JP2002201920A - 内燃機関のバルブ休止機能付タイミングリフト可変装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ休止機能付タイミングリフト可変装置

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JP2002201920A
JP2002201920A JP2001032964A JP2001032964A JP2002201920A JP 2002201920 A JP2002201920 A JP 2002201920A JP 2001032964 A JP2001032964 A JP 2001032964A JP 2001032964 A JP2001032964 A JP 2001032964A JP 2002201920 A JP2002201920 A JP 2002201920A
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camshaft
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intake valve
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Osamu Yuzawa
理 湯沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低速域から高速域、あるいは加減速時でのスム
ーズな運転特性と吸排気効率の最適化による低燃費、出
力を向上させる。 【解決手段】吸気バルブ又は排気バルブの少なくともい
ずれか一方の一対のバルブ1a,1bに,2本のカムシ
ャフト2,3を配設し、各バルブ1a,1bごとに2個
のプロフィールの異なるカム4a,5a及び4b、5b
と並設した2本のロッカーアーム8a,9a及び8b,
9bと、2本のロッカーアーム8a,9a及び8b,9
bを連結又は連結解除機構17a,17bとを備えた装
置で、いずれか一方のカムシャフト2,3の端部にはヘ
リカルギア35,37を内蔵したカムプーリー31を構
成し,カム位相角変位も加えたバルブタイミングとリフ
ト可変装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁系
において、吸気バルブ又は排気バルブを選択的に休止又
は作動させたり、あるいはバルブタイミング及びリフト
量を連続的に変化させることにより、出力及びトルクを
向上させ、内燃機関の燃費及び効率を改善するための技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸気又は排気バルブの作動を選択
的に休止あるいはタイミングを可変させる装置として
は、例えば特開昭62−121811号公報において一
対のバルブに3本のロッカーアームを並設しておき、連
結又は離脱する機構を備え、内2本のロッカーアームの
端部にはバルブステムが当接されている。機関の運転状
況に応じロッカーアームを連結又は離脱させることによ
り、運転状況に応じバルブの休止及びタイミング及びリ
フトを変化させ燃焼効率を向上させたものが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】内燃機関の低速域に燃
焼室において吸気スワールを発生させたり、高速域に吸
排気効率を向上させるものとして、上記公報のごとく公
知のものがある。しかしこれらの方法は一対のバルブ間
に渡って装置が構成されているためロッカーアームの重
量が比較的大となり、したがって慣性モーメントも大と
なり特に高速域高回転時においてはカムの追従性等不利
となりやすい。さらには低速域と高速域の2段階のみな
ので加速時の出力の急変いわゆる段付きが発生しスムー
ズな運転特性が得られなかった。そこで本発明では低速
域から高速域まで全域おいてスムーズな運転特性とロッ
