JP2002182546A - 光情報記録体、光情報記録体の情報記録方法、容器 - Google Patents

光情報記録体、光情報記録体の情報記録方法、容器

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JP2002182546A
JP2002182546A JP2000381515A JP2000381515A JP2002182546A JP 2002182546 A JP2002182546 A JP 2002182546A JP 2000381515 A JP2000381515 A JP 2000381515A JP 2000381515 A JP2000381515 A JP 2000381515A JP 2002182546 A JP2002182546 A JP 2002182546A
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Akinari Suehiro
晃也 末廣
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブランド商品等の偽造や変造を困難にするよう
に計算機生成ホログラム(CGH)により製品識別情報
を付加したガラス瓶等の光情報記録体、光情報記録体の
情報記録方法、容器であって、製品識別情報の消去や偽
造を行なうことが困難で、かつコントラストの高い回折
像(CGH再生像)を生成する光情報記録体、光情報記
録体の情報記録方法、容器を提供する。 【解決手段】光の透過率がパターン状に変化する振幅型
CGH(9)を、超短パルスのフェムト秒レーザーを用
いてガラス瓶20のガラス材料の内部に複数層積層して
形成することにより、CGH(9)における光の透過率
の違いを高めて、高いコントラストの回折像を生成可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報を記録した光
透過性材料からなる光情報記録体、光情報記録体の情報
記録方法、容器に係り、特に商品の偽造・変造防止に有
効な製品識別情報を付加した瓶等の光情報記録体、光情
報記録体の情報記録方法、容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガラス製、金属製、あるいは
樹脂製等の容器に化粧品、食品、飲料等を充填して販売
することが行われてきた。これらの容器の中でも、特に
高額な商品が充填された所謂ブランド商品では、悪意の
有る第3者によって容器を偽造されたり、あるいは中身
を入れ替えられたりした上で販売される等容器を不正使
用される恐れがあった。
【0003】このような容器の偽造や不正使用が起こる
と、不正な商品を知らずに購入してしまった顧客や、純
正な商品を製造するメーカーの金銭上の不利益になるば
かりではなく、純正な商品を製造しているメーカーの信
用を著しく失墜させる恐れもあった。そこで、上記のよ
うな容器の偽造や不正使用を防ぐ対策として、例えば香
水等の化粧品容器として用いるガラス瓶に関しては、ガ
ラス瓶を収納する箱に印刷または刻印された製品識別情
報と同一のものをガラス瓶の表面にも印刷したり、ある
いはレーザー等の局所加熱加工手段によってガラス瓶の
表面に製品識別情報を刻印することにより、当該ガラス
瓶に固有の製造情報や流通情報をこの製品識別情報から
読み取れるように構成していた。そして、不正使用され
たガラス瓶が発見されると、当該ガラス瓶に印刷または
刻印された上記の製品識別情報を用いて、このガラス瓶
の製造日や流通ルートを割り出し、不正使用を行った者
の特定に用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の構成に係る製品識別情報付きガラス瓶において
は、下記するような未だ解決されざる問題が存在した。
【0005】すなわち上記した製品識別情報は、ガラス
瓶の表面に顔料で印刷されたり、あるいは表面に凹凸を
有する形状として刻印されているため、薬品や研磨等の
手段を用いて消去することが可能であった。一旦、製品
識別番号が消去されてしまうと、流通経路の特定、追跡
が不可能となるため、瓶の中身を希釈したり、あるいは
まったく別物に入れ替えたり等の手段で商品の偽造が行
われても、不正を実行した者の特定が困難となってしま
い、純正メーカー側の対抗手段がとれない恐れがあっ
た。
【0006】上記に説明したような偽造品による被害額
は、香水等の所謂高級ブランド品においては全世界では
莫大な金額に上ることが巷間伝えられている。従って容
