JP2002186084A - 指向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向推定システム - Google Patents

指向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向推定システム

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JP2002186084A
JP2002186084A JP2000379730A JP2000379730A JP2002186084A JP 2002186084 A JP2002186084 A JP 2002186084A JP 2000379730 A JP2000379730 A JP 2000379730A JP 2000379730 A JP2000379730 A JP 2000379730A JP 2002186084 A JP2002186084 A JP 2002186084A
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Koichiro Mizushima
考一郎 水島
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で所望の方向に指向性を得ること、音
源方向が時間とともに変化する場合にも追従して指向性
を得ることができる音源方向推定装置および指向性収音
装置を提供すること。 【解決手段】 音源方向推定指向性収音システム20は、
M個のマイクロホンAを有し、音源から到来した音を収
音するマイクロホンアレイ21と、各マイクロホンAの配
設位置によって生ずる収音された音の到達時間差と収音
した収音信号の周波数毎の固有値および固有ベクトルを
算出することによって収音信号の雑音成分を算出し、こ
の算出された雑音成分に基づいて音源の到来方向を推定
する音源方向推定装置23と、推定された音源の到来方向
に指向性を有するよう収音信号を記録する指向性収音装
置24とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【従来の技術】従来、音源の方向推定方法および指向性
収音方法としては、特開平05−316587号公報に
記載されたものが知られている。
【0002】同公報に記載された指向性収音方法1は、
図18に示すように、希望する音声(以下、希望音声とい
う)を収集し、収音信号として出力する第1マイクロホ
ン10と、希望音声の到来方向の感度が低い指向性の第2
マイクロホン11と、各マイクロホン10、11から出力され
た音声信号を所定の信号レベルに増幅させる増幅器12、
13と、アナログ信号からデジタル信号に変換するアナロ
グ/デジタル(以下、A/Dという)変換器14、15と、
適応フィルタ回路17での適応処理のための演算に要する
時間遅れおよび適応フィルタでの伝播時間その他の時間
遅延を生じさせる遅延回路16と、第2マイクロホン11か
らの音声信号の適応フィルタ処理を行う適応フィルタ回
路17と、遅延回路16から出力された信号から適応フィル
タ回路17から出力された信号を減算する減算器18と、減
算器18の出力をアナログ信号に変換するデジタル/アナ
ログ(以下、D/Aという)変換器19とを備え、減算器
16の出力パワーが最小化されるように適応フィルタ回路
15を調整するようになっている。
【0003】これらによって希望音声の到来方向以外か
ら到来する音声は、適応フィルタ回路15により、減算器
16の後段で最小化されるため抑制されるようになってい
る。
【0004】一方、希望音声は、第2マイクロホン11に
おける希望音声の到来方向の感度が低いため、減算器16
によっても減算されないため抑制されない。したがっ
て、希望音声の到来方向に感度が高い指向性を得ること
ができるようになっており、このようにして、音源の方
向推定方法および指向性収音を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の音源の方向推定方法および指向性収音方法であって
は、適応フィルタの調整にはある程度の時間が必要であ
るため、必要な指向性を得るために長時間待機する必要
があるとともに、音の発生源の方向(以下、音源方向と
いう)が時間とともに変化する場合には、追従できない
という問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題を解決す
るためになされたものであり、短時間で所望の方向に指
向性を得ること、および、音源方向が時間とともに変化
する場合にも追従して指向性を得ることができる音源方
向推定装置および指向性収音装置を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の音源方向推定装置は、所定の間隔に配設さ
れ、収音を行う複数のマイクロホンを有するマイクロホ
ンアレイと、前記マイクロホンアレイによって音を収音
したとき、基準となる1の前記マイクロホンと他の前記
マイクロホンとの配設位置によって生ずる前記音の到達
時間差に基づいて前記音の発生源の方向を推定する推定
手段とを備えた構成を有している。
【0008】この構成により、音源方向の時間的変化に
追従して音源方向を推定することができる。具体的に
は、音源方向が時間とともに変化したとしても、それに
伴って各マイクロホンに生ずる音源方向から到来した音
の到達時間差も変化するため、この到達時間差に基づい
て音の発生源を推定することができる。
【0009】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段が、所定の時間間隔毎に前記音の発生源の方向
を推定する構成を有している。
【0010】この構成により、推定手段が所定の時間間
隔毎に音源を推定することができるので、音源方向の時
間的変化に追従して音源方向を推定することができる。
【0011】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段が、前記各マイクロホンから出力された前記各
収音信号を前記所定の時間間隔毎に時間平均する時間平
均算出部と、前記時間平均算出部によって算出された前
記時間平均信号を周波数変換するとともに各周波数毎の
振幅値を算出する周波数変換部と、各周波数毎の振幅値
に基づいて固有値解析を行う固有値解析部と、前記固有
値解析部によって算出された固有ベクトルに基づいて前
記収音信号における雑音成分を算出する雑音成分算出部
とを有し、前記雑音成分算出部によって算出された前記
雑音成分と前記到達時間差に基づいて前記音の発生源の
方向を推定する構成を有している。
【0012】この構成により、音源方向の時間的変化に
追従して音源方向を推定することができる。具体的に
は、複数のマイクロホンを用いることにより、各マイク
ロホンが収音した収音信号の固有値解析を行うと、算出
された固有値の大きい固有ベクトルは、音源の寄与に当
たり、算出された固有値の小さい固有ベクトルは、雑音
の寄与に当たる。各音源の寄与と雑音成分は直行するこ
とにより、音源方向では雑音成分の寄与は小さくなる。
したがって、この固有値の小さい固有ベクトルから雑音
成分行列を算出することができるので、この算出された
収音信号の雑音成分と到達時間差に基づいて音の発生源
を推定することができる。
【0013】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
各マイクロホンの配設間隔を前記音の発生源の方向の推
定における対象となる音の波長の1/10以上1/2未満
に設定する構成を有している。
【0014】この構成により、各マイクロホンの配設間
隔を、音源方向を推定する対象となる音の波長の1/10
以上1/2未満に設定することによって、方向推定精度
を向上させることができる。
【0015】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段によって推定された前記音の発生源の方向から
到来した前記音を記録する記録手段を設けた構成を有し
ている。
【0016】この構成により、推定手段によって推定さ
れた音源方向の音を記録することができる。
【0017】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
記録手段が、前記推定手段によって推定された前記音の
発生源の方向が複数ある場合に何れか1つの前記音の発
生源の方向から到来した音を記録する構成を有してい
る。
【0018】この構成により、音源が複数ある場合に何
れか1つの音源のみ記録することができる。
【0019】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
記録手段が、前記マイクロホンアレイによって前記音を
収音したとき、基準となる1の前記マイクロホンと他の
前記マイクロホンとの配設位置よって生ずる前記音の到
達時間差と所望する方向以外の範囲に基づいて前記抑制
範囲から到来した前記音の収音感度を低下させて記録す
る構成を有している。
【0020】この構成により、抑制範囲から到来した音
の収音感度を低下させることができるので、所望した方
向から到来した音を的確に記録することができる。
【0021】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
記録手段が、隣接する2つの前記マイクロホン毎に前記
収音信号を前記到達時間差に基づいて遅延させる遅延器
と、
【0022】前記遅延器によって遅延させた前記収音信
号から差分信号を算出する差分信号算出手段と、前記抑
制範囲に基づいてフィルタ係数を設定するフィルタ係数
設定手段と、前記フィルタ係数設定手段によって設定さ
れた前記フィルタ係数に基づいて前記各差分信号をフィ
ルタ処理するフィルタ処理手段からなり、前記フィルタ
係数設定手段が、前記各収音信号の伝達関数を最小二乗
法により算出することによって前記フィルタ係数を設定
する構成を有している。
【0023】この構成により、マイクロホンアレイに到
来した音が複数あったとしても、所望する方向にある音
源から各マイクロホン間の伝達関数に基づいてフィルタ
処理を行うことができるので、抑制範囲から到来した音
の収音感度を低下させることができ、所望した方向から
到来した音を的確に記録することができる。
【0024】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
フィルタ係数設定手段が、前記伝達関数を正規方程式を
用いた最小二乗法により算出することによって前記フィ
ルタ係数を設定するとともに、前記最小二乗解における
誤差の基準を変更する構成を有している。
【0025】この構成により、最小二乗解における誤差
の基準を変更することによって抑制範囲を拡大すること
ができるので、抑制したい音源の方向が多少変動したと
しても、抑制範囲の信号を抑制することができ、所望し
た方向から到来した音を的確に記録することができる。
【0026】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
所望する方向を予め設定する構成を有している。
【0027】この構成により、所望の音源方向以外の抑
制範囲から到来する音源の方向が時間的に変化したとし
ても、的確に所望する方向からの音源方向を推定するこ
とができる。
【0028】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
フィルタ処理手段が、前記フィルタ係数を予め算出して
おくことによって、前記推定する音の発生源の方向の変
化に応じて最適なフィルタ係数を選択する構成を有して
いる。
【0029】この構成により、所望の音源方向以外の抑
制範囲から到来する音源の方向が時間的に変化したとし
ても、的確に所望する方向からの音源方向を推定するこ
とができる。
【0030】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段によって推定された前記音の発生源の方向を表
示する表示手段を設けた構成を有している。
【0031】この構成により、表示手段に推定された音
源方向を表示することができるので、推定された音源方
向を視覚的に把握することができる。
【0032】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
表示手段が、前記推定手段によって推定された前記音の
発生源の方向のパワー分布を表示する構成を有してい
る。
【0033】この構成により、推定された音源方向の音
源のパワーの分布を視覚的に把握することができる。
【0034】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
表示手段が、前記推定手段によって推定された前記音の
発生源の方向の音源パワーの大きさを表示する構成を有
している。
【0035】この構成により、推定された音源方向の音