カーアームの軽量化による慣性モーメントの低減により
カムの追従性や応答性の改善、軸出力の向上により低燃
費、高出力を実現できるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載のバルブ休止機能付タイミングリフト
可変装置は、一対の吸気又は排気バルブの少なくともい
ずれか一方に2本のカムシャフトを配設し、該カムシャ
フトには各バルブごとにプロフィールの異なる2個のカ
ムを並設し、一方のカムに従動して揺動する第1ロッカ
ーアームと、第1ロッカーアームに隣接してもう一方の
カムに揺動可能に第2ロッカーアームが配設され、上記
第1ロッカーアームによって開閉駆動されるバルブと、
上記第1ロッカーアームと第2ロッカーアームとを油圧
により連結又は連結解除機構とを備えた内燃機関のバル
ブ駆動装置において、上記第2ロッカーアームの下部に
はスプリングによって押圧されたロストモーションスプ
リングが当接され第2ロッカーアームを常時押し上げて
いる。
【0005】又、該カムシャフトのいずれか一方のカム
シャフトの端部には内周にスプラインギアを設けたイン
ナーシャフトを固着し、その外周には内周にスプライン
ギア、外周にヘリカルギアを設けたスリーブを挿入し、
スリーブの外周には内周にヘリカルギアを設けたカムプ
ーリーを噛み合わせ、スリーブがカムシャフト方向に前
後に移動することが可能な主カム位相角変位装置とで構
成されている。
【0006】請求項2記載の発明は、上記カムシャフト
のカムプーリー側と反対側の端部のカムギアの内部にも
ピストンとシリンダーを設け、ヘリカルギアの変位角に
よりもう一方のカムシャフトが進角あるいは遅角するこ
とが可能な副カム位相角変位装置とで構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、ここでは吸気バルブに関連
して請求項1記載の発明から図面を基に説明すると、図
1は、内燃機関本体の動弁駆動部分には一対の吸気バル
ブ1a,1bが配設されており、それらの吸気バルブ1
a,1bは機関の回転に同期して1/2の回転比で駆動
されるカムシャフト2,3にそれぞれ一体的にプロフィ
ールの異なる2個のカムが並設されている。吸気バルブ
1aにはカムシャフト2が配設され低速用カム4a、高
速用カム5aが一体的に並設されている。又、カムシャ
フト2と平行なロッカーシャフト6に枢支された第1ロ
ッカーアーム8a及び第2ロッカーアーム9aが低速用
カム4a,高速用カム5aにそれぞれ対応して開閉駆動
される。一方の吸気バルブ1bにはカムシャフト3が配
置されほぼ休止カム4b,高速用カム5bが一体的に並
設されている。又、カムシャフト3と平行なロッカーシ
ャフト7に枢支された第1ロッカーアーム8b及び第2
ロッカーアーム9bがほぼ休止カム4b,高速用カム5
bにそれぞれ対応して開閉駆動される。
【0008】図2において、低速用カム4aは機関の低
速運転時に対応したカムプロフィールを有するものであ
り、カムシャフト2の半径方向に沿う外方への突出量が
比較的小さい高位部4cを有する。又、一方のほぼ休止
カム4bはカムシャフト3の半径方向に沿う外方への突
出量が4cよりも小さく、かつ、カムシャフト3の直径
よりは大きい高位部4dを有している。又、高速用カム
5a,5bは機関の高速運転時に対応したカムプロフィ
ールを有するものであり、カムシャフト2,3の半径方
向外方への突出量を低速用カム4aの高位部4cよりも
大とし、かつ、その高位部4cよりも広い中心角範囲に
わたる高位部5c,5dを有する。
【0009】図3において、ロッカーシャフト6,7は
カムシャフト2,3よりも下方で配設される。このロッ
カーシャフト6,7には低速用カム4a,4bに対応す
る第1ロッカーアーム8a,8bと、高速用カム5a,
5bに対応する第2ロッカーアーム9a,9bが枢支さ
れ、各ロッカーアームの上面には各カムに摺接するスリ
ッパ10a,10b,11a,11bがそれぞれ設けら
れている。第1ロッカーアーム8a,8bは吸気バルブ