易に消去することのできない製品識別情報をガラス瓶容
器等の商品の一部に付加し、偽造品を容易に作成できな
いようにすることが従来から切実に求められてきてい
る。
【0007】ところで、商品等の偽造防止を実現する手
段として、上記の文字や記号を印刷や刻印等を行う方法
とは別に、ホログラムを用いる方法が従来から知られて
いる。特にCGH(Computer Generated Hologram)と
呼ばれる計算機で作成したホログラムは、情報を記録す
るデータ機能をホログラムに付与することが可能となっ
ている。そして、このCGHを商品の識別手段として応
用する技術が先に本出願人から提案されており、現時点
では未だ公開がなされていないものの特許出願がなされ
ている。
【0008】上記したCGHは、半導体製造技術等を応
用した極めて高度の技術を用いて設計、製造がなされて
いるため、第3者による偽造は非常に困難である。そこ
で、例えば商品の出荷前にガラス瓶の表面に加工用レー
ザーでCGHを刻印し、流通販売時にレーザー光をCG
Hに照射してCGHに埋め込まれた製品情報を必ずチェ
ックすることにより商品が純正品であることを確実に確
認するなどして、商品に高いセキュリティーをもたせる
ことが可能となる。
【0009】しかしながら、輸送あるいは保存のための
箱に梱包されたガラス瓶の識別コードを、全世界のあら
ゆる流通経路及びすべての店舗でCGHにレーザ光を照
射して回折像を確認するなどしてチェックするシステム
を構築することは、確認作業の作業性の点、レーザ光照
射手段を含む再生装置をあまねく供給することの困難さ
などの点で容易ではない。そしてCGHから商品識別情
報を読み出すための上記のシステムが整備されていない
とすると、たとえガラス瓶表面に高いセキュリティーを
もつCGHを刻印して設けたとしても、研磨や破壊等の
手段によってCGHが消去されてしまい、CGHが消去
され不正使用されたガラス瓶が不正な販売ルートに容易
に乗ってしまう恐れが多大にあるものであった。
【0010】したがって、研磨などの手段によっては容
易に消去できない識別手段をガラス瓶に付与すること
が、ガラス瓶の不正使用を防止するためには必要であっ
た。そこで、もしもCGHとして記録された製品識別情
報を、ガラス瓶の表面ではなく所定の厚みをもったガラ
ス瓶を構成する材料内部に記録することができれば、偽
造に対して非常に強靭な対抗力を有する商品が実現でき
るとともに、現状の流通体制にスムーズに適合して浸透
していくことが十分に予想されるものである。
【0011】ところで、近年、フェムト秒レーザーと呼
ばれる超短パルスレーザーによりガラス等の透明材料内
部を照射して屈折率を変化させて光導波路を形成する技
術が、レーザー加工に関する学会等で報告されている。
すなわち、上記のフェムト秒レーザーを用いて、先に説
明したようなガラス内部に製品識別情報の記録を行うこ
とが可能性を持ちつつある。
【0012】上記のフェムト秒レーザーによる、ガラス
内部の改質の物理的メカニズムは未だ完全には解明され
ていないが、およそ以下のように考えられている。従来
のナノ秒レーザーなどのパルス幅の広いレーザーでは、
照射材料の自由電子をレーザー電場によって共鳴させる
ことにより、格子振動にエネルギーを与えて熱を発生さ
せていた。これは、光の粒子的な立場でみれば、一つあ
るいは数個の光子が材料の原子に吸収される単光子吸収
プロセスであることに対応する。
【0013】このようなプロセスは基本的に熱過程であ
り、加工部分の周囲に熱を伝えながら、レーザーの照射
が終わるまで続く。したがって、従来のパルス幅の広い
レーザーでは、加工部分周辺に熱影響層が形成された
り、あるいは再凝固物の形成、材料の飛散、マイクロク
ラック(微小なひび割れ)等のダメージが発生してしま
う恐れがあった。
【0014】一方、フェムト秒レーザーのパルスは非常
に高い光強度を持ち、電子のエネルギー緩和過程以内の
短い時間にエネルギーを放散する十分な光子量を持って
いるため、多光子吸収を発生させることができる。多光
子吸収はその短い時間に集まっている光子の量で吸収閾
値が決まっており、波長依存性の無いものである。上記
の多光子吸収により、ガラス材料の光電離が起こり、固
体プラズマ(イオンと電子が緩く結合した状態)が形成
される。このプラズマは、周囲にエネルギーを逃がすこ
となく、速やかに膨張拡散していく。このスピードは熱
拡散より速いため、非熱的な加工が可能となる。
【0015】こうしたフェムト秒レーザーによる多光子
