JP2002203755A - 導電性高分子物質複合極 - Google Patents

導電性高分子物質複合極

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JP2002203755A
JP2002203755A JP2000401108A JP2000401108A JP2002203755A JP 2002203755 A JP2002203755 A JP 2002203755A JP 2000401108 A JP2000401108 A JP 2000401108A JP 2000401108 A JP2000401108 A JP 2000401108A JP 2002203755 A JP2002203755 A JP 2002203755A
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electrode
carbon
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sheet
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廣志 ▲高▼富
Hiroshi Takatomi
Hiroshi Omiya
浩 大宮
Takaaki Sakai
貴明 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤を介することなく集電体と炭素系電極
を接合してなる、内部電気抵抗の小さなバイポーラ型中
間電極を提供する。 【解決手段】 導電性高分子物質複合極6 は、見かけ溶
融粘度が300〜300万ポイズでありかつ導電性が付
与された高分子物質からなる導電性シート8 と、同シー
トの少なくとも片面に熱融着された炭素系電極9 とから
構成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性が付与され
た高分子物質からなるシートに、炭素系電極が接着剤な
しで強固に接合一体化されてなる導電性高分子物質複合
極に関する。本発明による複合極は、積層型電気二重層
キャパシタやレドックスフロー型2次電池などにおいて
バイポーラ型中間電極として用いられる。
【0002】
【発明の背景】近年、エネルギー節減や地球環境保護の
観点から夜間の余剰電力を蓄電し、昼間のピーク電力使
用量を低減させる電力平準化や、自動車の燃費向上およ
び排ガスのクリーン化を目的としたハイブリッド車の開
発が盛んになっており、このため電気二重層キャパシタ
のような高圧蓄電デバイスの開発が急務となっている。
これらの用途では高電圧の蓄電装置が要求されており、
複数の単セルを直列に接合してなる積層型エネルギー貯
蔵デバイスは最も期待されているものの一つである。
【0003】電気二重層キャパシタの電極は、比表面積
の大きな活性炭を主材料とする分極性電極層を集電体上
に形成してなり、電気二重層キャパシタは一対の電極層
で電気絶縁性のセパレータを挾んでなる基本セルに電解
液を含浸させることにより構成される。このタイプのキ
ャパシタは、両電極間に電圧が印加されると、それによ
って生じる電極と電解液界面の電気二重層に電荷を蓄積
するために、従来のキャパシタより飛躍的に大きな電気
量を蓄えることができる。これは、また、酸化還元反応
を伴う2次電池と比較すると、貯蔵できる電気エネルギ
ー量は見劣りするものの、出力特性、即ち短時間に大量
の電力を出し入れする能力は約10倍もあり、充放電サ
イクル寿命も10万回以上と100倍以上の長寿命を有
し、既にICやLSIのメモリーおよびアクチュエータ
のバックアップ電源などとして、種々の産業分野で利用
されている。
【0004】一方、レドックスフロー型2次電池は、多
孔性炭素系電極とイオン交換膜の組み合わせを主たる構
成要素とし、バナジウムまたは鉄−クロムの酸性水溶液
からなる電解液を含浸させたものである。これは、充電
状態と放電状態で電解液中の金属イオンの価数が変化す
るだけ、自己放電が小さく、サイクル寿命が長い長所を
有し、ビルや工場向けの夜間電力貯蔵など高圧電力貯蔵
装置として期待されている。
【0005】
【従来の技術】電気二重層キャパシタの起電力は、電解
液の組成にも依るが、概ね1〜3Vであり、これを高圧
電源に用いる場合には個々に作製した複数の単セルを直
列に接続するかまたは積層して目的の高電圧を確保す
る。中でも積層型電気二重層キャパシタは空間効率が高
い点で好ましい。したがって、積層型電気二重層キャパ
シタの特性は、単セルだけでなく、積層したセル間の接
触抵抗にも大きく影響される。積層セルの内部電気抵抗
を低くするには、電気伝導性が高い中間集電体が必要で
あり、エネルギー密度や出力密度を高くするには、低比
重かつ薄型の中間集電体が必要である。このため、中間
集電体両面に炭素電極を組み合わせたバイポーラ型中間
電極が提案されている。
【0006】電気二重層キャパシタの一構成部材である
集電体としては、内部電気抵抗が少なく大電流を供給で
きるものが要求され、導電性箔、チタン板や導電性高分
子物質からなるシートなどが使われる。金属製集電体の
場合、集電体への炭素系電極の接合には、集電体に電極
を機械的に圧着するか、または接着剤を用いて両者を接
着させる方法が採られる。しかし、機械的方法では振動
や温度変化によるセルの体積変化により接触抵抗が増大
し、出力特性が低下し、またオーム損失が大きくなりが
ちである。また、接着剤は有機電解液および酸性または
