JP2002194993A - シールド掘進機のカッタヘッド駆動用油圧モータ及び同モータを備えたシールド掘進機 - Google Patents

シールド掘進機のカッタヘッド駆動用油圧モータ及び同モータを備えたシールド掘進機

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JP2002194993A
JP2002194993A JP2000395811A JP2000395811A JP2002194993A JP 2002194993 A JP2002194993 A JP 2002194993A JP 2000395811 A JP2000395811 A JP 2000395811A JP 2000395811 A JP2000395811 A JP 2000395811A JP 2002194993 A JP2002194993 A JP 2002194993A
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JP
Japan
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radial piston
piston motor
motor
buffer means
cutter head
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Application number
JP2000395811A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Genda
光浩 源田
Kazunari Kawai
一成 川合
Makoto Niwa
誠 二羽
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】回転始動時に発生するドレン室内のピーク圧を
発生しやすいラジアルピストンモータの前記ピーク圧を
吸収して破損の発生が防止できると共に、構造が簡単で
あってコスト高にならず、しかも流入出側の油圧バラン
スを保持して安定した出力トルクが得られることを可能
にしたカッタヘッド駆動用のラジアルピストンモータ及
び同モータを備えたシールド掘進機を提供する。 【解決手段】シールド掘進機13の前面に支承されるカッ
タヘッドの駆動用ラジアルピストンモータ17は、回転始
動時に発生しやすいドレン室6 内のピーク圧を吸収する
緩衝手段18を備えている。緩衝手段18として、例えば空
気ダンパ、ばねダンパ又はこれらを組合せた各種の緩衝
手段の伸長/収縮動作や弾性などを利用しており、簡単
な構造でドレン室6 に直接又はその外部に配することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明はシールド掘進機のカッタ
ヘッド駆動用の油圧モータ及び同モータを備えたシール
ド掘進機に係わり、特に、回転始動時にドレン室内にピ
ーク圧を発生しやすいラジアルピストンモータの前記ピ
ーク圧を吸収して破損の発生が防止できるカッタヘッド
駆動用のラジアルピストンモータ及び同モータを備えた
シールド掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル掘進機は、円筒体からなるシー
ルド本体の前端に回転カッタを備えており、その回転カ
ッタの前面には放射状に複数の切削用カッタビットが配
されている。この回転カッタの回転軸部は、軸受部を介
してシールド本体内に支承されており、減速歯車列を介
して油圧モータにより駆動回転するようになっている。
【0003】通常、前記カッタヘッド駆動用の油圧モー
タとして、アキシャルピストンモータが多用されてい
る。この種のアキシャルピストンモータとして一般的な
斜板式アキシャルピストンモータは、例えばハウジング
内にシャフトと一体に回転するシリンダブロックが配さ
れており、同シリンダブロックの回転軸の周囲に配さ
れ、圧油を受けて前記シャフトの軸方向と同一方向に順
次往復運動する複数本のピストンの頭部が、前記シャフ
トの回転と共に、前記ハウジング内に設けられた斜板上
