JP2002208233A - ディスクドライブ装置 - Google Patents

ディスクドライブ装置

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JP2002208233A
JP2002208233A JP2000404680A JP2000404680A JP2002208233A JP 2002208233 A JP2002208233 A JP 2002208233A JP 2000404680 A JP2000404680 A JP 2000404680A JP 2000404680 A JP2000404680 A JP 2000404680A JP 2002208233 A JP2002208233 A JP 2002208233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生性能の信頼性の向上 【解決手段】アドレス(PID)検出についてのOK/
NGの結果に基づいてセクタ同期状態を判定し、この判
定結果に基づいて同期状態が安定しているときには、精
度の高い推定結果が得られるPID検出基準のセクタ内
位置推定動作を選択し、同期状態として不安定な場合や
同期がとれていない場合には、推定結果の精度は劣るも
のの、信号検出が容易なヘッダ検出基準のセクタ内位置
推定動作を選択する。このようにして、同期状態に応じ
て適切とされるセクタ内位置推定動作を選択することで
セクタ同期が迅速に行われるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学ディスク状記録
媒体に対応して記録又は再生が可能とされるディスクド
ライブ装置に関するもので、特に、例えばセクタなどの
所定の単位情報領域の連続によって情報が記録されてい
るディスク状記録媒体に対応するディスクドライブ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスクメディアとしてDVD(Digital
Versatile Disc又はDigital Video Disc)が知られてい
る。このDVDとしては、DVD−ROMといわれてデ
ータの記録は不可の再生専用のほか、DVD−RAMと
いわれるデータの書き換えが可能なものも開発され、ま
た、普及してきている。DVD−RAMは、いわゆる相
変化方式によって記録ピットを形成することによりデー
タ記録を行うようにされる。
【0003】DVD−RAMのトラックフォーマットと
しては、データが記録再生される記録トラックが周回方
向に沿ってセクタという単位によって分割されている。
そして、セクタとしての記録可能領域の先頭に対してヘ
ッダ領域が存在する。ここで、ヘッダ領域はピット列に
よってデータが記録されている領域とされ、記録可能領
域は相変化方式によってデータの書き換えが可能な領域
とされる。つまり、ヘッダ領域と記録可能領域とではデ
ータの記録方式が異なっているものであり、これによっ
ては、照射されたレーザ光の反射光量も異なってくる。
【0004】また、ここでの詳しい説明は省略するが、
ヘッダ領域には物理アドレスを示すPID1,PID
2,PID3,PID4の4つのアドレスが記録され
る。そして、PID1,PID2のピット列をグルーブ
トラックの中心線から外周方向に1/2トラックピッチ
ずらして配置し、PID3,PID4は、逆に内周方向
に1/2トラックピッチずらして配置させている。即
ち、ヘッダ領域と記録可能領域とでは、ディスク半径方
向におけるトラック位置は、1/2トラックピッチ分ず
れているようにされている。なお、DVD−RAMにあ
っては、ランドとグルーブとの両者に記録を行う、いわ
ゆるランド・グルーブ記録方式が採られる。
【0005】このため、DVDに対応するディスクドラ
イブ装置では、例えばデータ再生時においてトラックを
トレースしているレーザ光がヘッダ領域を通過する際に
は、トラッキングサーボをホールドさせることが必要と
なる。つまり、ヘッダ領域通過時においてトラッキング
サーボをホールドさせれば、トラッキング方向における
レーザ光のトレース位置としては、記録可能領域のトラ
ックに対するずれが生じないようにされるものである。
また、前述もしたように、各領域ではそれぞれ記録方式
が異なっているため、再生信号処理回路系における各種
パラメータの変更などを行う必要も生じる。
【0006】そして、上記したようなトラッキングサー
ボ制御のホールド及び各種再生パラメータの変更などの
処理を適正なタイミングで実行するには、例えばセクタ
内におけるどの位置が現在の再生位置であるのかが認識
されている必要がある。そして、このようなセクタ内の
位置検出としては、レーザ光がヘッダ領域を通過するタ
イミングを検出することが行われている。つまり、「ヘ
ッダ検出」である。
【0007】図34及び図35を参照して従来例として
のヘッダ検出について説明する。図34には、ヘッダ検
出回路の構成の一例が示されている。光学ピックアップ
101は、DVDとしてのディスク1に対して再生のた
めのレーザ光を照射し、また、この照射されたレーザ光
の反射光をフォトディテクタ(ここでは図示せず)によ
り受光して検出を行い、受光信号を得る。そして、この
受光信号は、プッシュプル信号生成回路102に対して
入力される。プッシュプル信号生成回路102では、入
力された受光信号を利用してプッシュプル信号PPを生
成する。プッシュプル信号とは、ここでの詳しい説明は
省略するが、例えばフォトディテクタをトラック方向に
2分割して得られる各受光領域にて検出された検出信号
の差分をとることによって得られる。
【0008】プッシュプル信号生成回路102から出力
されたプッシュプル信号PPは、この場合にはローパス
フィルタ103を通過することによって、高周波成分が
除去されて、滑らかなエンベロープ波形が得られるよう
にされる。そして、このローパスフィルタを通過したプ
ッシュプル信号PPLは、分岐してコンパレータ10
4,105に対して入力される。
【0009】ここで、プッシュプル信号PPLの波形と
しては、例えば適正にヘッダを検出している場合には、
図35(a)に示すものとなる。つまり、ヘッダ領域を
通過しているとされるヘッダ区間において、PID1,
2のピット列の検出と、これに対して1トラックピッチ
分ずれているPID3,4のピット列との検出に応じ
て、図示するように、前半区間と後半区間で検出波形が
反転する。この場合には、例えば前半区間が正極性方向
で後半区間が負極性方向となるように反転しているが、
前半区間が負極性方向で後半区間が正極性方向となるよ
うに反転する場合もある。これは、後続する記録可能領
域の記録トラックがランドであるかグルーブであるかに
よって決まるものである。
【0010】図34において、プッシュプル信号PPL
は、コンパレータ104,105に対して比較対象とし
て分岐して入力される。そして、比較のための基準値と
して、コンパレータ104に対しては、正極性方向の検
出波形に対応して設定された所定の閾値th1が入力さ
れる。一方、コンパレータ105に対しては、負極性方
向の検出波形に対応して設定された所定の閾値th2が
入力される。これら閾値th1,th2は共に予め決定
された固定値であり、そのレベルは、例えば図35
(a)においてそれぞれ破線によって示される。
【0011】そして、コンパレータ104においては、
入力されているプッシュプル信号PPLと閾値th1と
を比較して、プッシュプル信号PPLのレベルの絶対値
が、閾値th1の絶対値を越えたときに、図35(b)
に示すようにして、検出信号DT・h1としてHレベル
を出力するようにされている。同様にして、コンパレー
タ105においても、入力されているプッシュプル信号
PPLと閾値th2とを比較して、プッシュプル信号P
PLのレベルの絶対値が閾値th2の絶対値を越えたと
きに、図35(c)に示すようにしてHレベルの検出信
号DT・h2を出力する。
【0012】このようにして、ヘッダ区間の前半期間と
後半期間に対応して、検出信号DT・h1及び検出信号
DT・h2がHレベルとなることで、ヘッダ区間として
の期間が検出されることになる。つまりヘッダ検出が行
われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したヘッ
ダ検出の構成の場合には、固定の閾値で、なおかつプッ
シュプル信号を用いた検出とされていることで、誤検出
が生じる可能性が少なくない。この点について、図36
を参照して説明する。例えば、ディスクの偏芯によるデ
トラック、また、レーザ光のビームスポット位置の揺ら
ぎ、ディスク上の基部やゴミなどのディフェクト等が生
じると、この影響で、図36(a)のプッシュプル信号
PPLとして示すように、プッシュプル信号自体に不要
なオフセットレベルが与えられてしまうことがある。こ
の場合には、レベルが増加する傾向でオフセットがかか
った状態が示されている。そして、例えばこのようなオ
フセットが与えられたプッシュプル信号PPLについ
て、コンパレータ104,105において閾値th1,
th2により比較を行った場合には、例えば具体的には
図36(a)に示されるように、本来はヘッダ区間の後
半区間であるのに、プッシュプル信号PPLの絶対値レ
ベルが閾値th2を越えないために、図36(c)に示
すようにして、検出信号DT・h2としてはHレベルの
出力ができていないという状態が生じてしまう。
【0014】また、図36(a)に示した場合では、プ
ッシュプル信号PPLに対して正レベルにオフセットが
与えられているのであるが、このような場合には、本来
のヘッダ区間の前半区間だけでなく、例えばヘッダ区間
以外の区間Aで閾値th1のレベルを超えてしまうよう
な状態となると、図36(c)に示すようにして、ヘッ
ダ区間以外の区間でHレベルが出力されてしまうような
誤検出も生じる。
【0015】上述もしたように、ヘッダ検出は、ヘッダ
領域の通過に対応するトラッキングサーボのホールドや
再生パラメータの変更などの処理のタイミング制御に利
用されることから、誤検出の発生頻度が高くなるほど再
生性能の信頼性が低下してしまう。従って、例えばこの
ヘッダ検出のような、ディスク上における特定領域につ
いての検出は、できるだけ良好に行えるようにすること
が要求される。また、上記したヘッダ区間の検出も含
め、セクタ内においてヘッダ区間に続く記録可能領域に
ついてのデータ抽出タイミングなども適正に実行される
必要が或る。つまり、DVD−RAMについての再生に
あたっては、ヘッダ区間に代表されるような、セクタ内
における所要のデータ位置についての検出をできるだけ
高精度に実行して、各種の信号処理タイミングも正確な
ものとなるようにすることが再生性能の信頼性の向上に
つながるものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、所定の単位情報領域の連続によって情
報が記録されているディスク状記録媒体に対応して記録
又は再生を行うことのできるディスクドライブ装置とし
て次のように構成する。つまり、単位情報領域における
ヘッダ領域内に格納される特定種類の情報を検出したタ
イミングを基準として計時処理を実行することで、単位
情報領域内についての所要のタイミング信号を発生させ
るものとされ、互いに異なる上記特定種類の情報を検出
するようにされる複数のタイミング発生手段を備える。
そして、単位情報領域ごとに格納されるアドレス情報を
検出して、単位情報領域ごとのタイミングで検出結果に
ついてのOK/NG判定を行うアドレス検出判定手段
と、このアドレス検出判定手段の判定結果に基づいて単
位情報領域に対する上記タイミング発生手段の動作の同
期状態を判定する同期状態判定手段と、この同期状態判
定手段により判定される同期状態に応じて、タイミング
発生手段のうちから所要のタイミング発生手段の動作が
得られるように制御する制御手段とを備えることとし
た。
【0017】上記構成では、先ず、それぞれ異なる種類
の情報を基準としてタイミング信号を発生させる複数の
タイミング発生手段が設けられる。ここで、基準となる
検出情報が異なるということは、例えば発生されるタイ
ミング信号の精度や、情報検出の容易さなどに相違が生
じることを意味している。そして、また、単位情報領域
ごとに格納されるアドレス情報の検出結果の良否に基づ
いて単位情報領域についての同期状態を判定し、この判
定結果に応じてタイミング発生手段を選択するようにし
ているものである。このような構成であれば、例えば同
期状態の安定性などに応じて、適切とされるタイミング
発生手段を動作させることが可能となるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明を行っていくこととする。本発明の実施の形態と
してのディスクドライブ装置としては、DVD−RAM
の再生が可能に構成されているが、その実際としては、
DVD−ROM、及びCD−DA(Digital Audio)及び
CD−ROM等のCDフォーマットのディスクも再生可
能とされる。なお、以降の説明は次の順序で行う。 1.DVD−RAMのトラックフォーマット 2.ディスクドライブ装置の構成 3.セクタ内位置推定 3−1.セクタ内位置推定結果に基づく制御 3−2.セクタ内位置推定動作(第1例) 3−3.セクタ内位置推定動作(第2例) 3−4.セクタ内位置推定動作(第3例) 3−5.セクタ内位置推定動作(第4例) 4.セクタ同期保護動作(第1例) 5.セクタ同期保護動作(第2例)
【0019】1.DVD−RAMのトラックフォーマッ
ト ここで先ず、本発明の実施の形態としてのディスクドラ
イブ装置により再生可能とされるDVD−RAMのトラ
ックフォーマットについて、図4〜図9を参照して概略
的に説明しておく。
【0020】DVD−RAMはいわゆる相変化方式によ
