JP2002187890A - ベンズイミダゾール化合物、その製造法およびその用途 - Google Patents

ベンズイミダゾール化合物、その製造法およびその用途

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JP2002187890A
JP2002187890A JP2001314204A JP2001314204A JP2002187890A JP 2002187890 A JP2002187890 A JP 2002187890A JP 2001314204 A JP2001314204 A JP 2001314204A JP 2001314204 A JP2001314204 A JP 2001314204A JP 2002187890 A JP2002187890 A JP 2002187890A
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halogen
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Keiji Kamiyama
圭司 神山
Fumihiko Sato
文彦 佐藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた酸安定性を有し、生体内でプロトンポ
ンプ阻害薬に変換されて抗潰瘍作用等を示すベンズイミ
ダゾール化合物の提供。 【解決手段】 式(I) 【化1】 〔式中、各記号は明細書と同義〕で表わされる化合物ま
たはその塩。 【効果】 (1)生体内での優れた抗潰瘍作用、胃酸分泌
抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘリコバクター・ピロリ作
用等、(2)毒性が低い、(3)酸に安定(腸溶製剤化が不要
となり費用が削減でき、製剤の寸法の減少で嚥下力の弱
い病人が服用し易い)、(4)腸溶製剤より吸収が速い
(胃酸分泌抑制作用の発現が速い)、(5)持続性があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体内でプロトン
ポンプ阻害薬に変換されて抗潰瘍作用等を示すベンズイ
ミダゾール化合物、その製造方法およびその用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】抗潰瘍作用を有するプロトンポンプ阻害
薬2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾールまたはその塩は、特開
昭61−50978号等に報告されている。
【0003】しかしながら、上記化合物は酸に不安定な
ため、経口投与する場合には胃酸による分解を防ぐため
に腸溶製剤にしてカプセルに充填して投与されている。
【0004】このため酸に安定で胃酸により分解し難い
上記化合物のプロドラッグの開発が望まれており、米国
特許第6093734号で当該プロドラッグが報告され
ている。また、上記以外のプロトンポンプ阻害薬のプロ
ドラッグについて、米国特許第4045563号、第4
686230号、第4873337号、第496526
9号、第5021433号等に開示されている。
【0005】以上のことから、優れた酸安定性を有する
プロトンポンプ阻害薬のプロドラッグの開発が望まれて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た酸安定性を有し、生体内で2−[[[3−メチル−4
−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ルに変換されて抗潰瘍作用等を示すベンズイミダゾール
化合物、その製造方法およびその用途を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、下記一般
式(I)で表わされる化合物を初めて合成し、該化合物
が、予想外に優れた酸安定性を有し、かつ徐々にベンズ
イミダゾール環の窒素原子上の置換基を脱離し、持続し
た酸分泌抑制作用を奏することを初めて見出し、これら
の知見に基づいてさらに研究し、本発明を完成した。
【0008】本発明により、2−[[[3−メチル−4
−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ルを修飾して酸に安定なプロドラッグ(一般式(I)の化
合物)にすることができ、これにより、腸溶製剤にする
ことなく通常の錠剤等として経口投与することができ
る。このため、腸溶製剤にする費用を削減でき、その
上、錠剤等の製剤を小さくすることができる。製剤が小
さくなると嚥下力の弱い病人、特に老人や小人に服用し
やすくなるという利点を有する。しかも、腸溶製剤のよ
うな徐放効果はないので吸収が速く、胃酸分泌抑制作用
の発現が速く、痛み等の症状の改善が速い。また生体内
で徐々にプロトンポンプ阻害薬に変換されるので持続性
のある抗潰瘍剤等を提供することができる。
【0009】即ち、本発明は、 1) 一般式(I)
【0010】
【化6】
【0011】〔式中、Dは酸素原子又は結合手を、Rは
置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。〕で表わ
されるベンズイミダゾール化合物(以下、化合物(I)と
略することもある)またはその塩。 2) Rが、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)
ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6
アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C
1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)アシルアミノ
基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい、
1-6アルキル基、C2-6アルケニル基又はC 2-6アルキ
ニル基であるか、あるいは (i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(i
v)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ
基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキ
シ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されてい
てもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換
基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC
6-14アリール基である、上記1)の化合物またはその
塩。 3) Rが、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)
ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6
アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C
1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)アシルアミノ
基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよいC
1-6アルキル基であるか、あるいは (i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(i
v)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ
基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキ
シ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されてい
てもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換
基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC
6-14アリール基である、上記1)の化合物またはその
塩。 4) Dが結合手であり、かつRが置換基を有していて
もよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリ
ール基である、上記1)の化合物またはその塩。 5) Rが(1)(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、
(iii)ハロゲン、(iv)1〜5個のハロゲンで置換されて
いてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオ
キシ基および(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基から
なる群より選ばれる1〜5個の置換基を有していてもよ
いC1-6アルキル基、または(2)(i)ハロゲン、(ii)1
〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルキ
ル基、(iii)C 6-14アリール基、(iv)水酸基、(v)1〜5
個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ
基、(vi)C7-12アラルキルオキシ基および(vii)C1-5
ルコキシ−カルボニル基からなる群より選ばれる1〜5
個の置換基を有していてもよいC6-14アリール基である
上記4)の化合物またはその塩。 6) Rが(1)C6-14アリール基で置換されていても
よいC1-6アルキル基または(2)C6-14アリール基で
ある上記4)の化合物またはその塩。 7) Rがフェニル基である上記4)の化合物またはそ
の塩。 8) Rがメチル基またはtert−ブチル基である上記
4)の化合物またはその塩。 9) 一般式
【0012】
【化7】
【0013】〔式中、各記号は上記1と同意義を示
す。〕で表わされる(R)体である上記1)の化合物ま
たはその塩。 10) (1)式(II)
【0014】
【化8】
【0015】〔式中、Mは水素原子、金属陽イオンまた
は第4級アンモニウムイオンを示す〕で表わされる化合
物(以下、化合物(II)と略することもある)またはその
塩と 式(III):R−D−C(=O)−O−CH2−X〔式中、
Xはハロゲンを、Dは酸素原子又は結合手を、Rは置換
基を有していてもよい炭化水素基を示す。〕で表わされ
る化合物(以下、化合物(III)と略することもある)と
を縮合させるか、(2)式(IV)
【0016】
【化9】
【0017】で表わされる化合物(以下、化合物(IV)と
略することもある)と式R−D−COOH〔式中、各記
号は前記と同意義を示す。〕で表わされるカルボン酸ま
たはその反応性誘導体とを縮合させるか、あるいは
(3)式(V)
【0018】
【化10】
【0019】〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕
で表わされる化合物(以下、化合物(V)と略することも
ある)またはその塩を酸化反応に付すことを特徴とする
上記1)の化合物またはその塩の製造方法。 11) 上記1)または4)の化合物を含有してなる医
薬組成物。 12) 消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、NUD、胃
癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部消化管出
血の予防・治療剤である上記11)の医薬組成物。 13) 上記12)の医薬組成物、及び該医薬組成物を
消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、NUD、胃癌、胃M
ALTリンパ腫、胃酸過多または上部消化管出血の予防
または治療用途に使用することができる、または使用す
べきであることを記載した、該医薬組成物に関する記載
物を含む商業パッケージ。 14) ヘリコバクター・ピロリ除菌剤である上記1
1)の医薬組成物。 15) 上記14)の医薬組成物、及び該医薬組成物を
ヘリコバクター・ピロリの除菌用途に使用することがで
きる、または使用すべきであることを記載した、該医薬
組成物に関する記載物を含む商業パッケージ。 16) 上記1)の化合物を有効成分として含有してな
る、消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、NUD、胃癌、
胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部消化管出血の
予防または治療剤。 17) 上記1)の化合物を有効成分として含有してな
るヘリコバクター・ピロリ除菌剤。 18) 上記1)の化合物を投与することからなる、消
化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、NUD、胃癌、胃MA
LTリンパ腫、胃酸過多または上部消化管出血の予防ま
たは治療方法。 19) 上記1)の化合物を投与することからなるヘリ
コバクター・ピロリ除菌方法。 20) 消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、NUD、胃
癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部消化管出
血の予防・治療剤を製造するための上記1)の化合物の
使用。 21) ヘリコバクター・ピロリ除菌剤を製造するため
の上記1)の化合物の使用。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における「アリール基」と
は、単環式または縮合多環式の芳香族炭化水素基であ
り、好ましくは炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(「C6-14アリール基」)であり、例えば、フェニル、
ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレ
ニルが挙げられ、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基が
好ましく、Rにおいては、中でもフェニルが特に好まし
い。
【0021】本発明における「ハロゲン」とは、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素である。式(I)中のRで表され
る炭化水素基の置換基としてのハロゲンにおいては、好
ましくはフッ素、塩素である。
【0022】本発明における「ハロゲンで置換されてい
てもよいC1-6アルコキシ基」とは、ハロゲン(上記と
同義;好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個)
で置換されていてもよい、直鎖状または分岐鎖状の、炭
素数1〜6のアルコキシ基であり、C1-6アルコキシ基
としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、se
c−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられ、炭素数1
〜4のアルコキシ基が好ましい。ハロゲンで置換されて
いてもよいC1-6アルコキシ基としては、メトキシ、エ
トキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプ
ロポキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフ
ルオロエトキシが好ましい。
【0023】本発明における「アルキル基」とは、直鎖
状または分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは炭素
数1〜6のアルキル基(「C1-6アルキル基」)であ
り、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
1−メチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、
1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,
3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルプロピル、2−
エチルブチル等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基
がより好ましい。Rにおいては、中でもメチル、エチ
ル、イソプロピル、tert−ブチルが好ましく、特にtert
-ブチルが好ましい。
【0024】本発明における「C7-12アラルキルオキシ
基」とは、アリール基が上記したようなアリール基(好
ましくはフェニル基)であり、アルキル部が上記「C
1-6アルキル基」と同義である、炭素数7〜12のアラル
キルオキシ基であり、例えば、ベンジルオキシ、1−ナ
フチルメチルオキシ、2−ナフチルメチルオキシ等が挙
げられ、炭素数7〜11のアラルキルオキシ基が好まし
く、フェニル−C1-4アルキルオキシ基がより好まし
く、中でもベンジルオキシが好ましい。
【0025】本発明における「C1-5アルコキシ−カル
ボニル基」とは、アルコキシ部が直鎖状または分岐鎖状
の、炭素数1〜5のアルコキシ基であるアルコキシカル
ボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシ
カルボニルなどが挙げられ、アルコキシ部の炭素数が1
〜4であるアルコキシカルボニル基が好ましく、中でも
メトキシカルボニル、エトキシカルボニルが好ましい。
【0026】本発明における「ハロゲンで置換されてい
てもよいC1-6アルキル基」とは、ハロゲン(好ましく
は1〜5個、より好ましくは1〜3個)で置換されてい
てもよいC1-6アルキル基(上記と同義)であり、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、トリフルオロメ
チルが好ましい。
【0027】本発明における「C2-6アルケニル基」と
は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数2〜6のアルケニル
基であり、例えば、ビニル、n−プロペニル、イソプロ
ペニル、n−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニ
ル、tert−ブテニル、n−ペンテニル、イソペンテニ
ル、ネオペンテニル、1−メチルプロペニル、n−ヘキ
セニル、イソヘキセニル、1,1−ジメチルブテニル、
