JP2002210903A - ボンディングシート - Google Patents

ボンディングシート

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JP2002210903A
JP2002210903A JP2001012374A JP2001012374A JP2002210903A JP 2002210903 A JP2002210903 A JP 2002210903A JP 2001012374 A JP2001012374 A JP 2001012374A JP 2001012374 A JP2001012374 A JP 2001012374A JP 2002210903 A JP2002210903 A JP 2002210903A
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JP
Japan
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base film
film
bonding sheet
dianhydride
acid
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Pending
Application number
JP2001012374A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Tanaka
田中  滋
Kosuke Kataoka
孝介 片岡
Hiroyuki Furuya
浩行 古谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001012374A priority Critical patent/JP2002210903A/ja
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な機械的強度を有すると共に、接着性、
寸法安定性等の寸法特性、さらには耐熱性、低吸水性、
低誘電特性に優れたボンディングシートを提供する。 【解決手段】 ボンディングシートは、ベースフィルム
の片面または両面に熱可塑性ポリイミド層を形成してな
る。該ベースフィルムは、下記式 【化7】 (式中、X1 〜X4 ,Y1 〜Y4 は、それぞれ独立して
水素原子、炭素数2以下のアルキル基、ハロゲン基の何
れか一つを示す)で表される構造単位を含む。または、
該ベースフィルムは、弾性率が9GPa〜15GPaの
範囲内、線膨張係数が1ppm〜10ppmの範囲内で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造を含む
ベースフィルム、または特定の物性を有するベースフィ
ルムの片面または両面に熱可塑性ポリイミド層を形成し
てなるボンディングシートに関するものであり、さらに
詳しくは、寸法特性、耐熱性、低吸水性、低誘電特性等
に優れたボンディングシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化、高機能化、
小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子
部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴
い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、
電気特性等の諸物性の向上がさらに求められており、半
導体素子パッケージやそれを実装する配線板にも、より
高密度、高機能、かつ高性能なものが求められるように
なってきている。そして、フレキシブルプリント配線板
(以下、FPCと記す)に関しては、細線加工、多層形
成等が行われるようになり、部品を直接搭載する部品実
装用FPC、両面に回路を形成した両面FPC、複数の
FPCを積層して層間を配線で繋いだ多層FPC等が出
現してきている。
【0003】一般に、FPCは、柔軟で薄いベースフィ
ルム上に回路パターンを形成し、その表面に接着剤を用
いてカバーフィルムを貼り合わせた構成を有しており、
上述のようなFPCを得るためには、ベースフィルムお
よびカバーフィルムの材料として用いられる絶縁性フィ
ルムや、絶縁性の接着剤の高性能化が必要となってい
る。より具体的には、高い耐熱性および機械的強度を有
し、加工性、接着性、低吸湿性、電気特性、寸法安定性
に優れた絶縁性フィルムや絶縁性の接着剤が求められて
いる。その中でも、電子機器の急速な小型化により、F
PCの高密度化、薄膜化が強く求められており、特に寸
法安定性が重要となってきている。FPCの寸法安定性
とは、銅張積層板からFPCへ加工する際の寸法変化が
小さいこと、並びに、環境変化に対するFPCの寸法変
化が小さいことを指す。該寸法安定性においては、特
に、温度や吸脱湿の変化が大きくなる加工時における寸
法変化が小さいことが重要である。
【0004】上記FPCは、絶縁性有機フィルム(以
下、ベースフィルムと記す)の片面または両面に接着層
を積層したボンディングシートと、銅箔とを貼り合わせ
て得られる銅張積層板を、銅箔エッチングすることによ