1a,1bの上方に延設されており、その先端部には吸
気バルブ1a,1bの上端に当接し得るタペットねじ1
2a,12bが進退可能に累着され、緩み防止用にロッ
クナット13a,13bで固縛されている。
【0010】吸気バルブ1a,1bの上部には鍔部14
a,14bが設けられており、この鍔部14a,14b
と機関部本体との間には吸気バルブ1a,1bを閉弁方
向に付勢したバルブスプリング15a,15bが介装さ
れる。
【0011】図4において、第2ロッカーアーム9a,
9bの端部下部には押し上げ手段として有底円筒状のロ
ストモーションスプリング16a,16bが当接されて
おり、かつ、機関本体との間に介装して比較的弱いばね
力により上方へ付勢される。これにより第2ロッカーア
ーム9a,9bは高速用カム5a,5bの上下動に従っ
て断発的に摺接される。
【0012】図5において、第1ロッカーアーム8a,
8bと第2ロッカーアーム9a,9bは互いに摺接して
おり、それらが相対的に揺動可能とする状態とあるいは
一体的に連結する状態とに切り替え可能な連結切替手段
17a,17bはロッカーアーム間を連結する位置及
び、その連結を解除する位置間で移動可能なピストン1
8a,18bと、該ピストンの移動を規制するストッパ
ー19a,19bと、該ピストン18a,18bを連結
解除位置側に移動させるべくストッパー19a,19b
を付勢するスプリング20a,20bとを備えて構成さ
れている。
【0013】図5において、吸気バルブ1a側を例に説
明すると第1ロッカーアーム8aには、ロッカーシャフ
ト6と平行に第1ガイド穴21aが穿設されており、第
2ロッカーアーム9aに向けて開放するとともに、この
第1ガイド穴21aには円板型のストッパー19aが摺
合される。第1ガイド穴21aの閉塞端側には挿通孔2
2aが穿設され、しかもストッパー19aと同軸かつ一
体的に設けられた案内棒23aが挿通孔22aに挿通さ
れる。さらにストッパー19aと第1ガイド穴21aの
閉塞端側との間には、案内棒23aをかこむ形のコイル
状のスプリング20aが介装される。
【0014】第2ロッカーアーム9aには、第1ガイド
穴21aに対応して第1ロッカーアーム8a側に向けて
開放した第2ガイド穴24aが穿設されており、この第
2ガイド穴24aの閉塞端側には段部25aを介して小
径部26aが設けられ、第2ガイド穴24aにはピスト
ン18aが摺合されており、このピストン18aと第2
ガイド穴24aの閉塞端側との間に油圧室27aが画成
される。又第2ロッカーアーム9aには油圧室27aに
連通する油路28aが穿設され、ロッカーシャフト6内
にはオイルポンプ(図示せず)に通じる油路29aが穿
設され、油圧を上昇又は下降させることによりピストン
18aを前後に移動させる。
【0015】ピストン18aの軸方向の長さは、その一
端が第2ロッカーアームの段部25aに当接したとき
に、その他端が2本のロッカーアームの境界に位置する
ように、又ストッパー19aを規制段部30aに当接さ
せるまで第1ガイド穴21a内に入り込んだときに、そ
の一端が第2ガイド穴内24aに残るように設定され
る。
【0016】又、上記連結切替手段17aは吸気バルブ
1b側にも同一のもの17bが構成されている。
【0017】次に、カムプーリー31内に設けられた主
カム位相角変位装置について図6に示した実施例で説明
する。まず、吸気カムシャフト2の端部にインナーシャ
フト32を固着しその外周にスプラインギア33を設
け、その外側には内周にスプラインギア34、外周にヘ
リカルギア35を設けたスリーブ36を差し込み、その
外周には内周にヘリカルギア37を設けたカムプーリー
31がスリーブ31のヘリカルギア35と噛み合うよう
に装着される。スリーブ36はカムシャフト方向に前後
に移動が可能であり、スプリング38によってカムシャ
フト2の外側方向へ付勢されている。
【0018】又、インナーシャフト32は連結ボルト3
9でカムシャフト2の端部に固着され、ロックピン40
