JP2002200051A - 心理状態認識システム - Google Patents

心理状態認識システム

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JP2002200051A
JP2002200051A JP2000403485A JP2000403485A JP2002200051A JP 2002200051 A JP2002200051 A JP 2002200051A JP 2000403485 A JP2000403485 A JP 2000403485A JP 2000403485 A JP2000403485 A JP 2000403485A JP 2002200051 A JP2002200051 A JP 2002200051A
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frequency
vibration
vibration sensor
psychological
signal
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JP2000403485A
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Yujiro Naruse
雄二郎 成瀬
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な方法で人間の精神状態をリアルタイム
でモニタリングする心理状態認識システムを提供する。 【解決手段】 第1周波数用振動センサS1、第1周波
数用振動センサS1に接続された第1周波数用増幅器1
2、第1周波数用増幅器12に接続された変調器13、
変調器13に接続されたアンテナ14とからなる腕時計
型心理モニタ1を具備する。第1周波数用振動センサS
1は、体表面微小振動が測定可能な0〜30Hz帯域で
高い感度を有する。第1周波数用振動センサS1は、腕
時計型心理モニタ1を装着した人間の体表面微小振動を
検出して、心理的要求に対応した電気信号をアンテナ1
4から選択信号発生装置に対し送信する。体表面微小振
動により、落ち着き、緊張、不安、集中、リラックス、
喜び等の心理・精神状態をモニタリング出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間の心理(精
神)状態を記録・監視する心理状態認識システムに係
り、更にこの心理(精神)状態のモニタリングに加え、
健康状態、周囲の環境等をも記録・監視する健康/安全
モニタに関する。又、この心理状態認識システムを用
い、心理作用で電子装置を制御するヒューマンインタフ
ェースに関する。
【0002】
【従来の技術】人間が機器から情報を受け取り、或いは
逆に機器に情報を与え、機器を操作するための仕組み、
規約、機器、ソフトウエア、作法、考え方などは、ヒュ
ーマンインタフェース若しくはマンマシン・インタフェ
ースと言われる。パーソナルコンピュータ(パソコン)
での入力用ヒューマンインタフェースとしては、キーボ
ードやタブレット、マウスなどの人間が手で操作する方
法が一般的である。最近は、音声入力が入力用ヒューマ
ンインタフェースとして試みられている。出力用ヒュー
マンインタフェースにはディスプレイ、プリンター、ス
ピーカーなどがある。ディスプレイの画面に表示される
アイコン、ウインドウ、メニューやエラーが起きた時に
出る音などもヒューマンインタフェースのひとつであ
る。パソコンに限らず、家電製品から産業用の電子装置
に至るまで、人間が手でスイッチを押す、キーボードを
手で操作する、或いは音声入力を行うのが、従来の一般
的な入力用ヒューマンインタフェースである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】極限的利便性の追求、
或いは身体が不自由な状況にある時、このような手での
操作や音声入力に限定された入力用ヒューマンインタフ
ェースには限界がある。
【0004】又、人間が移動中に健康状態及び安全状態
の同時監視或いは連続記録が必要なときは、本人に大き
な負担をかけないことが必要である。しかし従来は、多
数のセンサや電子装置の組み合わせで健康状態及び安全
状態を記録・監視するシステムが採用されており、重量
や大きさの問題だけでなく、センサの種類の多さに起因
する信号処理の複雑さの点でも問題がある。更に、その
人間が緊張しているか落ち着いているか等の精神状態ま
で監視するのは一般に困難である。
【0005】このような不都合を鑑み、本発明の目的
は、簡単な方法で人間の心理状態(精神状態)をリアル
タイムでモニタリング(監視)する心理状態認識システ
ムを提供することである。
【0006】本発明の他の目的は、人間の精神状態に加
え、健康状態及びその人間が置かれている環境状態(安
全状態)を同時かつ連続的にモニタリング(監視)し
て、心と体の健康と安全の管理を行うことの可能な心理
状態認識システムを提供することである。
【0007】本発明の更に他の目的は、手での操作や音
声入力に限定されず、心理的に心で要求することにより
家電製品等の機器を制御することが出来る入力用ヒュー
マンインタフェースとしての心理状態認識システムを提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を鑑み、本発明
の第1の特徴は、第1周波数用振動センサ、この第1周
波数用振動センサに接続された第1周波数用増幅器、こ
の第1周波数用増幅器の出力を変調する変調器、この変
調器の出力信号を送信する信号送信手段とからなる心理
モニタを有する心理状態認識システムであることを要旨
とする。ここで、「第1周波数用振動センサ」は、心理
状態に応じて生じる体表面微小振動が測定可能な0〜3
0Hz帯域で高い感度を有する。この第1周波数用振動
センサは、心理モニタを装着した人間の人体から発生す
る体表面微小振動を検出して、心理的要求に対応した電
気信号を発生させる。
【0009】人体には各種の振動が存在する。寒さや恐
怖に遭遇した場合だけでなく、種々の疾患においても、
又通常の安静時においても、人間の身体の震え(生理的
振戦)は起こる。しかし、これとは別に、生体表面に
は、肉眼的に感知されない細かい震えがあることが知ら
れている。その身体表面の微細振動(マイクロバイブレ
ーション)を「体表面微小振動」と言う。振動の周波数
成分に注目してみると、0〜30Hzの周波数帯域での
振動が、体表面微小振動によるもので、心理・精神状態
に対応している。即ち、落ち着き、緊張、不安、集中、
リラックス、喜び等に対応した体表面微小振動が観察可
能である。体表面微小振動に影響する要因として、これ
までに数多くのものが検討されている。主なものでも、
温度、不安緊張などの情動、疲労季節、月経周期などが
あり、又種々の薬物負荷、循環機能の影響も検討されて
いる。又、体表面微小振動の発生機序については自律神
経の働き、脊髄反射、心弾動図、筋肉繊維の振動などの
説が提唱されているが、現在明確な統一見解は得られて
いない。体表面微小振動の発生には、心拍による血流状
態にも一因があることも推測されている。
【0010】体表面微小振動の震えのリズムは脳波のリ
ズムとよく似ているため、脳波のリズムと対応した分類
がされている。即ち、体表面微小振動は、1〜4Hzの
δ波、4〜8Hzのθ波、8〜13Hzのα波、13〜
20Hzのβ波、20〜30Hzのε波に分類されてい
る。したがって、第1周波数用振動センサは、δ波、θ
波、α波、β波、ε波にそれぞれ対応した共振周波数を
有する複数個の狭帯域振動センサで振動を検出すること
により、δ波、θ波、α波、β波、ε波を有効に検出出
来る。
【0011】本発明の第1の特徴における心理モニタ
は、第2周波数用振動センサ、この第2周波数用振動セ
ンサに接続された第2周波数用増幅器、第1周波数用増
幅器と第2周波数用増幅器の出力を加算する加算器とを
更に備え、この加算器の出力を変調器に入力することが
好ましい。ここで、「第2周波数用振動センサ」は、第
1周波数用振動センサと同一半導体チップ上に集積化さ
