JP2002201267A - 水性ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂の製造方法 - Google Patents

水性ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂の製造方法

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JP2002201267A
JP2002201267A JP2001000431A JP2001000431A JP2002201267A JP 2002201267 A JP2002201267 A JP 2002201267A JP 2001000431 A JP2001000431 A JP 2001000431A JP 2001000431 A JP2001000431 A JP 2001000431A JP 2002201267 A JP2002201267 A JP 2002201267A
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Masahiko Kurumaya
昌彦 車谷
Satoshi Yamamoto
敏 山本
Shinji Nishimura
信司 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エピクロロヒドリン(EP)の分解物が反応
系内で蓄積されることなく、ポリアミドアミン樹脂(P
A:中間物)や低分子量域の樹脂を含むポリアミドアミ
ン―エピクロロヒドリン樹脂(PAE)をリサイクルす
る、高分子量PAE濃厚液の製造方法の提供。 【解決手段】 Mw3千以上のPAE、Mw3万以下の
PA及びEP分解物を含有する水性混合液を、下記工程
の順に処理する。 (1)分画分子量が特定範囲である限外濾過膜により、
EP分解物を主に含む透過液aと、高分子量PAEを主
に含む濃厚液を得る;(2)透過液aをナノ濾過膜によ
り、EP分解物を含む透過液bと、高分子量域が除去さ
れたPAEやPAを含む濃縮液cを得る;(3)濃縮液
cを特定MwのPA及びEPと反応させ、上記水性混合
液を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性ポリアミドア
ミン−エピクロロヒドリン樹脂の製造方法に関し、詳し
くは、2種の膜を用いて回収した比較的低分子量のポリ
アミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂とポリアミドア
ミン樹脂の混合物をエピクロロヒドリンと反応させ、得
られた反応液を最初の膜処理により精製・分離し、低分
子量域の樹脂が除去されたポリアミドアミン−エピクロ
ロヒドリン樹脂を主成分とする樹脂の濃厚液(有価物)
を連続的に取出す水性樹脂の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】尿素−ホルムアルデヒド樹脂やメラミン
−−ホルムアルデヒド樹脂の水溶液を製造する方法とし
ては、例えば図2に記載のように、先ず、限外濾過膜
(10)により高分子量ポリマーの濃縮液(有価物)
と、低分子量ポリマー、モノマー及び副生成物を含む透
過液を得、次いで、上記透過液を逆浸透膜(7)により
濃縮して、該濃縮処理により得た濃縮液はタンク(3)
を経由して反応槽(20)に戻し、この反応槽で低分子
量ポリマーやモノマーを再度反応させる一方、逆浸透膜
の透過側から得られる透過液は上記再反応により得られ
た反応液とタンク(2)内で混合して、混合液を得、こ
の混合液を前記限外濾過膜により処理して、上記の高分
子量ポリマーの濃縮液と、低分子量ポリマー、モノマー
及び副生成物を含む透過液とを得る水性樹脂の製造方法
が公知である(特公平7−74257号公報を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知の方法は、限外濾過膜で処理して得られる透過液を更
に逆浸透膜により濃縮処理し、濃縮処理により得られた
濃縮液を反応槽に戻し、一方、逆浸透膜の透過側から得
られる透過液は前記再反応により得られた反応液と混合
するものであり、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリ
