JP2002188854A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和機の騒音を効果的に低減させると共
に、空気調和機をコンパクトに構成可能とする。 【解決手段】 空気調和機１は、天井Ｓに設置され、ケ
ーシング２に設けられた吸込口３から空気を吸込んで、
吹出口６から調和空気を吹き出すものである。ケーシン
グ２の内部は、仕切部材８によって、吸込口３側の吸込
チャンバ９と、吹出口６側の吹出チャンバ１０とに区画
されており、ケーシング２内には、吸込口３から取り入
れられた空気を吸込チャンバ９から吹出チャンバ１０に
圧送する送風機１１が配置されている。また、吹出チャ
ンバ１０内には、仕切部材８と吹出口６との間に位置す
る吹出側熱交換器１２が配置されており、吸込チャンバ
９内には、吸込口３と送風機１１との間に位置する吸込
側熱交換器１５が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、家庭
用、業務用、車両用といった各種用途に適用可能な天井
設置型の空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、この種の分野に属するものの
一例として、図３に示すような空気調和機が知られてい
る。同図に示す空気調和機１０１は、天井Ｓに据え付け
られるケーシング１０２を有し、このケーシング１０２
の一端側には、吸込口１０３が設けられている。この吸
込口１０３には、遠隔操作可能な吸込ルーバ１０４が装
備されており、吸込ルーバ１０４の下流側には、除塵フ
ィルタ１０５が配置されている。また、ケーシング１０
２の他端側には、吹出口１０６が設けられており、この
吹出口１０６にも、遠隔操作可能な吹出ルーバ１０７が
装備されている。

【０００３】図３に示すように、ケーシング１０２の内
部は、仕切部材１０８によって、吸込口１０３側の吸込
チャンバ１０９と、吹出口１０６側の吹出チャンバ１１
０とに区画されている。そして、吸込チャンバ１０９内
には、送風機１１１が配置されている。送風機１１１の
吹出口は、仕切部材１０８に設けられた開口部に接続さ
れている。一方、吹出チャンバ１１０内には、熱交換器
１１２と、冷房時等の凝縮水等を受けるドレンパン１１
４とが配置されている。これにより、送風機１１１を作
動させれば、吸込口１０３を介して室内等の空気が吸込
チャンバ１０９内に吸い込まれる。そして、送風機１１
１によって熱交換器１１２に向けて圧送された空気は、
熱交換器１１２を通過する際に例えば除湿冷却される。
この結果、吹出口１０６からは、所望の調和空気が吹き
出されることになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように構成された従来の空気調和機には、次のような
問題点が存在していた。すなわち、空気調和機の作動
中、送風機からは、いわゆる吸込音と吹出音とが発せら
れる。この場合、送風機の吹出側には、熱交換器が配置
されていることから、送風機が発する吹出音は、熱交換
器によってある程度遮蔽される。その一方で、送風機の
吸込音は、除塵フィルタ、吸込ルーバ等を介してそのま
まケーシングの外部に放射されてしまう。この点で、従
来の空気調和装置は、騒音面で問題を有していた。

【０００５】また、上述したような空気調和機では、全
体の高さ（厚さ）を低減させるべく、図３に示すよう
に、熱交換器は吹出口側に傾斜させられた状態で吹出チ
ャンバ内に配置される。しかしながら、熱交換器の有効
伝熱面積を十分に確保するといった観点からは、傾斜角
度を大きくとることにも限界がある。この点で、従来の
空気調和機では、一層のコンパクト化を図ることが困難
であった。