吸収プロセスを利用した光透過性材料内部への情報の書
込に関する技術は、学会発表や論文雑誌で開示がなさ
れ、既に公知となっている。例えば、シリカガラス内部
に、パルスレーザービームを単発照射することにより形
成したビットを三次元的に配列して、高密度光記録を行
った例も報告されている(M.Watanabe, H-B. Sun, S. J
uodkazis, T. Takahashi, S.Matsuo, Y. Suzuki, J. Ni
shii, and H. Misawa: Jpn. J. Appl. Phys. 37, L1527
(1998))。
【0016】さて、本出願人は、本発明に先立って、現
時点で公開がなされていない特許出願を行い、平坦でな
い光透過性材料に対するフェムト秒レーザーを用いた3
次元加工方法について提案している。
【0017】この提案においては、一般の文字や数字の
書込と共に、フェムト秒レーザーによるガラス内部に形
成した計算機ホログラム(CGH)の製造方法について
も言及しているが、そこでのCGHとは位相型のCGH
であった。上記の位相型CGHとは、所望の文字や画像
を光学的に再現するために、回折格子の回折角に対応す
る回折光配置情報を計算機によりフーリエ逆変換するこ
とで、回折格子の干渉縞に対応する位相分布を算出し、
位相分布に対応する階段状段差をガラス内部に作成した
ものである。なお、位相型CGHを有する光記録媒体及
びその製造方法に関しては、特開平10−143929
号公報にて開示されている。また、この光記録媒体のホ
ログラム動画作成、再生装置は、特開2000−149
335号公報にて公開がなされている。
【0018】ところが、上記のフェムト秒レーザーに関
する開示技術によれば、下記のごとき未解決の問題が存
在した。
【0019】すなわち、ガラス内部にフェムト秒レーザ
ー照射により階段状模様を刻印しても、フェムト秒レー
ザーによるガラスの屈折率の変化が0.01程度とあまりに
小さいため、回折像を生成しようとして上記の刻印部に
照射されるほとんどの光は刻印部を透過してしまい、階
段部で光の反射光量は微量であった。その結果、得られ
る反射回折像のコントラストが低いので、高いコントラ
ストの回折像を得るために再生光源を高出力化したり、
あるいは回折像の電気的な読み取りを行う撮像素子を高
感度化しなればならないといった問題があった。
【0020】さらには、刻印がなされるべき設計値の階
段の段差は数十〜数百ナノメートルのオーダーであるの
に対し、現時点で市販されている加工用フェムト秒レー
ザーの刻印精度限界は数マイクロメートルであるので、
十分な精度で階段状段差の刻印を実現することが困難で
ある、という問題があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記した問題点に鑑みて成されたものであり、特に、光の
透過不透過の違いを高めるように、振幅型計算機生成ホ
ログラムを多層化して構成したことにより、ガラス瓶等
の光透過性部材の内部に製品識別情報等をホログラムと
して記録し、かつこの記録された情報は消去したり偽造
したりすることが困難であり、またこの情報を記録した
ホログラムに単色光を照射して得られる回折像が高いコ
ントラストを有することから視認性が良好で回折像の再
生装置を簡潔な構成とすることができ、更に情報の記録
すなわちホログラムの形成を良好な加工精度で実行でき
る光情報記録体、光情報記録体の情報記録方法、容器を
提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、下記の構成を有する光情報記録体、
光情報記録体の情報記録方法、容器を提供する。 (1)所定の情報(製品識別情報、製造情報、流通情
報)を光の透過不透過の違いによって記録した振幅型計
算機生成ホログラム(CGH:ComputerGen
erated Hologram)を内部に形成した光
透過性材料(ガラス材料)からなる光情報記録体(ガラ
ス瓶)20であって、光の透過不透過の違いを高めるよ
うに、前記振幅型計算機生成ホログラム(積層型振幅型
CGH)9を多層化(図4 第一層、第二層、第三層)
して構成したことを特徴とする光情報記録体20。 (2)所定の情報を光の透過不透過の違いによって記録
した振幅型計算機生成ホログラムを内部に形成した光透
過性材料からなる光情報記録体20の情報記録方法であ
って、光の透過不透過の違いを高めるように、前記振幅
型計算機生成ホログラム9を多層化して形成するステッ
プを有することを特徴とする光情報記録体20の情報記