る書き換え可能型のディスクメディアであり、その記憶
容量としては、現状において、片面で4.7GB(アン
フォーマット時)を有する。図4には、DVD−RAM
のトラックフォーマットとして、ディスク全体の構造を
概念的に示している。この図に示すディスク1はDVD
−RAMとされる。そしてこのDVD−RAMにおける
記録トラックは、いわゆるシングルスパイラルとされた
上で、グルーブといわれる溝(凹部)が形成されてお
り、また、2つの隣接するグルーブ間には凸部となるラ
ンドが形成される。そして、DVD−RAMにおいて
は、これらグルーブとランドの両者を記録トラックとし
てデータの記録を行う、いわゆるランド・グルーブ記録
方式を採っている。この方式の採用が記録密度を高める
1つの要因となっている。そして、ランド・トラックと
グルーブ・トラックは、例えば図において矢印aで示す
ディスク半径に沿った所定の直線位置にて、1周ごとに
交互に接続するようにされながら、ディスク内周側から
外周側にかけて1本のトラックをスパイラル状に形成し
ているものである。
【0021】また、ランド・トラックとグルーブ・トラ
ックから成るとされる記録トラックは、図4にも示すよ
うに、周回方向において、複数のセクタに分割される。
ここで、図4に示されているのは、例えば在る1つのゾ
ーン内のトラックフォーマットが示されているものとさ
れる。ここでゾーンとは、ディスク半径方向に沿って区
分される領域であり、トラック1周あたりのセクタ数は
ゾーンごとに異なる。ディスク内周から外周にいくのに
従って、各ゾーン内におけるトラック1周あたりのセク
タ数は増加していくものとされる。このセクタ単位によ
るディスク上の物理的構造を図5に示す。
【0022】図5に示すようにして、1セクタは、先ず
ヘッダ領域が設けられ、これに続けて記録可能領域が設
けられる。ヘッダ領域においては、図示するように、デ
ィスク上の物理アドレスを示すPID(Physical ID)
が、ピット列によって記録される。また、記録可能領域
は、相変化方式によりデータの書き換えが可能な領域で
あり、図示するようにしてランド・トラックとグルーブ
・トラックがディスク半径方向に沿って交互に配置され
る状態となっている。また、ランド・トラックとグルー
ブ・トラックは1セクタ内において232サイクルの周
期で以て蛇行した形状となっており、いわゆるウォブル
が形成されているものである。DVD−RAMにあって
は、このウォブル形状によってクロックが記録されてい
る。
【0023】また、ヘッダ領域においては、PID1,
2,3,4で1組となるヘッダを形成するようになって
いる。また、PID1,2は同じ内容が記録される。同
様にして、PID3,4には同じ内容が記録される。そ
して、PID1,2を含む領域のピット列は、グルーブ
・トラックの中心線に対して1/2トラックピッチ外周
方向にずれるようにして配置され、PID3,4を含む
領域のピット列は、PID1,2のピット列に対して後
続するようにされた上で、1/2トラックピッチ内周方
向にずれるようにして配置される。このようなPIDの
配置、即ちアドレスの配置は、CAPA(Complimentary
Allocated Pit Address)といわれるもので、1セクタ
内における或るグルーブ・トラックをトレースするとき
と、このグルーブ・トラックに隣接するランドトラック
を操作するときのアドレスを共有しているものである。
このようなアドレスの配置によって、例えば隣接するピ
ット列のアドレスのクロストークを解消している。ま
た、ランド・トラックとグルーブ・トラックの各々に対
してアドレスを割り当てる方法と比較して、そのヘッダ
長は半分で済むことになり、それだけ冗長度を小さくし
て記録容量を増加させることができる。
【0024】ここで、図5におけるPID1(m+
N),PID2(m+N),PID3(m),PID4
(m)から成る1組のヘッダを例に採ると、PID1
(m+N),PID2(m+N)は、グルーブ・トラッ
ク(m)のトラック中心線に対して1/2トラックピッ
チ外周方向にずれるようにして配置され、PID3
(m),PID4(m)としてのピット列は、1/2ト
ラックピッチ内周方向にずれるようにして配置されてい
る。ここで、Nは、1トラックあたりのセクタ数を示し
ている。そして、PID1(m+N),PID2(m+
N)によっては、グルーブ・トラック(m)に対して外
周方向に隣接するランドトラック(m+N)としてのセ
クタ内のアドレス位置を示し、PID3(m),PID
4(m)によっては、グルーブ・トラック(m)として
のセクタ内のアドレス位置を示すようにされる。
【0025】また、図6及び図7には、1セクタ内にお
けるデータ配列構造が示される。1セクタは、128バ
イトのヘッダ領域と、データが記録される記録可能領域
とから成っており、ヘッダ領域(Header Field)と記録可
能領域との間には2バイト(32チャネルビット)のミ
ラー領域(mirror field)が設けられる。
【0026】先ずヘッダ領域においては、これらの図に
示すように4つのPID(PhisicalID)1,2,3,4が
存在し、特に図7に示すように、PID1,2,3,4
を含む領域は、それぞれ、Header Field 1,2,3,4として
も区分される。
【0027】Header Field 1は、先頭から36バイトの
VF0(Variable Frequency Oscillator)1、3バイ
トのAM(Address Mark)、PID1、2バイトのIED
(ID Error Detection code)1、1バイトのPA(Postam
ble)1が配置されてなる。Header Field 2は、先頭から
8バイトのVF02、AM(Address Mark)、PID2、
IED2、PA2が配置されてなる。Header Field 3
は、先頭からVF01、AM、PID3、IED3、P
A1が配置されてなる。Header Field 4は、先頭からV
F02、AM、PID4、IED4、PA2が配置され
てなる。
【0028】VFO1,2は、後述するディスクドライ
ブ装置のPLL回路でのVF0(Variable Frequency O
scillator)を同期させるためのものである。即ち、ク
ロック再生のために利用される。ここで36バイトのV
FO1は576チャネルビットの長さを有しており、8
バイトのVFO2は、128チャネルビットの長さを有
している。AMは、後続のPIDのバイト同期を装置に
対して与えるために使用され、所定の48チャネルビッ
トによるパターンを有する。PA1,2は、IED1,
3、IED2,4の終端を示し得る境界的な領域とされ
る。そしてIED1,2,3,4は、その直前に位置し
ているPID1,2,3,4についてのエラーチェック
のための符号が記録されている。
【0029】また、記録可能領域においては、先頭から
ギャップ(Gap Field)、ガード1(Guard1 Field)、VF
O3が設けられる。ギャップは、160チャネルビット
(10バイト)+J(0〜15)チャネルビットのサイズを
有しており、また、ガード1は、20+K(0〜7)バイト
のサイズを有している。これらギャップ、ガード1の領
域は、後述するデータ領域を物理的に保護するために設
けられている。VFO3は、35バイトにより560チ
ャネルビットのサイズ有し、記録可能領域に対応したク
ロック再生に利用される。そして、VFO3の後ろに対
しては、PS(Pre-Synchronous code Field)が配置さ
れる。このPSは、48チャネルビット(36バイト)
による所定パターンを有しており、後続のデータ(Dat
a)領域におけるバイト同期を取るための領域である。
そして、データ(Data)領域としては、2418バイト
を有しており、この領域に対してユーザデータが記録さ
れる。データ領域に続けてはPA3(1バイト)が配置
される。
【0030】PA3に続けてはガード2(Guard Field
2)が配置される。ガード2は、55−K(0〜7)バイトの
サイズを有している。ガード2に続いては、バッファ(B
uffer Field)の領域が設けられる。バッファは、400
チャネルビット(25バイト)−Jチャネルビットのサ
イズを有している。このバッファは、例えばデータ書込
中のデトラックや速度変化により影響を受けた書き込み
データの現実長のばらつきを吸収するために設けられ
る。
【0031】ここで、PID1,2,3,4の構造を図
8に示す。なお、以降の説明において、PID1,2,
3,4について特に区別しない場合には、単にPIDと
表記する。PID全体としては、図8(a)に示すよう
にして、先頭から1バイトのセクタインフォメーション
(Sector Information)と、これに続く3バイトのセクタ
ナンバ(Sector number)から成る。セクタナンバは即ち
アドレス値を格納しており、PID1,3のセクタナン
バには、後続のランドセクタのセクタナンバが示され、
PID2,4のセクタナンバには、後続のグルーブセク
タのセクタナンバが示される。また、セクタインフォメ
ーションは、図8(b)に示す構造を有しており、先頭
2ビットは未定義とされる。そして、続けてフィジカル
IDナンバ(PhysicalID number:2ビット)、セクタ
タイプ(sector type:3ビット)、レイヤナンバ(Layer
number:1ビット)が配置される。フィジカルIDナン
バによっては、PID1,2,3,4の何れかであるこ
とが特定される。このフィジカルIDナンバとしては、
0(00b)=PID1、1(01b)=PID2、2
(10b)=PID3、3(11b)=PID4のよう
に対応付けられて定義されている。なお、以降の説明に
おいてはにおいて、「PIDナンバ」ということがある
が、この「PIDナンバ」とは、PID1,2,3,4の
何れかの値をいうものとされる。つまり、フィジカルI
Dナンバ=0(00b)であればPIDナンバ=1(PI
D1)であり、同様に、フィジカルIDナンバ=1(0
1b)であればPIDナンバ=2(PID2)、フィジカ
ルIDナンバ=2(10b)であればPIDナンバ=3
(PID3)、フィジカルIDナンバ=3(11b)で
あればPIDナンバ=4(PID4)となる関係を有する
ものである。
【0032】また、セクタタイプによっては、1周回ト
ラック内における現セクタの位置が示されている。つま
り、その値に応じて、トラック内の開始セクタ、最終セ
クタ、最終セクタの直前セクタ、又はそれ以外のセクタ
という、4種類のセクタのうちの何れであるのかが特定
されるものである。また、レイヤナンバは、現セクタが
どのレイヤに属するのかを示す。
【0033】また、1セクタ内のデータ領域に記録され
るデータは、図9に示すようにして13行×2=26の
フレーム(1488バイト=1456+32)から構成
される。各フレームの先頭には32バイトのフレームシ
ンクが配置され、このフレームシンクには、図示するよ
うに、SY0〜7のシンクナンバーが与えられている。
そして、このシンクナンバーとしての文脈から、フレー
ムデータ内の位置を特定することができる。
【0034】2.ディスクドライブ装置の構成 続いてDVD−RAMに対応して再生が可能とされるデ
ィスクドライブ装置の構成例について、図1のブロック
図を参照して説明する。なお、本実施の形態のディスク
ドライブ装置の実際としては、DVD−RAMの再生の
みに限定されるものではなく、DVD−ROMの再生も
可能とされている。また、DVDだけではなく、CD−
DA(Digital Audio)及びCD−ROMの再生も可能と
される。但しここでは、説明の便宜上、主としては、D
VD−RAMを再生するための構成についてのみ説明を
おこなっていくこととする。但し実際には、以降説明す
る各機能回路部において、ディスク種別に応じて、再生
信号処理系を切り換えたり、また、所要の再生パラメー
タを変更したりすることで、上記した各ディスクの再生
が可能とされているものである。
【0035】ここでの光学ディスク1は、上記したDV
D−RAMとされる。この光学ディスク1は、図示しな
いターンテーブルに載置され、スピンドルモータ2によ
って回転制御される。
【0036】ここで、DVD−RAMに対する回転制御
方式としては、いわゆるZCLV(Zoned Constant Line
ar Velocity)が採用される。ZCLVは、周知のよう
に、先ずディスクフォーマットとして、ディスクを半径
方向に複数ゾーンに分割し、各ゾーンの1トラックあた
りのセクタ数を外周方向に従って増加させるようにして
おく。そして、各ゾーン内では、CAV(角速度一定:
Constant Angular Verocity)で回転制御を行うようにさ
れるが、線速度をディスク全面でほぼ一定とするよう
に、CAVの回転速度は外周ゾーンに向かうに従って低
速となるように制御されるものである。
【0037】光学ピックアップ3では、レーザダイオー
ド30によって、光学ディスク1の信号面にレーザ光を
照射して、フォトディテクタ37によって上記信号面か
らの反射光を検出することで、光学ディスク1に記録さ
れているデータの読み出しを行う。
【0038】また、光学ピックアップ3においてレーザ
光の出力端である対物レンズ34は二軸機構3aによっ
てトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保
持されている。2軸機構3aには、対物レンズ34を光
学ディスク1に接離する方向に駆動するフォーカスコイ
ルと、対物レンズ34を光学ディスク1の半径方向に駆
動するトラッキングコイルとが形成されている。また、
光学ピックアップ3全体は、スレッド機構19によって
光学ディスク1の半径方向に移動可能とされている。
【0039】光学ヘッド3内にて検出した反射光はその
反射光量に応じた電流信号とされてRFアンプ4に供給