2,2−ジメチルブテニル、3,3−ジメチルブテニル、
3,3−ジメチルプロペニル、2−エチルブテニル等が
挙げられ、炭素数2〜4のアルケニル基が好ましく、中
でもビニル、n−プロペニル、イソプロペニルが好まし
い。
【0028】本発明における「C2-6アルキニル基」と
は、直鎖状または分岐鎖状の炭素数2〜6のアルキニル
基であり、例えば、エチニル、n−プロピニル(1−プ
ロピニル)、イソプロピニル(2−プロピニル)、n−
ブチニル、イソブチニル、sec−ブチニル、tert−ブチ
ニル、n−ペンチニル、イソペンチニル、ネオペンチニ
ル、1−メチルプロピニル、n−ヘキシニル、イソヘキ
シニル、1,1−ジメチルブチニル、2,2−ジメチルブ
チニル、3,3−ジメチルブチニル、3,3−ジメチルプ
ロピニル、2−エチルブチニル等が挙げられ、炭素数2
〜3のアルキニル基が好ましく、中でもエチニル、1−
プロピニル、2−プロピニルが好ましい。
【0029】本発明における「C3-8シクロアルキル
基」とは、直鎖状または分岐鎖状の、炭素数3〜8のシ
クロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘ
プチル、シクロオクチル等が挙げられ、炭素数5〜7の
シクロアルキル基が好ましく、中でもシクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチルが好ましく、特にシク
ロヘキシルが好ましい。
【0030】本発明における「炭化水素基」とは、脂肪
族または芳香族の炭化水素基を包含し、ここでいう脂肪
族炭化水素基とは、飽和または不飽和の、直鎖状、分岐
鎖状または環状の炭化水素基を意味する。炭化水素基と
しては、炭素数が1〜14である炭化水素基が好まし
く、例えば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C6-14アリ
ール基が挙げられ、C1- 6アルキル基、C3-8シクロアル
キル基、C6-14アリール基が好ましく、中でもC 1-6
ルキル基、C3-8シクロアルキル基がより好ましい。
【0031】本発明における「アシルアミノ基」として
は、例えば、アルカノイルアミノ(アルカノイル部分の
炭素数が1〜6のものが好ましい。例.アセチルアミ
ノ、ホルミルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチルアミ
ノ、イソブチルアミノ、ペンタノイルアミノ、ヘキサノ
イルアミノなど)、アルケノイルアミノ(アルケノイル
部分の炭素数が3〜6のものが好ましい。例.プロペノ
イルアミノ、1−ブテノイルアミノ、2−ブテノイルア
ミノ、1−ペンテノイルアミノ、1−ヘキセノイルアミ
ノなどが挙げられる)、シクロアルカノイルアミノ(炭
素数4〜8のものが好ましい。例.シクロプロパノイル
アミノ、シクロブタノイルアミノ、シクロペンタノイル
アミノ、シクロヘキサノイルアミノ、シクロヘプタノイ
ルアミノなど)などが挙げられる。特に、アシルアミノ
基としてはアルカノイルアミノが好ましく、中でもアセ
チルアミノが好ましい。
【0032】本発明における「金属陽イオン」として
は、アルカリ金属イオン(例えば、Na+、K+、L
+、Cs+など)が挙げられ、中でもNa+、Cs+が好
ましい。
【0033】本発明における「第4級アンモニウムイオ
ン」としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウムなどが挙げられ、中でも
テトラブチルアンモニウムが好ましい。
【0034】上記「炭化水素基」は、置換されていても
よく、置換基の例としては、例えば、C6-14アリール
基、水酸基、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよ
いC1- 6アルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C
1-5アルコキシ−カルボニル基、ハロゲンで置換されて
いてもよいC1-6アルキル基、C1-6アルキル基で置換さ
れていてもよいアミノ基などが挙げられる。
【0035】「置換基を有していてもよいアルキル基」
における置換基としては、例えば、アリール基、水酸
基、ハロゲン、1〜5個のハロゲンで置換されていても
よいアルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5
アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。該置換基の
数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
【0036】「置換基を有していてもよいアリール基」
における置換基としては、例えば、ハロゲン、1〜5個
のハロゲンで置換されていてもよいアルキル基、アリー
ル基、水酸基、1〜5個のハロゲンで置換されていても
よいアルコキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-5
アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。該置換基の
数は1〜5個、好ましくは1〜3個である。
【0037】上記「C1-6アルキル基」、「C2-6アルケ
ニル基」および「C2-6アルキニル基」は、置換されて
いてもよく、置換基の例としては、(i)C6-14アリール
基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換
されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラル
キルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基、
(vii)アシルアミノ基、(viii)C1-6アルキル基で置換さ
れていてもよいアミノ基などが挙げられ、中でも(i)〜
(vii)が好ましい。該置換基の数は1〜5個、好ましく
は1〜3個である。
【0038】上記「C3-8シクロアルキル基」および
「C6-14アリール基」は、置換されていてもよく、置換
基の例としては、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、
(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよい
1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(v
i)C1-5アルコキシ−カルボニル基、(vii)ハロゲンで置
換されていてもよいC1-6アルキル基、(viii)C1-6アル
キル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げら
れ、中でも(i)〜(vii)が好ましい。該置換基の数は1〜
5個、好ましくは1〜3個である。
【0039】本発明におけるRは、(i)C6-14アリール
基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換
されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラル
キルオキシ基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基お
よび(vii)アシルアミノ基からなる群より選ばれる置換
基を有していてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケ
ニル基又はC2-6アルキニル基であるか、あるいは (i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(i
v)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ
基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキ
シ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されてい
てもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換
基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC
6-14アリール基であるのが好ましく、
【0040】(1)(i)C6-14アリール基、(ii)水酸
基、(iii)ハロゲン、(iv)1〜5個のハロゲンで置換さ
れていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキ
ルオキシ基および(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基
からなる群より選ばれる1〜5個の置換基を有していて
もよいC1-6アルキル基、または(2)(i)ハロゲン、(i
i)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6
ルキル基、(iii)C6-14アリール基、(iv)水酸基、(v)1
〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコ
キシ基、(vi)C7-12アラルキルオキシ基および(vii)C
1-5アルコキシ−カルボニル基からなる群より選ばれる
1〜5個の置換基を有していてもよいC6-14アリール基
であるのがより好ましく、
【0041】(i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)
ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6
アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C
1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)アシルアミ
ノ基からなる群より選ばれる置換基を有していてもよい
1-6アルキル基であるか、あるいは (i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(i
v)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ
基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキ
シ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されてい
てもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換
基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC
6-14アリール基であるのが更に好ましく、
【0042】中でも、RがC6-14アリール基で置換され
ていてもよいC1-6アルキル基またはC6-14アリール基
であるのが好ましく、Rがフェニル基であるか、または
メチルもしくはtert−ブチル基であるのが特に好まし
い。
【0043】化合物(I)は分子中の酸性基と無機塩基ま
たは有機塩基等とが薬理学的に許容され得る塩基塩を形
成することができ、また分子中の塩基性基と無機酸また
は有機酸等とが薬理学的に許容され得る酸付加塩を形成
することができる。
【0044】本発明の化合物(I)の好適な態様の1つと
して、Dが結合手であり、かつRが置換基を有していて
もよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリ
ール基である化合物が挙げられる。
【0045】化合物(I)の無機塩基塩としては、例え
ば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム
等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム等)、ア
ンモニア等との塩等が、また化合物(I)の有機塩基塩と
しては、例えば、ジメチルアミン、トリエチルアミン、
ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエ
チルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエ
タノールアミン、ピリジン、コリジン等との塩等が挙げ
られる。
【0046】化合物(I)の酸付加塩としては、例えば、
無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リ
ン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ
酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロ
ピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、
メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等
を挙げられる。
【0047】本発明の化合物(I)としては、水和物を包
含している。該「水和物」としては、0.5水和物〜
5.0水和物が挙げられる。このうち、0.5水和物、
1.0水和物、1.5水和物、2.0水和物が好まし
い。
【0048】本発明の化合物(I)としては、ラセミ体お
よび光学的に活性な化合物を包含している。光学的に活
性な化合物としては、一方のエナンチオマーが90%以
上のエナンチオマー過剰(e.e.)のものが好まし
く、より好ましくは99%以上エナンチオマー過剰のも
のが挙げられる。光学活性体としては、一般式
【0049】
【化11】
【0050】〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表
わされる(R)体が好ましい。
【0051】化合物(I)は、自体公知の方法、例えば、
米国特許第4873337号、同第5021433号に
記載の方法またはこれに準じる方法により製造すること
ができ、例えば、以下の方法A〜Cにより製造できる。
【0052】(方法A)化合物(II)またはその塩と化
合物(III)とを縮合させることによって化合物(I)また
はその塩を得ることができる。
【0053】
【化12】
【0054】(式中、Mは水素原子、金属陽イオンまた
は第4級アンモニウムイオンを、Xはハロゲンを、他の
記号は前記と同意義を示す。)
【0055】方法Aは、例えば、塩基の存在下、化合物
(II)またはその塩と化合物(III)とを反応させるこ
とにより行われる。具体的には、例えば、化合物(II)
またはその塩と化合物(III)との混合溶液に塩基を加
え攪拌する。
【0056】ここでいう化合物(II)の塩としては、上記
化合物(I)の塩と同様の塩が挙げられ、例えば、無機酸
塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩
等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオ
ン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタ
ンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸
付加塩を挙げることができる。
【0057】方法Aの反応は一般に溶媒中で行われ、上
記反応を阻害しない溶媒が適宜選択される。このような
溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、tert−ブタノール等)、エーテル類(例え
ば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、エチレングリコール ジメチルエーテル等)、エ
ステル類(例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−
ブチル等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロ
メタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、1,
2−ジクロロエタン等)、炭化水素類(例えば、n−ヘ
キサン、ベンゼン、トルエン等)、アミド類(例えば、
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等)、ケトン類(例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等)等の他、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、ヘキサメチルホスホルアミド、水等が挙げられ、こ
れらは単独または混合溶媒として用いられる。これらの
溶媒の使用量は、反応混合物を撹拌できる量であれば特
に限定はなく、通常、化合物(II)に対して、通常2〜
100倍重量である。
【0058】方法Aの塩基としては、例えば、C1-6
ルキルリチウム類またはC6-10アリールリチウム類(例
えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、フェニルリチウム等)、C2 -6リチウムアルキルア
ミド類(例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジ
エチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド等)、金
属水素化物(例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウ
ム等)、C1-6アルカリ金属アルコキシド類(例えば、
リチウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム
−tert−ブトキシド等)、アルカリ金属アミド類(例え
ば、リチウムアミド、カリウムアミド、ナトリウムアミ
ド等)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、アルカリ
金属の炭酸塩または重炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)等の無機塩
基;トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、
トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジ
ン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メ
チルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモ
ルホリン等の3級アミン類等の有機塩基が挙げられる。