源のパワーの大きさを視覚的に把握することができる。
【0036】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段によって推定された前記所定の時間間隔毎の前
記音の発生源の方向を示す音源方向値に基づいて前記音
源の移動方向を算出する移動方向算出手段を設けた構成
を有している。
【0037】この構成により、推定手段によって推定さ
れた音源方向値に基づいて音源の移動方向を把握するこ
とができる。
【0038】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
移動方向算出手段が、任意の時間の前記音源方向値とそ
の直前に前記推定手段から出力された前記音源方向値に
基づいて移動量を算出する構成を有している。
【0039】この構成により、任意の時間の前記音源方
向値とその直前の時間における前記音源方向値に基づい
て音源の移動方向を把握することができる。
【0040】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段によって推定された前記所定の時間間隔毎の前
記音の発生源の方向を示す音源方向値に基づいて前記音
源の移動速度を算出する移動速度算出手段を設けた構成
を有している。
【0041】この構成により、推定手段によって推定さ
れた音源方向値に基づいて音源の移動速度を把握するこ
とができる。
【0042】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
移動速度算出手段が、任意の時間の前記音源方向値とそ
の直前に前記推定手段から出力された前記音源方向値に
基づいて移動量を算出するとともに、前記移動量と前記
時間間隔に基づいて前記移動速度を算出する構成を有し
ている。
【0043】この構成により、任意の時間の前記音源方
向値とその直前の時間における前記音源方向値に基づい
て音源の移動速度を把握することができる。
【0044】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段によって推定された前記音の発生源の方向を撮
像する撮像手段を設けた構成を有している。
【0045】この構成により、推定手段によって推定さ
れた音源方向を撮像することができる。
【0046】前記推定手段によって推定された前記音の
発生源の方向に基づいて前記撮像手段の撮像方向の制御
を行う制御手段を設けた構成を有している。
【0047】この構成により、制御手段によって、推定
された音源方向に撮像方向を制御することができるの
で、推定された音源方向を撮像することができる。
【0048】また、本発明の音源方向推定装置は、予め
異なる方向を撮像する複数の撮像手段を設け、前記推定
手段によって推定された音の発生源の方向に基づいて、
前記音の発生源の方向に最も近い方向に向けられた前記
撮像手段を選択するとともに、前記選択された撮像手段
によって前記音の発生源の方向を撮像する構成を有して
いる。
【0049】この構成により、複数の撮像手段が配設さ
れた場合に、推定手段によって推定された音源方向を最
も近い方向に向けられた前記撮像手段によって撮像する
ことができる。
【0050】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
推定手段によって推定された前記音の発生源の方向の音
を記録する記録手段を有し、前記記録手段が、推定手段
によって推定された音源に対応付けて前記撮像手段によ
って撮像された前記音の発生源の方向の画像を記録する
構成を有している。
【0051】この構成により、推定された音源方向の収
音信号と撮像された画像とを対応付けて記録することが
できる。
【0052】また、本発明の音源方向推定装置は、前記
記録手段が、収音された前記音の音圧レベルを算出して
記録する構成を有している。
【0053】この構成により、記録手段に記録される収
音信号の音圧レベルを記録することができる。
【0054】本発明の指向性収音装置は、所定の間隔に
並設され、収音を行う3つ以上のマイクロホンを有する
マイクロホンアレイを備え、前記マイクロホンアレイに
よって収音された信号から所望の方向から到来した音源
の信号を取り出す指向性収音装置において、前記マイク
ロホンアレイによって音を収音したとき、基準となる1
の前記マイクロホンと他の前記マイクロホンとの配設位
置よって生ずる前記音の到達時間差に基づいて前記所望
の方向以外の抑制範囲から到来した前記音の収音感度を
低下させる構成を有している。
【0055】この構成により、抑制範囲から到来した音
の収音感度を低下させることができるので、所望した方
向から到来した音を的確に収音することができる。
【0056】また、本発明の指向性収音装置は、前記収
音信号を前記到達時間差に基づいて遅延させる遅延器
と、隣接する2つの前記マイクロホン毎に前記各遅延器
から出力された前記収音信号から差分信号を生成する差
分信号生成手段と、前記抑制範囲に基づいてフィルタ係
数を設定するフィルタ係数設定手段と、前記フィルタ係
数設定手段によって設定された前記フィルタ係数に基づ
いて前記各差分信号をフィルタ処理するフィルタ処理手
段とを有し、前記フィルタ係数設定手段が、前記収音さ
れた音における伝達関数を最小二乗法により算出するこ
とによって前記フィルタ係数を設定する構成を有してい
る。
【0057】この構成により、マイクロホンアレイに到
来した音が複数あったとしても、所望する方向にある音
源から各マイクロホン間の伝達関数に基づいてフィルタ
処理を行うことができるので、抑制範囲から到来した音
の収音感度を低下させることができ、所望した方向から
到来した音を的確に収音することができる。
【0058】また、本発明の指向性収音装置は、前記フ
ィルタ係数設定手段が、前記伝達関数を正規方程式を用
いた最小二乗法により算出することによって前記フィル
タ係数を設定するとともに、前記最小二乗解における誤
差の基準を変更する構成を有している。
【0059】この構成により、最小二乗解における誤差
の基準を変更することによって抑制範囲を拡大すること
ができるので、抑制したい音源の方向が多少変動したと
しても、抑制範囲の信号を抑制することができ、所望し
た方向から到来した音を的確に記録することができる。
【0060】また、本発明の指向性収音装置は、前記所
望する方向を予め設定する構成を有している。
【0061】この構成により、所望の音源方向以外の抑
制範囲から到来する音源の方向が時間的に変化したとし
ても、的確に所望する方向からの音源方向を推定するこ
とができる。
【0062】また、本発明の指向性収音装置は、前記フ
ィルタ処理手段が、前記フィルタ係数を予め算出してお
くことによって、前記推定する音の発生源の方向の変化
に応じて最適なフィルタ係数を選択する構成を有してい
る。
【0063】この構成により、所望の音源方向以外の抑
制範囲から到来する音源の方向が時間的に変化したとし
ても、的確に所望する方向からの音源方向を推定するこ
とができる。
【0064】また、本発明の音源方向推定システムは、
請求項24乃至28の何れかに記載されたマイクロホンアレ
イを有する複数の指向性収音装置によって所望する方向
以外の抑制範囲から到来する音を抑制して前記所望する
方向の中から音の発生源の方向を推定する音源方向推定
装置において、前記各マイクロホンアレイにおける基準
となる1のマイクロホンと他の前記マイクロホンの配設
距離によって生ずる収音された音の到達時間差と前記各
指向性収音装置から出力された収音信号とに基づいて前
記所望する方向の中から前記音の発生源の方向を推定す
る推定手段を備えた構成を有している。
【0065】この構成により、指向性収音装置によって
複数の音源が有る場合でも所望する方向以外からの音を
抑制することができるので、音源方向の時間的変化に追
従して音源方向を推定することができる。具体的には、
音源方向が時間とともに変化したとしても、各指向性収
音装置のマイクロホンアレイに生ずる音源方向から到来
した音の到達時間差も変化するため、すなわち、各指向
性収音装置から出力された出力信号において、各マイク
ロホンアレイの各マイクロホンの配設間隔によって生ず
る音の到達時間差が変化するため、この到達時間差に基
づいて所望する方向の中から音の発生源を推定すること
ができる。
【0066】また、本発明の音源方向推定システムは、
前記推定手段が、所定の時間間隔毎に前記音の発生源の
方向を推定する構成を有している。
【0067】この構成により、指向性収音装置によって
複数の音源が有る場合でも所望する方向以外からの音を
抑制することができるとともに、推定手段が所定の時間
間隔毎に音源を推定することができるので、音源方向の
時間的変化に追従して音源方向を推定することができ
る。
【0068】また、本発明の音源方向推定システムは、
前記推定手段が、前記各出力信号を前記所定の時間間隔
毎に時間平均する時間平均算出部と、前記時間平均算出
部によって算出された前記時間平均信号を周波数変換す
るとともに各周波数毎の振幅値を算出する周波数変換部
と、各周波数毎の振幅値に基づいて固有値解析を行う固
有値解析部と、前記固有値解析部によって算出された固
有ベクトルに基づいて前記出力信号における雑音成分を
算出する雑音成分算出部とを有し、前記雑音成分算出部
によって算出された前記雑音成分と前記到達時間差に基
づいて前記音の発生源の方向を推定する構成を有してい
る。
【0069】この構成により、指向性収音装置によって
複数の音源が有る場合でも所望する方向以外からの音を
抑制することができるので、音源方向の時間的変化に追
従して音源方向を推定することができる。具体的には、
複数の指向性収音装置からの出力信号により、各出力信
号の固有値解析を行うと、算出された固有値の大きい固
有ベクトルは、音源の寄与に当たり、算出された固有値
の小さい固有ベクトルは、雑音の寄与に当たる。各音源
の寄与と雑音成分は直行することにより、音源方向では
雑音成分の寄与は小さくなる。したがって、この固有値
の小さい固有ベクトルから雑音成分行列を算出すること
ができるので、この算出された収音信号の雑音成分と到
達時間差に基づいて音の発生源を推定することができ
る。
【0070】また、本発明の音源方向推定システムは、
前記各マイクロホンの配設間隔を前記音の発生源の方向
の推定における対象となる音の波長の1/10以上1/2
未満に設定する構成を有している。
【0071】この構成により、各指向性収音装置におけ
る各マイクロホンの配設間隔を、音源方向を推定する対
象となる音の波長の1/10以上1/2未満に設定するこ
とによって、方向推定精度を向上させることができる。
【0072】また、本発明の音源方向推定システムは、
前記推定手段によって推定された前記音の発生源の方向
を撮像する撮像手段を設けた構成を有している。
【0073】この構成により、推定手段によって推定さ
れた音源方向を撮像することができる。
【0074】また、本発明の音源方向推定システムは、
前記推定手段によって推定された前記音の発生源の方向
に基づいて前記撮像手段の撮像方向の制御を行う制御手
段を設けた構成を有している。
【0075】この構成により、制御手段によって、推定
された音源方向に撮像方向を制御することができるの
で、推定された音源方向を撮像することができる。
【0076】また、本発明の音源方向推定システムは、
予め異なる方向を撮像する複数の撮像手段を設け、前記
推定手段によって推定された音の発生源の方向に基づい
て、前記音の発生源の方向に最も近い方向に向けられた
前記撮像手段を選択するとともに、前記選択された撮像
手段によって前記音の発生源の方向を撮像する構成を有
している。
【0077】この構成により、複数の撮像手段が配設さ
れた場合に、推定手段によって推定された音源方向を最
も近い方向に向けられた前記撮像手段によって撮像する
ことができる。
【0078】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。
【0079】〔第1実施形態〕図1〜図4は、本発明に
係る指向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向
推定システムの第1実施形態を示す図である。
【0080】図1に示す音源方向推定指向性収音システ
ム20は、M個のマイクロホンAを有し、音源からの音を
収音するマイクロホンアレイ21と、マイクロホンアレイ
21の各マイクロホンAから出力された信号(以下、収音
信号という)をそれぞれ所定の信号レベルに増幅する複
数の増幅器22と、各増幅器22によって増幅された収音信
号に基づいて音源方向を推定する音源方向推定装置23
と、収音信号に指向性を持たせて記録(以下、指向性収
音という)する指向性収音装置24とを備えている。
【0081】音源方向推定装置23は、各増幅器22から出
力された収音信号が入力され、収音信号の雑音成分を行
列演算する雑音成分行列算出部25と、雑音成分行列算出
部25によって算出された収音信号の雑音成分行列と後述
