JP2002199282A - 光電変換装置、及びその駆動方法 - Google Patents

光電変換装置、及びその駆動方法

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JP2002199282A
JP2002199282A JP2000396007A JP2000396007A JP2002199282A JP 2002199282 A JP2002199282 A JP 2002199282A JP 2000396007 A JP2000396007 A JP 2000396007A JP 2000396007 A JP2000396007 A JP 2000396007A JP 2002199282 A JP2002199282 A JP 2002199282A
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film transistor
thin film
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JP2000396007A
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Kazuhiro Uehara
和弘 上原
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング素子として薄膜トランジスタを
使用した場合に発生するフィードスルー信号成分のキャ
ンセルを行い、その重畳のない撮像データを検出可能な
光電変換装置、及びその駆動方法を提供する。 【解決手段】 光電変換装置である撮像装置は、光電変
換層11にて光の照射量に応じた量の電荷(撮像デー
タ)を発生し、この電荷を補助容量13に蓄積した後
に、TFT14の制御に従い、データライン8を介して
検出IC3側に転送する。また、データライン8にはT
FT14と同一特性を有するキャンセル用TFT21が
設けられる。TFT14とキャンセル用TFT21と
は、互いに同期し、電圧の大きさが等しくかつ逆極性の
ゲート駆動信号によりオン・オフ制御が行われ、TFT
14からデータライン8に印加されたフィードスルー信
号成分は、TFT21から印加されたフィードスルー信
号成分によりキャンセルされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光やX線等の
電磁放射線の照射により像を形成する、たとえば放射線
撮像装置等の一次元もしくは二次元のイメージセンサ
(光電変換装置)、及びその駆動方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野においては、治療を迅速
かつ的確に行うために、患者の医療データをデータベー
ス化する方向へと進んでいる。X線撮影の画像データに
ついてもデータベース化の要求があり、X線撮影装置
(X線イメージセンサ)のデジタル化が望まれている。
このような装置として、薄膜トランジスタ(TFT:Th
inFilm Transistor)を用いた光電変換型の撮像装置
(光電変換装置)の適用が提案されている。以下、この
光電変換装置について、図9ないし図12を参照して説
明する。
【0003】図9に示すように、従来の光電変換装置
は、ガラス基板などの絶縁性基板上に光電変換層(また
は光電変換型素子:図示せず)を二次元的に配置してな
るセンサ基板101と、該センサ基板101を駆動する
複数の駆動IC102…と、該センサ基板101の駆動
の結果得られた出力(電気信号)を検出する複数の検出
IC103…とを含んでなる。上記複数の駆動IC10
2は共通の駆動プリント基板104上に実装されて駆動
回路(駆動IC102+駆動プリント基板104)10
6を構成しており、一方、上記複数の検出IC103は
共通の検出プリント基板105上に実装されて検出回路
(検出IC103+検出プリント基板105)107を
構成している。
【0004】また、これらの駆動回路106、及び検出
回路107は、図示しないコントロール・通信回路(図
10に示すコントロール・通信基板110上の回路)に
よりその動作を制御されている。なお、ここで言うコン
トロール・通信回路とは、センサ基板101のライン読
み出し走査やフレーム周期と同期を持たない信号を扱う
回路であって、CPUやメモリなどが例示され、これら
は外部回路との通信および光電変換装置全般の動作制御
を行う。
【0005】上記の光電変換装置の構成および動作を、
図10、図11を参照しながら更に詳細に説明する。な
お、図11においては、センサ基板101として1画素
に対応する領域のみの等価回路を示している。
【0006】光電変換部として機能するセンサ基板10
1は、入射した光を、受光量に応じた量の電荷に変換す
る光電変換層111と、該電荷を保持する補助容量11
3と、補助容量113に蓄積された該電荷の読み出しを
制御するTFT(Thin Film Transistor)114とを含ん
で構成されている。上記の光電変換層111はアモルフ
ァスセレン等の層により構成され、バイアス電源112
と接続されてバイアス電圧が印加されるようになってい
る。また、TFT114のドレイン電極Dは補助容量1
13をなす電極の一方に、ゲート電極Gはゲートライン
(走査線)109を介して駆動IC102に、ソース電
極Sはデータライン(信号線)108を介して検出IC
103に接続されている。なお、TFT114には、破
線で示すように、ゲート電極Gとドレイン電極Dとの
間、およびゲート電極Gとソース電極Sとの間に、電極
間のオーバーラップにて生ずる容量が存在している。
【0007】撮像データに相当する可視光や放射線等が
光電変換層111に入射すると、光電変換層111では
受光量に応じた量の電荷(光電変換後の撮像データ)が
発生する。ここで発生した電荷はバイアス電圧の印加に
より補助容量113に送り込まれて蓄積される。なお、
以下の説明では、上記バイアス電圧を負の電圧とし、電
子が補助容量113に蓄積されるものとする。
【0008】駆動IC102は、TFT114のオン・
オフを制御するパルス(ゲート駆動信号)を発生し、こ
のパルスは、ゲートライン109を介してTFT114
のゲート電極Gに与えられる。そして、該パルスにより
TFT114がオンされると、補助容量113に蓄積さ
れた電荷は、データライン108を介して検出IC10
3側に供給される。
【0009】また、駆動プリント基板104上には、駆
動IC102の制御およびコントロール・通信基板11
0とのインターフェイスを行うための回路が形成されて
おり、一方、検出プリント基板105上には、検出IC
103の制御およびコントロール・通信基板110との
インターフェイスを行うための回路が形成されている。
【0010】なお、TFT114の駆動を行うゲートラ
イン109のライン数、並びに撮像データを転送するデ
ータライン108のライン数は、センサ基板101の大
きさ、画素ピッチにもよるが、いずれも一般に数百〜数
干ラインに設定される。また、駆動IC102の出力数
は、例えば数百に設定される。
【0011】上記の検出IC103は、積分アンプ11
5、ローパスフィルタ116、増幅アンプ117、並び
にサンプルホールド回路118等がこの順に接続されて
なる構成を、検出対象のデータライン数分(例えば数百
ライン数分)有してなっている。また、該検出IC10
3では、回路のオフセット及びノイズを除去するため
に、二重相関サンプリングが行われる。
【0012】補助容量113から、データライン108
を介して検出IC103側に読み出された電荷(撮像デ
ータに相当)は、まず積分アンプ115に入力される。
上記の積分アンプ115は、入力された電荷量に比例し
た電圧を出力し、この出力は、ローパスフィルタ116
を介して増幅アンプ117に入力される。なお、ローパ
スフィルタ116は、積分アンプ115の出力中のノイ
ズを低減するために設けられている。また、増幅アンプ
117は、入力された値(電圧値)を増幅して出力す
る。
【0013】増幅アンプ117の出力は、サンプルホー
ルド回路118に入力され、一定期間保持される。この
保持された値は、検出ICコントロール部120内のA
/D変換器(図示せず)に出力され、該A/D変換器で
デジタルデータに変換された後に、画像データとして、
検出プリント基板105を介してコントロール・通信基
板110に時系列的に出力される。
【0014】なお、積分アンプ115および増幅アンプ
117にはそれぞれ、リセットスイッチ119・119
が並列に接続されており、データライン108を介して
撮像データが入力される度に、上記のリセットスイッチ
119・119のオン・オフが行われて、これらアンプ
への新規な撮像データの入力がなされる。また、リセッ
トスイッチ119・119のオン・オフ動作は、検出I
Cコントロール部120の出力により制御される。検出
ICコントロール部120は、検出IC103の制御及
び、検出IC103と検出プリント基板105とのイン
ターフェイスを行っている。
【0015】以下、図12などを参照しながら、上記従
来の光電変換装置の動作について説明を行う。該図に示
すように、この光電変換装置の積分アンプ115以降の
出力(ローパスフィルタ116の出力も含む)は、暗時
(該装置に光入射のないとき)と明時(該装置に光入射
のあるとき)とで異なるものとなり、図中では、暗時の
波形を実線で、また明時の波形を破線で示すものとす
る。以下、時間を追って動作を説明する。
【0016】(1) 時間t1〜t2 図12に示すように、時間t1でTFTゲート駆動信号
(走査信号)がオンレベルとなると、ゲート電極Gから
ドレイン電極Dとソース電極Sとへゲート駆動信号の電
荷が漏れ込むフィードスルー現象が生じる。これは、図