ン樹脂の製造に適用しても、エピクロロヒドリンの分解
物が限外濾過膜処理で得られる透過液側に残存し、この
エピクロロヒドリンの分解物は逆浸透膜処理により濃縮
され、このエピクロロヒドリンの分解物が濃縮された液
はタンク(3)を経由して前記反応槽にリサイクルされ
るので、反応系内で蓄積されるという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアミ
ドアミン−エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドアミン
樹脂及びエピクロロヒドリンの分解物を含有する水性混
合液を特定の2種の膜により処理すると、エピクロロヒ
ドリン分解物の含有量が実質的に問題のないレベルまで
低減されたポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂
を主成分とする樹脂の濃厚液(有価物)を効率よく製造
できることを見出して、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、重量平均分子量が300
0以上であるポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹
脂、重量平均分子量が30000以下であるポリアミド
アミン樹脂、及び、エピクロロヒドリンの分解物を含有
する水性混合液を2種の膜により処理して、ポリアミド
アミン−エピクロロヒドリン樹脂の濃厚液を製造する方
法であって、下記の(1)〜(3)の工程からなること
を特徴とする水性ポリアミドアミン−エピクロロヒドリ
ン樹脂の製造方法を提供するものである。
【0006】(1)分画分子量が約5000〜約300
00の範囲である限外濾過膜により上記水性混合液を処
理して、低分子量域の樹脂が除去されたポリアミドアミ
ン−エピクロロヒドリン樹脂の濃厚液と、エピクロロヒ
ドリンの分解物、高分子量域の樹脂が除去されたポリア
ミドアミン樹脂、及び、高分子量域の樹脂が除去された
ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂を含む透過
液aとを得る工程、(2)工程(1)で得た透過液aを
ナノ濾過膜により処理して、エピクロロヒドリンの分解
物を含有する透過液bと、上記の高分子量域の樹脂が除
去されたポリアミドアミン樹脂及び高分子量域の樹脂が
除去されたポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂
とを含む濃縮液cを得る工程、(3)工程(2)で得た
濃縮液cを、重量平均分子量が3000〜100000
の範囲であるポリアミドアミン樹脂及びエピクロロヒド
リンと反応させ、重量平均分子量が3000以上である
ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂、重量平均
分子量が30000以下であるポリアミドアミン樹脂、
及び、エピクロロヒドリンの分解物を含有する水性混合
液を得る工程。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる重量平均分子
量が3000以上であるポリアミドアミン−エピクロロ
ヒドリン樹脂、重量平均分子量が30000以下である
ポリアミドアミン樹脂、及び、エピクロロヒドリンの分
解物を含有する水性混合液は、例えば、水性媒体中で、
アルキレンジカルボン酸とアルキレンジアミンを反応さ
せて得たポリアミドアミン樹脂(樹脂中間物)とエピク
ロロヒドリンとを反応させることにより得られる。この
反応により、エピクロロヒドリンの分解物が副生する
が、分解物Cとしては、例えば、モノクロロヒドリン、
1,3−ジクロロヒドリンや1,2−ジクロロヒドリン
が挙げられる。上記反応により得た反応液を、分画分子
量が約5000〜約30000の範囲である限外濾過膜
により処理すると、低分子量域の樹脂が除去されたポリ
アミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂を主成分とする
樹脂(以下、有価物Aという)の濃厚液と、エピクロロ
ヒドリンの分解物、高分子量域の樹脂が除去されたポリ
アミドアミン樹脂(以下、樹脂Bという)、及び、高分