する方向制御ベクトルに基づいて音源の到来方向を算出
する音源方向算出部26とを有している。
【0082】音源方向の推定は、複数のマイクロホンA
を用い、予め基準となるマイクロホンA、例えば、本実
施形態ではマイクロホンA1を決定し、この基準となる
マイクロホンA1と他のマイクロホンAとの配設位置に
よって生ずる収音された音の到達時間差と、各マイクロ
ホンAが収音した収音信号の周波数毎の固有値および固
有ベクトルを算出することによって行うようになってい
る。
【0083】具体的には、複数のマイクロホンAを用い
ることにより、各マイクロホンが収音した収音信号の固
有値解析を行うと、算出された固有値の大きい固有ベク
トルは、音源の寄与に当たり、算出された固有値の小さ
い固有ベクトルは、雑音の寄与に当たる。各音源の寄与
と雑音成分は、直行するので、音源方向では雑音成分の
寄与は小さくなり、したがって、この固有値の小さい固
有ベクトルから雑音成分行列を算出できるようになり、
この算出された収音信号の雑音成分と到達時間差に基づ
いて算出された音源方向の走査範囲における方向別のパ
ワー(以下、方向別パワーという)との所定の演算を行
うことによって音源の到来方向を推定するようになって
いる。
【0084】本実施形態では、雑音成分行列算出部25に
おいて、雑音成分の算出を行い、その算出結果に基づい
て音の到来する音源方向のパワーを音源方向算出部26に
て算出するようになっている。
【0085】指向性収音装置24は、各増幅器22から出力
された収音信号を遅延させて加算する遅延和部27と、遅
延和部27によって処理された収音信号を記録する記録器
28とを備えている。
【0086】まず、各装置の構成について説明する。
【0087】マイクロホンアレイ21は、M個のマイクロ
ホンAにより構成され、各マイクロホンAにより音を収
音し、各マイクロホンAは、収音した音を収音信号とし
てM個の各増幅器22に出力するようになっている。
【0088】なお、各マイクロホンAの配設間隔は、必
ずしも等間隔である必要は無いが、後述する方向制御ベ
クトルの算出を簡単にするために、本実施形態では等間
隔(間隔d)とする。また、各マイクロホンAの配設間
隔は、対象とする音源から発生する音の波長の半分より
も短くする必要があり、その範囲内では長いほど音源方
向の推定精度が高くなるようになっている。また、マイ
クロホンAの個数は、同時に存在すると想定される音源
の数+1以上必要であり、多いほど音源方向の推定精度
が向上するようになっている。
【0089】雑音成分行列算出部25は、各増幅器22から
出力された収音信号がそれぞれ入力され、各収音信号を
窓長Wの時間窓で周期的に切り出す波形切出器101と、
波形切出器101において切り出された各収音信号(以
下、時間信号という)の平均を算出する時間平均器102
と、時間平均器102において時間平均された各信号(以
下、平均時間信号という)をそれぞれ周波数に変換する
とともに、各周波数の複素振幅値を算出する周波数分析
器103と、周波数分析器103において算出された各周波数
毎の複素振幅値に基づいて周波数毎の複素振幅行列を算
出する複素振幅行列算出器104と、複素振幅行列算出器1
04において算出された各周波数毎の複素振幅行列の各周
波数毎の相関行列を算出する相関行列算出器105と、相
関行列算出器105において算出された各周波数毎の相関
行列を固有値解析行うことによって各周波数毎の雑音成
分の行列を算出する雑音成分行列算出器106とから構成
され、波形切出器101、時間平均器102および周波数分析
器103は、増幅器22と同様にマイクロホンアレイ21のマ
イクロホンと同数が設けられている。
【0090】各波形切出器101には、各増幅器22から出
力された収音信号がそれぞれ入力されるようになってお
り、この各波形切出器101では、入力された各収音信号
毎に窓長Wの時間窓を用いて収音信号を周期的に切り出
し、切り出した収音信号(時間信号)を各時間平均器10
2に出力するようになっている。
【0091】なお、この時間窓の形状は矩形でも良い
が、ハニング窓など時間窓の両端部の振幅が小さいもの
が効果的である。また、窓長Wが小さいと方向推定精度
が劣化し、大きいと急な音源の移動に追従できなくなる
ため、対象とする音源の移動速度によって最適な窓長W
を選択する必要がある。
【0092】例えば、マイクロホンアレイ21との距離L
=10mの位置を時速40km程度で移動する音源の方
向を推定する場合には、時間窓長は2msから10ms
の範囲が適当であり、この場合、信号の切出し周期は、
W/2から2Wの範囲が適当である。
【0093】各時間平均器102には、各波形切出器101か
ら周期的に切り出された時間信号が入力されるようにな
っており、この各時間平均器102では、入力された複数
の時間信号の平均を算出するとともに、この算出された
平均時間信号を各周波数分析器103に出力するようにな
っている。
【0094】すなわち、図2に示すように、波形切出器
101では、各マイクロホンA毎に収音された収音信号X
_org(t)を窓長Wを有するn個の時間窓で切り出す
ようになっているので、各時間平均器102では、この切
り出された信号を(切り出した信号Xij(t)(i=1
〜M、j=1〜n))、隣り合う時間窓のタイムラグを
tauとして、以下の式(式1)によって各収音信号毎の
平均値Xi(t)(i=1〜M)を算出するようになっ
ている。
【数1】 なお、この平均を行う時間窓の数は、同時に存在すると
想定される音源の数以上必要である。
【0095】各周波数分析器103には、各時間平均器102
から出力された平均時間信号が入力されるようになって
おり、この各周波数分析器103では、各マイクロホンA
から出力された収音信号毎に周波数変換されるととも
に、所定の周波数毎の複素振幅値を算出するようになっ
ている。
【0096】複素振幅値の算出方法は、公知の高速フー
リエ変換(Fast Fourier Transform:以下、FFTとい
う)による方法が適当であるが、算出する周波数の数が
少ない場合には公知の離散(Discrete Fourier Transfo
rm:以下、DFTという)による方法でもよい。
【0097】なお、各周波数分析器103は、所定の周波
数毎に複素振幅値を算出するようになっているが、周波
数は、その波長がマイクロホンアレイ21の各マイクロホ
ンAとマイクロホンAとの間隔dの2倍に当たる周波数
未満であれば高いほど方向推定精度が高くなることか
ら、実用的には波長が(c/10d)以上(c/2d)
未満の範囲の周波数が適当である。ただし、cは音速で
ある。
【0098】複素振幅行列算出器104には、各周波数分
析器103から出力された所定の周波数毎の複素振幅値が
入力されるようになっている。したがって、複素振幅行
列算出器104では、任意の周波数について、(式2)の
ように列ベクトルX[m]の複素振幅行列を算出するよう
になっている。
【数2】 ただし、Xm(m=1〜M)はm番目のマイクロホン入
力信号から算出したその周波数における複素振幅の値で
あり、また、記号Tは行列[・]の転置行列を意味する。
【0099】また、複素振幅行列算出器104は、算出し
た各周波数毎の複素振幅行列を相関行列算出器105に出
力するようになっている。
【0100】相関行列算出器105には、複素振幅行列算
出器104から出力された各周波数毎の複素振幅行列が入
力され、この相関行列算出器105では、(式3)のよう
に行列R[m、m]の各周波数毎の複素振幅行列の相関行
列を算出するようになっている。
【数3】 ただし、記号Hは転置複素共役を意味する。
【0101】また、相関行列算出器105は、算出した各
周波数毎の相関行列を雑音成分行列算出器106に出力す
るようになっている。
【0102】雑音成分行列算出器106には、相関行列算
出器105から出力された各周波数毎の相関行列が入力さ
れるようになっており、この雑音成分行列算出器106で
は、入力された各周波数毎の相関行列Rの固有ベクトル
および雑音成分に相当する行列(以下、雑音成分行列と
いう)を算出するようになっている。
【0103】具体的には、雑音成分行列算出器106は、
まず、相関行列Rの固有ベクトルv1[m]、v2[m]、v
M[m](m=1〜M)を算出し、算出した固有ベクトル
を用いてK個の音源がある場合の雑音成分に相当する行
列Rn[m、m]を(式4)のように算出するようにな
っている。固有ベクトルの算出方法は、行列Rがエルミ
ート行列であるため、公知のHouseholder法により3重
対角行列に変換した後、公知のQL法により算出できる
ようになっている。
【数4】 ただし、音源数Kは、マイクロホンの数M−1以下であ
る必要があり、予め音源数が想定できない場合にはK=
M−1とする。
【0104】このようにして、雑音成分行列算出部25
は、所定の時間窓によって切り出した複数の時間信号
毎、すなわち、所定の時間間隔毎に、各周波数毎の雑音
成分行列を算出し、音源方向算出部26に、この算出した
雑音成分行列を出力するようになっている。
【0105】音源方向算出部26は、図3に示すマイクロ
ホンアレイ21に対する音源方向および音源の大きさを示
すベクトルを算出する方向制御ベクトル算出部111と、
各周波数毎の雑音成分行列と方向制御ベクトル算出部11
1において算出されたベクトルに基づいて音源の方向別
のパワーを算出する方向別パワー算出器112と、音源の
方向別のパワーに基づいて音源方向を算出する方向算出
器113とから構成されている。
【0106】方向制御ベクトル算出部111は、図3に示
すようにマイクロホンアレイ21における走査α範囲およ
び走査β範囲を用いて方向制御ベクトルを算出するよう
になっている。この方向制御ベクトルとは、マイクロホ
ンAが複数ある場合に、音源とマイクロホンAの間の時
間差を補正するものである。また、走査α範囲および走
査β範囲には、予め想定される音源の到来範囲をα方向
の角度およびβ方向の角度として設定するようになって
おり、この角度に基づいて方向制御ベクトルd[m]を
(式5)のように算出するようになっている。
【数5】 また、このτ[m]は(式6)により定義される。
【数6】 ただし、cは音速である。
【0107】Δ[m]は、音源からマイクロホンまでの経
路差を表し、マイクロホンの座標(x[m]、y[m]、z
[m])、方向(α、β)、音源とマイクロホンA1間の
距離Lを用いて(式7)のように表せる。
【数7】 なお、本実施形態では、経路差は音源と図1に示すマイ
クロホンA1間の距離を基準に算出するようになってい
る。具体的には、図4に示すように、音源Sとマイクロ
ホンA1およびm番目のマイクロホンAmとしたとき、音
源Sと方向角との関係は、原点と音源Sとの距離をLと
おくと、
【数8】 となり、この場合、音源SとマイクロホンAm間の経路
長Dmは、
【数9】 となる。また、音源SとマイクロホンA1の経路長D1
ついても同様に算出すると、
【数10】 となる。この経路差Δmを用いることにより、(式5)
を導出しており、したがって、(式7)は、時間差のも
とになる音源と各マイクロホンの経路差を示すようにな
っている。
【0108】また、方向制御ベクトル算出部111は、方
向αおよびβを任意の範囲内においてαおよびβを所定
の角度毎変化させて(各範囲内をスイープさせて)方向
制御ベクトルdを算出するようにするようになってい
る。
【0109】例えば、α、βとも走査する角度間隔(以
下、走査間隔という)Δ毎に変化させるとすると、ま
ず、αを所定の角度に固定してβを走査間隔Δ毎増加さ
せながら各走査間隔毎に方向別パワーを算出する。次い
で、αをΔだけ走査させて、また、βを走査間隔Δ毎増
加させながら各走査間隔毎に方向別パワーを算出する。
この動作をαの全範囲において走査間隔Δ毎について行
い、各角度毎に方向別パワーを算出して、算出した各制
御ベクトルdを方向別パワー算出器112に出力するよう
になっている。
【0110】なお、実際には、走査間隔Δの大きさは、
0.5°〜5°程度で適当であり、1°〜2°程度が最
適とされている。
【0111】また、本実施形態では、上述のような方法
を採用しているが、αおよびβの走査範囲において、走
査間隔Δとなるマトリクスを構成し、それぞれの方向を
算出できれば、走査の方法は限定されない。
【0112】方向別パワー算出器112には、周波数毎の
雑音成分行列と方向制御ベクトルdが入力されるように
なっており、この入力された各周波数毎の雑音成分行列
に制御ベクトルdの方向関数によって(式11)の演算を
行うようになっている。すなわち、各周波数毎のαおよ
びβ方向の方向別パワーP[α、β]を算出し、この算
出された各方向別パワーP[α、β]を方向算出器113
に出力するようになっている。
【数11】 なお、この方向別パワー算出器112では、上述したよう
に、走査α範囲と走査β範囲においてそれぞれ設定した
範囲をαおよびβ方向について変化させてP[α、β]を
算出することにより、方向別パワーを算出するようにな
っている。