当該塩基の使用量としては、化合物(II)またはその塩1
モルに対して、通常1モル〜10モル、好ましくは1モ
ル〜3モルである。
【0059】本反応においては、化合物(II)1モルに
対して、化合物(III)を通常1〜5モル、好ましくは
1〜3モルを用いることができる。
【0060】反応温度は、通常約−80℃〜100℃、
好ましくは0℃〜60℃である。反応時間は化合物(I
I)、(III)および溶媒の種類や反応温度等により異な
るが、通常1分〜72時間、好ましくは15分〜24時
間である。
【0061】式(III)で表わされるα−ハロメチルエ
ステル試薬は、対応するアシルハライド類とホルムアル
デヒドとを反応させることにより得られる(エル・エッ
チ・ユーリック(L.H.Ulich)およびアール・
アダムス(R.Adams)、J.Am.Chem.S
oc.、43巻、660頁(1921))。反応の収率
をよくするには、ブロモメチルエステル類がより好まし
い。
【0062】化合物(II)は、特開昭61−50978
号公報、USP4,628,098等に記載の方法また
はこれらに準じた方法により製造される。
【0063】(方法B)式(IV)で表わされる[2−
[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエト
キシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−
ベンズイミダゾール−1−イル]メタノールと式R−D
−COOH〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表
わされるカルボン酸またはその反応性誘導体とを縮合す
ることによって化合物(I)またはその塩を得ることがで
きる。
【0064】
【化13】
【0065】(式中、各記号は前記と同義である)
【0066】フリーのカルボン酸を反応させる場合は縮
合剤を用いて縮合することができ、そのような縮合剤と
しては、N,N’−カルボジイミダゾール、N,N’−
ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプ
ロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド、N−エトキシカル
ボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、ジ
エチル ホスホロシアニダート、ジフェニル ホスホリル
アジド、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)
−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・テトラフ
ルオロボレイト、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1
−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・
ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1
−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウ
ム・ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール
−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウ
ム・ヘキサフルオロホスフェート、ブロモ−トリス−ピ
ロリジノ−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェー
ト、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイ
ミド)−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレ
イト等が挙げられる。当該縮合剤の使用量は、化合物(I
V)またはその塩1モルに対して、通常1モル〜10モ
ル、好ましくは1モル〜2モルである。
【0067】該カルボン酸の反応性誘導体としては、例
えば、酸ハライド、酸アジド、酸無水物、混合酸無水
物、活性アミド、活性エステル、活性チオエステル等が
挙げられる。上記酸ハライドとしては、例えば、酸クロ
ライド、酸ブロマイド等が挙げられる。
【0068】混合酸無水物としては、例えば、モノC
1-4アルキル炭酸混合酸無水物(例えば、該カルボン酸
と、モノメチル炭酸、モノエチル炭酸、モノイソプロピ
ル炭酸、モノイソブチル炭酸、モノtert−ブチル炭酸、
モノベンジル炭酸、モノ(p−ニトロベンジル)炭酸、
モノアリル炭酸等との混合酸無水物)、C1-6脂肪族カ
ルボン酸混合酸無水物(例えば、該カルボン酸と、酢
酸、シアノ酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草
酸、イソ吉草酸、ピバル酸、トリフルオロ酢酸、トリク
ロロ酢酸、アセト酢酸等との混合酸無水物)、C7-11
香族カルボン酸混合酸無水物(例えば、該カルボン酸
と、安息香酸、p−トルイル酸、p−クロロ安息香酸等
との混合酸無水物)、有機スルホン酸混合酸無水物(例
えば、該カルボン酸と、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
等との混合酸無水物)等が挙げられる。
【0069】活性アミドとしては、例えば、含窒素複素
環化合物とのアミド〔例えば、該カルボン酸と、ピラゾ
ール、イミダゾール、ベンゾトリアゾール等との酸アミ
ドで、これらの含窒素複素環化合物は、C1-4アルキル
基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル
等)、C1-6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブ
トキシ等)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素
等)、オキソ基、チオキソ基、C1-6アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブ
チルチオ等)等で置換されていてもよい〕等が挙げられ
る。
【0070】活性エステルとしては、例えば、有機リン
酸エステル(例えば、ジエトキシリン酸エステル、ジフ
ェノキシリン酸エステル等)の他、p−ニトロフェニル
エステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、シアノ
メチルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、N−
ヒドロキシサクシンイミドエステル、N−ヒドロキシフ
タルイミドエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ルエステル、6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾールエステル、1−ヒドロキシ−1H−2−ピリドン
エステル等が挙げられる。
【0071】活性チオエステルとしては、例えば、芳香
族複素環チオール化合物〔これらの複素環は、C1-4
ルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル等)、C1-6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert
−ブトキシ等)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭
素等)、C1-6アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、
エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)等で置換さ
れていてもよい〕とのエステル〔例えば、2−ピリジル
チオールエステル、2−ベンゾチアゾリルチオールエス
テル〕等が挙げられる。
【0072】方法Bにおける反応は一般に溶媒中で行わ
れ、方法Bの反応を阻害しない溶媒が適宜に選択され
る。このような溶媒としては、例えば、エーテル類(例
えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等)、エ
ステル類(例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、1,2−
ジクロロエタン等)、炭化水素類(例えば、n−ヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン等)、アミド類(例えば、ホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド等)、ケトン類(例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、ニ
トリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル
等)等の他、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキ
サメチルホスホルアミド、水等が挙げられ、これらは単
独または混合溶媒として用いられる。これらの溶媒の使
用量は、反応混合物を撹拌できる量であれば特に限定は
なく、化合物(IV)またはその塩1モルに対して、通常2
〜100倍重量、好ましくは5〜50倍重量である。
【0073】カルボン酸またはその反応性誘導体の使用
量は、化合物(IV)1モルに対して、通常1モル〜10モ
ル、好ましくは1モル〜5モルである。
【0074】方法Bの反応は、通常−80℃〜200
℃、好ましくは−40℃〜150℃、最も好ましくは−
30℃〜100℃の温度範囲で行われる。
【0075】方法Bの反応時間はカルボン酸またはその
反応性誘導体、溶媒の種類(混合溶媒の場合はその混合
比も)、反応温度等に依存し、通常1分〜72時間、好
ましくは15分〜24時間である。
【0076】カルボン酸の反応性誘導体として酸ハライ
ドを用いた場合、放出されるハロゲン化水素を反応系か
ら除去する目的で脱酸剤の存在下に反応を行うことがで
きる。このような脱酸剤としては、例えば、無機塩基
(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸水素ナトリウム等)、3級アミン(例えば、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチ
ジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−
メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチル
モルホリン、4−ジメチルアミノピリジン等)、アルキ
レンオキシド類(例えば、プロピレンオキシド、エピク
ロルヒドリン等)等が挙げられる。該「脱酸剤」の使用
量は、化合物(IV)1モルに対して、通常1モル〜10
モル、好ましくは1モル〜3モルである。
【0077】原料である式(IV)の化合物、[2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイ
ミダゾール−1−イル]メタノールは、2−[[[3−メチ
ル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−
ピリジル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾールをこの分野で公知の手段〔ヴァーマ(Varm
a)ら、Eur.J.Med.Chem.15巻、53
6頁(1980年)およびホーグヴィッツ(Haugw
itz)ら、J.Med.Chem.22巻、1113
頁(1979)〕によって、例えば、溶媒中(例えば、
アセトニトリル、酢酸エチル等)でホルムアルデヒドに
よる処理によってヒドロキシメチル化することにより得
ることができる。
【0078】(方法C)化合物(V)またはその塩を酸化
反応に付すことによって、化合物(I)またはその塩を得
ることができる。
【0079】
【化14】
【0080】(式中、各記号は前記と同義である)
【0081】方法Cにおける反応は、例えば、硝酸、過
酸化水素、過酸類、過エステル、オゾン、四酸化二窒
素、ヨード素ベンゼン、N−ハロスクシンイミド、1−
クロロベンゾトリアゾール、次亜塩素酸tert−ブチル、
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン臭素錯体、メタ過
ヨウ素酸ナトリウム、二酸化セレン、二酸化マンガン、
クロム酸、硝酸セリウムアンモニウム、臭素、塩素、ス
ルフリルクロライド等の酸化剤を用いて行うことができ
る。酸化剤の使用量は、化合物(I)1モルに対して、通
常0.5モル〜2モル、好ましくは0.8モル〜1.2
モルである。
【0082】方法Cの反応は、通常、上記酸化反応に不
活性な溶媒中で行う。該「不活性な溶媒」としては、例
えば、水、アルコール類(例、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール等)、ケトン
類(例、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル
類(例、アセトニトリル、プロピオニトリル等)、アミ
ド類(例、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、tert−ブ
チルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等)、スルホキシド類(例、
ジメチルスルホキシド等)、極性溶媒(例、スルホラ
ン、ヘキサメチルホスホルアミド等)が挙げられ、これ
らは単独または二種以上の混合溶媒として用いる。該
「不活性な溶媒」は、化合物(V)またはその塩に対し
て、通常1倍重量〜100倍重量用いられる。
【0083】反応温度は、通常−80℃〜80℃、好ま
しくは15℃〜30℃である。反応時間は、通常1分〜
6時間、好ましくは15分〜1時間である。
【0084】方法Cの原料である化合物(V)は、例え
ば、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]チオ]−1H−
ベンズイミダゾールを、方法Aまたは方法Bと同様の反
応に付すことにより得ることができる。
【0085】化合物(V)の塩としては、上記化合物(I)の
塩と同様の塩が挙げられ、例えば、無機酸塩(例えば、
塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸
塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸
塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエ
ン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、蓚酸塩、メタンスルホン酸
塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等の酸付加塩を挙げ
ることができる。
【0086】上記方法A〜Cで得られた化合物(I)また
はその塩は、自体公知の分離手段(例、濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ー等)により、反応混合物から単離、精製することがで
きる。
【0087】(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールは、例え
ば、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフ
ルオロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾールまたはその塩を光学分
割に付すか、あるいは2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
ル]メチル]チオ]−1H−ベンズイミダゾールを不斉
酸化することにより製造することができる。
【0088】光学分割の方法としては、自体公知の方法
が挙げられ、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、
ジアステレオマー法等が用いられる。不斉酸化は、自体
公知の方法、例えばWO96/02535に記載の方法
等を用いてもよい。
【0089】「分別再結晶法」としては、ラセミ体と光
学活性な化合物〔例えば、(+)−マンデル酸、(−)
−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、
(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチ
ルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシ
ン等〕とで塩を形成させ、これを分別再結晶法等によっ
て分離し、所望により中和工程に付し、フリーの光学異
性体を得る方法が挙げられる。
【0090】「キラルカラム法」としては、ラセミ体ま
たはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)
に付す方法が挙げられる。例えば、液体クロマトグラフ
ィーの場合、ENANTIO−OVM(トーソー社製)
またはダイセル社製CHIRALシリーズ等のキラルカ
ラムにラセミ体を添加し、水、緩衝液(例、リン酸緩衝
液)、有機溶媒(例、ヘキサン、エタノール、メタノー
ル、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ
酢酸、ジエチルアミン、トリエチルアミン等)、または
これらの混合溶媒で展開して光学異性体を分離する方法
が挙げられる。例えば、ガスクロマトグラフィーの場
合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエル
サイセンス社製)等のキラルカラムを使用して分離する
方法が挙げられる。
【0091】「ジアステレオマー法」としては、ラセミ
体と光学活性な試薬を反応させ(好ましくは、ベンズイ
ミダゾール基の1位に光学活性な試薬を反応させ)てジ
アステレオマーの混合物を得、次いで通常の分離手段
(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)によ
り一方のジアステレオマーを得た後、化学反応(例え
ば、酸加水分解反応、塩基性加水分解反応、加水素分解
反応等)に付して光学活性な試薬部位を切り離し、目的
とする光学異性体を得る方法が挙げられる。該「光学活
性な試薬」としては、例えば、MTPA〔α−メトキシ
−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)