され、このRFアンプ4での電流−電圧変換、マトリク
ス演算処理により、フォーカスエラー信号FE、トラッ
キングエラー信号TEが生成されるとともに再生情報と
してのRF信号、和信号であるPI(プルイン)信号等
を生成することができる。
【0040】RFアンプ4で生成されたフォーカスエラ
ー信号FE、トラッキングエラー信号TEはサーボプロ
セッサ5にて位相補償、利得調整等の所要の処理を施さ
れたのちに駆動回路6に供給され、フォーカスドライブ
信号、トラッキングドライブ信号として上述したフォー
カスコイルと、トラッキングコイルとに出力される。さ
らに上記トラッキングエラー信号TEをサーボプロセッ
サ5内にてLPF(low pass filter)を介してスレッ
ドエラー信号を生成して、駆動回路6からスレッドドラ
イブ信号としてスレッド機構14に出力される。これに
よりいわゆるフォーカスサーボ制御、トラッキングサー
ボ制御、スレッドサーボ制御が実行される。
【0041】またサーボプロセッサ5はシステムコント
ローラ11からの指示に基づいて、フォーカスサーチ動
作、トラックジャンプ動作のための信号を駆動回路6に
供給し、それに応じた、フォーカスドライブ信号、トラ
ッキングドライブ信号、スレッドドライブ信号を発生さ
せて、光学ヘッド3のフォーカスサーチやトラックジャ
ンプ/アクセス等を実行させる。
【0042】フォーカスサーチとは、フォーカスサーボ
引込のために対物レンズ34をディスク1から最も遠い
位置と最も近い位置の間を強制的に移動させながら、フ
ォーカスエラー信号FEの波形として、いわゆるS字カ
ーブを検出する動作である。既に知られているようにフ
ォーカスエラー信号FEとしては、対物レンズ15がデ
ィスク1の記録層に対して合焦点位置となるポイントの
前後の狭い区間においてS字カーブが観測されるものと
なり、そのS字カーブのリニア領域でフォーカスサーボ
をオンとすることで、フォーカスサーボ引込が可能とな
る。このようなフォーカスサーボ引込のために、フォー
カスサーチが行われるものであり、このためのフォーカ
スドライブ信号がフォーカスコイルに流され、対物レン
ズ15の移動が行われる。
【0043】またトラックジャンプやアクセスの場合に
は、2軸機構3aによる対物レンズ34のディスク半径
方向への移動や、スレッド機構14による光学ヘッド3
のディスク半径方向への移動が行われるが、このための
ドライブ信号がトラッキングドライブ信号、スレッドド
ライブ信号としてトラッキングコイルやスレッド機構1
4に出力されることになる。
【0044】RFアンプ4にて生成された再生RF信号
は、二値化回路7に対して出力されることで二値化さ
れ、8/16変調により符号化されている、いわゆるE
FM+信号となる。そして、このEFM+信号は、クロ
ック再生回路8に対して出力される。クロック再生回路
8では、入力されたEFM+信号に基づいて、PLL回
路などによって、EFM+信号に同期した再生クロック
CLKを抽出生成して出力する。この再生クロックCL
Kは、デコード回路やサーボプロセッサ5をはじめとす
る各種回路における動作クロックとして供給される。ク
ロックが抽出されたEFM+信号は、転送制御回路20
に入力される。
【0045】また、本実施の形態のクロック再生回路8
では、記録可能領域のトラックに形成されるウォブルを
検出して得られるウォブル信号を入力することで、この
ウォブル信号に同期したクロックも生成して出力するよ
うにされている。
【0046】転送制御回路20においては、例えば後述
するPID検出部16による検出結果、及びタイミング
生成部18におけるセクタ内位置推定結果に基づいて、
入力されたEFM+信号のうちから必要な部分の信号を
抽出してデコード回路9に転送するためのタイミング制
御を実行する。
【0047】デコード回路9においては、入力されたE
FM+信号について、EFM-Plus復調(eight to f
ourteen demodulation Plus:8/16変調に対する復
調)を施して、エラー訂正回路10に対して出力する。
エラー訂正回路10においては、バッファメモリ11を
作業領域として利用しながら、RS−PC方式に従って
の誤り訂正処理を実行する。なお、エラー訂正回路10
内に設けられるバッファリングコントローラ10aは、
バッファメモリ11に対する書き込み及び読み出しに関
する制御処理を実行する。
【0048】エラー訂正が行われた2値化データ、つま
り再生データは、例えばこの図の場合であれば、エラー
訂正回路10内に設けられているとされるバッファリン
グコントローラ10aの読み出し制御によって、バッフ
ァメモリ11からデータインターフェイス12を介して
転送される。データインターフェイス12は、外部デー
タバス41を介して接続されるホストコンピュータ40
等の外部情報処理装置との通信のために設けられるもの
で、上述のようにして再生データが転送されてきた場合
には、更にこの再生データをに対して外部データバス4
1を介してホストコンピュータ40に転送することがで
きる。また、データインターフェイス12を介しては、
例えば当該ディスクドライブ装置とホストコンピュータ
40とのコマンドの送受信も可能とされている。当該デ
ィスクドライブ装置にあっては、このコマンドの送受信
は、システムコントローラ13が処理を実行する。
【0049】システムコントローラ13は全体を制御す
る部位としてマイクロコンピュータにより形成される。
システムコントローラ11は現在の動作状況、また、ホ
ストコンピュータ40からの指示等に基づいて、各種再
生動作のための所要の制御を行うことになる。
【0050】また、本実施の形態のディスクドライブ装
置では、DVD−RAMの再生に対応して、図示するよ
うに、RAM用ブロック14が設けられる。本実施の形
態のRAM用ブロック14は、ヘッダ検出部15、PI
D検出部16、及びランド/グルーブ検出部17、及び
タイミング生成部18を備えて成る。
【0051】ヘッダ検出部15は、ヘッダ検出を行うた
めの部位とされる。つまり、レーザ光のトレース位置と
して、DVD−RAMのヘッダ領域を通過しているタイ
ミングを検出する。なお、この場合のヘッダ検出部15
としては、PID1,2を含むHeader Field 1,2が連続
した領域と、PID3,4を含むHeader Field 3,4が連
続した領域とのそれぞれを検出するようにされればよい
のであるが、その構成として、例えば先に本出願人が出
願した特願2000−280144号に基づいた構成と
すれば、より安定した検出動作を得ることができる。
【0052】PID検出部16では、ヘッダ領域に記録
された物理アドレスである、PID(1,2,3,4)
を検出する。このために、PID検出部16では、アド
レスマークAMを検出して、その検出に基づいて、PI
D信号をデコード回路9に対して出力する。デコード回
路9では、このEFM+復調処理の過程において、入力
されたPIDについてデコードを行い、PIDとしての
データを得る。このようにして取得したPIDを利用す
ることで、例えばデコード回路9及びシステムコントロ
ーラ13等においては、ヘッダ領域に続く記録可能領域
の物理アドレスを認識することが可能になる。
【0053】また、図4によっても説明したように、D
VD−RAMでは、トラックを1周するごとにランドと
グルーブが交代する。このため、再生時にあっては、現
セクタの記録可能領域としてはランド/グルーブの何れ
であるのかを検出し、その検出結果に基づいて、例えば
ランドとグルーブとに対応させてトラッキングサーボ制
御で利用されるトラッキングエラー信号TEの極性を反
転させることが必要となる。そして、このランド/グル
ーブについての検出を行うのがランド/グルーブ検出部
17とされる。この場合には、ランド/グルーブ検出部
17は、例えばRFアンプ4にて生成したとされるプッ
シュプル信号PPを入力するようにされる。
【0054】1つのセクタにおいてランド・トラックを
トレースする場合と、グルーブ・トラックをトレースす
る場合とでは、プッシュプル信号PPは、セクタのヘッ
ダ領域を検出したときには、PID1,2のピット列
と、PID3,4のピット列とで、検出波形が互いに反
転する。そして、その反転パターンとして、正極性→負
極性の順となるのか、或いは負極性→正極性の順となる
のかについては、そのヘッダに続くトラックが、ランド
・セクタとグルーブセクタの何れとなるのかによって一
義的に決まる。そこで、ランド/グルーブ検出部17で
は、入力されたプッシュプル信号PPについて、上記し
たヘッダ領域に対応する波形の反転のパターンを検出
し、その検出結果に基づいて、ランド又はグルーブであ
ることを示す検出信号を生成する。この検出信号は、例
えばサーボプロセッサ5が入力して、トラッキングエラ
ー信号TEの極性を適正タイミングで反転させるのに利
用する。なお、ランド/グルーブ検出の方法、構成はほ
かにも各種考えられ、例えばPIDのデコード結果によ
っても検出可能であるし、ディスク回転の周期性からも
判定することができる。従って、ランド/グルーブ検出
部17としては、上記した構成に限定されるものではな
い。
【0055】タイミング生成部18は、上記したヘッダ
検出部15、PID検出部16、ランド/グルーブ検出
部17の検出出力等を利用して、セクター内のデータ位
置の検出(セクター内位置推定(検出)処理)を行う。
そして、この推定結果を利用して、セクター内のデータ
位置に応じての所要の設定変更などが行われるように構
成される。
【0056】例として、サーボプロセッサ5において
は、セクター内位置推定結果に基づいて、ヘッダを再生
しているとされる期間に対応して、トラッキングサーボ
制御動作をホールドさせる。つまり、例えばヘッダ領域
が検出された直前のトラッキングエラー信号TEの値を
ホールドして、閉ループによるトラッキングサーボ制御
を実行するものである。これによって、トラッキングサ
ーボ制御としては、記録可能領域のトラックに対して1
/2トラックピッチ分シフトしているヘッダ領域のトラ
ック(アドレスのピット列)には追随しないようにさ
れ、そのヘッダに続いてトレースすべきランド・トラッ
ク又はグルーブ・トラックのトレースを適正かつ良好に
実行できることになる。
【0057】また、ここでDVD−RAMの再生に対応
した光学系の構成例について説明しておく。図2は、光
学ピックアップ3における光学系の構成を示している。
この図に示す光学系としては、レーザーダイオード30
から出力されるレーザービームは、コリメータレンズ3
1で平行光にされた後、ビームスプリッタ33に入射す
る。ビームスプリッタ33の入射光は、光学ディスク1
側に90度反射され、更に対物レンズ34を透過するこ
とで、収束される状態で光学ディスク1に照射される。
光学ディスク1にて反射された反射光は、対物レンズ3
4を介してビームスプリッタ33に入射し、そのまま透
過して集光レンズ35に達する。そして集光レンズ35
で集光された後、円筒レンズ(シリンドリカルレンズ)
36を介してフォトディテクタ37に入射される。
【0058】また、図3に、フォトディテクタ37の構
造例を示す。この場合のフォトディテクタ37として
は、図示するように、少なくとも検出部A,B,C,D
から成る4分割ディテクタを備えて成る。このフォトデ
ィテクタ37における4つの検出部A,B,C,Dは、
図示する配列形態とされると共に、図の左側に示される
記録トラックとの位置関係が得られる方向によって配置
される。なお、以降においては、検出部A〜Dにて得ら
れる検出信号については、それぞれ検出信号A〜Dと表
記する。
【0059】本実施の形態では、後述するヘッダ検出の
ためにプルイン信号PIを利用する構成を採り得るが、
このプルイン信号PIについては、図において等価回路
的に示すように、検出部A,B,C,Dの出力である検
出信号A,B,C,Dを利用してPI=(A+B+C+
D)の演算によって生成することが可能である。
【0060】また、DVD−RAMにあっては、トラッ
キングサーボ制御としていわゆるプッシュプル方式が採
られる。この方式ではプッシュプル信号PPを利用して
サーボ制御を行うが、このプッシュプル信号PPを生成
する場合は、図においてこれも等価回路的に示すよう
に、検出部A,B,C,Dの出力である検出信号A,
B,C,Dを利用して、差動アンプにより、PP=(A
+D)−(B+C)の演算を行うことにより生成するこ
とができる。なお、DVD−ROMにあっては、位相差
法が利用される。また、フォーカスエラー信号FEは、
演算のための等価回路図は示していないが、検出信号
A,B,C,Dを利用して、FE=(A+C)−(B+
D)の演算により生成することができる。なお、上記各
信号を生成するための演算は、実際にはRFアンプ4に
おいて行われる。
【0061】3.セクタ内位置推定 3−1.セクタ内位置推定結果に基づく制御 本実施の形態のディスクドライブ装置では、DVD−R
AM再生時においては、タイミング生成部18(図1)
において、セクタ内における所要のデータ位置の推定
(検出)を行うようにしており、この推定結果に基づい
て、各種の再生時における制御処理を実行する。図10
のタイミングチャートは、このようなセクタ内位置推定
結果に基づく各種制御タイミングを例示している。ここ
で、図10(a)には、ディスクから読み出されたデー
タとして、1セクタのデータが時系列的に示されている
ものとされる。そして、図10(b)のセクタ内位置推
定カウンタは、後述するようにしてタイミング生成部1
8内に設けられるとされる、セクタ内位置推定のための
カウンタのロードタイミング(カウント開始タイミン
グ)を示している。このセクタ内位置推定カウンタは、
例えばセクタ単位のタイミングでクリアされると共に、
ヘッダ領域のPID1,2,3,4の何れかが検出され
るタイミングに応じて、PID1,2,3,4の各々に