【0113】方向算出器113には、方向別パワー算出器1
12によって算出された方向別の各パワーP[α、β]が
入力され、この方向算出器113では、入力された方向別
のパワーP[α、β]に基づいて音源方向を算出するよ
うになっている。
【0114】具体的には、(式12)に示すように、各方
向別のパワーPの平均を取ることによって各方向別パワ
ーを算出し、この算出した値によって音源の方向を決定
するようになっている。
【数12】 具体的には、音源の数が1の場合には、P[α、β]の最
大値をとるαおよびβが音源方向となり、音源の数が複
数の場合には、P[α、β]が極大値をとる音源の数にそ
れぞれ等しいαおよびβを音源方向とするようになって
いる。
【0115】このようにして、音源方向算出部26、すな
わち、音源方向推定装置23では、所定の時間間隔毎の音
源方向α、βが算出できるようになっており、この算出
結果を遅延和部27に周波数毎の音源の推定方向を出力す
るようになっている。
【0116】遅延和部27には、音源方向推定装置23によ
って算出された音源方向α、βが入力されるとともに、
マイクロホンアレイ21の各マイクロホンAから出力され
た収音信号が増幅器22を介して入力されるようになって
おり、この遅延和部27は、遅延器122の遅延時間を設定
する遅延時間設定器121と、設定された遅延時間に基づ
いて入力された音源信号を出力する複数の遅延器122
と、各遅延器122から出力された信号を加算する加算器1
23とから構成され、遅延器122には、各増幅器22毎に設
けられている。
【0117】遅延時間設定器121は、音源方向であるα
方向およびβ方向により決定される方向から音が到来す
る場合に、加算器123において、各マイクロホンAによ
って生じた到達時間差における収音信号の遅延時間を一
致するようにM個の遅延器122をそれぞれ設定するよう
になっている。遅延時間をτ[m](m=1〜M)とする
と、上述のように遅延時間τは、(式6)のように表す
ことができる。
【0118】加算器127では、M個の各遅延器121の出力
を加算し、遅延和部24の出力として、α方向およびβ方
向により決定される方向の音を記録器28に出力するよう
になっている。
【0119】次に、本実施形態の動作について説明す
る。
【0120】まず、マイクロホンアレイ21によって音が
収音されると、各マイクロホン毎に収音された信号には
以下の処理が行なわれる。
【0121】各マイクロホンAから出力された収音信号
が、各増幅器22を介して、波形切出器101および遅延器1
22に出力されると、各波形切出器101は、所定の長さ
(W)を有する時間窓毎に、随時、時間信号を生成し、
各時間平均器102に出力する。次いで、各時間平均器102
では、生成された複数の時間信号の平均を算出して各周
波数分析器103に出力し、各周波数分析器103では、この
平均時間信号を周波数変換するとともに所定の周波数毎
に複素振幅値を算出し、各周波数分析器103は、複素振
幅行列算出器104に出力する。
【0122】次に、複素振幅行列算出器104は、入力さ
れた周波数毎に算出された各複素振幅値に基づいて複素
振幅行列を算出して相関行列算出器105に出力する。
【0123】次いで、相関行列算出器105では、入力さ
れた複素振幅行列から相関行列を算出し、雑音成分行列
算出器106に出力されるとともに、雑音成分行列算出器1
06では、相関行列Rから固有値解析を行って固有ベクト
ルを演算し、雑音成分行列を算出する。
【0124】次いで、方向制御ベクトル算出器111によ
って算出された各方向制御ベクトルと周波数毎の雑音成
分行列に基づいて各方向の方向別パワーを算出し、方向
算出器113によって音源の到来方向を算出する。
【0125】次いで、遅延時間設定器121は、方向算出
器113によって算出された音源方向に基づいて各遅延器1
22の遅延時間を制御する。
【0126】一方、遅延器122は、マイクロホンから入
力された収音信号を遅延時間設定器121によって設定さ
れた遅延時間に基づいて加算器123に出力し、加算器123
は、各遅延器122からの信号を加算して記録器28に出力
するとともに、記録器28は、入力した信号を記録する。
【0127】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、複数のマイクロホンを有し、これらのマイクロホン
の所定の間隔で配設されたマイクロホンアレイを用いる
ことによって、各マイクロホンの収音時において、基準
となる1のマイクロホンと他のマイクロホンとの配設位
置によって生ずる収音された音の到達時間差に基づいて
音の発生源の方向を推定することができる。
【0128】すなわち、推定する音源方向が時間ととも
に変化したとしても、それに伴って各マイクロホンに生
ずる音源方向から到来した音の到達時間差も変化するた
め、この到達時間差に基づいて音の発生源を推定するこ
とができる。
【0129】また、各マイクロホンの配設間隔を、音源
方向を推定する対象となる音の波長の1/10以上1/2
未満に設定することによって、方向推定精度を向上させ
ることができるとともに、音源方向装置によって推定さ
れた音源方向の音を指向性収音装置に記録することがで
きる。
【0130】なお、本実施形態では、遅延和部27が1つ
になっているが、想定される音源の数が複数ある場合に
は、想定される音源の数に相当する遅延和部27を用意
し、音源方向算出部26より出力される音源の数のα方向
およびβ方向に対応する方向をそれぞれ収音することに
よって、複数の方向に指向性を持って音源を収音するよ
うにしてもよい。
【0131】〔第2実施形態〕図5、図6は、本発明に
係る指向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向
推定システムの第2実施形態を示す図である。
【0132】なお、本実施形態は、第1実施形態の音源
方向推定指向性収音システムにおける指向性収音装置の
他の実施形態(以下、指向性収音システムという)であ
り、第1実施形態のマイクロホンアレイとはマイクロホ
ンの配置が異なるマイクロホンアレイを設けた点、およ
び、指向性収音装置において、各収音信号に所定の係数
を有するフィルタリングを行い、所望する方向の音源の
みの収音、すなわち、予め設定した方向のみ指向性を有
する収音を行う点に特徴があり、その他の構成は、第1
実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付
して説明を省略する。
【0133】まず、構成を説明する。
【0134】図5に示す指向性収音システム30は、M個
のマイクロホンAを有し、音源からの音を収音するマイ
クロホンアレイ31と、マイクロホンアレイ31の各マイク
ロホンAから入力された収音信号をそれぞれ所定の信号
レベルに増幅する複数の増幅器22と、指向性収音を行う
指向性収音装置32とを備え、指向性収音装置32は、減算
処理部33および記録器28とから構成される。
【0135】マイクロホンアレイ31は、M個のマイクロ
ホンAにより構成され、各マイクロホンAにより音を収
音し、各マイクロホンAは、収音した音を収音信号とし
てM個の各増幅器22に出力するようになっている。
【0136】各マイクロホンAの配設間隔は、必ずしも
等間隔である必要は無いが、後述するフィルタ係数の算
出を簡単にするために、本実施形態では等間隔(間隔
d)とする。また、各マイクロホンAの配設間隔は対象
とする音源信号の波長の半分よりも短くする必要があ
り、その範囲内では長いほど音源方向の推定精度が高く
なるようになっている。
【0137】なお、マイクロホンAの個数は、(同時に
存在すると想定される音源の数+1)以上必要であり、
多いほど音源方向の推定精度が向上するようになってい
る。
【0138】減算処理部33は、図6に示す所望する音源
方向(以下、収音方向という)、例えば、収音方向β0
に基づいて遅延器202の遅延時間を設定する遅延時間設
定器201と、遅延時間設定器201によって設定された遅延
時間に基づいて入力された収音信号を出力するM個の遅
延器202と、各遅延器202から出力された信号を加算する
(M−1)個の加算器203と、フィルタ206のフィルタ係
数を算出して設定を行うフィルタ係数算出器204と、所
定の遅延器202から出力された信号をさらに設定された
遅延時間に基づいて収音信号を出力する遅延器205と、
予め設定されたフィルタ係数に基づいて各遅延器202か
ら出力された信号をフィルタリングする(M−1)個の
フィルタ206と、遅延器205および各フィルタ206から出
力された信号を加算する加算器207とから構成されてい
る。
【0139】遅延時間設定器201は、所望する収音方向
から音が到来する場合に、各遅延器202の遅延時間が一
致するように、遅延器202の遅延時間をそれぞれ設定す
るようになっている。設定する遅延時間をτ[m](m=
1〜M)とすると、遅延時間τは、第1実施形態で示し
た(式6)のように表すことができるようになってい
る。ただし、(式6)では、(式7)で定義されるΔ
[m]を用いるが、(式7)において、α=90°として
算出するようになっている。
【0140】各加算器203には、各増幅器22から出力さ
れた信号がそれぞれ入力されるようになっており、第m
番目の加算器203では、第m番目の遅延器202の出力信号
と、第(m+1)番目の遅延器202の出力信号の符号を
反転させた信号とを加算し、(M−1)個の各フィルタ
206に出力するようになっている。
【0141】フィルタ係数算出器204は、予め設定して
おいた音を抑制する範囲(以下、抑制方向という)、す
なわち、所望する方向以外の方向を用いて、フィルタ20
6のフィルタ係数を設定するようになっている。このフ
ィルタ係数の算出方法は後述する。
【0142】遅延器205は、遅延器202から出力された信
号を予め設定された遅延時間(D´)に基づいて加算器
208に出力するようになっている。
【0143】各フィルタ206には、各加算器203から出力
された信号が入力されるようになっており、フィルタ係
数算出器204によって設定された各フィルタ係数に基づ
いて各入力された信号をフィルタリングをし、加算器20
7に出力するようになっている。
【0144】次に、フィルタ係数算出器204における各
フィルタ206のフィルタ係数の算出方法を説明する。
【0145】このフィルタ係数は、予め推定されたN個
の音源および音源方向に基づいて算出するようになって
いる。
【0146】例えば、n=1を収音方向とし、n=2〜
Nを抑制方向とし、(式13)に示すように、N個の音源
とM個のマイクロホンの間の伝達関数Cnmを要素とする
行列C0と、遅延器202に設定した遅延時間Dmを要素と
する行列D0と、遅延器203に設定した遅延時間(D´)
と、各フィルタ206に設定した係数Xmを要素とするベク
トルX0と、加算器207における各音からの応答Ynを要
素とするベクトルY0とすると、減算処理部33は、(式1
4)のように表すことができる。
【数13】
【数14】 このとき、(式14)の左辺は、(式15)となる。遅延時
間(Dm)は、指向方向の音n=1の時間差を打ち消す
ように設定されているので、(式14)において、1行目
の小括弧の中は0になる。
【数15】 また、(式14)の右辺に、目標特性として、指向方向以
外の音を消去するためにY1以外の各要素を0とおく
と、この場合、(式14)は、方程式の数がN−1の連立
方程式となるので、改めて(式16)のように行列C、
D、X、Yをそれぞれ定義すると、(式17)に示す連立
方程式を得る。
【数16】
【数17】 この(式17)は連立方程式であり、この最小二乗解X
は、(式18)に示す正規方程式により求めることができ
る。
【数18】 なお、βは、解Xに対し、許す誤差の大きさを示してお
り、この値を大きくすると目標特性とは離れるものの必
要なフィルタ係数のタップ長が短くできるようになる。
また、βを大きくすると、抑制方向に形成される範囲の
幅を広くして緩やかな範囲設定を行うことも可能であ
り、抑制したい音源の方向にばらつきがある場合には、
βを大きくすることが有効である。
【0147】ここで、伝達関数Cn、mおよび遅延時間
(D´)について説明する。
【0148】収音方向と抑制方向は、フィルタ係数にお
ける伝達関数Cn、mに反映されるようになっている。こ
の伝達関数Cn、mの算出方法には、測定による方法と計
算による方法の2つの方法がある。
【0149】測定による算出方法は、予め推定されたN
個の音源とM個のマイクロホンA間の伝達関数をそれぞ
れ測定するようになっている。このときに収音方向と抑
制方向を設定したい方向に音源を置けば、各方向を反映
した伝達関数Cn、mを測定することができるようになっ
ている。
【0150】また、計算による伝達関数の算出方法は、
音源とマイクロホン間の距離に応じた遅延時間に着目し
て伝達関数を計算するようになっている。この場合、伝
達関数Cn、mは、(式19)に示すようになる。
【数19】 ただし、D0は、遅延時間が負にならないための固定遅