11にて、TFT114内に破線で記したように、ゲー
ト電極Gとドレイン電極Dとの間およびゲート電極Gと
ソース電極Sとの間に、ゲート電極Gとのオーバーラッ
プにより生ずる容量が存在していることに起因する。そ
して、このフィードスルー現象により漏れ込んできた電
荷(正孔)の影響で、積分アンプ115の出力は、時間
t1以前(TFT114が選択される以前)と比較して
電圧W1分下降する。
【0017】暗時の場合には、積分アンプ115の出力
には、入力されたフィードスルー分の電圧W1のみが反
映されるが、明時(光入射時)では、そこに撮像データ
に相当する入力信号ΔV分の電圧信号が重畳されるの
で、該出力信号の波形が破線で示すようになる。また、
フィードスルー現象による積分アンプ115の出力の立
ち下がりは、センサ基板101のデータライン108の
時定数により時間tdだけ遅れる。また、積分アンプ1
15の出力が入力されるローパスフィルタ116の出力
は、図12に示すように、時間t1〜t2の間で積分ア
ンプ115の出力値の変動に同調し該出力値に近づくよ
うに、所定の時定数を持って下降していく。
【0018】(2) 時間t2〜t5 図12に示すように、時間t2でTFTゲート駆動信号
がオフされると、オンした時に漏れ込んだのと同量かつ
逆極性の電荷(電子)が、フィードスルー現象により積
分アンプ115に流れ込む。これに対応して、積分アン
プ115の出力は、センサ基板101のデータライン1
08の時定数にて決まる時間tdで電圧W1分だけ上昇
する。
【0019】一方、ローパスフィルタ116の出力は、
フィードスルー電圧を含む低い値から、該フィードスル
ー電圧分(電圧W1)を回復した積分アンプ15の出力
値に近づくように自身の時定数に従って増加する。そし
て、時間t3で、積分アンプ15の出力値と同レベルの
安定した出力となる。
【0020】ローパスフィルタ116の出力は、増幅ア
ンプ117を通してサンプルホールド回路118に送ら
れて、そこでホールドされる。そして、ローパスフィル
タ116の出力が安定する時間t3から、リセットスイ
ッチ119がオンされる時間t5の間の時間t4(時間
t2から、データイン108の時定数とローパスフィル
タ116の時定数とを合計した以上の時間経過後)でサ
ンプリングすると、暗時には出力E1に対応した値が、
また光入射時には出力E2に対応した値が得られる。
【0021】(3) 時間t5 時間t5でリセットスイッチ119がオンされると、デ
ータライン108、積分アンプ115、ローパスフィル
タ116、並びに増幅アンプ117がリセットされる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
上記の光電変換装置では、TFT114のオン・オフの
際にフィードスルー現象が発生するが、この現象は、装
置動作に様々な悪影響をもたらす。例えば、第1の問題
点として、フィードスルー現象の発生により、撮像デー
タ以外に由来する電荷(フィードスルー信号成分)が検
出IC103に流れ込み、該検出IC103の消費電力
が増大することが挙げられる。また、第2の問題点とし
て、増幅する倍率によっては、増幅アンプ117をフィ
ードスルー信号成分によって飽和させてしまうことが挙
げられる。さらに、第3の問題点として、フィードスル
ー信号成分の影響により、高速動作を行うことが出来な
くなることが挙げられる。
【0023】まず第1の問題点について説明する。図1
2に示すようにTFTゲート駆動信号がオンレベルとな
ると、ゲート電極Gからドレイン電極Dやソース電極S
へ、電荷が漏れ込むというフィードスルー現象が生じ
る。そして、既に説明のように、漏れ込んできた電荷に
より積分アンプ115の出力は、電圧W1分下降する。
このフィードスルー信号成分を含んだ積分アンプ115
の出力は、後段の増幅アンプ117に入力され、そこで
数倍から数百倍に増幅して出力される。このように、画
像データ(撮像データ)に加えて、該画像データとは本
来無関係のフィードスルー信号成分をも、積分アンプ1
15および増幅アンプ117で処理することにより、検
出IC103の消費電力は増大する。特に、検出IC1
03には、通常数百個の積分アンプ115および増幅ア
ンプ117が搭載されており、フィードスルー信号成分
による消費電力の増大を看過することはできない。
【0024】次に、第2の問題点について説明する。第
1の問題点で説明したように、TFTゲート駆動信号が
オンレベルとなると上記フィードスルー現象が生じて、
積分アンプ115の出力は電圧W1分下降する。そし
て、このフィードスルー信号成分を含んだ積分アンプ1
15の出力は、後段の増幅アンプ117に入力されて数
倍から数百倍に増幅して出力されるが、このとき、増幅
アンプ117への入力電圧の大きさと増幅率(ゲイン)
との積が、増幅アンプ117の最大出力値より大きくな
ると、増幅アンプ117は飽和して安定動作に支障をき
たす虞がある。つまり本構成のように、フィードスルー
信号成分を含んだローパスフィルタ116からの出力
(特に、時間t1〜t2の間の出力)が増幅アンプ11
7へ入力されると、上記入力電圧の大きさが過剰となっ
て増幅アンプ117の動作が不安定となる虞が極めて大
きくなる。
【0025】次に、第3の問題点について説明する。上
記従来の構成では、フィードスルー信号成分を含まぬよ
うに画像データのサンプリングを行うためには、積分ア
ンプ115およびローパスフィルタ116の出力が安定
する時間t4(時間t3〜t5の間)でサンプリングし
て、出力E1、E2を得る必要がある。つまり、良好な
画像データの出力を得るまでには、TFT114、デー
タライン108、ローパスフィルタ116それぞれの時
定数を合計した時間分の待機を必要とし、画像データの
検出を迅速に行うことができない。
【0026】また、動作の高速化を計るために、データ
ライン108の時定数を無視してTFT114がオンさ
れている期間にサンプリングをする場合、サンプリング
した値にはフィードスルー信号成分が含まれており、正
確な値とはならない。
【0027】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであって、その目的は、スイッチング素子
として薄膜トランジスタを備えてなり、放射線(X線
等)や可視光などの電磁放射線の照射により像を形成す
る一次元、または二次元の光電変換装置(放射線撮像装
置等)において、薄膜トランジスタのスイッチング動作
時に発生するフィードスルー信号成分をキャンセルし、
該フィードスルー信号成分による検出用アンプの飽和、
動作異常、および消費電力の増加が防止されるととも
に、信号処理速度を高速化した場合であっても正確な画
像を読み取りうる光電変換装置、およびその駆動方法を
提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光電変換
装置は、上記の課題を解決するために、電磁放射線の照
射量に応じた量の電荷を発生する光電変換部Aと、該光
電変換部Aで発生した電荷を蓄積する容量部Aと、該容
量部Aに蓄積された電荷が転送される信号線と、上記信
号線および容量部Aに接続され、容量部Aから信号線へ
の電荷の転送を制御するスイッチング素子としての薄膜
トランジスタAと、該薄膜トランジスタAに、そのオン
・オフを制御する駆動信号Aを供給する駆動手段Aと、
上記信号線に転送された上記電荷の量を検出する検出手
段とを備えてなる光電変換装置において、上記薄膜トラ
ンジスタAのオフ状態とオン状態との切り替え時に信号
線に印加されるフィードスルー信号成分と同期して、該
フィードスルー信号成分と逆極性のキャンセル用信号を
上記信号線に供給するキャンセル用信号供給手段が備え
られていることを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、容量部A(補助容
量)に蓄積された画像データである上記電荷を信号線に
転送する際に、薄膜トランジスタAのオン・オフ状態切
り替えによって発生する上記フィードスルー信号成分
と、上記キャンセル用信号とが互いにキャンセルし合
う。その結果、上記薄膜トランジスタAを介して信号線
に印加されたフィードスルー信号成分は即座に、大幅に
低減または完全に除去されるので、上記検出手段は、上
記光電変換層Aにて発生した電荷の量をより迅速かつ正
確に検出することが可能となる。
【0030】また、上記検出手段の前段部には、入力さ
れる電荷の量(電荷量)を電圧に変換して増幅出力する
増幅手段(増幅アンプ)が一般に設けられているが、上
記のように、検出手段に入力される信号成分(入力され
る電荷量に応じた電圧)から上記フィードスルー信号成
分を低減(あるいは除去)しておけば、該増幅手段の余
分な動作を防ぐことができて、消費電力の低減を図るこ
とができる。同時に、高倍率増幅時での増幅手段の信号
飽和も防止可能となるので、その安定動作を実現可能と
なる。
【0031】さらに、信号線に印加される上記フィード
スルー信号をほぼ0とできることから、このフィードス
ルー信号成分とキャンセル用信号とは、互いに逆極性で
あることに加えて、その電圧の大きさ(電位差の絶対
値)がほぼ等しいことがより好ましい。
【0032】なお、本発明で、「フィードスルー信号成
分と同期して、キャンセル用信号を信号線に供給する」
とは、高速駆動を実現するために、上記フィードスルー
信号成分とキャンセル用信号とがほぼ完全に同期して信
号線に与えられることが特に好ましいが、信号線上にお
けるフィードスルー信号成分の印加位置とキャンセル用
信号の印加位置との距離などの諸条件を考慮して、両信
号間にわずかな印加タイミングのずれを設ける場合など
も実質的な「同期」とみなすものとする。
【0033】また上記の光電変換装置の一例としては、
上記キャンセル用信号供給手段が、所定量の電荷を蓄積