れ、20Hz〜20kHzの帯域において高い感度を有
する。「第2周波数用振動センサ」は、人体内部の生命
活動に起因する中周波の振動成分(音響振動)、周辺環
境の振動発生源が伝播して人体に到達した振動成分、及
び周辺の空気により伝播してくる音波成分等を体表面近
傍で同時かつ連続的に計測する。
【0012】人体の表面で観測される振動は、多くの震
動源から伝播してきた振動が重畳したものである。振動
の周波数成分に注目してみると、0〜30Hzの低周波
領域が体表面微小振動によるもので、心理・精神状態
(落ち着き、緊張、不安、集中、リラックス、喜び等)
に対応している。又、20Hz〜に20kHzの中周波
領域が人間の可聴周波数である。このような広範な振動
情報は、第1周波数用振動センサ及び第2周波数用振動
センサとを同一半導体チップ上に集積化した広帯域特性
を有する振動センサで効率よく得ることが可能である。
【0013】本発明の第1の特徴において、心理モニタ
からの出力信号を受信する信号受信手段、この信号受信
手段の受信した出力信号を復調する復調器、この復調器
で復調された信号を周波数スペクトルに変換するフーリ
エ変換器、このフーリエ変換器により得られた周波数ス
ペクトルを解析する周波数スペクトラム解読装置とから
なるデータ解析装置を更に有することが好ましい。体表
面微小振動は、時間波形として得られるので、この時間
波形をフーリエ変換器で周波数スペクトルに変換し、こ
の周波数スペクトル分布の変化を周波数スペクトラム解
読装置で解析する。第2周波数用振動センサにより、人
体内部の生命活動に起因する中周波の振動成分(音響振
動)、周辺環境の振動発生源が伝播して人体に到達した
振動成分、及び周辺の空気により伝播してくる音波成分
等を体表面近傍で同時かつ連続的に計測していれば、こ
れらの時間的に変動する振動信号に対して周波数フィル
タリング、周波数スペクトル分析などの周波数軸での信
号処理を行うことにより、その人の精神状態、健康状態
及びその人が置かれている環境状態を同時かつ連続的に
モニタリング(監視)することが可能となる。例えば、
第1周波数用振動センサで検出されたδ波、θ波、α
波、β波、ε波の内の少なくとも2つのスペクトルの相
対強度の変化を調べることにより、落ち着いているか、
焦っているか、元気か、落ち込んでいるか、集中してい
るか、リラックスしているか等の個人の精神状態を知る
ことが可能となる。更に、第1周波数用振動センサ及び
第2周波数用振動センサからの信号は、連続的に、或い
は一定時間の蓄積後に、電波により送信されて、遠隔地
で監視、記録、或いは信号処理をするようにしても良
い。
【0014】一方、第2周波数用振動センサで検出され
た出力信号を周波数フィルタリングや周波数スペクトル
分析することで、心理モニタを装着した人間が歩いてい
るか、走っているか、階段を上っているか、階段を下っ
ているか、固い地面を歩いているか、柔らかい地面かを
知ることが可能となる。更に、人間がたくさんいるか、
いないか、風が強いか、雨が降っているか等の周囲状
況、或いは、電車に乗っているか、自家用車に乗ってい
るか、バスに乗っているか等の交通機関情報等を連続監
視(モニタリング)することが可能となる。
【0015】本発明の第2の特徴は、第1周波数用振動
センサ、この第1周波数用振動センサに接続された第1
周波数用増幅器、この第1周波数用増幅器で増幅された
信号を周波数スペクトルに変換するフーリエ変換器、こ
のフーリエ変換器により得られた周波数スペクトル分布
の変化を検出し、トリガ信号を生成するトリガ信号発生
手段とからなる心理状態認識システムであることを要旨
とする。ここで、「第1周波数用振動センサ」は、本発
明の第1の特徴と同様な、心理状態に応じて生じる体表
面微小振動が測定可能な0〜30Hz帯域の振動センサ
である。
【0016】本発明の第2の特徴において、複数の選択
内容を順次表示する選択肢表示器を更に備え、この選択
肢表示器は、トリガ信号発生手段からのトリガ信号によ
り所望の選択内容に対応した制御信号を出力することが
好ましい。選択肢表示器が、複数の選択内容を順次表
示、若しくは順次点灯しているのを見ながら、選択を希
望する情報が表示(点灯)したときに、その希望する情
報を頭の中で強く念じることにより、或いは手の拳を固
めたりして体の一部の筋肉に変化を与えることにより、
所望の選択内容に対応した制御信号を出力する。選択肢
表示器は映像の表示のみに限定されない。例えば、音声
でゆっくりと選択肢を質問し、希望する選択肢が質問さ
れたときに、頭の中で強く念じることにより、或いは手
の拳を固めて体の一部の筋肉に変化を与えることによ
り、所望の選択内容に対応した制御信号を出力する。こ
の結果、手での操作や音声入力に限定されず、心理的に
心で要求することにより家電製品等の機器を制御するこ
とが出来る入力用ヒューマンインタフェースとしての心
理状態認識システムを提供することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記
載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符
号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、
厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実の
ものとは異なることに留意すべきである。したがって、
具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべき
ものである。又図面相互間においても互いの寸法の関係
や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】(第1の実施の形態)図1は、第1の実施
の形態に係る心理状態認識システムに用いる腕時計型心
理モニタ1を示す模式図である。図1では、比較的広い
ベルトに腕時計型心理モニタ1が搭載された場合を示し
ているが、これは、内部構造を示すための便宜的な表現
であり、現実には、通常の腕時計のベルトと同様な1c
m〜2cmの幅のベルトで良い。即ち、手首に装着可能
な形状であれば、具体的な形状は任意に選択可能であ
る。より高感度で測定するためには、図1に示すベルト
は、手首に密着出来る弾性を有した構造が好ましい。
【0019】図1に示す腕時計型心理モニタ1は、第1
周波数用振動センサS1(圧電型ピックアップ)、第1
周波数用振動センサS1に接続された第1周波数用増幅
器12、第1周波数用増幅器12に接続された変調器1
3、変調器13に接続されたアンテナ14とから構成さ
れている。更に、図示を省略しているが、電池が腕時計
型心理モニタ1に内蔵されていることは勿論である。第
1周波数用振動センサS1は、例えば半導体歪ゲージ等
の圧電型ピックアップが使用可能である。第1周波数用
振動センサS1のパッケージは、手首に密着するよう
に、若干湾曲した形状で構成されている。第1周波数用
振動センサS1は、手首からの0〜30Hzの体表面微
小振動成分を検出して電気信号に変換し、その信号を第
1周波数用増幅器12を経て、ベースバンド信号とし、
このベースバンド信号を変調器13に伝達する。図示を
省略しているが、通常の送信機と同様に、変調器13に
接続されたミキサ、及びミキサに接続された電力増幅器
を腕時計型心理モニタ1が有していてもかまわない。ミ
キサには、図示を省略した発信器からの信号が、変調器
からの信号と共に入力される。そして、電力増幅器で増
幅された信号が、アンテナ(送信アンテナ)14から電
波信号として送信される。或いは、変調器13にドライ
バ増幅器を接続し、ドライバ増幅器には、位相器を接続
し、位相器に送信増幅器を接続した構成でも良い。そし
て、送信増幅器を、同様に、アンテナ(送信アンテナ)
14に接続することにより、アンテナ(送信アンテナ)
14から電波信号を送信する構成でもかまわない。いず
れにせよ、図1に示す腕時計型心理モニタ1を手首に装
着することにより、心理状態に対応した信号を、アンテ
ナ14から送信することが出来る。アンテナ14からの