録方法。 (3)前記振幅型計算機生成ホログラム9を、超短パル
スレーザー(フェムト秒レーザー)を用いて形成するこ
とを特徴とする請求項2記載の光情報記録体20の情報
記録方法。 (4)所定の情報を光の透過不透過の違いによって記録
した振幅型計算機生成ホログラムを内部に形成した光透
過性材料からなる容器(ガラス瓶)20であって、光の
透過不透過の違いを高めるように、前記振幅型計算機生
成ホログラム9を多層化して構成したことを特徴とする
容器20。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
好ましい実施例につき、図1〜図5を用いて説明を行な
う。図1は公知の技術であるレーザー光によりガラス基
板の内部に刻印を記録する方法を説明する模式図、図2
は本発明の実施形態に係る一実施例である製品識別情報
付ガラス瓶における刻印の記録方法を説明するための模
式図、図3は振幅型CGHの平面図、図4は本実施例が
用いる積層型振幅型CGHの斜視図、図5は振幅型CG
Hの回折像生成方法を説明する模式図である。前述した
ものと同一部分には同一符号を付しその説明を省略す
る。
【0024】本実施例の製品識別情報付の容器、例えば
ガラス瓶の概要は次の通りである。先に説明した従来技
術に係る製品識別情報付ガラス瓶が有する問題を解消す
るために、本発明人は、先に本出願人により提案がなさ
れた位相型CGHを製品識別情報として材質内部に刻印
したガラス瓶が有する問題を解消しさらに効果を効果を
向上させた、位相型CGHとは異なる構成のCGHであ
る振幅型CGHを用いた製品識別情報付ガラス瓶を以下
に提案するものである。
【0025】上記した振幅型CGHとは、上述のCGH
製造工程において、回折格子の干渉縞に対応する位相分
布ではなく、振幅分布、つまりガラスの濃淡分布(白黒
の分布、正確には白色不透明部分と無色透明部分の分
布)を形成することにより構成したものである。振幅型
CGHは、位相型CGHのような精密な加工精度を必要
とせず、濃淡のピッチはマイクロメートルのオーダーで
すむという利点がある。したがって、市販されているフ
ェムト秒レーザーにより、十分加工を行うことが可能で
ある。
【0026】とは言うものの、ガラス内部の一平面内に
振幅型CGHを刻印しただけでは、屈折率変化が僅かし
かとれないことから、やはり高いコントラストを得るこ
とは困難である。そこで本実施例では、この振幅型CG
Hの更に上層に、同一の振幅型CGHパターンを複数層
積層して刻印することにより、刻印部分の濃度の不足を
補う構成としている点に特徴を有するものである。本実
施例の製品識別情報付ガラス瓶では、上記の積層型振幅
型CGHによりガラス等の光透過性材料内部に情報を記
録する構成とすることにより、高いコントラストの再生
像を得ることができる。以下に図を参照しながら、本実
施例の製品識別情報付ガラス瓶を具体的に説明する。
【0027】最初に、本実施例において、ガラス瓶20
の材質内部に刻印を記録する方法を図1、図2を用いて
説明する。本実施例における刻印の記録方法は、図1に
示す如くの公知の技術である、レーザー光1によりガラ
ス基板2の内部に刻印(変化部3)を記録する方法を応
用している。
【0028】本実施例における刻印の記録方法を説明す
るための模式図である図2において、レーザー光1のレ
ーザー光源として、フェムト秒レーザーを使用する。フ
ェムト秒レーザーは、パルス幅(1パルスの周期、以下
同じ)が数百フェムト秒オーダ(1フェムト秒=10
-15秒)のパルスレーザーであり、これをレーザー光1
の光源として用いると、透明ガラス基板(光透過性材
料)2の内部にレーザー光1をレンズで集光させること
により、集光部分でガラスの改質を生じさせることがで
きる。
【0029】現在市販されているフェムト秒レーザーの
例として、米国Clark-MXR社のチタンサファイアレーザ
ーがある。これは、パルス幅が約150フェムト秒であ
り、レーザーの中心波長775nm、パルスエネルギー
約800μJである。
【0030】図1に戻り、光透過性材料2に対する刻印
方法においては、レーザー光1を光透過性材料2の内部
の所定部位に集光することによって光の密度が高くな
り、所定の破壊閾値をこえると光学的非線形現象による
吸収が起こると考えられる。この光吸収にもとづき、透
明ガラス基板2などの光透過性材料2の屈折率等の光学
的性質が変化する現象を利用して、光透過性材料2の内
部にマーキング3を行うことができる。
【0031】再び図2において、上記レーザー光1を集