延量、cは音速、dは、各マイクロホンAの配設間隔を
示す。
【0151】また、遅延時間(D´)は、算出されたフ
ィルタ係数が因果性を満たすように設定する遅延時間で
あり、算出されたフィルタ係数が因果性を満たさない場
合には、遅延時間(D´)の値をより大きく設定してフ
ィルタ係数の算出を行うようになっている。
【0152】このように、フィルタ係数算出器204にお
いて算出したフィルタ係数を設定したフィルタ206によ
ってフィルタ処理され、加算された信号は、予め設定さ
れた方向に指向性を持つとともに、予め設定された抑制
方向の収音された音成分が抑制されることになる。
【0153】なお、このフィルタ係数を予め算出してお
き、音源の到来方向の変化に応じて最適なフィルタ係数
を選択するようにしてもよい。この場合は、以下の方法
で最適なフィルタを選択するようになっている。
【0154】収音方向β0が予め定まっており、1つの
抑制方向が不定であるとすると、β方向を複数に分割
し、分割した各方向毎に、その方向を抑制するフィルタ
係数X 1〜Xm-1を算出しておき、図示しないバッファに
蓄積するとともに、指向性収音システム30の稼働時に抑
制したい音源が存在する方向に最も近い方向のフィルタ
係数を選択するようになっている。このようにフィルタ
係数の演算を稼働時に行わないことにより抑制したい音
源方向が変化してもこの変化に速やかに追従することが
できるようになっている。なお、β方向の分割幅は、
0.5°から10°の範囲の等間隔が適当であり、1°
から2°の範囲が最適である。
【0155】次に、本実施形態の動作について説明す
る。
【0156】なお、予め収音方向β0および抑制方向β
1〜nが設定されており、遅延時間設定器201によって各
遅延器202およびフィルタ係数算出器によって各フィル
タ206のフィルタ係数が設定されているとする。
【0157】まず、音源からの音がマイクロホンアレイ
21に入力されると、マイクロホンアレイ21は、各マイク
ロホンから各増幅器22を介して各遅延器(D1〜DM)20
2に出力する。
【0158】次いで、遅延器(D1)は、遅延時間設定
器121によって設定された遅延時間に基づいて遅延器
(D´)205および加算器1203に信号を出力するととも
に、遅延器(D2〜DM)202は、加算器1203〜加算器M-1
203に信号の出力を行う。次いで、各加算器203は、遅延
器(Dm)203の出力信号から遅延器(Dm-1)203の出
力信号を減算し、フィルタ(X1)206〜フィルタ(X
M-1)206に出力する。
【0159】次いで、各フィルタ206は、フィルタ係数
算出器204によって予め設定された各フィルタ係数に基
づいてフィルタリング処理を行い、加算器207に出力す
る。
【0160】一方、遅延器(D´)205は、入力された
信号を所定の時間遅延させ、加算器207に出力する。
【0161】次いで、加算器207は、遅延器(D´)205
および各フィルタ206から出力された信号を加算し、記
録器208に出力するとともに、記録器28は、入力した信
号を記録する。
【0162】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、隣接する2つのマイクロホン毎に収音信号を前記到
達時間差に基づいて遅延させるとともに、この遅延させ
た収音信号から差分信号を算出し、収音方向および抑制
方向に基づいて算出された伝達関数に基づいてフィルタ
係数が設定することができるとともに、このフィルタ係
数によって各差分信号をフィルタ処理することができる
ので、マイクロホンアレイに到来した音が複数あったと
しても、フィルタ処理によって抑制範囲から到来した音
の収音感度を低下させることができ、所望した方向から
到来した音を的確に収音することができる。
【0163】また、各フィルタ係数を収音信号の各経路
における伝達関数を正規方程式を用いた最小二乗法によ
り算出することにより、この最小二乗解における誤差の
基準を変更することによって抑制方向を拡大することが
できるので、抑制したい音源の方向が多少変動したとし
ても、抑制方向の信号を抑制することができ、所望した
方向から到来した音を的確に記録することができる。
【0164】〔第3実施形態〕図7は、本発明に係る指
向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向推定シ
ステムの第3実施形態を示す図である。
【0165】なお、本実施形態は、第1実施形態の音源
方向推定指向性収音システムにおいて、遅延和部を有す
る指向性収音装置に代えて、第2実施形態の減算処理部
を有する指向性収音装置を用いた点に特徴があり、その
他の増幅器および指向性収音装置における構成は、第1
実施形態および第2実施形態と同様であるため、同一部
材には同一番号を付して説明を省略する。ただし、マイ
クロホンアレイは、第2実施形態に示したマイクロホン
アレイを使用するようになっている。
【0166】まず、構成について説明する。
【0167】図7に示す音源方向推定指向性収音システ
ム40は、M個のマイクロホンAを有し、音源信号を収音
するマイクロホンアレイ31と、マイクロホンアレイ31の
各マイクロホンAから入力された信号をそれぞれ所定の
信号レベルに増幅する増幅器22と、音源方向を推定する
音源方向推定装置23と、収音信号に指向性を持たせて記
録する指向性収音装置32とを備え、指向性収音装置32
は、各増幅器22から出力された収音信号から予め設定さ
れた方向以外の収音信号を抑制する減算処理部33と、減
算処理部によって処理された収音信号を記録する記録器
28とを有している。
【0168】また、音源方向推定指向性収音システム40
は、音源方向算出部26において算出された音源方向を用
いて音源を抑制する抑制方向を設定する方向設定器41を
備えており、この方向設定器41によって減算処理部33に
入力する抑制方向を設定するようになっている。
【0169】方向設定器41には、音源方向算出部26から
出力されたβ方向が入力されるようになっており、この
方向設定器41では、入力されたβ方向を用いて、抑制方
向を設定するようになっている。この抑制方向には、減
算処理部33に入力される収音方向と異なるβ方向を設定
するようになっている。
【0170】なお、β方向が複数ある場合には、複数の
抑制方向を設定することができるようになっているが、
抑制方向の数は(マイクロホンの数−1)以下とする必
要がある。
【0171】また、収音方向と抑制方向が近い場合に
は、抑制性能が低下するため、収音方向とβ方向の間隔
に下限値を設けて、その下限値よりも収音方向とβ方向
との間隔が狭い場合には、そのβ方向は抑制方向として
採用しない方法も有効である。例えば、この下限値とし
ては、5°〜10°の範囲が有効である。
【0172】次に、本実施形態の動作について説明す
る。
【0173】まず、マイクロホンアレイ21によって音が
収音されると、各マイクロホン毎に収音された信号には
以下の処理が行なわれる。
【0174】まず、各マイクロホンAから出力された収
音信号は、各増幅器22を介して、波形切出器101および
遅延器122に出力されると、各波形切出器101は、所定の
長さ(W)を有する時間窓毎に、随時、時間信号を生成
し、各時間平均器102に出力する。次いで、各時間平均
器102では、生成された複数の時間信号の平均を算出し
て各周波数分析器103に出力し、各周波数分析器103で
は、この平均時間信号を周波数変換するとともに所定の
周波数毎に複素振幅値を算出し、各周波数分析器103
は、複素振幅行列算出器104に出力する。
【0175】次に、複素振幅行列算出器104は、入力さ
れた周波数毎に算出された各複素振幅値に基づいて複素
振幅行列を算出して相関行列算出器105に出力する。
【0176】次いで、相関行列算出器105では、入力さ
れた複素振幅行列から相関行列を算出し、雑音成分行列
算出器106に出力されるとともに、雑音成分行列算出器1
06では、相関行列Rから固有値解析を行って固有ベクト
ルを演算し、雑音成分行列を算出する。
【0177】次いで、方向制御ベクトル算出器111によ
って算出された各方向制御ベクトルと周波数毎の雑音成
分行列に基づいて各方向の方向別パワーを算出し、方向
算出器113によって音源の到来方向を算出する。
【0178】次いで、方向設定器41では、方向算出器11
3によって算出された音源方向βを示す値が入力される
とともに、抑制方向を設定して指向性収音装置24のフィ
ルタ係数算出器204に出力する。
【0179】一方、指向性収音装置24では、マイクロホ
ンアレイ21の各マイクロホンから出力された収音信号が
各増幅器22を介して各遅延器(D1〜DM)202に入力さ
れる。
【0180】次いで、遅延器(D1)は、遅延時間設定
器121によって設定された遅延時間に基づいて遅延器
(D´)205および加算器1203に信号を出力するととも
に、遅延器(D2〜DM)202は、加算器1203〜加算器M-1
203に信号の出力を行う。次いで、各加算器203は、遅延
器(Dm)203の出力信号から遅延器(Dm-1)203の出
力信号を減算し、フィルタ(X1)206〜フィルタ(X
M-1)206に出力する。
【0181】次いで、各フィルタ206は、フィルタ係数
算出器204によって予め設定された各フィルタ係数に基
づいてフィルタリング処理を行い、加算器207に出力す
る。
【0182】一方、遅延器(D´)205は、入力された
信号を所定の時間遅延させ、加算器207に出力する。
【0183】次いで、加算器207は、遅延器(D´)205
および各フィルタ206から出力された信号を加算し、記
録器208に出力するとともに、記録器28は、入力した信
号を記録する。
【0184】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第1実施形態の音源方向推定指向性収音システムに
おいて、遅延和部を有する指向性収音装置に代えて、第
2実施形態の減算処理部を有する指向性収音装置を用い
ることによって、具体的には、推定した音源方向を抑制
方向として指向性収音装置に入力することによって抑制
範囲から到来した音の収音感度を低下させることができ
るので、所望した方向から到来した音を的確に記録する
ことができるとともに、音源が複数ある場合、何れか1
つの音源のみ記録することができる。
【0185】〔第4実施形態〕図8は、本発明に係る指
向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向推定シ
ステムの第4実施形態を示す図である。
【0186】なお、本実施形態は、第1実施形態の音源
方向推定指向性収音システムにおける音源方向推定装置
の他の実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
音源方向推定装置によってマイクロホンアレイに到来し
た音源の方向を推定するとともに、この推定された音源
の方向を表示する音源方向表示部を設けた点に特徴があ
り、第1実施形態の音源方向推定装置におけるその他の
構成は、第1実施形態と同様であるため、同一部材には
同一番号を付して説明を省略する。
【0187】図8に示す音源方向推定指向性収音システ
ム50は、M個のマイクロホンAを有し、音源からの音を
収音するマイクロホンアレイ21と、マイクロホンアレイ
21の各マイクロホンから入力された収音信号をそれぞれ
所定の信号レベルに増幅する各増幅器22と、音源方向を
推定する音源方向推定装置23とを備えている。
【0188】音源方向推定装置23は、各増幅器22から出
力された収音信号を入力し、この収音信号の雑音成分を
行列演算する雑音成分行列算出部25と、雑音成分行列算
出部25によって算出された収音信号雑音成分行列と方向
制御ベクトルに基づいて収音方向を算出する音源方向算
出部26との他に、本実施形態では、音源方向算出部26に
よって推定された音源方向を表示する音源方向表示部51
を設けている。
【0189】マイクロホンアレイ21は、第1実施形態と
同様に、M個のマイクロホンAにより構成され、各マイ
クロホンAにより音を収音し、各マイクロホンAは、収
音した音を収音信号としてM個の各増幅器22に出力する
ようになっている。このマイクロホンAの個数は、同時
に存在すると想定される音源の数+1以上必要とされ、
多いほど音源方向の推定精度が向上するようになってい
る。
【0190】また、各マイクロホンAの配設間隔は、必
ずしも等間隔である必要は無いが、第1実施形態と同様
に、方向制御ベクトルの算出を簡単にするために、本実
施形態では等間隔(間隔d)とし、マイクロホンAの配
設間隔は対象とする音源から発生する音の波長の半分よ
りも短くする必要があり、その範囲内では長いほど音源
方向の推定精度が高くなるようになっている。
【0191】なお、音源方向を3次元で推定する場合に
は、マイクロホンAを平面上に配置する必要があるが、
音源方向を2次元で推定する場合には、直線上の配置で
よい。
【0192】音源方向表示部51には、音源方向算出部26