って所望の回路パターンを形成することにより製造され
る。ベースフィルムには、耐熱性、機械的強度やその他
諸特性に優れたポリイミドからなるフィルムが広く用い
られている。また、接着層には、絶縁性や耐熱性に優れ
たエポキシ樹脂やアクリル樹脂等が用いられているが、
最近では、耐熱性や低吸水性により優れた熱可塑性ポリ
イミドが用いられるようになってきている。熱可塑性ポ
リイミドを接着層とするボンディングシートは、エポキ
シ樹脂やアクリル樹脂を接着層とするボンディングシー
トよりも、熱や湿度等の環境変化に対して有利であると
考えられている。熱可塑性ポリイミドを接着層とするボ
ンディングシートは、例えば、特開平8−143827
号、特開平8−148779号、特開平11−1661
62号等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、接着層
が熱可塑性ポリイミドからなるボンディングシートを用
いてFPCを製造する場合には、エポキシ樹脂やアクリ
ル樹脂を接着層として用いた場合と比較して、より高い
温度で銅箔を貼り合わせる必要があり、その結果、FP
Cの寸法安定性が悪くなるという問題点を抱えている。
また、FPCの薄膜化の要求に応えるためには、ボンデ
ィングシートを薄くする必要があるが、接着層は接着性
の点で薄膜化には限界があり、従って、接着層と比較し
て熱膨張係数が小さく、寸法安定性に優れたベースフィ
ルムを、より一層薄くしなければならない。そのため、
ベースフィルムにおいては、優れた寸法特性を実現する
ことが、更に困難となってきており、それゆえ、ボンデ
ィングシートとして用いるのに好適な各種物性に優れた
ベースフィルムが求められている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、例えばFPCに好適に用い
られるボンディングシート、即ち、充分な機械的強度を
有すると共に、接着性、寸法安定性等の寸法特性、さら
には耐熱性、低吸水性、低誘電特性に優れたボンディン
グシートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のボンディングシ
ートは、上記の課題を解決するために、ベースフィルム
の片面または両面に熱可塑性ポリイミド層を形成してな
り、該ベースフィルムが、下記式
【0008】
【化2】
【0009】(式中、X1 〜X4 ,Y1 〜Y4 は、それ
ぞれ独立して水素原子、炭素数2以下のアルキル基、ハ
ロゲン基の何れか一つを示す)で表される構造単位を含
むことを特徴としている。
【0010】本発明のボンディングシートは、上記の課
題を解決するために、ベースフィルムの片面または両面
に熱可塑性ポリイミド層を形成してなり、該ベースフィ
ルムの弾性率が9GPa〜15GPaの範囲内、線膨張
係数が1ppm〜10ppmの範囲内であることを特徴
としている。
【0011】本発明のボンディングシートは、さらに、
上記の課題を解決するために、ベースフィルムがポリイ
ミドからなることを特徴としている。また、ベースフィ
ルムのポリイミドがp−フェニレンビス(トリメリット
酸モノエステル酸無水物)を含む出発物質からなること
を特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について説
明すれば、以下の通りである。本発明にかかるボンディ
ングシートは、特定の構造を含むベースフィルムの片面
または両面に接着層である熱可塑性ポリイミド層を形成
してなる。または、本発明にかかるボンディングシート
は、弾性率および線膨張係数が特定範囲内であるベース
フィルムの片面または両面に接着層である熱可塑性ポリ
イミド層を形成してなる。上記ベースフィルムは、具体
的には、下記式
【0013】
【化3】
【0014】(式中、X1 〜X4 ,Y1 〜Y4 は、それ
ぞれ独立して水素原子、炭素数2以下のアルキル基、ハ
ロゲン基の何れか一つを示す)で表される構造単位を含
むフィルムである。または、上記ベースフィルムは、弾
性率が9GPa〜15GPaの範囲内、線膨張係数が1
ppm〜10ppmの範囲内であるフィルムである。従
って、本発明において最も好適なベースフィルムは、上
記の構造単位を含み、かつ、弾性率および線膨張係数が
上記の範囲内であるフィルムである。
【0015】該フィルムとしては、例えば、芳香族ポリ
アミドフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる
が、耐熱性(特に、200℃以上での長期間の耐熱
性)、可撓性、低吸水性等の諸特性の相互バランスに優
れる点で、非熱可塑性ポリイミドフィルムがより好まし
い。ベースフィルムが上記特定の構造を有することで、
吸湿性および耐熱性を損なうことなく、弾性率および線
膨張係数をより好ましい範囲内とすることが可能とな
る。また、弾性率および線膨張係数の何れかが上記範囲
を逸脱すると、寸法安定性に欠けたボンディングシート
となるおそれがあるため、好ましくない。以下、ベース
フィルムが非熱可塑性ポリイミドからなる場合を例に挙
げて、より具体的に説明する。
【0016】ポリイミドからなるフィルムは、公知の方
法で製造することができる。即ち、該フィルムは、ポリ