応じた所定のカウント初期値からカウントを開始するよ
うに動作する。そして、例えば一定時間ごとにカウント
値を1つづつアップさせるようにしてカウントが行われ
る。つまり、このセクタ内位置推定カウンタのカウント
動作は、セクタ単位ごとに同期させるようにして時間を
計測しているものであるとみることができる。この場合
には、PID1の位置の検出に応じて、セクタ内位置推
定カウンタが、PID1に対応するカウント初期値から
カウントを開始している状態が示されている。
【0062】そして、このようにしてカウント動作が行
われていくと、そのカウント値(計時時間)に基づい
て、1つには、図10(g)に示すようにして、トラッ
クホールド信号のタイミングを得るようにされる。前述
もしたように、DVD−RAM再生時において、ヘッダ
領域を通過する際には、トラッキングサーボをホールド
させることが必要とされる。このトラックホールド信号
は、例えば従来は、ヘッダ検出結果に基づいて生成され
ていたのであるが、本実施の形態としては、セクタ内位
置推定結果に基づいたものとすることで、その生成タイ
ミングをより高精度とするようにされる。図10(g)
としては、トラックホールド信号がHレベルのときにホ
ールド状態とし、Lレベルのときにホールド状態を解除
するようにされる。
【0063】図11のブロック図は、サーボプロセッサ
5内に在るとされる、トラッキングサーボ信号処理系を
概念的に示している。この図に示すようにして、トラッ
キングエラー信号TEは、サーボフィルタ5a及びホー
ルド信号出力回路5bに対して分岐して供給される。そ
して、サーボフィルタ5aとホールド信号出力回路5b
の各出力は、スイッチ5cによって択一的に選択されて
サーボフィルタ5dにより択一的に選択されて、フォー
カスドライブ信号として出力される。ここで、トラック
ホールド信号がLレベルである場合には、スイッチ5c
はサーボフィルタ5aの出力を選択するようにされ、こ
れによっては、トラッキングエラー信号TEの変化に応
じたトラッキングサーボ制御が実行されることになる。
つまり、ホールドは解除されている状態である。これに
対して、トラックホールド信号がHレベルである場合に
は、スイッチ5cはホールド信号出力回路5bの出力を
選択するように切り換えが行われることになるが、この
状態では、トラッキングエラー信号TEは、直前の値、
或いはその低域周波数成分の値にホールドされて変動し
ない状態でサーボフィルタ5dに出力されることにな
る。このような動作が、図10(a)(g)に示すタイ
ミングで実行されることで、記録可能領域をトレースし
ているときには、レーザスポットがトラックに追随する
ようにトラッキングサーボ制御が実行され、ヘッダ領域
をトレースしているときには、直前のランド又はグルー
ブトラックをトレースしていた状態のまま、トラッキン
グサーボがホールドされる状態を得ることができる。
【0064】また、セクタ内位置推定結果である、セク
タ内位置推定カウンタのカウント値に基づいては、RF
信号のDC値引き込み処理も実行される。ディスクから
読み出された信号は、RF信号としてRFアンプ4に入
力されるのであるが、このRF信号に重畳されるDC成
分(DC値)は、図17(a)に示すようにしてヘッダ
領域と記録可能領域とで異なるものとなる。また、ヘッ
ダ領域として、Header Field 1,2の領域と、Header Fie
ld 3,4の領域の間でも異なるものとなる。このため、R
Fアンプ4において適正に信号処理を実行するには、こ
のDC値の成分をカットして、図17(b)に示すよう
にして、ヘッダ領域(Header Field 1,2 /Header Field
3,4)と、記録可能領域とのRF信号についてそのセンタ
ー値を同じくする必要がある。つまりRF信号について
のDC引き込みを行う必要がある。
【0065】このようなRFアンプ4内の構成として
は、図12に示すようにして、例えばRF信号をHPF
(High Pass Filter)4aによりDC値の成分をカット
し、初段アンプ4bによって増幅する。そして、HPF
4aに対しては、図10(c)に示すタイミングでRF
信号DC引き込みが行われるものである。つまり、図1
0(c)に示すHレベルの区間において、各Hレベルの
区間が対応する図10(a)のデータ位置に応じて、適
切なDC値引き込みが行われるように、HPF4aの時
定数を切り換えるものである。このような処理が例えば
図10(c)に示すような適正なタイミングで実行され
ることで、ヘッダ領域ではPID1,2,3,4を高い
信頼性で読み出すことができ、また、記録可能領域にお
いては、データ領域のユーザデータを読み出す信頼性が
向上されることになる。
【0066】また、転送制御回路20においては、入力
された二値化RF信号から、記録可能領域内のデータ(d
ata)のみを抽出してデコード回路9に出力する必要が
あるとされるが、このデータ部抽出タイミングは、セク
タ内位置推定カウンタのカウント値に基づき、図10
(d)に示すようにして得ることができる。図13に
は、転送制御回路20及び後段のデコード回路9が示さ
れている。ここで、図10(d)に示すデータ部抽出タ
イミングがLレベルであるときには、図13に示される
転送制御回路20のデータ転送はオフとなるようにさ
れ、Hレベルであるときにはデータ転送がオンとなるよ
うに制御される。従って、セクタ内位置推定カウンタの
カウント値に基づいて、図10(d)に示すデータ部抽
出タイミングが適正に得られている限りは、常に適正に
データ部の信号のみが抽出されて、デコード回路9に対
して出力されることになる。
【0067】また、クロック再生回路8においては、ヘ
ッダ領域に対応してはVFO1,2を利用し、記録可能
領域においてはVFO3を利用してPLL回路をの引き
込み動作を実行させることで、二値化されたRF信号に
同期したチャネルクロックCLKを再生するのである
が、この際のPLL回路の引き込みタイミングとして
も、セクタ内位置推定カウンタのカウント値に基づき、
図10(e)に示すようにして得るようにされる。そし
て、この図10(e)に示すPLL引き込みスタートの
タイミングで、図14に示すようにして、クロック再生
回路8におけるPLL回路8aについての、引き込み動
作のスタートタイミングを指示するようにされる。
【0068】また、PLL回路については、図10
(e)に示すタイミングのほかに、例えば次のようなタ
イミング制御を実行することもできる。ここで、PLL
回路8aの内部構成として、DVD−RAM再生に対応
した構成を図16(a)に示す。この場合のPLL回路
8aとしては、図示するように第1PLL回路52と第
2PLL回路54とを備える。ここで、RFアンプ4か
ら入力されたプッシュプル信号PPは、ディスク上の傷
やデトラックなどの影響を受けていることから、この影
響を除去するために、ウォブル保護回路51によって波
形整形される。ウォブル保護回路51により波形整形さ
れたプッシュプル信号PPは、第1PLL回路52に入
力される。プッシュプル信号PPとしては、ディスクの
トラックに記録されたウォブル形状を検出した信号成分
を有しており、第1PLL回路52では、入力されたウ
ォブル信号に同期したセクタ内位置推定用クロックCL
K−1を再生出力する。このセクタ内位置推定用クロッ
クCLK−1は、後述するようにしてセクタ内位置推定
を行う各種回路においてクロックとして用いられる。
【0069】また、第2PLL回路54は、二値化回路
7からの二値化RF信号を入力して、データ読み出し用
のクロックCLKを再生する。ここで、本実施の形態と
しては、スイッチ53を設けることで、上記第2PLL
回路54に対して入力すべき信号として、セクタ内位置
推定用クロックCLK−1と二値化RF信号とを選択で
きるようになっている。例えばスイッチ53の切り換え
によって、データ(PID及びユーザデータ等)の読み
出しが実行されているタイミングでは、第2PLL回路
54に対して二値化RF信号を入力するようにされる
が、これ以外のタイミングでは、セクタ内位置推定用ク
ロックCLK−1を入力するようにされる。このような
構成とすれば、データ読み出し以外の期間ではセクタ内
位置推定用クロックCLK−1が入力されていること
で、この期間における第2PLL回路54の発振周波数
を適切な値に維持することができる。そして、データ読
み出しのタイミングでは、位相引き込みを行うだけで、
PLLをロックさせて適正なクロックCLKを得て、信
頼性の高いデータ読み出しを実行することが可能になる
ものである。
【0070】また、この場合には、第2PLL回路54
についてのフィルタ時定数を切り換えるようにもされ
る。つまり、データ読み出しの開始時には、フィルタ時
定数を小さくしてゲインを大きいものとして、高速な引
き込み動作が得られるようにするものである。
【0071】また、ヘッダ領域においてはトラックとし
てのウォブルの構造を有していないことから、そのまま
では、ヘッダ領域の区間では第1PLL回路52の動作
が不安定になってしまうこととなる。そこで、ヘッダ領
域をトレースしているとされるタイミングでは、第1P
LL回路52の動作をホールドさせ、一定の発振周波数
が得られるようにする。
【0072】このようなPLL回路に対する制御タイミ
ングを図16(b)に示す。この図においては、セクタ
単位のデータに対して、第1PLLホールド信号、第2
PLL回路切換信号、及び第2PLL回路時定数切換信
号のタイミングが示されている。第1PLLホールド信
号がHレベルとなるとホールド動作となる。また、第2
PLL回路切換信号は、スイッチ53の制御に用いら
れ、Hレベルでは二値化RF信号を選択し、Lレベルで
はセクタ内位置推定用クロックCLK−1を選択するよ
うにされる。第2PLL回路時定数切換信号は、Hレベ
ルのときに第2PLL回路54のフィルタ時定数を小さ
くし、Lレベルの時にフィルタ時定数を大きくする。こ
の第2PLL回路時定数切換信号がHレベルとなる期間
は、ほぼ、VFO1,2,3の検出タイミングに対応し
ている。そして、この図16(b)に示す各信号のタイ
ミングもまた、セクタ内位置推定カウンタのカウント値
に基づいて得るようにされるものである。
【0073】説明を図10に戻す。また、データ部の区
間については、セクタ内位置推定カウンタのカウント値
に基づきシンクフレーム単位のタイミングで、例えば昇
順に従って番号を割り振るようにしてカウントを行うこ
とができる。これにより、図10(f)に示すようにし
て、現在、データ部において何番目のシンクフレームに
位置しているのかを推定することも可能とされている。
なお、本明細書では、このようにして得られるシンクフ
レームの出現順に従った番号を、「シンクフレームナン
バ推定値」ということにする。そして、このシンクフレ
ームナンバ推定値に基づいては、例えばエラー訂正回路
10内のバッファリングコントローラ10aが、バッフ
ァメモリ11へのデータ転送をシンクフレーム単位で実
行することが可能となるものである。
【0074】3−2.セクタ内位置推定動作(第1例) 本実施の形態において、上記図10若しくは図16
(b)に示したような各種制御処理のタイミングは、R
AMブロック14内のタイミング生成部18が、例えば
PID検出部16、ヘッダ検出部15、ランド/グルー
ブ検出部17の検出結果を適宜利用して得るようにされ
る。つまり、タイミング生成部18においては、ディス
クから読み出された信号についての所要のデータ位置の
検出結果に基づいて、所要のタイミングでセクタ内位置
推定カウンタ(以下、単に「カウンタ」ともいう)を動
作させる。そして、このカウンタのカウント値(計時時
間)により、1セクタ内における所要のデータ位置を推
定し、推定されたデータ位置に基づいて、所要の各種タ
イミング信号を発生させるようにしているものである。
そして、本実施の形態としては、上記のようなセクタ内
位置推定動作としては、以下のようにいくつかの構成例
を挙げることができるものである。先ず、第1例から説
明を行っていくこととする。
【0075】図18のタイミングチャートは、第1例と
してのセクタ内位置推定動作を示している。ここで、図
18(a)に示すようにしてディスクからの信号が読み
出されているものとすると、例えばPID検出部16で
は、図18(b)に示すタイミングでAMを検出するこ
とになる。AMが検出されると、その検出されたAMに
続くとされる所定サイズの領域をPID−IEDが連続
する領域であるとみなして、EFM+復調を実行する。
そして、この際には、IEDを用いてのPIDについて
のエラー検出が行われる。
【0076】これにより、図18(c)に示すようにし
て、PID−IEDを読み出したタイミングでは、IE
D判定(エラー検出処理)終了のフラグが立ち、また、
そのエラー検出結果がNGである場合には、IED判定
結果NGのフラグが立つことになる。また、このときに
は、PID内のフィジカルIDナンバ(2bit)を参照する
ことで、PIDナンバが得られることになる。つまり、P
ID1,2,3,4の何れであるのかが検出される。こ
のときには、図18(e)に示すようにして、検出され
たPIDナンバの値に応じて、PID1検出フラグ、PI
D2検出フラグ、PID3検出フラグ、PID4検出フ
ラグの何れかが立つことになり、また、図18(d)に
示すようにして、検出されたPIDナンバの値が識別され
ることになる。
【0077】ここで、IED判定結果がOKであれば、
PIDナンバは正しいものであると推定することができる
のであるが、IED判定結果がNGとなったときのPID
ナンバとしては、その信頼性は低いものとされることに
なる。例えばこの図においては、PID4検出時におい
て、図18(d)(e)に示されるように、IED判定
結果NGのフラグが立っており、また、PIDナンバとし