電波信号は、後述する選択信号発生装置2のアンテナ2
1に送信される(図7参照)。
【0020】体表面微小振動と生理的振戦の振幅の大き
さを重力加速度Gで見ると(G=9.8m/s2)、体表面
微小振動が1mG〜5mG程度、生理的振戦は1Gの大
きさで約1000倍程度違うと報告されている。図2
(a)〜(d)は、身体の各部で測定した体表面微小振
動の時間変化を、図2(e)の心拍信号及び図2(f)
の心電図と比較して示す図である。図2(e)の心拍信
号は、約1Hz程度の振動であることが分かる。図示を
省略しているが、呼吸音は、約0.1Hz程度の振動で
ある。図2(a)は手首、図2(b)は母指球、図2
(c)は右脛骨部、図2(d)は左脛骨部で測定した体
表面微小振動の時間変化である。第1周波数用振動セン
サS1の感度と、第1周波数用増幅器12の特性にも依
存するが、0.5mV〜1mV程度の検出電圧は比較的
容易に得ることが可能である。図2(e)の心拍信号と
の対応のみからでは、体表面微小振動の発生機序は、心
拍に基づく心弾動図性振動成分が主成分とする説の妥当
性は明確ではない。この他に、体表面微小振動の発生機
序を脊髄反射とする説等もあり、そのいずれが妥当であ
るかを判定することは今日でも困難である。恒温動物に
体表面微小振動が見られ、変温動物には無いことから、
体表面微小振動は体温調節と関係のある自律神経の活動
であろうとの説もある。体表面微小振動が自律神経と関
係していることは、気温の変化によって体表面微小振動
が変化すること自律神経作用薬及び自律神経遮断剤が体
表面微小振動に作用を及ぼすことからも推定されてい
る。
【0021】体表面微小振動は、骨格筋の個々の筋繊維
の収縮運動により生じ、筋肉のトーヌス(緊張)を表す
と言われている。例えば、手の拳を固めたりして体の一
部の筋肉に変化を与えることによってα波成分を増大さ
せることが可能である。図3は、図2に対応した身体の
各部で測定した体表面微小振動の1〜25Hzにおける
周波数スペクトルを示す図である。即ち、図3(a)は
手首、図3(b)は母指球、図3(c)は右脛骨部、図
3(d)は左脛骨部で測定した体表面微小振動の周波数
スペクトルを示す。図3(a)〜(d)において、特に
α波を破線で示している。
【0022】図4(a)は、精神的、肉体的な疲労が無
い場合の、健常者の頭頂部において測定した頭頂体表面
微小振動である。θ波のスペクトラムのはっきりとした
ピークが認められる。一方、図4(b)は、図4(a)
と同一の被験者に対して、徹夜に近い状態を数日続か
せ、精神的にも肉体的にもストレスがたまったときの頭
頂体表面微小振動である。図4(b)では、いくつかの
周波数でピークが見られ、全体的にスペクトラムが低く
波形が乱れていることが分かる。
【0023】図5は、図4においてθ、α、β波のスペ
クトラムの積算値を表したものである。ここで、「積算
値」とは50Hzの周波数でサンプリングした場合の、
各帯域のパワーの和である。安静時にはθ波成分が優勢
であったものが、ストレスのたまった状態では、全体的
にスペクトラムの積算値が低くなり、β波成分が優勢に
なっていることが分かる。体表面微小振動と自律神経機
能には密接な関係があることが分かる。
【0024】図4及び図5に示すように、δ波、θ波、
α波、β波、ε波の相対強度比較により心理/精神状態
が把握出来ることが分かる。なお、睡眠時の臨床脳波検
査においては、入眠期から深い睡眠にいたる自然睡眠の
各段階に対応して、極めて特徴的な波形を示すので、脳
波を調べれば、その被験者がおおよそどの程度の深さの
睡眠状態にあるかを判定出来ることは良く知られてい
る。又、覚醒時に存在するかなり著しい脳波の個人差
が、睡眠時には減少し、類似した睡眠脳波を示すと言わ
れている。周期性については、レム(REM)睡眠とノ
ン・レム(NREM)睡眠が、およそ90分から110
分周期で4、5回繰り返し、脳波は一定の特徴的な変化
を示すことが分かっている。しかし、体表面微小振動に
おいては、脳波のリズムとよく対応しているにもかかわ
らず、そのような睡眠周期性が認められない。このこと
から、脳波と体表面微小振動の間には、その発生機序に
おいて共通の因子を持たないと考えられ、脳波と体表面
微小振動の関係を否定した報告もある。いずれにせよ、
落ち着き、緊張、不安、集中、リラックス、喜び等の心
理・精神状態に対応した体表面微小振動を、図1に示す
腕時計型心理モニタ1の第1周波数用振動センサS1に
より測定することが出来き、それに含まれるδ波、θ
波、α波、β波、ε波の相対強度を比較することによ
り、腕時計型心理モニタ1を装着した人間の心理/精神
状態を把握出来る。
【0025】図6は、図1に示した腕時計型心理モニタ
1に搭載する第1周波数用振動センサS1の構造の一例
を示す鳥瞰図である。第1周波数用振動センサS1は、
δ波、θ波、α波、β波、ε波を好感度測定出来るよう
に、1〜4Hz、4〜8Hz、8〜13Hz、13〜2
0Hz、20〜30Hzの帯域にそれぞれ共振周波数を
有した片持ち梁構造の圧電型ピックアップである。図6
ではこの内、α波、β波及びε波用の第1片持ち梁10
1、第2片持ち梁102及び第3片持ち梁103の構造
を示す。第1片持ち梁101、第2片持ち梁102及び
第3片持ち梁103は、それぞれ、Si基板121中に
設けられた第1ピット111、第2ピット112及び第
3ピット113の内部に設けられている。第1片持ち梁
101、第2片持ち梁102、第3片持ち梁103の表
面、及び第1ピット111、第2ピット112、第3ピ
ット113以外のSi基板121の表面には、パッシベ
ーション膜122が設けられている。
【0026】図6の第1片持ち梁101は、α波用で共
振周波数f0=10Hzとなるように、おもり部の幅
1、長さx、ピエゾ抵抗部の幅b及び長さlが選定
されている。一般に、片持ち梁構造の圧電型ピックアッ
プの共振周波数f0は、幅y1、xのおもり部の質量を
m、幅b及び長さlのピエゾ抵抗部の厚さをh、ヤング
率をEとすれば、 f0=(1/2π)(3EJ/ml31/2 ・・・・・(1) で与えられる。ここで、 J=bh3/12 ・・・・・(2) である。具体的にSiの比重2.3g/cm3、Siの
ヤング率E=13.1×1010N/m2、ピエゾ抵抗部
の厚さh=28μm、幅b=1mm、長さl=3.5m
m、おもり部の厚さt=700μmとすれば、おもり部
の長さx=5.6μm、おもり部の幅y1=11.2
μmで、共振周波数f0=10Hzとなる。
【0027】図6の第2片持ち梁102は、共振周波数
0=16Hzのβ波用圧電型ピックアップである。ピ
エゾ抵抗部の幅b、長さl及び厚さhを第1片持ち梁1
01と等しくすれば、式(1)から、第2片持ち梁10
2のおもり部の長さx2=3.5μm、おもり部の幅y2
=7μmで、共振周波数f0=16Hzとなる。図6の
第3片持ち梁103は、共振周波数f0=25Hzのε
波用圧電型ピックアップである。ピエゾ抵抗部の幅b、
長さl及び厚さhを第1片持ち梁101と等しくすれ
ば、式(1)から、第3片持ち梁103のおもり部の長
さx3=2.2μm、おもり部の幅y3=4.5μmで、
共振周波数f0=25Hzとなる。第1片持ち梁10
1、第2片持ち梁102及び第3片持ち梁103の各お
もり部のパッシベーション膜122の上に金(Au)等
の金属膜を蒸着若しくは鍍金等で堆積すれば、各おもり
部の質量mが大きくなるので、式(1)から各おもり部
の寸法を小さく出来ることが分かる。
【0028】本発明の第1の実施の形態に係る心理状態
認識システムに用いる選択信号発生装置2は、図7に示
すように、アンテナ21、アンテナ21に接続された増
幅器22、増幅器22に接続された復調器23、復調器
23に接続されたフーリエ変換器24、フーリエ変換器
24に接続されたトリガ信号発生手段(25,26)、
このトリガ信号発生手段(25,26)に接続された選
択肢表示器27とから構成されている。フーリエ変換器
24は、高速フーリエ変換器(FFT)24である。ト
リガ信号発生手段(25,26)は、周波数バンド成分
分析器25及び周波数バンド成分分析器25に接続され
た出力比較判定器26とから構成され、フーリエ変換器