子量域の樹脂が除去されたポリアミドアミン−エピクロ
ロヒドリン樹脂を含む透過液aとが得られる。
【0008】工程(1)で得た透過液aは、工程(2)
においてナノ濾過膜により処理される。このナノ濾過膜
処理により、エピクロロヒドリンの分解物Cのみを含有
する透過液bと、上記のポリアミドアミン樹脂B及び高
分子量域の樹脂が除去されたポリアミドアミン−エピク
ロロヒドリン樹脂とを含む濃縮液cとが得られる。本発
明の工程(3)においては、上記濃縮液cを、重量平均
分子量が3000〜100000の範囲であるポリアミ
ドアミン樹脂(以下、原料B'という)及びエピクロロ
ヒドリン(以下、原料B狽ニいう)と反応させ、重量平
均分子量が3000以上であるポリアミドアミン−エピ
クロロヒドリン樹脂(高分子量域の樹脂も含む)、重量
平均分子量が30000以下であるポリアミドアミン樹
脂(樹脂Bや原料B'とは、分子量分布が異なる)、及
び、エピクロロヒドリンの分解物Cを含有する水性混合
液を得ることができる。
【0009】工程(1)の限外濾過膜(10)処理は、
分画分子量が約5000〜約30000の範囲の膜を用
いるが、約7000〜約20000の範囲の膜を用いる
ことがより好ましい。分画分子量が小さすぎる場合は、
除去したい低分子量域のポリアミドアミン−エピクロロ
ヒドリン樹脂及びポリアミドアミン樹脂が残存し、十分
な精製効果が得られないだけでなく、透過流束が低下
し、効率的ではない。一方、分画分子量が大きすぎる場
合は有価物Aも一部透過してしまい、有価物Aの回収率
が低下する。水性混合液中のポリアミドアミン−エピク
ロロヒドリン樹脂及び重量平均分子量が30000以下
であるポリアミドアミン樹脂の合計濃度は、好ましくは
0.1〜35重量%の範囲であり、より好ましくは1〜
30重量%の範囲であり、特に好ましくは5〜30重量
%の範囲である。水性混合液中のポリアミドアミン−エ
ピクロロヒドリン樹脂及び重量平均分子量が30000
以下であるポリアミドアミン樹脂の合計濃度が35重量
%を越えると、濾過速度が低下する傾向があり、結果と
して、十分な濃縮を行うことができないことがある。
【0010】限外濾過膜(10)としては、例えば、ク
ロスフロー型濾過形式の膜が好ましい。形状は特に限定
されず、平膜型、スパイラル型、チューブラー型、中空
糸型等が例示される。同様に、膜材質についても特に限
定されず、脂肪族系ポリアミド、芳香族系ポリアミド、
ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、スルホン化ポリ
スルホン、ポリアクリルニトリル、ポリイミド、ポリビ
ニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、
酢酸セルロース、ポリエーテル、テトラフルオロエチレ
ン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリエステル及びセラミック製のも
の等が例示される。これらのうち、芳香族系ポリアミ
ド、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リエーテルスルホン、ポリスルホン、スルホン化ポリス
ルホン、ポリビニルアルコール、ポリイミド等が特に好
ましい。限外濾過膜(10)による濃縮は、所望の有価
物Aの濃度に応じて適宜行われるが、2〜5倍濃縮の範
囲が好ましい。
【0011】工程(2)において用いるナノ濾過膜(1
0')としては、4.8重量%p−トルエンスルホン酸
ナトリウム水溶液を基準物質として測定したとき、式
(1) 阻止率R(%)=[1−(Cf/4.8)]×100 (1) [式中、Cfはナノ濾過膜処理により得られた透過液b
中のp−トルエンスルホン酸ナトリウムの重量%濃度で
ある。]で算出される阻止率が50〜90%の範囲であ
る膜が好ましく、阻止率Rが70〜90%の範囲である
ものがより好ましく、阻止率が80〜90%の範囲のも
のが特に好ましい。阻止率Rが90%よりも高いナノ濾
過膜は、エピクロロヒドリンの分解物Cの膜透過性が低
下し、濃縮液側に上記分解物Cが比較的多く混入し、有
価物A及びポリアミドアミン樹脂Bの濃縮時に十分な精
製効果が得られないという傾向がある。一方、阻止率R
が50%よりも低いナノ濾過膜は、エピクロロヒドリン
の分解物Cの膜透過性は良好に維持されるものの、高分
