JP2002202128A - デジタル画像を利用した計測・測量方法 - Google Patents

デジタル画像を利用した計測・測量方法

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JP2002202128A
JP2002202128A JP2000401107A JP2000401107A JP2002202128A JP 2002202128 A JP2002202128 A JP 2002202128A JP 2000401107 A JP2000401107 A JP 2000401107A JP 2000401107 A JP2000401107 A JP 2000401107A JP 2002202128 A JP2002202128 A JP 2002202128A
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Masayuki Yoshida
正行 吉田
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SUZUKI KATSUTARO
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SUZUKI KATSUTARO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な設備を必要とせず、容易に計測・測量
を行う技術の提供。 【解決手段】 第一及び第二既知点P1及びP2から建
造物1のC点をデジタル画像で撮像し、視準線t1及び
t2に対する水平ずれ角θ1及びθ2を、デジタル画像
の視準線上の中心画素とC点の対応画素との間の画素数
から求め、さらに、狭角Θ1及びΘ2を求めることによ
り、C点の水平位置を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルスチルカ
メラ等のデジタル画像撮像装置により撮像されたデジタ
ル画像を利用した計測・測量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、対象物の計測や測量にあたって
は、基本的に、例えば三角測量やトラバース測量等によ
って、対象物の位置や高さを特定していた。これら計測
・測量にあたっては、トランシット等の経緯儀を用いて
水平角度や垂直角度を計測するとともに、光波測距儀等
を用いて距離を計測する必要があった。また、近年は、
トランシットと光波測距儀とを合体したトータルステー
ションシステムという電子式測距測角儀が普及してい
る。さらに、航空写真等を利用した写真測量法も普及し
ている。また、最近は、GPS(汎地球測位システム、
Global Positioning System)を利用して容易に位置を
特定することができるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トランシット等を用いた測量では、現場での作業量が多
く、測量作業が天候の影響を受けやすかった。その上、
精度の高い測量を行うためには、高い熟練度が要求され
た。一方、トータルステーションシステムは、現場での
作業量は減るものの、高価で精密な測量機器が必要とな
る上、機器の扱いに熟練を要する。
【0004】また、写真を利用した場合、一枚の写真だ
けでは対象物までの距離情報が得られない。このため、
写真画像の他に、光波測距儀等を利用して、個々の対象
物までの距離情報をそれぞれ求める必要があった。この
ため、距離情報を得るために光波測距儀等の高価な設備
が必要となる上、情報の処理が煩雑となるという問題が
あった。
【0005】また、航空写真等のステレオ写真を撮影し
て三次元解析を行うためには、航空機等を使用した大掛
かりな撮影が必要となるだけでなく、実体図化機等の高
価なシステムが必要となり、さらに、高い技術が要求さ
れるという問題があった。また、GPS測量では、GP
S衛星からの電波の受信装置(GPS測量機)を設置で
きない地点や、上空が開けていない地点の位置は、直接
測量することはできない。
【0006】本発明は、上記の問題を解決すべくなされ
たものであり、高価な設備を必要とせず、容易に計測・
