JP2002211314A - 自動車用電子広告体及びサーバーシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリートになっていない例えば自家用車など
は、その美感上の問題から、広告媒体として活用される
ことが少なかった。 【解決手段】 制動器と連動した電子広告体を使用する
ことで、大きなフリートを有する事業者でない個人ある
いは法人においても、美観を損なうことなく、また安全
性にもなんら問題を生じない自動車用電子広告媒体を開
発し、さらにインターネットを介して制御することで自
動車の広告媒体としての価値を高めた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車外に対して広告
宣伝する自動車用電子広告体、及び、該自動車用電子広
告体に広告情報を配信したり、広告実績を記録するサー
バーシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】看板広告手法としては、建造物や交通機
関における多くの人目にさらされる場所にペイントによ
り、あるいは印刷物、電子広告体等により広告を行って
いた。こうした中で、自動車による広告に関しては、タ
クシーなどのフリート（保有車両）を有する事業者が印
刷物を車体の一部に貼付したり、あるいは車体のペイン
トによって広告を行うにとどまっていた。その他の多く
の自動車は広告媒体としての価値を充分に生かしきれて
いない状態にある。

【０００３】従来から自動車を広告媒体として活用する
方法は数多く提唱されてきた。例えば特開平８−２１６
６０１号公報、特開平６−２２７２０３号公報、特開平
１１−５９１０２号公報等ではタイヤホイールを広告媒
体として利用する方法が提唱されている。また、ビルボ
ードの延長線上として捉えた場合、特開平５−１２４４
７３号公報、特開２０００−１４８０５８号公報、特開
２０００−１９８３８２号公報などが広告効果の増大を
目的として提唱されている。また電子広告媒体としては
特開平５−９２７３６号公報のような大規模な表示装置
を有する専用車が考案され、イベントなどで使用されて
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
はいずれもが広告宣伝用に特化した、特殊な車両であ
り、フリートになっていない個人あるいは法人の所有す
る膨大な数の自動車を広告媒体として効果的に活用する
には至っていない。

【０００５】本発明は、上記問題点に鑑み、フリートに
なっていない個人あるいは法人の所有する膨大な数の自
動車を広告媒体として効果的に活用できる自動車用電子
広告体及びサーバーシステムを提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の自動車用電子広
告体は、少なくとも赤色を含む２色以上の色で車外に向
けて情報を表示する車載表示器と、自動車の制動器が動
作しているか否かを表す信号を受信する受信器と、該受
信器により制動器が動作していることを表す信号が受信
された場合に、前記表示器を制動ランプとして動作さ
せ、該受信器により制動器が動作していないことを表す
信号が受信された場合に、前記表示器に広告を表示させ
る制御部とを備える。

【０００７】これにより、大きなフリートを有する事業
者でない個人又は法人においても、自動車の美観を損な
うことなく、また安全性にもなんら問題を生じない形態
で自動車を広告媒体とすることができる。

【０００８】また、本発明の自動車用電子広告体は、車
外に向けて情報を表示する車載表示器と、自動車の位置
に関する信号を受信する受信器と、該受信器により受信
された該自動車の位置に応じた広告を前記表示器に表示
させる制御部とを備える。これにより、自動車を利用し
て地域に適した広告を表示することができる。

【０００９】また、前記表示器によって広告した履歴を
記録する記録部をさらに備えることで、広告事業者は、
広告媒体主が適性に広告を表示していたかを確認するこ
とが容易となり、経済的合理性を持って広告事業を運用
することができる。

【００１０】また、本発明のサーバーシステムは、地域
に応じた広告を記録している記録部と、自動車用電子広
告体の位置に関する情報を受信する受信器と、該受信器
により受信された位置情報に応じた広告を前記記録部か
ら読み出して前記自動車用電子広告体に配信する広告配
信部とを備える。これにより、自動車を利用して地域に
適した広告を配信することができる。