(高速フーリエ変換器)24により得られた周波数スペ
クトル分布の変化を検出し、トリガ信号を生成する。増
幅器22は、低雑音増幅器が好ましい。周知の無線装置
(受信器)の構成と同様に、アンテナ21に接続された
低雑音増幅器22には、ミキサを接続し、このミキサに
接続された中間周波(IF)増幅器を備え、この中間周
波増幅器に復調器23を接続して、選択信号発生装置2
を構成してもよい。復調器23からは、ベースバンド信
号が出力される。ミキサには、図示を省略した発信器か
らの信号が、低雑音増幅器からの信号と共に入力され
る。或いは、選択信号発生装置2は、アンテナ21に接
続された低雑音増幅器22に接続されたハイパスフィル
タを備えるようにしてもよい。ハイパスフィルタは、δ
波、θ波、α波、β波、ε波の帯域を考慮し、30Hz
程度のハイパスフィルタとすれば、雑音を避けることが
容易になる。そして、更に、このハイパスフィルタに接
続されたミキサと、ミキサに接続された中間周波(I
F)増幅器を介して、高速フーリエ変換器24に接続さ
れるように構成してもかまわない。高速フーリエ変換器
24により、δ波、θ波、α波、β波、ε波の各パワー
スペクトラムが得られる。 高速フーリエ変換器24に
より得られた各パワースペクトラムは、周波数バンド成
分分析器25により、δ波、θ波、α波、β波、ε波の
各スペクトルに分解され、このδ波、θ波、α波、β
波、ε波の各スペクトルは、出力比較判定器26で互い
にその強度を相対比較する。出力比較判定器26は、例
えば、 α波成分 < β波成分 ・・・・・(3) が、 α波成分 > β波成分 ・・・・・(4) に変化したとき、トリガ信号を発生させ、このトリガ信
号を選択肢表示器27に対し出力する。
【0029】選択肢表示器27は、所定の数(種類)の
表示内容を、それぞれ一定時間ずつ順次表示する。図7
に示す選択信号発生装置2の選択肢表示器27は、5つ
の表示内容を順次表示する例である。選択肢表示器27
のパネルには、「選択肢A」、「選択肢B」、「選択肢
C」、「訂正」及び「前に戻る」のプレートがあり、裏
面に配置された発光ダイオードや蛍光管等のバックライ
トが選択的に点灯するようになっている。例えば、「選
択肢A」→「選択肢B」→「選択肢C」→「訂正」→
「前に戻る」→「選択肢A」の順にゆっくりと各3秒間
ずつ点灯する。
【0030】或いは、図8に示すように、「選択肢A」
→「選択肢B」→「選択肢C」→「訂正」→「前に戻
る」→「選択肢A」の表示を液晶表示装置(LCD)や
ブラウン管等の表示装置に、各3秒間ずつ、選択的に表
示させても良い。図8は、パソコンの表示装置を示して
いるが、実際には、「選択肢A」、「選択肢B」、「選
択肢C」、「訂正」及び「前に戻る」が表示出来ればよ
いので、腕時計の表示部程度の小型の表示装置でよい。
例えば、眼鏡の一部に、選択肢表示器27を配置し、所
望の内容を表示させても良い。又、テレビ受像器の副画
面として、画面の片隅に常に表示させても良い。同様
に、携帯電話、PHS、PDA、ノートパソコン、電子
手帳等の携帯情報機器に表示させても良い。更に、これ
らの複数の選択肢は、視覚的手段に限定されない。例え
ば、音声で、複数の選択肢を提示しても良く、嗅覚や触
覚を利用しても良い。いずれにしても何らかの手段で所
望の選択肢が提示されたときに、これを選択したいと、
心理的に強く考えると、腕時計型心理モニタ1で検出さ
れた体表面微小振動スペクトルパターンが変化すること
になる。更に、上述したように、手の拳を固めたりして
体の一部の筋肉に変化を与えることによってもα波成分
が増大するので、腕時計型心理モニタ1で検出された体
表面微小振動スペクトルパターンが変化することにな
る。
【0031】そして、図8に示すように、もし、「選択
肢B」が表示されているときに、腕時計型心理モニタ1
を装着している人間が『Bを選択する!』と心で強く呼
ぶと、図1に示した第1周波数用振動センサS1からの
送信される電気信号の周波数スペクトルパターンが変化
し、その変化を選択信号発生装置2が検知することによ
りBを選択したことが確定して、選択信号発生装置2の
出力端子からB信号を選択したことに対応する制御信号
が出力される。例えば、「選択肢B」が「室内照明をオ
ンにする」という内容であれば、選択信号発生装置2か
らの制御信号(B)により、室内照明がオンになる。不
適切な選択がなされたときは、その後、選択肢表示器2
7に「訂正」が表示されるタイミングを待ち、「訂正」
が表示されたときに、『「訂正」を選択する!』と心で
強く呼ぶと、「選択肢B」はキャンセルされる。又、
「前に戻る」が表示されるタイミングを待ち、「前に戻
る」を選択すると、前段階の上位選択肢群の「選択肢
A」、「選択肢B」、「選択肢C」が、順次表示され
る。更に、「選択肢A」→「選択肢B」→「選択肢C」
→「訂正」→「前に戻る」→「選択肢A」の順の繰り返
しを一定回数、例えば10回繰り返すと「調整」が表示
され、表示時間の変更調整を可能にするようにしても良
い。即ち、「調整」が表示されたときに、『「調整」を
選択する!』と心で強く呼ぶと、表示時間の選択画面に
変更されるようにする。そして、選択画面は、例えば、
「0.5秒表示」→「1秒表示」→「2秒表示」→「3
秒表示」→「5秒表示」→「訂正」→「前に戻る」→
「0.5秒表示」の順の表示を繰り返しをする。この繰
り返し表示を見ながら、「1秒表示」が表示されたとき
に、『「1秒表示」を選択する!』と心で強く呼ぶと、
前述の例では各3秒間ずつ表示していた表示時間が変更
され、今度は、各1秒間ずつ「選択肢A」、「選択肢
B」、「選択肢C」、「訂正」及び「前に戻る」が選択
的に表示されるようになる。
【0032】以上のように、本発明によって手を動かす
こと無く、心理的に心で要求することにより扉の開閉、
家電製品の運転、空調機の運転などを制御することが出
来、極限的利便性が達成される。例えば、各家庭の玄関
のドアの一部に、選択肢表示器27を設け、「開ける」
→「呼ぶ」→「開けない」→「訂正」→「前に戻る」→
「開ける」の順の繰り返し表示をさせてもよい。こうす
れば、「開ける」が表示されたときに、『「開ける」を
選択する!』と心で強く呼ぶと、IDコードと共にドア
を開ける信号が発信され、ドアを開けることが出来る。
例えば、両手に物をもったまま、ドアを開けることが可
能になる。「呼ぶ」が表示されたときに、『「呼ぶ」を
選択する!』と心で強く呼ぶと、自動音声発生装置か
ら、家庭内にいる人間を呼び出す音声が発生され、玄関
まで迎えに来てもらうことが可能である。
【0033】又身体が不自由な状況にある時は極めて有
用である。例えば、電動車椅子の場合では、電動車椅子
の一部に選択肢表示器27を設け、この選択肢表示器2
7により「電源をオンにする」、「訂正」、「確認」、
「前に進む」、「訂正」、「確認」、「右に曲がる」、
「訂正」、「確認」、「左に曲がる」、「確認」、「訂
正」、「確認」、「後ろに戻る」、「訂正」、「確
認」、「電源をオフにする」、「訂正」、「確認」等の
電動車椅子の動作に必要な表示を順次させ、希望の動作
内容が表示されたとき、心理的に心で要求することによ
り電動車椅子を運転することが出来る。電動車椅子の場
合は、安全性の問題が有るので、「確認」の信号が選択
信号発生装置2の出力端子から出た場合にその直前の選
択肢に対応した動作が実行される。更に、「前に進む」
及び「確認」を選択すると、速度選択画面が表示され、
所望の速度が選択出来る。「右に曲がる」及び「確認」
をすると、例えば「15°」、「30°」、「45
°」、「60°」、「75°」、「90°」等の選択画
面が表示され、曲がる角度を選択出来る。
【0034】同様に、喉頭ガンの手術等により発声機能
を失った人間が、選択肢表示器27を見ながら、心で念
じることにより意思伝達を実現出来る。
【0035】本発明の第1の実施の形態に係る心理状態
認識システムは、図1に示す腕時計型心理モニタ1がア
ンテナ14から電波信号を送信し、図7に示す選択信号
発生装置2のアンテナ21がこの電波信号を受信するシ
ステムである。しかし、電波信号の代わりに赤外線等の
光信号や超音波等を用いて、腕時計型心理モニタ1と選