イミドの前駆体物質であるポリアミド酸を含む溶液を支
持体に流延、塗布した後、化学的に或いは熱的にイミド
化することで得ることができる。本発明にかかるポリイ
ミドの前駆体物質であるポリアミド酸は、通常、少なく
とも一種の酸二無水物と、少なくとも一種のジアミンと
を出発物質とし、有機溶媒に両者を実質的に等モル量、
溶解させた後、温度等の反応条件を制御しながら重合が
完了するまで攪拌することによって製造することができ
る。
【0017】上記の酸二無水物としては、具体的には、
例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,
5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、p−フェニ
レンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビ
フェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水
物)、およびこれら酸二無水物の類似物(誘導体)等が
挙げられる。上記例示の酸二無水物のうち、ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス
(トリメリット酸モノエステル酸無水物)がより好まし
く、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル
酸無水物)が特に好ましい。これら酸二無水物は、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を任意の割合
で併用してもよい。
【0018】上記のジアミンとしては、具体的には、例
えば、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメ
トキシベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,
4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエチルホスフィンオキシド、1,4−ジアミ
ノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジア
ミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、4,4’−
ジアミノベンズアニライド、3,4’−ジアミノベンズ
アニライド、およびこれらジアミンの類似物(誘導体)
等が挙げられる。上記例示のジアミンのうち、4,4’
−ジアミノベンズアニライド、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、p−フェニレンジアミンがより好まし
く、4,4’−ジアミノベンズアニライドが特に好まし
い。これらジアミンは、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を任意の割合で併用してもよい。
【0019】そして、本発明にかかるベースフィルムと
してより一層好適なポリイミドを得るためには、下記式
【0020】
【化4】
【0021】(式中、X1 〜X4 ,Y1 〜Y4 は、それ
ぞれ独立して水素原子、炭素数2以下のアルキル基、ハ
ロゲン基の何れか一つを示す)で表される構造単位を含
む酸二無水物および/またはジアミンを用いる必要があ
るが、該構造単位を含むジアミンを用いることがより好
ましい。即ち、一般式(1)
【0022】
【化5】
【0023】(式中、X1 〜X4 ,Y1 〜Y4 は、それ
ぞれ独立して水素原子、炭素数2以下のアルキル基、ハ
ロゲン基の何れか一つを示す)で表されるジアミンと、
一般式(2)
【0024】
【化6】
【0025】(式中、R1 は、四価の有機基を示す)で
表される酸二無水物とを反応させてポリアミド酸を得た
後、該ポリアミド酸をイミド化してポリイミドを得るこ
とがより好ましい。
【0026】酸二無水物とジアミンとの組み合わせや、
酸二無水物を二種類以上用いる場合の各化合物のモル比
(配合比)、ジアミンを二種類以上用いる場合の各化合
物のモル比は、非熱可塑性ポリイミドからなるベースフ
ィルムが前記特定の構造単位を含むように、および/ま
たは、弾性率および線膨張係数が特定範囲内となるよう
に、適宜選択・設定すればよい。そのなかでも、弾性率
および線膨張係数を特定範囲内に容易に制御できる点
で、ピロメリット酸二無水物、p−フェニレンビス(ト
リメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンズア
ニライドのうちの少なくとも一つを含む組み合わせがよ
り好ましく、さらに低吸水性や可撓性等の諸物性の相互
バランスにより一層優れている点で、p−フェニレンビ
ス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)と4,4’
−ジアミノベンズアニライドとを含む組み合わせが特に
好ましい。そして、酸二無水物を二種類以上用いる場合
においては、酸二無水物全量に占めるp−フェニレンビ