を移動する。前記シリンダブロック内を往復動するピス
トンが、前記斜板を押圧する力により、同シリンダブロ
ックを介して前記シャフトにトルクを与え、モータ作用
を行う。
【0004】上記アキシャルピストンモータはそもそも
全長が長く、上述のごとく減速機を介してシールド本体
内に取り付けられるため、同アキシャルピストンモータ
の全長が長いことと相挨ってシールド機長も長くなる。
このため、最近は、このアキシャルピストンモータに代
えて、カッタヘッド駆動用油圧モータに減速機を使用し
ないで前記回転カッタに直結できると共に、小型で所望
の高トルクを発生するラジアルピストンモータが使用さ
れるようになってきた。
【0005】このラジアルピストンモータは、一般に構
造が簡単であり、部品点数が少なく低コストであり、し
かも小型軽量である。更に、従来、必要なトルクを得る
ために設置される大型の減速機が不要となり、その減速
機による設備費や設置面積が不要となり、伝達効率も向
上すると同時に、シールド機長の小型化や短縮化などが
達成され得る。
【0006】図8はラジアルピストンモータ1の概略断
面図であり、図9は図8のII−II線矢視断面図であり、
これらの図は、一般的な多行程式(軸回転型)ラジアル
ピストンモータ1の構造例を示している。
【0007】ハウジング2の内部には、一対のベアリン
グ3,3を介して出力軸としてのシャフト4が回転自在
に軸支されており、同シャフト4と共に回転自在に、シ
リンダブロック5がハウジング2の内部に装備されてい
る。ハウジング2の後端縁はOリング7を介して円盤状
のカバー体2aで密閉されて、各部からリークした作動
油が溜まるドレン室6を形成しており、ドレン室6に漏
れ出た作動油はドレン路6aを通じて図示せぬタンクへ
と排出される。
【0008】同図に示すラジアルピストンモータにあっ
ては、シリンダブロック5の周囲に前記シャフト4に対
して直交し且つ放射状に穿設された複数のシリンダ穴
9,…,9が同一円周上に設けられ、同シリンダ穴9に
は、シャフト4の軸方向と直交する方向に順次往復動す
る複数本のピストン10,…,10がそれぞれ挿嵌され
ている。前記複数のシリンダ穴9,…,9をシリンダブ
ロック5の周囲に二列に配することもある。
【0009】ハウジング2には、高圧の作動油が流入す
る流入ポート9aと、ピストン10に運動を与えて排出
される作動油をタンクに戻すための流出ポート9bが形
成され、回転するシリンダブロック5内のシリンダ穴9
に連通している。
【0010】ハウジング2における回転シリンダブロッ
クの外周側には多葉状のカム面12が形成されると共
に、シリンダブロック5内に設けられるピストン10の
頭部にはローラ11が前記カム面12に対し回転自在に
支持されている。
【0011】前述の流入ポート9aは、ピストン10が
カム面12のどちらか一方の傾斜面にあるときに、シリ
ンダブロック5内のシリンダ穴9と連通するようになっ
ており、流出ポート9bは、ピストン10がカム面12
の前述とは逆の傾斜面にあるときに、シリンダブロック
5内のシリンダ穴9と連通するようになっている。
【0012】すなわち、流入ポート9aから供給される
高圧の作動油は、カム面12のどちらか片側の傾斜面に
沿ったピストン10のみに供給され、このピストン10
を外側に押し拡げようとする。ピストン10が外側に拡
がろうとする力は、カムの作用によりシリンダブロック
5を回転させる力に変換される。これによりシリンダブ
ロック5が回転し、ピストン10がカムに沿って内側に
押し込まれる位置まで達すると、シリンダ穴9は流出ポ
ート9bと連通されることとなり、ピストン10に仕事
を与えた作動油はタンクへと戻される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のラジアルピスト
ンモータは、使用中の状態においては、ピストンは全て
カム面に押し付けられた状態を保っている。膨張段階に
あるシリンダ穴には圧油が流入し、収縮段階にあるシリ
ンダ穴にも排出される作動油の背圧が作用するためであ
る。
【0014】しかしながら、トンネル掘進機の運転を長
時間停止させて、各ピストンが停止状態にあるとき、モ
ータ内部のリーク等に起因して、シリンダ穴内の圧力が