【０００６】そこで、本発明は、効果的に騒音を低減さ
せることができると共に、コンパクトに構成可能な空気
調和機の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
による空気調和機は、天井に設置され、ケーシングに設
けられた吸込口から空気を吸込んで、吹出口から調和空
気を吹き出す空気調和機において、ケーシングの内部
を、吸込口側の吸込チャンバと、吹出口側の吹出チャン
バとに区画する仕切部材と、吸込口から取り入れられた
空気を吸込チャンバから吹出チャンバに圧送する送風機
と、吹出チャンバ内に配置されており、仕切部材と吹出
口との間に位置する吹出側熱交換器と、吸込チャンバ内
に配置されており、吸込口と送風機との間に位置する吸
込側熱交換器とを備えることを特徴とする。

【０００８】この空気調和機は、仕切部材によってケー
シング内に区画される吹出チャンバに配置された吹出側
熱交換器に加えて、吸込チャンバに吸込側熱交換器を備
えるものである。すなわち、この空気調和機は、実質的
に、吹出チャンバに配置されていた１体の熱交換器を吹
出チャンバ側と吸込チャンバ側とに分割して配置したも
のに相当する。これにより、空気調和機の熱交換性能
は、従来品と同等以上に確保することができる。そし
て、この空気調和機では、送風機の吹出音が吹出側熱交
換器によって遮蔽されると共に、送風機の吸込音が吸込
側熱交換器によって遮蔽されることになる。従って、こ
の空気調和機によれば、送風機が発する吸込音と吹出音
との双方がケーシング外部にそのまま放射されてしまう
ことを防止できる。この結果、空気調和機全体の騒音、
とりわけ、送風機の吹出音に起因する騒音を極めて効果
的に低減させることができる。

【０００９】また、吹出チャンバの吹出側熱交換器に加
えて、吸込チャンバに吸込側熱交換器を配置すること、
すなわち、１体の熱交換器を吹出チャンバ側と吸込チャ
ンバ側とに分割して配置することにより、空気調和機の
熱交換性能を必要十分に確保した上で、吹出側熱交換
器、及び、吸込側熱交換器の双方について、流れ方向管
列数を少なくすることができる。従って、吹出側熱交換
器、及び、吸込側熱交換器双方の傾斜角度を大きくとっ
ても、有効伝熱面積を十分に確保することが可能とな
る。これにより、空気調和機の性能を損なうことなく、
空気調和機の高さ（厚さ）を小さくできるので、装置全
体を容易にコンパクト化することができる。

【００１０】更に、吹出側熱交換器の流れ方向管列数
を、吸込側熱交換器の流れ方向管列数よりも多くすると
好ましい。

【００１１】このような構成は、空気調和装置に１体の
熱交換器を設けるとした場合に、当該熱交換器の流れ方
向管列数が奇数となる場合に特に好適である。すなわ
ち、一般に、送風機の吹出音は、吸込音よりも大きい。
従って、この空気調和機のように、吹出側熱交換器の流
れ方向管列数を、吸込側熱交換器の流れ方向管列数より
も多くすることにより、送風機の吹出音に起因する騒音
をより効果的に遮蔽することが可能となる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による空
気調和機の好適な実施形態について詳細に説明する。

【００１３】図１は、本発明による空気調和機を示す概
略構成図である。同図に示す空気調和機１は、いわゆる
天井設置型の空気調和機として構成されており、天井Ｓ
に据え付けられるケーシング２を有する。ケーシング２
の一端側下部には、吸込口３が設けられている。この吸
込口３には、遠隔操作可能な吸込ルーバ４が装備されて
おり、吸込ルーバ４の下流側には、除塵フィルタ５が配
置されている。また、ケーシング２の他端側には、吹出
口６が設けられており、この吹出口６にも、遠隔操作可
能な吹出ルーバ７が装備されている。

【００１４】図１に示すように、ケーシング２の内部
は、仕切部材８によって、吸込口３側の吸込チャンバ９
と、吹出口６側の吹出チャンバ１０とに区画されてい
る。吸込チャンバ９内には、送風機１１が配置される。
この場合、送風機１１の吸込口は、吸込チャンバ９内に
位置する。そして、送風機１１の吹出口は、仕切部材８
に設けられた開口部に接続される。これにより、送風機
１１を作動させれば、吸込口３を介して吸込チャンバ９
内に空気が取り入れられ、取り入れられた空気は、送風
機１１によって、吸込チャンバ９から吹出チャンバ１０
に圧送される。