ても本来は‘3’であるべきところがPID2を示す
‘1’という誤った値が検出されている。
【0078】本実施の形態のタイミング生成部18で
は、基本的には図18(e)に示しているPID検出フ
ラグを基準として、その検出されたPID(1,2,
3,4)位置をカウンタにロードする。つまり、PID
(1,2,3,4)に応じて一義的に決められている所
要のカウント初期値をロードしてカウント開始するよう
にされる。
【0079】しかし、上記もしたように、PID検出時
において誤検出が行われることで信頼性が低下するとい
う事実があることを考慮して、本実施の形態では、PI
D検出タイミングに対応して保護ウィンドウを生成する
ようにされる。これが、図18(f)に示すPID
(1,2,3,4)検出ウィンドウである。このPID
(1,2,3,4)検出ウィンドウも、後述する構成に
よって、カウンタのカウント値に基づくセクタ内位置推
定値を利用して生成されるものである。そして、このP
ID(1,2,3,4)検出ウィンドウ内に対して、図
18(e)に示すPID(1,2,3,4)検出フラグ
が立ったときにはじめて、図18(g)に示すようにし
て、PID(1,2,3,4)位置をするようにしてい
る。この図に示す場合では、図18(e)(f)から分
かるように、最初のPID1の検出時において、PID
1検出フラグが立っており、かつ、このフラグが、PI
D1検出ウィンドウがHレベルとなって開いている期間
に得られているので、図18(g)に示すようにしてP
ID1位置ロードのフラグが、PID1検出フラグと同
じタイミングで得られることになる。そして、カウンタ
は、PID1位置ロードのフラグのタイミングで、図1
8(h)に示すようにして、PID1に対応するカウン
ト初期値をロードしてカウントを開始することになる。
【0080】また、この場合、PID2,3のタイミン
グにおいても、上記PID1の場合と同様に、PID
(2,3)検出ウィンドウが開いている期間(図18
(f))に、PID(2,3)検出フラグが立っている
(図18(e))ことから、図18(g)に示すように
して、PID(2,3)検出フラグのタイミングでPI
D(2,3)位置ロードのフラグが立っているのではあ
るが、このときには既に、カウンタはロードが終了して
カウントが開始されているので、このロードフラグは、
無視されることになる。
【0081】そして、上記のようにして図18(h)に
示すカウンタがカウントを開始すると、一定時間ごとに
カウント値がカウントアップしていくようにされるので
あるが、このカウント値としては、図10(a)にも示
されていたものとされる。つまり、セクタのタイミング
に同期した計時時間として扱われるものである。そし
て、例えば図10(c)(d)(e)(f)(g)に示
したタイミングは、セクタ内推定値であるところのカウ
ンタのカウント値(計時時間)が予め定められた所定値
となると活性化されるものである。
【0082】そして、図18においては、このようなセ
クタ内位置推定値に基づいて活性化されるタイミングと
して、図18(i)にはトラックホールド信号が示され
ている。トラックホールド信号とは前述もしたように、
Hレベルではトラッキングサーボ制御動作をホールドさ
せ、Lレベルでは通常にトラッキングエラー信号TEに
応じてのサーボ制御を実行させるための制御信号であ
る。そして、このトラックホールド信号は、図18
(i)に示されるトラックホールドセット信号とトラッ
クホールドリセット信号によってそのタイミングが決定
されてHレベルの区間を得るようにされている。つま
り、カウンタによるセクタ内位置推定値に基づいて、次
のセクタのヘッダ領域であるとされた時点でトラックホ
ールドセット信号が立つので、この時点からトラックホ
ールド信号をLレベルからHレベルに切り換えるように
する。そして、ヘッダ領域を通過して記録可能領域に移
行したとされるセクタ内位置推定値が得られた時点でト
ラックホールドリセット信号が立つようにされ、これに
応じて、トラックホールド信号はLレベルに戻るように
されるものである。
【0083】上記図18に示した動作を実現するための
タイミング生成部18の構成、即ち、セクタ内位置推定
カウンタの構成を図19〜図21により説明する。図1
9のブロック図には、セレクタ61,カウンタ62,及
びデコーダ63が示される。セレクタ61には、予め決
定された、PID1,2,3,4の位置に対応するカウ
ント初期値であるところの、PID1検出位置相当カウ
ンタ値、PID2検出位置相当カウンタ値、PID3検
出位置相当カウンタ値、PID4検出位置相当カウンタ
値が入力されており、これらの内から1つを選択してカ
ウンタ62のカウント入力に出力する。また、カウンタ
62のロード端子には図18(d)に示したPID1位
置ロードフラグ、PID2位置ロードフラグ、PID3
位置ロードフラグ、PID4位置ロードフラグが入力さ
れるようになっている。カウンタ62のクロック入力に
は、ウォブル周期に対応して生成されるクロックCLK
−1が入力されており、このクロックCLK−1の周波
数に対応する一定時間間隔ごとにカウントアップを行う
ことになる。
【0084】ここで、1セクタ内の期間において、PI
D(1,2,3,4)位置ロードフラグのうちで、或る
PID位置ロードフラグが最初に得られたとすると、こ
のPID位置ロードフラグに対応するPID位置検出相
当カウンタ値がセレクタ61にて選択されて、カウンタ
62のカウント入力に出力する。これと同時に、ロード
端子にPID位置ロードフラグが入力されるので、カウ
ンタ62はカウント入力に入力されたカウント値から、
カウントアップを開始していくことになる。例えばPI
D1に対応するPID1位置ロードフラグが立ち上がっ
たとすれば、PID1位置検出相当カウンタ値を初期値
としてカウントアップする動作が開始される。つまり、
PID1位置検出相当カウンタ値は、セクタ内における
PID1の位置に対応した時間を示しており、このPI
D1に対応する時間を起点としてカウンタ62が、セク
タに同期した計時を行うものである。そして、その計時
時間であるところのカウント値はデコーダ63に対して
出力される。
【0085】デコーダ63は、入力されたカウンタ値
(計時時間)が予め設定された所定の値に至ったとされ
るときに、所要のタイミング信号を発生させる。つま
り、この場合には、図示するようにして、PID1検出
ウィンドウセット/リセット信号、PID2検出ウィン
ドウセット/リセット信号、PID3検出ウィンドウセ
ット/リセット信号、PID4検出ウィンドウセット/
リセット信号を出力する。また、トラックホールドセッ
ト/リセット信号(図18(i))を出力する。また、
図14により説明したPLL引き込みスタート信号を出
力する。更には、シンクフレームナンバ推定値(図10
(f))を出力する。
【0086】そして、例えば図18(i)に示したトラ
ックホールド動作は、図20に示す回路により得ること
ができる。つまり、フリップフロップ64のセット端
子、リセット端子に対して、トラックホールドセット/
リセット信号の各々を入力することで、このフリップフ
ロップ64からは、図18(i)に示すタイミングによ
るトラックホールド信号が出力されるものである。
【0087】また、図19においてカウンタ62に対し
て入力されるPID位置ロードフラグは、図21に示す
回路により発生させるようにしている。ここではPID
1位置ロードフラグについての回路を示している。フリ
ップフロップ65において、セット端子、リセット端子
に対しては、PID1検出ウィンドウセット/リセット
信号がそれぞれ入力されることから、その出力には、図
18(f)に示すタイミングによるPID1検出ウィン
ドウが出力される。このPID1検出ウィンドウは、ア
ンドゲート66に入力される。アンドゲート66では、
このPID1検出ウィンドウとPID1検出信号(図1
8(e))とが入力されていることから、これら2つの
信号が共にHレベルとなったときにHレベルを出力す
る。そして、この信号がPID1位置ロードフラグ(図
18(g))となるものである。なお、他のPID
(2,3,4)位置ロードフラグを出力するための各回
路構成としては、図21に示されるものと同様の構成が
採られるようにすればよい。つまり、PID2位置ロー
ドフラグの場合であれば、PID2に対応するPID検
出ウィンドウセット/リセット信号をフリップフロップ
65に入力し、アンドゲート66に対してPID2検出
信号を入力するという回路構成を採ればよいものとされ
る。
【0088】また、ここまでの説明から分かるように、
PID(1、2,3,4)検出ウィンドウは、図19に
示したようにして、PID位置ロードフラグに基づいて
カウントされたカウント値、つまり、セクタ内位置推定
カウンタの値に基づいて生成されるものであることか
ら、常にPID1,2,3,4に対応する適切なタイミ
ングで出力されていることになり、保護ウィンドウとし
ての機能を有効に果たすこととなるものである。そし
て、このようにして生成されるPID(1、2,3,
4)検出ウィンドウを利用していることで、例えばPID
ナンバについて誤検出があって重複する検出結果が得ら
れたとしても、それぞれ異なるPIDを示す信号として
利用することができる。また、ウィンドウがPID検出
信号ごとに対応して生成されることで、IEDによるエ
ラー検出結果がNGであっても適切な値をカウンタにロ
ードさせることが可能となるものである。
【0089】3−3.セクタ内位置推定動作(第2例) 続いては、上記第1例の応用例として、第2例としての
セクタ内位置推定動作について説明を行うこととする。
上記第1例ではPIDの検出を基準としてセクタ内位置
推定を行っていたものであるが、以下に説明する第2例
では、ヘッダ領域内の情報としてAMを検出したタイミ
ングを基準とするものである。なお、AMを検出するた
めには、例えばタイミング生成部18内において、PA
1,PA2の検出を行う機能回路部を構成するようにす
ればよいものである。
【0090】図22のタイミングチャートは、第2例と
してのセクタ内位置推定動作を示している。この場合に
も図22(a)にはセクタ単位によるデータが時系列的
に示されている。AMは、Header Field 1,2,3,4の各々
において、PID1,2,3,4の直前の位置に3バイ
トのサイズを有して配置される領域であり、所定の信号
パターンを有していることは前述したとおりである。そ
してこの場合には、例えば図22(b)に示すようにし
てAMが検出されたとする。つまり、Header Field 1,
2,4における3つのAMは検出されたのであるが、Heade
r Field 3内のAMについては検出されなかったという
結果が得られているものである。
【0091】そして、この場合には、セクタ内位置推定
カウンタのカウント値に基づいて、AM対応PID
(1,2,3,4)検出ウィンドウが、図22(c)に
示されるタイミングで生成されるようになっている。A
Mは、Header Field 1,2,3,4に対して挿入される位置に
関わらず同一の信号パターンを有しているので、例えば
PIDのようにその内容からデータ位置を識別すること
はできないのであるが、このようにして、セクタ内位置
推定カウンタのカウント値を基準とした検出ウィンドウ
を生成するようにすれば、その検出タイミングを、PI
D1,2,3,4に対応させることが可能になる。
【0092】そして、この場合は、図22(b)に示す
AM検出信号が立ち上がり、かつ、図22(c)に示す
AM対応PID(1,2,3,4)検出ウィンドウがH
レベルとなっているときに、図22(d)に示されるP
ID1位置ロードフラグが立つようにされている。この
ため、セクタ内位置推定カウンタは、図22(e)に示
すようにして、PID1位置ロードフラグが得られたタ
イミングで、この位置に対応するカウント初期値からの
カウントを開始するものである。そしてこの場合にも、
セクタ内位置推定カウンタのカウント値に基づいて、各
種の制御タイミングが発生され、例えば図22(f)に
示されるようにトラッキングサーボ制御をホールドさせ
るためのトラックホールド信号も生成することができ
る。このような動作は、例えば先の第1例に対応した図
19〜図21の回路を応用すれば容易に実現可能であ
る。
【0093】3−4.セクタ内位置推定動作(第3例) 続いて、セクタ内位置推定動作の第3例について説明す
る。この第3例では、ヘッダ領域内におけるPAの検出
を基準としてセクタ内位置推定を行うものとされる。こ
こで、PAとしては、PA1,PA2の2種類が存在
し、PA1はHeader Field 1,3に格納され、PA2はHe
ader Field 2,4に格納されているものである。従って、
PA1,PA2の検出のみによっては、その検出結果か
ら直接的にPIDナンバについての特定を行うことはでき
ない。但し、この第3例における場合のようにヘッダ検
出情報と、ランド/グルーブ検出情報を用いさえすれ
ば、これらの情報の論理的組み合わせから、PIDナンバ
を特定することが可能となるものである。
【0094】そこで、動作説明に先立って、図24によ
り、PA,ヘッダ検出信号、及びランド/グルーブ検出
信号によるPIDナンバ推定の論理を図24に示してお
く。この図の見方は、例えば最上段については、ランド
/グルーブの検出結果がランドを示し、また、ヘッダ検
出信号HD1,HD2について、HD=1,HD=0と
なっている。ここで、ヘッダ検出信号HD1は、Header
Field 1,3を通過しているときに‘1’(Hレベル)と
なり、ヘッダ検出信号HD2はHeader Field2,4を通過
しているときに‘1’(Hレベル)となる。従って、H
D=1,HD=0の場合とは、Header Field 1,2を通過
している状態に対応する。また、PA1,2について
は、PA1=1、PA=0であるとして、PA1が検出