塩基性水性電解液と常に接触するため劣化し、長期安定
性に欠ける欠点がある。このため、接着剤などを介する
ことなく集電体と電極を一体化することが望まれてい
る。
【0007】レドックスフロー型2次電池でも電気二重
層キャパシタと同様に1セルの電圧は1V強であり、こ
れを高圧電源に用いる場合には複数の単セルを積層する
ことにより目的の高電圧を得る。双極板と呼ばれる中間
電極にはバイポーラ型電極が採用されている。但しこれ
を構成する多孔性炭素電極は、カーボンを練り込んだプ
ラスチック製の導電性プラスチックカーボン集電体に単
に接触しているため、オーム損失による内部電気抵抗が
大きく、その接触抵抗の低減が望まれている。
【0008】特開平8−250380には、活性炭粉末
および、バインダーとなる高分子物質をトルエンなどの
有機溶剤に溶解、混合し、この混合物を集電極に塗布し
た後、乾燥する方法が記載されている。しかし、この方
法では、溶剤の回収、環境保護の面、人体への健康面、
経済的な面などで問題が多い。
【0009】特開昭62−179711、特開昭62−
16506には、活性炭粉末および、バインダーとなる
高分子物質をエマルジョン化し、このエマルジョンを前
記と同様に集電極に塗布する方法が記載されている。し
かし、この方法では水系エマルジョンを用いるので、環
境保護の面、人体への健康面では改善がみられるが、こ
のエマルジョンは、固形分が少ないので、生産効率がよ
り悪く、厚みの薄い膜しかできず、膜の強度も弱い。ま
た、活性炭電極と集電極を一体化するために接着剤、導
電性接着剤などを用いるため、塗布工程、接着強度、経
時変化、耐薬品性なども問題となる。
【0010】電解液を常時循環させる必要のあるレドッ
クスフロー型2次電池の場合には、圧力損失を低減させ
るために繊維状またはフェルト状の多孔性炭素電極が用
いられることが多いが、電極と集電体が単に機械的に接
触しているため、オーム損失が大きく、振動や温度変化
により接触抵抗が変化しやすいという欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の課題は、
上記のような従来技術の問題点に鑑み、接着剤を介する
ことなく集電体と炭素系電極を接合してなる、内部電気
抵抗の小さなバイポーラ型中間電極を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、導電性シ
ートに炭素系電極が熱融着により接着剤なしで強固に接
合できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明による導電性高分子物質
複合極は、見かけ溶融粘度が300〜300万ポイズで
ありかつ導電性が付与された高分子物質からなる導電性
シートと、同シートの少なくとも片面に熱融着された炭
素系電極とから構成されたものである。
【0014】以下、本発明の構成につき詳細に説明す
る。
【0015】導電性高分子物質複合極の材料となる高分
子物質の例としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、AB
S樹脂などの熱可塑性樹脂;塩化ビニル系エラストマ
ー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エ
ラストマー、スチレン系エラストマー、塩素化ポリエチ
レン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチエ
ン−酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性エラストマーも
しくはその架橋物;天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エ
チレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスル
ホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンゴム、アクリ
ルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フ
ッ素ゴムなどのゴム類もしくはその架橋物を挙げること
ができる。加硫ゴムは、架橋可能なゴム組成物からなる
未架橋導電性シートが熱融着と同時にまたはその後架橋
されてなるものであってよい。とりわけ、熱可塑性エラ
ストマーはカーボンブラックを多量に練り込み易いので
好適である。また、これら高分子物質を2種類以上ポリ
マーブレンドして使用しても何ら差し支えない。高分子
物質は、それ自体が導電性を有するものであってもよ
い。
【0016】高分子物質に導電性を付与するには様々な
方法が提案されているが、工業的には、導電性フィラー
を高分子物質に練り込む方法が好ましい。練り込み量
は、その体積固有抵抗率が好ましくは10 Ω・cm
以下になるような量である。
【0017】導電性フィラーは、カーボンブラック、導
電性繊維、導電性金属粉体、または無機質や有機質粉体
に導電性金属メッキを施したものなどであってよい。中
でもチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチ
レンブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラッ
ク、グラファイト、長ないし短繊維状カーボンなどのカ
ーボンブラックが好ましい。これらは単独で用いても2