でずれを防止している。連結ボルト39の中心軸には油
路41が設けられ、カムシャフト2の油路42と連通し
ている。この油路42は図示していないシリンダーヘッ
ドの油路を介して、機関のオイルポンプに連通してい
る。
【0019】このように、上記主カム位相角変位装置
は、図示しないオイルポンプの油圧によりスリーブ36
がスプリング38に抗してカムシャフト2の内側方向に
移動させることにより、吸気カムシャフト2をカムプー
リー31と相対して遅角させバルブタイミングを遅め
る。
【0020】上記カムシャフト2のもう一方の端部にカ
ムギア43を設け、平行して配設されたもう一本のカム
シャフト3にも同じ直径のカムギア44を設けて2本の
カムシャフトが同位相角となるように互いに噛み合わせ
る。このようにすればカムシャフト2が遅角すればカム
シャフト3も遅角するというように同じ作用が得られ
る。これを図7に示す。
【0021】又、図8における請求項2記載の発明によ
ればカムシャフト2のカムギア43aにはヘリカルギア
による副カム位相角変位装置が内蔵されている。つまり
カムギア43a、44の外周はヘリカルギア48,49
を設け互いに噛み合っている。カムギア43aの内周に
はスプラインギア50が設けられカムシャフト2の外周
に設けられたスプラインギア51に挿入されている。カ
ムシャフト2の端部にはピストン46を設け取付ボルト
45で固定されている。取付ボルトの中心軸には油路5
2が設けられ、カムシャフト2の油路53と連通してい
る。この油路53は図示していないシリンダーヘッドの
油路を介して、機関のオイルポンプに連通している。但
し、カムプーリー31側に関連する油路42とは隔絶し
ている。又、ピストン46の直径と同じ大きさの内径の
シリンダー47をカムギア43aの内部に設けて油圧室
54を画成する。又、ピストンの外周には○リングを設
け油圧室54からのオイル漏れを防止している。カムギ
ア43aはカムシャフト方向に前後に移動が可能であり
スプリング56によってカムシャフト2の内側方向へ付
勢され、かつ、スナップリング57でピストン46を規
制しカムギア43aの移動を制限している。
【0022】このように上記副カム位相角変位装置は、
図示しないオイルポンプの油圧によりカムギア43aが
スプリング56に抗してカムシャフト2の外側方向に移
動させることにより、カムギア43a,44の外周のヘ
リカルギア48,49の偏角作用によりカムシャフト2
と相対してカムシャフト3が進角する。
【0023】
【作 用】次に、この実施例の作用について吸気バル
ブ1aを例に説明すると機関の低速運転時には図5左側
に示すように連結手段17aを連結解除側に作動せしめ
る。すなわち、油圧室27aの油圧を解放するとストッ
パー19aのスプリング20aのばね力によりピストン
18aは第2ロッカーアーム9aの内部まで移動し、段
部25aに当接するまで後退せしめられる。この状態で
ピストン18aとストッパー19aの当接面は第1ロッ
カーアーム8aと第2ロッカーアーム9aの摺接面に位
置し、したがって、第1ロッカーアーム8aと第2ロッ
カーアーム9aは相互に摺接して相対角変位運動可能な
状態となる。
【0024】このような連結解除状態にあっては、第1
ロッカーアーム8aの揺動動作が第2ロッカーアーム9
aに影響を及ぼすことはなく、第1ロッカーアーム8a
は低速用カム4aのカムプロフィールに応じて揺動す
る。この際、第2ロッカーアーム9aはロストモーショ
ンスプリング16aの比較的弱いばね力により、高速用
カム5aに摺接しているだけなので動弁系の摩擦損失は
低く抑えられカム打音の低減を図ることができる。
【0025】次に、吸気バルブ1bについて説明する
と、機関の低速運転時はほぼ休止カム4bのカムプロフ
ィールに応じたタイミング及びリフト量で開閉する。つ
まり吸気バルブ1bはわずかなリフト量でしか開閉しな
いので吸入混合気量はほんのわずかであり、しかも完全
に閉鎖されることはないので吸気だまりやカーボンによ