測量を行うことができる技術の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、本出願に係る発明者は、デジタルスチルカメラ等の
デジタル画像撮像装置で撮像されたデジタル画像におい
て、視野中の二点にそれぞれ対応する画素どうしの間の
画素数が、観測位置から見たその二点間の角度を正確に
反映していることに着目した。したがって、測量現場で
デジタル画像を撮像し、デジタル画像において中心点か
ら対象物までの画素数を求めれば、視準線の方向に対す
る対象物の方角を容易に求めることができることに想到
した。
【0008】そこで、本発明の請求項1に係るデジタル
画像を利用した計測・測量方法(以下、「第一の計測・
測量方法」とも称する。)によれば、既知点において、
水平面内の既知方向に視準線を一致させ、デジタル画像
として対象物を撮像し、デジタル画像における、視準線
上の中心点に対応する中心画素と対象物に対応する対象
画素との間の、水平ライン上での画素数を求め、視準線
と対象物の方角とのなす水平ずれ角を、水平ライン上で
の画素数に対応する角度として求め、既知方向に対する
水平ずれ角から、既知点から見た対象物の方角を求める
方法としてある。
【0009】このように、本発明の第一の計測・測量方
法によれば、デジタル画像の画素数として、既知方向の
視準線に対する水平ずれ角を求める。これにより、対象
物の方角を、高価な設備を必要とせず、容易に求めるこ
とができる。
【0010】また、請求項2記載の発明によれば、中心
画素と対象画素との間の、水平ライン上での画素数Nに
対応する水平ずれ角θを求めるにあたり、デジタル画像
の全撮像幅の水平ライン上での画素数Wを求め、デジタ
ル画像の水平視野角φを求め、水平ずれ角θの正接(t
anθ)を、下記の(1)及び(2)式により求めるこ
とを特徴とする請求項2記載のデジタル画像を利用した
計測・測量方法。 tanθ=N/F …(1) F=(W/2)/{tan(φ/2)} …(2)
【0011】このように、デジタル画像においては、デ
ジタル画像の水平視野角φと、水平ライン上での画素数
Wとが分かれば、容易に、水平ライン上での画素数Nと
水平ずれ角θとを対応づけることができる。しかも、デ
ジタル画像においては、従来の銀塩写真と異なり、通
常、デジタル画像撮像装置の受光素子の最外周の画素
が、そのまま視野の外縁を決定している。このため、デ
ジタル画像においては、水平視野角θと画素数Wとを正
確に対応づけることができる。その結果、画素数Nと水
平ずれ角θとを正確に対応づけることができる。
【0012】また、請求項3記載の発明によれば、デジ
タル画像における、中心画素と対象画素との間の、垂直
ライン上での画素数を求め、既知点から見た対象物の高
低角を、垂直ライン上での画素数に対応する角度として
求める方法としてある。
【0013】このように、既知方向の視準線に対する垂
直ずれ角も、デジタル画像の垂直ライン上での画素数と
して求めれば、対象物の高低角も、高価な設備を必要と
せず、容易に求めることができる。これにより、既知点
から見た対象物の水平角及び高低角を容易に求めること
ができる。
【0014】また、請求項4記載の発明によれば、中心
画素と対象画素との間の、垂直ライン上での画素数Nv
に対応する垂直ずれ角θvを求めるにあたり、デジタル
画像の全撮像幅の垂直ライン上での画素数Wvを求め、
デジタル画像の垂直視野角φvを求め、水平ずれ角θv
の正接(tanθv)を、下記の(3)及び(4)式に
より求める方法としてある。 tanθv=Nv/Fv …(3) Fv=(Wv/2)/{tan(φv/2)} …(4)
【0015】このように、デジタル画像においては、デ
ジタル画像の垂直視野角φvと、垂直ライン上での画素
数Wvとが分かれば、容易に、垂直ライン上での画素数
Nvと垂直ずれ角θvとを対応づけることができる。
【0016】また、本発明の請求項5記載のデジタル画
像を利用した計測・測量方法(以下、「第二の計測・測
量方法」とも称する。)によれば、第一既知点におい
て、水平面内の第一既知方向に第一視準線を一致させ、
第一デジタル画像として対象物を撮像し、第一デジタル
画像における、第一視準線上の中心点に対応する中心画
素と対象物に対応する第一対象画素との間の、水平ライ
ン上での第一画素数を求め、第一視準線と第一既知点か