種類以上の混合物で用いてもよい。導電性付与の効果の
点では、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど
ストラクチャー構造を持つもの、もしくは粒子径が小さ
く補強性のあるISAF、HAF、FEF、SRFカー
ボンなどが好適である。カーボンブラックの添加量は、
高分子物質100重量部に対し好ましくは15〜150
重量部、より好ましくは20〜120重量部である。こ
の量が15重量部未満であると導電性が不十分であり、
150重量部を越えると可塑剤や液状ポリマーなどを加
えても導電性シートの見掛け溶融粘度が高くなり、30
0万ポイズを超えてしまう。
【0018】材料となる高分子物質に、通常ゴムプラス
チック分野で使用されている加工助剤、滑剤、導電性付
与剤、溶融粘度調節剤、可塑剤、液状ポリマー、タック
剤、充填剤などの配合剤を、導電性が維持できる範囲
で、必要に応じて添加してもよい。
【0019】高分子物質には、また、カーボンファイバ
ー、ポリエステル、ナイロン、ビニロンなどからなる補
強用繊維を含ませてもよい。
【0020】導電性高分子物質の見掛け溶融粘度は、3
00〜300万ポイズである。この粘度が300万ポイ
ズを越えると、シート化加工性が悪化し、導電性シート
と炭素系電極との熱融着が困難であり、融着強度も不十
分となる。
【0021】導電性高分子物質の見掛け溶融粘度を30
0万ポイズ以下に調整するには、材料となる高分子物質
の選択、導電性フィラーの量および種類の選択を最適に
行う。また、高分子物質に加工助剤として滑剤、可塑
剤、安定剤、分散助剤などを適宜配合することも好まし
い。
【0022】見かけ溶融粘度とは、結晶性高分子物質の
場合、導電性シートの成形加工時の加熱溶融温度におけ
る溶融粘度指数であり、非結晶性高分子物質の場合、温
度150℃、剪断速度1/秒における溶融粘度指数であ
り、いずれも例えばフローテスターを用いて測定され
る。
【0023】導電性シートの厚みは、好ましくは0.2
〜2mm、より好ましくは0.3〜1mm、さらに好ま
しくは0.3〜0.8mmである。また、導電性シート
は2種類以上の多層複合体としてもよい。
【0024】導電性シートに熱融着される炭素系電極の
材料は、活性炭素繊維からなる織布、不織布、フェル
ト、抄造体などであってよい。活性炭素繊維織布とは、
一般にはフィラメント繊度10〜250デニール、好ま
しくは直径約20μ以下の活性炭素繊維のモノフィラメ
ントを数10本〜数千本集束して、あるいはこの集束体
を更に2〜3本撚糸したものを織った織布である。織り
方は特に制限はないが、大きな繊維表面積を有する織布
が望ましく、比表面積は好ましくは300〜2000m
/gであり、目付は好ましくは50〜300g/m
である。一般的には平織りが用いられるが、斜文織り、
朱子織りなどでも構わない。
【0025】不織布とは、いわゆる湿式法または乾式法
などの製法を用いて、適当な長さに切断された合成繊
維、天然繊維などを繊維自身の融着力などによって繊維
間接合し、マット状または薄綿状にした後、蒸し焼きな
どの後処理により作製され得る布状物である。活性炭素
繊維からなり、表面積が500〜2,000m
g、目付が50〜400g/m 、好ましくは100
〜250g/m 、嵩密度が0.02〜0.08g/
cm 、好ましくは0.03〜0.06g/cm
であるものが好ましい。
【0026】つぎに、本発明による導電性高分子物質複
合極の製造方法について、説明をする。
【0027】まず、導電性シートを得るには、ゴムプラ
スチック加工分野において通常行われている方法が適用
できる。たとえばミキシングロール、各種ニーダー、バ
ンバリーミキサー、二軸混練押出し機などを用いて、材
料となる高分子物質に導電性フィラーを添加し、必要に
応じて配合剤、補強用繊維、加工助剤など、後述する加
硫剤、加硫促進剤、有機過酸化物、樹脂架橋剤などを添
加し、全体を高分子物質の溶融温度、例えば80℃〜1
80℃で混練し、オープンロールなどでシート状、また
はリボン状、またはペレット状にし、次いで押出し機、
カレンダーロールなどでシート状に賦形する。シートの
厚みは好ましくは0.3〜1mmである。
【0028】次いで、こうして得られた導電性シートの
片方または両面に、炭素系電極を熱プレス機、カレンダ
ーロールによるトッピング、押出などで熱融着する。
【0029】このような導電性高分子物質複合極は、ゴ
ムプラスチック業界で極く通常に使用されている加工設
備をそのまま利用して安価に大量生産できる。これは薄
く軟質な樹脂シートからなるので、軽量でありかつ、振
動、0℃〜60℃付近までの温度変化による寸法変化に
追随できる。水溶液系、有機溶液系の電解液、ゲル電解
質などに対する耐薬品性にも優れ、経時変化がない。
【0030】こうして得られた導電性高分子物質複合極
は、架橋処理を施しても施さなくてもよい。水溶液系電
解液を用いる場合には架橋を施さなくてもよい。プロピ
レンカーボネートやブチロラクタムなど有機電解液を使
用する場合には架橋処理を施すことが好ましい。
【0031】架橋処理は、材料となる高分子物質に、硫
黄、チオ尿素類、ジアミン類、メルカプトトリアジン類
などの加硫剤、加硫促進剤、有機過酸化物、樹脂架橋剤
などを配合しておき、導電性シートへの炭素系電極の熱
融着と同時に、もしくはその後で行われる。架橋条件
は、用いられる加硫剤、加硫促進剤、架橋剤の種類や量
に応じて、温度100〜200℃で、数分〜120分間
で適宜選択される。架橋装置は、加熱プレス架橋の他