るバルブ固着を防止できる。つまり、低速運転時は吸気
バルブ1aが中心的に開閉動作し吸気バルブ1bはほぼ
休止状態となるので、燃焼室内はスワール流が発生し混
合気が良くかくはんされ燃えやすくなり、燃焼効率が向
上するので低速トルクが上昇しノッキングの防止及び燃
費の低減を図ることができる。
【0026】機関の中速運転時には、吸気バルブ1bに
おいて連結手段により図5右側に示すように第1ロッカ
ーアーム8bと第2ロッカーアーム9bが連結される。
すなわち、連結手段17bの油圧室27bに油圧が供給
されることによりピストン18bは、ばね20bのばね
力に抗してストッパー19bを押圧しながら第1ガイド
穴21bに嵌入し、ストッパー19bが規制段部30b
に押し付けられる。この状態で第1ロッカーアーム8b
と第2ロッカーアーム9bは相対揺動を阻止され一体的
に揺動する。
【0027】したがって、一方の吸気バルブ1bは高速
用カム5bのプロフィールに応じたタイミング及びリフ
ト量で開閉作動し、他方の吸気バルブ1aは連結解除と
することにより低速用カム4aのプロフィールに応じた
タイミング及びリフト量でする。これにより中速運転に
適した混合気流入速度が得られるとともに吸気混合気量
が増えて出力が向上する。
【0028】機関の高速運転に際しては、連結手段17
a,17bにより吸気バルブ1a側のロッカーアーム8
a,9aと吸気バルブ1b側のロッカーアーム8b,9
bがそれぞれ連結状態となる。したがって、上記ロッカ
ーアームが高速用カム5a,5bによって揺動する。こ
の結果、両吸気バルブ1a,1bは高速用のタイミング
及びリフト量で開閉作動し吸入混合気量の増加により高
トルク、高出力を得ることができる。
【0029】つぎに、カムシャフト2の端部に設けられ
た主カム位相角変位装置の作用について説明する。図示
しないオイルポンプにより昇圧された油圧は油路42を
通り、スプリング38に抗してスリーブ36がカムシャ
フト2の内側方向へ移動しヘリカルギア35,37の偏
角作用によりカムシャフト2の位相角が遅角し、吸気バ
ルブ1aの開閉時期が遅くなる。又、カムシャフト3も
カムシャフト2とカムギア43,44で噛み合ってお
り、吸気バルブ1bも遅角する。
【0030】油圧室42の油圧を減ずればスプリング3
8が復元しカムシャフト2,3の位相角は元に戻る。
【0031】ここで、図9をもとに更にくわしく説明す
ると、機関停止時又は図示しないオイルポンプの油圧を
解除した時は油圧が0なので、スリーブ36はスプリン
グ38のばね力によりカムシャフト方向の外側に押し戻
され最大限移動した時に吸気カム位相角は最大進角タイ
ミングとなる。機関運転時は油圧は上昇するので、ある
一定の通常圧力に達した時に吸気カム位相角はニュート
ラルとなるように図示しないオイルポンプの油圧を設定
する。又、吸気カム位相角を遅角させる時は図示しない
オイルポンプの油圧を上昇させスリーブ36はスプリン
グ38のばね力に抗してカムシャフト方向の内側に押し
込められ最大限移動した時に最大遅角タイミングとな
る。
【0032】上記の主カム位相角変位装置により、一対
の吸気バルブ1a,1bの開閉時期をそれぞれ変位させ
ることにより、図示しない排気バルブとのオーバーラッ
プ角及び吸入混合気量を変化させ、運転状況に応じた高
い燃焼効率を得ることができる。
【0033】続いて、カムシャフト2のもう一方の端部
に設けられた副カム位相角変位装置の作用について図8
をもとに説明する。図示しないオイルポンプにより昇圧
された油圧は油路53,52を通り、スプリング56に
抗してカムギア43aがカムシャフト2の内側方向に移
動し、ヘリカルギア48,49の偏角作用によりカムシ
ャフト2と相対してカムシャフト3を進角させ吸気バル
ブ1bのバルブタイミングを早める。又、油圧を減ずれ
ばカムギア43はスプリング56のばね力により元に押
し戻されてカムシャフト3はカムシャフト2と同じ位相
角となる。したがって、吸気バルブ1bは運転状況に応
じ、主カム位相角変位装置に影響されることなく独立し
