JP2002211150A - 感熱性平版印刷版用支持体 - Google Patents

感熱性平版印刷版用支持体

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JP2002211150A
JP2002211150A JP2001011825A JP2001011825A JP2002211150A JP 2002211150 A JP2002211150 A JP 2002211150A JP 2001011825 A JP2001011825 A JP 2001011825A JP 2001011825 A JP2001011825 A JP 2001011825A JP 2002211150 A JP2002211150 A JP 2002211150A
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heat
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methacrylate
lithographic printing
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JP2001011825A
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Nobuyuki Kita
信行 喜多
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明室適性のある焼き出し画像を付与できる機
能を有する、現像不要の感熱性平版印刷版用の支持体を
提供する。 【解決手段】 基板上に親油層を有する感熱性平版印刷
版用支持体であって、親油層中に、熱によってスルホン
酸を発生する官能基を有する高分子化合物および発生し
た酸によって変色する化合物とを含有することを特徴と
する感熱性平版印刷版用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像不要な感熱性
平版印刷版の支持体に関する。より詳しくは、デジタル
信号に基づいた赤外線レーザビーム走査露光による画像
記録が可能であり、画像記録したものを従来のような現
像工程を経ることなしに、そのまま印刷機に装着して印
刷することが可能で、しかも露光により焼き出し画像が
得られる感熱性平版印刷版用の支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル信号に基づいたレーザビーム走
査露光によって印刷版を作製するコンピュータ・ツウ・
プレートシステムは、多数の研究がなされている。その
中で、一層の工程合理化と廃液処理問題の解決を目指し
て、露光後、現像処理することなしにそのまま印刷機に
装着して印刷が行える現像不要の平版印刷版も研究され
ている。例えば、日本印刷学会誌、36巻148〜16
3頁(1999)には現像不要CTP刷版として種々の
方法が記載されている。
【0003】このような現像不要の平版印刷版は、明る
い室内に置かれた印刷機にそのまま装着して印刷される
ので、室内光に当たっても問題ない性質(明室取り扱い
性)を有することが必要とされる。この明室取り扱い性
の実現には、可視光感光性のない画像形成システムが必
要であり、例えば露光を赤外線で行い、赤外線を吸収し
て発生する熱で画像を形成するヒートモード記録を利用
することで達成できることが知られている。
【0004】有望な方法の一つとして、半導体レーザ、
YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザで露光し、露
光部分を光熱変換剤で発熱させ、分解蒸発を起こさせる
アブレーションを利用した方法が知られている。すなわ
ち、親油性のインキ受容性表面またはインキ受容層を有
する基板上に親水層を設け、親水層をアブレーション除
去する方法である。
【0005】他の有望な方法としては、疎水性熱可塑性
ポリマー粒子を親水性バインダーポリマー中に分散した
親水層を画像形成に用いる感熱性平版印刷用原板があ
る。親水層に熱を加えると、加熱部分で疎水性熱可塑性
ポリマー粒子が融着し、親水層表面が親油性に変化し、
インキ受容性となることを利用した方法(相変化型)で
ある。
【0006】例えば、WO94/18005号には、レ
ーザー光を吸収する親油層の上に架橋した親水層を設
け、親油層の発熱で親水層をアブレーションする印刷版
が記載されている。この親水層は、ポリビニルアルコー
ルをテトラエトキシ珪素の加水分解物で架橋し、二酸化
チタン粒子を含有させたものからなっている。
【0007】WO98/40212号及びWO99/1
9143号には、基板上に親油層、及びシリカなどのコ
ロイドをアミノプロピルトリエトキシシランなどの架橋
剤で架橋したものを主成分とする親水層を有する平版印
刷版が記載されている。この平版印刷版は、赤外線レー
ザーで露光すると親水層がアブレーションされ、現像せ
ずにそのまま印刷機に装着して印刷できる。
【0008】WO99/4974号には、シリカなどの
酸化物微粒子を架橋剤で架橋した親水性マトリックス中
に、酢酸セルロースやポリウレタンなどのポリマー微粒
子と光熱変換剤を含有させた相変化型の感熱性平版印刷
版が記載されている。
【0009】また、一般に印刷版を印刷機に取り付ける
際には、印刷版上の画像を検査したり、どのインキ用の
版であるかなどの識別をした上で取り付けを行う。しか
しながら、現像不要の印刷版では、現像されていないた
め、この検版性や識別性が損なわれており、それを補う
方法が必要とされる。特開平11−277927号に
は、支持体上に、光熱変換剤、及び光又は熱で酸、塩基
又はラジカルを発生する化合物と、発生した酸、塩基又
はラジカルと相互作用して変色する化合物を含んだ記録
層を有し、赤外線レーザ露光が可能で、露光可視画性
(焼き出し画像)を有する印刷版が記載されている。こ
の焼き出し画像が検版や識別の手段となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の、焼き出し画像を得るのに好ましい酸又はラ
ジカルを発生する化合物は、可視域に吸収をもつため、
これらを用いた印刷版では、露光前、又は露光後に明室
に放置されている時に酸又はラジカルを発生し、変色を
起こしてしまう。その結果、画像露光時の焼き出し画像
の生成が阻害されたり、生成した焼き出し画像が版を放
置している間に不鮮明になってしまう問題があった。本
発明の目的は、この問題を解決することである。すなわ
ち、明室適性のある焼き出し画像を付与できる機能を有
する、現像不要の感熱性平版印刷版用の支持体を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、可視域に吸
収をもたず、熱によって酸を発生する化合物を用いてて
良好な焼き出し画像を生成する系を見出し、上記目的を
達成できた。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0012】1.基板上に親油層を有する感熱性平版印
刷版用支持体であって、親油層中に、熱によってスルホ
ン酸を発生する官能基を有する高分子化合物および発生
した酸によって変色する化合物とを含有することを特徴
とする感熱性平版印刷版用支持体。
【0013】2.親油層中に、さらに光熱変換剤を含有
することを特徴とする前記1記載の感熱性平版印刷版用
支持体。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0015】本発明の親油層に用いる熱によってスルホ
ン酸を発生する官能基を有する高分子化合物は、加熱に
よりスルホン酸を発生させる官能基を有していれば、特
に制限はなく、スルホン酸を発生させる官能基を主鎖に
有していても、側鎖に有していても良い。合成適性の点
で、下記一般式(I)、(II)又は(III)で示される
官能基を側鎖に有する高分子化合物が好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】(式中、Lは一般式(I)、(II)又は
(III)で示される官能基をポリマー骨格に連結するの
に必要な多価の非金属原子から成る有機基を表し、R1
は置換又は無置換の、アリール基、複素環基、アルキル
基又は環状イミド基を示し、R2及びR3はそれぞれ置換
又は無置換の、アリール基、複素環基又はアルキル基を
示し、R4は置換又は無置換の、アリール基、複素環
基、アルキル基又は−SO2−R5を示し、R5は置換又
は無置換の、アリール基、複素環基又はアルキル基を示
す。)
【0018】さらに、一般式(I)で表される官能基の
1が、下記一般式(IV)で表される2級アルキル基で
あることが好ましい。
【0019】
【化2】
【0020】(式中、R6及びR7はそれぞれ置換又は非
置換アルキル基を表す。また、R6及びR7はそれが結合
している2級炭素原子(CH)と共に環を形成してもよ
い。)
【0021】前記一般式(IV)で表される2級アルキル
基が、下記構造式で表される2級アルキル基であること
が特に好ましい。
【0022】
【化3】
【0023】以下に、本発明における前記一般式
(I)、(II)又は(III)で示される官能基の少なく
ともいずれかを有する高分子化合物について、更に、具
体的に説明する。R1〜R5のアリール基としては、フェ
ニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基等
の炭素数6から19のものが用いられる。複素環基とし
ては、ピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環
したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、
カルバゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜
5を含むものが用いられる。R1〜R5のアルキル基とし
てはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状
の炭素数1から25までのものが用いられる。
【0024】R1〜R5が置換基のある、アリール基、複
素環基、アルキル基である場合は、置換基としてはメト
キシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10までのアルコキ
シ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基のよう
なハロゲン置換されたアルキル基、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニ
ル基、p−クロロフェニルオキシカルボニル基等の炭素
数2から15までのアルコキシカルボニル基若しくはア
リールオキシカルボニル基;水酸基;アセチルオキシ
基、ベンゾイルオキシ基、p−ジフェニルアミノベンゾ
イルオキシ基等のアシルオキシ基;t−ブチルオキシカ
ルボニルオキシ基等のカルボネート基;t−ブチルオキ
シカルボニルメチルオキシ基、2−ピラニルオキシ基等
のエーテル基;アミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基、モルフォリノ基、アセチルアミノ基等の置
換、非置換のアミノ基;メチルチオ基、フェニルチオ基
等のチオエーテル基;ビニル基、スチリル基等のアルケ
ニル基;ニトロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチル
基、ベンゾイル基等のアシル基;フェニル基、ナフチル
基のようなアリール基;ピリジル基のようなヘテロアリ
ール基等を挙げることができる。またR1〜R5がが置換
アリール基、置換複素環基であるとき、置換基として前
述の他にもメチル基、エチル基等のアルキル基を用いる
こともできる。
【0025】R1が環状イミド基を表すとき、環状イミ
ドとしては、琥珀酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘ
キサンジカルボン酸イミド、ノルボルネンジカルボン酸
イミド等の炭素原子4〜20までのものを用いることが
できる。
【0026】前記一般式(I)において、R1として
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ等の電子吸引性基で置換
されたアリール基、ハロゲン、シアノ、ニトロ等の電子
吸引性基で置換されたアルキル基、2級若しくは3級の
分岐状のアルキル基、環状アルキル基及び環状イミドが
好ましく、感度と経時安定性とを両立できるという点
で、前記一般式(IV)で表される2級アルキル基がより
好ましい。
【0027】R6、R7のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロ
ヘキシル基などの直鎖状、分岐状、もしくは環状のアル
キル基が挙げられ、炭素数1から25までのものが好適
に用いられる。
【0028】R6、R7が置換アルキル基であるとき、置
換基としてはメトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜
10までのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリ
クロロメチル基のようなハロゲン置換されたアルキル
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t
−ブチルオキシカルボニル基、p−クロロフェニルオキ
シカルボニルなどの炭素数2から15までのアルコキシ
カルボニル基またはアリールオキシカルボニル基;水酸
基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−ジフェニ
ルアミノベンゾイルオキシなどのアシルオキシ基;t−
ブチルオキシカルボニルオキシ基などのカルボネート
基;t−ブチルオキシカルボニルメチルオキシ基、2−
ピラニルオキシ基などのエーテル基;アミノ基、ジメチ
ルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モルフォリノ基、ア
セチルアミノ基などの置換、非置換のアミノ基;メチル
チオ基、フェニルチオ基などのチオエーテル基;ビニル
基、ステリル基などのアルケニル基;ニトロ基;シアノ
基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基などのアシ
ル基;フェニル基、ナフチル基のようなアリール基;ピ
リジル基のようなヘテロアリール基等を挙げることがで
きる。
【0029】上記のR6、R7としては、経時安定性の点
で、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基、シアノ基、ハロゲン基などの電子吸引性基で置換
された2級のアルキル基、もしくはシクロヘキシル基、
ノルボルニル基などの2級のアルキル基が特に好まし
い。物性値としては、重クロロホルム中、プロトンNM
Rにおける2級メチン水素のケミカルシフトが4.4p
pmよりも低磁場に現れる化合物が好ましく、4.6p
pmよりも低磁場に現れる化合物がより好ましい。この
ように、電子吸引性基で置換された2級のアルキル基が
特に好ましいのは、熱分解反応時に中間体として生成し
ていると思われるカルボカチオンが電子吸引性基により
不安定化し、分解が抑制されるためであると考えられ
る。
【0030】また、前記一般式(II)および(III)に
おいて、R2〜R5として特に好ましいものは、ハロゲ
ン、シアノ、ニトロ等の電子吸引性基で置換されたアリ
ール基、ハロゲン、シアノ、ニトロ等の電子吸引性基で
置換されたアルキル基、及び2級もしくは3級の分岐状
のアルキル基である。
【0031】Lで表される非金属原子からなる多価の連
結基とは、1から60個までの炭素原子、0個から10
個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1
個から100個までの水素原子、及び0個から20個ま
での硫黄原子から成り立つものである。より具体的な連
結基としては下記の構造単位、多価ナフタレンもしくは
多価アントラセン、又はこれらが組み合わさって構成さ
れるものを挙げることができる。
【0032】
【化4】
【0033】多価の連結基が置換基を有する場合、置換
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1から20ま
でのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6
から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、
スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキ
シ基のような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メ
トキシ基、エトキシ基のような炭素数1から6までのア
ルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシ
ルオキシカルボニル基のような炭素数2から7までのア
ルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネ
ートのような炭酸エステル基等を用いることができる。
【0034】本発明による一般式(I)〜(III)に示
す官能基を側鎖に有する高分子化合物の合成に好適に使
用されるモノマーの具体例を以下に示す。
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】本発明では、好ましくは一般式(I)〜
(III)で表される官能基を有するモノマーのうち、少
なくともいずれか一つをラジカル重合することにより得
られる高分子化合物を使用する。このような高分子化合
物として、一般式(I)〜(III)で表される官能基を
有するモノマーのうち一種のみを用いた単独重合体を使
用してもよいが、2種以上を用いた共重合体やこれらの
モノマーと公知の他のモノマーとの共重合体を使用して
もよい。
【0042】他のモノマーとしては、グリシジルメタク
リレート、N−メチロールメタクリルアミド、オメガ−
(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、2−
イソシアネートエチルアクリレート等の架橋反応性を有
するモノマーが好ましい。また、共重合体に用いられる
他のモノマーとして、例えば、アクリル酸エステル類、
メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリ
ルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン
酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーも挙げられ
る。
【0043】アクリル酸エステル類の具体例としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又は
i−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−
又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプ
ロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノア
クリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジル
アクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキ
シベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリ
レート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフ
リルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリ
レート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイル
フェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカル
ボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
【0044】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i
−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリ
ルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタク
リレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、
グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、
メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタ
クリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒド
ロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネ
チルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テト
ラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリ
レート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフ
ェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタク
リレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキ
シ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0045】アクリルアミド類の具体例としては、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチ
ルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−
ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキ
シフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフ
ェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)
アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−
N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−
N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0046】メタクリルアミド類の具体例としては、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミ
ド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタク
リルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、
N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリル
アミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N
−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジ
メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメ
タクリルアミド等が挙げられる。
【0047】ビニルエステル類の具体例としては、ビニ
ルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート
等が挙げられる。
【0048】スチレン類の具体例としては、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシ
ルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチ
ルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチ
ルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、
クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、
ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレ
ン等が挙げられる。
【0049】これらの他のモノマーのうち特に好適に使
用されるのは、炭素数20以下のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタ
クリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アク
リル酸、メタクリル酸、及びアクリロニトリルである。
共重合体の合成に使用される一般式(I)〜(III)で
表される官能基を含むモノマーの割合は、5〜99重量
%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜95
重量%である。
【0050】以下に、一般式(I)〜(III)に示す官
能基を側鎖に有する高分子化合物の具体例を示す。構造
式中の数字はモノマーユニットのモル%を表す。
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】また、本発明で使用される一般式(I)〜
(III)で表される官能基の少なくともいずれか一つを
有する高分子化合物の重量平均分子量は好ましくは20
00以上であり、更に好ましくは5000〜30万の範
囲であり、数平均分子量は好ましくは800以上であ
り、更に好ましくは1000〜25万の範囲である。多
分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好
ましく、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。こ
れらの高分子化合物は、ランダムポリマー、ブロックポ
リマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、ランダ
ムポリマーであることが好ましい。
【0057】上記のスルホン酸を発生する高分子化合物
の親油層への添加量は、好ましくは親油層固形分の1〜
98重量%、より好ましくは5〜50重量%である。こ
の範囲内で良好な焼き出し性が得られる。
【0058】本発明の酸によって変色する化合物として
は、例えばジフェニルメタン、トリフェニルメタン系、
チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキ
ノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各
種色素が有効に用いられる。
【0059】具体例としては、ブリリアントグリーン、
エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイ
オレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2
B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエ
ロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブル
ー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレ
ッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナ
イルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレッ
ト、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピ
ュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブ
ルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイル
ピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイ
ルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイル
スカーレット#308[オリエント化学工業(株)
製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)
