JP2002185213A - 誘電体フィルタおよびデュプレクサ - Google Patents

誘電体フィルタおよびデュプレクサ

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JP2002185213A
JP2002185213A JP2000378744A JP2000378744A JP2002185213A JP 2002185213 A JP2002185213 A JP 2002185213A JP 2000378744 A JP2000378744 A JP 2000378744A JP 2000378744 A JP2000378744 A JP 2000378744A JP 2002185213 A JP2002185213 A JP 2002185213A
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dielectric
conductor
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filter
hole
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Eiji Tanaka
英二 田中
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Toko Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高調波の減衰量を大きくして帯域通過特性を
改善する。 【解決手段】 誘電体フィルタの開放端面に共振器の開
口を囲む導体膜15を設け、フィルタと同軸共振モードの
入出力結合を得るための導体との間に誘電体が露出する
スリット16を形成する。フィルタと、デユプレクサの例
えば送信側のフィルタ、などに適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体フィルタお
よび誘電体デュプレクサの構造に係るもので、特に、高
調波のレベルを下げて高調波特性を改善できるフィルタ
およびデュプレクサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体フィルタ、デュプレクサは、移動
体通信機器の端末機器に多く使用されており、個別の同
軸TEM共振器を接続するものだけでなく、誘電体ブロ
ックに複数の共振器を一体に構成して小型化を図るもの
の利用が進んでいる。図6と図7に示したように、単一
の誘電体ブロック60に送信フィルタTXと受信フィルタRX
を一体に形成したものも実用化されている。
【0003】また、帯域外の減衰量を大きくして帯域通
過特性を改善するために、減衰極形成用の共振器を付加
することもあり、図6と図7の共振器63、64はフィルタ
の外側に配置され通過帯域の高域側あるいは低域側に減
衰極を形成するものである。
【0004】誘電体フィルタはその構造上の制約から、
基本周波数の2倍、3倍の高調波の発生が避けられない。
特に、3倍の高調波は基本周波数のレベルより数dBしか
減衰量が得られず、この高調波の減衰量を確保すること
が大きな問題となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、誘電体フィ
ルタおよびデュプレクサにおける高調波の減衰量を大き
くして、高調波特性すなわち帯域通過特性を改善するも
のである。素子数を増やさず、また部品点数の増加もな
く、高調波のレベルを大幅に下げることのできるフィル
タおよびデユプレクサを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、開放端面に形
成する導体膜の形状に改良を加えることによって、上記
の課題を解決するものである。
【0007】すなわち、誘電体ブロックに複数の平行な
貫通孔を具え、貫通孔の表面に内導体、貫通孔の開口し
ない表面に外導体、貫通孔の開口する表面の一方に短絡
導体が形成されて複数の共振器が一体に構成された誘電
体フィルタにおいて、開放端面に外導体と接続された導
体膜を貫通孔の開口の周囲を除いて具え、短絡端面の入
出力端子電極と開放端面の導体膜とを接続する誘電体内
に配置された導体を具え、誘電体内に配置された導体が
入出力端の共振器と同軸共振モードで入出力結合され、
開放端面の導体膜に、当該誘電体内に配置された導体と
入出力端の共振器の間の少なくとも一方を横切る誘電体
が露出するスリットが形成されたことに特徴を有するも
のである。
【0008】また、このフィルタを送信フィルタと受信
フィルタとしたデュプレクサにおいても導体膜とスリッ
トを形成して同様に構成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明はフィルタとデュプレクサ
に適用でき、デュプレクサの場合には少なくとも一方の
フィルタの入出力部に同軸共振モードによる結合を利用
し、開放端面の一部に導体膜を形成し、入出力部と端部
の主共振器との間に誘電体を露出させるスリットを形成
することによって所期の効果が得られる。
【0010】スリットは、共振器間を横切るように形成
されるが、その形状やサイズを変えることによって、通
過帯域外の減衰特性に差が生じる。入出力の同軸共振モ
ードを得る導体は、2枚の誘電体基板を接合する際にそ
の接合面に形成する導体パターンを利用すると製造が容
易であり、また、結合の調整が容易となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。図7は本発明を適用する誘電体デュプレ
クサの開放端面の基本的な構造を示した平面図である。
図6のような、サイズが21.3mm×8.75mm×3.8mmで誘電
率が91程度の直方体の誘電体に3素子の送信フィルタTX
と3素子の受信フィルタRXを形成し、両端に減衰極形成
用の共振器63、64を配置したものである。
【0012】開放端面の一部に導体膜65を形成するが、
送信側フィルタTXの共振器の開口の周囲と減衰極形成
用の共振器63の開口の周囲を除く送信側の開放端面に形
成したものである。受信側は受信側フィルタRXの共振
器の周囲は導体膜を形成せず、減衰極形成用の共振器64
の開口の周囲を除く部分にのみ導体膜66を形成したもの
である。
【0013】このように構成された誘電体デュプレクサ