する容量部Bと、上記信号線および容量部Bに接続さ
れ、容量部Bから信号線への電荷の転送を制御するスイ
ッチング素子としての薄膜トランジスタBと、上記薄膜
トランジスタBに、そのオン・オフを制御する駆動信号
Bを供給する駆動手段Bとを含んでなり、上記駆動信号
Aと駆動信号Bとが互いに同期し、かつ逆極性となって
いるものが挙げられる。
【0034】上記の構成によれば、駆動信号Aと駆動信
号Bとが互いに同期し、かつ逆極性となっているので、
上記薄膜トランジスタAを介して信号線に印加されるフ
ィードスルー信号成分と、上記薄膜トランジスタBを介
して信号線に印加されるフィードスルー信号成分(上記
キャンセル用信号に相当)とが互いに同期し、かつ逆極
性となる。その結果、上記薄膜トランジスタAを介して
信号線に印加されたフィードスルー信号成分が即座に、
大幅に低減または完全に除去されるので、上記検出手段
は、上記光電変換層Aにて発生した電荷の量をより迅速
かつ正確に検出することが可能となる。
【0035】なお、上記の構成においては、上記薄膜ト
ランジスタAと薄膜トランジスタBとが略同一特性を有
するとともに、上記駆動信号Aと駆動信号Bとが互いに
同期し、電圧の大きさがほぼ等しくかつ逆極性となって
いることがより好ましく、これにより、上記薄膜トラン
ジスタAを介して信号線に印加されたフィードスルー信
号成分をほぼ完全に除去可能となる。
【0036】本発明にかかる光電変換装置はさらに、上
記光電変換部Aとほぼ同一特性を有し、かつ、上記薄膜
トランジスタBに接続された光電変換部Bを備えている
構成であってもよい。
【0037】上記の構成によれば、信号線にフィードス
ルー信号成分を印加し、それぞれほぼ同一特性を有する
上記薄膜トランジスタAと薄膜トランジスタBとが、ほ
ぼ同一特性を有する光電変換部A、光電変換部Bにそれ
ぞれ接続された構成となる。そのため、両薄膜トランジ
スタA・Bから印加される上記フィードスルー信号成分
の大きさがさらに一致し易くなり、薄膜トランジスタA
を介して信号線に印加されたフィードスルー信号成分を
ほぼ完全に除去可能となる。
【0038】なお、光電変換部Bは光電変換部Aと同一
プロセスで作成可能であり、むしろ光電変換部Bの形成
を防止するためのマスキング工程などが不要となること
から、装置全体の製造プロセスをより簡素化可能とな
る。
【0039】また必要に応じて、上記光電変換部Bへの
上記電磁放射線の入射を防止する遮蔽部をさらに設ける
こともでき、この場合には、光電変換部Bでの電荷の発
生が防止される。よって、薄膜トランジスタBから信号
線に放出される電荷量はそのフィードスルー信号成分に
相当するもののみとなり、薄膜トランジスタAによって
発生するフィードスルー信号成分をより正確にキャンセ
ル可能となる。
【0040】本発明にかかる光電変換装置はさらに、上
記信号線に沿って設けられた複数の上記薄膜トランジス
タAのオン・オフ制御が同期してなされるときに、上記
キャンセル用信号供給手段が、上記信号線に対して複数
設けられる構成であってもよい。
【0041】上記検出手段による検出を行う際、S/N
比(Signal to Noise Ratio)を向上させるために、上記
複数の薄膜トランジスタAのオン・オフ制御を同期的に
行い、一つの信号線に沿って設けられた複数画素の光電
変換部Aで発生した(微小)電荷を信号線上で加算する
駆動方法が採用される場合がある。このとき該信号線に
対して上記キャンセル用信号供給手段を複数(より好ま
しくは薄膜トランジスタAと同数)設け、各キャンセル
用信号供給手段に含まれる薄膜トランジスタBを薄膜ト
ランジスタAと同期的に駆動することにより、複数の薄
膜トランジスタAからのフィードスルー信号成分を効率
的にキャンセル可能となる。
【0042】また、本発明にかかる光電変換装置は、上
記駆動手段Aと駆動手段Bとが一チップ内に形成されて
いる構成であってもよい。
【0043】上記の構成によれば、駆動手段Bを別個の
素子(ICチップ)でおこす必要がなくなり、コスト低
減を図ることができる。また、駆動手段Aと駆動手段B
とを、センサ基板などへワンステップで実装可能とな
り、実装作業の簡素化およびコスト削減を図ることがで
きる。
【0044】本発明にかかる光電変換装置の駆動方法
は、上記の課題を解決するために、電磁放射線の照射量
に応じた量の電荷を発生する光電変換部Aと、発生した
電荷を蓄積する容量部Aと、該容量部Aに蓄積された電
荷が転送される信号線と、上記信号線および容量部Aに
接続され、容量部Aから信号線への電荷の転送を制御す
るスイッチング素子としての薄膜トランジスタAと、該
薄膜トランジスタAに、そのオン・オフを制御する駆動
信号Aを供給する駆動手段Aと、上記信号線に転送され
た上記電荷の量を検出する検出手段とを備えてなる光電
変換装置の駆動方法であって、上記薄膜トランジスタA
のオフ状態からオン状態への切り替え時に信号線に印加
されるフィードスルー信号成分と同期して、該フィード
スルー信号成分と逆極性のキャンセル用信号を上記信号
線に供給し、次いで、上記薄膜トランジスタAをオン状
態としたままで、上記信号線に転送された電荷の量を、
上記検出手段により検出することを特徴としている。
【0045】上記光電変換装置を駆動する際には、薄膜
トランジスタAをオフ状態からオン状態に切り替え、次
いでオン状態から再度オフ状態に切り替えた後に上記信
号線に転送された電荷の量を検出することも可能である
が、この場合には、薄膜トランジスタAをオン状態から
オフ状態に切り替えた際に発生するフィードスルー信号
成分の信号線への印加状態が安定するまで(例えば、薄
膜トランジスタAのオフ状態での時定数に相当する時
間)サンプリング(電荷量の検出)を待機する必要があ
る。
【0046】しかしながら、上記の方法によれば、オン
状態とした薄膜トランジスタAを再度オフ状態にするこ
となく電荷量の検出を行うので、上記薄膜トランジスタ
Aのオフ状態での時定数に相当する時間の待機を省略可
能となり、光電変換装置の高速駆動が可能となる。
【0047】なお、上記の方法では、薄膜トランジスタ
Aをオン状態として、該薄膜トランジスタAから信号線
へのフィードスルー信号成分の印加状態が安定するまで
(より具体的には、検出手段内に設けられるローパスフ
ィルタなどの時定数と信号線の時定数との合計時間分)
待機し、信号線内に転送される電荷の量を検出すること
がより好ましい。
【0048】本発明にかかる光電変換装置の駆動方法は
また、上記の課題を解決するために、電磁放射線の照射
量に応じた量の電荷を発生する光電変換部Aと、該光電
変換部Aで発生した電荷を蓄積する容量部Aと、該容量
部Aに蓄積された電荷が転送される信号線と、上記信号
線および容量部Aに接続され、容量部Aから信号線への
電荷の転送を制御するスイッチング素子としての薄膜ト
ランジスタAと、該薄膜トランジスタAに、そのオン・
オフを制御する駆動信号Aを供給する駆動手段Aと、上
記信号線に転送された上記電荷の量を検出する検出手段
とを備えてなるとともに、電磁放射線の照射量に応じた
量の電荷を発生する光電変換部Bと、該光電変換部Bで
発生した電荷を蓄積する容量部Bと、上記信号線および
容量部Bに接続され、容量部Bから信号線への電荷の転
送を制御するスイッチング素子としての薄膜トランジス
タBと、上記薄膜トランジスタBに、そのオン・オフを
制御する駆動信号Bを供給する駆動手段Bとを含んでな
る光電変換装置の駆動方法であって、上記駆動信号Aお
よび駆動信号Bとして、互いに同期し、かつ逆極性の信
号を用い、上記薄膜トランジスタAがオフ状態でかつ上
記薄膜トランジスタBがオン状態であるときに、上記光
電変換部Bにて発生し、信号線に転送される電荷を、上
記検出手段をリセットすることで消去し、次いで、上記
薄膜トランジスタAをオフ状態からオン状態へ、また上
記薄膜トランジスタBをオン状態からオフ状態へ同時に
切り替えることにより、薄膜トランジスタAを介して信
号線に印加されるフィードスルー信号成分と、薄膜トラ
ンジスタBを介して信号線に印加される逆極性のフィー
ドスルー信号成分とを重畳して、信号線に転送される電
荷の量を上記光電変換部Aにて発生した電荷の量により
近い値に補正し、次いで、上記検出手段により、上記信
号線に転送された電荷の量を検出することを特徴として
いる。
【0049】上記の方法によれば、薄膜トランジスタA
をオンする前に光電変換部Bで発生した電荷を消去し、
この電荷が光電変換部Aにて発生する電荷に重畳されな
いようになっているので、上記検出手段は、光電変換部
Aにて発生する電荷の量により近い量の電荷をサンプリ
ング可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図1ないし図3に基づいて説明すれば
以下の通りである。なお、本願発明は、本実施の形態に
記載の範囲内のみに限定されるものではない。
【0051】本実施の形態に係る撮像装置(イメージセ
ンサ:光電変換装置)は、光電変換部(電荷発生部)に
おいてX線や可視光線などの電磁放射線の照射をうけ
て、その照射量に応じた電荷を発生し、この電荷をデー
タ信号(撮像データ信号:画像データ信号)として読み
出す装置であって、該電荷の読み出しを制御する薄膜ト
ランジスタ(スイッチング素子)のオン動作に由来する
フィールドスルー信号分(フィールドスルー電圧分)
を、読み出されるデータ信号に対し補償する機構を備え
てなるものである。なお、本願発明で光電変換層などの
光電変換部とは、電磁放射線の光子の照射を受け、該光
子を、その照射量(受光量)に応じた量の電荷に変換す
る構成一般を指すものとする。
【0052】この撮像装置は、図3に示すように、ガラ
ス基板などの絶縁性基板上に光電変換層(図示せず)を
二次元的に配置してなるセンサ基板1と、該センサ基板
1を駆動する複数の駆動IC2…と、該センサ基板1の