製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)
製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業
(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ
谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレ
ゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホ
ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフ
ェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−
4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、
2−カルボステアリルアミノ−4−p−ジヒドロオキシ
エチルアミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェ
ニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイ
ミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジ
エチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等が挙げ
られる。
【0060】また、酸で発色する化合物としてアリール
アミン類の有機染料を用いることができる。この目的に
適するアリールアミン類としては、第一級、第二級芳香
族アミンのような単なるアリールアミンのほかにいわゆ
るロイコ色素も含まれ、これらの例としては次のような
ものが挙げられる。
【0061】ジフェニルアミン、ジベンジルアニリン、
トリフェニルアミン、ジエチルアニリン、ジフェニル−
p−フェニレンジアミン、p−トルイジン、4,4′−
ビフェニルジアミン、o−クロロアニリン、o−ブロモ
アニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、o−
ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、1,2,3−トリ
フェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、アニリン、2,5−ジクロロアニリン、N
−メチルジフェニルアミン、o−トルイジン、p,p′
−テトラメチルジアミノジフェニルメタン、N,N−ジ
メチル−p−フェニレンジアミン、1,2−ジアニリノ
エチレン、p,p′,p″ヘキサメチルトリアミノトリ
フェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、
p,p′−テトラメチルジアミノトリフェニルメタン、
p,p′−テトラメチルジアミノジフェニルメチルイミ
ン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェ
ニルメタン、p,p′,p″−トリアミノトリフェニル
カルビノール、p,p′−テトラメチルアミノジフェニ
ル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−ト
リアミノフェニルメタン、p,p′,p″−ヘキサプロ
ピルトリアミノトリフェニルメタン等。
【0062】上記の他に、親油層に用いる親油性樹脂が
クレゾール樹脂など感熱紙、感圧紙等で知られている顕
色剤に相当する樹脂の場合は、トリフェニルメタンラク
トン型などのロイコ色素を用いることができる。このよ
うなロイコ色素としては、例えば、クリスタルバイオレ
ットラクトン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフ
ルオラン、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−
6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノフルオラ
ン、マラカイトグリーンラクトン、3,3−ビス(1−
エチル−2−メチルドール−3−イル)フタリド、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル
−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオランなどが挙げられる。
【0063】上記色素は、親油層中に2〜10重量%で
用いることが好ましく、更に好ましくは3〜7重量%で
使用される。この範囲内で膜物性を劣化させることな
く、良好な焼き出し画像が得られる。
【0064】本発明の親油層は、熱でスルホン酸を発生
する高分子化合物および酸によって変色する化合物の他
に、親油性のバインダーとして、溶媒に可溶で、親油性
の皮膜を形成できる親油性樹脂を含有することができ
る。
【0065】好適な親油性樹脂として、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサ
ン、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール化合物
とアセトンとの縮合樹脂、ポリビニルアセテート、アク
リル樹脂及びその共重合体、ポリビニルフェノール、ポ
リビニルハロゲン化フェノール、メタクリル樹脂及びそ
の共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミ
ド共重合体、ポリビニルフォルマール、ポリアミド、ポ
リビニルブチラール、ポリスチレン、セルロースエステ
ル樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等を挙げ
ることができる。
【0066】これらの中で、より好ましい化合物とし
て、側鎖にヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン
アミド基やトリアルコキシシリル基を有する樹脂が、基
板や上層との接着性に優れ、場合によって架橋剤で容易
に硬化するので望ましい。その他、アクリロニトリル共
重合体、ポリウレタン、側鎖にスルホンアミド基を有す
る共重合体や側鎖にヒドロキシル基を有する共重合体を
ジアゾ樹脂によって光硬化させたものが好ましい。
【0067】本発明の親油層に好適なエポキシ樹脂とし
ては、例えば、ビスフェノールA/エピクロロヒドリン
重付加物、ビスフェノールF/エピクロロヒドリン重付
加物、ハロゲン化ビスフェノールA/エピクロロヒドリ
ン重付加物、ビフェニル型ビスフェノール/エピクロロ
ヒドリン重付加物、ノボラック樹脂/エピクロロヒドリ
ン重付加物などを挙げることができる。具体的には、油
化シェルエポキシ(株)製のエピコート1007(軟化
点128℃、Mn約2900、エポキシ当量200
0)、エピコート1009(軟化点144℃、Mn約37
50、エポキシ当量3000)、エピコート1010
(軟化点169℃、Mn約5500、エポキシ当量400
0)、エピコート1100L(軟化点149℃、エポキ
シ当量4000)、エピコートYX31575(軟化点
130℃、エポキシ当量1200)などを挙げることが
できる。
【0068】ノボラック樹脂およびレゾール樹脂として
は、フェノール、クレゾール(m−クレゾール、p−ク
レゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール/クレ
ゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合
クレゾール)、フェノール変性キシレン、t−ブチルフ
ェノール、オクチルフェノール、レゾルシノール、ピロ
ガロール、カテコール、クロロフェノール(m−Cl、
p−Cl)、ブロモフェノール(m−Br、p−B
r)、サリチル酸、フロログルシノールなどと、アルデ
ヒド、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ドなどとの付加縮合物を挙げることができる。
【0069】その他の好適な高分子化合物として以下
(1)〜(12)に示すモノマーをその構成単位とする
通常1〜20万の平均分子量を持つ共重合体を挙げるこ
とができる。 (1)芳香族ヒドロキシ基を有するアクリルアミド類、
メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリ
ル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN
−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN
−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o
−、m−およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−お
よびp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタク
リレート、(2)脂肪族ヒドロキシ基を有するアクリル
酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、
2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、
【0070】(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アク
リル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アク
リル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの
アクリル酸エステル、(4)メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタク
リル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキ
シブチル、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エス
テル、
【0071】(5)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N
−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルア
ミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよび
N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアク
リルアミドもしくはメタクリルアミド、
【0072】(6)エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなど
のビニルエーテル、(7)ビニルアセテート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルな
どのビニルエステル、(8)スチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、(9)メ
チルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニ
ルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン、
(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジ
エン、イソプレンなどのオレフィン、(11)N−ビニ
ルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピ
リジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
【0073】(12)N−(o−アミノスルホニルフェ
ニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノス
ルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミ
ノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルア
ミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタク
リルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メ
タクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホ
ニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノ
スルホニルエチル)メタクリルアミドなどのスルホンア
ミド基含有アクリルアミドまたはメタクリルアミド類、
また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m
−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノ
スルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノス
ルホニルフェニルナフチル)アクリレート、o−アミノ
スルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホ
ニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフ
ェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフ
ェニルナフチル)メタクリレートなどのスルホンアミド
基含有アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
類。
【0074】本発明の親油層は、光を熱に変換させる機
能を有する光熱変換剤を含有させることが望ましい。光
熱変換剤を含有することによって、効率よくスルホン酸
を発生させることができ、良好な焼き出し画像ができ
る。さらに、親油層の上に設けられる親水層の熱反応を
促進するのに役立つ。
【0075】光熱変換剤としては、700nm以上の光
を吸収する物質であればよく、種々の顔料や染料を用い
ることができる。顔料の種類としては、黒色顔料、褐色
顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光
顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げら
れる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、
縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔
料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔
料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン
系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔
料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カー
ボンブラック等が挙げられる。
【0076】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、公知の表面処理をほどこして用いてもよい。顔料の
粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあることが好まし
く、0.01μm〜0.5μmの範囲にあることが更に
好ましい。顔料の分散方法としては、インク製造やトナ
ー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。
【0077】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊、
「化学工業」1986年5月号P.45〜51の「近赤
外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市場動
向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)又は特
許に記載されている公知の染料が利用できる。具体的に
は、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染料、シア
ニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。
【0078】さらに、赤外線吸収染料としては、例えば
特開昭58−125246号、特開昭59−84356
号、特開昭60−78787号等に記載されているシア
ニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−
181690号、特開昭58−194595号等に記載
されているメチン染料、特開昭58−112793号、
特開昭58−224793号、特開昭59−48187
号、特開昭59−73996号、特開昭60−5294
0号、特開昭60−63744号等に記載されているナ
フトキノン染料、 特開昭58−112792号等に記
載されているスクワリリウム染料、英国特許434,8
75号記載のシアニン染料や米国特許第4,756,9
93号記載の染料、米国特許第4,973,572号記
載のシアニン染料、特開平10−268512号記載の
染料、特開平11−235883号記載のフタロシアニ
ン化合物を挙げることができる。
【0079】また、染料として米国特許第5,156,
938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、ま
た、米国特許第3,881,924号記載の置換された
アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−1
42645号公報(米国特許第4,327,169号)
記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−18
1051号、同58−220143号、同59−413
63号、同59−84248号、同59−84249
号、同59−146063号、同59−146061号
公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59
−216146号公報記載のシアニン染料、米国特許第
4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリ
ウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702
号公報に記載されているピリリウム化合物、エポリン社
製エポライトIII−178、エポライトIII−130、エ
ポライトIII−125等も好ましく用いられる。
【0080】中でも、本発明の親油層に特に好適な染料
として、以下に例示する親油性の染料を挙げることがで
きる。
【0081】
【化16】
【0082】
【化17】
【0083】親油層への光熱変換剤の添加割合は、親油
層固形分の1〜40重量%が好適で、特に好ましくは5
〜20重量%である。この範囲内で良好な光吸収効率の