−メントキシ酢酸等の光学活性な有機酸;(1R−エン
ド)−2−(クロロメトキシ)−1,3,3−トリメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の光学活性なアル
コキシメチルハライド等が挙げられる。
【0092】本発明の化合物(I)またはその塩は、優れ
た抗潰瘍作用、胃酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘ
リコバクター・ピロリ作用等を有し、また毒性が低いた
め、医薬として有用である。しかも、酸に安定なので、
経口投与する際に腸溶製剤にする必要がなく、腸溶製剤
化の費用を削減し、また、錠剤が小さくなることにより
嚥下力の弱い病人、特に老人や小人に服用しやすくな
る。しかも、腸溶製剤よりも吸収が速いので胃酸分泌抑
制作用が速く発現し、また生体内で徐々に元の化合物に
変換されるので持続性があり、抗潰瘍剤等として有用で
ある。
【0093】本発明の化合物(I)またはその塩は、哺乳
動物(例、ヒト、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネ
コ、ウサギ、ラット、マウス等)において、消化性潰瘍
(例、胃潰瘍、手術後ストレスによる胃潰瘍、十二指腸
潰瘍、吻合部潰瘍、ゾリンジャー・エリソン(Zollinge
r-Ellison)症候群、非ステロイド系抗炎症剤に起因す
る潰瘍等);胃炎;逆流性食道炎;NUD(Non Ulcer
Dyspepsia);胃癌(インターロイキン−1の遺伝子多
形によるインターロイキン−1βの産生促進に伴う胃癌
を含む);胃MALTリンパ腫;胃酸過多(例、手術後
ストレスによる胃酸過多);急性ストレス潰瘍、出血性
胃炎または侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とす
る大手術や集中治療を必要とする脳血管障害、頭部外
傷、多臓器不全、広範囲熱傷から起こるストレス)等に
よる上部消化管出血等の治療および予防、麻酔前投与、
ヘリコバクター・ピロリ除菌等に有用である。
【0094】本発明の化合物(I)またはその塩は、毒性
が低く、そのままあるいは自体公知の方法に従って、薬
理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例え
ば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、
散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、
口腔内崩壊錠、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤等
の製剤として、経口的または非経口的(例、局所、直
腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
【0095】本発明の医薬組成物中の、本発明の化合物
(I)またはその塩の含有量は、組成物全体の約0.01
重量%〜100重量%である。該投与量は、投与対象、
投与ルート、疾患等によっても異なるが、例えば、抗潰
瘍剤として、成人(60kg)に対し経口的に投与する
場合、有効成分として約0.5〜1500mg/日、好ま
しくは約5〜150mg/日である。本発明の化合物(I)
またはその塩は、1日1回または2〜3回に分けて投与
してもよい。
【0096】本発明の医薬組成物の製造に用いられても
よい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材とし
て慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例
えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊
剤、水溶性高分子、塩基性無機塩;液状製剤における溶
剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化
剤等があげられる。また、必要に応じて、通常の防腐
剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、発泡剤、香料
等の添加物を用いることもできる。
【0097】該「賦形剤」としては、例えば、乳糖、白
糖、D−マンニトール、でんぷん、コーンスターチ、結
晶セルロース、軽質無水ケイ酸、酸化チタン等が挙げら
れる。該「滑沢剤」としては、例えば、ステアリン酸マ
グネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリ
コール、タルク、ステアリン酸等が挙げられる。
【0098】該「結合剤」としては、例えば、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリ
ドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、低置換度
ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0099】該「崩壊剤」としては、(1)クロスポビ
ドン、(2)クロスカルメロースナトリウム(FMC−
旭化成)、カルメロースカルシウム(五徳薬品)等スー
パー崩壊剤と称される崩壊剤、(3)カルボキシメチル
スターチナトリウム(例、松谷化学(株)製)、(4)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(例、信越化学
(株)製)、(5)コーンスターチ等が挙げられる。該
「クロスポピドン」としては、ポリビニルポリピロリド
ン(PVPP)、1−ビニル−2−ピロリジノンホモポ
リマーと称されているものも含め、1−エテニル−2−
ピロリジノンホモポリマーという化学名を有し架橋され
ている重合物のいずれであってもよく、具体例として
は、コリドンCL(BASF社製)、ポリプラスドンX
L(ISP社製)、ポリプラスドンXL−10(ISP
社製)、ポリプラスドンINF−10(ISP社製)等
である。
【0100】該「水溶性高分子」としては、例えば、エ
タノール可溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプロ
ピルセルロース(以下、HPCと記載することがある)
等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等〕、エ
タノール不溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース(以下、HPMCと記載すること
がある)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリ
ウム、グアーガム等〕等が挙げられる。
【0101】該「塩基性無機塩」としては、例えば、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウムおよび/またはカル
シウムの塩基性無機塩が挙げられる。好ましくはマグネ
シウムおよび/またはカルシウムの塩基性無機塩であ
る。さらに好ましくはマグネシウムの塩基性無機塩であ
る。該ナトリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナト
リウム等が挙げられる。該カリウムの塩基性無機塩とし
ては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙
げられる。該マグネシウムの塩基性無機塩としては、例
えば、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化
マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸アルミン
酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸マグネ
シウム、合成ヒドロタルサイト〔Mg6Al2(OH)16
・CO3・4H2O〕および水酸化アルミナ・マグネシウ
ム、好ましくは、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げ
られる。該カルシウムの塩基性無機塩としては、例え
ば、沈降炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げら
れる。
【0102】該「溶剤」としては、例えば、注射用水、
アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴ
マ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。該
「溶解補助剤」としては、例えば、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息
香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレ
ステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、
クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0103】該「懸濁化剤」としては、例えば、ステア
リルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、
ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザル
コニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリ
セリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
【0104】該「等張化剤」としては、例えば、ブドウ
糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリ
ン、D−マンニトール等が挙げられる。該「緩衝剤」と
しては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸
塩等の緩衝液等が挙げられる。
【0105】該「無痛化剤」としては、例えばベンジル
アルコール等が挙げられる。該「防腐剤」としては、例
えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒ
ドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
【0106】該「抗酸化剤」としては、例えば、亜硫酸
塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられ
る。該「着色剤」としては、例えば、食用黄色5号、食
用赤色2号、食用青色2号等の食用色素;食用レーキ色
素、ベンガラ等が挙げられる。
【0107】該「甘味剤」としては、例えば、サッカリ
ンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテ
ーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。該「酸味
剤」としては、例えば、クエン酸(無水クエン酸)、酒
石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
【0108】該「発泡剤」としては、例えば重曹等が挙
げられる。該「香料」としては、合成物および天然物の
いずれでもよく、例えば、レモン、ライム、オレンジ、
メントール、ストロベリー等が挙げられる。
【0109】本発明の化合物は、自体公知の方法に従
い、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤等の
担体を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマ
スキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知
の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とす
ることができる。腸溶性製剤とする場合、腸溶層と薬剤
含有層との間に両層の分離を目的として、自体公知の方
法により中間層を設けることもできる。
【0110】本発明の化合物(I)またはその塩を例えば
口腔内崩壊錠とする場合、例えば、結晶セルロースおよ
び乳糖を含有する核を、本発明の化合物(I)またはその
塩および必要により塩基性無機塩で被覆し、さらに水溶
性高分子含有被覆層で被覆して組成物を得、得られた組
成物をポリエチレングリコール含有腸溶性被覆層で被覆
し、次にクエン酸トリエチル含有腸溶性被覆層で被覆
し、さらにポリエチレングリコール含有腸溶性被覆層で
被覆し、最後にマンニトールで被覆して細粒を得、得ら
れた細粒と添加剤とを混合し、成形する方法によって製
造することができる。
【0111】上記「腸溶性被覆層」としては、例えば、
セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチ
ルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸
共重合体〔例えば、オイドラギット(Eudragit) L30
D−55(商品名;レーム社製)、コリコートMAE3
0DP(商品名;BASF社製)、ポリキッドPA30
(商品名;三洋化成社製)等〕、カルボキシメチルエチ
ルセルロース、セラック等の水系腸溶性高分子基剤;メ
タアクリル酸共重合体〔例えば、オイドラギットNE3
0D(商品名)、オイドラギットRL30D(商品
名)、オイドラギットRS30D(商品名)等〕等の徐
放性基剤;水溶性高分子;クエン酸トリエチル、ポリエ
チレングリコール、アセチル化モノグリセリド、トリア
セチン、ヒマシ油等の可塑剤等の一種または二種以上混
合したもの等からなる層が挙げられる。
【0112】上記「添加剤」としては、例えば、水溶性
糖アルコール(例、ソルビトール、マンニトール、マル
チトール、還元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチ
ノース、エリスリトール等)、結晶セルロース(例、セ
オラスKG 801、アビセルPH 101、アビセルP
H 102、アビセルPH 301、アビセルPH 30
2、アビセルRC−591(結晶セルロース・カルメロ
ースナトリウム)等)、低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロース(例、LH−22、LH−32、LH−23、
LH−33(信越化学(株))およびこれらの混合物
等)等が挙げられ、さらに結合剤、酸味料、発泡剤、甘
味剤、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、賦形剤、崩壊
剤等も用いられる。
【0113】本発明の化合物は、さらに他の1〜3種の
活性成分と併用してもよい。該「他の活性成分」として
は、例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミ
ダゾール系化合物、ビスマス塩、キノロン系化合物等が
挙げられる。このうち、抗ヘリコバクター・ピロリ活性
物質、イミダゾール系化合物等が好ましい。
【0114】該「抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質」
としては、例えば、ペニシリン系抗生物質(例、アモキ
シシリン、ベンジルペニシリン、ピペラシリン、メシリ
ナム等)、セフェム系抗生物質(例、セフィキシム、セ
ファクロル等)、マクロライド系抗生物質(例、エリス
ロマイシン、クラリスロマイシン等)、テトラサイクリ
ン系抗生物質(例、テトラサイクリン、ミノサイクリ
ン、ストレプトマイシン等)、アミノグリコシド系抗生
物質(例、ゲンタマイシン、アミカシン等)、イミペネ
ム等が挙げられる。中でも、ペニシリン系抗生物質、マ
クロライド系抗生物質等が好ましい。
【0115】該「イミダゾール系化合物」としては、例
えば、メトロニダゾール、ミコナゾール等が挙げられ
る。該「ビスマス塩」としては、例えば、ビスマス酢酸
塩、ビスマスクエン酸塩等が挙げられる。該「キノロン
系化合物」としては、例えば、オフロキサシン、シプロ
キサシン等が挙げられる。とりわけ、ヘリコバクター・
ピロリ除菌のためには、本発明の化合物(I)またはその
塩と、ペニシリン系抗生物質(例、アモキシシリン等)
およびエリスロマイシン系抗生物質(例、クラリスロマ
イシン等)との併用療法が好ましい。
【0116】該「他の活性成分」と本発明の化合物(I)
またはその塩とを自体公知の方法に従って混合し、ひと
つの医薬組成物(例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセ
ル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、
徐放剤等)中に製剤化して併用してもよく、それぞれを
別々に製剤化し、同一対象に対して同時にまたは時間差
を置いて投与してもよい。
【0117】
【実施例】以下に、参考例および実施例を挙げて本発明
をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定する
ものではない。以下の参考例、実施例において、室温
は、約15〜30℃を意味する。1H−NMRは、Va
rian Gemini−200またはMercury
−300を用いて測定し、CDCl3を溶媒として用
い、内部標準のテトラメチルシランからのケミカルシフ
トδ(ppm)を示した。旋光度〔α〕Dは、DIP−37
0 Digital polarimeter(日本分光
(JASCO)製)を用い、20℃で測定した。エナン
チオマー過剰率(%ee)は、以下の条件の光学活性カ
ラムを用いる高速液体クロマトグラフィーにより測定し
た。 高速液体クロマトグラフィー条件(A); カラム:CHIRALCEL OD(ダイセル工業
(株)製) 移動層:ヘキサン/エタノール=90/10 流速:1.0mL/min 検出:UV285nm その他の本明細書中の記号は以下の意味を示す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット q:クアルテット m:マルチプレット bs:ブロードシングレット J:結合定数
【0118】参考例1 (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール 窒素気流下、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]
チオ]−1H−ベンズイミダゾール(4.5kg,1
2.7mol,水分1.89gを含む)、トルエン(2
2L)、水(25g,1.39mol,全水分量として
1.49mol)および(+)−酒石酸ジエチル(0.