ス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)の割合は、
40モル%以上であることがより好ましく、ジアミンを
二種類以上用いる場合においては、ジアミン全量に占め
る4,4’−ジアミノベンズアニライドの割合は、50
モル%以上であることがより好ましい。
【0027】前記酸二無水物とジアミンとを適宜組み合
わせることにより、弾性率および線膨張係数が特定範囲
内であるベースフィルムを容易に得ることができる。弾
性率は9GPa〜15GPaの範囲内であることが好ま
しく、9.5GPa〜12.5GPaの範囲内であるこ
とがより好ましい。線膨張係数は1ppm〜10ppm
の範囲内であることが好ましく、3ppm〜8ppmの
範囲内であることがより好ましい。
【0028】ポリアミド酸を得る際に用いる有機溶媒と
しては、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAc)、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶
媒が挙げられる。上記例示の有機溶媒のうち、N,N−
ジメチルホルムアミドが特に好ましい。これら有機溶媒
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を任
意の割合で混合した混合溶媒であってもよい。
【0029】有機溶媒に酸二無水物およびジアミンを溶
解させた後、重合させることにより、ポリアミド酸溶液
が得られる。より具体的には、例えば、有機溶媒にジア
ミンを溶解させた溶液に、該ジアミンと実質的に等モル
量の酸二無水物を混合して重合させる方法が挙げられ
る。酸二無水物を混合する方法としては、粉体状等の酸
二無水物をそのまま混合してもよく、有機溶媒に酸二無
水物を溶解させた溶液を混合してもよいが、有機溶媒に
ジアミンを溶解させた溶液に、酸二無水物と、有機溶媒
に酸二無水物を溶解させた溶液とを混合する方法がより
好ましい。即ち、有機溶媒にジアミンを溶解させた溶液
に、該ジアミンに対して70モル%〜98.5モル%の
酸二無水物をそのまま混合した後、残りの酸二無水物を
有機溶媒に溶解させた溶液として混合する方法がより好
ましい。
【0030】また、酸二無水物を混合する前に有機溶媒
に全てのジアミンを溶解させる上記方法の他に、有機溶
媒にジアミンの一部(或いは一成分)を溶解させた溶液
に酸二無水物を混合し、その後、残りの(或いは他の成
分の)ジアミンを混合する方法、有機溶媒にジアミンと
酸二無水物とを逐次混合する方法等を採用することもで
きる。さらに、酸二無水物とジアミンの混合順序を入れ
換えた方法、つまり、有機溶媒に酸二無水物を溶解させ
た溶液に、該酸二無水物と実質的に等モル量のジアミン
を混合して重合させる方法を採用することもできる。従
って、酸二無水物およびジアミンの混合順序や混合方法
は、特に限定されるものではない。
【0031】酸二無水物とジアミンとを重合させる際の
温度は、0℃〜80℃の範囲内が好適である。また、該
重合は水が存在すると阻害されるため、重合反応は、脱
湿された雰囲気下で行うことが望ましい。
【0032】ポリアミド酸溶液におけるポリアミド酸の
濃度は、固形分として10重量%〜25重量%の範囲内
であることがより好ましい。ポリアミド酸の濃度が上記
範囲内となるように酸二無水物およびジアミンを用いる
ことにより、好適な分子量を有するポリアミド酸が得ら
れると共に、好適な粘度を有する溶液が得られる。
【0033】上記ポリアミド酸をイミド化することによ
り、ポリイミドが得られる。イミド化は、熱キュア法お
よびケミカルキュア法の何れかの方法を行えばよい。熱
キュア法は、脱水閉環剤等を用いることなく、加熱だけ
を行ってイミド化反応を進行させる方法である。ケミカ
ルキュア法は、ポリアミド酸溶液に、化学的転化剤と触
媒とを添加してイミド化反応を進行させる方法である。
これら方法のうち、ケミカルキュア法がより好ましい。
また、ケミカルキュア法と熱キュア法とを併用してもよ
い。
【0034】上記の化学的転化剤としては、例えば、脂
肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N’−ジアルキル
カルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化
低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化
物、チオニルハロゲン化物等が挙げられる。これら化学
的転化剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類
以上を併用してもよい。上記例示の化学的転化剤のう
ち、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族
酸無水物、およびこれら化合物の混合物がより好まし
い。上記の触媒としては、例えば、脂肪族第三級アミ
ン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等が挙
げられる。これら触媒は、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の触媒の
