送用トラク
タを、その両端にスプロケット穴を有した印刷用紙を搬
送するべく、前記スプロケット穴に勘合するトラクタピ
ン、及びトラクタピンとトラクタピンとの間に設けられ
た突起とが設けられているトラクタベルトと、該トラク
タベルトを保持するトラクタボディと、印刷用紙を介し
てトラクタベルトと対向する位置に設けられたトラクタ
カバーと、印刷用紙の走行領域に設けられた金属製パー
パガイドにて構成することで達成される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明について、図面を参照
して説明する。

【００１２】図１は本発明の搬送用トラクタの概念図を
示すものである。図において、搬送用トラクタ５０は、
ピンを有するトラクタベルト５１、トラクタボディ５
２、トラクタカバー５３、金属製ペーパプレート５４、
プーリー５５より構成されている。

【００１３】以上からなる搬送用トラクタ５０におい
て、図２に示す如く、トラクタベルト５１のピンの間に
突起５６を設ける。

【００１４】本発明において、搬送を行った状態を示し
たものが図３である。特に、図３は多部紙を搬送方向に
送った場合を示している。

【００１５】本発明によれば、この状態で多部紙を搬送
方向（図４の矢印Ｂ方向）に送った場合、用紙最下部が
走行面の摩擦等により、遅れる方向に用紙のずれが発生
しようとする力を受けるが、トラクタベルト５１のピン
間に設置した突起５６により、従来までのトラクタピン
のみでの搬送力のみでなく、突起５６により用紙の最下
部紙を搬送する力が加わることになり、従来まで発生し
ていた層ずれ、特に最下部紙の層ずれを防止することが
可能となる。

【００１６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
用紙を搬送するトラクタベルトに突起を設けたことによ
り、層ずれがしやすい多部紙の最下部用紙のずれを防ぐ
ことが可能となり、常に安定した搬送能力と印刷品質を
提供することである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一例となる搬送用トラクタの概念図
である。

【図２】 本発明の一例となる搬送用トラクタを示す側
面図である。

【図３】 本発明における用紙搬送を行った状態を示す
側面図である。

【図４】 従来のドットラインプリンタの印字機構の斜
視図である。

【図５】 従来のドットラインプリンタの印字機構で断
面図ある。

【符号の説明】

図において、３１は印字素子、３２はハンマバンク、３
３はインクリボン、３４は印字用紙、３６、５０はトラ
クタ、５１はトラクタベルト、５２はトラクタボディ、
５３はトラクタカバー、５４は金属製ペーパプレート、
５５はプーリー、５６は突起を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C058 AB04 AB15 AB22 AC04 AC11 AD01 AE03 AE10 AF05 AF12 AF26 AF31 AF38 AF45 AF65 EA02 EA09 EA15 EA26 EB09 EC03 EC08 3F103 AA02 BE03 BE09 BE12

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】その両端にスプロケット穴を有した印刷用
   紙を搬送するべく、前記スプロケット穴に勘合するトラ
   クタピン、及びトラクタピンとトラクタピンとの間に設
   けられた突起が設けられているトラクタベルトと、該ト
   ラクタベルトを保持するトラクタボディと、前記印刷用
   紙を介してトラクタベルトと対向する位置に設けられた
   トラクタカバーと、印刷用紙の走行領域に設けられた金
   属製パーパガイドよりなることを特徴とする用紙搬送用
   トラクタ。
2. 【請求項２】請求項１記載の用紙搬送用トラクタにおい
   て、 前記トラクタピンは前記金属製ペーパガイドの切れ込み
   部より突出し、前記突起は前記金属製ペーパガイドの用
   紙走行面上に突出していることを特徴とする用紙搬送用
   トラクタ。
3. 【請求項３】請求項１または２記載の用紙搬送用トラク
   タを有することを特徴とするドットラインプリンタ。