【００１５】一方、吹出チャンバ１０内には、吹出側熱
交換器１２が配置される。吹出側熱交換器１２は、仕切
部材８と吹出口６との間に位置する。吹出側熱交換器１
２は、フィン−チューブ式の熱交換器であり、何れも図
示を省略する圧縮機、室外側熱交換器、膨張弁等と共に
ヒートポンプサイクルを構成する。これにより、冷房運
転時には低温の冷媒が、暖房運転時には高温の冷媒が熱
交換器の伝熱管を流通することになる。吹出側熱交換器
１２の下方には、冷房時等の凝縮水等を受けるドレンパ
ン１４が配置されている。

【００１６】更に、空気調和機１は、仕切部材８によっ
てケーシング２内に区画される吹出チャンバ１０に配置
された吹出側熱交換器１２に加えて、吸込チャンバ９に
吸込側熱交換器１５を備える。吸込側熱交換器１５も、
フィン−チューブ式の熱交換器であり、吸込口３と送風
機１１との間に位置するように吸込チャンバ９内に配置
されている。また、吸込側熱交換器１５の下方には、冷
房時等の凝縮水等を受けるドレンパン１６が配置されて
いる。吸込側熱交換器１５は、吹出側熱交換器１２、圧
縮機、室外側熱交換器、膨張弁等が構成するヒートポン
プサイクルに、吹出側熱交換器１２と並列に組み込まれ
る。

【００１７】ここで、吹出側熱交換器１２と吸込側熱交
換器１５との能力は、次のように定められる。例えば、
従来、吹出チャンバ側にのみ、流れ方向管列数が２列で
ある熱交換器を１体配置していたような場合、吹出チャ
ンバ１０側と吸込チャンバ９側とに、それぞれ、流れ方
向管列数が１列である吹出側熱交換器１２と吸込側熱交
換器１５とを配置する。すなわち、空気調和機１は、実
質的に、吹出チャンバに配置されていた１体の熱交換器
を吹出チャンバ１０側と吸込チャンバ９側とに分割して
配置したものに相当する。これにより、空気調和機１の
熱交換性能は、従来品と同等以上に確保することができ
る。

【００１８】このように構成された空気調和機１では、
送風機１１を作動させれば、吸込口３を介して室内等の
空気が吸込チャンバ９内に吸い込まれる。そして、吸込
口３からケーシング２内の吸込チャンバ９に流れ込んだ
空気は、送風機１１の吸込口に流入する前に、吸込側熱
交換器１５を通過し、これにより、空気は例えば除湿冷
却される。そして、吸込側熱交換器１５を通過した空気
は、送風機１１によって吹出チャンバ１０内に圧送さ
れ、吹出側熱交換器１２を通過する際に、再度、例えば
除湿冷却される。この結果、吹出口６から、所望の調和
空気が吹き出されることになる。

【００１９】そして、空気調和機１の作動中、送風機１
１の吹出音が吹出側熱交換器１２によって遮蔽されると
共に、送風機１１の吸込音が吸込側熱交換器１５によっ
て遮蔽されることになる。従って、空気調和機１によれ
ば、送風機１１が発する吸込音と吹出音との双方がケー
シング２の外部にそのまま放射されてしまうことを防止
できる。この結果、空気調和機１の全体の騒音、とりわ
け、送風機１１の吹出音に起因する騒音を極めて効果的
に低減させることが可能となる。