駆動の結果得られた出力(電気信号)を検出する複数の
検出IC(検出手段)3…とを含んでなる。上記複数の
駆動IC2…は、その入力側で共通の駆動プリント基板
4上に実装されて駆動回路(駆動IC2+駆動プリント
基板4)を構成しており、その出力側でn本のゲートラ
イン(走査線G1 〜Gn )9…と接続されて、センサ基
板1に走査信号(ゲート駆動信号:駆動信号A)を供給
するようになっている。一方、上記複数の検出IC3…
は、その出力側で共通の検出プリント基板5上に実装さ
れて検出回路(検出IC3+検出プリント基板5)を構
成しており、その入力側でm本のデータライン(信号線
1 〜Sm )8…と接続されて、センサ基板1から撮像
データ(画像データ)を読み出すようになっている。な
お、ゲートライン9とデータライン8とは、センサ基板
1内で互いに直交するように配されている。
【0053】また、駆動プリント基板4上には、駆動I
C2の制御およびコントロール・通信基板10とのイン
ターフェイスを行うための回路が形成されており、一
方、検出プリント基板5上には、検出IC3の制御およ
びコントロール・通信基板10とのインターフェイスを
行うための回路が形成されている。
【0054】なお、以下に説明するTFT(薄膜トラン
ジスタA)14の駆動を行うゲートライン9のライン数
n、並びに撮像データを転送するデータライン8のライ
ン数mは、センサ基板1の大きさ、画素ピッチにもよる
が、いずれも一般に数百〜数干ラインに設定される。ま
た、駆動IC2の出力数は、例えば数百に設定される。
【0055】上記の駆動回路および検出回路は、コント
ロール・通信基板10上に設けられたコントロール・通
信回路(制御部)によりその動作を制御されている。な
お、ここで言うコントロール・通信回路とは、センサ基
板1のライン読み出し走査やフレーム周期と同期を持た
ない信号を扱う回路であって、CPUやメモリなどが例
示され、これらは外部回路との通信および光電変換装置
全般の動作制御を行う。
【0056】本実施の形態にかかる撮像装置にはさら
に、上記センサ基板1上に、フィードスルー信号成分キ
ャンセル用TFT(薄膜トランジスタB:以下、キャン
セル用TFTと称する)21…とフィードスルー信号成
分キャンセル用補助容量(以下、キャンセル用補助容量
と称する)22…とを含んで構成されるフィードスルー
信号成分キャンセル用TFTエリア(以下、キャンセル
用TFTエリアと称する)28が設けられており(図
1、図3参照)、加えて、上記キャンセル用TFT21
を駆動するためのフィードスルー信号成分キャンセル用
駆動回路(駆動手段B:以下、キャンセル用駆動回路と
称する)23を備えてなる点に特徴を有する。そして、
これらの構成を備えることで、センサ基板1からのデー
タ信号の読み出しを制御するTFT(スイッチング素
子)のオン動作に由来するフィールドスルー信号分を、
読み出されるデータ信号に対し補償することができるよ
うになっている。
【0057】以下、上記の撮像装置の構成および動作
を、図1ないし図3を参照しながら更に詳細に説明す
る。なお、図1では、説明の便宜上、センサ基板1とし
て1画素に対応する領域のみの等価回路を示している。
【0058】光電変換部として機能するセンサ基板1
は、光や放射線(特にX線)などの電磁波の照射を受け
て、その照射量に応じた量の電荷を生成する光電変換層
(光電変換部A)11と、該電荷を保持する補助容量
(容量部A)13と、補助容量13に蓄積された電荷の
読み出しを制御するTFT(Thin Film Transistor:薄
膜トランジスタ)14とを含んで構成されている。上記
の光電変換層11はアモルファスセレン等の層により構
成され、バイアス電源12と接続されてバイアス電圧が
印加されるようになっている。また、TFT14のドレ
イン電極DA は補助容量13をなす電極の一方に、ゲー
ト電極GA はゲートライン(走査線)9を介して駆動I
C(駆動手段A)2に、ソース電極SA はデータライン
(信号線)8を介して検出IC3に接続されている。な
お、TFT14には、破線で示すように、ゲート電極G
A とドレイン電極DA との間、およびゲート電極GA
ソース電極SA との間に、電極間のオーバーラップにて
生ずる容量が存在している。
【0059】上記の検出IC3は、積分アンプ15、ロ
ーパスフィルタ16、増幅アンプ17、並びにサンプル
ホールド回路18等がこの順に接続されてなる構成を、
検出対象のデータライン数分(例えば数百ライン数分)
有してなっている。また、該検出IC3では、回路のオ
フセット及びノイズを除去するために、二重相関サンプ
リングが行われる。
【0060】補助容量13から、データライン8を介し
て検出IC3側に読み出された電荷(撮像データに相
当)は、まず積分アンプ15に入力される。上記の積分
アンプ15は、入力された電荷量に比例した電圧を出力
し、この出力は、ローパスフィルタ16を介して増幅ア
ンプ17に入力される。なお、ローパスフィルタ16
は、積分アンプ15の出力中のノイズを低減するために
設けられている。また、増幅アンプ17は、入力された
値(電圧値)を増幅して出力する。
【0061】増幅アンプ17の出力は、サンプルホール
ド回路18に入力され、一定期間保持される。この保持
された値は、検出ICコントロール部20内のA/D変
換器(図示せず)に出力され、該A/D変換器でデジタ
ルデータに変換された後に、デジタル画像データとし
て、検出プリント基板5を介してコントロール・通信基
板10に時系列的に出力される。
【0062】なお、積分アンプ15および増幅アンプ1
7にはそれぞれ、リセットスイッチ19・19が並列に
接続されており、データライン8を介して撮像データが
入力される度に、上記のリセットスイッチ19・19の
オン・オフが行われて、これらアンプへの新規な撮像デ
ータの入力がなされる。また、リセットスイッチ19・
19のオン・オフ動作は、検出ICコントロール部20
の出力により制御される。検出ICコントロール部20
は、検出IC3の制御及び、検出IC3と検出プリント
基板5とのインターフェイスを行っている。
【0063】この撮像装置では、上記キャンセル用TF
Tエリア28(図3参照)は、検出IC3…が実装され
るセンサ基板1の一辺の対辺に沿って帯状に形成されて
おり、このエリアの伸長方向に沿って複数のキャンセル
用TFT21…(図1では一つのみ示す)が配置されて
いる。より具体的には、これらのキャンセル用TFT2
1は一本のデータライン8に対応して一つずつ設けられ
ており、そのゲート電極GB がゲートライン9aと、そ
のソース電極SB が上記データライン8と、そのドレイ
ン電極DB が上記キャンセル用補助容量(容量部B)2
2の一方の端子と接続されている。
【0064】なお、上記のゲートライン9aは、キャン
セル用TFTエリア28内にゲートライン9と平行に一
本のみ設けられており、その一端にはキャンセル用駆動
回路23が接続されている。また、キャンセル用駆動回
路23は、上記の駆動プリント基板4を介して、コント
ロール・通信基板10上のコントロール・通信回路(制
御部)に接続されており、後述するタイミングで、キャ
ンセル用TFT21にそのオン・オフを制御する走査信
号(ゲート駆動信号:駆動信号B)を供給するようにな
っている。
【0065】また、上記キャンセル用TFT21の電気
的特性は、TFT14と略同一となるように設計されて
いる。さらに、キャンセル用TFT21のゲート電極G
B とドレイン電極DB との間およびゲート電極GB とソ
ース電極SB との間には、これら電極間のオーバーラッ
プにより容量が生じているが、この容量値(静電容量)
もTFT14の場合と略同一となるよう設計されてい
る。なお、上記キャンセル用TFT21とTFT14と
は同一基板上に形成されるものであり、同一材料、同一
規格で形成することはさほど困難ではない。
【0066】上記のキャンセル用TFT21は、光電変
換による電荷の転送が目的ではなく、フィードスルー信
号成分の即時的なキャンセルを目的としているため、そ
のドレイン電極側には光電変換層が接続されない。ま
た、キャンセル用補助容量22も、補助容量13と同じ
容量値(静電容量)となるよう設計されている。
【0067】キャンセル用駆動回路23は、駆動IC2
…と同期して、ほぼ電圧の大きさが等しくかつ逆極性
(すなわち、電位差の絶対値が等しく±が逆)の走査信
号(駆動信号B)を、ゲートライン9aを介してキャン
セル用TFT21に与える。このような構成とすること
により、TFT14のオン・オフ状態切り替え時におけ
る、フィードスルー信号成分をキャンセルすることが可
能となる。以下、図2に示す撮像装置の駆動タイミング
チャートなども参照しながら説明する。
【0068】(1) 時間t1〜t2 撮像データに相当する可視光や放射線等が光電変換層1
1に入射すると、光電変換層11では入射量に応じた量
の電荷(光電変換後の撮像データ)が発生する。ここで
発生した電荷はバイアス電圧の印加により補助容量13
に送り込まれて蓄積される。なお、以下の説明では、上
記バイアス電圧を負の電圧とし、電子が補助容量13に
蓄積されるものとする。
【0069】駆動IC2は、TFT14のオン・オフを
制御するパルス(ゲート駆動信号:駆動信号A)を発生
し、このパルスは、ゲートライン9を介してTFT14
のゲート電極GA に与えられる。そして、図2に示す時
間t1で該パルスがオフレベルからオンレベルとなると
TFT14がオンされて、補助容量13に蓄積された電
荷は、データライン8を介して検出IC3側に供給され
る。
【0070】このとき、ゲート電極GA を介してドレイ
ン電極DA とソース電極SA とへ正孔が漏れ込むという
フィードスルー現象が生じるが、同時に(すなわち時間
t1で)、キャンセル用TFT21のゲート駆動信号