ら見た対象物の方角とのなす第一水平ずれ角を、第一画
素数に対応する角度として求め、第一既知点と異なる第
二既知点において、水平面内の第二既知方向に第二視準
線を一致させ、第二デジタル画像として対象物を撮像
し、第二デジタル画像における、第二視準線上の中心点
に対応する中心画素と対象物に対応する第二対象画素と
の間の、水平ライン上での第二画素数を求め、第二視準
線と第二既知点から見た対象物の方角とのなす第二水平
ずれ角を、第二画素数に対応する角度として求め、第一
既知方向及び第一水平ずれ角から、第一及び第二既知点
を結ぶ基準線と、第一既知点から見た対象物の方角との
なす第一狭角を求め、第二既知方向及び第二水平ずれ角
から、基準線と、第二既知点から見た対象物の方角との
なす第二狭角を求め、第一既知点と第二既知点との間の
距離と、第一及び第二狭角とにより、対象物の水平位置
を特定する方法としてある。
【0017】このように、本発明の第二の計測・測量方
法によれば、第一及び第二既知点から見た第一及び第二
デジタル画像の画素数として、既知方向の第一及び第二
視準線に対する第一及び第二水平ずれ角を求める。これ
により、第一及び第二既知点からそれぞれ見た対象物の
方角を、高価な設備を必要とせず、容易に求めることが
できる。その結果、水平面内での第一既知点、第二既知
点及び対象物の三点を頂点とする三角形の二角狭辺が求
まるので、その三角形が決定される。したがって、本発
明によれば、高価な設備を必要とせず、容易に、対象物
の水平位置を特定することができる。
【0018】また、請求項6記載の発明によれば、第一
デジタル画像における、第一中心画素と第一対象画素と
の間の、垂直ライン上での画素数を求め、第一既知点か
ら見た対象物の高低角を、垂直ライン上での画素数に対
応する角度として求め、第一既知点と対象物との水平距
離と、高低角とにより、対象物の高さを特定する方法と
してある。
【0019】このように、第一既知方向の視準線に対す
る垂直ずれ角も、第一デジタル画像の垂直ライン上での
画素数として求めれば、対象物の高低角も、高価な設備
を必要とせず、容易に求めることができる。これによ
り、既に第一既知点、第二既知点及び対象物の三点を頂
点とする三角形が決定されているので、対象物の高さ
も、高価な設備を必要とせず、容易に求めることができ
る。
【0020】また、請求項7記載の発明によれば、第一
及び第二デジタル画像に、それぞれ複数の対象物を共通
して撮像し、対象物各々の水平位置をそれぞれ特定する
方法としてある。このように、一つのデジタル画像に複
数の対象物を撮像しておけば、複数の対象物の水平位置
を一回の撮像でそれぞれ特定することができる。その結
果、測量現場での作業量を大幅に低減することができ
る。
【0021】また、請求項8記載の発明によれば、第一
及び第二デジタル画像に、それぞれ複数の対象物を共通
して撮像し、対象物各々の高さをそれぞれ特定する方法
としてある。このように、一つのデジタル画像に複数の
対象物を撮像しておけば、複数の対象物の高さを一回の
撮像でそれぞれ特定することができる。その結果、測量
現場での作業量を大幅に低減することができる。
【0022】また、請求項9記載の発明によれば、第一
及び第二既知点において、それぞれ全周方向を複数の第
一及び第二デジタル画像に分けて撮像する方法としてあ
る。このように、各既知点において、全周方向を撮像し
ておけば、第一及び第二既知点から共通して見通せる位
置にある任意の対象物の水平位置や、必要であれば高さ
も、容易に特定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一及び第二の計
測・測量方法実施の形態について、図面を参照して併せ
て説明する。
【0024】1.[第一実施形態] まず、図1を参照して、デジタル画像の画素数から角度
を求める方法について、第一実施形態として説明する。
図1は、仮想の視点Oを含む平面内における画像面Zの
横断面を示した模式図である。
【0025】視点Oと画像面Zの中心点に対応する中心
画素Hとを結ぶ、撮影中心方向Dへ延びる直線ODは、
デジタル画像の視準線となる。視準線ODと画像面Zと
は直交している。そして、画像面Z上の任意の画素Tに
着目すると、直線OTと視準線ODとのなすずれ角θの
正接は、下記の(1)式で与えられる。