うち、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等の複素
環式第三級アミンが特に好ましい。
【0035】イミド化の反応条件は、ポリアミド酸の種
類、形成するフィルムの厚さ、熱キュア法および/また
はケミカルキュア法の何れを採用するか等によって、適
宜設定すればよい。以下に、ベースフィルムの製造方法
として、ケミカルキュア法を採用してポリアミド酸溶液
からポリイミドフィルムを製造する方法を例に挙げて、
より具体的に説明する。
【0036】先ず、上述した方法によってポリアミド酸
溶液を得る。該ポリアミド酸溶液に化学的転化剤と触媒
とを添加した後、これを適当な支持体に流延、塗布す
る。次に、これを例えば100℃程度の温度で緩やかに
加熱することにより、化学的転化剤と触媒とを活性化さ
せて、部分的に硬化または部分的に乾燥したポリアミド
酸フィルム(以下、ゲルフィルムと記す)に転移させ
る。ゲルフィルムは、ポリアミド酸からポリイミドへ至
るイミド化の中間段階にあたり、自己支持性を有してい
る。そして、ゲルフィルムは、部分的に硬化または部分
的に乾燥した状態であり、ポリアミド酸と、これがイミ
ド化されたポリイミドとが混在している。
【0037】次いで、テンター工程での収縮を抑制する
ために、得られたゲルフィルムの端部を、収縮抑制用の
テンタークリップまたはピンを用いて保持する。その
後、段階的に昇温してゲルフィルムを加熱することによ
り乾燥かつイミド化して、ポリイミドフィルムとする。
より具体的には、ゲルフィルムを200℃程度の温度か
ら段階的に昇温し、最終的には400℃程度の温度にな
るまで、15秒〜400秒、加熱する方法が好適であ
る。さらに、厚さや諸特性等の品質がより均一なポリイ
ミドフィルムを得るためには、ゲルフィルムを、幅方向
に温度ムラ無く加熱することがより好ましい。これによ
り、ベースフィルムとしてのポリイミドフィルムが得ら
れる。
【0038】ポリイミドの分子量は、特に規制されるも
のではないが、ボンディングシートの強度を維持するこ
とができるように、該ポリイミドの前駆体物質であるポ
リアミド酸の数平均分子量が10万以上であることがよ
り好ましい。尚、ポリイミドは不溶性であるので分子量
を直接的に測定することは困難であるが、ポリアミド酸
の分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によ
って測定することができる。
【0039】次に、接着層である熱可塑性ポリイミド層
を構成する熱可塑性ポリイミドの調製方法について説明
する。該熱可塑性ポリイミドは、基本的には、前記ポリ
イミドフィルムの製造方法と同様の製造方法で以て得る
ことができる。
【0040】熱可塑性ポリイミドの前駆体物質であるポ
リアミド酸を得るのに好適な酸二無水物としては、具体
的には、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,
4,4’−エチレングリコールジベンゾエートテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン
二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物、エチレンビス(トリメリット酸モノエス
テル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット
酸モノエステル酸無水物)、およびこれら酸二無水物の
類似物(誘導体)等が挙げられる。上記例示の酸二無水
物のうち、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水
物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエス
テル酸無水物)が特に好ましい。これら酸二無水物は、
一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を任意の
割合で併用してもよい。
【0041】熱可塑性ポリイミドの前駆体物質であるポ
リアミド酸を得るのに好適なジアミンとしては、具体的
には、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルプロパ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−
ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジ
ン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジヒド
ロキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスル
フィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、
4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,
4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエチルホスフィンオキシド、1,3−ジアミ
ノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
1,2−(4−アミノフェノキシエトキシ)エタン、お
よびこれらジアミンの類似物(誘導体)等が挙げられ
る。上記例示のジアミンのうち、3,3’−ジヒドロキ
シベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2
−(4−アミノフェノキシエトキシ)エタンが特に好ま
しい。これらジアミンは、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を任意の割合で併用してもよい。
【0042】酸二無水物とジアミンとの組み合わせや、
酸二無水物を二種類以上用いる場合の各化合物のモル
比、ジアミンを二種類以上用いる場合の各化合物のモル
比は、熱可塑性ポリイミドが得られるように、適宜選択
・設定すればよい。そして、熱可塑性ポリイミドの前駆
体物質であるポリアミド酸は、上記少なくとも一種の酸
二無水物と、少なくとも一種のジアミンとを出発物質と
し、有機溶媒に両者を実質的に等モル量、溶解させた
後、温度等の反応条件を制御しながら重合が完了するま
で攪拌することによって得ることができる。本発明で
は、熱可塑性ポリイミドとして備えるべき各種物性を損
なわない範囲内において、必要に応じて、酸二無水物お
よびジアミン以外の単量体、例えばエポキシ系単量体等
を出発物質の一成分として用いてもよい。
【0043】熱可塑性ポリイミドは、該ポリアミド酸を
化学的に或いは熱的にイミド化することで得ることがで
きる。そして、本発明にかかるボンディングシートは、
ベースフィルムの片面または両面に熱可塑性ポリイミド
を積層することにより得ることができる。
【0044】熱可塑性ポリイミドの積層方法としては、
具体的には、例えば、熱可塑性ポリイミドフィルムをベ
ースフィルムに熱融着する方法;ゲルフィルム(ポリア
ミド酸フィルム)をベースフィルムに熱融着した後、更
にイミド化する方法;熱可塑性ポリイミドが可溶性であ
る場合に該熱可塑性ポリイミド溶液をベースフィルムに
塗布した後、乾燥する方法;ポリアミド酸溶液をベース
フィルムに塗布した後、乾燥かつイミド化する方法;等
が挙げられる。また、ベースフィルムがゲルフィルムで
ある段階で、該ゲルフィルムに熱可塑性ポリイミド層を
形成してもよい。このうち、ベースフィルムと熱可塑性
ポリイミドとの接着性の点から鑑みて、熱可塑性ポリイ
ミド溶液またはポリアミド酸溶液をベースフィルムに塗
布することによって積層する方法が特に好ましい。
【0045】熱可塑性ポリイミドの分子量は、特に規制
されるものではないが、接着層としての接着力並びに強
度を維持することができるように、数平均分子量が5万
以上であることがより好ましく、8万以上であることが
さらに好ましく、10万以上であることが特に好まし
い。熱可塑性ポリイミド(溶液)の分子量はGPC(ゲ
ル浸透クロマトグラフィー)によって測定することがで
きる。
【0046】本発明にかかるボンディングシートの厚さ
は、柔軟性および取り扱い性の観点から鑑みて、3μm
〜80μmの範囲内がより好ましく、6μm〜50μm
の範囲内がさらに好ましく、10μm〜40μmの範囲
内が特に好ましい。そして、ベースフィルムの厚さは、
2μm〜40μmの範囲内がより好ましく、5μm〜3
0μmの範囲内が特に好ましい。接着層である熱可塑性
ポリイミド層の厚さは、1μm〜20μmの範囲内がよ
り好ましく、2μm〜10μmの範囲内が特に好まし
い。
【0047】以上、本発明にかかるボンディングシート
の実施の一形態について説明したが、本発明は、これに
よって何ら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱し
ない範囲で以て当業者の知識に基づき、種々なる改良、
変更、修正を加えた様態で実施し得るものである。以
下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
【0048】
【実施例】各実施例・比較例におけるベースフィルムの
弾性率、線膨張係数を、下記方法で測定した。さらに、
各実施例・比較例において得られた銅張積層板の寸法変
化率を、下記方法で測定した。
【0049】〔ベースフィルムの弾性率〕 ASTMD
−882に準拠してフィルム引張り試験を行い、温度2
0℃、湿度60%の環境下、引張速度200mm/分で
測定して得られたチャートから、弾性率を算出した。
【0050】〔ベースフィルムの線膨張係数〕 株式会
社島津製作所製TMA50を使用して引張りモードで測
定し、100℃〜200℃の平均値を線膨張係数とし
た。但し、測定試料はベースフィルムを3mm幅にスリ
ットしたものを用い、測定条件は測定治具間隔(測定
長)が1.5mm、引張り荷重が0〜1g/mm2 とな
るように調節して行った。
【0051】〔銅張積層板の寸法変化率〕 21cm×
21cmの銅張積層板に、外縁(四隅)から縦1cm、
横1cm内側の部分、計4点(任意の1つの点から反時
計回りにA,B,C,Dとする)に直径1mmの穴を空
けて試験片とした。この試験片を温度20±2℃、湿度