(駆動信号B)をオンレベルからオフレベルとすると、
前記正孔と逆極性かつ同電荷量(同電気量)の電子が、
キャンセル用TFT21のドレイン電極DB とソース電
極SB とへ漏れ込んでくる。
【0071】すでに説明したように、各データライン8
には、TFT14のソース電極SAと、キャンセル用T
FT21のソース電極SB とが接続されているので、そ
れぞれのソース電極から、互いに逆極性かつ電荷量の等
しい正孔および電子が漏れ込んでくる。また、各データ
ライン8には、複数のTFT14…が接続されている
が、それぞれのTFT14は異なるタイミングで駆動さ
れる(一時には一つのTFT14のみが駆動される)。
このため、データライン8上のフィードスルー信号成分
による電荷の総和はほぼ0となり、TFT14由来のフ
ィードスルー信号成分はキャンセルされる。つまり、積
分アンプ15の出力にフィードスルー信号成分による変
化が出現することが抑制される。
【0072】また、実際には、それぞれのゲート駆動信
号のタイミングのずれや、TFT14とキャンセル用T
FT21とのオン・オフ特性の違い等により、正孔、電
子がデータライン8に漏れ込んでくるスピードに差がで
き、時間t1および、後続する時間t2で積分アンプ1
5の出力が若干変化する場合もあるが、いずれの場合で
も、データライン8上のフィードスルー信号成分による
電荷の総和をより0に近づけることが可能となる。
【0073】また、データライン8において上記フィー
ドスルー信号成分による電荷の総和がほぼ0となるの
で、図2に実線で示すように、暗時では、積分アンプ1
5の出力は変化しないが、明時(光入射時)では、そこ
に撮像データに相当する入力信号ΔVの電圧信号のみが
重畳されるので、出力信号の波形が破線で示すようにな
る。その結果、積分アンプ15の出力が入力されるロー
パスフィルタ16の出力は、暗時では変化は無いが、光
入射時では、時間t1〜t2の間で積分アンプ15の出
力値の変動に同調し該出力値に近づくように、所定の時
定数を持って上昇していく。
【0074】(2) 時間t2〜t5 図2に示す時間t2では、TFT14へのTFTゲート
駆動信号がオフされて、オン時に漏れ込んだのと同量か
つ逆極性の電荷(すなわち同一電荷量の電子)が、フィ
ードスルー現象によりデータライン8に流れ込み、同時
に、上記キャンセル用TFT21へのTFTゲート駆動
信号がオンされて、オフ時に漏れ込んだのと同量かつ逆
極性の電荷(すなわち同一電荷量の正孔)が、フィード
スルー現象によりデータライン8に流れ込む。この結
果、データライン8に漏れ込んだ電子と正孔とは互いに
打ち消し合って、積分アンプ15の出力値に変化を与え
ない。つまり、積分アンプ15は、上記入力信号ΔVの
みが重畳された出力信号の出力を維持する。
【0075】その結果、積分アンプ15の出力が入力さ
れるローパスフィルタ16からの出力は、暗時では変化
は無いが、光入射時では、積分アンプ15の出力値の変
動に同調し該出力値と同等の出力(入力信号ΔVのみが
重畳された出力)を維持する。そして、所定値で安定し
たこの出力は、光電変換後の撮像データとして、サンプ
リングに供される。
【0076】すなわち、上記ローパスフィルタ16の出
力は、増幅アンプ17を介してサンプルホールド回路1
8に送られて、所定時間ホールドされる。そして、時間
t3〜t5間の時間t4(サンプリングタイミング)、
より具体的には、時間t2からデータライン8の時定数
とローパスフィルタ16の時定数との合計以上の時間が
経過した後に、光電変換後の撮像データ(上記サンプル
ホールド回路18でホールドされたデータ)をサンプリ
ングすると、暗時には出力F1に対応した値が、また光
入射時には出力F2に対応した値が得られる。
【0077】(3) 時間t5 時間t5でリセットスイッチ19・19がオンされる
と、データライン8、積分アンプ15、ローパスフィル
タ16、並びに増幅アンプ17がリセットされて、デー
タライン8に次に入力される撮像データのサンプリング
が実行可能な待機状態となる。
【0078】以上のように、本実施の形態にかかる撮像
装置では、撮像データの出力を制御するTFT14とキ
ャンセル用TFT21とを一本のデータライン8に設け
て、いずれか一方をオフからオンするタイミングで他方
をオンからオフにすることにより、TFT14用のゲー
ト駆動信号のデータライン8への漏れ込みに起因するフ
ィードスルー信号成分を、キャンセル用TFT21由来
のフィードスルー信号成分(キャンセル用信号)により
打ち消し合うように構成したものである。
【0079】この構成によれば、TFT14由来のフィ
ードスルー信号成分の重畳のない撮像データをサンプリ
ングすることが可能となり、より高精度な一次元、二次
元撮像装置を提供可能となる。また、該フィードスルー
信号成分による検出用アンプ(積分アンプ15、増幅ア
ンプ17)の飽和、動作異常、および消費電力の増加が
防止されるとともに、信号処理速度を高速化した場合で
あっても正確な画像を読み取ることが可能となる。
【0080】なお、いうまでもないが、本発明にて採用
されるキャンセル用信号供給手段は、上記キャンセル用
TFT21などを含んだ構成に特に限定されるものでは
ない。すなわち、TFT14のオフ状態とオン状態との
切り替え時にデータライン8に印加されるフィードスル
ー信号成分と同期して、該フィードスルー信号成分と逆
極性のキャンセル用信号をデータライン8に供給可能な
構成であれば、特に限定なく採用可能である。
【0081】また、上記の説明では、TFT14がオフ
状態からオン状態になるときに、キャンセル用TFT2
1がオン状態からオフ状態になる場合を例に挙げて説明
を行ったが、TFT14とキャンセル用TFT21とが
同時にオフ状態からオン状態になるものであってももち
ろんフィードスルー信号成分をキャンセルする効果は得
られる。この場合には、図2に示すキャンセル用TFT
21に供給される駆動信号がハイレベル(該図ではオン
レベルと記載)となるタイミングでキャンセル用TFT
21がオフされ、ロウレベル(該図ではオフレベル)と
なるタイミングでキャンセル用TFT21がオンされ
る。
【0082】また、図3に示す構成のセンサ基板1で
は、ゲートライン方向にm個、データライン方向にn個
の光電変換素子(光電変換層11、TFT14、および
補助容量13からなる構成)が並んでいる。この構成で
は、1回のゲートライン駆動信号(TFT14用)で読
み出されるデータはm個になるので、フィードスルー信
号成分キャンセル用TFTエリア28に、キャンセル用
TFT21をゲートライン方向にm個並べ、それぞれデ
ータライン8に接続すればよい。
【0083】そして、これらm個のキャンセル用TFT
21を、1ラインの検出毎に、図2に示すように駆動す
れば、センサ基板1全体のデータ読み取りにおいて、フ
ィードスルー信号成分のキャンセルを行うことが可能と
なる。
【0084】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について、図4などに基づいて説明すれば以下の通りで
ある。なお、本願発明は、本実施の形態に記載の範囲内
のみに限定されるものではない。
【0085】本実施の形態では、図1および図3に示す
構成を有する撮像装置の駆動方法のバリエーションにつ
いて説明を行う。上記実施の形態1では、TFT14が
オフされ、かつキャンセル用TFT21がオンされたタ
イミング(図2に示す時間t4)で、撮像データのサン
プリングを行う例について説明したが、場合によって
は、TFT14がオンされ、かつキャンセル用TFT2
1がオフされたタイミングでのサンプリングも可能であ
り、状況に応じてサンプリングに要する時間を短縮可能
となる。以下、図1、図3に示す撮像装置の構成、並び
に図4に示す撮像装置の駆動タイミングチャートなども
参照しながら説明する。
【0086】(1) 時間T1〜T2 撮像データに相当する放射線等が光電変換層11に入射
すると、入射量に応じた量の電荷が発生する。ここで発
生した電荷はバイアス電圧の印加により補助容量13に
送り込まれて蓄積される。なお、以下の説明では、上記
バイアス電圧を負の電圧とし、電子が補助容量13に蓄
積されるものとする。
【0087】駆動IC2は、TFT14のオン・オフを
制御するパルス(ゲート駆動信号:走査信号)を発生
し、このパルスは、ゲートライン9を介してTFT14
のゲート電極GA に与えられる。そして、図4に示す時
間T1で該パルスがオンレベルとなるとTFT14がオ
ンされて、補助容量13に蓄積された電荷は、データラ
イン8を介して検出IC3側に供給される。
【0088】このとき、ゲート電極GA を介してドレイ
ン電極DA とソース電極SA とへ正孔が漏れ込むフィー
ドスルー現象が生じるが、同時に(すなわち時間T1
で)、キャンセル用TFT21のゲート駆動信号(走査
信号)をオンレベルからオフレベルとすると、前記正孔
と逆極性かつ同電荷量の電子が、キャンセル用TFT2
1のドレイン電極DB とソース電極SB とへ漏れ込んで
くる。
【0089】各データライン8には、TFT14のソー
ス電極SA と、キャンセル用TFT21のソース電極S
B とが接続されているので、それぞれのソース電極か
ら、互いに逆極性かつ電荷量の等しい正孔および電子が
漏れ込んでくる。このため、データライン8上のフィー
ドスルー信号成分による電荷の総和はほぼ0となり、T
FT14由来のフィードスルー信号成分はキャンセルさ
れる。つまり、積分アンプ15の出力にフィードスルー
信号成分による変化が出現することが抑制される。
【0090】また、実際には、それぞれのゲート駆動信
号のタイミングのずれや、TFT14とキャンセル用T
FT21とのオン・オフ特性の違い等により、正孔、電
子がデータライン8に漏れ込んでくるスピードに差がで
き、時間T1および、後述する時間T3で積分アンプ1