降下する。このとき、ピストンが、その自重でカム面か
らシリンダ穴の底部へ引き込んで落ち込む。このような
状態にあるとき、トンネル掘進機の運転が再び開始され
ると、ラジアルピストンモータの起動時には、圧油の流
入ポートに高い圧力が急速にたつと共に、シリンダ穴の
底部に落ち込んだピストンは、前記引込行程から押上行
程に移行するときに、カム面に向けて急激に押し上げら
れて作動する。
【0015】このため、ドレン室内の油容量が急激に変
化して、ドレン室内には衝撃的な圧力変動が生じる。そ
の結果、図7に示すようにドレン室内に大きなピーク圧
が発生し、その大きなピーク圧の過大な衝撃によって、
油封止用のOリングの欠損、ドレン室内を閉鎖するカバ
ー体の変形、それに伴う油漏れ等が生じるという不具合
があった。
【0016】この油封止用Oリングの欠損、ドレン室密
閉用のカバー体の変形による課題を解消するため、例え
ばクラッキング圧力が低く設定された安全弁をトレン室
に設けることが考えられる。しかしながら、この安全弁
を使用しても、ピーク圧の発生時に、ドレン室内の圧油
が大量に前記安全弁から吹き出るため、機内が汚れた
り、作動油の消費が増えるという問題が生じる。
【0017】また、他のラジアルピストンモータの一例
として、例えばピストンの底部とシリンダ穴の底部との
間にコイルばねを介装させ、油圧バランスを平衡に保持
しながら、ピストン頭部に回動自在に取り付けられた鋼
球をカム面に押付ける構造がある。このラジアルピスト
ンモータの構造は、常時、コイルばねの弾力にてピスト
ンをカムのカム面に押付けているため、圧油の圧力だけ
でなく、コイルばねの弾力に抗して無理にシリンダブロ
ックのシャフトを回転させなければならず、円滑な回転
が得がたくトルク損失が多い。
【0018】ピストンをカム大径側からカム小径側に沿
って引込むときには、コイルばねを圧縮すればするほ
ど、ピストン頭部に設けられたローラとカムのカム面と
の間の接触荷重が漸次増大し、コイルばねの伸長時には
カム面との間の接触荷重が漸減する。そのため、ピスト
ンの動きが不安定となり、出力トルクの変動が大きくな
りやすい。更に、部品点数が増え、それに伴って構造が
複雑化すると共に組立てが煩雑化し、コストの高騰に繋
がりやすいという問題がある。
【0019】本発明は、上記従来の課題を解消すべくな
されたものであり、その具体的な目的は、回転始動時に
発生するドレン室内のピーク圧を発生しやすいラジアル
ピストンモータの前記ピーク圧を吸収して破損の発生が
防止できると共に、構造が簡単であってコスト高になら
ず、しかも流入出側の油圧バランスを保持して安定した
出力トルクが得られることを可能にしたカッタヘッド駆
動用のラジアルピストンモータ及び同モータを備えたシ
ールド掘進機を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本件請求項
1に係る発明は、シールド掘進機の前面に支承されるカ
ッタヘッドの駆動用油圧モータであって、前記油圧モー
タは、ラジアルピストンモータからなり、同ラジアルピ
ストンモータの回転始動時に発生するドレン室内のピー
ク圧を吸収する緩衝手段を備えてなることを特徴とする
シールド掘進機の油圧モータにある。
【0021】この発明は、ドレン室内のピーク圧を吸収
する緩衝手段を設けて、ラジアルピストンモータの回転
始動時に発生しやすいドレン室内のピーク圧による衝撃
を緩和している。本発明における緩衝手段として、例え
ば空気ダンパ、ばねダンパ、ゴムダンパ、又はこれらを
組合せた各種の緩衝手段の伸長/収縮動作や弾性などを
利用しており、簡単な構造でドレン室に直接又はその外
部に配することができる。
【0022】上記構成を備えることにより、ピストンの
底部とシリンダ穴の底部との間の間隔のバラツキや油圧
回路に配された油圧機器の内部リーク等に起因して、ラ
ジアルピストンモータの回転始動時にドレン室内に衝撃
的な圧力変動が生じて大きなピーク圧が発生しても、ド
レン室内のピーク圧による衝撃が確実に吸収され、ラジ
アルピストンモータの破損や変形等が防止でき、低コス
トで油圧バランスを平衡に保持することができると共