958L,5.60mol)を混合した。窒素気流下、
50〜60℃で混合物にチタニウム(IV)イソプロポキ
シド(0.747L,2.53mol)を添加し、同温
度で30分間攪拌した。窒素気流下、室温で、得られた
混合液にジイソプロピルエチルアミン(0.733L,
4.44mol)を加えた後、−5〜5℃でクメンヒド
ロペルオキシド(6.88L,含量82%,37.5m
ol)を加え、−5〜5℃で1.5時間攪拌し、反応液
を得た。同反応液に、窒素気流下、30%チオ硫酸ナト
リウム水溶液(17L)を加え、残存するクメンヒドロ
ペルオキシドを分解した。分液し、得られた有機層に、
水(4.5L)、ヘプタン(13.5L)、t−ブチル
メチルエーテル(18L)およびヘプタン(27L)を
順次加え、攪拌下、晶出させた。結晶を分離し、t−ブ
チルメチルエーテル−トルエン(t−ブチルメチルエー
テル:トルエン=4:1)(4L)で洗浄した。攪拌
下、同湿結晶のアセトン(20L)懸濁液を、アセトン
(7L)および水(34L)の混液中に滴下し、ついで
水(47L)を加えた。析出結晶を分離し、アセトン−
水(アセトン:水=1:3)(4L)および水(12
L)で洗浄した。同湿結晶を酢酸エチル(45L)およ
び水(3L)に溶解後、分液した。有機層中の微量不溶
物をろ去、ついでトリエチルアミン(0.2L)を添加
した後、減圧下で液量が約7Lになるまで濃縮した。濃
縮液にメタノール(2.3L)、約50℃の約12.5
%アンモニア水(23L)および約50℃のt−ブチル
メチルエーテル(22L)を加え、分液した。有機層に
約12.5%アンモニア水(11L)を加え、分液した
(本操作をもう一回繰り返した)。水層を合わせ、酢酸
エチル(22L)を加え、冷却下で、酢酸を滴下し、p
Hを約8に調整した。分液し、水層を酢酸エチル(11
L)で抽出した。有機層を合わせ、約20%食塩水(1
1L)で洗浄した。トリエチルアミン(0.2L)添加
後、有機層を減圧濃縮した。濃縮物にアセトン(5L)
を加え、減圧濃縮した。濃縮物をアセトン(9L)に溶
解させ、同液をアセトン(4.5L)および水(22.
5L)混合液へ滴下し、ついで得られた混合液に水(1
8L)を滴下した。析出結晶を分離し、冷アセトン−水
(アセトン:水=1:3)(3L)、水(12L)で順
次洗浄した。同湿結晶を酢酸エチル(32L)に溶解し
た。分離した水層を分液操作により分離し、得られた有
機層を、液量が約14Lになるまで減圧濃縮した。残留
液に酢酸エチル(36L)および活性炭(270g)を
加え、攪拌した後、活性炭をろ過により除去した。ろ液
を、液量が約14Lになるまで減圧濃縮した。約40℃
でヘプタン(90L)を残留液物に滴下した。同温度で
約30分間攪拌後、結晶を分離し、約40℃の酢酸エチ
ル−ヘプタン(酢酸エチル:ヘプタン=1:8,6L)
で洗浄した。乾燥し、標題化合物(3.4kg)を得
た。該化合物のエナンチオマー過剰率は、100%ee
であった。
【0119】参考例2 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メタノー
ル 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール(3.69g)、ジク
ロロメタン(50mL)、4−ジメチルアミノピリジン
(0.12g)の混合物に、室温で37%ホルムアルデ
ヒド溶液(3.75mL)を水(6.25mL)で希釈
した溶液を加えた。この混合物を室温で8分間激しく攪
拌した後、ジクロロメタン層を分取し、硫酸ナトリウム
で乾燥した。ろ過後、減圧濃縮することにより標題化合
物3.99gをアモルファスとして得た。1 H−NMR(CDCl3):2.34(3H,s),
4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.98(2
H,s),5.76(1H,d,J=11.3Hz),
6.12(1H,d,J=11.3Hz),6.60
(1H,d,J=5.8Hz),7.29−7.47
(2H,m),7.59(1H,d,J=7.8H
z),7.74(1H,d,J=7.6Hz),8.1
0(1H,d,J=5.8Hz).
【0120】参考例3 [(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メタノール (R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スル
フィニル]−1H−ベンズイミダゾール(1.0g)の
ジクロロメタン溶液(10mL)に4−ジメチルアミノ
ピリジン(33mg)と37%ホルマリン水溶液(1.
5mL)を水(2mL)で希釈した溶液を加え、室温で
1時間攪拌した。反応液をジクロロメタン−水で抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧濃縮した。残留物をジクロロメタン−イ
ソプロピルエーテルから結晶化し、標題化合物を淡褐色
固体(0.75g)として得た。1 H−NMR(CDCl3):2.40(3H,s),
4.39(2H,q,J=8.0Hz),4.98(2
H,s),5.75(1H,d,J=11.4Hz),
6.12(1H,d,J=11.4Hz),6.60
(1H,d,J=5.8Hz),7.30−7.50
(2H,m),7.59(1H,dd,J=1.2,
7.8Hz),7.74(1H,dd,J=1.0,
7.6Hz),8.10(1H,d,J=5.8Hz)
【0121】実施例1 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
ベンゾエート
【0122】
【化15】
【0123】[2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−
イル]メタノール(1.99g)のテトラヒドロフラン
溶液(10mL)に氷冷下、トリエチルアミン(1.4
mL)と塩化ベンゾイル(0.7mL)を加えた。氷冷
下、4.5時間攪拌した。酢酸エチル(60mL)を加
え、水(30mL)、飽和食塩水(15mL)で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残
留物にジエチルエーテル(30mL)を加えて固化さ
せ、濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。減圧乾燥す
ることにより、標題化合物1.13gを無色固体として
得た。
【0124】1H−NMR(CDCl3):2.29(3
H,s),4.37(2H,q,J=7.8Hz),
5.03(1H,d,J=13.8Hz),5.11
(1H,d,J=13.8Hz),6.63(1H,
d,J=5.7Hz),6.76(2H,s),7.3
3−7.50(4H,m),7.58(1H,m),
7.73−7.85(2H,m),8.03−8.10
(2H,m),8.28(1H,d,J=5.7Hz)
【0125】実施例2 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
トリメチルアセテート
【0126】
【化16】
【0127】[2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−
イル]メタノール(1.99g)のテトラヒドロフラン
溶液(25mL)に氷冷下、トリエチルアミン(1.4
mL)とトリメチルアセチルクロリド(0.924m
L)を加えた。氷冷下、2.5時間攪拌した。酢酸エチ
ル(60mL)を加え、水(30mL)、重曹水(30
mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物にジエチル
エーテルとジイソプロピルエーテルの混合溶液を加えて
固化させ、濾取した。減圧乾燥して得られた固体1.0
6gを酢酸エチル−ジイソプロピルエ−テルで洗い、減
圧乾燥することにより、標題化合物0.432gを無色
固体として得た。
【0128】1H−NMR(CDCl3):1.18(9
H,s),2.30(3H,s),4.38(2H,
q,J=7.8Hz),4.99(1H,d,J=1
3.7Hz),5.07(1H,d,J=13.7H
z),6.48(1H,d,J=11.3Hz),6.
55(1H,d,J=11.3Hz),6.65(1
H,d,J=5.7Hz),7.32−7.48(2
H,m),7.62(1H,m),7.82(1H,
m),8.29(1H,d,J=5.7Hz)
【0129】実施例3 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
アセテート
【0130】
【化17】
【0131】[2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−
イル]メタノール(1.99g)のテトラヒドロフラン
溶液(10mL)に氷冷下、トリエチルアミン(1.4
mL)と塩化アセチル(0.354mL)を加えた。氷
冷下、2.5時間攪拌した。酢酸エチル(60mL)を
加え、水(30mL)、飽和食塩水(10mL)で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、残
留物にジエチルエーテル(30mL)を加えて固化さ
せ、濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。減圧乾燥す
ることにより、標題化合物1.46gを無色固体として
得た。
【0132】1H−NMR(CDCl3):2.12(3
H,s),2.31(3H,s),4.39(2H,
q,J=8.0Hz),4.96(1H,d,J=1
3.8Hz),5.07(1H,d,J=13.8H
z),6.51(2H,s),6.65(1H,d,J
=5.6Hz)、7.33−7.48(2H,m),
7.64(1H,m)、7.82(1H,m)、8.2
9(1H,d,J=5.6Hz)
【0133】実施例4 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
フェニルアセテート
【0134】
【化18】
【0135】[2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−
イル]メタノール(1.99g)のテトラヒドロフラン
溶液(40mL)に氷冷下、トリエチルアミン(1.4
mL)とフェニルアセチルクロリド(0.8mL)を加
えた。氷冷下、9時間攪拌した。酢酸エチル(60m
L)を加え、水(30mL)、重曹水(30mL)、飽
和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムク
ロマト(酢酸エチル:ヘキサン=1:1続いて酢酸エチ
ルで溶出)で精製した。得られた固体をジエチルエーテ
ルで洗い、減圧乾燥することにより、標題化合物1.2
8gを無色固体として得た。
【0136】1H−NMR(CDCl3):2.28(3
H,s),3.68(2H,s),4.38(2H,
q,J=7.9Hz),4.90(1H,d,J=1
3.8Hz),5.00(1H,d,J=13.8H
z),6.49(1H,d,J=11.0Hz),6.