5の出力が若干変化する場合もあるが、いずれの場合で
も、データライン8上のフィードスルー信号成分による
電荷の総和をより0に近づけることが可能となる。
【0091】また、データライン8において上記フィー
ドスルー信号成分による電荷の総和がほぼ0となるの
で、図4に実線で示すように、暗時では、積分アンプ1
5の出力は変化しないが、光入射時では、そこに撮像デ
ータに相当する入力信号ΔVの電圧信号のみが重畳され
るので、出力信号の波形が破線で示すようになる。その
結果、積分アンプ15の出力が入力されるローパスフィ
ルタ16の出力は、暗時では変化は無いが、光入射時で
は、時間T1〜T2の間で積分アンプ15の出力値の変
動に同調し該出力値に近づくように、所定の時定数を持
って上昇していく。
【0092】(2) 時間T2〜T4 本実施の形態では、時間T1後に、TFT14へのゲー
ト駆動信号をオフレベルとし、同時にキャンセル用TF
T21へのゲート駆動信号をオンレベルとする時間T3
(図2に示す時間t2に相当)を、データライン8の時
定数とローパスフィルタ16の時定数との双方を考慮し
て決定している。より具体的には、上記の時間T1を基
点とし、データライン8の時定数およびローパスフィル
タ16の時定数の合計以上の時間が経過するタイミング
を時間T2とし、この時間T2よりさらに時間が経過し
たタイミングを上記の時間T3としている。
【0093】上記の時間T2では、時間T1から、デー
タライン8およびローバスフィルタ16の時定数分の時
間が経過しているので、上記ローパスフィルタ16の出
力は、積分アンプ15の出力に応じた一定値に安定して
いることが期待される。よって時間T2をサンプリング
タイミングとし、サンプルホールド回路18にホールド
された撮像データのサンプリングを行う。この結果、暗
時には出力G1に対応した値が、また光入射時には出力
G2に対応した値が得られる。
【0094】次いで、時間T3で、TFT14用のゲー
ト駆動信号をオフレベルとし、キャンセル用TFT21
用のゲート駆動信号をオンレベルとする。この時、TF
T14およびキャンセル用TFT21よりデータライン
8に漏れ込んでくる正孔、電子の電荷量は等しいため、
積分アンプ15およびローパスフィルタ16の出力に、
変化は見られない。
【0095】次いで、時間T4でリセットスイッチ19
・19がオンされると、データライン8、積分アンプ1
5、ローパスフィルタ16、並びに増幅アンプ17がリ
セットされる。
【0096】そして、上記説明のタイミングでセンサ基
板1を駆動すれば、TFT14が再度オフされ、同時に
キャンセル用TFT21がオンされるタイミング(時間
T3)まで待機することなく、フィードスルー信号成分
のない区間(時間T2)で、データをサンプルすること
ができる。そして、データサンプリングをこのタイミン
グで行えば、図12に示す、TFT114オフ時におけ
る時間td(センサ基板101のデータライン108の
時定数にて決まる時間)分の待機を省くことができるの
で、従来のサンプリング速度を上回る高速動作が可能と
なる。
【0097】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図5ないし図8などに基づいて説明す
れば以下の通りである。なお、本願発明は、本実施の形
態に記載の範囲内のみに限定されるものではない。ま
た、上記実施の形態1と同一の機能を有する部材には同
一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとす
る。
【0098】本実施の形態にかかる撮像装置(光電変換
装置)は、上記実施の形態1にかかる撮像装置とほぼ同
一の概略構成を有しているが(図3参照)、上記キャン
セル用TFT21のドレイン電極DB の接続形態に相違
点を有する。以下、両装置の相違点であるキャンセル用
TFT21近傍の構成を中心に説明を行う。
【0099】本実施の形態にかかる撮像装置の一画素分
の概略回路は図5に示す通りであり、駆動IC2や検出
IC3を有する点、および一本のデータライン8にTF
T14に加えてキャンセル用TFT21が接続されてい
る基本構成は、上記実施の形態1に示す基本構成と同様
である。本実施の形態ではさらに、キャンセル用TFT
(フィードスルー信号成分キャンセル用TFT)21の
ドレイン電極DB 側にも、光電変換層11と同一構成の
光電変換層24(光電変換部B)が形成されており、加
えて、遮蔽部材(遮光部材:遮蔽部)25が光電変換層
24の入射側に配置されて、該光電変換層24への光の
入射を防止するようになっている。また光電変換層11
と同様に、光電変換層24もバイアス電源12と接続さ
れてバイアス電圧が印加されるようになっている。
【0100】つまり、本実施の形態では、撮像データの
光電変換および転送に寄与する電荷転送ブロック26
と、該電荷転送ブロック26で発生するフィードスルー
信号成分をキャンセルするためのキャンセルブロック2
7とを同一構成としており、これにより、センサ基板1
上に光電変換層(光電変換層11・24となる)を形成
する際に、キャンセルブロック27側への光電変換層の
形成を防止するためのマスキング工程などを省略可能と
なる。よって、撮像装置の製造コスト、製造時間をより
削減することが可能となる。
【0101】なお、ここで、電荷転送用ブロック26と
は、光電変換層11、補助容量13、並びにTFT14
からなるブロックを指し、キャンセルブロック27と
は、光電変換層24、キャンセル用補助容量22、並び
にキャンセル用TFT21からなるブロックを指してい
る。また、キャンセル用補助容量22は、上記実施の形
態1と同様に、例えば、電荷転送用ブロック26側の補
助容量13と同じ容量値となるよう設計すればよい。
【0102】また、遮蔽部材25を設ければ、光電変換
層24での電荷発生はなくなり、キャンセル用TFT2
1のオン・オフによりデータライン8に放出される電荷
は、該キャンセル用TFT21で発生するフィードスル
ー信号成分のみとなる。よって、TFT14で発生する
フィードスルー信号成分を正確にキャンセルすることが
できる。なお、TFT14およびキャンセル用TFT2
1をオン・オフするタイミングなどは、上記実施の形態
1で説明した通りであり(図2参照)、説明は省略す
る。
【0103】また場合によっては、上記の遮蔽部材25
を省略することも可能であり、この構成によれば、撮像
装置の製造コストや製造時間などをさらに一層削減する
ことが可能となる。なお、このような構成を有する撮像
装置では、上記実施の形態1で説明したものとは異なる
駆動制御、つまり光電変換層24で発生する電荷分を予
め消去する動作制御が必要とされる。以下、図6に示す
動作タイミングチャートおよび図5を参照しながら詳細
に説明する。
【0104】上記遮蔽部材25を有さない撮像装置に、
時間t01で光の照射が行われると、光電変換層11・2
4の双方に電荷が発生する。次いで、少なくとも時間t
01〜t02の期間、すなわち光電変換層24から積分アン
プ15に至る時定数以上の時間にわたり、キャンセル用
TFT21をオンするゲート駆動信号をキャンセル用駆
動回路23から供給すると、キャンセル用ブロック27
側の光電変換層24で発生した電荷は全て積分アンプ1
5に転送され、光電変換層24の電荷は0となる。な
お、この時、TFT14用のゲート駆動信号はオフレベ
ルとされている。
【0105】次いで、時間t02にて積分アンプ15をリ
セット(リセットスイッチ19をオン)すると、光電変
換層24で発生し積分アンプ15に転送された上記電荷
は消去される。この状態は、上記実施の形態1にかかる
撮像装置の初期状態(図2に示す時間t1以前の状態)
と同一であるので、以降、時間t1〜時間t5での動作
は、上記実施の形態1にかかる撮像装置と同様に行えば
よい。
【0106】また、データライン8とこれに交差する複
数のゲートライン9…との各交差部に設けられたTFT
14…を連続してオンし、各光電変換層11で発生した
電荷を連続して検出する場合には、上記時間t01〜t02
における光電変換層24由来の電荷の消去動作は、検出
初めに1回だけ行えばよく、以降は、TFT14が設け
られたライン数分(すなわち、ゲートライン9の本数
分)、図6に示す時間t1以降の動作制御を繰り返せば
よい。これにより、全てのラインでのフィードスルー信
号成分をキャンセルすることができる。
【0107】つまり、上記説明のタイミングで撮像装置
(光電変換装置)を駆動することにより、光の遮蔽部材
(遮光部材)25を設けなくても、キャンセル用TFT
21のオン・オフにより、データライン8に放出される
電荷をフィードスルー信号成分に由来するもののみとす
ることができ、TFT14で発生するフィードスルー信
号成分を正確にキャンセルすることができる。
【0108】なお、センサ基板1内にゲートライン方向
にm個、データライン方向にn個の光電変換素子(光電
変換層11、TFT14、および補助容量13からなる
構成)が並んでいるとすれば(図3参照)、1回のゲー
トライン駆動信号(TFT14用)で読み出されるデー
タはm個になるので、フィードスルー信号成分キャンセ
ル用TFTエリアに、キャンセル用TFT21をゲート
ライン方向にm個並ぺ、それぞれデータライン8に接続
すればよい。
【0109】そして、フィードスルー信号成分キャンセ
ル用エリア(より具体的には、光電変換層24の入射
側)を光の遮蔽部材25で被覆する場合には、これらm
個のキャンセル用TFT21を、1ラインの検出毎に、
図2に示すタイミングでオン・オフし、また、上記遮蔽
部材25を省略する場合には、図6に示すタイミングで
オン・オフすることにより、センサ基板1全体のデータ
読み取りにおいて、フィードスルー信号成分のキャンセ
ルを行うことが可能となる。