光するために、例えばfθレンズ(光線の出射角θに応
じて焦点距離fが変化するレンズ、集光レンズ)4を用
いる。また、ガルバノスキャナ5等を用いて、レーザー
光1の光軸方向を移動することにより、レーザー光1の
集光部分を移動させる。
【0032】fθレンズ4の特性により、レンズに入射
するビームの角度が変化したとしても、ガラス内部の同
一平面内(深さ位置)にレーザー光を集光させておくこ
とができるため、ガラス内部の一平面に振幅型CGHを
形成することができる。尚、ガラスの表面はガラス製品
20のように曲面でもよいし、平面でも良いことは勿論
である。
【0033】このようにガルバノスキャナ5により集光
部分を移動させ、この移動とレーザーのON、OFFと
を同期させることにより、振幅型CGH(Computer Gen
erated Hologram)の干渉縞(白黒のパターン)をガラ
ス瓶20に刻印する。
【0034】ところで、ガルバノスキャナ5のスキャン
可能範囲外の部分を刻印するために、ガラス製品20自
体も機械的に移動させるよう構成してもよい。例えば、
図2示すように本実施例では、刻印すべきガラス瓶20
をモータのついた回転軸(回転装置)7に取り付け、モ
ータはその向きを可変できるような移動ベース(XYテ
ーブル)5に取り付けられており、移動ベース5は加工
装置のメカベース6に対してX軸及びY軸方向(水平2
次元方向)に移動可能に取り付けられている。
【0035】そして、モータ軸7は、加工装置10のメ
カベース6に対して水平になるように向きが調整されて
いる。移動ベース5による直線移動とモータ軸7による
回転移動によって、図3に示すようなガラス瓶20の円
筒部分のガラス内部の広い領域に刻印することができ
る。
【0036】次に、本実施例が用いる振幅型CGHの説
明を行う。
【0037】図3は、振幅型CGHの概念を説明するた
めの平面図である。図3において灰色の矩形領域である
レーザー照射部7が、フェムト秒レーザーによるガラス
材料改質が行われた部分であり、それ以外の白色の領域
は、照射が行われなかった部分である。
【0038】それぞれの矩形領域の大きさは、例えば、
5μm×3μmであり、上記したようなフェムト秒レー
ザーの加工精度で刻印を行うことが十分可能である。す
なわちナノメートルオーダーの制御の必要な位相型CG
Hに比べて、振幅型CGHは加工が容易であることは先
の説明の通りである。
【0039】さて、図3に図示する如く作成された振幅
型CGHの白黒パターンは、まだコントラストが十分で
はない。すなわち現在の市販レーザーを用いて、シリカ
ガラスに対して刻印を実行した場合の屈折率変化は、最
大0.01程度である。したがって、このままでは可視光半
導体レーザーなどのコヒーレントな連続発振光源を照射
しても、コントラストが十分ではなく鮮明な回折像は得
ることはできない。
【0040】そこで本実施例では、本実施例が用いる積
層型振幅型CGHの斜視図である図4で示されるよう
に、同一のパターンの振幅型CGHを深さ方向に複数層
積層させて記録を行い、刻印部分の濃度を高くするよう
に構成している。
【0041】上記の積層型振幅型CGH(9)を刻印す
るために、図2においてfθレンズ4を光軸方向に沿っ
て移動させ、ガラス内部の集光位置(深さ)を変化させ
る。この状態で、ガルバノスキャナ5によりビームをス
キャニングして同一のパターンの刻印を行う。刻印が終
わると、再びfθレンズを移動して、上層への刻印を行
う。ここで、光軸方向に沿って移動させるfθレンズの
移動の向きは、光の進行の方向と逆向きにする必要があ
る。つまり、焦点位置が、次第に浅くなる向きに移動さ
せることが必要である。これは、もし次第に深くなる向
きに移動させたとすると、前回に刻印した部分をレーザ
ー光が透過しなければならなくなり、パワーロスにより
焦点位置における光量が減衰し、同一パターンの加工を
行うことが難しくなるからである。
【0042】こうして次第に上層に刻印していく操作を
繰り返すことにより、照射部分の透過率が減少して次第
に不透明になり、濃淡のコントラストが高くなる。一層
だけ刻印した場合の照射部分の透過率(単層透過率)を
Tとすれば、n層積層した場合の透過率はTのn乗とな
る。層数nは、レーザー照射エネルギーとガラス材質で
決まる単層透過率Tと、振幅型CGH再生像の所望のコ
ントラストから決定される。
【0043】次に、本実施例の製品情報付ガラス瓶にお
ける、製品情報の読み出し方法である、回折像の生成方
法を説明する。
【0044】図5は、振幅型CGHの回折像生成方法を