から出力された音源方向α、βが入力されるようになっ
ており、この音源方向表示部51は、入力された音源方向
α、βに基づいて音源方向の表示を行うようになってい
る。
【0193】音源方向表示部51は、α方向およびβ方向
の2軸よりなる平面状に音源の位置を示すようになって
おり、それぞれの音源の推定パワーの大きさに基づいて
表示するプロットの色や濃淡を変化させることによって
音源のパワーを同時に示すようになっている。
【0194】また、音源方向表示部51は、走査α範囲お
よび走査β範囲で指定した範囲の推定パワーの値を濃淡
の違いを表示し、音源位置と重ねて示すことにより推定
パワーの分布を同時に示すようになっている。
【0195】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、音源方向推定装置に音源方向表示部を設けたことに
より、音源方向表示部に推定された音源方向を表示する
ことができるので、推定された音源方向を視覚的に把握
することができる。また、推定された音源方向の音源の
パワーの分布パワーの大きさを視覚的に把握することが
できる。
【0196】〔第5実施形態〕図9は、本発明に係る指
向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向推定シ
ステムの第5実施形態を示す図である。
【0197】なお、本実施形態は、第1実施形態の音源
方向推定指向性収音システムにおける音源方向推定装置
の他の実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
音源方向推定装置によってマイクロホンアレイに到来し
た音源の方向を推定するとともに、この推定された音源
方を用いて音源の移動方向と移動速度を算出する点に特
徴があり、第1実施形態の音源方向推定装置におけるそ
の他の構成は、第1実施形態と同様であるため、同一部
材には同一番号を付して説明を省略する。
【0198】図9に示す音源方向推定システム60は、M
個のマイクロホンAを有し、音源からの音を収音するマ
イクロホンアレイ21と、マイクロホンアレイ21の各マイ
クロホンAから入力された収音信号をそれぞれ所定の信
号レベルに増幅する複数の増幅器22と、音源方向を推定
する音源方向推定装置23とを備えている。
【0199】音源方向推定装置23は、各増幅器22から出
力された収音信号を入力し、この収音信号の雑音成分を
行列演算する雑音成分行列算出部25と、雑音成分行列算
出部25によって算出された収音信号雑音成分行列と方向
制御ベクトルに基づいて収音方向を算出する音源方向算
出部26との他に、本実施形態では、音源方向算出部26に
よって推定された音源方向を用いて音源の移動方向およ
び移動速度を検出する移動方向・速度検出部61とを設け
ている。
【0200】移動方向・速度算出部61には、音源方向算
出部26によって算出された音源方向α、βが入力される
ようになっており、この移動方向・速度算出部61は、入
力された音源方向α、βに基づいて音源の移動方向およ
び移動速度を算出するようになっている。
【0201】移動方向・速度算出部61は、α方向および
β方向を示す2次元の角度の値(以下、音源方向値とい
う)を蓄積する音源方向バッファ301と、音源方向バッ
ファ301に蓄積された音源方向値に基づいて音源の移動
ベクトルPを算出する移動ベクトル算出部302と、移動
ベクトルPに基づいて移動方向を算出する移動方向算出
器303と、移動ベクトルPに基づいて移動速度を算出す
る移動速度算出器304とを有している。
【0202】音源方向バッファ301は、所定の時間間隔
毎に逐次算出され、音源方向算出器26より出力されるα
方向およびβ方向を蓄積するようになっており、蓄積し
た音源方向値α、βを移動ベクトル算出器302に出力す
るようになっている。
【0203】移動ベクトル算出部303は、任意の時間に
おける音源方向値(α1、β1)とその直前に格納され
た音源方向値(α0、β0)から、(式20)に示す移動ベ
クトルPを算出するようになっている。
【数20】 なお、複数の音源がある場合には、ベクトルの大きさの
和が最小になる組み合わせを以下の方法により求めるよ
うになっている。
【0204】まず、任意の時間における複数の音源とそ
の直前に格納された複数の音源の間の全ての組み合わせ
について移動ベクトルPの算出を行い、この移動ベクト
ルPの大きさの和が最小になる組み合わせを取得する。
【0205】次いで、移動方向算出部303では、移動方
向Rを(式21)に示すように算出して移動方向として出
力する。
【数21】 また、移動速度算出部304では、移動速度Sを所定の時
間間隔をTとして、(式22)に示すように算出して移動
速度として出力する。
【数22】 このように音源方向を推定し、その推定結果を用いて音
源の移動方向と移動速度を算出するようになっている。
【0206】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、音源方向推定装置に移動方向・速度検出部を設け、
所定の時間毎に算出された音源方向値に基づいて移動ベ
クトルを算出することによって音源の移動方向および音
源の移動速度を把握することができる。
【0207】〔第6実施形態〕図10、図11は、本発明に
係る指向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向
推定システムの第6実施形態を示す図である。
【0208】なお、本実施形態は、第1実施形態の音源
方向推定指向性収音システムにおける音源方向推定装置
の前段に第2実施形態の減算処理部を介して音源方向を
推定する音源方向推定システムの実施形態であり、複数
の減算処理部とマイクロホンアレイを用いて音源方向α
を推定する点に特徴がある。その他の構成は、第1実施
形態および第2実施形態と同様であるため、同一部材に
は同一番号を付して説明を省略する。
【0209】まず、構成を説明する。
【0210】図10に示す音源方向推定システム70は、3
列×M個のマイクロホンABCを有し、音源からの音を
収音するマイクロホンアレイ71と、マイクロホンアレイ
71の各列毎の各マイクロホンABCから入力された収音
信号をそれぞれ所定の信号レベルに増幅する複数の増幅
器22を有する増幅部と、各増幅器22から出力された収音
信号から予め設定された方向以外の収音信号を抑制する
減算処理部33と、音源方向を推定する音源方向推定装置
23とを備えている。
【0211】音源方向推定装置23は、各増幅器22から出
力された収音信号が入力され、この収音信号の雑音成分
を行列演算する雑音成分行列算出部25と、雑音成分行列
算出部25によって算出された収音信号雑音成分行列と方
向制御ベクトルに基づいて音源方向αを算出して出力す
る音源方向算出部26とを有している。
【0212】各減算処理部34には、マイクロホンアレイ
71の各列毎のマイクロホンABCによって収音された収
音信号が各増幅器22を介して入力されるようになってお
り、この各減算処理部34は、予め設定された方向の収音
信号を抑制し、雑音成分行列算出部23の各波形切出器10
1に出力するようになっている。
【0213】マイクロホンアレイ71は、3行×M個のマ
イクロホンABCにより構成され、各マイクロホンAB
Cにより音を収音し、各マイクロホンABCは、収音し
た音を収音信号としてM個の各増幅器を介して、各減算
処理部33に出力するようになっている。
【0214】マイクロホンABCの配設間隔は、必ずし
も等間隔である必要は無いが、減算処理部33におけるフ
ィルタ係数の算出が簡単にするため、本実施形態では、
等間隔としている。また、マイクロホンABCの配設間
隔は、対象とする音源信号の波長の半分よりも長くする
必要があり、長いほど音源方向の推定精度が高くなるよ
うになっている。
【0215】なお、1列のマイクロホンABCの個数M
は、(設定する抑制方向の数)+1以上必要であり、多
いほど音源方向の推定精度が向上するようになってい
る。
【0216】各減算処理部33では、予め収音方向および
抑制方向が設定されている。ここで、各減算処理部33に
入力される収音方向および抑制方向について説明する。
【0217】複数の音源がある場合は、その方向を算出
する1つの音源を対象音源、それ以外の音源を妨害音源
と定義し、各減算処理部33に入力される収音方向には、
対象音源の到来方向をβ方向と設定する。また、各減算
処理部33に入力される抑制方向には、妨害音源の到来方
向をすべて設定する。ただし、設定できる妨害音源数の
上限は(1列のマイクロホンABCの数−1)である。
【0218】このように収音方向と抑制方向を設定する
ことにより、雑音成分行列算出部23の入力には、妨害音
源による信号が抑制された収音信号が入力されることに
なる。
【0219】次に、本実施形態の動作を説明する。
【0220】なお、予め各マイクロホン列毎に、図11に
示すように、収音方向β1〜3および抑制方向β1〜3が設
定されており、遅延時間設定器201によって各遅延器202
およびフィルタ係数算出器によって各フィルタ206のフ
ィルタ係数が設定されているとする。具体的には、図10
に示す1列目の各マイクロホンA1〜Mの減算処理を行う
第1減算処理部33aには、収音方向β1および抑制方向
β1、2、2列目の各マイクロホンB1〜Mの減算処理を行
う第2減算処理部33bには、収音方向β2および抑制方
向β1、3、3列目の各マイクロホンC1〜Mの減算処理を
行う第3減算処理部33cには、収音方向β3および抑制
方向β2、3を設定するようになっている。
【0221】 まず、音源からの音がマイクロホンアレイ
21に入力されると、マイクロホンアレイ71は、各マイク
ロホン列における各マイクロホンから各増幅器22を介し
て各減算処理部33に出力される。
【0222】次いで、各減算処理部33は以下の動作を行
う。
【0223】まず、各例のマイクロホンABCから各増
幅器22を介して入力された収音信号は、各遅延器(D1
〜DM)202入力される。
【0224】次いで、遅延器(D1)は、遅延時間設定
器121によって設定された遅延時間に基づいて遅延器
(D´)205および加算器1203に信号を出力するととも
に、遅延器(D2〜DM)202は、加算器1203〜加算器M-1
203に信号の出力を行う。次いで、各加算器203は、遅延
器(Dm)203の出力信号から遅延器(Dm-1)203の出
力信号を減算し、フィルタ(X1)206〜フィルタ(X
M-1)206に出力する。
【0225】次いで、各フィルタ206は、フィルタ係数
算出器204によって予め設定された各フィルタ係数に基
づいてフィルタリング処理を行い、加算器207に出力す
る。
【0226】一方、遅延器(D´)205は、入力された
信号を所定の時間遅延させ、加算器207に出力する。
【0227】次いで、加算器207は、遅延器(D´)205
および各フィルタ206から出力された信号を加算し、各
減算処理部33の出力として雑音成分行列算出部25の各波
形切出器101に出力する。
【0228】次いで、雑音成分行列算出部25では、以下
の動作を行う。
【0229】まず、各減算処理部33から出力された信号
が入力された各波形切出器101は、所定の長さ(W)を
有する時間窓毎に、随時、時間信号を生成し、各時間平
均器102に出力する。次いで、各時間平均器102では、生
成された複数の時間信号の平均を算出して各周波数分析
器103に出力し、各周波数分析器103では、この平均時間
信号を周波数変換するとともに所定の周波数毎に複素振
幅値を算出し、各周波数分析器103は、複素振幅行列算
出器104に出力する。
【0230】次に、複素振幅行列算出器104は、入力さ
れた周波数毎に算出された各複素振幅値に基づいて複素
振幅行列を算出して相関行列算出器105に出力する。
【0231】次いで、相関行列算出器105では、入力さ
れた複素振幅行列から相関行列を算出し、雑音成分行列
算出器106に出力されるとともに、雑音成分行列算出器1
06では、相関行列Rから固有値解析を行って固有ベクト
ルを演算し、雑音成分行列を算出する。
【0232】次いで、方向制御ベクトル算出器111によ
って算出された各方向制御ベクトルと周波数毎の雑音成
分行列に基づいて各方向の方向別パワーを算出し、方向
算出器113によって音源の到来方向を算出する。
【0233】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第1実施形態の音源方向推定装置において、この音
源方向推定装置の前段に複数のマイクロホンを有し、こ
れらのマイクロホンの所定の間隔で配設されたマイクロ
ホンアレイを備えた減算処理部を設けたことによって複
数の音源が有る場合でも所望する方向以外からの音を抑
制することができるので、音源方向の時間的変化に追従
して音源方向を推定することができる。
【0234】〔第7実施形態〕図12、図13は、本発明に
係る指向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向