【００１１】また、本発明のサーバーシステムは、自動
車用電子広告体から記録された広告履歴を受信する受信
器と、該受信器により受信された広告履歴を各自動車用
電子広告体に対応させて記録する記録部とを備える。こ
れにより、広告事業者は、広告媒体主が適性に広告を表
示していたかを確認することが容易となり、経済的合理
性を持って広告事業を運用することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下本発明の好適な実施の形態
を、図面を用いて説明するが、むろん本発明はこれらの
実施の形態に限定されるものではない。図１は、赤と緑
の発光素子を用いた電子広告体の制動器動作時における
表示例を示す図である。自動車の制動ランプ（ブレーキ
ランプ）に送られる電気信号をリヤーウィンドウ内側に
設置された電光掲示板に結線し、制動器動作時には、赤
色を全面に表示するようにプログラムされている。

【００１３】図２は、同じ電子広告体が制動器非動作時
における表示例を示す図である。例えば単純に商品名を
表示する他、ロゴなどのデザイン、あるいは動画なども
表示することができる。

【００１４】図３は、情報の流れの例を示す図である。
ここではインターネットに接続可能な携帯電話から広告
内容を読み込む例を示した。サーバーシステムに電子広
告体を搭載した自動車に関するデータベースを連動させ
ることで、適当な条件によって特定した自動車に広告を
配信することが可能となる。ここではサーバーシステム
２００はあらかじめ登録してあった自動車情報と携帯移
動端末３４の電子メールアドレスを参照し、特定の広告
情報を携帯移動端末に向け送信することが可能である。
受信した広告情報はケーブル３３を通り、制御部３２で
コントロールされ広告情報が表示部３１で表示される。

【００１５】図４は、位置情報に基づく広告の配信を行
うシステムの概要を示す図である。電子広告体を搭載し
た自動車４１からＧＰＳ（グローバルポジショニングシ
ステム）や携帯電話等により得られた位置情報をインタ
ーネットを介しサーバーシステム２００に送付する。サ
ーバーシステム２００では得られた位置情報を参照する
ことで得られた広告内容をインターネットを介して自動
車４１に送付することで、地域に即した広告を配信する
ことが可能となる。このとき位置情報に対して適切な広
告内容を抽出することが可能なデータベースと連動させ
ることが望ましい。

【００１６】図５は、自動車用電子広告体の記録部に記
録される広告履歴の例を示す図である。広告を識別する
ためのナンバー５１や広告内容５２、広告掲載の開始日
時５３及び終了の日時５４を記録する。この情報は、例
えばインターネットを介してサーバーシステム２００に
送付され、広告配信記録と照合することで、確かに自動
車用電子広告体に広告されたかどうかを確認する目的で
使用することができる。以下に具体的な実施の形態につ
いて例を用いて説明する。むろん、本発明はこれらの実
施の形態例に限定されるものではない。

【００１７】

【実施の形態１】図６は、本発明の実施の形態１の自動
車用電子広告体及びサーバーシステムを含む全体の構成
を示す図である。

【００１８】

【電光掲示板】車載表示器として赤と緑２色の文字表示
タイプの電光掲示板６１を用いる。表示を制御する制御
部６２の入出力はシリアルインタフェースによりなされ
ていて、コンピュータ６３のシリアルインタフェースと
ケーブルにより結線してある。

【００１９】

【コンピュータ】制御用のコンピュータ６３としてはス
ペース効率の関係からノート型コンピュータを用いた。
パラレルインタフェースを介してA/D変換器６４と結線
してあり、さらにPCMCIAには携帯電話サービスを利用し
てインターネットに接続してある。

【００２０】

【A/D変換器】A/D変換器６４は、自動車の制動器が動作
していることを表す１２Ｖの印加電圧をテールランプア
センブリ６５から受信して制御コードをコンピュータに
送信するように設定した。アナログ側の入力はテールラ
ンプアセンブリ６５と結線した。

【００２１】

【サーバーシステム】サーバーシステム２００は、自動
車用電子広告体１００からの情報を受信する受信器６６
と、広告に関する情報などを記録する記録部６７と、自
動車用電子広告体１００に広告を配信する広告配信部６
８とを備える。

【００２２】

【電光掲示板制御プログラム】図７は、本発明の自動車
用電子広告体の表示動作を説明するフローチャートであ
る。コンピュータ６３のプログラムは常にA/D変換器６
４からの信号を観察しており(ステップＳ１、Ｓ３)、こ
こにブレーキを示す信号が観察されたときには直ちにブ
レーキランプとして赤色を表示するようにしてある（ス
テップＳ２）。またブレーキが作動していないときは、
緑単色で広告となるテキストデータを表示する（ステッ
プＳ４）。