に、安定した出力トルクが得られる。
【0023】請求項2に係る発明は、前記緩衝手段は圧
縮性流体を含んでなることを特徴としている。緩衝手段
として圧縮性流体を使用することができ、この圧縮性流
体には空気又は窒素ガスなどを利用することができ、例
えば弾力を有する柔軟な袋体や配管等に封入される。こ
の緩衝手段を備えることにより、構造が簡単で経済的で
あり、空気等の圧縮性及び袋体等の弾性によって、ドレ
ン室内のピーク圧に対する衝撃吸収機能が発揮される。
【0024】請求項3に係る発明は、前記緩衝手段は弾
性体を含んでいることを特徴としている。この発明にあ
っては、前記緩衝手段として、ゴム板、コイルばね、或
いはこれらの組合せ等の弾性体を採用する。ゴム板の硬
度や重ね枚数等、又はコイルばねのばね特性を適切に設
定することによって最適なダンパ機能が得られる。
【0025】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載されたカッタヘッド駆動用油圧モータを備
えてなることを特徴とするシールド掘進機にある。
【0026】この発明によれば、シールド掘進機のカッ
タヘッド駆動用油圧モータとして、上記緩衝手段を備え
たラジアルピストンモータを採用している。同ラジアル
ピストンモータは、アキシャルピストンモータに比して
小型であり、低速度で所望の高トルクを発生するため、
例えば減速機を使用しないで回転カッタに直結できると
共に、シールド機長を短縮することができる。本発明の
ラジアルピストンモータは、その回転始動時にドレン室
内に発生しやすい大きなピーク圧を吸収する緩衝手段を
備えているため、同ラジアルピストンモータを破損させ
ることなく円滑に且つ安定してシールドの推進を行うこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明
の代表的な実施形態であるカッタヘッド駆動用のラジア
ルピストンモータを備えたトンネル掘進機の一例を概略
的に示す側面図であり、図2は同背面図である。
【0028】これらの図において、一般的な構造を備え
たトンネル掘進機13は、円筒体からなるシールド本体
14の前端縁に回転カッタが配されている。その回転カ
ッタの回転カッタ面には、径方向に所定の間隔をおいて
図示せぬ複数のカッタビットが取り付けられている。そ
の回転カッタの中心部には、回転軸部15が図示せぬ軸
受部を介してシールド本体14内に支持されている。前
記回転軸部15は、図示せぬ歯車を介してカッタヘッド
駆動用の油圧モータにより駆動回転するようになってい
る。
【0029】本発明にあっては、シールド掘進機13の
カッタヘッド駆動用の油圧モータとして、ラジアルピス
トンモータ17を採用している。同ラジアルピストンモ
ータ17は、アキシャルピストンモータに比して小型で
あり、低速度で所望の高トルクを発生するため、例えば
減速機を使用しないで前記回転軸部15を駆動でき、シ
ールドの機長が短縮化できる。
【0030】図2に示すように、前記ラジアルピストン
モータ17は、回転軸部15の回転軸線を含む水平面上
にあって、シールド本体14の内壁面の左右両側にそれ
ぞれ配されている。このラジアルピストンモータ17に
は、回転始動時に発生しやすいドレン室6内のピーク圧
の衝撃を吸収する本発明の主要な特徴部をなす緩衝手段
18がそれぞれ設けられている。同緩衝手段18を備え
ることにより、前記ラジアルピストンモータ17を破損
させることなく、円滑に安定してシールドの推進を行う
ことができる。
【0031】前記回転カッタのカッタビットにより掘削
された土砂類は、前記シールド本体14の前部に設けら
れた図示せぬチャンバ内に取り込まれたのち、図示せぬ
スクリューコンベアにより、排土管16から後方に向け
て排出されるようになっている。立坑から発進したトン
ネル掘進機13が図示せぬシールドジャッキにより推進
すると、トンネル掘進機13は、図1において左方であ
る推進方向(切羽側)にトンネルを掘削していく。トン
ネル掘進機13が一回の掘進を終了すると、図示せぬセ
グメントエレクタ装置により、新たに掘削されたトンネ
ルの部分に所要数のセグメントをリング状に順次組み立
てて、この組立てと同時に、組み立てられたセグメント