60±5%RHの環境下で24時間放置した後、三豊製
作所製、三次元測定機AE112を用いて、AとB、C
とD、AとC、BとDの間隔を測定し、それぞれA
2 、CD2 、AC2 、BD2 とした。次に、43±5
℃の塩化第二鉄溶液でエッチングすることにより試験片
の銅箔を全面除去し、40±5℃で30分乾燥させた
後、温度20±2℃、湿度60±5%RHの環境下で2
4時間放置した。その後、上記穴の間隔を再度測定し、
それぞれAB1、CD1 、AC1 、BD1 とした。そし
て下記式および式 ΔLAB(%)= [(AB1−AB2)÷AB2+(CD1−CD2)÷CD2]÷2×100(式) ΔLAC(%)= [(AC1−AC2)÷AC2+(BD1−BD2)÷BD2]÷2×100(式) により、銅張積層板の寸法変化率として、AB方向の寸
法変化率であるΔLAB、並びに、AC方向の寸法変化率
であるΔLACを算出した。
【0052】〔ベースフィルムの製造例A−1〕3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
/ピロメリット酸二無水物/p−フェニレンジアミン/
4,4’−ジアミノベンズアニライドを、モル比で5/
5/5/5の割合で重合させることによってポリアミド
酸を合成した。このポリアミド酸の13重量%DMAc
溶液を遠心分離器によって脱泡した後、得られるフィル
ムの厚さが17μmとなるように支持体であるアルミ箔
上に流延、塗布した。このアルミ箔上のポリアミド酸溶
液を110℃で4分間加熱することにより、自己支持性
を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの四端
を金属枠で固定した後、150℃、200℃、250
℃、300℃、350℃、450℃で各1分間加熱し
て、ベースフィルムであるポリイミドフィルム(A−
1)を得た。得られたポリイミドフィルム(A−1)に
ついて弾性率および線膨張係数を測定した。
【0053】〔ベースフィルムの製造例A−2〕上記製
造例A−1と同様にして、厚さ7.5μmのポリイミド
フィルム(A−2)を得た。得られたポリイミドフィル
ム(A−2)について弾性率および線膨張係数を測定し
た。
【0054】〔ベースフィルムの製造例A−3〕p−フ
ェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
/3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物/4,4’−ジアミノベンズアニライド/4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルを、モル比で6/4
/6/4の割合で重合させることによってポリアミド酸
を合成した。その後、上記製造例A−1と同様にして、
厚さ7.5μmのポリイミドフィルム(A−3)を得
た。得られたポリイミドフィルム(A−3)について弾
性率および線膨張係数を測定した。
【0055】〔ベースフィルムの製造例A−4〕ピロメ
リット酸二無水物/p−フェニレンジアミン/4,4’
−ジアミノジフェニルエーテルを、モル比で5/4/1
の割合で重合させることによってポリアミド酸を合成し
た。その後、上記製造例A−1と同様にして、厚さ7.
5μmのポリイミドフィルム(A−4)を得た。得られ
たポリイミドフィルム(A−4)について弾性率および
線膨張係数を測定した。このポリイミドフィルム(A−
4)は、弾性率および線膨張係数が本発明における好適
な範囲を逸脱している。
【0056】〔ベースフィルムの製造例A−5〕p−フ
ェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
/3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカル
ボン酸二無水物/p−フェニレンジアミン/4,4’−
ジアミノジフェニルエーテルを、モル比で7/3/6/
4の割合で重合させることによってポリアミド酸を合成
した。その後、上記製造例A−1と同様にして、厚さ
7.5μmのポリイミドフィルム(A−5)を得た。得
られたポリイミドフィルム(A−5)について弾性率お
よび線膨張係数を測定した。このポリイミドフィルム
(A−5)は、線膨張係数が本発明における好適な範囲
を逸脱している。
【0057】〔接着層用樹脂溶液の調製例B−1〕系全
体を氷水で冷却し、窒素置換をした2000mlの三ツ
口のセパラブルフラスコに、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(以下、BAP
Pと記す)123.1gをDMF716.2gを用いて
投入し、15分間攪拌した。次に、3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、B
TDAと記す)33.8gをDMF20gを用いて投入
した。続いて、3,3’,4,4’−エチレングリコー
ルジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下、T
MEGと記す)76.0gをDMF20gを用いて投入
し、30分間攪拌した。攪拌後、さらに、TMEG4.
