JP2002199231A - 電子色票装置 - Google Patents
電子色票装置Info
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Abstract
て用いることができる任意の色(物体色)を電子的に表示
できるようにする。 【解決手段】 電子色票装置は、4色以上の多原色のL
ED素子と、LED素子が発光した光を案内し混合する
光路と、光路で混合された光を表示するスクリーンとか
らなる表示部と、目的となる色の目標色を入力する目標
色入力部と、入力された目標色値を、表示部の各LED
素子に対応する多原色信号値に変換し、さらに階調数に
変換する多原色値変換部と、多原色値変換部からの多原
色階調数信号を基に、表示部のLED素子を駆動する駆
動信号を発生する駆動部とからなる。
Description
に関する。
から映像・デザインに至るまで、調色・配色などを必要
とする分野においては、色彩管理は古くから現物サンプ
ルで行われてきた。しかし、ディスプレイやプリンタな
どの画像出力装置や、スキャナやデジタルカメラなどの
画像入力装置における急速なデジタル化・高解像度化・
フルカラー化に伴い、上に述べたような分野において
も、電子的に色彩管理を行うことが多くなってきてい
る。
い、カラー画像の伝送を行うさまざまなシステムも開発
されている。例えば、テレビ電話等を利用した遠隔医療
システム、ネットワークを通じたオンライン・ショッピ
ングや電子商取り引き、また絵画や美術館等の画像デー
タベースを用いた電子美術館等の実現が期待されてい
る。
「色」というものを電子的に扱うことが多くなってきて
いる一方で、画像入出力装置間の特性の違いによる色の
違いや、カラー画像伝送システムにおいて被写体の色を
正確に再現できないことなどが問題となっている。近年
では、こういったデジタルメディアにおける色彩管理技
術(カラーマネジメント)の必要性が叫ばれている。
ずテレビやディスプレイが考えられる。これらのデバイ
スが表示できる色の範囲(色域)はR(赤)、G(緑)、B
(青)の3原色によって色度図上にはられる色三角形の内
側に制限される。しかし、世の中に存在する自然物体の
色をすべて表示するためには、このような3原色では十
分でないことがわかっている。
ものを色度図という。XYZ表色系におけるx−y色度
図(図1)に示す馬蹄形の領域内に種々の色が分布す
る。2つ以上の色光の混合(加法)によって別の色を得る
加法混色の3原色の色度座標がR、G、B点(中心波長
R: 700nm,G: 546.1nm,B: 435.8nm)で表されたとす
れば、△RGB(色三角形)内のどの点に相当する色も三
原色の適宜の混合によって作られる。この色三角形をR
GBの色域という。この色三角形の外側の色は三原色
R、G、Bの加法混色によって作ることができない。ま
た、図2は、実在する反射物体の色域(Pointer's gamu
t)をu'−v'に投影した色度図である。これは、自然界
において実在する様々な物体色(花の色、葉の色、染料
や顔料によって作り出された色)について最大の純度を
示す色を計測して得られた色域である。こうして自然界
に実在する反射物体の色域についてさえも、三原色R、
G、Bの加法混色によって作ることのできない色の領域
があることがわかる。なお、図2には、比較のため、3
原色ディスプレイ装置(CRT、NTSC)の色域も表
示しているが、実在する反射物体の色域内の色をディス
プレイ装置がすべて表示することが不可能であることが
わかる。特に青緑色や、紫〜赤色で、不十分である。
めの基準の色を表示するものである。色票は、たとえば
色見本として用いられる。従来の色票の問題として、色
情報のやりとりの困難さや照明の不安定による色の変化
がある。色を電子的に表示する電子色票はこれらの問題
を解決できると考えられる。しかし、上に説明したよう
に、3原色ディスプレイ装置(CRT、NTSC)で
は、実在する反射物体の色域内の色をすべて表示するこ