リングと地山との間に裏込め注入が行われて、覆工がな
されたトンネルが築造される。
【0032】上記のごとく構成されたトンネル掘進機1
3は、従来から広く知られた周知の構造を有しているた
め、ここではその詳しい説明は省略し、本発明に適用さ
れる緩衝手段18を備えたラジアルピストンモータ17
の構造について以下に具体的に説明する。
【0033】上記従来技術のラジアルピストンモータ1
と異なるところは、ラジアルピストンモータ17のドレ
ン室6に生じる油圧変動を吸収する緩衝手段18を備え
ており、同モータ17の回転始動時に発生するドレン室
6内のピーク圧の衝撃を吸収して緩和する点にある。他
のラジアルピストンモータ17の構成及び構成部材は、
上記従来技術のラジアルピストンモータ1の構成及び構
成部材と実質的に異なるところはない。従って、以下の
説明は、ラジアルピストンモータ17におけるドレン室
6内のピーク圧衝撃吸収用の緩衝手段18を中心に説明
する。なお、上記従来のラジアルピストンモータ1と実
質的に同様の部材には図8に付した符号と同一の符号と
部材名を付している。
【0034】本発明の代表的な第1実施形態である緩衝
手段18は、図1及び図2に示すように、内部に空気又
は窒素ガス等の圧縮性流体を封入した一本の配管19を
備えている。この第1実施形態によれば、配管19は、
弾力を有する可撓性の低圧用のホース19により構成さ
れている。この緩衝手段18は、ホース19内の圧縮性
流体の圧縮とホース19自体の弾力とによりダンパ機能
をもたせている。前記ホース19を自由に折り曲げて、
上記シールド本体14の内壁面に取り付けることがで
き、同ホース19の膨脹によるダンピング効果が得られ
る。
【0035】図示例にあっては、このホース19の一端
は、継手26を介してドレン室6の内部に連通して取り
付けられている。前記ホース19は、シールド本体14
のスキンプレートの内壁面に沿わせて湾曲させた状態で
上方に向けて延在しており、その他端をプラグ20によ
り閉塞し、スキンプレートの内壁面の所定部位に固定し
ている。前記ホース19の内部には、所定量の圧縮性流
体が封入されている。
【0036】上記構成を備えることにより、ラジアルピ
ストンモータ17の回転始動時にドレン室6内に衝撃的
な圧力変動が生じて大きなピーク圧が発生しても、ドレ
ン室内の圧力は前記ホース19内に逃げると共に、ホー
ス19内の圧縮性流体を圧縮する。このときの圧縮動作
やホース19の弾性変形等により前記ピーク圧が瞬時に
吸収される。このため、図6に示すように、ドレン室6
内のピーク圧による衝撃が確実に緩和され、ラジアルピ
ストンモータ17の破損、変形や油漏れ等が効果的に防
止できる。
【0037】次に、図3〜図5に本発明に適用される異
なる緩衝手段18が適用された本発明のラジアルピスト
ンモータ17の第2〜第4実施形態の概略断面図を示し
ている。図3に示す第2実施形態では、前記緩衝手段1
8として圧縮性流体を封入した圧縮自在な袋体21、例
えば弾性ゴム袋21からなるガスダンパが適用され、図
4に示す第3実施形態では、前記緩衝手段18としてゴ
ム板22からなるゴムダンパが適用され、図5に示す第
4実施形態では、前記緩衝手段18としてコイルばね2
3及び摺動板24を有するばねダンパが適用されてい
る。
【0038】なお、これらの図においても、上記従来の
ラジアルピストンモータ1と実質的に同様の部材には図
8に付した符号と同一の符号と部材名を付している。従
って、これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
【0039】図3に示す第2実施形態に適用される緩衝
手段18は、圧縮性流体の圧縮性とゴム袋21の弾性変
形とを利用している。ハウジング2のカバー体2aの略
中央部に開口を形成し、その開口縁部には開放側をドレ
ン室6に連通させて、底部を外方に突出させた略円筒状
をなすケース25が固設されている。そのケース25の
内部を、圧縮性流体を封入したゴム袋21の収納空間と
している。そのゴム袋21の一部をケース25の底部に
固着している。
【0040】ドレン室6内のピーク圧による衝撃的な圧