子量域の樹脂が除去されたポリアミドアミン−エピクロ
ロヒドリン樹脂A'及びポリアミドアミン樹脂Bの十分
な回収が達成できないという傾向がある。ナノ濾過膜
(10')の濾過形式、形状及び膜材質は限外濾過膜
(10)で例示したものと同様のものが挙げられる。
【0012】本発明においては、工程(2)と工程
(3)の間に、更に、逆浸透膜(7)による処理を行う
ことが好ましい。これらの工程の間において用いられる
逆浸透膜としては、例えば、逆浸透膜処理後に得られる
透過水の水質を向上させるため、式(2) R'(%)=[1−(Cf'/Co')]×100 (2) [式中、Co'は逆浸透膜入口部におけるエピクロロヒ
ドリンの分解物Cの重量%濃度、Cf'は逆浸透膜を透
過した透過水d中のエピクロロヒドリンの分解物Cの重
量%濃度を表す。]で示されるエピクロロヒドリンの分
解物の阻止率R'が高い膜が好ましい。逆浸透膜(7)
の濾過形式、形状及び膜材質は限外濾過膜で例示したも
のと同様のものが挙げられる。
【0013】以下、本発明の実施における好ましい形態
を、図1を参照しながら説明する。図1記載の方法で
は、先ず、分画分子量が約5000〜約30000の範
囲である限外濾過膜(10)により、水性混合液から有
価物Aを精製、分離処理する(以下、膜処理Iとい
う)。一方、膜処理Iにより得た透過液aをナノ濾過膜
(10')により処理して(以下、膜処理IIとい
う)、エピクロロヒドリンの分解物Cを含有する透過液
bと、高分子量域が除去されたポリアミドアミン−エピ
クロロヒドリン樹脂A'及び高分子量域が除去されたポ
リアミドアミン樹脂Bを含有する濃縮液cを得る。続い
て、膜処理IIにより得た透過液bを逆浸透膜(7)に
より濃縮処理する(以下、膜処理IIIという)。膜処
理Iにおける水性混合液は、重量平均分子量が3000
以上であるポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂
[比較的低分子量域の樹脂からなるポリアミドアミン−
エピクロロヒドリン樹脂A'と比較的高分子量域の樹脂
からなる有価物Aが存在する]、重量平均分子量が30
000以下であるポリアミドアミン樹脂[少量の比較的
低分子量域の樹脂からなるポリアミドアミン樹脂Bと、
少量の比較的高分子量低分子量域の樹脂からなるポリア
ミドアミン樹脂が存在する]、及び、エピクロロヒドリ
ンの分解物Cを含有している。上記の重量平均分子量が
3000以上であるポリアミドアミン−エピクロロヒド
リン樹脂、重量平均分子量が30000以下であるポリ
アミドアミン樹脂及びエピクロロヒドリンの分解物Cを
含有する水性混合液の膜処理Iによる精製、分離は、濃
縮液中の有価物Aの濃度が約20〜30重量%の範囲に
なる時点を目安として行われる。
【0014】ナノ濾過膜による膜処理IIは、膜処理I
により得られる透過液aを5〜20倍程度に濃縮するこ
とが好ましく、これにより、エピクロロヒドリンの分解
物Cを選択的に膜透過させ、濃縮液c中に上記分解物C
が蓄積することを防止するという作用がある。又、膜処
理IIにより、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン
樹脂A'及びポリアミドアミン樹脂Bを含有する濃縮液
cの反応槽(20)への循環再使用が可能になる。更
に、式(1)で算出される阻止率Rが50〜90%の範
囲であるナノ濾過膜を用いる場合は、上記分解物Cを選
択的に膜透過させることにより、廃棄物である濃縮水e
中の分解物Cを濃縮する膜処理IIIの負荷が減少し、
膜処理Iにより得られる透過液aをそのまま膜処理II
Iで濃縮する場合に比べて、一層の高濃縮化を図ること
ができ、効率的な焼却処理が可能になる。膜処理III
による透過水dは、その一部又は全部を、工程(3)の
反応媒体として再使用することができる。
【0015】膜処理IIにより得た上記の濃縮液c中に
は、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂A'及
びポリアミドアミン樹脂Bが含有されているが、この濃
縮液cは、反応槽(20)に移送されて、重量平均分子
量が3000〜100000の範囲であるポリアミドア
ミン樹脂(原料B')及びエピクロロヒドリンと反応さ
せ、重量平均分子量が3000以上であるポリアミドア