【0026】tanθ=N/F …(1) ただし、上記(1)式中のNは、中心画素Hから画素T
までの水平ライン上での距離を表す。ところで、デジタ
ル画像の画像面Zは、画素の集合である。したがって、
画像面Z上の距離Nは、画素数として表すことができ
る。また、上記(1)式中のFは、視点Oから画像面Z
までの距離Fを表す。視点Oから画像面Zまでの距離F
は、実際には、デジタル画像撮像装置の光学系の焦点距
離等によって決まる値である。
【0027】しかし、本発明者は、デジタル画像撮像装
置の内部機構が不明であっても、デジタル画像において
は、この距離Fを視野角φと撮影幅Wとから容易に求め
られることに着目した。すなわち、デジタル画像におい
ては、画像面の最外周の画素が、直接視野の外縁となっ
ている。このため、視野の外縁の画素、例えば、図1で
は画像面Zの左右両端の画素L及び画素Rと、視野角φ
とを正確に対応づけることができる。このため、視点O
から見た視野角φと、画像面Zの撮影幅Wとが分かれ
ば、下記の(2)式により、視点Oから画像面Zまでの
距離Fを求めることができる。
【0028】 F=(W/2)/{tan(φ/2)} …(2) このように、デジタル画像では、上記の(1)及び
(2)式から、容易に、ずれ角θと画素数Nとを対応づ
けることができる。
【0029】これにより、視準線を既知の方向に向けて
対象物を撮像すれば、デジタル画像上の対象物に対応す
る画素と、視準線に対応する中心画素との間の画素数か
ら、視準線と対象物方向とのなすずれ角が求まる。その
結果、視準線の方向とずれ角とから、対象物の方角を求
めることができる。
【0030】なお、デジタル画像の一ラインあたりの画
素数Wは、通常、デジタル画像撮像装置のスペックとし
て公表されている。また、デジタル画像の視野角φは、
もし公表されていなければ、実際に撮像したデジタル画
像の両端画素に対応する対象物間の角度を、従来のゼオ
ライト等により計測・測量すれば、容易に求めることが
できる。
【0031】また、デジタル画像においては、画素数か
ら、水平方向のずれ角θだけではなく、垂直方向のずれ
角θvも求めることができる。例えば、図1をデジタル
画像面の縦断面図と見れば、中心画素Hと対象画素Tと
の間の、垂直ライン上での画素数Nvから、垂直ずれ角
θvを、上記の水平ずれ角θと同様に求めることができ
る。
【0032】すなわち、デジタル画像の全撮像幅の垂直
ライン上での画素数Wvと、デジタル画像の垂直視野角
φvとから、下記の(3)及び(4)式により、水平ず
れ角θvの正接(tanθv)を求めることができる。 tanθv=Nv/Fv …(3) Fv=(Wv/2)/{tan(φv/2)} …(4)
【0033】これにより、デジタル画像では、上記の
(3)及び(4)式から、容易に、垂直ずれ角θvと画
素数Nvとを対応づけることができる。その結果、垂直
ずれ角として、視点Oから見た対象物の高低角を求める
ことができる。
【0034】2.[第二実施形態] 次に、図2を参照して、デジタル画像を利用した測量方
法の一例について、第二実施形態として説明する。ここ
では、第一既知点P1及び第二既知点P2から、デジタ
ル画像を利用して、建造物1の角部C点の位置を特定す
る例について説明する。なお、第一及び第二既知点P1
の位置は、例えば、基準点測量により決定することが望
ましい。
【0035】なお、図2では、第一既知点P1、第二既
知点P2、及び、対象物としての建造物1の平面内での
配置関係を模式的に示している。そして、第一既知点P
1と第二既知点P2とは、互いに距離Lだけ離れてい
る。また、第一既知点P1と第二既知点P2とを結ぶ直
線を基準線sとする。
【0036】まず、第一既知点P1において、デジタル
スチルカメラ等のデジタル画像撮像装置を水平に載置す
る。そして、デジタル画像撮像装置の視準線(第一視準
線)d1を水平面内の第一既知方向に一致させて建造物
1を撮像する。図2では、第一既知方向を、基準線sに
対して角度θd1をなす方向としている。これにより、
図2の破線l1と破線r1とに挟まれた、建造物1を含
む視野角φの範囲の第一デジタル画像が得られる。
【0037】さらに、第二既知点P2においても、第一
既知点と同様にして、水平面内の第二既知方向に第二視
準線d2を一致させ、建造物1を撮像する。図2では、