推定システムの第7実施形態を示す図である。
【0235】なお、本実施形態は、第1実施形態の音源
方向推定指向性収音システムにおいて、音源方向推定装
置によって推定された音源方を用いて撮像カメラの撮像
方向を制御し、音源からの音を収音するとともにその音
源方向を撮像する点に特徴があり、その他の構成は、第
1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を
付して説明を省略する。
【0236】図12に示す音源方向推定指向性収音システ
ム80は、M個のマイクロホンAを有し、音源からの音を
収音するマイクロホンアレイ21と、所定の方向を撮像す
る撮像カメラ81と、マイクロホンアレイ21の各マイクロ
ホンAから入力された収音信号をそれぞれ所定の信号レ
ベルに増幅する複数の増幅器22と、音源方向を推定する
とともに、撮像カメラ81を推定された音源方向に制御す
る撮像カメラ方向制御部82を有する音源方向推定装置23
と、収音信号に指向性を持たせて記録する指向性収音装
置24と、撮像カメラ81によって撮像された画像を記録す
る画像記録部83とを備えている。
【0237】音源方向推定装置23は、撮像カメラ方向制
御部82の他に、各増幅器22から出力された収音信号が入
力され、この収音信号の雑音成分を行列演算する雑音成
分行列算出部25と、雑音成分行列算出部25によって算出
された収音信号雑音成分行列と方向制御ベクトルに基づ
いて収音方向を算出する音源方向算出部26とを有してい
る。
【0238】また、指向性収音装置24は、各増幅器22か
ら出力された収音信号を遅延させて加算する遅延和部27
と、遅延和部27によって処理された収音信号を記録する
記録器28とを備えている。
【0239】撮像カメラ方向制御部82には、音源方向算
出部26から出力された音源方向値α、βが入力されるよ
うになっており、撮像カメラ方向制御部82は、この音源
方向値α、βに基づいて撮像カメラ81を制御するように
なっている。
【0240】撮像カメラ方向制御部82は、撮像カメラ81
のα方向を設定するα方向設定部401と、撮像カメラ81
のβ方向を設定するβ方向設定部402と、α方向設定部4
01およびβ方向設定部402によって設定された方向に撮
像カメラ81を制御する方向制御部403とから構成され
る。なお、このα方向とβ方向は、例えば、図13に示す
方向に設定するようになっている。
【0241】α方向設定部401には、音源方向値αが入
力されるようになっており、この値αに基づいて撮像カ
メラ81のα方向を設定するようになっている。
【0242】同様にして、β方向設定部402は、音源方
向値βが入力されるようになっており、この値βに基づ
いて撮像カメラ81のβ方向を設定するようになってい
る。
【0243】方向設定部403には、各α方向設定部401お
よびβ方向設定部402の設定にしたがって、撮像カメラ8
1の方向を制御するようになっている。
【0244】画像記録部83には、撮像カメラ81からの出
力信号が入力されるようになっており、音源方向算出部
26に検出された音源の方向の画像を記録するようになっ
ている。
【0245】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第1実施形態の効果に加え、撮像カメラと撮像カメ
ラ方向を制御する撮像カメラ方向制御部と設けることに
よって音源方向推定装置によって推定された音源方向を
撮像することができる。また、この撮像カメラによって
撮像された画像データを推定された音源方向の収音信号
とを対応付けて記録することができる。
【0246】〔第8実施形態〕図14〜図17は、本発明に
係る指向性収音装置、音源方向推定装置および音源方向
推定システムの第8実施形態を示す図である。
【0247】なお、本実施形態は、第2実施形態におい
て、複数の減算処理部を有するとともに、音圧を算出し
て記録する音圧算出部および音圧記録部並びに画像を撮
像する撮像カメラおよび画像記録部を設けた点に特徴が
あり、その他の構成は、第2実施形態と同様であるた
め、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0248】なお、本実施形態のマイクロホンアレイお
よび撮像カメラは、図14に示すように、2車線の道路上
とし、指向性収音および撮像する方向は、図15に示すα
方向であり、収音箇所は、各車線の2箇所とする。
【0249】また、本実施形態では、音源および撮像箇
所が2箇所であるので、減算処理部を2つ設けてあり、
想定される音源の角度は、図16に示すβ1とβ2の2種
類であるので、車線1方向をβ1、車線2方向がβ2と
設定し、予め各減算処理部の各収音方向および抑制方向
に設定するようになっている。
【0250】図17に示す指向性収音記録システム90は、
M個のマイクロホンAを有するとともに、図14に示すよ
うに配設され、音源からの音を収音するマイクロホンア
レイ31と、マイクロホンアレイ31の各マイクロホンAか
ら入力された収音信号をそれぞれ所定の信号レベルに増
幅する複数の増幅器22と、各増幅器22から出力された収
音信号から予め設定された方向以外の収音信号を抑制す
る第1減算処理部33aおよび第2減算処理部33bと、各
減算処理部33a、33bによって抑制された収音信号に基
づいて音圧を算出する第1音圧算出部91aおよび第2音
圧算出部91bと、図14に示すように配設された撮像カメ
ラ92と、算出された音圧および撮像カメラ93によって撮
像された画像を記録する記録部93と備え、音源方向音圧
算出部91は、積分器501と音圧算出器502から構成され
る。
【0251】また、記録部93は、音圧算出部91によって
算出された各音圧を記録する音圧記録器503と、撮像カ
メラ93によって撮像された画像を記録する画像記録器50
4とから構成される。
【0252】各減算処理部33は、それぞれ、図16に示す
β1とβ2の方向を収音方向および抑制方向と設定する
ようになっており、したがって、他の車線の音を抑制し
つつ所望の車線の音を収音することができるようになっ
ている。
【0253】具体的には、第1減算処理部33aの収音方
向にβ1を設定し、抑制方向にβ2を設定するようにな
っている。また、第2減算処理部33Bの収音方向にβ2
を設定し、抑制方向にβ1を設定するようになってい
る。したがって、これにより、減算処理部33aでは、車
線2の音を抑制しつつ車線1の音を収音できるようにな
っており、また、減算処理部33bでは、車線1の音を抑
制しつつ車線2の音を収音できるようになっている。
【0254】また、各減算処理部33は、各出力を各音圧
算出部91に出力するようになっている。
【0255】各積分器501には、収音方向以外の音が抑
制されている収音信号が入力されるようになっており、
各積分器501では、予め設定された時間窓によって入力
信号の二乗積分を演算するようになっている。
【0256】この時間窓長は、要求される時定数によっ
て決定するようになっている。例えば、時定数として騒
音計のFASTが要求される場合には時間窓を125msと
し、時定数として騒音計のSLOWが要求される場合には時
間窓を1sとする。
【0257】各音圧算出器502には、積分器501から出力
された値が入力されるようになっており、各音圧算出器
502では、入力された値を予め設定された時間窓長によ
って除算することにより、車線1または車線2の音圧を
算出するようになっている。また、各音圧算出器502
は、算出した各音圧を各音圧記録器503に出力するよう
になっている。
【0258】各音圧記録器503は、各音圧算出器から出
力された音圧算出値を記録するようになっており、ま
た、画像記録器504は、撮像カメラによって撮像された
画像を記録するようになっている。
【0259】したがって、本実形態では、2車線を走行
する車両の画像と同時にそれぞれの車両の音圧を記録す
ることができるようになっているとともに、独立した減
算処理部33a、33bを持つため、たとえ同時に両方の車
線に車両が走行する場合にも、それぞれの車両の音圧を
別々に記録できるようになっている。
【0260】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第2実施形態の効果に加え、複数の撮像カメラを設
けることによって音源方向推定装置によって推定された
音源方向を撮像することができる。また、この撮像カメ
ラによって撮像された画像データを推定された音源方向
の収音信号とを対応付けて記録することができるととも
に、収音信号においては、各音圧レベルを記録すること
ができる。
【0261】なお、本実施形態では、2車線道路の場合
を示したが、減算処理部および音圧算出部を車線の数用
意し、マイクロホンAの数を(車線の数+1)用意する
ことによって3車線以上の道路にも適用できるようにな
る。
【0262】また、本実施形態では、道路における車両
走行音の場合を示したが、必ずしも車両走行音に限定す
るものではなく、例えば、列車など音源の移動方向があ
らかじめ限定できる場合にも本システムが適用できる。
【0263】
【発明の効果】本発明の音源方向推定装置は、音源方向
の時間的変化に追従して音源方向を推定することができ
る。具体的には、音源方向が時間とともに変化したとし
ても、それに伴って各マイクロホンに生ずる音源方向か
ら到来した音の到達時間差も変化するため、この到達時
間差に基づいて音の発生源を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第1実施形態の構成を
示すブロック図
【図2】第1実施形態における波形切出器の動作を説明
する図
【図3】第1実施形態におけるマイクロホンアレイと音
の到来方向との角度を説明する図
【図4】第1実施形態における方向制御ベクトルを説明
するための図
【図5】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第2実施形態の構成を
示すブロック図であり、その指向性収音装置の構成を示
す図
【図6】第2実施形態におけるマイクロホンアレイと音
の到来方向との角度を説明する図
【図7】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第3実施形態の構成を
示すブロック図
【図8】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第4実施形態の構成を
示すブロック図であり、音源方向推定装置の構成を示す
【図9】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第5実施形態の構成を
示すブロック図であり、音源方向推定装置の構成を示す
【図10】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第6実施形態の構成を
示すブロック図
【図11】第6実施形態におけるマイクロホンアレイと音
の到来方向との角度を説明する図
【図12】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第7実施形態の構成を
示すブロック図
【図13】第7実施形態におけるマイクロホンアレイおよ
び撮像カメラと音の到来方向との角度を説明する図
【図14】第8実施形態におけるマイクロホンアレイと撮
像カメラの配設位置を説明する配置図
【図15】第8実施形態におけるマイクロホンアレイと音
の到来方向との角度を説明するための平面図
【図16】第8実施形態におけるマイクロホンアレイと音
の到来方向との角度を説明するための立面図
【図17】本発明に係る指向性収音装置、音源方向推定装
置および音源方向推定システムの第8実施形態の構成を
示すブロック図であり、指向性収音装置の構成を示す図
【図18】従来の音源方向推定装置および指向性収音装置
の構成を示すブロック図
【符号の説明】
21、31、71マイクロホンアレイ 25 雑音成分行列算出部(推定手段) 26 音源方向算出部(推定手段) 28 記録器(記録手段) 51 音源方向表示部(表示手段) 61 移動方向・速度検出部(移動方向算出手段) 81、92 撮像カメラ(撮像手段) 82 撮像カメラ方向制御部(制御手段) 102 時間平均器(時間平均算出部) 103 周波数分析器(周波数変換部) 104 複素振幅行列算出部(固有値解析部) 105 相関行列算出部(固有値解析部) 106 雑音成分行列算出部(固有値解析部、雑音成分算
出部) 202 遅延器 203 加算器(差分信号生成手段) 204 フィルタ係数算出器(フィルタ係数設定手段) 206 フィルタ(フィルタ処理手段)

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔に配設され、収音を行う複数
    のマイクロホンを有するマイクロホンアレイと、 前記マイクロホンアレイによって音を収音したとき、基
    準となる1の前記マイクロホンと他の前記マイクロホン