ミン−エピクロロヒドリン樹脂、重量平均分子量が30
000以下であるポリアミドアミン樹脂、及びエピクロ
ロヒドリンの分解物Cを含有する水性混合液が得られ
る。上記原料B'とエピクロロヒドリンの反応により生
成した重量平均分子量が30000以下であるポリアミ
ドアミン樹脂は、原料B'とは分子量分布が変化し、比
較的低分子量域の樹脂からなるポリアミドアミン樹脂B
と比較的高分子量域の樹脂からなるポリアミドアミン樹
脂の混合物である。
【0016】膜処理Iにおいて、上記の水性混合液(反
応液)が膜に入る際の圧力は、好ましくは0.3〜3M
Paの範囲であり、より好ましくは0.4〜1.5MP
aの範囲である。膜処理IIにおいて、透過液aが膜に
入る際の圧力は、好ましくは0.5〜5MPaの範囲で
あり、より好ましくは1.5〜3.5MPaの範囲であ
る。膜処理I及びII時の温度は、膜の耐用範囲であれ
ば特に制限されないが、ポリアミドアミン−エピクロロ
ヒドリン樹脂及びポリアミドアミン樹脂の高濃度化によ
り、上記水性混合液や透過液aの粘度が上昇する場合
は、30〜70℃の範囲が好ましい。又、膜処理III
において、透過液bが逆浸透膜に入る際の圧力は、好ま
しくは0.5〜7MPaの範囲であり、より好ましくは
1.5〜4.5MPaの範囲である。膜処理III時の
温度は、膜の耐用範囲であればよく、特に限定されな
い。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるもの
ではない。例中、「部」及び「%」は重量部及び重量%
を意味する。
【0018】合成例1 温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた反応容器に、ジ
エチレントリアミン413部、アジピン酸555部、水
20部及び98%硫酸8部を仕込み、150〜160℃
で15時間、脱水反応させた。次いで、得られた反応混
合物に水を加えて樹脂分濃度を50%に調整し、粘度6
80Pa・sのポリアミドアミン樹脂の水溶液を得た。
別の反応容器に、上記50%濃度の樹脂水溶液1290
部及び水1170部を仕込み、内温を30℃以下に保ち
ながら、エピクロロヒドリン333部を加え、30〜3
5℃で4時間保温した。その後、60〜65℃で保温
し、粘度が400MPa・sに達した時点で、硫酸によ
り反応混合物のpHを3.4に調整し、更に水を加えて
樹脂分濃度を15%に希釈し、粘度が40mPa・sの
樹脂水溶液を得た。この樹脂水溶液中に含まれるジクロ
ロヒドリン類は、樹脂分に対して2.8%であった。
【0019】実施例1 <膜処理I>合成例1で得た粘度が40mPa・sの樹
脂水溶液417部を、分画分子量が10000であるポ
リエーテルスルホン製の限外濾過膜を装着したクロスフ
ロー濾過装置を用いて加圧下(1.2MPa)、室温で
精製、分離処理した。先ず250部の透過液が得られる
まで、透過液の流出速度と同じ速度で水を加えながら濾
過し、更に257部の透過液が流出するまで樹脂水溶液
を処理し、樹脂分濃度が20.1%である有価物Aと、
溶質濃度が約4.5%である507部の透過液aを得
た。透過液a中には、ポリアミドアミン−エピクロロヒ
ドリン樹脂とポリアミドアミン樹脂の混合物(分子量5
00〜10000)が約4.2%、エピクロロヒドリン
分解物Cが約0.3%含まれていた。
【0020】<膜処理II>4.8%のp−トルエンス
ルホン酸ナトリウム水溶液に対する阻止率が85.4%
である芳香族ポリアミド製の高分子複合膜を装着したク
ロスフロー形式の濾過装置を用いて、507部の透過液
aを室温、加圧(2.5MPa)下に、8.19倍濃縮
して、30.5%のポリアミドアミン−エピクロロヒド
リン樹脂を含有する濃縮液c約61部と、透過液b(約
0.3%の分解物Cを含有)約44部を得た。上記濃縮
液c中の分解物C含有量は0.96%(分解物Cが全量
濃縮された場合の計算値は2.38%)であり、反応系
へ濃縮液cを循環再使用することが可能と判断された。
【0021】<膜処理III>上記<膜処理II>で得
た約440部の透過液bを、更に、食塩の阻止率が9
9.5%である芳香族ポリアミド製の逆浸透膜を装着し
たクロスフロー形式の濾過装置を用いて、室温、加圧
(2.5MPa)下に、14.9倍濃縮した。エピクロ
ロヒドリン分解物Cを2.34%含む濃縮水e(28.