56(1H,d,J=11.0Hz),6.63(1
H,d,J=5.5Hz),7.15−7.30(5
H,m),7.31−7.44(2H,m),7.58
(1H,m),7.80(1H,m),8.26(1
H,d,J=5.5Hz)
【0137】実施例5 (R)−[2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メチル ベンゾエート
【0138】
【化19】
【0139】(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ル(3.69g)、酢酸エチル(50mL)、4−ジメ
チルアミノピリジン(0.12g)の混合物に、室温で
37%ホルムアルデヒド溶液(3.76mL)を加え
た。この混合物を室温で1時間激しく攪拌した後、反応
液を水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。活性炭処理し、ろ過後、減圧濃縮した。得ら
れた残留物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解
し、氷冷下、トリエチルアミン(1.5mL)と塩化ベ
ンゾイル(1.27mL)を加えた。氷冷下、1時間攪
拌した。酢酸エチル(50mL)を加え、水(30m
L)、重曹水(30mL)、飽和食塩水(15mL)で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。活性炭処理
後、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルクロマ
ト(酢酸エチル:ヘキサン=1:1続いて酢酸エチルで
溶出)で精製した。得られた固体を酢酸エチル−ヘキサ
ンより再結晶した。さらに、テトラヒドロフラン−ジエ
チルエーテルより再結晶することにより、標題化合物
1.60gを無色固体として得た。
【0140】1H−NMR(CDCl3):2.30(3
H,s),4.37(2H,q,J=7.9Hz),
5.03(1H,d,J=14.2Hz),5.10
(1H,d,J=14.2Hz),6.63(1H,
d,J=5.6Hz),6.76(2H,s),7.3
4−7.49(4H,m),7.54−7.61(1
H,m),7.74−7.86(2H,m),8.03
−8.08(2H,m),8.28(1H,d,J=
5.6Hz) 〔α〕D=+105.3°(c=1.002% in
CHCl3
【0141】実施例6 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
4−メチルベンゾエート
【0142】
【化20】
【0143】[2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−
イル]メタノール(1.99g)のテトラヒドロフラン
溶液(25mL)に氷冷下、トリエチルアミン(1.4
mL)と4−メチルベンゾイルクロリド(0.8mL)
を加えた。氷冷下、3時間攪拌した。酢酸エチル(60
mL)を加え、水(30mL)、重曹水(30mL)、
飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた固体をジエチルエ
ーテルで洗い、減圧乾燥した。さらに、酢酸エチル−ジ
イソプロピルエーテルで洗浄し、減圧乾燥することによ
り、標題化合物1.04gを無色固体として得た。
【0144】1H−NMR(CDCl3):2.29(3
H,s),2.39(3H,s),4.37(2H,
q,J=7.8Hz),5.01(1H,d,J=1
3.6Hz),5.10(1H,d,J=13.6H
z),6.63(1H,d,J=5.7Hz),6.7
4(2H,s),7.21(2H,d,J=8.0H
z),7.33−7.48(2H,m),7.75(1
H,d,J=7.0Hz),7.83(1H,d,J=
8.8Hz),7.94(2H,d,J=8.0H
z),8.29(1H,d,J=5.7Hz)
【0145】実施例7 ベンジル [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イ
ル]メチル カーボネート
【0146】
【化21】
【0147】[2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−
イル]メタノール(1.99g)のテトラヒドロフラン
溶液(20mL)にトリエチルアミン(1.4mL)と
クロロギ酸ベンジル(0.86mL)を加えた。室温で
3時間攪拌した。クロロギ酸ベンジル(0.60mL)
を追加し、室温で14.5時間攪拌した。酢酸エチル
(150mL)を加え、水(100mL)、飽和食塩水
(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧濃縮後、得られた固体をジイソプロピルエーテ
ルで洗浄し、減圧乾燥することにより、標題化合物2.
37gを無色固体として得た。
【0148】1H−NMR(CDCl3):2.25(3
H,s),4.35(2H,q,J=7.8Hz),
4.93(1H,d,J=13.8Hz),5.06
(1H,d,J=13.8Hz),5.18(2H,
s),6.49(1H,d,J=11.2Hz),6.
61(1H,d,J=5.7Hz),6.64(1H,
d,J=11.2Hz),7.34(5H,s),7.
34−7.49(2H,m),7.66(1H,m),
7.82(1H,m),8.28(1H,d,J=5.
7Hz)
【0149】実施例8 エチル [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メチル カーボネート
【0150】
【化22】
【0151】[2−[[[3−メチル−4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチ
ル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−
イル]メタノール(1.99g)のテトラヒドロフラン
溶液(20mL)にトリエチルアミン(1.4mL)と
クロロ炭酸エチル(0.60mL)を加えた。室温で1
時間攪拌した。クロロ炭酸エチル(0.40mL)を追
加し、室温で16時間攪拌した。酢酸エチル(50m
L)を加え、水(60mL)で洗浄した。水層を酢酸エ
チル(30mL)で抽出し、酢酸エチル層を合わせて、
飽和食塩水(20mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物をシリカゲルクロマ
ト(酢酸エチル:ヘキサン=1:3−1:2で溶出)で
精製した。得られた固体をジイソプロピルエーテルで洗
浄し、減圧乾燥することにより、標題化合物1.01g
を無色固体として得た。
【0152】1H−NMR(CDCl3):1.29(3
H,t,J=7.2Hz),2.29(3H,s),
4.23(2H,q,J=7.2Hz),4.38(2
H,q,J=7.8Hz),4.93(1H,d,J=
13.7Hz),5.08(1H,d,J=13.7H
z),6.49(1H,d,J=11.1Hz),6.
61(1H,d,J=11.1Hz),6.65(1
H,d,J=5.5Hz),7.33−7.48(2
H,m)7.68(1H,m),7.82(1H,
m),8.31(1H,d,J=5.5Hz)
【0153】実施例9 [(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メチル トリメチルアセテート
【0154】
【化23】
【0155】(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ル(1.5g)のジクロロメタン溶液(15mL)に4
−ジメチルアミノピリジン(49.6mg)と37%ホ
ルマリン水溶液(1.5mL)を水(1.5mL)で希
釈した溶液を加え、室温で5分間攪拌した。反応液をジ
クロロメタン−水で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留
物をテトラヒドロフラン(20mL)に溶かし、塩化ピ
バロイル(0.6mL)とトリエチルアミン(0.68
mL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エ
チル−水で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサ
ン=2:1で溶出)で精製し、精製物を酢酸エチル−イ
ソプロピルエーテルから結晶化して、標題化合物を無色
固体(0.32g)として得た。
【0156】1H−NMR(CDCl3):1.18(9
H,s),2.31(3H,s),4.38(2H,
q,J=7.8Hz),4.98(1H,d,J=1
3.6Hz),5.07(1H,d,J=13.6H
z),6.50(1H,d,J=11.2Hz),6.
54(1H,d,J=11.2Hz),6.64(1
H,d,J=6.0Hz),7.30−7.50(2
H,m),7.60−7.70(1H,m),7.80
−7.90(1H,m),8.29(1H,d,J=
6.0Hz)
【0157】実施例10 エチル [(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1
−イル]メチル カーボネート
【0158】
【化24】
【0159】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
のジクロロメタン溶液(20mL)にトリエチルアミン
(1.13mL)とクロロギ酸エチル(0.669m
L)を氷冷下加え1時間攪拌した。反応液をジクロロメ
タン−水で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を酢酸
エチルから再結晶し、標題化合物を無色固体(1.0
g)として得た。
【0160】1H−NMR(CDCl3):1.29(3
H,t,J=7.8Hz),2.29(3H,s),
4.23(2H,q,J=7.0Hz),4.38(2
H,q,J=7.8Hz),4.93(1H,d,J=
14.0Hz),5.07(1H,d,J=14.0H
z),6.49(1H,d,J=11.4Hz),6.
64(1H,d,J=11.4Hz),6.66(1
H,d,J=5.4Hz),7.30−7.50(2
H,m),7.68(1H,dd,J=1.4,7.8
Hz),7.82(1H,dd,J=1.4,8.2H
z),8.30(1H,d,J=5.4Hz)
【0161】実施例11 ベンジル [(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−1−イル]メチル カーボネート
【0162】
【化25】
【0163】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とクロロギ酸ベンジル(0.999mL)を用い、実施
例10と同様の操作を行ない、標題化合物を無色固体
(1.08g)として得た。
【0164】1H−NMR(CDCl3):2.25(3
H,s),4.35(2H,q,J=8.2Hz),
4.93(1H,d,J=13.8Hz),5.05
(1H,d,J=13.8Hz),5.18(2H,
s),6.48(1H,d,J=11.0Hz),6.
59(1H,d,J=5.8Hz),6.63(1H,
d,J=11.0Hz),7.30−7.50(7H,
m),7.66(1H,dd,J=1.4,7.4H
z),7.81(1H,dd,J=2.0,7.0H
z),8.27(1H,d,J=5.8Hz)
【0165】実施例12 イソプロピル [(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−1−イル]メチル カーボネート
【0166】
【化26】
【0167】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とクロロギ酸イソプロピル(0.858mg)を用い、
実施例10と同様の操作を行ない、標題化合物を無色固
体(0.75g)として得た。
【0168】1H−NMR(CDCl3):1.20−
1.40(6H,m),2.28(3H,s),4.3
8(2H,q,J=8.0Hz),4.80−5.00
(1H,m),4.97(1H,d,J=13.6H
z),5.07(1H,d,J=13.6Hz),6.
48(1H,d,J=11.4Hz),6.60(1
H,d,J=11.4Hz),6.63(1H,d,J
=6.0Hz),7.30−7.50(2H,m),
7.68(1H,d,J=7.4Hz),7.82(1
H,dd,J=1.4,6.6Hz),8.30(1
H,d,J=6.0Hz)
【0169】実施例13 ブチル [(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1
−イル]メチル カーボネート
【0170】
【化27】
【0171】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とクロロギ酸ブチル(0.894mL)を用い、実施例
10と同様の操作を行ない、標題化合物を無色固体
(1.37g)として得た。
【0172】1H−NMR(CDCl3):0.90(3
H,t,J=7.4Hz),1.20−1.50(2
H,m),1.55−1.75(2H,m),2.29
(3H,s),4.17(2H,t,J=6.6H
z),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.9
3(1H,d,J=13.8Hz),5.07(1H,
d,J=13.8Hz),6.49(1H,d,J=1
1.4Hz),6.64(1H,d,J=11.4H
z),6.65(1H,d,J=5.6Hz),7.3
0−7.50(2H,m),7.68(1H,dd,J
=2.0,7.0Hz),7.82(1H,dd,J=
1.4,7.0Hz),8.31(1H,d,J=5.
6Hz)
【0173】実施例14 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
4−tert−ブチルベンゾエート
【0174】
【化28】
【0175】参考例2で得た[2−[[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリ
ジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾール−1−イル]メタノール(0.5g)のテトラヒ
ドロフラン溶液(10mL)にトリエチルアミン(0.