1gをDMF36.9gに溶解させた溶液をフラスコ内
の溶液の粘度に注意しながら徐々に投入し、投入後、1
時間攪拌しながら放置した。これにより、接着層(熱可
塑性ポリイミド層)用樹脂溶液として、固形分濃度が2
3重量%のポリアミド酸溶液(B−1)を得た。
【0058】〔実施例1〕ベースフィルムの製造例A−
1で得たポリイミドフィルム(A−1)の一方の面に、
コンマコーターを用いて、接着層用樹脂溶液の調製例B
−1で得たポリアミド酸溶液(B−1)を、最終的な厚
さが4μmになるように塗布した。その後、100℃、
150℃、250℃で各1分間加熱し、さらに350℃
で1時間加熱することによりポリアミド酸溶液を乾燥さ
せると共にイミド化した。次いで、上記ポリイミドフィ
ルム(A−1)の他方の面にも、同様にして、ポリアミ
ド酸溶液(B−1)を塗布した後、乾燥させると共にイ
ミド化した。これにより、ポリイミドフィルムの両面に
接着層(熱可塑性ポリイミド層)を有する、厚さ25μ
mのボンディングシートを得た。
【0059】得られたボンディングシートの両接着層に
厚さ18μmの圧延銅箔を各々重ね、さらにその上に、
離型フィルムとして厚さ25μmのポリイミドフィルム
を重ねた後、ダブルベルトプレス機(DBP)を用いて
ラミネートすることにより、銅張積層板を得た。ラミネ
ート温度は280℃、圧力は70kgf/cm2 、ラミ
ネート時間は約5分間に設定した。得られた銅張積層板
について寸法変化率を測定した。ボンディングシートの
構成、並びにベースフィルムの弾性率および線膨張係数
を表1に、銅張積層板の寸法変化率を表2に示す。
【0060】〔実施例2,3〕ベースフィルムとしてポ
リイミドフィルム(A−2,3)を使用し、実施例1と
同様にして、ボンディングシートおよび銅張積層板を得
た。但し、ポリアミド酸溶液(B−1)は、最終的な厚
さが2.5μmになるように塗布した。得られたボンデ
ィングシートの構成、並びにベースフィルムの弾性率お
よび線膨張係数を表1に、銅張積層板の寸法変化率を表
2に示す。
【0061】〔比較例1,2〕ベースフィルムとしてポ
リイミドフィルム(A−4,5)を使用し、実施例1と
同様にして、ボンディングシートおよび銅張積層板を得
た。但し、ポリアミド酸溶液(B−1)は、最終的な厚
さが2.5μmになるように塗布した。得られたボンデ
ィングシートの構成、並びにベースフィルムの弾性率お
よび線膨張係数を表1に、銅張積層板の寸法変化率を表
2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明のボンディングシートは、以上の
ように、特定の構造を含むベースフィルムの片面または
両面に熱可塑性ポリイミド層を形成してなる構成であ
る。または、本発明のボンディングシートは、以上のよ
うに、弾性率が9GPa〜15GPaの範囲内、線膨張
係数が1ppm〜10ppmの範囲内であるベースフィ
ルムの片面または両面に熱可塑性ポリイミド層を形成し
てなる構成である。
【0065】それゆえ、充分な機械的強度を有すると共
に、接着性、寸法安定性等の寸法特性、さらには耐熱
性、低吸水性、低誘電特性に優れたボンディングシート
を提供することができるという効果を奏する。本発明に
かかるボンディングシートは、FPC(フレキシブルプ
リント配線基板)やリジット−フレックス基板材料、C
OFおよびLOCパッケージ、MCM(マルチチップ・
モジュール)等の新規高密度実装材料等、種々の用途に
好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA39 AB38 BA01 BA04 4F100 AB17 AK01A AK46A AK49A AK49B AK49C BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C EC013 EH46 EH462 EJ86 EJ862 GB43 JB16B JB16C JD15 JG05 JJ03 JK07A JL04 JL11 YY00A 4J043 PA04 PC015 PC016 QB31 RA05 RA35 SA06 SB01 TA14 TA22 TB01 UA122 UA131 UA132 UA261 UA262 UB121 UB122 UB152 UB221 UB281 UB301 UB402 VA021 VA022 VA041 VA062

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースフィルムの片面または両面に熱可塑
    性ポリイミド層を形成してなり、該ベースフィルムが、
    下記式 【化1】 (式中、X1 〜X4 ,Y1 〜Y4 は、それぞれ独立して
    水素原子、炭素数2以下のアルキル基、ハロゲン基の何
    れか一つを示す)で表される構造単位を含むことを特徴
    とするボンディングシート。
  2. 【請求項2】ベースフィルムの片面または両面に熱可塑
    性ポリイミド層を形成してなり、該ベースフィルムの弾
    性率が9GPa〜15GPaの範囲内、線膨張係数が1
    ppm〜10ppmの範囲内であることを特徴とするボ
    ンディングシート。
  3. 【請求項3】ベースフィルムがポリイミドからなること
    を特徴とする請求項1または2記載のボンディングシー
    ト。
  4. 【請求項4】ベースフィルムのポリイミドがp−フェニ
    レンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を含
    む出発物質からなることを特徴とする請求項3記載のボ
    ンディングシート。
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