    との配設位置によって生ずる前記音の到達時間差に基づ
    いて前記音の発生源の方向を推定する推定手段とを備え
    たことを特徴とする音源方向推定装置。
  2. 【請求項2】 前記推定手段が、所定の時間間隔毎に前
    記音の発生源の方向を推定することを特徴とする請求項
    1記載の音源方向推定装置。
  3. 【請求項3】 前記推定手段が、 前記各マイクロホンから出力された前記各収音信号を前
    記所定の時間間隔毎に時間平均する時間平均算出部と、 前記時間平均算出部によって算出された前記時間平均信
    号を周波数変換するとともに各周波数毎の振幅値を算出
    する周波数変換部と、 各周波数毎の振幅値に基づいて固有値解析を行う固有値
    解析部と、 前記固有値解析部によって算出された固有ベクトルに基
    づいて前記収音信号における雑音成分を算出する雑音成
    分算出部とを有し、 前記雑音成分算出部によって算出された前記雑音成分と
    前記到達時間差に基づいて前記音の発生源の方向を推定
    することを特徴とする請求項2記載の音源方向推定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記各マイクロホンの配設間隔を前記音
    の発生源の方向の推定における対象となる音の波長の1
    /10以上1/2未満に設定することを特徴とする請求項
    3記載の音源方向推定装置。
  5. 【請求項5】 前記推定手段によって推定された前記音
    の発生源の方向から到来した前記音を記録する記録手段
    を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記
    載の音源方向推定装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段が、前記推定手段によって
    推定された前記音の発生源の方向が複数ある場合に何れ
    か1つの前記音の発生源の方向から到来した音を記録す
    ることを特徴とする請求項5記載の音源方向推定装置。
  7. 【請求項7】 前記記録手段が、前記マイクロホンアレ
    イによって前記音を収音したとき、基準となる1の前記
    マイクロホンと他の前記マイクロホンとの配設位置よっ
    て生ずる前記音の到達時間差と所望する方向以外の範囲
    に基づいて前記抑制範囲から到来した前記音の収音感度
    を低下させて記録することを特徴とする請求項5または
    6記載の音源方向推定装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段が、 前記収音信号を前記到達時間差に基づいて遅延させる遅
    延器と、 隣接する2つの前記マイクロホン毎に前記各遅延器から
    出力された前記収音信号から差分信号を生成する差分信
    号生成手段と、 前記抑制範囲に基づいてフィルタ係数を設定するフィル
    タ係数設定手段と、 前記フィルタ係数設定手段によって設定された前記フィ
    ルタ係数に基づいて前記各差分信号をフィルタ処理する
    フィルタ処理手段とからなり、 前記フィルタ係数設定手段が、前記収音された音におけ
    る伝達関数を最小二乗法により算出することによって前
    記フィルタ係数を設定することを特徴とする請求項7記
    載の音源方向推定装置。
  9. 【請求項9】 前記フィルタ係数設定手段が、前記伝達
    関数を正規方程式を用いた最小二乗法により算出するこ
    とによって前記フィルタ係数を設定するとともに、前記
    最小二乗解における誤差の基準を変更することを特徴と
    する請求項8記載の指向性収音装置。
  10. 【請求項10】 前記所望する方向を予め設定することを
    特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の音源方向推
    定装置。
  11. 【請求項11】 前記フィルタ処理手段が、前記フィルタ
    係数を予め算出しておくことによって前記推定する音の
    発生源の方向の変化に応じて最適なフィルタ係数を選択
    することを特徴する請求項10記載の音源方向推定装置。
  12. 【請求項12】 前記推定手段によって推定された前記音
    の発生源の方向を表示する表示手段を設けたことを特徴
    とする請求項1乃至4の何れかに記載の音源方向推定装
    置。
  13. 【請求項13】 前記表示手段が、前記推定手段によって
    推定された前記音の発生源の方向のパワー分布を表示す
    ることを特徴とする請求項12記載の音源方向推定装置。
  14. 【請求項14】 前記表示手段が、前記推定手段によって
    推定された前記音の発生源の方向の音源パワーの大きさ
    を表示することを特徴とする請求項12または13記載の音
    源方向推定装置。
  15. 【請求項15】 前記推定手段によって推定された前記所
    定の時間間隔毎の前記音の発生源の方向を示す音源方向
    値に基づいて前記音源の移動方向を算出する移動方向算
    出手段を設けたことを特徴とする請求項2乃至4の何れ
    かに記載の音源方向推定装置。
  16. 【請求項16】 前記移動方向算出手段が、任意の時間の
    前記音源方向値とその直前に前記推定手段から出力され
    た前記音源方向値に基づいて移動量を算出することを特
    徴とする請求項15記載の音源方向推定装置。
  17. 【請求項17】 前記推定手段によって推定された前記所
    定の時間間隔毎の前記音の発生源の方向を示す音源方向
    値に基づいて前記音源の移動速度を算出する移動速度算
    出手段を設けたことを特徴とする請求項2乃至4の何れ
    かに記載の音源方向推定装置。
  18. 【請求項18】 前記移動速度算出手段が、任意の時間の
    前記音源方向値とその直前に前記推定手段から出力され
    た前記音源方向値に基づいて移動量を算出するととも
    に、前記移動量と前記時間間隔に基づいて前記移動速度
    を算出することを特徴とする請求項17記載の音源方向推
    定装置。
  19. 【請求項19】 前記推定手段によって推定された前記音
    の発生源の方向を撮像する撮像手段を設けたことを特徴
    とする請求項1乃至4の何れかに記載の音源方向推定装
    置。
  20. 【請求項20】 前記推定手段によって推定された前記音
    の発生源の方向に基づいて前記撮像手段の撮像方向の制
    御を行う制御手段を設けたことを特徴とする請求項19に
    記載の音源方向推定装置。
  21. 【請求項21】 予め異なる方向を撮像する複数の撮像手
    段を設け、前記推定手段によって推定された音の発生源
    の方向に基づいて、前記音の発生源の方向に最も近い方
    向に向けられた前記撮像手段を選択するとともに、前記
    選択された撮像手段によって前記音の発生源の方向を撮
    像することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載
    の音源方向推定装置。
  22. 【請求項22】 前記推定手段によって推定された前記音
    の発生源の方向の音を記録する記録手段を有し、 前記記録手段が、推定手段によって推定された音源に対
    応付けて前記撮像手段によって撮像された前記音の発生
    源の方向の画像を記録することを特徴とする請求項19乃
    至21の何れかに記載の音源方向推定装置。
  23. 【請求項23】 前記記録手段が、推定された前記音の音
    圧レベルを算出して記録することを特徴とする請求項22
    記載の音源方向推定装置。
  24. 【請求項24】 所定の間隔に並設され、収音を行う3つ
    以上のマイクロホンを有するマイクロホンアレイを備
    え、 前記マイクロホンアレイによって収音された信号から所
    望の方向から到来した音源の信号を取り出す指向性収音
    装置において、 前記マイクロホンアレイによって音を収音したとき、基
    準となる1の前記マイクロホンと他の前記マイクロホン
    との配設位置よって生ずる前記音の到達時間差に基づい
    て前記所望の方向以外の抑制範囲から到来した前記音の
    収音感度を低下させることを特徴とする指向性収音装
    置。
  25. 【請求項25】 前記収音信号を前記到達時間差に基づい
    て遅延させる遅延器と、 隣接する2つの前記マイクロホン毎に前記各遅延器から
    出力された前記収音信号から差分信号を生成する差分信
    号生成手段と、 前記抑制範囲に基づいてフィルタ係数を設定するフィル
    タ係数設定手段と、 前記フィルタ係数設定手段によって設定された前記フィ
    ルタ係数に基づいて前記各差分信号をフィルタ処理する
    フィルタ処理手段とを有し、 前記フィルタ係数設定手段が、前記収音された音におけ
    る伝達関数を最小二乗法により算出することによって前
    記フィルタ係数を設定することを特徴とする請求項24記
    載の指向性収音装置。
  26. 【請求項26】 前記フィルタ係数設定手段が、前記伝達
    関数を正規方程式を用いた最小二乗法により算出するこ
    とによって前記フィルタ係数を設定するとともに、前記
    最小二乗解における誤差の基準を変更することを特徴と
    する請求項25記載の指向性収音装置。
  27. 【請求項27】 前記所望する方向を予め設定することを
    特徴とする請求項24乃至26の何れかに記載の音源方向推
    定装置。
  28. 【請求項28】 前記フィルタ処理手段が、前記フィルタ
    係数を予め算出しておくことによって前記推定する音の
    発生源の方向の変化に応じて最適なフィルタ係数を選択
    することを特徴する請求項26または27記載の指向性収音
    装置
  29. 【請求項29】 請求項24乃至28の何れかに記載されたマ
    イクロホンアレイを有する複数の指向性収音装置によっ
    て所望する方向以外の抑制範囲から到来する音を抑制し
    て前記所望する方向の中から音の発生源の方向を推定す
    る音源方向推定装置において、 前記各マイクロホンアレイにおける基準となる1のマイ
    クロホンと他の前記マイクロホンの配設距離によって生
    ずる収音された音の到達時間差と前記各指向性収音装置
    から出力された収音信号とに基づいて前記所望する方向
    の中から前記音の発生源の方向を推定する推定手段を備
    えたことを特徴とする音源方向推定システム。
  30. 【請求項30】 前記推定手段が、所定の時間間隔毎に前
    記音の発生源の方向を推定することを特徴とする請求項
    29記載の音源方向推定システム。
  31. 【請求項31】 前記推定手段が、 前記各出力信号を前記所定の時間間隔毎に時間平均する
    時間平均算出部と、 前記時間平均算出部によって算出された前記時間平均信
    号を周波数変換するとともに各周波数毎の振幅値を算出
    する周波数変換部と、 各周波数毎の振幅値に基づいて固有値解析を行う固有値
    解析部と、 前記固有値解析部によって算出された固有ベクトルに基
    づいて前記出力信号における雑音成分を算出する雑音成
    分算出部とを有し、 前記雑音成分算出部によって算出された前記雑音成分と
    前記到達時間差に基づいて前記音の発生源の方向を推定
    することを特徴とする請求項29または30記載の音源方向
    推定システム。
  32. 【請求項32】 前記各マイクロホンの配設間隔を前記音
    の発生源の方向の推定における対象となる音の波長の1
    /10以上1/2未満に設定することを特徴とする請求項
    31記載の音源方向推定システム。
  33. 【請求項33】 前記推定手段によって推定された前記音
    の発生源の方向を撮像する撮像手段を設けたことを特徴
    とする請求項29乃至32の何れかに記載の音源方向推定シ
    ステム。
  34. 【請求項34】 前記推定手段によって推定された前記音
    の発生源の方向に基づいて前記撮像手段の撮像方向の制
    御を行う制御手段を設けたことを特徴とする請求項33に
    記載の音源方向推定システム。
  35. 【請求項35】 予め異なる方向を撮像する複数の撮像手
    段を設け、前記推定手段によって推定された音の発生源
    の方向に基づいて、前記音の発生源の方向に最も近い方
    向に向けられた前記撮像手段を選択するとともに、前記
    選択された撮像手段によって前記音の発生源の方向を撮
    像することを特徴とする請求項29乃至32の何れかに記載
    の音源方向推定システム。
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