【００２０】また、吹出チャンバ１０の吹出側熱交換器
１２に加えて、吸込チャンバ９に吸込側熱交換器１５を
配置すること、すなわち、１体の熱交換器を吹出チャン
バ１０側と吸込チャンバ９側とに分割して配置すること
により、空気調和機１の熱交換性能を必要十分に確保し
た上で、吹出側熱交換器１２、及び、吸込側熱交換器１
５の双方について、流れ方向管列数を少なくすることが
できる。従って、吹出側熱交換器１２と、吸込側熱交換
器１５との傾斜角度を大きくとっても、有効伝熱面積を
十分に確保することが可能となる。これにより、空気調
和機１では、性能を損なうことなく、高さ（厚さ）を小
さくできるので、装置全体を容易にコンパクト化するこ
とができる。

【００２１】図２は、本発明による空気調和装置の他の
実施形態を示す概略構成図である。同図に示す空気調和
機１Ａは、基本的に、上述した空気調和機１と同様の構
成を有するが、この空気調和機１Ａでは、吹出側熱交換
器１２Ａの流れ方向管列数が吸込側熱交換器１５の流れ
方向管列数よりも多く設定されている。このような構成
は、空気調和装置に１体の熱交換器を設けるとした場合
に、当該熱交換器の流れ方向管列数が奇数となる場合に
特に好適なものである。すなわち、一般に、送風機１１
の吹出音は、吸込音よりも大きい。従って、この空気調
和機１Ａのように、吹出側熱交換器１２Ａの流れ方向管
列数を、吸込側熱交換器１５の流れ方向管列数よりも多
くすることにより、送風機１１の吹出音に起因する騒音
をより効果的に遮蔽することが可能となる。

【００２２】

【発明の効果】本発明による空気調和機は、以上説明し
たように構成されているため、次のような効果を得る。
すなわち、本発明による空気調和機は、天井に設置さ
れ、ケーシングに設けられた吸込口から空気を吸込ん
で、吹出口から調和空気を吹き出すものであり、ケーシ
ングの内部を、吸込口側の吸込チャンバと、吹出口側の
吹出チャンバとに区画する仕切部材と、吸込口から取り
入れられた空気を吸込チャンバから吹出チャンバに圧送
する送風機と、吹出チャンバ内に配置されて仕切部材と
吹出口との間に位置する吹出側熱交換器とに加えて、吸
込チャンバ内に配置されて吸込口と送風機との間に位置
する吸込側熱交換器を備える。これにより、空気調和機
の騒音を効果的に低減させることができると共に、空気
調和機をコンパクトに構成可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による空気調和機を示す概略構成図であ
る。

【図２】本発明による空気調和機の他の実施形態を示す
概略構成図である。

【図３】従来の空気調和機の一例を示す概略構成図であ
る。

【符号の説明】

１，１Ａ…空気調和機、２…ケーシング、３…吸込口、
４…吸込ルーバ、５…除塵フィルタ、６…吹出口、７…
吹出ルーバ、８…仕切部材、９…吸込チャンバ、１０…
吹出チャンバ、１１…送風機、１２，１２Ａ…吹出側熱
交換器、１４，１６…ドレンパン、１５…吸込側熱交換
器、Ｓ…天井。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井に設置され、ケーシングに設けられ
   た吸込口から空気を吸込んで、吹出口から調和空気を吹
   き出す空気調和機において、 前記ケーシングの内部を、前記吸込口側の吸込チャンバ
   と、前記吹出口側の吹出チャンバとに区画する仕切部材
   と、 前記吸込口から取り入れられた空気を前記吸込チャンバ
   から前記吹出チャンバに圧送する送風機と、 前記吹出チャンバ内に配置されており、前記仕切部材と
   前記吹出口との間に位置する吹出側熱交換器と、 前記吸込チャンバ内に配置されており、前記吸込口と前
   記送風機との間に位置する吸込側熱交換器とを備えるこ
   とを特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】 前記吹出側熱交換器の流れ方向管列数
   が、前記吸込側熱交換器の流れ方向管列数よりも多いこ
   とを特徴とする請求項１に記載の空気調和機。