てバルブタイミングを変化させることが可能となる。
【0034】つぎに、上記に説明したバルブタイミング
リフト可変装置と、主と副カム位相角変位装置の相乗作
用を説明する。
【0035】機関のアイドリング運転時は、吸気バルブ
1aを例に説明すると図5に示すように連結切替手段を
連結解除側に作動せしめる。すなわち、油圧室27aの
油圧を解放するとストッパー19aがスプリング20a
のばね力により第2ロッカーアーム9a側に移動して、
ピストン18aは段部25aに当接するまで後退せしめ
られる。この状態でピストン18aとストッパー19a
の当接面は第1ロッカーアーム8aと第2ロッカーアー
ム9aの摺接面と同一となり、2つのロッカーアームは
互いに摺接し相対角変位運動可能な状態となる。つま
り、吸気バルブ1aは低速用カム4aにて作動する。
【0036】もう一方の吸気バルブ1bにおいては、吸
気バルブ1a同様連結切替手段を連結解除側に作動せし
め第1ロッカーアーム8bと第2ロッカーアーム9bが
互いに摺接し相対角変位運動可能な状態となり、吸気バ
ルブ1bはほぼ休止カム4bにて作動する。
【0037】この状態では、吸気バルブ1aが主体的に
駆動し混合気を吸入するが吸気バルブ1bはほぼ休止状
態となっている。但し、完全に吸気バルブを閉鎖すると
吸気だまりやカーボンによる固着が発生することになる
ので、わずかなリフトだけ開きこれらを防止している。
すなわち、吸気バルブ1aからの吸入混合気量は吸気バ
ルブ1bよりも大きいので流入速度が増加、互いの流速
差により燃焼室内においてスワール流が発生し混合気が
良くかくはんされ、着火しやすくなり燃焼速度が速くな
って燃焼効率が向上する。この状態を図10に示す。
【0038】低速域から中速域にかけて燃費を重視した
運転時は、吸気バルブの作動は上記のままで主カム位相
角変位装置により低速用カム4aを進角させる。すなわ
ち、吸気バルブ1aが開くと同時に燃焼後の排気ガスが
吸気管に逆流するが、すぐに新気の吸入混合気によって
押し返され燃焼室に押し戻される。したがって、正味吸
入混合気量が減少するのでポンピングロスが減少し軸ト
ルクが上昇する。又、排気ガスを再度燃焼室において吸
入混合気と一緒に燃焼させるので内部EGR効果が期待
でき、未燃焼ガスが減少するのでクリーンな排気ガスと
なる。この状態を図11に示す。
【0039】低速域高負荷時は、吸気1aは低速用カム
4a,吸気バルブ1bはほぼ休止カム4bにて作動し、
主カム位相角変位装置はニュートラルとする。すなわ
ち、吸気バルブ1aのみでほぼ作動しているので燃焼室
内はスワール流が発生し混合気が良くかくはんされ燃焼
効率が向上する。又、オーバーラップはアイドリング時
よりわずかに大きくしているので排気ガスの掃気に寄与
し正味吸入混合気量は増加している。この状態を図12
に示す。
【0040】中速域低負荷時は、吸気バルブ1aは低速
用カム4a,吸気バルブ1bは高速用カム5bで作動す
る。つまり、吸気バルブ1aの連結切替手段17aを連
結解除とする。そして、吸気バルブ1bの作動について
説明すると図5で示すように連結切替手段17bを連結
側に作動せしめる。すなわち、油圧室27bに油圧をか
けるとピストン18bはストッパー19aのばね力に抗
して第1ロッカーアーム9b側に移動し、段部30bに
当接するまで押し込められる。この状態で第1ロッカー
アーム8bと第2ロッカーアーム9bは一体となり高速
用カム5bに付勢された第2ロッカーアーム9bが作動
し、第1ロッカーアーム8bを介して吸気バルブ1bを
開閉作動する。つまり、吸気バルブ1bは低速用カム4
a,吸気バルブ1bは高速用カム5bで作動して吸入混
合気量が増加し中速域に合った出力となる。この状態を
図13に示す。
【0041】中速域高負荷時は、吸気バルブ1aは低速
用カム4a,吸気バルブ1bは高速用カム5bで作動
し、主カム位相角変位装置により低速用カム及び、高速
用カムとも遅角させることにより、吸気慣性効果により