に、加硫缶を用いた加圧蒸気架橋、塩浴中での架橋、U
HF、高周波による架橋、被鉛架橋、樹脂被覆架橋など
であってよい。
【0032】得られた導電性高分子物質複合極は、電気
二重層キャパシタやレドックスフロー型2次電池を構成
するバイポーラ型中間電極として用いる。
【0033】つぎに、本発明による導電性高分子物質複
合極を用いて得られる電気二重層キャパシタおよびレド
ックスフロー型2次電池について、説明をする。
【0034】積層型電気二重層キャパシタは、一対の端
部導電性高分子物質複合極の間に中間部導電性高分子物
質複合極とセパレータとの組み合わせが複数個積層状に
配され、該中間部導電性高分子物質複合極が本発明によ
る導電性高分子物質複合からなり、該炭素系電極とセパ
レータに電解液が含浸されているものである。
【0035】キャパシタの正極および負極となる両端部
に、金属集電体と端部導電性シートと端部炭素系電極か
ら端部導電性高分子物質複合極をそれぞれ配する。金属
集電体は、チタン、ステンレス鋼、タンタルなどからな
るが、グラファイトのような炭素系のものでもよい。端
部導電性シートおよび端部炭素系電極は、中間部導電性
高分子物質複合極を構成する導電性シートおよび炭素系
電極と同じものであってよい。金属集電体と端部導電性
シートと端部炭素系電極は互いに、導電性接着剤などに
より接着されていてもよいし、単に物理的に圧着されて
いてもよいが、好ましくは熱融着されている。
【0036】次に、一対の端部導電性高分子物質複合極
の間に、中間部導電性高分子物質複合極すなわちバイポ
ーラ型中間電極とセパレータとの組み合わせを複数個積
層状に配する。中間部導電性高分子物質複合極は、好ま
しくは、導電性シートとその片面に熱融着された炭素系
電極とからなるサンドイッチ体の架橋物である。
【0037】導電性高分子物質複合極と組む合わせて用
いられるセパレータは、多孔性のものであって、例え
ば、親水化処理されたポリプロピレン不織布からなるも
のが好ましい。セパレータの厚みは好ましくは0.02
〜0.5mmである。
【0038】次いで、炭素系電極とセパレータに電解液
を含浸する。電解液は特に制限はなく、プロピレンカー
ボネートやスルフォランなどの有機溶媒にテトラエチル
アンモニウム四フッ化ホウ酸塩やテトラブチルアンモニ
ウム過塩素酸塩などを溶解させた有機電解液や、希硫酸
などの水溶液系電解液、或いはこれらに高分子物質を加
えたポリマー型電解質などを使用することができる。本
発明によるキャパシタを自動車用途や夜間電力貯蔵など
の高圧電源用途に用いる場合は、安全性の観点から引火
・発火の恐れのない水溶液系が好ましい。更に瞬時に多
量の電流が出入りするブレーキ回生エネルギー利用など
の用途では、水溶液系の中でも、高電流密度下での充放
電特性に優れる少なくとも一つのランタノイド元素の塩
の水溶液を酸の共存下で電解液として用いることが好ま
しい。電解液は、炭素系電極とセパレータに含浸され
る。
【0039】こうして、電気二重層キャパシタを作製す
る。
【0040】次に、レドックスフロー型2次電池につい
て説明をする。
【0041】レドックスフロー型2次電池は、一対の端
部導電性高分子物質複合極の間に中間部導電性高分子物
質複合極とイオン交換膜との組み合わせが複数個積層状
に配され、該中間部導電性高分子物質複合極が本発明に
よる導電性高分子物質複合からなり、該炭素系電極とイ
オン交換膜に電解液が含浸されているものである。
【0042】レドックスフロー型2次電池の炭素系電極
として用いられる多孔性炭素電極は、X線広角回折によ
る(002)面の面間隔が3.42オングストローム以
上、比表面積が5〜200m/gの範囲、嵩密度が
0.1〜0.5g/mlであるものであり、織り方に特
に制限はないが、液透過性のフェルト状、メリヤス編み
状のものが好ましい。イオン交換膜はフッ素樹脂系の膜
であってよい。
【0043】レドックスフロー型2次電池の構成および
製造方法は、セパレータの代わりにイオン交換膜を用
い、電解液として、酸化還元可能な電解液である、バナ
ジウムまたは鉄−クロムを含む酸性水溶液を用いる点を
除いて、上述した積層型電気二重層キャパシタの構成お
よび製造方法と概略同じであってよい。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を挙げて具
体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り
以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明
による導電性高分子物質複合極を、積層型電気二重層キ
ャパシタおよびレドックスフロー型2次電池のバイポー
ラ型中間電極として用いてこれらを製造する例を、参考
例1〜9として挙げて説明する。
【0045】実施例において、導電性高分子物質の溶融
粘度の算出は、島津製作所社製のフローテスター「CF
T−500C型」を使用して測定した。見かけ溶融粘度
は下記の式から算出した。
【0046】見かけ溶融粘度(ポイズ)の算出式 VI=(πR P)/(8QL) ここで VI:見かけ溶融粘度(ポイズ) R:ノズルの半径(cm) P:試験圧力(dyn/cm ) Q:流出量(ml/sec) L:ノズルの長さ(cm)
【0047】導電性高分子物質の体積抵抗率は、三菱油
化社製の抵抗測定計「ロレスタ(APMCP−T40
0)」を使用して、温度23℃、相対湿度55%で測定
した。