348mL)と4−tert−ブチルベンゾイルクロリ
ド(271mg)を氷冷下加え、室温で3時間攪拌し
た。反応液を酢酸エチル−水で抽出し、有機層を飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮
した。残留物を酢酸エチルから再結晶し、標題化合物を
無色固体(0.282g)として得た。
【0176】1H−NMR(CDCl3):1.30(9
H,s),2.29(3H,s),4.37(2H,
q,J=8.0Hz),5.01(1H,d,J=1
4.2Hz),5.09(1H,d,J=14.2H
z),6.63(1H,d,J=5.4Hz),6.7
5(2H,s),7.30−7.50(4H,m),
7.70−7.90(2H,m),7.98(2H,
d,J=8.4Hz),8.29(1H,d,J=5.
4Hz)
【0177】実施例15 2−メトキシエチル [2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−1−イル]メチル カーボネート
【0178】
【化29】
【0179】参考例2で得た[2−[[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリ
ジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾール−1−イル]メタノール(1.0g)のテトラヒ
ドロフラン溶液(10mL)に氷冷下、トリエチルアミ
ン(0.533mL)とクロロギ酸2−メトキシエチル
(0.346mL)を加え、0℃で1時間攪拌した。反
応液を酢酸エチル−水で抽出し、有機層を飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。
残留物を酢酸エチルから再結晶し、標題化合物を無色固
体(0.20g)として得た。
【0180】1H−NMR(CDCl3):2.28(3
H,s),3.34(3H,s),3.58(2H,
t,J=4.8Hz),4.31(2H,t,J=4.
8Hz),4.38(2H,q,J=7.0Hz),
4.94(1H,d,J=13.8Hz),5.06
(1H,d,J=13.8Hz),6.49(1H,
d,J=11.4Hz),6.63(1H,d,J=1
1.4Hz),6.64(1H,d,J=5.8H
z),7.30−7.50(2H,m),7.66(1
H,dd,J=1.4,7.4Hz),7.82(1
H,dd,J=1.4,7.4Hz),8.30(1
H,d,J=5.8Hz)
【0181】実施例16 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
イソブチレート
【0182】
【化30】
【0183】参考例2で得た[2−[[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリ
ジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾール−1−イル]メタノール(2.16g)のジクロ
ロメタン溶液(15mL)にトリエチルアミン(1.1
3mL)とイソブチリルクロリド(0.731mL)を
氷冷下加え、0℃で1.5時間攪拌した。反応液をジク
ロロメタン−水で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル)にて精製した後、精製物を酢酸エチルから再結晶
し、標題化合物を無色固体(0.90g)として得た。
【0184】1H−NMR(CDCl3):1.10−
1.20(6H,m),2.30(3H,s),2.5
0−2.70(1H,m),4.38(2H,q,J=
7.8Hz),4.98(1H,d,J=13.6H
z),5.07(1H,d,J=13.6Hz),6.
52(2H,s),6.65(1H,d,J=6.0H
z),7.30−7.50(2H,m),7.63(1
H,dd,J=2.2,7.4Hz),7.81(1
H,dd,J=1.4,7.0Hz),8.28(1
H,d,J=6.0Hz)
【0185】実施例17 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
(アセチルアミノ)アセテート
【0186】
【化31】
【0187】N−アセチルグリシン(1.89g)の
N,N−ジメチルホルムアミド溶液(15mL)にN,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.67g)
を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液
を氷冷下参考例2で得た[2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−1−イル]メタノール(2.16g)とトリエチル
アミン(1.88mL)のジクロロメタン溶液(15m
L)に加え、0℃で1.5時間攪拌した。反応液を酢酸
エチル−水で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物を酢
酸エチルから再結晶し、標題化合物を無色固体(1.5
0g)として得た。
【0188】1H−NMR(CDCl3):1.99(3
H,s),2.33(3H,s),4.00−4.25
(2H,m),4.39(2H,q,J=7.8H
z),5.02(2H,s),6.30−6.40(1
H,bs),6.51(1H,d,J=11.0H
z),6.59(1H,d,J=11.0Hz),6.
64(1H,d,J=5.4Hz),7.30−7.5
0(2H,m),7.62(1H,d,J=7.4H
z),7.79(1H,dd,J=1.6,6.6H
z),8.22(1H,d,J=5.4Hz)
【0189】実施例18 [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニ
ル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]メチル
プロピル カーボネート
【0190】
【化32】
【0191】参考例2で得た[2−[[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリ
ジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾール−1−イル]メタノール(2.16g)のジクロ
ロメタン溶液(15mL)に氷冷下、トリエチルアミン
(1.13mL)とクロロギ酸プロピル(0.787m
L)を加え、0℃で1.5時間攪拌した。反応液をジク
ロロメタン−水で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留
物を酢酸エチルから再結晶し、標題化合物を無色固体
(1.10g)として得た。
【0192】1H−NMR(CDCl3):0.92(3
H,t,J=7.6Hz),1.55−1.80(2
H,m),2.29(3H,s),4.13(2H,
t,J=6.6Hz),4.38(2H,q,J=7.
8Hz),4.93(1H,d,J=13.8Hz),
5.08(1H,d,J=13.8Hz),6.48
(1H,d,J=11.0Hz),6.61(1H,
d,J=11.0Hz),6.63(1H,d,J=
5.8Hz),7.30−7.50(2H,m),7.
68(1H,dd,J=1.4,7.8Hz),7.8
2(1H,dd,J=1.8,8.4Hz),8.31
(1H,d,J=5.8Hz)
【0193】実施例19 イソプロピル [2−[[[3−メチル−4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メ
チル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1
−イル]メチル カーボネート
【0194】
【化33】
【0195】参考例2で得た[2−[[[3−メチル−
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリ
ジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダ
ゾール−1−イル]メタノール(1.0g)とクロロギ
酸イソプロピル(0.47g)を用い、実施例10と同
様の操作を行ない、標題化合物を無色固体(0.50
g)として得た。
【0196】1H−NMR(CDCl3):1.20−
1.35(6H,m),2.28(3H,s),4.3
8(2H,q,J=7.8Hz),4.80−5.00
(1H,m),4.93(1H,d,J=13.8H
z),5.08(1H,d,J=13.8Hz),6.
48(1H,d,J=11.0Hz),6.60(1
H,d,J=11.0Hz),6.64(1H,d,J
=5.4Hz),7.30−7.50(2H,m),
7.68(1H,dd,J=1.8,7.0Hz),
7.82(1H,dd,J=1.4,6.6Hz),
8.32(1H,d,J=5.4Hz)
【0197】実施例20 ブチル [2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メチル カルボネート
【0198】
【化34】
【0199】2−[[[3−メチル−4−(2,2,2
−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]
スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(739m
g)、ジクロロメタン(10mL)、4−ジメチルアミ
ノピリジン(24mg)の混合物に、室温で37%ホル
ムアルデヒド溶液(0.745mL)を加えた。この混
合物を室温で30分間激しく攪拌した後、水(5mL)
を加え、ジクロロメタン層を分取し、硫酸ナトリウムで
乾燥した。ろ過後、氷冷下、トリエチルアミン(0.5
58mL)とクロロギ酸ブチル(0.382mL)を加
えた。氷冷下、5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、
酢酸エチル(50mL)を加え、重曹水(30mL)で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮
後、残留物をメタノール(50mL)に溶解させ、重曹
水(1mL)を加え、0.5時間攪拌した。溶媒を減圧
濃縮後、酢酸エチル(50mL)を加え、水(30m
L)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧
濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマト(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1続いて酢酸エチルで溶出)で精製
した。得られた固体を酢酸エチルとジイソプロピルエー
テルの混合溶液で洗い、減圧乾燥することにより、標題
化合物421mgを無色固体として得た。
【0200】1H−NMR(CDCl3):0.90(3
H,t,J=7.4Hz),1.28−1.42(2
H,m),1.57−1.68(2H,m),2.29
(3H,s),4.17(2H,t,J=6.8H
z),4.38(2H,q,J=7.8Hz),4.9
3(1H,d,J=13.8Hz),5.08(1H,
d,J=13.8Hz),6.49(1H,d,J=1
1.3Hz),6.61(1H,d,J=11.3H
z),6.64(1H,d,J=5.9Hz),7.3
4−7.48(2H,m),7.65−7.70(1
H,m),7.80−7.85(1H,m),8.31
(1H,d,J=5.9Hz).
【0201】実施例21 [(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メチル アセテート
【0202】
【化35】
【0203】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とアセチルクロリド(0.498mL)を用い、実施例
10と同様の操作を行ない、標題化合物を無色固体
(0.87g)として得た。
【0204】1H−NMR(CDCl3):2.13(3
H,s),2.31(3H,s),4.39(2H,
q,J=8.0Hz),4.96(1H,d,J=1
3.8Hz),5.07(1H,d,J=13.8H
z),6.51(2H,s),6.65(1H,d,J
=5.6Hz),7.30−7.50(2H,m),
7.65(1H,dd,J=1.4,6.6Hz),
7.82(1H,dd,J=2.2,7.0Hz),
8.29(1H,d,J=5.6Hz).
【0205】実施例22 プロピル [(R)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニ
ル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾー
ル−1−イル]メチル カーボネート
【0206】
【化36】
【0207】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とクロロギ酸プロピル(0.787mL)を用い、実施
例10と同様の操作を行ない、標題化合物を無色固体
(0.89g)として得た。
【0208】1H−NMR(CDCl3):0.92(3
H,t,J=7.2Hz),1.50−1.80(2
H,m),2.29(3H,s),4.12(2H,
t,J=6.2Hz),4.38(2H,q,J=7.
6Hz),4.93(1H,d,J=14.0Hz),
5.09(1H,d,J=14.0Hz),6.49
(1H,d,J=11.4Hz),6.61(1H,
d,J=11.4Hz),6.64(1H,d,J=
5.4Hz),7.30−7.50(2H,m),7.
68(1H,dd,J=1.4,8.8Hz),7.8
2(1H,dd,J=1.6,6.6Hz),8.30
(1H,d,J=5.4Hz).
【0209】実施例23 [(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メチル イソブチレート
【0210】
【化37】
【0211】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とイソブチリルクロリド(0.731mL)を用い、実
施例10と同様の操作を行ない、標題化合物を無色固体
(0.87g)として得た。
【0212】1H−NMR(CDCl3):1.10−
1.20(6H,m),2.31(3H,s),2.5
0−2.70(1H,m),4.38(2H,q,J=
8.1Hz),4.99(1H,d,J=14.1H
z),5.06(1H,d,J=14.1Hz),6.
50(1H,d,J=11.1Hz),6.54(1
H,d,J=11.1Hz),6.64(1H,d,J
=5.4Hz),7.30−7.50(2H,m),
7.63(1H,d,J=8.1Hz),7.82(1
H,d,J=6.9Hz),8.29(1H,d,J=
5.4Hz).
【0213】実施例24 [(R)−2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]ス
ルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]
メチル プロピレート
【0214】
【化38】
【0215】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とプロパノイルクロリド(0.608mL)を用い、実
施例10と同様の操作を行ない、標題化合物を無色固体
(0.89g)として得た。
【0216】1H−NMR(CDCl3):1.13(3
H,t,J=7.5Hz),2.31(3H,s),
2.39(2H,q,J=7.5Hz),4.38(2
H,q,J=7.8Hz),4.97(1H,d,J=
13.8Hz),5.06(1H,d,J=13.8H
z),6.50(1H,d,J=11.4Hz),6.