向上が得られる。
【0084】親油層には、親油性樹脂および光熱変換剤
の他に、親油層の膜質を良化させたり、外観を良くする
ために、架橋剤、接着助剤、無機あるいは有機の微粒
子、塗布面状改良剤又は可塑剤を添加することができ
る。
【0085】親油性樹脂を架橋させる架橋剤としては、
例えば、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ブロッ
クイソシアネート化合物、テトラアルコキシ珪素の初期
加水分解縮合物、グリオキザール、アルデヒド化合物や
メチロール化合物を挙げることができる。
【0086】接着助剤としては、シランカップリング
剤、イソシアネート化合物、チタン系カップリング剤な
どを挙げることができる。
【0087】さらに、塗布面状改良剤としてよく知られ
た化合物であるフッ素系界面活性剤やシリコン系界面活
性剤も用いることができる。具体的にはパーフルオロア
ルキル基やジメチルシロキサン基を有する界面活性剤が
塗布面上を整えることで有用である。
【0088】本発明で用いることができる無機又は有機
の微粉末としては、粒径が10〜100nmのコロイダ
ルシリカやコロイダルアルミニウム、更にはこれらのコ
ロイドより大きい粒径の不活性粒子、例えば、シリカ粒
子、表面疎水化したシリカ粒子、アルミナ粒子、二酸化
チタン粒子、その他重金属粒子、クレーやタルク等を挙
げることができる。これらの無機又は有機の微粉末を親
油層中に添加することによって、上層を設けた場合に、
上層との接着性を改良し、印刷における耐久性を向上で
きる。親油層中におけるこれらの微粉末の添加割合は、
全固形分の80重量%以下で好ましくは40重量%以下
である。
【0089】さらに、本発明の親油層には必要に応じ、
塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。
例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フクル酸ジ
ヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、
リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テ
トラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸
のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
【0090】上記親油層を塗布する溶媒としては、アル
コール類(メタノール、エタノール、プロピルアルコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン等)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン
等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ガンマ
ーブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等)、アミ
ド類(ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ピロリ
ドン、N−メチルピロリドン等)等を用いることができ
る。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用され
る。塗布液中の上記親油層成分(添加剤を含む全固形
分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。その
他、上記のような有機溶媒からの塗布ばかりでなく、水
性エマルジョンからも被膜を形成させることができる。
この場合の濃度は5重量%から50重量%が好ましい。
【0091】本発明の親油層の乾燥塗布量は、好ましく
は0.25〜0.7g/m2、より好ましくは0.35
〜0.5g/m2である。この範囲内で、親油層として
の良好な耐久性および耐薬品性が得られる。
【0092】本発明の親油層を塗布する基板には、寸度
的に安定な板状物が用いられる。紙、親油性のプラスチ
ック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、ア
ルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、ステンレス鋼板
等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸
セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルア
セタール等)、上記の金属がラミネートまたは蒸着され
た紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
【0093】好ましい基板は、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリカーボートフィルム、アルミニウム
または鋼板、もしくは親油性のプラスチックフィルムが
ラミネートされているアルミニウムまたは鋼板である。
【0094】本発明に使用されるアルミニウム板は、純
アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の
異元素を含む合金板であり、さらにはアルミニウムまた
はアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネート
されているものである。アルミニウム合金に含まれる異
元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、
クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあ
る。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下であ
る。また、DC鋳造法を用いたアルミニウム鋳塊からの
アルミニウム板でも、連続鋳造法による鋳塊からのアル
ミニウム板であっても良い。しかし、本発明に適用され
るアルミニウム板は、従来より公知公用の素材のアルミ
ニウム板をも適宜に利用することができる。
【0095】本発明で用いられる上記の基板の厚みは
0.05mm〜0.6mm、好ましくは0.1mm〜
0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mm
である。
【0096】アルミニウム板を使用するに先立ち、表面
の粗面化、陽極酸化などの表面処理をすることが好まし
い。表面処理により親油層との接着性の確保が容易にな
る。
【0097】アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々
の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する
方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学
的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的
方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト
研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることがで
きる。化学的方法としては、特開昭54−31187号
公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽
和水溶液に浸漬する方法が適している。また、電気化学
的な粗面化法としては塩酸または硝酸などの酸を含む電
解液中で交流または直流により行う方法がある。また、
特開昭54−63902号に開示されているように混合
酸を用いた電解粗面化方法も利用することができる。
【0098】上記の如き方法による粗面化は、アルミニ
ウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2〜1.
0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。粗
面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウ
ムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエ
ッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望に
より耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質とし
ては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が
可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるい
はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は
電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理
条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定
し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%
溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2
電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれ
ば適当である。形成される酸化皮膜量は、1.0〜5.