吸入混合気量が増加し出力が上昇する。この状態を図1
4に示す。
【0042】高速域低負荷時は、吸気バルブ1aは高速
用カム5a,吸気バルブ1bも高速用カム5bで作動
し、吸入混合気量は中速域に比べ増加し燃焼室内におい
てはタンブル流となり出力が増大する。高速時の燃費重
視の運転に適している。この状態を図15に示す。
【0043】高速域高負荷時は、吸気バルブ1aは高速
用カム5a,吸気バルブ1bも高速用カム5b,さらに
は、主カム位相角変位装置により吸気バルブ1a,1b
の開閉時期を遅角させることにより、高速用カムのリフ
ト増とあいまって吸気慣性効果により吸入混合気量は大
幅に増大し出力が上昇する。この状態を図16に示す。
【0044】最高速域高負荷時は、吸気バルブ1aは高
速用カム5a,吸気バルブ1bも高速用カム5b,そし
て、主カム位相角変位装置により吸気バルブ1aの開閉
時期は遅角、さらに、副カム位相角変位装置により吸気
バルブ1bの開閉時期は進角とすることによりオーバー
ラップは最大となり、燃焼室内での掃気効果が高まり出
力がさらに上昇する。この状態を図17に示す。
【0045】以上の実施例では吸気バルブを駆動するた
めの動弁装置について述べたが、本発明を排気バルブに
関連して実施することも可能である。
【0046】又、主カム位相角変位装置のカムプーリー
31内のインナーシャフト32の外周をヘリカルギアと
し、かつ、スリーブ36の内周もヘリカルギアとするこ
とにより、スリーブの移動による変位角速度を大とし、
カムの位相角変位動作を速くすることもできる。
【0047】さらには、カムギア43の副カム位相角変
位装置をカムプーリー31と同様なスリーブにヘリカル
ギアを設けて油圧で移動することにより、カム位相角を
変位する方法に置き換えて実施することも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上、請求項1及び請求項2記載の発明
により、吸気あるいは排気バルブの開閉タイミングとバ
ルブリフトとカム位相角を、負荷や回転数に応じて7以
上に細分化して動弁制御を行うことができる。又、ロッ
カーアーム連結切替機構は単純な構造のため作動が確実
であり、比較的軽量のためバルブサージングの発生回転
数は高めに設定することが可能である。したがって、内
燃機関の低速から高速までのスムーズな運転及び、燃焼
効率の向上により出力が上昇し燃費が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブ駆動装置の縦断面図
【図2】カムシャフトのカムの断面図
【図3】バルブ駆動装置の平面図
【図4】第2ロッカーアームとロストモーションスプリ
ングの断面図
【図5】連結切替手段の平面断面図
【図6】カムプーリー内の主カム位相角変位装置の断面
【図7】カムシャフト端部カムギア及びその断面図
【図8】副カム位相角変位装置の断面図
【図9】カム位相角と油圧の関係グラフ
【図10】低速域低負荷時のバルブ特性グラフ
【図11】低速域巡航時のバルブ特性グラフ
【図12】低速域高負荷時のバルブ特性グラフ
【図13】中速域低負荷時のバルブ特性グラフ
【図14】中速域高負荷時のバルブ特性グラフ
【図15】高速域低負荷時のバルブ特性グラフ
【図16】高速域高負荷時のバルブ特性グラフ
【図17】最高速域高負荷時のバルブ特性グラフ
【符号の説明】
1a,1b・・・・吸気バルブ 2,3・・・・
・・カムシャフト 4a・・・・・・・低速用カム 4b・・・・・
・・ほぼ休止カム 4c・・・・・・・低速用カム高位部 4d・・・・・
・・ほぼ休止カム高位部 5a,5b・・・・高速用カム 5c,5d・・
・・高速用カム高位部 6,7・・・・・・ロッカーシャフト 8a,8b・・
・・第1ロッカーアーム 9a,9b・・・・第2ロッカーアーム10a,10b
・・スリッパ 11a,11b・・スリッパ 12a,12b
・・タペットねじ 13a,13b・・ロックナット 14a,14b