とが不可能であり、電子色票としては、3原色の色三角
形よりも広い色域での任意の色を表示できることが望ま
れてきた。なお、液晶プロジェクタヘの適用を目的とし
た、多数の原色を用いたカラー画像表示はすでに行われ
ており、色域拡大が可能であることは実験的に確認され
ている。
う際の色の基準として用いることができる任意の色(物
体色)を高精度で電子的に表示できるようにすることで
ある。
置は、4色以上の多原色の表示素子と、表示素子が発光
した光を案内し混合する光路と、光路で混合された光を
表示するスクリーンとからなる表示部と、目的となる目
標色を入力する目標色入力部と、入力された目標色を、
表示部の各表示素子に対応する多原色信号値に変換し、
さらに階調数に変換する多原色値変換部と、多原色値変
換部からの多原色階調数信号を基に、表示部の表示素子
を駆動する駆動信号を発生する駆動部とからなる。表示
素子の1例としてLED素子を用いる。好ましくは、前
記の目標色入力部は、前記の目標色を表色値で入力す
る。好ましくは、前記の目標色入力部は、前記の目標色
を分光エネルギー分布で入力する。
て、前記のLED素子は、色度図においてRGBの3原
色が形成する色三角形の外側の領域にある光を発光する
LED素子を含む。好ましくは、前記の表示部は、さら
に、LED素子の発光した光から彩度の高い色を取り出
す波長域調整フィルタを備える。好ましくは、前記の表
示部は、LED素子が発光した光を拡散する拡散手段を
光路内に備える。好ましくは、前記の表示部は、LED
素子が発光した光を拡散する積分球を光路内に備える。
好ましくは、前記の電子色票装置において、前記の表示
部は、LED素子が発光した光を拡散する拡散板を光路
内に備える。好ましくは、前記の電子色票装置におい
て、前記の表示部のLED素子は、すべてのLED素子
を表示したときに白色となるように選択されている。好
ましくは、前記の電子色票装置において、前記の駆動部
は、パルス幅変調信号でLED素子を駆動する。
明の実施の形態を説明する。本発明では、三原色だけで
なく多数の色光を用いて混合を行って、多数の原色によ
るカラー表示を行う。色度図の馬蹄形により近づくよう
に多数の色光を選べば、いままで3原色による加法混色
では作れなかった色まで作れる。たとえば、図3に示す
ように、RGBの色域の境界上またはその範囲外にある
7色の原色を用いて、加法混色の法則に従って、各色の
色度値を頂点とする多角形内部の色を表す。多色で表示
を行うので、色域は色三角形でなく多角形となり、より
複雑な広い色域を再現できる。特に、色票つまり反射物
体のもつ色を再現するため、自然界の反射物体がもつ色
域(Pointer's gamut)内の色をできるだけ多く表示で
きるようにする。また、自然界の反射物体がもつ色域内
の色をすべて表示することも容易に実現できる。
ない、つまり色方向にのみ考えたものであるが、実際に
電子色票を設計する場合には、明るさ方向まで含めた色
立体を考える必要がある。たとえばn原色の場合、各原
色のXYZ値を(X1、Y1,Z1)〜(Xn,Yn,Zn)とす
れば、次の式で表される立体の表面及び内部に相当する
色が表示可能な色である。図4は3色と5色の2つの場
合の色立体を示す。
いて、表示素子として多数の種類のLEDを用い、電圧
パルス幅変調によるLEDの輝度制御を行って、高精度
な色を表示する。電子色票本体はコンパクトで、持ち運
びが容易でなければならないのに加え、安定した色を表
示でき、外部からの衝撃にも十分耐えることが要求され
る。このような観点から、この電子色票システムにおい
ては、表示素子としてLEDを用いる。LEDは、近年
になり高輝度青色のものが開発され、また安定性や高速
応答性がある。また、レンズなどの高価な光学素子を用
いることはできるだけ避け、LED個々のバラツキを補
うように光学系を設計する。
いて、ユーザーは、目的となる目標色を入力する。この
目標色は、複数のLED素子の各々に対応する多原色信
号値に変換される。そして、多原色信号値に基づいて多