【0048】 実施例1 塩素化ポリエチレン(塩素含量35%、ダイソー社製) 55重量部 ポリエチレン(密度0.92、日本ユニカー社製) 5重量部 安定剤(錫系、日東化成社製「TVS#2000」) 2重量部 カーボンブラック(HAF 、東海カーボン社製「シースト3」) 40重量部
【0049】上記配合物を、100℃に加熱した1リッ
トル加圧式ニーダーに投入し、回転数40rpmで8分
間混練した。この時の樹脂温度は155℃であった。得
られた混練物を約155℃の8インチオープンロールに
移し、厚さ0.8mmのシートに賦形し、導電性シート
(A) を得た。
【0050】導電性シート(A) の、温度150℃、剪断
速度1/秒における見かけ溶融粘度は110万ポイズで
あり、温度23℃、相対湿度55%における体積抵抗率
は3.1×10 Ω・cmであった。
【0051】導電性シート(A) を140mm×140m
mのサイズにカットし、そのカット片の表裏両面の各中
央部に、炭素系電極となる活性炭素繊維織布(東洋紡績
株式会社製、「BW554」、比表面積1200m
g、目付180g/m、厚み0.6mm、100mm
×100mm)をそれぞれ配し、得られたサンドイッチ
体を金型に入れ、150℃で4分間予熱し、4分間、2
0kgf/cm で加圧加熱プレスし、引き続き同圧
条件の冷却プレスに移し、室温まで冷却した。
【0052】得られた導電性高分子物質複合極は、導電
性シート(A) の表裏両面に炭素系電極が強固に熱融着し
たものであり、表面部は同電極の繊維の模様をそのまま
残しており、表面積は全く減少していなかった。こうし
て、低抵抗のバイポーラ型中間電極が得られた。
【0053】 実施例2 NBR(アクリロニトリル含量32%、日本合成ゴム社製「N−230S」) 90重量部 塩素化ポリエチレン(塩素含量40%、ダイソー社製) 10重量部 カーボンブラック(HAF 、東海カーボン社製「シースト3」) 70重量部 亜鉛華 5重量部 ステアリン酸 1.0重量部 可塑剤 15重量部 2−メルカプトベンゾチアゾール(加硫促進剤、大内新興社製) 0.125重量部 テトラメチルチウラムジスルフィド(加硫促進剤、大内新興社製) 0.375重量部 硫黄(加硫剤) 0.375重量部
【0054】上記配合から加硫促進剤と硫黄物を除いた
配合物を、100℃に加熱した1リットル加圧式ニーダ
ーに投入し、回転数40rpmで7分間混練した。この
時の樹脂温度は155℃であった。得られた混練物(A)
を約70℃の7インチオープンロールに移し、次いで上
記加硫促進剤と硫黄を添加し、全体を混合し、厚さ0.
8mmのシート状に賦形し、導電性シート(B) を得た。
【0055】上記混練物(A) の、温度150℃、剪断速
度1/秒における見かけ溶融粘度は12万ポイズであ
り、導電性シート(B) の、23℃における体積抵抗率は
5.2×10 Ω・cmであった。
【0056】導電性シート(B) を140mm×140m
mのサイズにカットし、そのカット片の表裏両面の各中
央部に、炭素系電極となる活性炭素繊維織布(東洋紡績
株式会社製、「BW554」、比表面積1200m
g、目付180g/m、厚み0.6mm、100mm
×100mm)をそれぞれ配し、得られたサンドイッチ
体を金型に入れ温度165℃、圧力10kgf/cm
の条件下で12分間加熱プレスした。
【0057】得られた導電性高分子物質複合極の加硫物
は、導電性シート(B) の表裏両面に炭素系電極が強固に
熱融着したものであり、表面部は同電極の繊維の模様を
そのまま残しており、表面積の減少は認められなかっ
た。こうして、低抵抗のバイポーラ型中間電極が得られ
た。
【0058】 実施例3 塩素化ポリエチレン(塩素含量35%、ダイソー社製) 30重量部 ポリエチレン(密度:0.92、日本ユニカー社製) 6重量部 安定剤(錫系、日東化成社製「TVS#2000」) 2重量部 グラファイト粉末(エスイーシー社製) 62重量部
【0059】上記配合物を用いた点を除いて、実施例1
と同様な操作を行い、導電性シート(C) を得、さらに高
分子物質複合極を得た。
【0060】導電性シート(C) の、温度150℃、剪断
速度1/秒における見かけ溶融粘度は200万ポイズで
あり、温度23℃、相対湿度55%における体積抵抗率
は2.0×10 Ω・cmであった。
【0061】実施例4 実施例2で得られた導電性シート(B) を140mm×1
40mmのサイズにカットし、そのカット片の表裏両面
の各中央部に、炭素系電極となるセルロース系液透過性
多孔性炭素繊維(厚み0.6mm、100mm×100
mm、X線広角回折による(002)面の面間隔3.6
オングストローム、比表面積50m/gの範囲、嵩密
度0.3g/ml)をそれぞれ配し、得られたサンドイ
ッチ体を金型に入れ温度165℃、圧力30kgf/c
の条件下で10分間加熱プレスした。
【0062】得られた導電性高分子物質複合極の加硫物
は、導電性シート(B) の表裏両面に炭素系電極が強固に
熱融着したものであり、表面部は同電極の繊維の模様を
そのまま残しており、表面積の減少は認められなかっ
た。こうして、低抵抗のバイポーラ型中間電極が得られ
た。
【0063】参考例1 図1において、チタン製の金属集電体(1) (140mm
×140mm)と、実施例2で得られた導電性シート
(B) の架橋物からなる端部導電性シート(10)(140m
m×140mm)と、100mm×100mm、目付1
80g/m 、端部炭素系電極(2) となる活性炭素繊
維織布(東洋紡績株式会社製「BW554」、厚み0.