第二既知方向を、基準線sに対して角度θd2をなす方
向としている。これにより、図2の破線l2と破線r2
とに挟まれた、建造物1を含む視野角φの範囲の第二デ
ジタル画像が得られる。
【0038】上記の第一及び第二デジタル画像の撮像作
業は、測量現場で行う必要がある。しかし、以下の処理
は、第一及び第二デジタル画像の画像データを持ち帰
り、屋内のコンピュータで処理することができる。例え
ば、デジタル画像では画素単位で、画像面におけるその
画素の位置を特定できるので、コンピュータにより、容
易に画素数を求めることができる。
【0039】次に、第一デジタル画像における、第一視
準線d1上の中心点に対応する中心画素と、建造物1の
C点に対応する第一対象画素との間の、水平ライン上で
の第一画素数N1を求める。そして、第一視準線d1と
第一既知点から見た点Cの方角を示す直線t1とのなす
第一水平ずれ角θ1を、第一画素数N1から求める。な
お、第一水平ずれ角θ1は、第一デジタル画像の水平方
向の視野角φと、その視野角φに対応する水平ライン上
の画像幅の画素数とが分かれば、上記の(1)及び
(2)式により、第一画素数N1から容易に求めること
ができる。
【0040】さらに、第一デジタル画像と同様にして、
第二デジタル画像における、第二視準線d2上の中心点
に対応する中心画素と、建造物1のC点に対応する第二
対象画素との間の、水平ライン上での第二画素数N2を
求める。そして、第二視準線d2と第二既知点から見た
C点の方角を示す直線t2とのなす第二水平ずれ角θ2
を、第二画素数N2から求める。なお、第二水平ずれ角
θ2も、第二デジタル画像の水平方向の水平方向の視野
角φと、その視野角φに対応する水平ライン上の画像幅
の画素数とが分かれば、上記の(1)及び(2)式と同
様にして、第二画素数N2から容易に求めることができ
る。
【0041】次に、第一既知方向の角度θd1と第一水
平ずれ角θ1とを加算して、直線t1と基準線sとのな
す第一狭角Θ1を求める。さらに、第二既知方向の角度
θd2と第二水平ずれ角θ2とを加算して、直線t2と
基準線sとのなす第二狭角Θ2を求める。
【0042】これにより、基準線sの第一及び第二既知
点P1及びP2間の距離がLであるので、点C、第一既
知点P1及び第二既知点P2を頂点とする三角形の二角
狭辺が求められたことなる。したがって、この三角形が
決定され、点Cの水平面内での位置が特定される。
【0043】さらに、この実施形態では、以下のように
してC点の高さも求めることができる。まず、第一デジ
タル画像における、第一中心画素と第一対象画素との間
の、垂直ライン上での画素数Nvを求める。次に、第一
既知点から見たC点の高低角θvを、垂直ライン上での
画素数Nvに対応する角度として求める。なお、高低角
θvは、第一デジタル画像の水平方向の垂直視野角φv
と、その視野角φvに対応する垂直ライン上の画像幅の
画素数とが分かれば、上記の(3)及び(4)式と同様
にして、画素数Nvから容易に求めることができる。
【0044】ところで、C点の水平位置が特定されてい
るので、第一既知点P1とC点との水平距離も既知とな
っている。そこで、第一既知点P1とC点との水平距離
と、高低角θvとにより、C点の高さを特定することが
できる。なお、C点の高さは、デジタル画像撮像装置の
視準線の高さとの高低差である。また、第一既知点P1
の標高と、第一既知点P1に設置されたデジタル画像撮
像装置の視準線の位置の高さとが分かれば、C点の標高
が求められる。このように、本実施形態では、高価な設
備を必要とせず、容易に、対象物のC点の水平位置及び
高さを特定することができる。
【0045】3.[第三実施形態] 次に、図3を参照して、各既知点から全周方向を撮像す
る例について第三実施形態として説明する。図3は、ト
ラバース測量の測点のうち、三つの既知点A、B及びC
を模式的に示している。そして、各既知点A、B及びC
において、それぞれ、全周方向を複数のデジタル画像に
分けて撮像する。図3における各既知点から放射状に延
びる矢印は、各デジタル画像の視準線の方向を示してい
る。
【0046】このように、各既知点において、全周方向
を撮像しておけば、第一及び第二既知点から共通して見
通せる位置にある任意の対象物の水平位置や、必要であ
れば高さも、容易に特定することができる。このような