力がゴム袋21に作用すると、同ゴム袋21は、ケース
25の内方に向けて弾性変形しながら、圧縮性流体を圧
縮させて、ドレン室6内のピーク圧の衝撃を吸収する。
本実施形態における緩衝手段18は構造が簡単であり、
この経済的な緩衝手段18により、ドレン室6内に発生
する上述のピーク圧に対して十分な衝撃吸収機能が発揮
される。なお、その衝撃吸収機能は、前記ゴム袋21の
材質やゴム肉厚、及び同ゴム袋21に封入される流体量
により制御することができる。
【0041】次に、図4を参照すると、第3実施形態に
適用される緩衝手段18として、弾性動作可能な略円盤
状のゴム板22からなるゴムダンパが採用されている。
同図に示すように、前記ゴム板22が、前記ケース25
の開放端側にあって、前記カバー体2aの開口縁部に液
密に固定され、ドレン室6とケース25の内部とを隔離
している。また、同ケース25の内部には、例えば空気
などの圧縮性流体を封入されている。
【0042】この緩衝手段18は、ゴム板22の弾性変
形及び封入流体の圧縮性を利用する。この実施形態にあ
っても、上記第2実施形態と同様に、構造が簡単であっ
て経済的であり、例えばゴム板22の重ね枚数、硬度や
厚さ等を変えて、ドレン室6のピーク圧に対する衝撃吸
収特性を適切に設定することができる。
【0043】次に、図5を参照すると、第4実施形態に
適用される緩衝手段18として、コイルばね23及び摺
動板24からなるばねダンパが採用されている。この緩
衝手段18は、前記コイルばね23のばね弾性を利用し
ている。コイルばね23の一端は前記ケース25の底部
に固着されており、その他端は略円盤状をなす摺動板2
4をケース25の内壁面に沿って摺動自在に固定支持し
て、同摺動板24がドレン室6に発生するピーク圧を受
けると、摺動板24を介してコイルばね23を弾性的に
圧縮して、前記ピーク圧に対する十分な衝撃吸収機能が
発揮される。
【0044】このコイルばね23として、例えば圧縮コ
イルばねを使う場合に、その圧縮方向に異なる2以上の
ばね定数をもつようにしてもよい。具体的には、例えば
ばね定数の異なる2以上の圧縮コイルばねを直列的に多
段に配したり、或いはコイル径及び、線径を途中で変更
した単一の圧縮コイルばね、線径が一定でコイル径を途
中で変更する円錐、樽等の非線型ばねなどが使用でき
る。こうしてばね特性を非線形とすることにより、最適
なダンパ機能が得られる。なお、図示例では圧縮コイル
ばねを使っているが、コイルばねに代えて板ばねなどを
組み合わせて使うこともできる。
【0045】図1及び図2に示す第1実施形態に適用さ
れた緩衝手段18を備えたラジアルピストンモータ17
を製作して次のような実験を行った。図6は、本発明の
ラジアルピストンモータ17におけるドレンピーク圧発
生時の圧力波形を示している。図7は、従来のラジアル
ピストンモータ1におけるドレンピーク圧発生時の圧力
波形を示している。これらの図において、符号DWはド
レン路側の圧力波形を示し、符号OWは流出ポート側の
圧力波形を示しており、符号IWは流入ポート側の圧力
波形を表している。
【0046】(実験例)ドレン路6aを絞ってピーク圧
を発生しやすい状態にしたのち、シャフト一回転当たり
の吐出量が約5,000cc/revを得て、上記第1
実施形態に適用された緩衝手段18を備えたラジアルピ
ストンモータ17を起動させ、ドレン路6a内にピーク
圧を発生させたところ、出力トルクは安定して良好であ
った。同時に、ブルドン管式圧力計を使って圧力を計測
し、前記緩衝手段18のホース19によるピーク圧の低
減状態を確認したところ、図6に示すようにドレン路6
a内のピーク圧発生時における圧力変動は、約0.04
MPa以下に抑えることができ、ラジアルピストンモー
タ17の回転始動時に発生しやすいドレン室6内のピー
ク圧による破損、変形や油洩れ等の発生は全く認められ
なかった。
【0047】(比較例)上記実験例と同様の条件によっ
て、前記緩衝手段18を備えていない図8に示す従来の
ラジアルピストンモータ1を起動して、ドレン路6a内
にピーク圧を発生させたところ、出力トルクが瞬間的に
低下した。ラジアルピストンモータ1の起動時に、ブル
ドン管式圧力計を使って圧力を計測してドレン路6a内