54(1H,d,J=11.4Hz),6.64(1
H,d,J=5.7Hz),7.30−7.50(2
H,m),7.65(1H,dt,J=1.2,8.7
Hz),7.81(1H,dt,J=1.0,7.8H
z),8.28(1H,d,J=5.7Hz).
【0217】実施例25 2−メトキシエチル [(R)−2−[[[3−メチル
−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピ
リジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミ
ダゾール−1−イル]メチル カーボネート
【0218】
【化39】
【0219】参考例3で得た[(R)−2−[[[3−
メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−
2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベン
ズイミダゾール−1−イル]メタノール(2.16g)
とクロロギ酸2−メトキシエチル(0.970mL)を
用い、実施例10と同様の操作を行ない、標題化合物を
無色固体(1.00g)として得た。
【0220】1H−NMR(CDCl3):2.28(3
H,s),3.34(3H,s),3.55−3.60
(2H,m),4.29−4.35(2H,m),4.
38(2H,q,J=7.8Hz),4.95(1H,
d,J=13.8Hz),5.06(1H,d,J=1
3.8Hz),6.49(1H,d,J=11.1H
z),6.62(1H,d,J=11.1Hz),6.
64(1H,d,J=5.4Hz),7.30−7.5
0(2H,m),7.66(1H,dd,J=1.5,
7.8Hz),7.82(1H,dd,J=1.5,
7.5Hz),8.30(1H,d,J=5.4H
z).
【0221】〔実験例1〕人工胃液中での安定性試験 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)−2−ピリジル]メチル]スルフィニル]
−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)、実
施例1、2、18の化合物(約1〜2mg)を、それぞ
れアセトニトリル1mLに溶解し、各溶液の0.2mL
にアセトニトリル1mL及び人工胃液(塩化ナトリウム
2.0gを塩酸7.0mL及び水を加えることによって
溶かし、1000mLとして調製したpHが約1.2の
溶液)3mLを加えて37℃で保存した時の各化合物の
安定性を調べた。アセトニトリルと人工胃液の添加直後
並びに4、8、12、16および20時間後にサンプリ
ングして下記のHPLC分析条件で分析し、化合物の分
解を擬一次反応と仮定したときの半減期を算出した。結
果を表1に示した。
【0222】 HPLC分析条件 検出波長: UV285nm カラム: YMC Pro C18 75mm×4.6mmI.D. 移動相: 移動相A(0.01mol/L酢酸アンモニウム水溶液)と移動相B (アセトニトリル)の割合を以下のように時間で変化させた。 添加直後から10分 移動相A/移動相B=60/40→10/90 10分から15分 移動相A/移動相B=10/90 15.1分から20分 移動相A/移動相B=60/40 流速: 1.0mL/分 カラム温度: 25℃ 注入量: 10μL
【0223】
【表1】
【0224】ランソプラゾールの半減期が0.03時間
未満であり、人工胃液中で速やかに分解するのに対し、
実施例1、2、18の化合物はいずれも半減期が4時間
以上であり、酸に対して安定である。したがって、本発
明の化合物を経口投与する場合に腸溶製剤にする必要が
ないことは明らかである。
【0225】〔実験例2〕肝臓S9及び小腸S9を用いたランソプラゾールへの変
換実験 表2に記載の各種S9を終濃度1mg protein
/mLとなるように50mMリン酸緩衝液(pH7.
4)中に調製した。この溶液99μLに対して各化合物
(実施例1、2の化合物)の1mM溶液(約20%のジ
メチルスルホキシドを含むメタノールに各化合物をそれ
ぞれ溶解し、10mM溶液を調製した。これをメタノー
ルで10倍希釈することにより1mM溶液を調製し
た。)を1μL添加後、37℃でインキュベートした
(反応)。インキュベート開始直後及び5分後にアセト
ニトリル100μLを添加することにより反応を停止し
た。停止後、遠心分離(2500rpm×10分)し、
得られた上清をHPLCに供した。このときのHPLC
分析条件を以下に示した。
【0226】
【表2】
【0227】 HPLC分析条件 検出波長: UV280nm カラム: CAPCELL PAK C18 MG (4.6mmI.D.×7 5mm) 移動相: 移動相A(0.01mol/L酢酸アンモニウム水溶液)と移動相B (アセトニトリル)の割合を以下のように時間で変化させた。 開始直後から7分 移動相A/移動相B=60/40→10/90 7分から10分 移動相A/移動相B=10/90 10分から15分 移動相A/移動相B=60/40 流速: 1mL/min カラム温度: 40℃ 注入量: 50μL
【0228】結果処理 ランソプラゾール(LPZ)ピーク面積につき、インキ
ュベート開始直後の未変化体の面積を100%(吸光率
未補正)としてLPZ生成率を算出した。
【0229】
【表3】
【0230】表3から、本発明化合物をラット及びヒト
の肝臓S9及び小腸S9で処理することにより速やかに
ランソプラゾールに変換されていることから、本発明の
化合物はランソプラゾールのプロドラッグとして機能す
ることが示唆される。
【0231】
【発明の効果】本発明の化合物は、生体内でプロトンポ
ンプ阻害薬であるランソプラゾールに変換されて、優れ
た抗潰瘍作用、胃酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘ
リコバクター・ピロリ作用等を示し、また毒性は低いた
め、医薬品として有用である。しかも、酸に安定なの
で、腸溶製剤にする必要がなく、腸溶製剤化の費用を削
減し、また、錠剤が小さくなることにより嚥下力の弱い
病人、特に老人や小人に服用しやすくなる。しかも、腸
溶製剤よりも吸収が速いので、胃酸分泌抑制作用が速く
発現し、また生体内で徐々に従来公知のプロトンポンプ
阻害薬に変換されるので持続性があり、抗潰瘍剤等とし
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 123 A61P 43/00 123

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Dは酸素原子又は結合手を、Rは置換基を有し
    ていてもよい炭化水素基を示す。〕で表わされるベンズ
    イミダゾール化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】 Rが、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸
    基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていても
    よいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ
    基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)ア
    シルアミノ基からなる群より選ばれる置換基を有してい
    てもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基又はC
    2-6アルキニル基であるか、あるいは (i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(i
    v)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ
    基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキ
    シ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されてい
    てもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換
    基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC
    6-14アリール基である、請求項1記載の化合物またはそ
    の塩。
  3. 【請求項3】 Rが、(i)C6-14アリール基、(ii)水酸
    基、(iii)ハロゲン、(iv)ハロゲンで置換されていても
    よいC1-6アルコキシ基、(v)C7-12アラルキルオキシ
    基、(vi)C1-5アルコキシ−カルボニル基および(vii)ア
    シルアミノ基からなる群より選ばれる置換基を有してい
    てもよいC1-6アルキル基であるか、あるいは (i)C6-14アリール基、(ii)水酸基、(iii)ハロゲン、(i
    v)ハロゲンで置換されていてもよいC1-6アルコキシ
    基、(v)C7-12アラルキルオキシ基、(vi)C1-5アルコキ
    シ−カルボニル基および(vii)ハロゲンで置換されてい
    てもよいC1-6アルキル基からなる群より選ばれる置換
    基を有していてもよい、C3-8シクロアルキル基又はC
    6-14アリール基である、請求項1記載の化合物またはそ
    の塩。
  4. 【請求項4】 Dが結合手であり、かつRが置換基を有
    していてもよいアルキル基または置換基を有していても
    よいアリール基である、請求項1記載の化合物またはそ
    の塩。
  5. 【請求項5】 Rが(1)(i)C6-14アリール基、(ii)
    水酸基、(iii)ハロゲン、(iv)1〜5個のハロゲンで置
    換されていてもよいC1-6アルコキシ基、(v)C 7-12アラ
    ルキルオキシ基および(vi)C1-5アルコキシ−カルボニ
    ル基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基を有して
    いてもよいC1-6アルキル基、または(2)(i)ハロゲ
    ン、(ii)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC
    1-6アルキル基、(iii)C6-14アリール基、(iv)水酸基、
    (v)1〜5個のハロゲンで置換されていてもよいC1-6
    ルコキシ基、(vi)C7-12アラルキルオキシ基および(vi
    i)C 1-5アルコキシ−カルボニル基からなる群より選ば
    れる1〜5個の置換基を有していてもよいC6-14アリー
    ル基である請求項4記載の化合物またはその塩。
  6. 【請求項6】 Rが(1)C6-14アリール基で置換され
    ていてもよいC1-6アルキル基または(2)C6-14アリ
    ール基である請求項4記載の化合物またはその塩。
  7. 【請求項7】 Rがフェニル基である請求項4記載の化
    合物またはその塩。
  8. 【請求項8】 Rがメチル基またはtert−ブチル基であ
    る請求項4記載の化合物またはその塩。
  9. 【請求項9】 一般式 【化2】 〔式中、各記号は請求項1と同意義を示す。〕で表わさ
    れる(R)体である請求項1記載の化合物またはその
    塩。
  10. 【請求項10】 (1)式(II) 【化3】 〔式中、Mは水素原子、金属陽イオンまたは第4級アン
    モニウムイオンを示す〕で表わされる化合物またはその
    塩と 式(III):R−D−C(=O)−O−CH2−X〔式中、
    Xはハロゲンを、Dは酸素原子又は結合手を、Rは置換
    基を有していてもよい炭化水素基を示す。〕で表わされ
    る化合物とを縮合させるか、(2)式(IV) 【化4】 で表わされる化合物と式R−D−COOH〔式中、各記
    号は前記と同意義を示す。〕で表わされるカルボン酸ま
    たはその反応性誘導体とを縮合させるか、あるいは
    (3)式(V) 【化5】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
    化合物またはその塩を酸化反応に付すことを特徴とする
    請求項1記載の化合物またはその塩の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1または4記載の化合物を含有
    してなる医薬組成物。
  12. 【請求項12】 消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、N
    UD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部
    消化管出血の予防・治療剤である請求項11記載の医薬
    組成物。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の医薬組成物、及び該
    医薬組成物を消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、NU
    D、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部消
    化管出血の予防または治療用途に使用することができ
    る、または使用すべきであることを記載した、該医薬組
    成物に関する記載物を含む商業パッケージ。
  14. 【請求項14】 ヘリコバクター・ピロリ除菌剤である
    請求項11記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の医薬組成物、及び該
    医薬組成物をヘリコバクター・ピロリの除菌用途に使用
    することができる、または使用すべきであることを記載
    した、該医薬組成物に関する記載物を含む商業パッケー
    ジ。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の化合物を有効成分とし
    て含有してなる、消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、N
    UD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部
    消化管出血の予防または治療剤。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の化合物を有効成分とし
    て含有してなるヘリコバクター・ピロリ除菌剤。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の化合物を投与すること
    からなる、消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、NUD、
    胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部消化管
    出血の予防または治療方法。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の化合物を投与すること
    からなるヘリコバクター・ピロリ除菌方法。
  20. 【請求項20】 消化性潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、N
    UD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多または上部
    消化管出血の予防・治療剤を製造するための請求項1記
    載の化合物の使用。
  21. 【請求項21】 ヘリコバクター・ピロリ除菌剤を製造
    するための請求項1記載の化合物の使用。
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