方法は、例えば地形測量に利用して地形図を作成するの
に好適である。さらに、基準点測量(TS・GPS)に
より各測点の位置を決定すれば、より精度の高い地形図
を作成することが可能となる。
【0047】4.[第四実施形態] 次に、図4及び図5を参照して、デジタル画像を利用し
た測量方法の他の一例について、第四実施形態として説
明する。図4の(A)は、第一既知点P1から対象建造
物10を撮像したデジタル画像をトレースしたものであ
る。また、図4の(B)は、第二既知点P2から対象建
造物10を撮像したデジタル画像をトレースしたもので
ある。なお、トレースにあたっては、デジタル画像の一
部分を省略している。
【0048】ここでは、第一既知点P1及び第二既知点
P2から、デジタル画像を利用して、対象建造物10の
角部T点の位置を特定する例について説明する。図4の
(A)及び(B)では、破線の水平方向位置線2と破線
の高さ方向位置線3との交点として、それぞれT点を指
定している。
【0049】次に、図5に、図4の(A)及び(B)に
示したデジタル画像に基づいて、基準点P1、基準点P
2及び対象建造部10の平面配置関係のコンピュータ上
で処理した表示例を示す。図5では、対象建造物10
を、模式的にコの字形状の記号で示している。また、図
5の示す平面配置関係は、図4の(A)及び(B)のデ
ジタル画像の高さ位置線3の高さにおける配置関係を表
している。
【0050】また、図5中の実線l1及びr1は、図4
の(A)の左端位置L1及び右端位置R1の方向にそれ
ぞれ対応している。また、図5中の実線l2及びr2
は、図4の(B)の左端位置L2及び右端位置R2の方
向にそれぞれ対応している。また、図5中の破線t1
は、図4の(A)中の水平方向位置線2の方向に対応し
ている。また、図5の破線t2は、図4の(B)の水平
方向位置線2の方向に対応している。
【0051】そして、上記の第三実施形態と同様にし
て、二点鎖線で表された基準線sと、破線t1とのなす
狭角θt1を求め。また、同様にして、基準線sと破線
t2とのなす狭角θt2を求める。第一既知点P1と第
二既知点P2とを結ぶ基準線sの長さは既知であるの
で、二角狭辺が求まる。これにより、既知点P1、既知
点p2及びT点を頂点とする三角形が決定され、T点の
水平位置が特定される。さらに、上記の第三実施形態と
同様にして、T点の高さも容易に求めることができる。
【0052】上述した実施の形態においては、本発明を
特定の条件で構成した例について説明したが、本発明
は、種々の変更を行うことができる。例えば、上述の実
施形態では、二箇所の既知点でデジタル画像をそれぞれ
撮像するにあたり、同一視野角のデジタル画像撮像装置
を使用した例について説明したが、本発明では、視野角
は必ずしも同一でなくともよい。それぞれのデジタル画
像において、画素数とずれ角とがそれぞれ対応づけられ
ていれば、デジタル画像どうしで視野角が異なっていて
も実用上問題はない。
【0053】また、上述の第二及び第四実施形態では、
第一及び第二既知点P1及びP2の二箇所から建造物1
又は対象建造物10を撮像した例について説明したが、
本発明は、三箇所以上の既知点から対象物を撮像しても
よい。三箇所以上の既知点から共通の対象物を撮像すれ
ば、より高精度で対象物の位置を特定することができ
る。
【0054】また、上述の第二及び第四実施形態では、
C点又はT点といった一つの対象物のみを測量した例に
ついて説明したが、本発明では、第一及び第二デジタル
画像に、共通して複数の対象物を撮像し、個々の対象物
の水平位置や、必要に応じて高さも特定するとよい。こ
のようにすれば、複数の対象物の位置や高さを一回の撮
像でそれぞれ特定することができる。その結果、測量現
場での作業量を大幅に低減して、効率的に計測・測量を
行うことができる。
【0055】また、本発明では、第一及び第二デジタル
画像は、順次に撮像してもよいし、互いに同時刻に撮像
してもよい。同時に撮像すれば、対象物が移動や変形す
る場合においても、正確な水平位置や高度を特定するこ
とができる。
【0056】また、既知点が永続的に存在し不動であれ
ば、同一既知点から同一対象物を繰返しデジタル画像で
撮像することができる。その結果、対象物の経時変化の
計測や変位測定を容易に行うことができる。