のピーク圧を確認したところ、図7に示すようにドレン
路6a内のピーク圧の変動は約0.46MPaであっ
て、本発明における変動の略11倍程度もの大きな圧力
変動が瞬時に発生しており、ラジアルピストンモータ1
の回転始動時に発生しやすいドレン室6a内のピーク圧
によるカバー2aの変形の発生が認められた。配管を介
してドレン路6aをタンクに接続してはいるものの、タ
ンクまでの距離が長いため、瞬間的なピーク圧は吸収し
きれなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるカッタヘッド
駆動用のラジアルピストンモータを備えたトンネル掘進
機の一例を概略的に示す側面図である。
【図2】同背面図である。
【図3】本発明に適用される緩衝手段を備えたラジアル
ピストンモータの概略断面図である。
【図4】本発明に適用される他の緩衝手段を備えたラジ
アルピストンモータの概略断面図である。
【図5】本発明に適用される更に他の緩衝手段を備えた
ラジアルピストンモータの概略断面図である。
【図6】本発明のラジアルピストンモータにおけるドレ
ンピーク圧発生時の圧力波形を示す波形図である。
【図7】従来のラジアルピストンモータにおけるドレン
ピーク圧発生時の圧力波形を示す波形図である。
【図8】従来のラジアルピストンモータの構造例を示す
概略断面図である。
【図9】図8のII−II線矢視断面図である。
【符号の説明】
1,17 ラジアルピストンモータ 2 ハウジング 2a カバー体 3 ベアリング 4 シャフト 5 シリンダブロック 6 ドレン室 6a ドレン路 7 Oリング 8 安全弁 9 シリンダ穴 9a 流入ポート 9b 流出ポート 10 ピストン 11 ローラ 12 多葉カム 13 トンネル掘進機 14 シールド本体 15 回転軸部 16 排土管 18 緩衝手段 19 配管 20 プラグ 21 袋体 22 ゴム板 23 コイルばね 24 摺動板 25 ケース 26 継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二羽 誠 石川県小松市八日市町地方5 株式会社小 松製作所小松工場内 Fターム(参考) 2D054 AC01 BA03 BB01 BB09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機の前面に支承されるカッ
    タヘッドの駆動用油圧モータであって、 前記油圧モータは、ラジアルピストンモータからなり、 同ラジアルピストンモータの回転始動時に発生するドレ
    ン室内のピーク圧を吸収する緩衝手段を備えてなること
    を特徴とするシールド掘進機のカッタヘッド駆動用油圧
    モータ。
  2. 【請求項2】 前記緩衝手段は圧縮性流体を含んでなる
    ことを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機のカッ
    タヘッド駆動用油圧モータ。
  3. 【請求項3】 前記緩衝手段は弾性体を含んでなること
    を特徴とする請求項1又は2記載のシールド掘進機のカ
    ッタヘッド駆動用油圧モータ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載されたカ
    ッタヘッド駆動用油圧モータを備えてなることを特徴と
    するシールド掘進機。
JP2000395811A 2000-12-26 2000-12-26 シールド掘進機のカッタヘッド駆動用油圧モータ及び同モータを備えたシールド掘進機 Pending JP2002194993A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112922628A (zh) * 2021-03-22 2021-06-08 安徽唐兴机械装备有限公司 顶管机刀盘驱动装置
CN113175326A (zh) * 2021-04-09 2021-07-27 重庆文理学院 自动测量式tbm施工的掘进测量机及使用方法

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