原色LED素子を発光させ、複数のLED素子が発光し
た光を混合して、スクリーンに均一な色として表示す
る。ここで、目標色は、たとえば、XYZデータや、分
光エネルギー分布データとして入力される。以下に説明
する実施形態では、目標色としてXYZデータを入力す
る。
まず、目標色入力部20において、色票などの目的とな
る物体10の正確な色の情報つまり人間の視覚系に基づ
いた3刺激値(CIE−XYZの3原色データ)を入力
する。XYZデータは、表示時と同じ照明光のもとで分
光色彩計などであらかじめ推定しておく。こうして、ユ
ーザーがシステムにXYZデータを入力し色を再現する
と、その場で、欲しい色がすぐに得られる。まず、多原
色値変換部22は、XYZデータを、多原色信号値に変
換し、さらに、多原色信号値を階調数に量子化する。多
原色値変換部22は、具体的にはコンピュータを含み、
目標色である物体10のXYZ入力データを、加法混色
における色再現手法を用いて多原色信号データに変換す
る。多原色信号値は、表示素子である各LEDの輝度を
表わすものであるが、PWM信号変換部24は、多原色
階調数をパルス幅変調信号に変換しLEDの輝度を制御
する。駆動部26は、パルス幅変調信号をもとに表示部
28内の各LEDを駆動する。
示部28に与えられるが、LEDの輝度を変える場合、
単純に電流を変調する方式では安定した輝度や色が得ら
れない。そこで、人間の視覚特性の一つである色の時間
積分性を考慮し、駆動部26は、パルス幅変調(PWM)
方式を採用する。パルス幅変調方式では、LEDに流す
電流は一定になるようにしておいて、電流を流す時間と
流さない時間の比(デューティ比)を変えることで明るさ
を制御する。LEDは電圧の変化に対する応答が非常に
速いという利点があるため、このパルス幅変調方式が適
用可能である。駆動回路26は、多原色階調数データを
電圧パルス幅変調信号に変換して表示部28へ送信し、
各々のLEDを時分割でドライブすることによって、安
定した輝度・色度を得る。
WM)によって制御するための回路を示す。人間が見て
ちらつかない程度のデューティサイクルでパルス幅変調
で表示するために、各原色に対し最大で33階調までと
ることができる。人間の目には、一般的に30フレーム
/秒以上では定常状態として知覚されることを考慮し
て、本実施形態ではデューティサイクルを約33Hzと
し、各原色で30階調がとれるようにした。可変抵抗は
LEDの種類ごとに定電流(20mA)が流れるようにす
るために設けたものである。
く説明すると、カラーカード30は、表示素子として複
数のLED32を備えた基板である。LED32の発光
による多数の原色を用いて色再現を行い、外光の反射を
防ぐブラックスクリーン34に表示する。LED32は
カラーカード30上に配置される。色票としての機能を
果たすためには、複数のLED32から出た光が混合さ
れ、スクリーン34上で均一に拡散される必要がある。
LED32から出る光は非常に指向性が強く、またその
指向性や強度は、LEDの種類によっても、さらに同じ
種類のLEDでも個体ごとに異なる場合が多い。そこ
で、カラーカード30のLEDアレイからスクリーン3
4までの光路36を、光を反射する材料で囲み、各LE
D32が放射した光を少なくとも1回拡散させる。さら
に、光路36の途中に拡散板(すりガラス)38を配置し
て、LED32から放射された光をさらに拡散する。光
は、拡散され混合されつつスクリーン34に到達し、均
一な色を安定に表示する。こうして、スクリーン34上
で光が均一になるようにする。なお、光の混合のため、
拡散板38の代わりに積分球を使用してもよい。
明する。まず、LED32の選択について説明する。L
ED32は、色見本としての色票、さらにいえば自然界
に存在する反射物体の色域を再現できるように選択す
る。この色域を十分にカバーするため、原色は最低でも
4つ以上は用いる。近年になり可視領域の広くにわたる
LEDが入手可能になった。そこで、本実施形態では、