された状態であることが示されるものである。このよう
な論理状態では、対応するのはPID3とされることに
なる。つまり、この場合にはHeader Field 3のPA1を
検出している状態に対応しているものである。このよう
にして、PA1,2を検出する場合であっても、ランド
/グルーブ情報、ヘッダ検出信号とを利用することで、
一義的に対応するPIDを特定することが可能となる。
【0095】上記図24の論理を踏まえ、図23のタイ
ミングチャートにより、第3例としてのセクタ内位置推
定動作について説明する。この場合にも、図23(a)
に示すようにしてディスクからデータが読み出されたも
のとされる。そして、図23(b)に示すように、Head
er Field 1,2の区間と、Header Field 3,4の各区間が検
出されることで、Header Field 1,2の区間に対応しては
ヘッダ検出信号HD1がHレベルとなり、Header Field
3,4の区間に対応してはヘッダ検出信号HD2がHレベ
ルとなっている。
【0096】また、図23(c)に示すようにして、ヘ
ッダ領域内のPAの位置に対応して、PA1を検出して
得られるPA1検出信号と、PA2を検出して得られる
PA2検出信号とが立ち上がることになる。但し、この
図の場合においては、HeaderField 4内のPA2につい
ての検出がエラーとなっている状態例が示されている。
【0097】また、このときには、トラックはグルーブ
とされており、この検出結果としては図23(d)に示
すようにして、ランド/グルーブ検出信号は、グルーブ
であることを示すLレベルとなっている。なお、図23
(b)に示すヘッダ検出信号HD1,HD2は、ヘッダ
検出部15により検出され、図23(d)に示すランド
/グルーブ検出信号は、ランド/グルーブ検出部17に
より検出される。また、PA1,PA2については、例
えばタイミング生成部18内において、PA1,PA2
の検出を行う機能回路部を構成するようにすればよいも
のである。
【0098】そして、この場合には、セクタ内位置推定
カウンタのカウント値に基づいて、図23(e)に示す
ようなタイミングにより、PID(1,2,3,4)検
出ウィンドウが発生される。前述もしたように、PA
1,PA2検出信号のみによっては、検出されたPAに
対応したPIDナンバの特定はできないのであるが、図2
4によっても説明したように、ヘッダ検出信号HD1,
HD2(図23(b))、ランド/グルーブ検出信号
(図23(d))を利用することで、PIDナンバを推定
することができるわけであり、図23(e)の各PID
(1,2,3,4)検出ウィンドウも、図24に示した
論理を根拠として、PID1〜4の各々のタイミングに応
じて発生するようにされていることで、PIDナンバを特
定したPID検出がほぼ確実なものとなるようにしている
ものである。
【0099】そして、この場合には、図23(c)に示
すPA(1,2)検出信号と、図23(d)に示される
PID(1,2,3,4)検出ウィンドウとの論理積に
基づいて、図23(f)に示すPID(1,2,3,
4)位置ロードフラグが生成されることになる。この場
合には、PID1位置ロードフラグ、PID2位置ロー
ドフラグ、PID3位置ロードフラグが立ち上がること
となるので、図23(g)に示すように、最初のPID
1位置ロードフラグが立ち上がるタイミングで、セクタ
内位置推定カウンタのカウント初期値がロードされてカ
ウントが開始されることとなる。そして、この場合に
も、図23(h)に示されるトラッキングサーボ制御の
ホールドなどをはじめとする、各種制御動作のタイミン
グが、セクタ内位置推定カウンタのカウント値に基づい
て発生されることになる。
【0100】3−5.セクタ内位置推定動作(第4例) 続いて、セクタ内位置推定動作の第4例について説明す
る。この第4例としては、上記第1例から第3例より
も、より簡易な検出動作となっている。この第4例にお
いては、ヘッダ検出信号HD1,HD2を基準として、
セクタ内位置推定カウンタのカウントが行われる。
【0101】図25のタイミングチャートには第4例と
してのセクタ内位置推定動作が示されている。この図に
示すようにして、図25(a)に示すデータに対し、図
25(b)に示すように、Header Field 1,2、Header F
ield 3,4の各区間が検出されていることで、図示するタ
イミングによって、ヘッダ検出信号HD1、HD2がそ
れぞれHレベルとなる期間が得られている。また、Head
er Field 1,2、Header Field 3,4に対応する検出波形
は、直後にトレースするトラックがランドであるのかグ
ルーブであるのかによってその極性が反転する。そこ
で、図25(d)に示すようにして得られるランド/グ
ルーブ検出信号の状態により、Header Field 1,2、Head
er Field 3,4の何れを検出しているものであるのか、つ
まり、ヘッダを検出して得られる信号が、HD1,HD
2のいずれであるのかを識別することが可能になる。
【0102】そして、この場合においては、図25
(c)に示すようにして、ヘッダ検出信号HD1の立ち
上がりエッジとヘッダ検出信号HD2の立ち上がりエッ
ジを、ロード信号とするようにされる。この場合には、
ヘッダ検出信号HD1の立ち上がりエッジとヘッダ検出
信号HD2の立ち上がりエッジとが共に得られている状
態が示されている(図25(c))ので、先に得られて
いるヘッダ検出信号HD1の立ち上がりエッジのタイミ
ングで、図25(e)に示すようにしてセクタ内位置推
定カウンタをロードしてカウントを開始させているもの
である。この場合のカウント初期値としては、Header F
ield 1の開始位置に対応して決定されることになる。そ
して、この場合においても、図25(f)に示すトラッ
キングサーボ制御のホールド等をはじめとする制御タイ
ミングは、セクタ内位置推定カウンタのカウンタ値によ
って発生されることになる。
【0103】4.セクタ同期保護動作(第1例) 以上、図18〜図25により、本実施の形態としてのセ
クタ内位置推定動作(第1例〜第4例)について説明を
行った。そして、これら第1例から第4例までのセクタ
内位置推定動作のうちで、最も精度が高いのは、第1例
の動作であるといえる。この第1例のセクタ内位置推定
動作によっては、PID検出結果を基準としている。こ
れは換言すれば、セクタ内位置推定カウンタのカウント
値が適正でないとされる場合には、自ずとカウント値に
基づいて活性化される各種の制御タイミングが適正でな
くなるので、PIDが正常に読み出せないこととなる。
従って、PIDが適正に読み出されたか否かを識別する
ことで、セクタ内位置推定結果が正しいものであるか否
かを判定できることになる。また、第1例の動作は、P
ID検出結果を基準としていることで、上記したように
最も高精度ではあるが、PIDが読み出しできない状態
となったときには、その信頼性が確保できないものとな
る。
【0104】これに対して、例えば第4例のセクタ内位
置推定動作は、ヘッダ領域に特有の振幅変化を利用した
ヘッダ検出結果を基準としていることから、第1例のセ
クタ内位置推定動作よりも推定結果の精度は劣るもの
の、基準となるタイミングを得るための信号検出として
は、ヘッダ領域の検出であるという点で簡易であり、従
って、例えばPIDが読めなくともヘッダ領域の検出を
行ってセクタ内位置推定動作が遂行できる可能性は著し
く高い。
【0105】そこで、本実施の形態としては、セクタ内
位置推定動作がより信頼性の高いものとなるようにする
ことを目的として、上記した背景を踏まえ、以降説明す
るようにしてセクタ内の同期保護動作を得る構成を採る
ようにもされる。
【0106】図26のタイミングチャートは、本実施の
形態としてのセクタ同期保護動作(第1例)の概要を示
している。ここでのセクタ同期保護動作としては、PI
D検出を行った結果に基づいてセクタ同期がロックして
いない状態(unlock)と、ロックしている状態(lock)と
を識別するようにしている。つまり、図26(d)に示
すようにしてlock状態ではHレベルとなり、unlock状態
ではLレベルとなる信号LOCKを発生させるものであ
る。
【0107】そして、上記信号LOCKは次のようなタ
イミングで発生される。ここで、図26(a)にはPI
D評価タイミングが示されている。このPID評価タイ
ミングのフラグは、例えば1セクタ単位ごとに立つもの
で、1セクタ内のPID1,2,3,4の読み出し及び
エラー検出が終了したタイミングで得られる。そして、
このPID評価タイミングフラグが得られたときに、P
ID評価が行われる。つまり、セクタ同期保護にあたっ
ては、1セクタ内におけるPIDの評価が行われるもの
である。ここでのPID評価の動作については後述する
が、PID評価の結果として、例えばPID1,2,
3,4のすべてが適正に検出されたのであれば、図26
(b)に示すようにしてPID検出OKフラグが立つこ
ととなり、NGとなったのであれば、このPID検出O
Kフラグは得られないことになる。
【0108】ここでは、例えば、図26(d)に示すよ
うにして、信号LOCKがLレベルとなっており、unlo
ckの状態にあったものとされている。そして、このよう
な状態のもとでは、図26(c)に示されるセクタ同期
保護カウンタのカウント値は0にリセットされる。そし
て、この状態のもとで、はじめてPID検出OKフラグ
が得られるとすると、ここでカウントアップが行われ
て、図26(c)に示すようにして、カウント値は
「1」となる。そして、この後において連続してPID
検出OKフラグが得られたとすると、図26(c)のセ
クタ同期保護カウンタのカウント値は、PID検出OK
フラグが得られたタイミングごとにカウントアップを行
っていくことになる。なお、unlockの状態の下、PID
検出OKフラグが4回連続して得られることなく途中で
NGの結果となったときには、このタイミングでカウン
ト値は「0」にリセットされる。
【0109】また、ここでのunlock状態の下でのセクタ
同期保護カウンタのカウント値の最大値は「4」として
設定されている。そして、この場合には、図26(b)
のPID検出OKフラグが4回以上連続して得られてい
る状態が示されていることから、セクタ同期保護カウン
タのカウント値は最大値である「4」までカウントアッ
プされることになる。これに応じては、図26(d)に
示すようにして信号LOCKはHレベルとなる。つま
り、unlockの状態からlock状態に遷移するようにされ
る。
【0110】上記のようにして信号LOCKがHレベル
に反転したタイミングでは、カウント値は「4」から
「0」にリセットされるようになっている。そして、こ
のようなlock状態が開始された時点からPID検出OK
フラグがセクタ期間ごとに連続して得られている限り
は、カウント値は、「0」を維持するようにされる。つ
まり、lock状態で、かつ、カウント値「0」の場合には
lock状態が安定して維持されているものと見ることがで
きる。
【0111】また、lock状態でのカウント値の最大値は
「3」として設定されている。そして、図26(b)
(c)に示すようにして、lock状態の下で何らかの要因
によってPIDの読み出しがエラーとなって、PID評
価タイミングに同期してPID検出OKフラグが立たな
い状態が連続した場合には、カウント値がカウントアッ
プされるようになっている。そして、PID検出OKフ
ラグが立たない状態が3回連続して、カウント値の最大
値が「3」に至ると、信号LOCKはLレベルとなって
unlockの状態を示すこととなる。また、これと同時に、
カウント値は「0」にリセットされる。
【0112】なお、lock状態下で、カウンタ値が「1」
又は「2」の状態となっていたときに、改めてPID検
出結果がOKとなったときには、カウンタ値は「0」に
リセットされるようになっている。
【0113】そして、本実施の形態としては、図26
(d)(e)に示されるように、unlock状態では、図2
5に示したヘッダ領域検出を基準とするセクタ内位置推
定動作とし、lock状態では図18に示したPID検出を
基準とするセクタ内位置推定動作とするように切り換え
を行うものである。このようにして、lock/unlockの状
態に応じてセクタ内位置推定動作を切り換えるようにす
れば、再生動作が安定しているlock状態ではPID検出
に基づいた高精度なセクタ内位置推定結果が得られるこ
とになる。その一方で、適正なPIDの読み出しが期待
できないようなunlockの状態では、PID検出に依存し
ないヘッダ検出に基づくセクタ内位置推定とすること
で、再生信号が不安定な状態でも適正なセクタ内位置推
定結果が得られることにある。この結果、本実施の形態
では、lock/unlockの状態に関わらず、ほぼ定常的に信
頼性の高いセクタ内位置推定結果を得ることが可能とな
るものである。
【0114】また、図26に示した信号LOCKの生成
動作によれば、unlockの状態下でPID検出についてO
Kとなる結果が4セクタ連続して得られたときにlock状
態となり、また、lock状態下でPID検出についてNG
となる結果が3回連続して得られたときにunlock状態と
なるようにされていることになる。例えば、lock/unloc
k状態を発生させるのには、単に、PID検出OK/N
Gの結果にそのまま対応させるようにすることも考えら
れるのであるが、このような場合には、安定的にlock状
態が継続している途中で、一時的にPID検出エラーと
なったセクタが発生したような場合であっても、ヘッダ
検出に基づくセクタ内位置推定動作に切り換わってしま
い、逆に、推定結果の精度を低めることとなってしま
う。これに対して、本実施の形態では上記のようにし
て、PID検出結果について或る程度の連続性が得られ