択信号発生装置2間の情報伝達をしてもかまわない。更
に、腕時計型心理モニタ1と選択信号発生装置2とを同
一回路基板上に搭載すれば、回路基板の信号配線を介し
て、腕時計型心理モニタ1と選択信号発生装置2間の情
報伝達が可能になる。
【0036】画面上に絵やアイコンを表示し、直感的に
分かりやすく操作出来るようにしたGUI(グラフィカ
ル・ユーザーインタフェース)の採用が、パソコン用O
Sでは当たり前になっている。従来のGUI環境では、
マウス操作が基本になっていたが、本発明の第1の実施
の形態に係る心理状態認識システムによれば、心理的に
強く心で念じることにより、その操作をこなすことが出
来る。従来のGUI環境で同時に表示されていた複数の
項目を選択するためのチェックボックス、機能の実行や
処理の確認などに用いるボタン、複数の項目から1項目
だけを選択する時に使うラジオボタンなどを、順次表示
するようにすれば、本発明の選択肢表示器27として機
能するので、様々な内容の選択が可能となる。プルダウ
ンメニューも順次選択内容の色が変化するようにし、特
定の色が希望の内容に表示されたとき、その内容を心で
強く呼べば、プルダウンメニューの内容が選択出来る。
【0037】又、腕時計型心理モニタ1からの電波信号
を、直接、選択信号発生装置2に送信するのではなく、
腕時計型心理モニタ1からの電波信号を一旦、携帯型無
線端末、装着型コンピュータ、小型ビデオカメラ等に送
信するように構成しても良い。そして、これらの携帯型
無線端末、装着型コンピュータ、小型ビデオカメラ等に
は更に、心拍計、血圧計、体温計、歩数計、呼吸モニ
タ、光センサなどからの信号も受信可能なように構成し
ても良い。腕時計型心理モニタ1から赤外線等の光信号
や超音波等を用いて携帯型無線端末、装着型コンピュー
タ、小型ビデオカメラ等に信号を送信しても良く、電気
配線を介した有線の情報伝達でもかまわない。心拍計、
血圧計、体温計、歩数計、呼吸モニタ、光センサなどか
らの信号も光信号や超音波等が採用可能である。そし
て、更にこれらの携帯型無線端末、装着型コンピュー
タ、小型ビデオカメラ等に、小型マイク、加速度セン
サ、全地球測位システム(GPS)や必要な送信機等を
も組み合わせて搭載しておけば、腕時計型心理モニタ1
の装着者が遠隔地で移動中であっても、装着者行動の記
録や第三者による健康や安全の管理を、同時連続的に遠
隔監視することが可能となる。
【0038】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態に係る心理状態認識システムは、携帯型パーソナ
ル健康・安全モニタリングシステムに関する。図9
(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る心理状態認
識システムに用いる腕時計型心理モニタ(携帯型パーソ
ナル健康・安全モニタ)3を示す模式図である。振動の
発生源としては、人体内部と外部(周囲環境)に分類す
ることが出来る。まず人体内部の振動の発生源による振
動としては、会話音、心拍音、呼吸音、体表面微小振
動、歩行状態音(階段上下、地面の状態)等である。一
方、外部の振動の発生源による振動としては、他人の発
生音、歩行音、都市の騒音、電車の走行音、電車の内部
音、自動車の走行音、自動車の内部音、飛行機の飛行
音、飛行機の内部音、バスの走行音、小鳥や動物の鳴き
声、雨の降る音、風の音、木々が風に揺れる音、家電製
品、OA機器からの音と振動等である。これらの人体内
部と外部(周囲環境)の発生源による振動は、様々な周
波数成分(0〜20kHz以上)を含む。本発明の第2
の実施の形態に係る心理状態認識システムの腕時計型心
理モニタ(携帯型パーソナル健康・安全モニタ)3は、
これらの振動をすべて検出して電気信号に変換する。本
発明の第1の実施の形態において言及したように、図9
(a)は、内部構造を示すための便宜的な表現であり、
現実には、通常の腕時計のベルトと同様な1cm〜2c
mの幅の、図示のイメージよりも狭いベルトで良い。
【0039】図9(a)に示す腕時計型心理モニタ3
は、第1振動センサ(第1周波数用振動センサ)S1,
第2振動センサ(第2周波数用振動センサ)S2,第3
振動センサ(第3周波数用振動センサ)S3、これら3
種の振動センサS1,S2,S3にそれぞれ接続された
第1増幅器(第1周波数用増幅器)A1,第2増幅器
(第2周波数用増幅器)A2,第3増幅器(第3周波数
用増幅器)A3、これら3種の増幅器A1,A2,A3
に接続された加算器31,加算器31に接続された変調
器13、変調器13に接続された信号送信手段14とか
ら構成されている。信号送信手段14としては、アンテ
ナ14やアンテナ14に送信信号を供給する電力増幅器
(図示省略)等が該当する。更に、図示を省略している
が、電池が腕時計型心理モニタ3に内蔵されていること
は勿論である。第1振動センサS1は周波数帯域0〜3
0Hzの第1周波数用振動センサ、第2振動センサS2
は20Hz〜20kHzの第2周波数用振動センサ、第
3振動センサS3は20kHz〜70kHzにそれぞれ
感度領域を有する第3周波数用振動センサ(超音波用振
動センサ)である。
【0040】第1振動センサS1は、本発明の第1の実
施の形態で説明した第1周波数用振動センサS1の圧電
型ピックアップが使用可能である。即ち第1振動センサ
S1は、手首からのδ波、θ波、α波、β波、ε波に対
応した0〜30Hzの体表面微小振動成分を検出して電
気信号に変換し、その信号を第1増幅器A1で増幅後、
加算器31に送る。第2振動センサS2の検出可能な周
波数帯域は、人間の聴覚で認識出来る音波振動に対応し
ている。したがって、第2振動センサS2は、人間の会
話、都市の騒音、交通機関の騒音、家電/OA機器の騒
音、風の音、雨の音、森林の音、動物の鳴き声、自己の
歩行する音などを検出する。第2振動センサS2の出力
信号は、第2増幅器A2で増幅後、加算器31に送られ
る。第3振動センサS3の検出可能な周波数帯域は、人
間が開くことは出来な周波数帯域である。第3振動セン
サS3は、特殊な環境で発生する高周波領域の音波の検
出、或いは超音波を用いたエコロケーション装置のレシ
ーバーとして動作する。第3振動センサS3の出力信号
は、第3増幅器A3で増幅後、加算器31に送られる。
第1振動センサS1の検出する体表面微小振動の振動レ
ベルは、第2振動センサS2の検出する人間の会話、都
市の騒音、交通機関の騒音、家電/OA機器の騒音、風
の音、雨の音、森林の音、動物の鳴き声、自己の歩行す
る音などの振動レベルに比して2桁〜4桁程度小さい。
即ち、第1振動センサS1,第2振動センサS2,第3
振動センサS3の出力レベルは、一般に、互いに異な
る。そこで、第1増幅器A1,第2増幅器A2及び第3
増幅器A3は、それぞれ第1振動センサS1,第2振動
センサS2,第3振動センサS3の出力レベルに応じて
ゲインを調整し、図9(b)に示すようにほぼ同一の信
号レベルに調整してから、加算器31に送る。
【0041】加算器31は、第1増幅器A1,第2増幅
器A2及び第3増幅器A3から送られて来た周波数帯域
0〜30Hz、20Hz〜20kHz、及び20kHz
〜70kHzの信号を加算する。加算器31の出力は、
ベースバンド信号となり、このベースバンド信号が変調
器13に伝達される。図示を省略しているが、通常の送
信機と同様に、変調器13に接続されたミキサ、及びミ
キサに接続された電力増幅器を、図9に示す腕時計型心
理モニタ3が有していてもかまわない。ミキサには、図
示を省略した発信器からの信号が、変調器からの信号と
共に入力される。そして、電力増幅器で増幅された信号
が、アンテナ(送信アンテナ)14から電波信号として
送信される。これらのミキサ、及びミキサに接続された
電力増幅器も、本発明の信号送信手段14に相当する。
或いは、変調器13にドライバ増幅器を接続し、ドライ
バ増幅器には、位相器を接続し、位相器に送信増幅器を
接続した構成の信号送信手段14を有しても良い。そし
て、送信増幅器を、同様に、アンテナ(送信アンテナ)
14に接続することにより、アンテナ(送信アンテナ)
14から電波信号を送信する構成でもかまわない。いず