説明する模式図である。図5のようにガラス瓶20の側
面の材質内部に形成した積層型振幅型CGH9に対し、
可視光半導体レーザーなどのコヒーレントな連続発振光
源を照射すると、刻印されずに残ったガラス材の部分を
透過した光同士が干渉することによって透過回折像が発
生し、積層型振幅型CGH9に記録されている情報(例
えば「ABC」という文字)を再生することができる。
【0045】あるいは、レーザー光源の代わりに、LE
Dや白色光源などのインコヒーレントな光源を用いて、
虚像再生を行うことも可能である。虚像再生は、特別な
光源を必要としないため、誰でも行うことができるため
有用な検査手段である。虚像再生の方法は、本出願人に
より先に特許出願がなされ、特開2000−25038
8号公報に開示された技術を用いて実現することが出来
る。
【0046】以上に説明した本実施例の製品識別情報付
ガラス瓶によれば、振幅型計算機ホログラム(CGH)
を香水瓶などのガラス材料内部に積層して刻印すること
により、偽造防止に効果を発揮することが可能となる。
すなわち、ガラス瓶の内部へ登録商標、製品識別情報や
文字、数字、記号等の製品の固有情報等の情報を積層型
振幅型CGHとして刻印することにより、これらの情報
は容易に削除することができないので、偽造や変造を極
めて困難とすることができる。この結果、メーカにとっ
ては、偽造品による被害額を削減できるとともに、ブラ
ンドイメージの低下を防ぐことができる。そして、顧客
にとっては、商品を安心して購入できるという効果があ
る。
【0047】
【発明の効果】上述した如く、本発明は、光の透過不透
過の違いを高めるように、振幅型計算機生成ホログラム
を多層化して構成したことにより、ガラス瓶等の光透過
性部材の内部に製品識別情報等をホログラムとして記録
し、かつこの記録された情報は消去したり偽造したりす
ることが困難であり、またこの情報を記録したホログラ
ムに単色光を照射して得られる回折像が高いコントラス
トを有することから視認性が良好で回折像の再生装置を
簡潔な構成とすることができ、更に情報の記録すなわち
ホログラムの形成を良好な加工精度で実行できる光情報
記録体、光情報記録体の情報記録方法、容器を提供する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 公知の技術であるレーザー光によりガラス基
板の内部に刻印を記録する方法を説明する模式図であ
る。
【図2】 本発明の実施形態に係る一実施例である製品
識別情報付ガラス瓶における刻印の記録方法を説明する
ための模式図である。
【図3】 振幅型CGHの概念を説明するための平面図
である。
【図4】 図2の製品識別情報付ガラス瓶が用いる積層
型振幅型CGHの斜視図である。
【図5】 振幅型CGHの回折像生成方法を説明する模
式図である。
【符号の説明】
9 積層型振幅型CGH(積層型振幅型計算機生成ホロ
グラム) 20 ガラス瓶(光情報記録体、容器)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の情報を光の透過不透過の違いによっ
    て記録した振幅型計算機生成ホログラム(CGH:Co
    mputer Generated Hologra
    m)を内部に形成した光透過性材料からなる光情報記録
    体であって、 光の透過不透過の違いを高めるように、前記振幅型計算
    機生成ホログラムを多層化して構成したことを特徴とす
    る光情報記録体。
  2. 【請求項2】所定の情報を光の透過不透過の違いによっ
    て記録した振幅型計算機生成ホログラムを内部に形成し
    た光透過性材料からなる光情報記録体の情報記録方法で
    あって、 光の透過不透過の違いを高めるように、前記振幅型計算
    機生成ホログラムを多層化して形成するステップを有す
    ることを特徴とする光情報記録体の情報記録方法。
  3. 【請求項3】前記振幅型計算機生成ホログラムを、超短
    パルスレーザーを用いて形成することを特徴とする請求
    項2記載の光情報記録体の情報記録方法。
  4. 【請求項4】所定の情報を光の透過不透過の違いによっ
    て記録した振幅型計算機生成ホログラムを内部に形成し
    た光透過性材料からなる容器であって、 光の透過不透過の違いを高めるように、前記振幅型計算
    機生成ホログラムを多層化して構成したことを特徴とす
    る容器。
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