LEDの選択において、(1)高彩度である、(2)同
程度の彩度ならば、高輝度である、ということを念頭に
おいた。
いた各種LED32の分光特性と色域を示す。これらの
データはLED個々のものであり、LED32からの光
を拡散板38にあてて、拡散板38上の色を分光計にて
測定したものである。分光特性は、各LEDの中心波長
で規格化した。
も短波長側の青色1LED(青色、中心波長430nm)
に注目する。このLEDは輝度が非常に低いが、スペク
トルが高波長側に向かってなだらかに下がっている。そ
のため、色度図でみるとかなり彩度が低くなっている。
しかし、このLEDに高波長カットフィルタをかけて、
図8に破線で示すように高波長側の裾野の部分をカット
すると、色度図上で非常に彩度の高い青紫色になること
がわかる。これにより、3原色CRTなどで再現不可能
だった、実在する反射物体の色域における青〜紫の領域
を大幅に改善できる。
決定にあたっては、次の要領で行った。 (1)物理的な制約から、用いることのできるLEDの
総個数を決定する(具体的には30個)。 (2)LEDは各色について最低でも1個は使うものと
する。 (3)LEDをすべて表示(発光)したときには白色と
なる。 (4)上の3つの条件内でLEDの個数を変えて、その
とき表示できる色立体を計算し、実在する反射物体の色
域をどれだけカバーしているかを計算する。 (5)実在する反射物体の色域のカバー率が最大になる
ときが、求めるLEDの個数である。
各LED単体のXYZ値を(X1Y1Z1),…,(XnYnZ
n)とし、各LEDの個数をN1,N2,…,Nnとする。
このとき各LEDを最大強度で表示し、白色になったと
すると、
である。しかし、いま明るさは考慮せず、色方向のみを
考えるので、以下の式(3)、(4)が成り立てばよ
い。
1,…,Nnの数がn個であるのに対し式の数は2である
から、解を一意的に定めることはできない。そこで、
(1),(2)の条件、すなわち
を上の式により求め、それらが上の式(3)、(4)を
満たしていれば、そのときのN1,…,Nnは求める解に
なっている。ここで、Nn-1,Nnは一般的に小数になる
が、用いる個数は小数部分を繰り上げて求め、LEDを
ドライブする電流値を変えることで、実質小数個数分の
明るさが得られるようにする。
Zデータから多原色信号値への変換を説明する。3原色
RGBを用いる場合、加法混色の方法に基づけば、R,
G,B三原色によつて色立体内部の色を表示する場合、
各RGBの混合する割合を r,g, b (0≦r, g, b≦1)
であらわすと、表示される色のXYZの値は、次の式
(5)として計算できる。
も同様である。逆にある目標色C=(X,Y,Z)を表示
したい場合、RGBの混合の割合は、式(5)を逆に解
いて、
がRGBの3原色によつて作られる色立体内部の色なら
ば、r,g,bは0≦r,g,b≦1の範囲内で一意に
求まる。ここでr,g,bを原色の信号値と呼ぶ。
つ以上)用いて加法混色を行う場合を考える。いま、原
色数をnとし、各原色のXYZ値をそれぞれ P1=(X1,Y1,Z1),P2=(X2,Y2,Z2),・・・,
Pn=(Xn,Yn,Zn) とし、各原色の混合の割合を0≦α1,α2,…,αn≦1と
すると、混合されて作られた色C=(XC,YC,ZC)は次
の式(7)であらわせる。
と同様に上式でα1,α2,…,αnを求めればいいが、式
の数が3つなのに対し未知数がn個あるので、解を一意
に求めることができない。一般的に多色表示において0
≦α1,α2,…,αn≦1となる解を求めるためには、多色
印刷で用いられているような膨大な色変換テーブルを必
要とするが、このようなテーブルは膨大であり、作成に
も時間がかかる。また表示装置の校正を行う際には、テ
ーブルを用いると補正が困難である。しかし、本システ
ムでは、式(7)を満たし、かつ0≦α1,α2,…,αn≦
1であるような解をすべて求める必要はない。なぜな
ら、式(7)で求まったα1,α 2,…,αnを用いて、多原