【００２３】

【広告内容の取り込み】図６において、サーバーシステ
ム２００は、コンピュータ６３に設定されたメールアカ
ウントに対し、図８に示すテキストデータを含む電子メ
ールをインターネットを介して送付する。コンピュータ
６３はサーバーシステム２００からこの内容を受信し、
メールのテキストデータから、この例では「１行の７桁
の数字の和」を算出し、これが３で割り切れるかどうか
を判断し、これら割り切れる行に挟まれたテキストデー
タのみをシリアルケーブルを通じて電光掲示板に送付す
るようにプログラムされている。図８の例では「だいこ
ん」を表示させる例である。

【００２４】

【自動車への搭載】電光掲示板６１はリヤーウィンドウ
の内側の中央に設置し、A/D変換器６４、及びコンピュ
ータ６３は後部座席部に設置し、ハイマウントストップ
ランプ用のコネクタからA/D変換器６４に結線した。そ
の他の装置を図６に示したようにケーブル等を配線し、
インターネットを経由して、図８に示す内容を含む電子
メールを送信した。

【００２５】

【動作の確認】エンジンをかけ、ブレーキをかけない状
態で「だいこん」の文字が緑色で表示された。次にブレ
ーキを踏むと、表示面が赤色となることを確認した。

【００２６】

【実施の形態２】図９は、本発明の実施の形態２の自動
車用電子広告体及びサーバーシステムを含む全体の構成
を示す図である。電光掲示板６１、A/D変換器６４、テ
ールランプアセンブリ６５、は実施の形態１と同様のも
のとした。

【００２７】

【表示制御部及び記録部】制御部６２は、実施例１で示
した制御プログラムを組み込んである。さらに記録部９
２を有し、広告ナンバー、広告内容、広告開始日時、広
告終了日時、の４つのフィールドを持つデータベースを
組み込む。

【００２８】

【携帯電話】本実施の形態では、インターネット端末と
して、携帯電話９１を利用する。制御部６２とはシリア
ルインタフェースを介して結線し、実施の形態１と同
様、メールの内容を取り込めるように設定してある。

【００２９】

【サーバーシステム】サーバーシステム２００は、位置
情報と広告内容を含むデータベースと連動しており、広
告内容を携帯電話９１に電子メールで送信できるよう構
成されている。

【００３０】

【位置情報の参照】インターネットに接続可能な携帯電
話９１の位置情報に基づき、サーバーシステム２００で
はデータベースから参照した広告内容を図８に示した形
の電子メールとして、携帯電話９１に送信する。

【００３１】

【広告内容の取り込み及び記録】制御部６２に組み込ま
れたプログラムによって、携帯電話９１からシリアルイ
ンタフェースで結線され、制御部６２に読み込まれたデ
ータから広告内容を取り出し、電子掲示板６１に広告内
容を表示する。また、記録部９２に広告ナンバー、広告
内容、広告表示開始日時を記録する。

【００３２】

【広告履歴の記録】自動車の電源がONになると本システ
ムは稼動し、広告を表示し、記録部９２に広告表示開始
日時を記録する。OFFになると本システムは稼動を中止
し、記録部９２に広告表示終了日時を記録する。必要に
応じて、キャパシタや電池を用いる。

【００３３】

【広告履歴の送信】サーバーシステム２００から履歴確
認メールが携帯電話９１に送信される。所有者は本シス
テムに携帯電話９１を繋ぎ、記録部９２に格納された広
告履歴はサーバーシステム２００に送信される。

【００３４】

【広告行為の確認】送信された広告履歴は、サーバーシ
ステム２００に格納された広告配信記録と参照され、広
告行為の有無が算定される。なお、本発明は上記実施の
形態に限定されるものではない。

【００３５】本発明において、電子広告体の表示部とし
ては、特に限定しないが、例えば、発光素子による表示
器、液晶による表示器、エレクトロルミネッセンスの原
理を用いた表示器、電気泳動の原理を用いた表示器など
が挙げられる。また表示部の制御部は、当該装置に内蔵
してもよいが、例えばパーソナルコンピュータなどで外
部から制御することも可能である。制動器との連携に関
しては、特に限定しないが、テールランプのアセンブリ
に結線し、ブレーキがかけられているかどうかを印加電
圧によって知る方法が一般的である。制動ランプとして
動作しているとき以外は、通常電子広告体及びその周辺
装置に記録された広告情報を表示するが、このときは制
動ランプとの明確な差異をつけるため、赤を主体としな
い色で表示をすることが望ましい。こうすることによっ
て、後続のドライバーは制動器の動作を的確に知ること
が可能となる。