・・鍔部 15a,15b・・バルブスプリング 16a,16b・・ロストモーションスプリング 17a,17b・・連結切替手段 18a,18b
・・ピストン 19a,19b・・ストッパー 20a,20b
・・スプリング 21a,21b・・第1ガイド穴 22a,22b
・・挿通孔 23a,23b・・案内棒 24a,24b
・・第2ガイド穴 25a,25b・・段部 26a,26b
・・小径部 27a,27b・・油圧室 28a,28b
・・油路 29a,29b・・油路 30a,30b
・・規制段部 31・・・・・・・カムプーリー 32・・・・・
・・インナーシャフト 33・・・・・・・スプラインギア 34・・・・・
・・スプラインギア 35・・・・・・・ヘリカルギア 36・・・・・
・・スリーブ 37・・・・・・・ヘリカルギア 38・・・・・
・・スプリング 39・・・・・・・連結ボルト 40・・・・・
・・ロックピン 41・・・・・・・油路 42・・・・・
・・油路 43,43a・・・カムギア 44・・・・・
・・カムギア 45・・・・・・・取り付けボルト 46・・・・・
・・ピストン 47・・・・・・・シリンダー 48,49・・
・・ヘリカルギア 50,51・・・・スプラインギア 52,53・・
・・油路 54・・・・・・・油圧室 55・・・・・
・・○リング 56・・・・・・・スプリング 57・・・・・
・・スナップリング 58・・・・・・・キー 59・・・・・
・・取り付けボルト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気バルブ又は排気バルブの少なくともい
    ずれか一方の一対のバルブ(1a)及び(1b)に、機
    関の回転に同期して回転される2本のカムシャフト
    (2)(3)を配設し、該カムシャフトには該バルブ
    (1a)及び(1b)ごとに対応するように2個のプロ
    フィールの異なるカム(4a)(5a)及び(4b)
    (5b)を並設し、2個の該カムに従動して揺動する2
    本のロッカーアーム(8a)(9a)及び(8b)(9
    b)と、2本の該ロッカーアームを油圧にて連結又は連
    結解除することが可能な機構(17a)及び(17b)
    を、それぞれに備えたことを特徴としたバルブ駆動装置
    で、上記2本のカムシャフト(2)(3)の少なくとも
    いずれか一方のカムシャフトの端部にスプラインギア
    (33)を設け、その外周には内周にスプラインギア
    (34)と外周にヘリカルギア(35)を設けたスリー
    ブ(36)を挿入し、スリーブ(36)の外周には内周
    にヘリカルギア(37)を設けたカムプーリー(31)
    を噛み合わせ、スリーブ(36)がカムシャフト方向に
    前後に移動することが可能な装置と、カムシャフト
    (2)(3)のもう一方の端部にはそれぞれにカムギア
    (43)(44)を装着させ、互いに噛み合わせてなる
    装置で構成されたことを特徴とする内燃機関のバルブ休
    止機能付タイミングリフト可変装置。
  2. 【請求項2】カムシャフト(2)(3)の端部に装着さ
    れたカムギア(43)(44)の外周にはヘリカルギア
    (48)(49)を設けて互いに噛み合わせ、かつ、い
    ずれか一方の該カムギアの内周には、シリンダー(4
    7)を設け関係する該カムシャフトの端部に固着したピ
    ストン(46)と嵌め合わせ、該カムギアをカムシャフ
    ト方向に前後に移動可能な装置とを備えたことを特徴と
    した請求項1記載のバルブ休止機能付タイミングリフト
    可変装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106014524A (zh) * 2016-06-06 2016-10-12 陕西科技大学 笼式结构控制发动机可变气门

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