れにせよ、図9(a)に示す腕時計型心理モニタ3を手
首に装着することにより、心理状態に対応した信号を、
アンテナ14から送信することが出来る。アンテナ14
からの電波信号は、後述するデータ解析装置4のアンテ
ナ41に送信される(図11参照)。
【0042】本発明の第2の実施形態に係る第1振動セ
ンサS1,第2振動センサS2,第3振動センサS3
は、図10に示すように、同一の半導体基板85、例え
ば(100)面を有するn型シリコン(Si)基板85
上に集積化されている。図10は、本発明の第2の実施
形態に係る第1振動センサS1,第2振動センサS2の
部分を模式的に示す部分的な断面図である。図示を省略
しているが、第3振動センサS3は、第2振動センサS
2とほぼ同様な構造である。
【0043】図10の左側に示すように、Si基板85
の下端部領域には凹部が構成されている。凹部の側面
は、基板表面の(100)面に対し(111)面が露出
し、(100)面に対し、54.74°の角度で交わ
る。凹部の底部となる薄い部分は、第2振動センサS2
として音響振動を検出するための音響振動検出部8を構
成している。即ち、Si基板85の凹部の底部を構成す
る薄膜部に、第2振動センサS2の振動膜88が形成さ
れている。振動膜88は三層構造をなし、最下層はp
埋め込み層71である。p埋め込み層71の上部に
は、p埋め込み層71の不純物密度よりも低不純物密
度のp型層が形成されている。又、p型層の左端付近は
埋め込み層71と同程度の高不純物密度を有するp
シンカー72が配置されている。pシンカー72が
配置される場所は振動膜88よりも左側に位置してお
り、Si基板85の下端部の内(111)面が露出した
凹部側壁部分の上部に相当する。p型層の上部にはショ
ットキー電極63が配置されている。ショットキー電極
63の材料は比重の重い金属が望ましい。音響振動を効
率的に検出するためである。本発明の第2の実施形態で
は金(Au)を用いている。勿論、このことはショット
キー電極63の材料の限定を意味するものではない。シ
ョットキー電極63の下部のp型層の不純物密度を1×
1014cm-3程度以下、好ましくは1×1013cm-3
度以下に設定しておけば、ショットキー電極63に電圧
を印加しない状態で、拡散電位のみで、p型層中に空乏
層65が形成される。なお、ショットキー電極63の代
わりにpn接合で空乏層65を形成しても良いことは勿
論である。
【0044】p埋め込み層71及びp型層(空乏層6
5)の両端には、素子分離領域81が配置されている。
この素子分離領域81は、Si基板85の表面からp
埋め込み層を貫通する深さのU型の溝部(トレンチ)
に、酸化膜等の素子分離絶縁膜を埋め込んで形成されて
いる。平面図を省略しているが、素子分離領域81は、
ショットキー電極63を取り囲むように角形リング状に
形成されている。更に、pシンカー72に接するよう
に埋め込み層取りだし電極64が配置されている。
【0045】図10に示す第2振動センサS2としての
音響振動検出部8において、音響振動が振動膜88に入
射することで、振動膜88は物理的に振動する。振動膜
88が振動すれば、空乏層65を構成している半導体領
域の物理的パラメータが変化し、空乏層容量や接合抵抗
などの電気的等価回路定数が変動する。又、振動により
空乏層中で「発生再結合電流」が生じるため空乏層65
中を、「発生再結合電流」に起因した電流が流れる。こ
の結果、上述した電気的等価回路定数の変動とあわせて
物理的振動が電気的振動へと変換される。その電流がp
埋め込み層71及びpシンカー72を経て埋め込み
層取りだし電極64へと流れ、最終的に図示を省略した
I/Vコンバータへと流れ込む。I/Vコンバータによ
り、電流出力が電圧出力へと変換され、I/Vコンバー
タに接続されたボンディングパッドを通じて外部へと出
力される。なお、pシンカー72にオーミック接触す
る埋め込み層取りだし電極64の電圧は、pシンカー
72を介してp埋め込み層71に印加される。したが
って、ショットキー電極63とp埋め込み層71との
間に所望の電圧を印加することが出来る。即ち、ショッ
トキー電極63の下部を低不純物密度のp型層とし、こ
のp型層に空乏層65を形成することで電気的等価回路
定数の変動を大きくすることが出来る。更にp型層の下
部に面積の広いp埋め込み層71を設けているので、
空乏層65中で発生したキャリアは、効率的に取り出さ
れI/Vコンバータへと運ばれる。
【0046】図10に示す断面図上の右端近傍に第1振
動センサS1が形成されている。第1振動センサS1
は、Si基板85に設けられた舟形のピット83の内部
に形成されている。舟形のピット83は、図6に示した
第1ピット111〜第3ピット113と類似な構造であ
る。図10に示す断面図上では、ピット83の右上方に
は開口部が設けられている。ピット83の右上方の開口
部は、片持ち梁84の自由端を構成するための開口部で
あり、図6と同様に、片持ち梁84のおもり部の周りを
周回して形成されている。片持ち梁84のおもり部に隣
接したSi基板85の内部には、pウェル75が配置さ
れている。pウェル75の両端部付近にはpウェル75
よりも不純物密度が高いコンタクト領域73,74が配
置されている。コンタクト領域73,74のそれぞれの
上部であってSi基板85上にはピエゾ電極61,62
が配置されている。Si基板85の表面上のショットキ
ー電極63、埋め込み層取りだし電極64、ピエゾ電極
61,62以外の領域は、パッシベーション膜82で覆
われている。
【0047】図10に示す第1振動センサS1を構成す
る片持ち梁84は、図6に示した片持ち梁101,10
2,103と同様に、外部からの機械的微小振動を受け
て振動し、Si基板85の薄くなった部分、即ち片持ち
梁84の固定端部分が片持ち梁84の振動による応力を
集中的に受ける。そのため、pウェル75は強い圧力を
受け、ピエゾ効果により、その電気的抵抗値が変化す
る。ピエゾ電極61,62を通してこのpウェル75に
定電流を流すことにより、第1振動センサS1は、機械
的振動を電圧の変動という電気的振動に変換することが
可能となる。なお図10からは明らかでは無いが、第1
振動センサS1のピエゾ電極61,62は、図示を省略
した定電流源及び増幅回路へと電気的に接続されてお
り、得られた電気的振動は、チップ上のボンディングパ
ッドを通して外部に出力される。
【0048】本発明の第2の実施の形態に係る心理状態
認識システムに用いるデータ解析装置4は、図11のブ
ロック図に示すように、図9(a)に示す腕時計型心理
モニタ3からの電波信号を受信する信号受信手段(4
1,42)、この信号受信手段(41,42)の受信し
た出力信号を復調する復調器43、復調器43に接続さ
れたフーリエ変換器44、フーリエ変換器44に接続さ
れた周波数スペクトラム解読装置45、周波数スペクト
ラム解読装置45に接続された知識データベース46及
び心理・周囲環境表示部47、心理・周囲環境表示部4
7に接続された送信部48、送信部48に接続されたア
ンテナ49とから構成されている。信号受信手段(4
1,42)としては、アンテナ41及びアンテナ41に
接続された増幅器42が該当する。増幅器42は、低雑
音増幅器が好ましい。フーリエ変換器44は、高速フー
リエ変換器(FFT)44が好ましい。アンテナ41に
接続された低雑音増幅器42には、ミキサを接続し、こ
のミキサに接続された中間周波(IF)増幅器を備え、
この中間周波増幅器に復調器43を接続して、データ解
析装置4を構成してもよい。これらのアンテナ41、低
雑音増幅器42、ミキサ、中間周波(IF)増幅器等も
本発明の信号受信手段に該当する。復調器43からは、
ベースバンド信号が出力される。ミキサには、図示を省
略した発信器からの信号が、低雑音増幅器42からの信
号と共に入力される。或いは、データ解析装置4は、ア
ンテナ41に接続された低雑音増幅器42に接続された
フィルタを備えるようにしてもよい。そして、更に、こ
のフィルタに接続されたミキサと、ミキサに接続された
中間周波(IF)増幅器を介して、高速フーリエ変換器
44に接続されるように構成してもかまわない。高速フ