ることを条件として、lock/unlock状態の切り換えを行
うようにしていることで、上記したような不都合を回避
しているものである。
【0115】図27のブロック図は、上記図26(e)
に示されるようにして、lock/unlock状態に応じてセク
タ内位置推定動作を切り換え可能に構成されるタイミン
グ生成部18(セクタ内位置推定カウンタ)の構成を示
している。なお、この図に示す構成は、先に図19に示
したPID検出基準のセクタ内位置推定カウンタの構成
を基としていることから、図19と同一部分には同一符
号を付して説明を省略する。
【0116】この図27に示すセクタ内位置推定カウン
タは、図19に示す構成に対してセレクタ64、スイッ
チ65,66が追加されている。セレクタ64には、H
D1検出位置相当値、HD2検出位置相当値が入力され
ている。HD1検出位置相当値はHeader Field 1,2から
なるヘッダ領域前半部の検出タイミングに対応したカウ
ント初期値であり、HD2検出位置相当値は、Header F
ield 3,4からなるヘッダ領域後半部の検出タイミングに
対応したカウント初期値である。
【0117】また、スイッチ65は、セレクタ61,6
4の出力を択一的に選択してカウンタ62のカウント入
力に対して出力する。スイッチ66は、PID(1,
2,3,4)位置ロードフラグと、HD(1,2)位置
ロードフラグとについて、択一的に選択してカウンタ6
2のロード端子に対して出力する。これらスイッチ6
5、66は、共にセクタ同期lock/unlockの状態に応じ
て切り換えられるようにされている。つまり、図26
(d)に示した信号LOCKがHレベル(lock)のとき
にはスイッチ65は、PID(1,2,3,4)位置ロ
ードフラグを選択してカウント入力とし、スイッチ66
は、PID(1,2,3,4)位置ロードフラグを選択
してロード入力とする。つまり、この信号経路には、図
19に示した回路構成と同等となり、PID検出に基づ
いたセクタ内位置推定が行われることになる。また、信
号LOCKがLレベル(unlock)のときにはスイッチ6
5は、HD(1,2)位置ロードフラグを選択してカウ
ント入力とし、スイッチ66は、HD(1,2)位置ロ
ードフラグを選択してロード入力とする。この信号経路
の場合には、図25のタイミングチャートに示した、ヘ
ッダ検出に基づくセクタ内位置推定が行われることにな
る。つまり、図26(e)に示したようなタイミングに
よって、セクタ内位置推定動作が切り換えられるもので
ある。
【0118】また、上記図27に示した回路の動作を実
現させるのにあたっては、図26(a)(b)(c)
(d)に示したような動作によって、しかるべきタイミ
ングで信号LOCKを発生させる必要がある。そこで、
次に、信号LOCKを生成するための構成について説明
を行う。
【0119】図28のタイミングチャートには、図26
(a)(b)に対応した、PID検出判定のための動作
が示される。なお、この図に示される動作は、例えばP
ID検出部16において実行されるように構成すればよ
い。例えば或る1つのセクタについて、PID1が検出
されたとすると、図28(a)に示すようにして、その
検出時点のタイミングに応じて信号pid1 ldpedgeが得ら
れる。同様にして、PID2,3,4が検出されたので
あれば、その検出時点のタイミングで図28(b)
(c)(d)に示すように、pid2 ldpedge,pid3ldpedg
e, pid4 ldpedgeが得られることになる。
【0120】そして、上記図28(a)〜(d)に示す
検出タイミングに対応させては、図28(e)〜(h)
に示すようにして、保護ウィンドウである、pidldmask_
rg[0] ,pidldmask_rg[1], pidldmask_rg[2], pidldmask
_rg[3]が生成される。そして、PID1については、pi
dldmask_rg[0]がHレベルとなっている期間内に信号pid
1 ldpedgeが得られたとされると、図28(i)に示す
ようにして、個々のPIDについての検出OKフラグで
ある、pidlddtctが立つようにされる。同様にして、P
ID2,3,4については、pidldmask_rg[1], pidldma
sk_rg[2], pidldmask_rg[3]がHレベルとなっている期
間内においてpid2 ldpedge,pid3 ldpedge, pid4 ldpe
dgeが得られたのであれば、pidlddtctが立つことにな
る。
【0121】図28(i)の検出OKフラグpidlddtct
に応答しては、図28(j)に示す信号pidlded_rgが活
性化する。この信号pidlded_rgは、図示するように、P
ID1に対応する検出OKフラグpidlddtctが立ったと
きにLレベルからHレベルに立ち上がり、また、PID
1,2,3,4に対応する4つすべての検出OKフラグ
pidlddtctが得られたときに、例えば現セクタ期間にお
いてはHレベルを維持する信号となる。逆に、PID
1,2,3,4に対応する4つの検出OKフラグpidldd
tctのうちの1つでも立たなかった場合には、Lレベル
となる信号である。
【0122】そして、上記のようにして、PID1〜P
ID4までのすべての検出が終了したとされる所要のタ
イミングで、PID評価タイミングを示すフラグpideva
lが立つようにされる。このフラグpidevalが、図26
(a)のPID評価タイミングに対応する。そして、こ
のタイミングでもって、図28(j)に示す信号pidlde
d_rgがHレベルであるか、Lレベルであるのかを参照す
ることになる。つまり、PID1〜PID4についての
検出結果がOKであったのか、NGであったのかの判定
が行われる。そして、HレベルであるとしてPID検出
結果がOKである場合には、図28(l)に示すフラグ
pidtmgokが立つことになる。これは、図26(b)に示
すPID検出OKフラグとなる。これに対して、仮に信
号pidlded_rgがLレベルである場合には、フラグpidtmg
ok(PID検出OKフラグ)に代えて、図28(m)に
示すフラグpidtmgngが立つこととなる。
【0123】そして、上記のようにして得られた、フラ
グpidtmgok及びフラグpidtmgngを利用して、図29に示
す構成によるセクタ同期保護カウンタが動作すること
で、信号LOCKのタイミングが発生される。この図に
示す回路において、信号LOCKを発生させるのは、フ
リップフロップ81とされる。このフリップフロップ8
1では、セット端子に入力される信号rpendがHレベル
に立ち上がるタイミングでHレベルの信号LOCKを出
力し、リセット端子に入力される信号fpendがHレベル
に立ち上がるタイミングで、Hレベルの信号LOCKを
Lレベルとするようにリセットする。つまり、信号LO
CKがHレベル/Lレベルとなるタイミングは、信号rpe
nd,fpendをトリガとして発生することになる。なお、
このフリップフロップ81及び後述するカウンタは78
は、クロックCLKのタイミングで動作するようになっ
ている。
【0124】そして、上記信号rpend,fpendのタイミン
グは、カウンタ78を備えた回路部によって発生され
る。カウンタ78のカウント入力に対しては、図26
(d)にても説明した、カウント初期値である「0」が
セットされている。また、イネーブル端子には、信号L
OCK,フラグpidtmgng,pidtmgokの3つの信号を利用
した、ANDゲート71,72及びORゲート73から
成る論理回路部の出力が入力される。この論理回路部
(ANDゲート71,72,ORゲート73)の出力と
しては、信号LOCKがHレベルの状態では、フラグpi
dtmgngが立ち上がるごとにイネーブル端子にHレベルの
信号を入力して、カウントアップを実行させる。これに
対して、信号LOCKがLレベルの状態では、フラグpi
dtmgokが立ち上がるごとにイネーブル端子にHレベルの
信号を入力して、カウントアップを実行させることにな
る。これにより、図26に示したようにして、lock状態
下では、PID検出が連続してNGとなるごとにカウン
トアップされることになる。
【0125】また、ロード端子には、信号LOCK,フ
ラグpidtmgng,pidtmgok、信号rpend,fpendを利用し
た、ORゲート74、ANDゲート75,76、及びO
Rゲート77から成る論理回路部の出力が入力される。
この論理回路部(ORゲート74、ANDゲート75,
76、ORゲート77)によっては、信号rpend,fpend
の何れか一方が立ち上がったときにHレベルのロード信
号を出力し、カウンタ入力をロードする。つまり、カウ
ント値を初期値の「0」にリセットする。これは、lock
→unlock若しくはunlock→lockに状態遷移したときにカ
ウンタ値を「0」にリセットする動作に対応する。ま
た、信号LOCKがHレベルの状態ではフラグpidtmgok
(PID検出OKフラグ)が立つごとにHレベルのロー
ド信号を出力するようにもされることで、カウント値を
「0」レベルにリセットする動作が得られる。これは、
lock状態のもとで、PID検出OKフラグが連続してい
る限りは、カウント値「0」が維持される動作に対応す
る。また、信号LOCKがLレベルの状態ではフラグpi
dtmgngが立つごとに「0」レベルにリセットする動作が
得られる。これは、unlock状態のもとで、PID検出O
Kフラグが得られない限りは、カウント値「0」とする
動作に対応する。
【0126】カウンタ78では、上記のようにして入力
されるイネーブル信号とロード信号によって、カウント
初期値=0とされたうえでのカウント動作を実行する。
そして、そのカウント値の出力は、比較器79及び比較
器80に対して分岐して入力される。比較器79では、
カウント値と基準値rpmaxとについて比較を行う。ここ
で、基準値rpmaxとしては、図26(c)にて説明し
た、unlock状態時のカウンタ最大値である「4」がセッ
トされているものとされる。そして、カウント値が基準
値rpmax以上である場合にHレベルの信号をANDゲー
ト82に出力する。ANDゲート82では、比較器79
の出力と信号LOCKの反転入力との論理積をとって出
力する。これが信号rpendとなる。つまり、信号がHレ
ベルとしてフリップフロップ81のセット端子に入力さ
れることで、信号LOCKをLレベルからHレベルに立
ち上げて、unlock状態からlock状態に遷移させる。
【0127】一方の比較器80では、カウント値と基準
値fpmaxとについて比較を行う。基準値fpmaxは、lock状
態時のカウンタ最大値「3」がセットされている。そし
て、カウント値が基準値fpmax以上である場合にHレベ
ルの信号をANDゲート83に出力する。ANDゲート
83では、比較器79の出力と信号LOCKの論理積を
とることで信号fpendを出力する。そして、Hレベルの
信号fpendがフリップフロップ81のリセット端子に入
力されれば、信号LOCKをLレベルからHレベルに立
ち下げて、lock状態からunlock状態に遷移させることに
なるものである。なお、信号RST_Xは、カウンタ78及
びフリップフロップ81に対してハードウェアリセット
をかけるためのものとされる。
【0128】5.セクタ同期保護動作(第2例) 続いてセクタ同期保護動作の第2例について説明する。
上述の第1例としてのセクタ同期保護動作としては、lo
ck/unlockという2つの状態間での遷移としていたので
あるが、図30のタイミングチャートにおける、図30
(d)のに示すようにして、第2例においては、lock,u
nlock1,unlock2の3つの状態間での遷移を行うこととす
る。
【0129】そして、この場合の上記3つの状態間での
遷移の動作については、次のようになる。ここで、この
第2例としてのセクタ同期保護動作を得るのにあたって
は、図30(a)(b)(c)に示すようにして、PI
D評価タイミング、PID検出OKフラグ、及びセクタ
同期保護カウンタの動作としては同様となる。つまり、
図28に示した動作が実行され、図29に示した回路構
成が応用される。また、状態遷移に基づくセクタ内位置
推定動作の切り換えのための構成としても、図27に示
した回路構成を応用するようにされる。
【0130】先ず、unlock1は、lock状態でない場合に
おいて、セクタ同期保護カウンタのカウント値が「0」
であるときに対応して設定される。そして、例えばunlo
ck1の状態から、PID検出結果がOKとなってカウン
ト値について「1」「2」「3」「4」の何れかが得ら
れている状態では、unlock2の状態に遷移するものであ
る。但し、この図では示されてはいないが、unlock2の
状態下で1回でもPID検出結果がNGである場合に
は、unlock1に遷移する。そして、unlock2の状態でカウ
ント値が「4」にまでカウントアップされた場合には、
lockに遷移する。そして、lock状態下でPID検出結果
NGが3回連続してカウント値が「3」に至るとunlock
1の状態に戻るようにされる。
【0131】なお、参考のために、上述したlock,unloc
k1,unlock2の3つの状態間での遷移について図31によ
り概念的に示す。同期保護動作が開始されると、例えば
最初はunlock1の状態となる。そして、PID検出結果
がOKとなってフラグpidtmgokが立ち上がればunlock2
の状態に遷移することとなる。但し、unlock2の状態下
で一度でもPID検出結果がNGとなってフラグpidtmg
ngが発生したのであればunlock1の状態に戻るようにさ
れる。また、unlock2の状態下においてPID検出OK
の結果が4回連続して信号rpendが立ち上がればlock状
態に遷移する。lock状態下では、NGのPID検出結果