【0110】なお、上記実施の形態1にも適用可能であ
るが、本実施の形態にかかる撮像装置(光電変換装置)
を、複数ラインの同時駆動を実行可能に構成することも
できる。以下、より具体的に説明を行う。
【0111】上記実施の形態1にかかる撮像装置では、
キャンセル用駆動回路23からセンサ基板1へ1本のゲ
ートライン9aが設けられていたが(図3参照)、例え
ば、図7に示すように、キャンセル用駆動回路23から
センサ基板1へ2本のゲートライン9a・9aを設け、
該ゲートライン9a・9aそれぞれに沿ってキャンセル
用TFT21(図7には図示せず)を配することも可能
である。
【0112】より具体的には、上記キャンセル用TFT
21…は、m本の各データライン8に対応して、該デー
タライン8とゲートライン9a・9aとの各交差部近傍
に2×m個分(2ライン分)用意される。また、フィー
ドスルー信号成分キャンセル用駆動回路23の出力信号
(ゲート駆動信号)は、前記2ライン分のキャンセル用
TFT21…を同時に駆動するべく、上記2本のゲート
ライン9a・9aに同一タイミングかつ同一波形で供給
され、これに応じて、TFT14用のゲート駆動信号
も、2ライン分のTFT14…を同時に駆動するべく、
2本のゲートライン9・9に同一タイミングかつ同一波
形で供給されるようになっている。
【0113】なお、2本のゲートライン9a・9a、2
本のゲートライン9・9に同時にゲート駆動信号を供給
する以外は、図7に示すセンサ基板1の駆動法は、すで
に説明した通りである。つまり、該センサ基板1におい
てフィードスルー信号成分キャンセル用エリア(より具
体的には、光電変換層24の入射側)28を光の遮蔽部
材25で被覆する場合には、これら2×m個のキャンセ
ル用TFT21を、2ライン分の同時検出毎に図2に示
すタイミングでオン・オフし、また、上記遮蔽部材25
を省略する場合には、図6に示すタイミングでオン・オ
フすることにより、センサ基板1全体のデータ読み取り
において、フィードスルー信号成分のキャンセルを行う
ことが可能となる。
【0114】センサ基板1を図7に示す構成とすれば、
複数ゲートライン(図7では2本)9…の同時オンによ
る加算検出時においても、複数(2つ)のTFT14・
14(転送用TFT)より一本のデータライン8に漏れ
出るフィードスルー信号成分の電荷量と、複数(2つ)
のキャンセル用TFT21・21より該データライン8
に漏れ出るフィードスルー信号成分の電荷量を、逆極性
かつ同じにすることができる。つまり、上記フィードス
ルー信号成分をキャンセル可能となる。
【0115】なお、撮像装置に設けられるセンサ基板で
は、高速駆動時に、データライン方向に沿った数ライン
(ゲートライン)のゲート駆動信号を同時にオンレベル
とし、この結果得られる複数ライン分の微小電荷を加算
して、S/N比を上げることがしばしば行われる。
【0116】また、いうまでもないが、同時駆動される
ゲートラインの本数は特に2本に限られず、3本以上で
あってもよい。さらに、同時駆動されるゲートラインの
本数が複数(N本:N≧2の自然数)の場合には、TF
T14と同一特性のキャンセル用TFT21…を各デー
タラインにN個設けることがより好ましいが、少なくと
も1つ以上(N個以下)設けていれば、TFT14由来
のフィードスルー信号成分の影響を低減することが可能
となる。
【0117】また、図8に示すように、図7に示すキャ
ンセル用駆動回路23と一つの転送用駆動回路(駆動I
C2)とを、1つのICである転送・キャンセル用駆動
IC29内(すなわち一チップ内)に形成することも可
能である。これにより、上記キャンセル用駆動回路を個
別のICで起こす必要が無くなり、製造コストの低減を
図ることができる。また、センサ基板1へのICの実装
時にも、上記キャンセル用駆動回路23のみを搭載した
専用ICの実装工程が省略可能となるので、作業の簡易
化およびコストの低減を図ることができる。
【0118】
【発明の効果】本発明にかかる光電変換装置は、以上の
ように、電磁放射線量に応じた電荷を発生する光電変換
部Aと、電荷を蓄積する容量部Aと、この電荷が転送さ
れる信号線と、容量部Aから信号線への電荷の転送を制
御する薄膜トランジスタAと、薄膜トランジスタAのオ
ン・オフを制御する駆動信号Aを供給する駆動手段A
と、信号線に転送された電荷の量を検出する検出手段と
を備えてなり、さらに薄膜トランジスタAのオフとオン
との切り替え時に信号線に印加されるフィードスルー信
号成分と同期して、逆極性のキャンセル用信号を信号線
に供給するキャンセル用信号供給手段が備えられている
構成である。
【0119】上記の構成によれば、容量部Aに蓄積され
た上記電荷を信号線に転送する際に、薄膜トランジスタ
Aにて発生するフィードスルー信号成分と、キャンセル
用信号とが互いにキャンセルし合う。その結果、上記フ
ィードスルー信号成分が即座に、大幅に低減または完全
に除去されるので、上記検出手段は、上記光電変換層A
にて発生した電荷の量をより迅速かつ正確に検出するこ
とが可能となるという効果を奏する。
【0120】また、上記の構成において、さらに、上記
キャンセル用信号供給手段が、容量部Bと、容量部Bか
ら信号線への電荷の転送を制御する薄膜トランジスタB
と、薄膜トランジスタBのオン・オフを制御する駆動信
号Bを供給する駆動手段Bとを含んでなり、上記駆動信
号Aと駆動信号Bとが互いに同期し、かつ逆極性となっ
ている構成であってもよい。
【0121】上記の構成によれば、薄膜トランジスタA
を介して信号線に印加されるフィードスルー信号成分
と、薄膜トランジスタBを介して信号線に印加されるフ
ィードスルー信号成分とが互いに同期しかつ逆極性とな
り、薄膜トランジスタAを介して信号線に印加されたフ
ィードスルー信号成分が即座に大幅に低減されるので、
検出手段は、光電変換層Aにて発生した電荷の量をより
迅速かつ正確に検出することが可能となるという効果を
奏する。
【0122】さらに、上記の構成において、薄膜トラン
ジスタA・Bが略同一特性を有するとともに、上記駆動
信号A・Bが互いに同期し、電圧の大きさがほぼ等しく
かつ逆極性となっていることがより好ましい。
【0123】上記の構成によれば、薄膜トランジスタA
を介して信号線に印加されたフィードスルー信号成分を
ほぼ完全に除去可能となるという効果を加えて奏する。
【0124】本発明にかかる光電変換装置はさらに、上
記の構成において、光電変換部Aとほぼ同一特性を有
し、かつ、薄膜トランジスタBに接続された光電変換部
Bを備えている構成であってもよい。
【0125】上記の構成によれば、光電変換部Bの形成
を防止するためのマスキング工程などが不要となること
から、装置全体の製造プロセスをより簡素化可能となる
という効果を加えて奏する。
【0126】また必要に応じて、上記光電変換部Bへの
上記電磁放射線の入射を防止する遮蔽部をさらに設ける
こともできる。
【0127】この場合には、薄膜トランジスタBから信
号線に放出される電荷量はそのフィードスルー信号成分
に相当するもののみとなり、薄膜トランジスタAによっ
て発生するフィードスルー信号成分をより正確にキャン
セル可能となるという効果を加えて奏する。
【0128】本発明にかかる光電変換装置はさらに、上
記構成において、同期して駆動される薄膜トランジスタ
Aが信号線に沿って複数設けられるとともに、キャンセ
ル用信号供給手段が、信号線に対して複数設けられる構
成であってもよい。
【0129】上記の構成によれば、複数の薄膜トランジ
スタAからのフィードスルー信号成分を効率的にキャン
セル可能となるという効果を加えて奏する。
【0130】本発明にかかる光電変換装置はさらに、上
記の構成において、駆動手段Aと駆動手段Bとが一チッ
プ内に形成されている構成であってもよい。
【0131】上記の構成によれば、駆動手段Bを別個の
素子でおこす必要がなくなり、コスト低減を図ることが
できるという効果を加えて奏する。
【0132】本発明にかかる光電変換装置の駆動方法
は、以上のように、電磁放射線量に応じた電荷を発生す
る光電変換部Aと、電荷を蓄積する容量部Aと、この電
荷が転送される信号線と、容量部Aから信号線への電荷
の転送を制御する薄膜トランジスタAと、薄膜トランジ
スタAのオン・オフを制御する駆動信号Aを供給する駆
動手段Aと、信号線に転送された電荷の量を検出する検
出手段とを備えてなる光電変換装置の駆動方法であっ
て、薄膜トランジスタAのオフからオンへの切り替え時
に信号線に印加されるフィードスルー信号成分と同期し
て、これと逆極性のキャンセル用信号を信号線に供給
し、次いで、薄膜トランジスタAをオンしたままで、信
号線に転送された電荷の量を、検出手段により検出する
方法である。
【0133】上記の方法によれば、オン状態とした薄膜
トランジスタAを再度オフ状態にすることなく電荷量の
検出を行うので、薄膜トランジスタAのオフ状態での時
定数に相当する時間の待機を省略可能となり、光電変換
装置の高速駆動が可能となるという効果を奏する。
【0134】本発明にかかる光電変換装置の駆動方法は
また、以上のように、電磁放射線量に応じた電荷を発生
する光電変換部Aと、電荷を蓄積する容量部Aと、この
電荷が転送される信号線と、容量部Aから信号線への電
荷の転送を制御する薄膜トランジスタAと、薄膜トラン
ジスタAのオン・オフを制御する駆動信号Aを供給する
駆動手段Aと、信号線に転送された電荷の量を検出する
検出手段とを備えてなるとともに、電磁放射線量に応じ
た電荷を発生する光電変換部Bと、電荷を蓄積する容量
部Bと、容量部Bから信号線への電荷の転送を制御する
薄膜トランジスタBと、薄膜トランジスタBのオン・オ
フを制御する駆動信号Bを供給する駆動手段Bとを含ん
でなる光電変換装置の駆動方法であって、駆動信号A・
Bとして、互いに同期しかつ逆極性の信号を用い、薄膜
トランジスタAがオフでかつ薄膜トランジスタBがオン