【００３６】広告情報を得るインターネット端末として
は、特に限定はしないが、ノート型コンピュータ、イン
ターネットに接続可能な携帯電話等の持ち運びが容易で
空間占有体積が小さくインターネットに接続することが
可能な端末が望ましい。こうした端末を用いると、イン
ターネットを介して送られてきた情報、例えば電子メー
ルやWebサイトからダウンロードした情報等をケーブル
あるいは無線あるいは記録媒体を用いて電子広告媒体に
広告情報として読み込み、その後は必要に応じて取り外
すことが容易となるからである。利用するケーブルとし
ては特に限定するものではないが、例えばRS-232C、RS-
422、USB、IEEE1394、GP-IB等が挙げられる。無線によ
る通信の手法としては特に限定するものではないが、例
えば、IrDA、ブルートゥース、IEEE802.11bなどが挙げ
られる。記録媒体としては特に限定するものではない
が、例えば、フロッピー（登録商標）ディスク、CD-R、
メモリースティック、DVD-R等が挙げられる。

【００３７】広告した履歴を記録する手段としては、メ
モリースティック、メモリカード等のフラッシュメモリ
を利用した記録媒体のほか、RAM、フロッピーディス
ク、CD-R、DVD-R等が挙げられる。

【００３８】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、大きな
フリートを有する事業者でない個人又は法人において
も、自動車の美観を損なうことなく、また安全性にもな
んら問題を生じない形態で自動車を広告媒体とすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】赤と緑の発光素子を用いた電子広告体の制動器
動作時における表示例を示す図である。

【図２】同じ電子広告体が制動器非動作時における表示
例を示す図である。

【図３】情報の流れの例を示す図である。

【図４】位置情報に基づく広告の配信を行うシステムの
概要を示す図である。

【図５】自動車用電子広告体の記録部に記録される広告
履歴の例を示す図である。

【図６】本発明の実施の形態１の自動車用電子広告体及
びサーバーシステムを含む全体の構成を示す図である。

【図７】本発明の自動車用電子広告体の表示動作を説明
するフローチャートである。

【図８】電子メールに含まれる広告内容の例を示す図で
ある。

【図９】本発明の実施の形態２の自動車用電子広告体及
びサーバーシステムを含む全体の構成を示す図である。

【符号の説明】

３３ ケーブル ３４ 携帯移動端末 ４１ 自動車 ６３ コンピュータ ９１ 携帯電話

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも赤色を含む２色以上の色で車
   外に向けて情報を表示する車載表示器と、 自動車の制動器が動作しているか否かを表す信号を受信
   する受信器と、 該受信器により制動器が動作していることを表す信号が
   受信された場合に、前記表示器を制動ランプとして動作
   させ、該受信器により制動器が動作していないことを表
   す信号が受信された場合に、前記表示器に広告を表示さ
   せる制御部とを備えることを特徴とする自動車用電子広
   告体。
2. 【請求項２】 車外に向けて情報を表示する車載表示器
   と、 自動車の位置に関する信号を受信する受信器と、 該受信器により受信された該自動車の位置に応じた広告
   を前記表示器に表示させる制御部とを備えることを特徴
   とする自動車用電子広告体。
3. 【請求項３】 前記表示器によって広告した履歴を記録
   する記録部をさらに備えることを特徴とする請求項１又
   は２記載の自動車用電子広告体。
4. 【請求項４】 地域に応じた広告を記録している記録部
   と、 自動車用電子広告体の位置に関する情報を受信する受信
   器と、 該受信器により受信された位置情報に応じた広告を前記
   記録部から読み出して前記自動車用電子広告体に配信す
   る広告配信部とを備えることを特徴とするサーバーシス
   テム。
5. 【請求項５】 自動車用電子広告体から記録された広告
   履歴を受信する受信器と、 該受信器により受信された広告履歴を各自動車用電子広
   告体に対応させて記録する記録部とを備えることを特徴
   とするサーバーシステム。