3部)と、411.7部の透過水dを得た[COD(化
学的酸素要求量)62ppm]。なお、濃縮水eは焼却
処理した。
【0022】<リサイクル>前記膜処理IIにおいて、
透過液a量を3倍にする以外は同様に操作して得た濃縮
液1690部と、合成例1と同様にして得られたポリア
ミドアミン樹脂の水溶液1290部(2級アミノ基とし
て1当量)を反応容器に仕込み、水酸化ナトリウムを用
いて系内のpHを約9に調整後、反応液を25〜35℃
に保温しながら、エピクロロヒドリン333部(1.2
当量)を4時間かけて滴下し、更に、同温度で5時間攪
拌した。反応終了後、水を添加して、樹脂分濃度を35
%に調整し、40℃まで昇温し、40〜60℃で更に5
時間反応させた。その後、硫酸を用いてpH3.4に調
整し、水を加えて樹脂分濃度が15%になるように希釈
し、粘度43mPa・sの水性混合液を得た。この水性
混合液2000部を前記<膜処理I>で用いた限外濾過
膜装置を用いて、加圧下(1MPa)、40〜50℃で
透過液の流出速度と同じ速度で水を加えながら、120
0部の透過液を流出させた。次いで、上記膜装置を用い
て、加圧下(1MPa)、40〜50℃で、950部の
透過液を流出させた。その後、硫酸により、pHを3に
調整し、更に水を加えて、樹脂分濃度を25%に調整し
て、粘度138mPa・sの水溶液を得た。この樹脂水
溶液(有価物A)中のエピクロロヒドリン分解物C含有
量は、樹脂分に対して約1.6%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、エピクロロヒドリン分
解物Cが反応系内で蓄積されることなく、重量平均分子
量が30000未満であるポリアミドアミン樹脂や重量
平均分子量が3000以上であるポリアミドアミン−エ
ピクロロヒドリン樹脂をリサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の形態を表す模式図
【図2】公知技術の形態を表す模式図
【符号の説明】 2、3・・タンク、7・・逆浸透膜装置、8,9,11
・・導管、10・・限外濾過膜装置、10'・・ナノ濾
過膜装置、12・・配管、20・・反応槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 信司 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 JA57A JA67A KA17 KA52 KA55 KA57 KA63 MA01 MA02 MA03 MB05 MC63X PA01 PB20 PC80 4J001 DA01 DB03 EB08 EC77 EC85 EC87 FA01 FB03 FC03 GA13 GE01 4J036 AA02 AH04 AH15 FB13 KA02 4L055 AG87 AH17 AH37 AH49 EA19 EA30 FA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が3000以上であるポリ
    アミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂、重量平均分子
    量が30000以下であるポリアミドアミン樹脂、及
    び、エピクロロヒドリンの分解物を含有する水性混合液
    を2種の膜により処理して、ポリアミドアミン−エピク
    ロロヒドリン樹脂の濃厚液を製造する方法であって、下
    記の(1)〜(3)の工程からなることを特徴とする水
    性ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂の製造方
    法: (1)分画分子量が約5000〜約30000の範囲で
    ある限外濾過膜により上記水性混合液を処理して、低分
    子量域の樹脂が除去されたポリアミドアミン−エピクロ
    ロヒドリン樹脂を主成分とする樹脂の濃厚液と、エピク
    ロロヒドリンの分解物、高分子量域の樹脂が除去された
    ポリアミドアミン樹脂、及び、高分子量域の樹脂が除去
    されたポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂を含
    む透過液aとを得る工程、(2)工程(1)で得た透過
    液aをナノ濾過膜により処理して、エピクロロヒドリン
    の分解物を含有する透過液bと、上記の高分子量域の樹
    脂が除去されたポリアミドアミン樹脂及び高分子量域の
    樹脂が除去されたポリアミドアミン−エピクロロヒドリ
    ン樹脂とを含む濃縮液cを得る工程、(3)工程(2)
    で得た濃縮液cを、重量平均分子量が3000〜100
    000の範囲であるポリアミドアミン樹脂及びエピクロ
    ロヒドリンと反応させ、重量平均分子量が3000以上
    であるポリアミドアミン−エピクロロヒドリン樹脂、重
    量平均分子量が30000以下であるポリアミドアミン
    樹脂、及び、エピクロロヒドリンの分解物を含有する水
    性混合液を得る工程。
  2. 【請求項2】更に、工程(2)で得た透過液bを逆浸透
    膜により処理し、得られる透過水dの一部又は全部を工
    程(3)の反応媒体として再使用する請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】4.8重量%p−トルエンスルホン酸ナト
    リウム水溶液を基準物質として測定 したときに、式 阻止率R(%)=[1−(Cf/4.8)]×100 (1) [式中、Cfは、ナノ濾過膜処理により得られる透過液
    b中のp−トルエンスルホン酸ナトリウムの重量%濃度
    である。]で算出されるナノ濾過膜の阻止率Rが、50
    〜90%の範囲である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】エピクロロヒドリンの分解物が、モノクロ
    ロヒドリン、1,3−ジクロロヒドリン又は1,2−ジ
    クロロヒドリンである請求項1〜3のいずれかに記載の
    方法。
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