の通過帯域(中心周波数)は824MHz〜849MHzであり、そ
の3倍の高調波は2472MHz〜2547MHzとなる。図7の構造
による誘電体デュプレクサの帯域通過特性を図3の曲線
37で示す。上記の3倍の周波数帯域での減衰量は僅かに3
dBで、中心周波数の減衰量と大きな差は得られなかっ
た。
【0014】図1は、本発明の実施例を示す平面図で、
寸法と共振器の配置は前記のものと同じである。この例
では、送信側フィルタTXと出力の同軸共振モードを得
るために誘電体ブロックを構成する2枚の誘電体基板の
接合面に形成されたストリップライン12との間の導体膜
15にスリット16が形成され、スリット16の部分は導体膜
が形成されずに誘電体が露出している。この例ではスリ
ット16の幅を0.3mmとし、フィルタTXとストリップライ
ン12間を垂直に横切り、両端から共振器13側に伸びてこ
れを囲むような形状となっている。
【0015】図1に示した誘電体デュプレクサの通過帯
域特性を図3の曲線38で示す。3倍の高調波の帯域にお
ける減衰量が31dBとスリットを設けない場合に比較して
大幅に増加していた。
【0016】図2は、本発明の他の実施例を示す平面図
で、スリット26の形状を変えたものである。この例では
送信側フィルタTXと誘電体基板の接合面のストリップラ
イン22との間に垂直に横切る部分とその両端から折り曲
げられた形状を有することは同じである。スリット26は
さらに内側に2度折り曲げられ、端部が送信側フィルタ
TXの方向に伸びるようにしたものである。このときの帯
域通過特性を図3の曲線39で示す。3倍の高調波の帯域
での減衰量が35dBとなっており、さらに改善されたこと
を示している。
【0017】図4は本発明による誘電体フィルタにおい
て、スリットの形成方法を示す平面図と正面断面図であ
る。(A)は入出力の両方に、(B)は片側のみにスリ
ットを形成した例を示す。(C)は比較のためにスリッ
トを形成しない例を示すものである。
【0018】図5はそれらのフィルタの特性を示すもの
であり、824〜849MHzの通過帯域に対する3倍の高調波の
周波数2472〜2547MHzでの減衰量は次のようになってい
た。 スリットなし 3dB 1スリット 21dB 2スリット 31dB このように、スリットを多くする方が効果があることが
確認された。
【0019】本発明は、上記のようなデユプレクサに限
られるものではなく、他のタイプのデュプレクサや、フ
ィルタにも適用可能である。また、スリットの形状やサ
イズを変えることによって特性の調整も可能となる。さ
らに、導体パターンのトリミングによってスリットの形
状、サイズの調整ができるので、特性の調整も可能とな
る。入出力の同軸共振モードを得るための短絡端面と開
放端面を接続する導体膜の代わりに導体棒を挿入する構
造としたり、貫通孔に導体膜を形成した同軸共振器を用
いたりすることもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、導体膜を形成しないで
誘電体を露出させたスリットを形成するのみで、高調波
の減衰量を大幅に増加させ、帯域通過特性を改善するこ
とができる。誘電体共振器の形状や素子数も変える必要
がなく、特別な部品を付加することもなく、小型で安価
な誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す平面図
【図2】 本発明の他の実施例を示す平面図(A)と正
面断面図(B)
【図3】 本発明による誘電体デュプレクサの特性の説
明図
【図4】 本発明の他の実施例と比較例を示す平面図と
正面断面図
【図5】 本発明による誘電体フィルタの特性の説明図
【図6】 一般的な誘電体デユプレクサの一例を示す斜
視図
【図7】 従来の誘電体デユプレクサの例の平面図
【符号の説明】
X:送信側フィルタ RX:受信側フィルタ 12、22:入出力結合用ストリップライン 15、25:導体膜 16、26:スリット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体ブロックに複数の平行な貫通孔を
    具え、貫通孔の表面に内導体、貫通孔の開口しない表面
    に外導体、貫通孔の開口する表面の一方に短絡導体が形
    成されて複数の共振器が一体に構成された誘電体フィル
    タにおいて、 開放端面に外導体と接続された導体膜を貫通孔の開口の
    周囲を除いて具え、 短絡端面の入出力端子電極と開放端面の導体膜とを接続
    する誘電体内に配置された導体を具え、 誘電体内に配置された導体が入出力端の共振器と同軸共
    振モードで入出力結合され、 開放端面の導体膜に、当該誘電体内に配置された導体と
    入出力端の共振器の間の少なくとも一方を横切る誘電体
    が露出するスリットが形成されたことを特徴とする誘電
    体フィルタ。
  2. 【請求項2】 誘電体ブロックが2枚の誘電体基板を接
    合したものであり、短絡端面から開放端面に伸びる導体
    が、誘電体基板の接合面に形成された導体膜である請求
    項1記載の誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 誘電体ブロックに複数の平行な貫通孔を
    具え、貫通孔の表面に内導体、貫通孔の開口しない表面
    に外導体、貫通孔の開口する表面の一方に短絡導体が形
    成されて複数の共振器が構成された誘電体フィルタを二
    つ具えた誘電体デュプレクサにおいて、少なくとも一方
    の誘電体フィルタは、開放端面に外導体と接続された導
    体膜を貫通孔の開口の周囲を除いて具え、 短絡端面の入出力端子電極と開放端面の導体膜とを接続
    する誘電体内に配置された導体を具え、 誘電体内に配置された導体が入出力端の共振器と同軸共
    振モードで入出力結合され、 開放端面の導体膜に、当該誘電体内に配置された導体と
    入出力端の共振器の間の少なくとも一方を横切る誘電体
    が露出するスリットが形成されたことを特徴とする誘電
    体デュプレクサ。
  4. 【請求項4】 誘電体ブロックが2枚の誘電体基板を接
    合したものであり、短絡端面から開放端面に伸びる導体
    が、誘電体基板の接合面に形成された導体膜である請求
    項3記載の誘電体デュプレクサ。
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