6mm、100mm×100mm)とをこの順に配し
て、得られた3層構造体を金型に入れ、温度160℃、
圧力10kgf/cm の条件下で12分間加熱プレ
スした。得られたプレス品は、各層が互いに強固に熱融
着したものであった。こうして構成した、金属集電体
(1) と端部導電性シート(10)と端部炭素系電極(2) から
端部導電性高分子物質複合極(3) を、キャパシタの正極
および負極となる両端部に、それぞれ、金属集電体(1)
が外側に来るように配置した。
【0064】次に、一対の端部導電性高分子物質複合極
(3) どうしの間に、中間部導電性高分子物質複合極(6)
とセパレータ(5) との組み合わせを10個積層状に配し
た。中間部導電性高分子物質複合極(6) すなわちバイポ
ーラ型中間電極は、実施例2で得られたサンドイッチ体
の架橋物である。これは、中間部導電性シート(8) とそ
の表裏両面に熱融着された中間部炭素系電極(9) とから
なる。端部炭素系電極(2) と中間部導電性高分子物質複
合極(6) の活性炭素繊維織布(9) の間に常にセパレータ
(5) が来るように、端部導電性高分子物質複合極(3) と
上記組み合わせとの間にセパレータ(5) を1枚補った。
セパレータ(5) は親水化処理された厚み0.1mmのポ
リプロピレン不織布からなる。隣り合う中間部導電性シ
ート(8)の突出縁部の間、および端部導電性シート(10)
とこれの隣の中間部導電性シート(8) の間には、パッキ
ン(4) が密に詰められている。パッキン(4) はクロロプ
レンゴム製パッキンである。電気二重層キャパシタの主
体をなす積層セルの各単セル(7) は、一方の中間部導電
性シート(8) の半体と、活性炭素繊維織布(9) と、セパ
レータ(5) と、他方の中間部導電性シート(8) の半体と
からなる。
【0065】次いで、活性炭素繊維織布およびセパレー
タに電解液として1モル/リットルの塩化ランタンを含
む1モル/リットルの塩酸水溶液を含浸させた。こうし
て、電気二重層キャパシタ(1) を作製した。
【0066】この電気二重層キャパシタに対し、充電電
圧8V、放電電圧2V、放電電流0.5A(電流密度5
mA/cm)、放電電流1.0A(電流密度10mA
/cm)の条件で充放電試験を繰り返し行い、以下の
結果を得た。
【0067】 充電時のクーロン量:97.05クーロン 充電時の容量 :16.18ファラッド 放電時のクーロン量:97.00クーロン 放電時の容量 :16.17ファラッド クーロン効率 :99.5%
【0068】この結果から分かるように、この電気二重
層キャパシタは、充放電の繰り返しによっても単セルの
特性を損なうことのないのものである。更に上記条件で
充放電サイクル運転を10万回行った結果、内部電気抵
抗の変動もなく、放電容量の低下は3%以下であり、電
気二重層キャパシタの外観変化、変質は認められなかっ
た。
【0069】参考例2 電解液として40重量%の希硫酸を用いた以外、参考例
1と同様な操作を行って電気二重層キャパシタを作製
し、参考例1と同様に充放電試験を行った。試験結果を
以下に示す。
【0070】 充電時のクーロン量:90.50クーロン 充電時の容量 :15.09ファラッド 放電時のクーロン量:89.75クーロン 放電時の容量 :14.96ファラッド クーロン効率 :99.2%
【0071】この結果から分かるように、この電気二重
層キャパシタは、充放電の繰り返しによっても単セルの
特性を損なうことのないのものである。更に上記条件で
充放電サイクル運転を10万回行った結果、内部電気抵
抗の変動もなく、放電容量の低下は3%以下であり、電
気二重層キャパシタの外観変化、変質は認められなかっ
た。
【0072】参考例3 実施例2において活性炭素繊維織布を厚み0.6mm、
目付180g/mの活性炭素繊維織布(東洋紡績株式
会社製「BW552」)に代え、参考例1において電解
液を濃度0.8モル/リットルのテトラエチルアンモニ
ウム四フッ化ホウ酸塩のプロピレンカーボネート溶液か
らなる電解液に代えた以外、実施例2および参考例1と
同様な操作を行って電気二重層キャパシタを作製した。
また、充放電試験において、充電電圧を20Vに、放電
電圧を5Vにそれぞれ変えた以外、参考例1と同様に充
放電試験を行った。試験結果を以下に示す。
【0073】 充電時のクーロン量:30.15クーロン 充電時の容量 : 5.03ファラッド 放電時のクーロン量:29.37クーロン 放電時の容量 : 4.90ファラッド クーロン効率 :97.4%
【0074】更に上記条件で充放電サイクル運転を1万
回行った結果、放電容量低下は5%以下と良好な結果が
得られた。
【0075】参考例4 参考例1で得られた電気二重層キャパシタの充放電試験
において、充電電流を2.0A(電流密度20mA/c
)に、放電電流を5.0A(電流密度50mA/c
)にそれぞれ変えた以外、参考例1と同様に充放電
試験を行った。試験結果を以下に示す。
【0076】 充電時のクーロン量:75.80クーロン 充電時の容量 :12.63ファラッド 放電時のクーロン量:73.60クーロン 放電時の容量 :12.27ファラッド クーロン効率 :97.1%
【0077】この結果から分かるように、この電気二重