ーリエ変換器44により、第1振動センサS1で検出さ
れたδ波、θ波、α波、β波、ε波の各パワースペクト
ラム、第2振動センサS2で検出された20Hz〜20
kHzのパワースペクトラム、第3振動センサS3で検
出された20kHz〜70kHzのパワースペクトラム
が得られる。図9(a)に示した腕時計型心理モニタ
(携帯型パーソナル健康・安全モニタ)3により得られ
る時間波形は、すべての振動情報が重畳したものである
が、時間信号を、高速フーリエ変換器44を用いて、周
波数軸上に変換して周波数スペクトル形状を分析するこ
とにより、事象に特有な周波数スペクトルパターンを抽
出出来る。高速フーリエ変換器24により得られた各パ
ワースペクトラムは、周波数スペクトラム解読装置45
により解読される。即ち、周波数スペクトラム解読装置
45は、高速フーリエ変換器24により得られた各パワ
ースペクトラムと知識データベース46に格納された情
報と比較することにより、腕時計型心理モニタ3を装着
した人間の心身の状態や周囲の環境を判断する。具体的
には、周波数スペクトラム解読装置45はδ波、θ波、
α波、β波、ε波の各スペクトルの強度比を調べること
により、腕時計型心理モニタ3を装着した人間の気分を
判断する。又、第2振動センサS2で検出された20H
z〜20kHzのパワースペクトラムを知識データベー
ス46に格納された情報と比較することにより、車に乗
っているか否か等の周囲環境を判定する。即ち、周波数
スペクトラム解読装置45により、腕時計型心理モニタ
3を装着した人間の身体の状況(心理状態、健康状態)
と周囲環境の状態を同時かつ連続的に判定する。周波数
スペクトラム解読装置45により判定された腕時計型心
理モニタ3を装着した人間の心身の状態や周囲の環境
は、心理・周囲環境表示部47に表示される。更に、心
理・周囲環境表示部47に表示された内容は、送信部4
8からアンテナ49を介して、自宅5のアンテナ51に
送信する。自宅5は、アンテナ51、アンテナ51に接
続された受信部52、受信部52に接続されたパソコン
(PC)53を有している。したがって、心理・周囲環
境表示部47に表示された内容は、自宅5のパソコン5
3に表示される。場合によっては、腕時計型心理モニタ
3に送信し、腕時計型心理モニタ3を装着した人間に警
報を通知するようにしても良い。
【0049】本発明の第2の実施の形態に係る心理状態
認識システムによれば、腕時計型心理モニタ3を装着し
た人間の心身の状態と周囲環境を、同時にかつ連続的に
監視モニタリング出来る。例えば雨の中を急いで町の中
を目的地に走っている場合は、センサからの信号には雨
の音、自分自身の走行音、都市の騒音(雑踏音、交通
音)、高鳴る心拍音及び大きな呼吸音の周波数成分が多
く含まれているはずである。
【0050】一方、静かな部屋でゆっくりとコーヒーを
飲みながら週末の楽しい予定を夢想しているときは、体
表面微小振動のα波成分(8〜13Hz)が顕著に観測
されるであろう。又、ゆったりした気分で森の中を散歩
しているときには、α波の成分の多い体表面微小振動と
同時に、森林特有の高周波領域の音波(木々からの音、
小鳥のさえずり等)が観察されるであろう。このよう
に、高帯域の周波数範囲の振動を連続的に測定すること
により、腕時計型心理モニタ3を装着した人間の精神状
態、健康状態、及び周囲環境を同時連続的に監視モニタ
リングすることが出来る。即ち、リアルタイムで健康モ
ニタと安全モニタを同時に行うことが可能である。
【0051】無声で飛び交うように見えるコウモリは、
常に独特の標定音を発しながら反響音をたよりにエコロ
ケーション(反響定位)を行って飛行している。その音
はわれわれの聞くことの出来る20KHzよりも高い超
音波であるため、ほとんど全く聞こえない。又、イルカ
は視覚がさほど鋭くないにもかかわらず、微細な障害物
も鋭敏に回避出来る。これは超音波を利用した高度のエ
コロケーション能力をもっているからである。イルカは
鼻道の付近の発声器官からクリック音と呼ばれるパルス
状の超音波を放射し、その反射音が戻ってくる時間と方
向から、対象物を探知したり、仲間とのコミュニケーシ
ョンをとり、周囲の状況を把握する。発声器官で発せら
れた超音波は、おでこの内側にある「メロン」と呼ばれ
る器官で増幅・集中して発射し、その反射音を脳が解析
して、目標物までの距離・大きさ・質感までも理解する
システムである。「メロン」は脂肪体で、細長い顎の骨
はパラボラアンテナのような凹面になっている。脂肪体
は音響レンズの役目をして四方に広がるクリック音を収
束し、パラボラ形の骨で反射させることで、指向性の高
い超音波を放射しています。発達した脳と巧妙な超音波
レーダによって、イルカは水中世界のようすを精緻な立
体イメージとしてとらえているようである。イルカのエ
コロケーションは、ちょうど潜水艦のアクティヴ・ソー
ナの役割を果たしている。本発明の第2の実施の形態に
係る腕時計型心理モニタ3の第3振動センサS3は、こ
のような、20KHzよりも高い超音波の振動を検出し
て、コウモリやイルカと同様なエコロケーションシステ
ムを構築することが可能である。
【0052】本発明の第2の実施の形態に係る心理状態
認識システムは、腕時計型心理モニタ3を装着した人間
の移動中に、リアルタイムで振動信号のすべてをデータ
解析装置4に送信し、データ解析装置4はリアルタイム
の周波数分析とスペクトル形状評価に基づいて安全或い
は健康に関する警告を行うことが出来る。例えば、心拍
数や呼吸数が異常に多い場合は警告を発する。又自動車
運転中に睡魔が襲ってきたときは、体表面微小振動の周
波数スペクトルパターンに睡眠特有の変化が現れ、同時
に自動車内振動スペクトルも観測されればセンターが警
告を発することになる。体表面微小振動の睡眠特有の変
化とは、体表面微小振動の周波数減少や相対的にα、
β、ε波の強度が減少である。同様に、帰宅時の電車の
中で、居眠りによる乗り過ごし防止も行える。一方、個
人的にデータを蓄積して、健康管理と行動記録を行う場
合は、振動信号を自宅5のパソコン53に振動信号を送
信して、必要なときにパソコン53に内蔵されている周
波数解析ソフトで内容理解を依頼するようにしても良
い。
【0053】(その他の実施の形態)上記のように、本
発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、
この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定す
るものであると理解すべきではない。この開示から当業
者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明
らかとなろう。
【0054】既に述べた第1及び第2の実施の形態の説
明においては、腕時計型心理モニタを例示したが、体表
面微小振動は図2及び図3に示したように、手首の他、
母指球、右脛骨部、左脛骨部等でも測定可能である。
又、図示を省略したが、上腹部、下腹部等でも同様に、
体表面微小振動は測定可能である。更に、図4及び図5
に示したように、頭頂部でも測定可能である。したがっ
て、本発明に係る心理モニタは、第1及び第2の実施の
形態において説明した腕時計型心理モニタの他に、指輪
型、ネックレス型、コルセット型、ヘッドギア型等種々
の心理モニタが採用可能である。この場合、第1の実施
の形態の第1周波数用振動センサS1のパッケージ、或
いは第2の実施の形態の第1振動センサS1,第2振動
センサS2,第3振動センサS3を集積化したパッケー
ジは、それぞれ装着する人体部位の形状に即した湾曲し
た形状にし、人体に密着出来るように構成することが好
ましい。特に、指輪型の場合は、パッケージ全体を指輪
として構成し、その個人の指の太さに合わせた指輪のサ
イズにすることが好ましい。したがって、指輪型心理モ
ニタに用いる振動センサのパッケージは、サイズ変更が
容易なように、比較的柔らかな金属等で構成しておくこ
とが好ましい。
【0055】又、同一人が、腕時計型、指輪型、ネック
レス型、コルセット型、ヘッドギア型等の内の複数の心
理モニタを装着し、選択信号発生装置2及びデータ解析
装置4は、これら複数の心理モニタからの信号を同時に