【0057】また、上述の実施形態では、建造物の位置
を測量する例について説明したが、本発明では、例え
ば、交通事故現場等の位置確認にも適用することができ
る。その場合、デジタル画像は、単に計測用だけではな
く、証拠写真も兼ねることができる。また、デジタル画
像には、GIS(地理情報システム、Geographic Infor
mation System)の属性情報、撮像位置(既知点識別情
報)又は撮像方向(視準線方向の識別情報)を付加する
ことが、データ処理上望ましい。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
第一の計測・測量方法によれば、デジタル画像の画素数
として、既知方向の視準線に対する水平ずれ角を求め
る。これにより、対象物の方角(水平角)や、必要に応
じて高低角を、高価な設備を必要とせず、容易に求める
ことができる。
【0059】また、本発明の第二の計測・測量方法によ
れば、第一及び第二既知点から見た第一及び第二デジタ
ル画像の画素数として、既知方向の第一及び第二視準線
に対する第一及び第二水平ずれ角を求める。これによ
り、第一及び第二既知点からそれぞれ見た対象物の方角
(水平角)や、必要に応じて高低角を、高価な設備を必
要とせず、容易に求めることができる。
【0060】その結果、水平面内での第一既知点、第二
既知点及び対象物の三点を頂点とする三角形の二角狭辺
が求まるので、その三角形が決定される。したがって、
本発明によれば、高価な設備を必要とせず、容易に、対
象物の水平位置や、必要に応じて高さを特定することが
できる。
【0061】また、本発明の第一及び第二の計測・測量
方法によれば、本発明では、複数の対象物を一つのデジ
タル画像として撮像すれば、個々の対象物ごとにデジタ
ル画像を撮像する必要はない。さらに、デジタル画像に
基づく各対象物の位置計測の作業は、コンピュータで行
うことができる。このため、測量現場での作業量を低減
することができる。その結果、測量にあたって、天候に
よる影響を少なくすることができる。
【0062】さらに、本発明の第一及び第二の計測・測
量方法によれば、デジタル画像撮像装置を既知点に設置
後は、人的原因による誤差が発生する余地が少ない。ま
た、デジタル画像を目視しながら計測を行える。さら
に、撮影確認を現地で行うことができ、その上、デジタ
ル画像が残るので撮影時の確認が容易にできる。このた
め、極めて容易な計測・測量方法でありながら、正確な
測量を行うことができる。これにより、本発明によれ
ば、非熟練者であっても、容易に正確な測量を行うこと
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル画像の画素数から角度を求める方法の
説明図である。
【図2】デジタル画像を利用した計測・測量方法の説明
図である。
【図3】既知点における各視準線の方向の説明図であ
る。
【図4】(A)及び(B)は、撮像されたデジタル画像
のトレース図である。
【図5】図4のデジタル画像を利用して作成した、既知
点と対象物の配置関係を示す模式図である。
【符号の説明】 1 建造物 2 水平方向位置線 3 垂直方向位置線 10 対象建造物

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既知点において、水平面内の既知方向に
    視準線を一致させ、デジタル画像として対象物を撮像
    し、 前記デジタル画像における、前記視準線上の中心点に対
    応する中心画素と前記対象物に対応する対象画素との間
    の、水平ライン上での画素数を求め、 前記視準線と前記対象物の方角とのなす水平ずれ角を、
    前記水平ライン上での画素数に対応する角度として求
    め、 前記既知方向に対する前記水平ずれ角から、前記既知点
    から見た前記対象物の方角を求めることを特徴とするデ
    ジタル画像を利用した計測・測量方法。
  2. 【請求項2】 前記中心画素と前記対象画素との間の、
    前記水平ライン上での画素数Nに対応する水平ずれ角θ
    を求めるにあたり、 前記デジタル画像の全撮像幅の水平ライン上での画素数
    Wを求め、 前記デジタル画像の水平視野角φを求め、 前記水平ずれ角θの正接(tanθ)を、下記の(1)