層キャパシタは、50mA/cmという大きな放電電
流密度でも容量の低下が小さく、短時間に大電流を出し
入れできる高圧電源に実用可能なものである。更に上記
条件で充放電サイクル運転を1万回行った結果、内部電
気抵抗の変動もなく、放電容量の低下は3%以下であ
り、電気二重層キャパシタの外観変化、変質は認められ
なかった。
【0078】参考例5 実施例2で得られた中間部導電性シート(B) を、実施例
3で得られた中間部導電性シート(C) に代えた以外、参
考例1と同様の操作で電気二重層キャパシタを得た。こ
の電気二重層キャパシタに対し、充電電流を2.0A
(電流密度20mA/cm)に、放電電流を5.0A
(電流密度50mA/cm)にそれぞれ変えた以外、
参考例1と同様に充放電試験を行った。試験結果を以下
に示す。
【0079】 充電時のクーロン量:83.10クーロン 充電時の容量 :13.85ファラッド 放電時のクーロン量:82.00クーロン 放電時の容量 :13.67ファラッド クーロン効率 :98.7%
【0080】この結果から分かるように、この電気二重
層キャパシタは、50mA/cmという大きな放電電
流密度でも容量の低下が小さく、短時間に大電流を出し
入れできる高圧電源に実用可能なものである。更に上記
条件で充放電サイクル運転を5万回行った結果、内部電
気抵抗の変動もなく、放電容量の低下は2%以下であ
り、電気二重層キャパシタの外観変化、変質は認められ
なかった。
【0081】参考例6 図1において、キャパシタの正極および負極となる両端
部に、ステンレス鋼製の金属集電体(1) (140mm×
140mm)をそれぞれ配し、これら金属集電体(1) の
内側面に、実施例2で得られた中間部導電性シート(B)
の架橋物からなる端部導電性シート(10)(140mm×
140mm)を導電性接着剤を用いて接着し、接着部を
完全に乾燥させた。次いで、端部導電性シート(10)の内
側面に分極性電極となる活性炭素繊維織布(東洋紡績株
式会社製「BW554」)からなる端部炭素系電極(2)
(100mm×100mm)をそれぞれを配した。こう
して金属集電体(1) と端部導電性シート(10)と端部炭素
系電極(2) から端部導電性高分子物質複合極(3) を構成
した。
【0082】上記の点以外、参考例1と同様な操作を行
って電気二重層キャパシタを作製した。
【0083】参考例7 図2において、チタン製の金属集電体(1) (140mm
×140mm)と、実施例4で得られた導電性シート
(B) の架橋物からなる端部導電性シート(10)(140m
m×140mm)と、セルロース系液透過性多孔性炭素
繊維(厚み0.6mm、100mm×100mm、X線
広角回折による(002)面の面間隔3.6オングスト
ローム、比表面積50m/gの範囲、嵩密度0.3g
/ml)とをこの順に配して、得られた3層構造体を金
型に入れ、温度160℃、圧力10kgf/cm
条件下で12分間加熱プレスした。得られたプレス品
は、各層が互いに強固に熱融着したものであった。こう
して構成した、金属集電体(1)と端部導電性シート(10)
と端部炭素系電極(2) から端部導電性高分子物質複合極
(3) を、キャパシタの正極および負極となる両端部に、
それぞれ、金属集電体(1) が外側に来るように配置し
た。
【0084】次に、実施例4で作製した導電性高分子物
質複合極(サンドイッチ体の架橋物)を中間部導電性高
分子物質複合極(6) すなわちバイポーラ型中間電極とし
て用いた。これは中間部導電性シート(8) とその表裏両
面に熱融着された中間部炭素系電極(9) とからなる。一
対の端部導電性高分子物質複合極(3) どうしの間に、中
間部導電性高分子物質複合極(6) とイオン交換膜(15)と
の組み合わせを10個積層状に配した。端部炭素系電極
(2) と中間部導電性高分子物質複合極(6) の活性炭素繊
維織布(9) の間に常にイオン交換膜(15)が来るように、
端部導電性高分子物質複合極(3) と上記組み合わせとの
間にイオン交換膜(15)を1枚を補った。イオン交換膜(1
5)は厚み30μmのフッ素樹脂系の膜である。隣り合う
中間部導電性シート(8) の突出縁部の間、および端部導
電性シート(10)とこれの隣の中間部導電性シート(8) の
間に、パッキン(4) 密に詰め込んだ。パッキン(4) はク
ロロプレンゴム製パッキンである。レドックスフロー型
2次電池の主体をなす積層セルの各単セル(7) は、一方
の中間部導電性シート(8) の半体と、活性炭素繊維織布
(9) と、イオン交換膜(15)と、他方の中間部導電性シー
ト(8) の半体とからなる。
【0085】次いで、活性炭素繊維織布およびイオン交
換膜に、酸化還元可能な電解液である、全バナジウム2
モル/リットルおよび全硫酸根3モル/リットルを含む
水溶液系電解液を含浸させた。こうして、レドックスフ
ロー型2次電池を作製した。
【0086】このレドックスフロー型2次電池に対し充
放電試験を繰り返し、100サイクル目に以下の結果を
得た。
【0087】 電流密度 :50mA/cm 電流効率 :98. 5% 電力効率 :85. 9% 放電容量残存率 :99. 9% クーロン効率 :99. 5% この結果から分かるように、このレドックスフロー型2