受信して解析するようにすれば、より精度の高いモニタ
リングが可能となる。
【0056】又、常時、寝た状態の病人や高齢者に適用
するのであれば、ベット、布団、或いは枕の一部に体表
面微小振動を測定する第1周波数用振動センサS1を設
けた心理モニタを構成しても良い。更に、一定の場合は
人体の内部に(例えば骨盤の内部に)第1周波数用振動
センサS1を埋め込んだ心理モニタも可能である。
【0057】本発明の第2の実施形態においては、第1
振動センサS1,第2振動センサS2,第3振動センサ
S3を、n型シリコン基板85上に集積化した構造を開
示した(図10参照。)。しかし、第1振動センサS
1,第2振動センサS2,第3振動センサS3を、p型
シリコン基板上に集積化しても良い。この場合は、図1
0のp型とn型を逆にすれば良い。
【0058】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。した
がって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特
許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められ
るものである。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明の心理状態認識シ
ステムによれば、簡単な方法で人間の心理状態(精神状
態)をリアルタイムでモニタリング(監視)することが
出来る。
【0060】又、本発明の心理状態認識システムによれ
ば、遠隔地等を移動中の人間の心理状態(精神状態)、
健康状態、環境状態(安全状態)を、同時かつ連続的に
モニタリング(監視)できる。
【0061】更に、本発明の心理状態認識システムによ
れば、各個人の心理状態(精神状態)、健康及び安全に
関する管理と行動記録を、簡単に蓄積出来る。又、必要
に応じて、医師などの専門家の診断を受け、アドバイス
を得ることが瞬時に出来る。
【0062】更に、本発明の心理状態認識システムによ
れば、手での操作や音声入力に限定されず、各種機器や
設備などを制御することが出来、極限的利便性を有する
入力用ヒューマンインタフェースを提供することが出来
る。
【0063】更に、本発明の心理状態認識システムによ
れば、身体が不自由な状況にある時でも極めて有用な入
力用ヒューマンインタフェースを提供することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る心理状態認識
システムに用いる腕時計型心理モニタを示す模式図であ
る。
【図2】身体の各部で測定した体表面微小振動の時間変
化を示す図である。
【図3】身体の各部で測定した体表面微小振動の周波数
スペクトルを示す図である。
【図4】図4(a)は、精神的、肉体的な疲労が無い場
合の頭頂体表面微小振動の、図4(b)は、同一の被験
者が、精神的、肉体的にストレスがたまった状態の頭頂
体表面微小振動の周波数−時間スペクトルである。
【図5】図5(a)は、図4(a)の周波数−時間スペ
クトルの積算値の時間変化を示す図で、図5(b)は、
図4(b)の周波数−時間スペクトルの積算値の時間変
化を示す図である。
【図6】図1の腕時計型心理モニタに搭載するセンサの
構造の一例を示す鳥瞰図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る心理状態認識
システムに用いる選択信号発生装置を示すブロック図で
ある。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る心理状態認識
システムにおいて選択肢の選択により制御信号を発生す
る場合の具体例を示す模式図である。
【図9】図9(a)は、本発明の第2の実施の形態に係
る心理状態認識システムに用いる腕時計型心理モニタを
示す模式図で、図9(b)は、増幅器で出力レベルを調
整された後の各センサの出力の周波数特性を示す図であ
る。
【図10】図9(a)の腕時計型心理モニタに搭載する
センサの構造の一例を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る心理状態認
識システムに用いるデータ解析装置を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1、3 腕時計型心理モニタ 2 選択信号発生装置 4 データ解析装置 5 自宅 8 音響振動(音波)検出部 9 体表面微少振動検出部 12,22,42 増幅器 13 変調器 14,21,41,49,51 アンテナ 23,43 復調器 24,44 高速フーリエ変換器 25 周波数バンド成分分析器 26 出力比較判定器 27 選択肢表示器 31 加算器 45 周波数スペクトラム解読装置 46 知識データベース 47 心理・周囲環境表示部 48 送信部 52 受信部 53 パーソナルコンピュータ(PC) 61,62 ピエゾ電極 63 ショットキー電極 64 埋め込み層取り出し電極 65 空乏層 71 埋め込み層 72 シンカー 73,74 コンタクト領域 81 素子分離領域 82,122 パッシベーション膜 83 ピット 84 片持ち梁 85,121 Si基板 101 第1片持ち梁 102 第2片持ち梁 103 第3片持ち梁 111 第1ピット 112 第2ピット 113 第3ピット A1 第1周波数用増幅器 A2 第2周波数用増幅器 A3 第3周波数用増幅器 S1 第1周波数用振動センサ S2 第2周波数用振動センサ S3 第3周波数用振動センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心理状態に応じて生じる体表面微小振動
    が測定可能な0〜30Hz帯域の第1周波数用振動セン
    サと、 該第1周波数用振動センサに接続された第1周波数用増
    幅器と、 該第1周波数用増幅器の出力を変調する変調器と、 該変調器の出力信号を送信する信号送信手段とからなる
    心理モニタを有することを特徴とする心理状態認識シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記心理モニタは、 前記第1周波数用振動センサと同一半導体チップ上に集
    積化された20Hz〜20kHzの帯域の第2周波数用
    振動センサと、 該第2周波数用振動センサに接続された第2周波数用増
    幅器と、 前記第1周波数用増幅器と前記第2周波数用増幅器の出
    力を加算する加算器とを更に備え、該加算器の出力が前
    記変調器に入力されることを特徴とする請求項1記載の
    心理状態認識システム。
  3. 【請求項3】 前記心理モニタからの出力信号を受信す
    る信号受信手段と、 該信号受信手段の受信した前記出力信号を復調する復調
    器と、 該復調器で復調された信号を周波数スペクトルに変換す
    るフーリエ変換器と、 該フーリエ変換器により得られた周波数スペクトルを解
    析する周波数スペクトラム解読装置とからなるデータ解
    析装置を更に有することを特徴とする請求項1又は2記
    載の心理状態認識システム。
  4. 【請求項4】 心理状態に応じて生じる体表面微小振動
    が測定可能な0〜30Hz帯域の第1周波数用振動セン
    サと、 該第1周波数用振動センサに接続された第1周波数用増
    幅器と、 該第1周波数用増幅器で増幅された信号を周波数スペク
    トルに変換するフーリエ変換器と、 該フーリエ変換器により得られた周波数スペクトル分布
    の変化を検出し、トリガ信号を生成するトリガ信号発生
    手段とからなることを特徴とする心理状態認識システ
    ム。
  5. 【請求項5】 複数の選択内容を順次表示する選択肢表
    示器を更に備え、該選択肢表示器は、前記トリガ信号に
    より所望の選択内容に対応した制御信号を出力すること
    を特徴とする請求項4記載の心理状態認識システム。
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