0g/m2、特に1.5〜4.0g/m2であることが好
ましい。
【0099】本発明で用いられる基板としては、上記の
ような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのま
までも良いが、上層との接着性、断熱性などの一層の改
良のため、必要に応じて、特願2000−65219号
や特願2000−143387号に記載されている陽極
酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封
孔処理、及び親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する
表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。
上記親水化処理のための好適な親水性化合物としては、
ポリビニルホスホン酸、スルホン酸基をもつ化合物、糖
類化合物、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジル
コニウムカリウム、リン酸塩/無機フッ素化合物などを
挙げることができる。
【0100】本発明の感熱性平版印刷版用支持体は、そ
の上に公知の、アブレーションされる親水層、または加
熱によって融着合体する微粒子を分散含有する親水層
(相変化型親水層)を設けることによって、焼き出し画
像の得られる感熱性平版印刷版を形成できる。
【0101】アブレーション用親水層としては、例え
ば、WO98/40212号やWO99/19144号
に記載のシリカなどの酸化物コロイドを架橋し、光熱変
換剤を含むことのできる親水層、EP967077号や
日本特許2592225号に記載のポリビニルアルコー
ルなどの親水性ポリマーをテトラメチルオルソシリケー
トなどの架橋剤で架橋し、場合によって光熱変換剤を含
有する親水層などを挙げることができる。
【0102】また、特開平11−301130号に記載
の親水層、すなわち、架橋剤で架橋した親水性樹脂、コ
ロイダルシリカなどの自己造膜性の無機超微粒子、また
は親水性樹脂と無機超微粒子の両方を含有する親水層、
さらに、特開平11−334239号に記載の、酸化チ
タン又は酸化亜鉛と親水性バインダーポリマーを含有す
る親水層も用いることができる。
【0103】相変化型親水層としては、WO99/49
74号に記載のシリカなどの微粒子と架橋剤を含有する
親水性マトリックスに、光熱変換剤およびポリマー微粒
子を含有させた親水層や、EP−925916号に記載
の酸化チタン、ポリビニルアルコール及び架橋剤からの
マトリックスに、光熱変換剤およびポリスチレンなどの
ポリマー微粒子を含有させた親水層を挙げることができ
る。
【0104】上記の如きアブレーション型親水層を設け
た印刷版では、本発明の親油層は、印刷時のインキ受容
層としての機能も有する。一方、相変化型親水層を設け
た印刷版では、インキ受容機能は、熱でポリマー微粒子
が融合合体してできた画像部が分担する。
【0105】本発明の支持体を用いて感熱性平版印刷版
を作製する場合、保存や取り扱い時の親油性物質による
親水層汚染や傷付き、素手で取り扱ったときの指紋跡付
着の防止、もしくはアブレーションによるカスの発生低
減のため、上記の親水層上に親水性オーバーコート層を
設けることができる。オーバーコート層は、印刷機上で
除去可能なものであり、水溶性樹脂または水溶性樹脂を
部分的に架橋した水膨潤性樹脂を主成分として含有す
る。
【0106】かかる水溶性樹脂としては、アラビアガ
ム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボ
キシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、
メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキスト
リン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、
ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの加水分解率6
5%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属
塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのア
ルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そ
のアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ビニルアルコール
/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩もしくは
アミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒ
ドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、
その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチ
ルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アク
リルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そ
のアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリ
ルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合
体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、等を挙げる
ことができる。部分架橋に用いられる架橋剤としては、
ポリエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリ
アルコキシシリル化合物、多価金属塩化合物、ポリアミ
ン化合物、アルデヒド化合物、ヒドラジンなどが挙げら
れる。また、このオーバーコート層には、水溶性光熱変
換剤を含有させることができる。
【0107】本発明の支持体を用いた感熱性平版印刷版
は、熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッ
ド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露
光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外
線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜120
0nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ
等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
露光によって良好な焼き出し画像が得られる。画像露光
された本発明の印刷版は、それ以上の処理なしに印刷機
に装着して印刷を開始できる。
【0108】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0109】実施例1 [アルミニウム基板の作製]アルミニウム99.5重量
%に、銅を0.01重量%、チタンを0.03重量%、
鉄を0.3重量%、ケイ素を0.1重量%含有するJI
SA1050アルミニウム材の厚み0.24mm圧延板
を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20
重量%水性懸濁液と回転ナイロンブラシ(6,10−ナ
イロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水
で洗浄した。これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウム4.5重量%含有)に浸漬してアルミニ