色により色再現を行った場合、式(7)を満たす限りそ
れらはすべてXYZ値が等しく、人間の目には同じ色に
見えるからである。つまり、スペクトルの組成が異なっ
ていてもXYZの値が等しければ同じ色と見なすことが
できるのである。従って、本システムでは式(7)を満
たす解を一つでも見つけることができれば、それで必要
十分であるといえる。
値への変換を行う多原色値変換部22を制御するCPU
のフローチャートである。初期設定として、多原色の各
LEDのXYZ値(Xi,Yi,Zi)を記憶しておく
(S10)。ユーザーにより目標色のXYZ値(XC,Y
C,ZC)が入力されると(S12でYES)、XYZ値
から多原色信号値への変換式である式(7)を満足する
混色の割合α1,α2,…,αn(0≦α1,α2,…,αn≦
1)を計算する(S14)。具体的な計算手順は次に説
明する。得られたα1,α2,…,αnを多原色信号値とし
てPWM変換部24に出力する(S16)。
を高速に行う手法を説明する。式(7)において、0≦α
1,α2,…,αn<1であるような解を見つけることは、X
YZ空間において、各原色のベクトル P1=(X1,Y1,Z1),P2=(X2,Y2,Z2),・・・,
Pn=(Xn,Yn,Zn) が作る色立体内部の点(目標色)C=(XC,YC,ZC)
を、P1,P2,…,Pnの線形結合で表すということに等
しい。そこで、表示したい色ベクトルCの延長線と、色
立体表面との交点をC'とし、色立体の頂点W=P1+P
2+…+Pnからみて、交点C'と反対方向の原色ベクト
ルを減らしていくことで、まずC'をn本の原色ベクト
ルで表すことを考える(図9)。
クトルを選択する方法について述べる。図9において、
ベクトルC及びその延長線上の点はすべて色が等しく、
明るさのみが違うことは容易にわかる。そこで原色ベク
トルとC,C',Wを色度図上に表すことで、減らす原
色を選択する(図11)。図11で、C,C'を基準に
P1,P2,…,Pn,Wの各点を角度で表す。すなわ
ち、
(xc, yc)、(xw, yw)とした。このとき、 θi≦θw≦θi+1 (10) となるようなi及びi+1が、減らす原色の組である。
そして、これらの原色に対応する信号値αi,αi+1を減
らすことで(xc,yc)に近づける。図11の5原色の場
合(n=5)ではi=4,i+1=5となるので、 (α1,α2,α3,α4,α5)=(1,1,1,a,b) とし、この割合で原色を足し合わせたときに色度値が
(xc,yc)に等しくなるという条件から方程式をたてる
と次のようになる。
…,αnが求める解である。ここでもしa<0またはb<
0となったなら、負となる信号値に対してそれに隣接す
る原色を減らすことで(xc,yc)に近づける。たとえば
a<0であるならば、 (α1,α2,α3,α4,α5)=(1,1,a,0,b) とし、b<0ならば、 (α1,α2,α3,α4,α5)=(b,1,1,a,0) とし、a<0かつb<0ならば、 (α1,α2,α3,α4,α5)=(b,1,a,0,0) とし、前述の方程式(11)、(12)に当てはめて再
度計算する。こうして0≦(a,b)≦1となるまで繰り
返し作業を行うことにより、交点C'をP1,…,P nの線
形結合で表すことができる。あとは、 C=kC' (0≦k≦1) =k(α1P1+‥・+αnPn) (13) =kα1P1+‥・+kαnPn とすれば、(kα1,kα2,…,kαn)が求める解(目標
色を表わす混合の割合)である。
示により表示可能な色空間(色立体)内部の目標色(XC,
YC,ZC)に対して各原色信号値(α1,α2,…,αn)を求
めることができる。特に各色度点における最大輝度の
色、すなわち色立体表面上の点に対応する色を再現する
際に与える信号値については、上記の手法で求められる
最大原色信号値として一意に決定される。
ては信号値の範囲で任意性があるので、(1)量子化誤
差等を最小にするような信号値、(2)S/N比を高く
するような信号値など、システムの特性に合わせた信号