    及び(2)式により求める ことを特徴とする請求項2記載のデジタル画像を利用し
    た計測・測量方法。 tanθ=N/F …(1) F=(W/2)/{tan(φ/2)} …(2)
  3. 【請求項3】 前記デジタル画像における、前記中心画
    素と前記対象画素との間の、垂直ライン上での画素数を
    求め、 前記既知点から見た前記対象物の高低角を、前記垂直ラ
    イン上での画素数に対応する角度として求めることを特
    徴とする請求項1又は2記載のデジタル画像を利用した
    計測・測量方法。
  4. 【請求項4】 前記中心画素と前記対象画素との間の、
    前記垂直ライン上での画素数Nvに対応する垂直ずれ角
    θvを求めるにあたり、 前記デジタル画像の全撮像幅の垂直ライン上での画素数
    Wvを求め、 前記デジタル画像の垂直視野角φvを求め、 前記水平ずれ角θvの正接(tanθv)を、下記の
    (3)及び(4)式により求めることを特徴とする請求
    項3記載のデジタル画像を利用した計測・測量方法。 tanθv=Nv/Fv …(3) Fv=(Wv/2)/{tan(φv/2)} …(4)
  5. 【請求項5】 第一既知点において、水平面内の第一既
    知方向に第一視準線を一致させ、第一デジタル画像とし
    て対象物を撮像し、 前記第一デジタル画像における、前記第一視準線上の中
    心点に対応する中心画素と前記対象物に対応する第一対
    象画素との間の、水平ライン上での第一画素数を求め、 前記第一視準線と前記第一既知点から見た前記対象物の
    方角とのなす第一水平ずれ角を、前記第一画素数に対応
    する角度として求め、 第一既知点と異なる第二既知点において、水平面内の第
    二既知方向に第二視準線を一致させ、第二デジタル画像
    として前記対象物を撮像し、 前記第二デジタル画像における、前記第二視準線上の中
    心点に対応する中心画素と前記対象物に対応する第二対
    象画素との間の、水平ライン上での第二画素数を求め、 前記第二視準線と前記第二既知点から見た前記対象物の
    方角とのなす第二水平ずれ角を、前記第二画素数に対応
    する角度として求め、 前記第一既知方向及び前記第一水平ずれ角から、前記第
    一及び第二既知点を結ぶ基準線と、前記第一既知点から
    見た前記対象物の方角とのなす第一狭角を求め、 前記第二既知方向及び前記第二水平ずれ角から、前記基
    準線と、前記第二既知点から見た前記対象物の方角との
    なす第二狭角を求め、 前記第一既知点と前記第二既知点との間の距離と、前記
    第一及び第二狭角とにより、前記対象物の水平位置を特
    定することを特徴とするデジタル画像を利用した計測・
    測量方法。
  6. 【請求項6】 前記第一デジタル画像における、前記第
    一中心画素と前記第一対象画素との間の、垂直ライン上
    での画素数を求め、 前記第一既知点から見た前記対象物の高低角を、前記垂
    直ライン上での画素数に対応する角度として求め、 前記第一既知点と前記対象物との水平距離と、前記高低
    角とにより、前記対象物の高さを特定することを特徴と
    する請求項5記載のデジタル画像を利用した計測・測量
    方法。
  7. 【請求項7】 前記第一及び第二デジタル画像に、それ
    ぞれ複数の前記対象物を共通して撮像し、 前記対象物各々の水平位置をそれぞれ特定することを特
    徴とする請求項5又は6記載のデジタル画像を利用した
    計測・測量方法。
  8. 【請求項8】 前記第一及び第二デジタル画像に、それ
    ぞれ複数の前記対象物を共通して撮像し、 前記対象物各々の高さをそれぞれ特定することを特徴と
    する請求項6又は7記載のデジタル画像を利用した計測
    ・測量方法。
  9. 【請求項9】 前記第一及び第二既知点において、それ
    ぞれ全周方向を複数の第一及び第二デジタル画像に分け
    て撮像することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに
    記載のデジタル画像を利用した計測・測量方法。
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