ウムの溶解量が5g/m2になるようにエッチングした
後、流水で水洗した。更に、1重量%硝酸水溶液で中和
し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5
重量%含有)中で、陽極時電圧10.5V、陰極時電圧
9.3Vの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、
特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電
流波形)を用いて160C/dm2の陽極時電気量で電
解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10重量%水
酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解
量が1g/m2になるようにエッチングした後、水洗し
た。次に、50℃、30重量%の硫酸水溶液中に浸漬
し、デスマットした後、水洗した。さらに、35℃の硫
酸20重量%水溶液(アルミニウム0.8重量%含有)
中で直流電流を用いて、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を
行った。すなわち、電流密度13A/g/m2で電解を行
い、電解時間の調節により、陽極酸化皮膜重量2.7g
/m2とした。この支持体を水洗後、70℃のケイ酸ナ
トリウムの0.2重量%水溶液に30秒間浸漬処理し、
水洗乾燥した。シリケート付着量は珪素として5mg/
2であった。以上のようにして得られたアルミニウム
基板は、マクベスRD920反射濃度計で測定した反射
濃度は0.30で、中心線平均粗さは0.58μmであ
った。
【0110】[感熱性平版印刷版用の支持体の作製]上
記基板上に、下記組成の親油層塗布液を、塗布液量が1
1.25ml/m2になるようK6バーで塗布し、10
0℃1分間加熱乾燥して、乾燥塗布量0.45g/m2
の親油層を有する感熱性平版印刷版用の支持体を得た。
【0111】 (親油層塗布液) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸/ ベンジルメタクリレート共重合体(モル比18/50/25.2/6.8、 重量平均分子量7万) 0.8g スルホン酸発生ポリマー (本明細書記載のP−17、重量平均分子量5万) 0.2g 光熱変換剤(本明細書記載のIR−4) 0.2g クリスタルバイオレット 0.04g メチルエチルケトン 2g プロピレングリコールモノメチルエーテル 24.4g
【0112】[感熱性平版印刷版の作製]このようにし
て作製した支持体上に、下記の親水層塗布液をK6バー
で塗布し、100℃1分間乾燥して、乾燥塗布量0.3
9g/m2の親水層を有する感熱性平版印刷版を得た。
【0113】 (親水層塗布液) メタノールシリカ(日産化学工業(株)製:シリカ粒径10〜20nm、 30重量%含有メタノール溶液からなるコロイド) 3g ポリアクリル酸(重量平均分子量25万)の 5重量%メタノール溶液 2g 乳酸メチル 0.5g メタノール 17.53g
【0114】[製版および印刷評価]上記の感熱性平版
印刷版をクレオ社製トレンドセッター(40Wの830
nm半導体レーザーを搭載したプレートセッター)に
て、200mJ/cm2の版面エネルギーで露光したと
ころ、露光部が退色した鮮明な焼き出し画像が得られ
た。この焼き出し画像は、明室中で3時間放置しても、
未露光部が発色することもなく鮮明さは変わらなかっ
た。また、明室中で3時間放置した後に露光した印刷版
でも問題なく鮮明な焼き出し画像が得られた。露光した
原板はそれ以上の処理をしないで、そのまま小森コーポ
レーション製の印刷機リスロンに取付け、プレートエッ
チ液EU−3(富士写真フイルム(株)製)/水/イソ
プロピルアルコール(容量比1/99/10)からなる
湿し水と、大日本インキ化学工業(株)製ジオスG墨イ
ンキを用い、湿し水とインキを同時に作動させ、アート
コート紙を供給して印刷を開始したところ、問題なく機
上現像で除去され、保水性は良好で、印刷スタート時か
ら汚れを発生せず、良好な印刷物が得られた。
【0115】実施例2 実施例1で作製した感熱性平版印刷版の親水層上に、下
記組成のオーバーコート層塗布液をK6バーで塗布し、
100℃90秒間乾燥して、乾燥塗布重量0.17g/
2のオーバーコート層を有する感熱性平版印刷版を得
た。
【0116】 (オーバーコート層塗布液) アラビアガム28重量%含有水溶液 7.5g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテール (10重量%含有水溶液) 0.84g イオン交換水 136.3g
【0117】上記の感熱性平版印刷版を、実施例1同じ
プレートセッターを用いて230mJ/cm2の版面エ
ネルギーで露光したところ、露光部が退色した鮮明な焼
き出し画像が得られた。さらに、実施例1と同様に印刷
を開始したところ、問題なく機上現像され、保水性は良
好で、印刷スタート時から汚れを発生せず、良好な印刷
物が得られた。
【0118】比較例 実施例1の親油層塗布液で用いたスルホン酸発生ポリマ
ーの代わりに、特開平11−277927号に記載の下
記構造式の化合物(a)を使用した以外は実施例1と同
様にして感熱性平版印刷版を作製した。
【0119】
【化18】
【0120】この印刷版を実施例1と同様に露光したと
ころ、鮮明な焼き出し画像が得られた。しかし、焼き出
し画像を明室内に1時間放置したところ、未露光部が退
色し、焼き出し画像が不鮮明となった。また、この印刷
版をプレートセッターで露光する前に明室内に1時間放
置したところ、版面の青紫色が退色し、その後プレート
セッターで露光しても鮮明な焼き出し画像は得られなか
った。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、デジタル信号に基づい
た走査露光の後、処理を行うことなく直接印刷機に装着
して印刷することが可能であり、明室使用でも劣化しな
い良好な焼き出し性を有する感熱性平版印刷版に好適な
支持体を提供できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA04 AB03 AC08 AD01 AD03 BE00 BH03 BH04 CC11 CC15 DA01 FA10 FA22 2H096 AA06 BA01 BA09 BA20 EA04 EA23 GA52 2H114 AA04 AA22 AA24 BA01 BA10 DA52 DA53 EA01 EA02 FA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に親油層を有する感熱性平版印刷
    版用支持体であって、親油層中に、熱によってスルホン
    酸を発生する官能基を有する高分子化合物および発生し
    た酸によって変色する化合物とを含有することを特徴と
    する感熱性平版印刷版用支持体。
  2. 【請求項2】 親油層中に、さらに光熱変換剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の感熱性平版印刷版用
    支持体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005067006A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版の製版方法、平版印刷方法および平版印刷原版
US7288365B2 (en) 2005-05-19 2007-10-30 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Image formation process and planographic printing plate material

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