値を使用できる。
反射物体の色域と比較する。求めた各LEDの個数
N1,…,Nnに対し、各LEDのXYZ値を改めて、 (X1',Y1',Z1')=(N1X1,N1Y1,N1Z1),…,
(Xn',Yn',Zn')=(NnXn,NnYn,NnZn) とおいて色立体を計算した。自然界に存在する反射物体
の色域は物体色の色域であるから、照明光の明るさを設
定しなくてはならないが、この明るさは多原色LED素
子32を全部表示したときの白色の明るさ、つまりY1'
+Y2'+…+Yn'に等しいとおいた。次に、自然界に存
在する反射物体の色域のカバー率について少し説明す
る。LED素子32が、ある個数の組み合わせN1,
…,Nnのときに、各LEDの色ベクトルによつて作ら
れる色立体をVled(N1,N2,…,Nn)とし、自然界に
存在する反射物体の色域の色立体をVptr(N1,N2,
…,Nn)と表す。このとき、自然界に存在する反射物体
の色のカバー率ηは
きのN1,…,Nnの計算結果は次のとおりである。 ・カバー率η:99.889403 ・LEDの個数
緑LEDなどの輝度の低いLEDは光量を稼ぐためにた
くさん使わなくてはならないことがわかる。特に青1L
EDはフィルタをかけるため、光量が通常の半分くらい
に落ちてしまうので、この結果は妥当であるといえる。
ED素子の色立体(実線)と、自然界に存在する反射物
体の色域の色立体(1点鎖線)を15≦L≦90で比較
したものである。暗い部分(L=15, 30)で青領域
が、また、明るい部分(L=75, 90)で緑の領域がわ
ずかにカバーできていないほかは、ほとんどの色をカバ
ーできている。すなわち、表示可能な色域は、従来のよ
うに3原色を用いたときと比べ格段に広くなり、世の中
の自然反射物体の持つ色を表示するのに十分な色域が得
られる。
を用いて、色域を計測し、多原色にすることの有効性を
確かめた。各原色LED素子を最大強度で表示し、色の
計測は表示パネル中心部で行った。図13は、その結果
を色度図上にプロットしたもの示す。図13からわかる
とおり個々のLED素子で測定したときとほとんど同等
な色域が得られた。
て表示された色を計測し色再現性を確かめた。以下にX
YZ入力から表示までの処理の流れを示す。 (1)目標色をXYZ値にて入力する。 (2)表示部にて測定した各LEDのXYZ値を基に、
目標色のXYZ値を多原色信号に変換する。 (3)多原色信号値を階調数にて量子化する。 (4)量子化された多原色信号値をパルス幅変調信号に
変換する。 (5)各LEDがドライブされ、色が表示される。 ここで、(3)階調の数に関しては、25階調とした。
また、入力したXYZ値は図14の5点である。評価方
法は、入力したXYZ値に対し、量子化を行った後のX
YZ値及び測定して得られたXYZ値から、それらのL
ab色差を出すことでおこなった。その結果を次の表1
に示す。入力−量子化の誤差が比較的大きいという問題
をもっているが、入力色を精度よく再現することが確か
められた。
度で任意の色が得られたが、暗い色に対しては色差が大
きくでてしまうことがわかった。しかし、多原色信号値
の階調数への量子化の精度を上げること、暗い色に階調
数を多くとること、LED素子の明るさをさらに精確に
制御することにより解決できると考えられる。また、こ
の電子色票を実際に色見本として使うことを考えると、
絶対的な明るさを高くすることが望ましいが、これに
は、光量の損失をさらに抑えることや、LED素子の個
数の増加により対応できる。
タを目標色入力部20に入力した。目標色として分光エ
ネルギー分布を入力することもできる。この場合、目標
色入力部20にスペクトル分布(分光反射率または分光
輝度)を入力する。目標色を多原色LEDの階調数信号
に変換する計算は、各原色LEDを最大輝度で発光させ
たときのスペクトル分布Si(λ)(i=1,2,…,
n)を用いてスペクトル分布をマッチングさせるように
おこなえばよい。ここでλは波長を表わす。n原色の加
法混色により作られるスペクトル分布は、以下の式(1