が3回連続して信号fpendが立ち上がるとunlock1に遷
移する。
【0132】ここで説明を図30に戻すが、上記のよう
にして遷移するlock,unlock1,unlock2の3状態に対応さ
せては、セクタ内位置推定動作は、図30(e)に示す
ようにして切り換えを行うようにされる。つまり、unlo
ck1の状態下ではヘッダ検出に基づくセクタ内位置推定
動作とし、lock,unlock2の状態ではPID検出に基づく
セクタ内位置推定動作とするものである。このようにす
れば、精度ではPID検出に基づくセクタ内位置推定動
作よりも劣るとされるヘッダ検出に基づくセクタ内位置
推定動作に切り換えが行われる機会を、例えば第1例の
セクタ同期保護動作の場合よりも少ないものとすること
ができるので、全般的にはより高精度のセクタ内位置推
定結果を得ることが可能となるものである。
【0133】そして、図30(d)に示すタイミングに
よりlock,unlock1,unlock2の3状態を発生させるために
は、図28に示される動作及び図29に示した回路に対
して、例えば図32に示すセクタ同期保護回路の構成を
付加するようにされる。この図に示すセクタ同期保護回
路は、デコーダ90、ORゲート91、フリップフロッ
プ91,92を備えて構成される。ここで、デコーダ9
0には図示するようにして7種類の信号が入力されてお
り、デコーダ90では、図33に示す真理値表に従っ
て、信号PPRSTT1,PPRSTT2を出力するようにされてい
る。信号PPRSTT1はフリップフロップ92に入力され、
信号PPRSTT2はフリップフロップ93に入力される。こ
れらフリップフロップ92,93はクロックCLKを入
力して動作する。また、ORゲート91では、デコーダ
90に入力されているのと同じ7種類の信号についての
論理和を、フリップフロップ92,93のイネーブル信
号として出力する。つまり、上記7種類の信号の何れか
1つでも立ち上がっている状態であれば、フリップフロ
ップ92,93の出力(Q)が有効となるものである。
【0134】そして、フリップフロップ92では、入力
された信号PPRSTT1を信号PRSTT1として出力する。この
信号PRSTT1は、図30(d)におけるlockのタイミング
に対応してのみHレベルとなる信号とされる。換言すれ
ば、信号PRSTT1は、Hレベルとなることでlock状態に遷
移させるトリガとして機能する信号であることになる。
また、フリップフロップ93では、入力された信号PPRS
TT2を信号PRSTT2として出力する。この信号PRSTT2は、
図30(d)におけるlock及びunlock1のタイミングに
対応してLレベルとなり、unlock2のタイミングに対応
してHレベルとなる信号である。つまり、信号PRSTT2が
Hレベルに立ち上がるタイミングでunlock2に遷移させ
るものである。また、信号PRSTT1がLレベルとされた上
で、かつ、信号PRSTT2もLレベルである場合には、unlo
ck1の状態に遷移させることになる。従って、この第2
例に対応させて図27に示したセクタ内位置推定カウン
タを構成する場合には、スイッチ65,66を切り換え
るための信号として、信号PPRSTT1がHレベルのとき、
及び信号PRSTT2がHレベルのときにHレベルとなり、信
号PPRSTT1及び信号PRSTT2が共にLレベルの場合にLレ
ベルとなる信号を与えればよいことになる。
【0135】なお、上記第1例及び第2例のセクタ同期
保護動作に伴っては、例えば次のような応用例を考える
ことができる。つまり、lock(及びunlock2)状態下に
おいてはPID読み出しの信頼性が高く、また、unlock
(unlock1)状態下ではPID読み出しの信頼性がlock
状態時よりも劣るものとして捉えた上で、lock状態下で
はPID(1,2,3,4)のうち、1つでも読み出し
がOKであればそのPIDを信号処理制御のために採用
し、unlock状態では、PID(1,2,3,4)のう
ち、例えば2以上のPIDの読み出しがOKとならなけ
ればそのPIDを採用しないとすることが考えられる。
また、上記第1例及び第2例のセクタ同期保護動作にあ
っては、セクタ内位置推定動作について、PID検出基
準の方式とヘッダ領域検出基準の方式とで切り換えを行
うようにしているが、採用すべき複数のセクタ内位置推
定動作としてはこの2つに限定されるものではない。つ
まり、セクタ内位置推定動作については、第1例から第
4例までの4例による方式を挙げていることから、例え
ばこれらのうちから適切とされる2つの方式を採用して
よいものである。
【0136】また、本発明としては上記した構成に限定
されるものではなく、適宜変更が可能とされる。例え
ば、上記実施の形態としては、DVD−RAMを再生す
る場合を例に挙げているが、再生対象となるディスクの
種別はこれに限定されるものではなく、例えば本発明が
応用可能なトラックフォーマットのディスクでありさえ
すればよいものである。また、ここでは、再生時におけ
る動作として説明しているが、記録時においても、同様
に、セクタなどの所定の単位情報領域内の位置に応じて
制御処理を実行する必要のある場合には本発明を適用で
きる。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、セクタ
(単位情報領域)内位置推定動作(タイミング発生手
段)として、検出すべき情報を異にする複数のセクタ内
位置推定動作を実行可能とされる。そして、アドレス
(PID)検出についてのOK/NGの結果に基づいて
セクタ同期状態を判定し、この判定結果に基づいて上記
したセクタ内位置推定動作を切り換えるようにしてい
る。このような構成であれば、例えば同期状態が安定し
ているときには、精度の高い推定結果が得られるセクタ
内位置推定動作を選択し、同期状態として不安定な場合
や同期がとれていない場合には、例えば推定結果の精度
は劣るものの、基準となる情報の検出が容易なセクタ内
位置推定動作を選択するなどのようにして、同期状態に
応じての適切なセクタ内位置推定動作の選択、切り換え
が可能となるものである。これによって、例えばセクタ
内位置推定動作の同期を迅速にとることが可能になる、
つまり、セクタ同期保護が有効にはたらくために、再生
の信頼性が向上することとなる。
【0138】また、同期状態の判定にあたっては、現時
点以前のアドレス(PID)検出についてのOK/NG
の結果の履歴を利用するようにしていることで、例えば
突発的な検出エラーなどに反応せずに、より安定したセ
クタ同期保護動作を得ることが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのディスクドライブ
装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のディスクドライブ装置における
光学系の構成例を示す概念図である。
【図3】本実施の形態のディスクドライブ装置における
フォトディテクタ及び信号の生成方法を示す説明図であ
る。
【図4】DVD−RAMとされるディスク全体に関して
のトラックフォーマットを示す説明図である。
【図5】DVD−RAMのトラックフォーマットとし
て、1セクタ内のトラック配列を概念的に示す説明図で
ある。
【図6】DVD−RAMのトラックフォーマットとし
て、1セクタを形成するデータ構造を概念的に示す説明
図である。
【図7】DVD−RAMのトラックフォーマットとし
て、1セクタを形成するデータ構造を各領域のサイズと
共に示す説明図である。
【図8】PIDの構造を示す説明図である。
【図9】1セクタ内のデータ領域に記録されるデータの
構造を示す説明図である。
【図10】本実施の形態のセクタ内位置推定結果に基づ
いた各種制御タイミング例を示すタイミングチャートで
ある。
【図11】セクタ内位置推定結果に基づくトラッキング
サーボ制御ホールドのための構成例を示すブロック図で
ある。
【図12】セクタ内位置推定結果に基づくRF信号DC
引き込みのための構成例を示すブロック図である。
【図13】セクタ内位置推定結果に基づくデータの転送
制御のための構成例を示すブロック図である。
【図14】セクタ内位置推定結果に基づくPLL回路引
き込み制御を実現するための構成例を示すブロック図で
ある。
【図15】セクタ内位置推定結果に基づくデータのバッ
ファメモリへの転送制御を実現するための構成例を示す
ブロック図である。
【図16】セクタ内位置推定結果に基づくPLL回路引
き込み制御を実現するための他の構成例を示すブロック
図及びタイミングチャートである。
【図17】RF信号DC引き込み動作を概念的に示す説
明図である。
【図18】本実施の形態のセクタ内位置推定動作(第1
例)を示すタイミングチャートである。
【図19】第1例としてのセクタ内位置推定動作に対応
するセクタ内位置推定カウンタの構成例を示すブロック
図である。
【図20】図19に示すセクタ内位置推定カウンタによ
り得られる信号に基づいたトラックホールド信号生成の
ための構成例を示すブロック図である。
【図21】図19に示すセクタ内位置推定カウンタが利
用する、PID位置ロード信号を生成するための構成を
示すブロック図である。
【図22】本実施の形態のセクタ内位置推定動作(第2
例)を示すタイミングチャートである。
【図23】本実施の形態のセクタ内位置推定動作(第3
例)を示すタイミングチャートである。
【図24】図23に示すセクタ内位置推定動作により得
られる信号に基づくPIDナンバの推定を説明するための
説明図である。
【図25】本実施の形態のセクタ内位置推定動作(第4
例)を示すタイミングチャートである。
【図26】本実施の形態のセクタ同期保護動作(第1
例)を示すタイミングチャートである。
【図27】本実施の形態のセクタ同期保護動作に対応す
るセクタ内位置推定カウンタの構成例を示すブロック図
である。
【図28】PID検出判定の動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図29】本実施の形態のセクタ同期保護動作の実現に
必要とされるセクタ同期保護カウンタの構成例を示す論
理回路図である。
【図30】本実施の形態のセクタ同期保護動作(第2
例)を示すタイミングチャートである。
【図31】セクタ同期保護動作(第2例)における状態
遷移を概念的に示す説明図である。
【図32】セクタ同期保護動作(第2例)に対応するセ
クタ同期保護回路の構成例を示す論理回路図である。
【図33】図32に示すデコーダの真理値が示される説
明図である。
【図34】従来例におけるヘッダ検出のための構成例を
示すブロック図である。
【図35】図34に示す構成の回路によるヘッダ検出動
作を示す説明図である。
【図36】図34に示す構成の回路によるヘッダ検出動
作として誤検出が行われた場合を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光学ディスク、2 スピンドルモータ、3 光学ピ
ックアップ、3a 二軸機構、4 RFアンプ、4a
HPF、4b 初段アンプ、5 サーボプロセッサ、5
a,5d サーボフィルタ、5b ホールド信号出力回
路、6 駆動回路、7 二値化回路、8 クロック再生
回路、8a PLL回路、9 デコード回路、10 エ
ラー訂正回路、10a バッファリングコントローラ、
11 バッファメモリ、12 データインターフェイ
ス、13 システムコントローラ、14 RAM用ブロ
ック、15 ヘッダ検出部、16 PID検出部、17
ランド・グルーブ検出部、18 タイミング生成部、
19 スレッド機構、20転送制御回路、30 レーザ
ダイオード、34 対物レンズ、37 フォトディテク
タ、40 ホストコンピュータ51 ウォブル保護回
路、52 第1PLL回路、54 第2PLL回路、6
1,64 セレクタ、62 カウンタ、63,90 デ
コーダ、65,66 スイッチ、78 カウンタ、7
9,80 比較器、81,92,93 フリップフロッ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の単位情報領域の連続によって情報
    が記録されているディスク状記録媒体に対応して記録又
    は再生を行うことのできるディスクドライブ装置におい
    て、 上記単位情報領域におけるヘッダ領域内に格納される特
    定種類の情報を検出したタイミングを基準として計時処
    理を実行することで、上記単位情報領域内についての所
    要のタイミング信号を発生させるものとされ、互いに異
    なる上記特定種類の情報を検出するようにされる、複数
    のタイミング発生手段と、 上記単位情報領域ごとに格納されるアドレス情報を検出
    して、単位情報領域ごとのタイミングで検出結果につい
    てのOK/NG判定を行うアドレス検出判定手段と、 上記アドレス検出判定手段の判定結果に基づいて、上記
    単位情報領域に対する上記タイミング発生手段の動作の
    同期状態を判定する同期状態判定手段と、 上記同期状態判定手段により判定される同期状態に応じ
    て、上記タイミング発生手段のうちから所要のタイミン
    グ発生手段の動作が得られるように制御する制御手段
    と、 を備えていることを特徴とするディスクドライブ装置。
  2. 【請求項2】 上記同期状態判定手段は、 上記同期状態の判定を行うのにあたり、或る特定の同期
    状態であるとの判定結果を得ている下で、現時点以前に
    おける上記アドレス検出判定手段による判定結果につい
    て所要の条件が満たされれば、他の特定の同期状態に遷
    移したものと判定するように構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
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