であるときに、光電変換部Bにて発生し、信号線に転送
される電荷を、検出手段をリセットすることで消去し、
次いで、薄膜トランジスタAをオンへ、また薄膜トラン
ジスタBをオフへ同時に切り替えることにより、薄膜ト
ランジスタA・Bそれぞれを介して信号線に印加される
フィードスルー信号成分同士を重畳して、信号線に転送
される電荷の量を光電変換部Aにて発生した電荷の量に
より近い値に補正し、次いで、上記検出手段により、信
号線に転送された電荷の量を検出する方法である。
【0135】上記の方法によれば、薄膜トランジスタA
をオンする前に光電変換部Bで発生した電荷を消去し、
この電荷が光電変換部Aにて発生する電荷に重畳されな
いようになっているので、上記検出手段は、光電変換部
Aにて発生する電荷の量により近い量の電荷をサンプリ
ング可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる光電変換装置
(撮像装置)の1画素分の概略構成を示す回路図であ
る。
【図2】図1に示す光電変換装置の駆動状態の一例を示
すタイミングチャートである。
【図3】図1に示す光電変換装置の概略構成の一例を示
すブロック図である。
【図4】本発明の他の実施の形態にかかり、上記光電変
換装置の駆動状態の他の例を示すタイミングチャートで
ある。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態にかかる光電変
換装置の1画素分の概略構成を示す回路図である。
【図6】図5に示す光電変換装置の駆動状態の一例を示
すタイミングチャートである。
【図7】図5に示す光電変換装置の一概略構成を示すブ
ロック図である。
【図8】図5に示す光電変換装置の他の概略構成を示す
ブロック図である。
【図9】従来の光電変換装置(X線撮像装置)の概略構
成を示す図である。
【図10】図9に示す光電変換装置の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図11】図9に示す光電変換装置の1画素分の概略構
成を示す回路図である。
【図12】図9に示す光電変換装置の駆動状態を示すタ
イミングチャートである。
【符号の説明】
2 駆動IC(駆動手段A) 3 検出IC(検出手段) 8 データライン(信号線) 11 光電変換層(光電変換部A) 13 補助容量(容量部A) 14 TFT(薄膜トランジスタA) 21 キャンセル用TFT(薄膜トランジスタB:キ
ャンセル用信号供給手段) 22 キャンセル用補助容量(容量部B:キャンセル
用信号供給手段) 23 キャンセル用駆動回路(駆動手段B:キャンセ
ル用信号供給手段) 24 光電変換層(光電変換部B) 25 遮蔽部材(遮蔽部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01T 1/24 G01T 1/24 7/00 7/00 C H01L 27/14 H04N 5/32 27/146 H01L 27/14 K 31/09 C H04N 5/32 31/00 A Fターム(参考) 2G088 EE01 FF02 GG19 GG21 JJ04 JJ05 LL11 4M118 AA05 AA10 AB01 BA05 CB05 DD11 FB09 FB13 FB16 GA10 HA22 5C024 AX01 AX16 CX00 EX00 GZ36 HX05 HX13 HX31 HX35 HX40 5F088 BA03 BB03 BB07 EA04 EA07 EA08 KA02 KA03 KA08 KA10 LA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁放射線の照射量に応じた量の電荷を発
    生する光電変換部Aと、該光電変換部Aで発生した電荷
    を蓄積する容量部Aと、該容量部Aに蓄積された電荷が
    転送される信号線と、上記信号線および容量部Aに接続
    され、容量部Aから信号線への電荷の転送を制御するス
    イッチング素子としての薄膜トランジスタAと、該薄膜
    トランジスタAに、そのオン・オフを制御する駆動信号
    Aを供給する駆動手段Aと、上記信号線に転送された上
    記電荷の量を検出する検出手段とを備えてなる光電変換
    装置において、 上記薄膜トランジスタAのオフ状態とオン状態との切り
    替え時に信号線に印加されるフィードスルー信号成分と
    同期して、該フィードスルー信号成分と逆極性のキャン
    セル用信号を上記信号線に供給するキャンセル用信号供
    給手段が備えられていることを特徴とする光電変換装
    置。
  2. 【請求項2】上記キャンセル用信号供給手段が、 所定量の電荷を蓄積する容量部Bと、 上記信号線および容量部Bに接続され、容量部Bから信
    号線への電荷の転送を制御するスイッチング素子として
    の薄膜トランジスタBと、 上記薄膜トランジスタBに、そのオン・オフを制御する
    駆動信号Bを供給する駆動手段Bとを含んでなり、 上記駆動信号Aと駆動信号Bとが互いに同期し、かつ逆
    極性となっていることを特徴とする請求項1に記載の光
    電変換装置。
  3. 【請求項3】上記薄膜トランジスタAと薄膜トランジス
    タBとが略同一特性を有するとともに、上記駆動信号A
    と駆動信号Bとが互いに同期し、電圧の大きさがほぼ等
    しくかつ逆極性となっていることを特徴とする請求項2
    に記載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】上記光電変換部Aとほぼ同一特性を有し、
    かつ、上記薄膜トランジスタBに接続された光電変換部
    Bを備えていることを特徴とする請求項3に記載の光電
    変換装置。
  5. 【請求項5】上記光電変換部Bへの上記電磁放射線の入
    射を防止する遮蔽部を備えてなることを特徴とする請求
    項4に記載の光電変換装置。
  6. 【請求項6】上記信号線に沿って設けられた複数の上記
    薄膜トランジスタAのオン・オフ制御が同期してなされ
    るときに、 上記キャンセル用信号供給手段が、上記信号線に対して
    複数設けられることを特徴とする請求項2ないし5のい
    ずれか一項に記載の光電変換装置。
  7. 【請求項7】上記駆動手段Aと駆動手段Bとが一チップ
    内に形成されていることを特徴とする請求項2ないし6
    のいずれか一項に記載の光電変換装置。
  8. 【請求項8】電磁放射線の照射量に応じた量の電荷を発
    生する光電変換部Aと、発生した電荷を蓄積する容量部
    Aと、該容量部Aに蓄積された電荷が転送される信号線
    と、上記信号線および容量部Aに接続され、容量部Aか
    ら信号線への電荷の転送を制御するスイッチング素子と
    しての薄膜トランジスタAと、該薄膜トランジスタA
    に、そのオン・オフを制御する駆動信号Aを供給する駆
    動手段Aと、上記信号線に転送された上記電荷の量を検
    出する検出手段とを備えてなる光電変換装置の駆動方法
    であって、 上記薄膜トランジスタAのオフ状態からオン状態への切
    り替え時に信号線に印加されるフィードスルー信号成分
    と同期して、該フィードスルー信号成分と逆極性のキャ
    ンセル用信号を上記信号線に供給し、次いで、 上記薄膜トランジスタAをオン状態としたままで、上記
    信号線に転送された電荷の量を、上記検出手段により検
    出することを特徴とする光電変換装置の駆動方法。
  9. 【請求項9】電磁放射線の照射量に応じた量の電荷を発
    生する光電変換部Aと、該光電変換部Aで発生した電荷
    を蓄積する容量部Aと、該容量部Aに蓄積された電荷が
    転送される信号線と、上記信号線および容量部Aに接続
    され、容量部Aから信号線への電荷の転送を制御するス
    イッチング素子としての薄膜トランジスタAと、該薄膜
    トランジスタAに、そのオン・オフを制御する駆動信号
    Aを供給する駆動手段Aと、上記信号線に転送された上
    記電荷の量を検出する検出手段とを備えてなるととも
    に、 電磁放射線の照射量に応じた量の電荷を発生する光電変
    換部Bと、該光電変換部Bで発生した電荷を蓄積する容
    量部Bと、上記信号線および容量部Bに接続され、容量
    部Bから信号線への電荷の転送を制御するスイッチング
    素子としての薄膜トランジスタBと、上記薄膜トランジ
    スタBに、そのオン・オフを制御する駆動信号Bを供給
    する駆動手段Bとを含んでなる光電変換装置の駆動方法
    であって、 上記駆動信号Aおよび駆動信号Bとして、互いに同期
    し、かつ逆極性の信号を用い、 上記薄膜トランジスタAがオフ状態でかつ上記薄膜トラ
    ンジスタBがオン状態であるときに、上記光電変換部B
    にて発生し、信号線に転送される電荷を、上記検出手段
    をリセットすることで消去し、次いで、 上記薄膜トランジスタAをオフ状態からオン状態へ、ま
    た上記薄膜トランジスタBをオン状態からオフ状態へ同
    時に切り替えることにより、薄膜トランジスタAを介し
    て信号線に印加されるフィードスルー信号成分と、薄膜
    トランジスタBを介して信号線に印加される逆極性のフ
    ィードスルー信号成分とを重畳して、信号線に転送され
    る電荷の量を上記光電変換部Aにて発生した電荷の量に
    より近い値に補正し、次いで、 上記検出手段により、上記信号線に転送された電荷の量
    を検出することを特徴とする光電変換装置の駆動方法。
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