5)で与えられる。 S'(λ)=β1S1(λ)+β2S2(λ)+…+βnSn(λ) (15) ここで、βi(i=1,2,…,n)はi番目の原色の混
合の割合である(0≦β 1,β2,…,βn≦1)。再現
したい目標スペクトルSo(λ)とすると、So(λ)=
S'(λ)となるようにβiを決定する。ここで、例え
ば、複数の波長λj(j=1,2,…,m)について目
標スペクトルSo(λj)とスペクトル分布Si(λj)の
値を求め、m個の連立方程式から目標スペクトルS
o(λj)に最も近くなるβi(i=1,2,…,n)を決
定する。そして、そのβiを用いて各原色のLEDを発
光させる。
調色や配色をする際に、欲しい色を瞬時に得ることがで
きる。
て、今まで大量にあったファイル式の色見本をコンパク
トなケースに収めることができるため、このようなファ
イルを持ち歩く必要がなくなる。すなわち、本物の色票
のようにどこにでも持ち運びができる。
えば調色・配色をする際には表色値データでやりとりを
すればよいことになり、相手に正確な色の情報を伝える
ことができる。また、調色や配色を必要とするとき、い
つでもどこでも欲しい色が得られる。
いるので、自然物体がもつ色域内の色を十分にカバーす
ることができ、従来のような3原色による色域の狭さが
改善できる。
く、LEDの劣化補正をすることでほとんどなくなる。
ので、電子色票はコンパクトになると同時に、安定した
色を表示できる。また、LED素子の安定性や高速応答
性を利用することで、任意の色を正確に表示できる。
ば、電子色票システムは、色見本としての使用のほか
に、カメラの校正をするための計測用色票などとしても
使用できる。
色域を示すu'−v'色度図
る色域を示すu'−v'色度図
を示す図
光特性のグラフ
図
の図
物体がもつ色域の比較を示す図
24 PWM信号変換部、 26 駆動部、 28
表示部、 30 基板、 32 LED、34 スク
リーン、 36 光路、 38 拡散板。
Claims (9)
- 【請求項1】 4色以上の多原色のLED素子と、LE
D素子が発光した光を案内し混合する光路と、光路で混
合された光を表示するスクリーンとからなる表示部と、 目的となる目標色を入力する目標色入力部と、 入力された目標色を、表示部の各LED素子に対応する
多原色信号値に変換し、さらに階調数に変換する多原色
値変換部と、 多原色値変換部からの多原色階調数信号を基に、表示部
のLED素子を駆動する駆動信号を発生する駆動部とか
らなる電子色票装置。 - 【請求項2】 前記の目標色入力部は、前記の目標色を
表色値で入力することを特徴とする請求項1に記載され
た電子色票装置。 - 【請求項3】 前記の目標色入力部は、前記の目標色を
分光エネルギー分布で入力することを特徴とする請求項
1に記載された電子色票装置。 - 【請求項4】 前記のLED素子は、色度図においてR
GBの3原色が形成する色三角形の外側の領域にある光
を発光するLED素子を含むことを特徴とする請求項1
に記載された電子色票装置。 - 【請求項5】 前記の表示部は、さらに、LED素子の
発光した光から彩度の高い色を取り出す波長域調整フィ
ルタを備えることを特徴とする請求項1に記載された電
子色票装置。 - 【請求項6】 前記の表示部は、LED素子が発光した
光を拡散する拡散手段を光路内に備えることを特徴とす
る請求項1に記載された電子色票装置。 - 【請求項7】 前記の表示部は、LED素子が発光した
光を拡散する積分を光路内に備えることを特徴とする請
求項1に記載された電子色票装置。 - 【請求項8】 前記の表示部のLED素子は、すべての
LED素子を表示したときに白色となるように選択され
ていることを特徴とする請求項1に記載された電子色票
装置。 - 【請求項9】 前記の駆動部は、パルス幅変調信号でL
ED素子を駆動することを特徴とする請求項1に記載さ
れた電子色票装置。
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