次電池は、単セルの特性を損なわず、高圧電源に実用可
能なものである。
【0088】更に上記条件で充放電サイクル運転を10
万回行った結果、内部電気抵抗および放電容量の変動は
なく、レドックスフロー型2次電池の外観変化、変質は
認められなかった。
【0089】参考例8 参考例7において、実施例4で得られた中間部導電性シ
ート(B) を、実施例3で得られた中間部導電性シート
(C) に代えた以外、参考例7と同様の操作でレドックス
フロー型2次電池を得た。このレドックスフロー型2次
電池に対し充放電試験を繰り返し、1000サイクル目
に以下の結果を得た。
【0090】 電流密度 :70mA/cm 電流効率 :98. 9% 電力効率 :87. 1% 放電容量残存率 :99. 9% クーロン効率 :99. 8% この結果から分かるように、このレドックスフロー型2
次電池は、単セルの特性を損なわず、高圧電源に実用可
能なものである。
【0091】更に上記条件で充放電サイクル運転を10
万回行った結果、内部電気抵抗および放電容量の変動は
なく、レドックスフロー型2次電池の外観変化、変質は
認められなかった。
【0092】参考例9 図2において、レドックスフロー型2次電池の正極およ
び負極となる両端部に、ステンレス鋼製の金属集電体
(1) (140mm×140mm)をそれぞれ配し、これ
ら金属集電体(1) の内側面に、実施例4で得られた中間
部導電性シート(B) の架橋物からなる端部導電性シート
(10)(140mm×140mm)を導電性接着剤を用い
て接着し、接着部を完全に乾燥させた。次いで、端部導
電性シート(10)の内側面に分極性電極となる活性炭素繊
維織布(東洋紡績株式会社製「BW554」)からなる
端部炭素系電極(2) (100mm×100mm)をそれ
ぞれを配した。こうして金属集電体(1) と端部導電性シ
ート(10)と端部炭素系電極(2) から端部導電性高分子物
質複合極(3) を構成した。
【0093】上記の点以外、参考例7と同様な操作を行
ってレドックスフロー型2次電池を作製した。
【0094】
【発明の効果】本発明による導電性高分子物質複合極
は、薄くて軽量で軟質な高分子物質製のものであり、振
動、温度変化による寸法変化に追随できる。
【0095】本発明による導電性高分子物質複合極は、
ゴムプラスチック業界で極く通常に使用されている加工
設備をそのまま利用して、再現性良く安定した品質で、
しかも安価に大量生産できる。これは、また、電解液、
ゲル電解質などに対する耐薬品性にも優れているので経
時変化がない。
【0096】さらに、本発明による導電性高分子物質複
合極は、接着剤の劣化の恐れなどもなく長期間にわたっ
て低抵抗の高性能を安定して発揮でき、電気二重層キャ
パシタやレドックスフロー型2次電池の高圧化、大容量
化、低コスト化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 積層型電気二重層キャパシタを示す概略図で
ある。
【図2】 レドックスフロー型2次電池を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
(1) :金属集電体 (2) :端部炭素系電極 (3) :端部導電性高分子物質複合極 (4) :パッキン (5) :セパレータ (6) :中間部導電性高分子物質複合極 (7) :単セル (8) :中間部導電性シート (9) :中間部炭素系電極 (10):端部導電性シート (15):イオン交換膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA08 BB00 DD05 EE05 EE17 5H026 AA10 BB01 BB04 BB10 EE02 EE05 EE18 HH00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 見かけ溶融粘度が300〜300万ポイ
    ズでありかつ導電性が付与された高分子物質からなる導
    電性シートと、同シートの少なくとも片面に熱融着され
    た炭素系電極とから構成されている導電性高分子物質複
    合極。
  2. 【請求項2】 該高分子物質が熱可塑性エラストマーま
    たはゴムである請求項1記載の導電性高分子物質複合
    極。
  3. 【請求項3】 該導電性シートが、導電性フィラーを練
    り込んだ高分子物質からなるシートである請求項1また
    は2記載の導電性高分子物質複合極。
  4. 【請求項4】 該導電性フィラーが、カーボンブラッ
    ク、導電性繊維、導電性金属粉体、または無機質や有機
    質粉体に導電性金属メッキを施したものである請求項3
    記載の導電性高分子物質複合極。
  5. 【請求項5】 該導電性シートが架橋可能なゴム組成物
    からなる未架橋導電性シートであり、同シートが熱融着
    と同時にまたはその後架橋されてなる請求項1〜4のい
    ずれかに記載の導電性高分子物質複合極。
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