JP2002181923A - 車載レーダの照射領域検査装置及び車載レーダの照射領域検査方法 - Google Patents

車載レーダの照射領域検査装置及び車載レーダの照射領域検査方法

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JP2002181923A
JP2002181923A JP2000385351A JP2000385351A JP2002181923A JP 2002181923 A JP2002181923 A JP 2002181923A JP 2000385351 A JP2000385351 A JP 2000385351A JP 2000385351 A JP2000385351 A JP 2000385351A JP 2002181923 A JP2002181923 A JP 2002181923A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車載レーダの照射領域検査の効率の向上を図
り、さらに、検査ラインにおける他のノイズの影響を受
けることなく、高精度の検査を行うこと。 【解決手段】車載レーダから発信される電磁波を受信す
る受信手段と、前記受信手段が受信した電磁波が、前記
車載レーダから発信された電磁波であるか否かを判断す
る判断手段と、前記判断手段の判断結果を報知する報知
手段と、を有し、前記受信手段が、車載レーダから発信
される電磁波の照射領域境界付近に複数設けられた、車
載レーダの照射領域検査装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される
レーダの照射領域が適正か否かを検査する車載レーダの
照射領域検査装置及び車載レーダの照射領域検査方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車載レーダの照射領域検査装置に
あっては、車載レーダの所望の照射領域に複数の反射体
を設置し、この反射体で反射された電磁波(反射波)を
車載アンテナで受信し、この車載アンテナによる受信状
態に基づいて、車載レーダの照射領域が適切となるよう
に、車載レーダの光軸を調整するようにしている。例え
ば、特開平11−194165号公報には、車載レーダ
に対して所定の位置にレーダ信号反射体を配置し、この
反射体を検知し、出力される測距データを利用してレー
ダ照射領域を調整する発明が開示されている。 このよ
うな車載レーダの照射領域検査装置では、車載アンテナ
による受信状態を車内モニタ又は車外モニタに表示させ
て、この表示に基づいて車載レーダの照射領域を確認す
ることとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな照射領域の確認を行うためには、まず、車両に乗り
込んで現在の照射領域を確認し、次に車両を降りて車載
レーダの光軸調整を行い、再度車両に乗り込んで照射領
域の確認を行う必要がある。また、この確認で照射領域
が適当となれば車載レーダの光軸の調整は終了するが、
この確認において照射領域が不適当である場合には、再
度車載レーダの光軸の調整が必要となり、車両への乗降
を頻繁に行わなければならず、調整・検査に時間がかか
るという課題があった。また、車載アンテナの受信状態
を車外モニタにて確認するためには、車内から表示信号
を取り出し、この信号を車外モニタへ送る伝送処理が
(伝送装置)が必要となる。さらに、工場の検査ライン
において、車載レーダに基づく反射信号のみを取得する
ことは困難で、他の信号を排除した検査環境を用意する
必要がある。このためには広大なスペースが必要とな
り、車両周辺には他の電磁波を吸収するための電磁波吸
収体を配置する必要があった。本発明は、このような従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、車載レー
ダの照射領域検査を迅速に行い検査時間を短縮するとと
もに、検査ラインの省スペース化を図ることができる、
車載レーダの照射領域検査装置及び車載レーダの照射領
域検査方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、請求項1記載の車載レーダの照射領域検査装
置は、車載レーダから発信される電磁波を受信する受信
手段と、前記受信手段が受信した電磁波が、前記車載レ
ーダから発信された電磁波であるとともに所定の照射領
域を照射しているか否かを判断する判断手段と、前記判
断手段の判断結果を報知する報知手段とを有し、前記受
信手段は、車載レーダから発信される電磁波の照射領域
境界付近に複数設けられている。
【0005】また、請求項8記載の車載レーダの照射領
域検査方法は、車載レーダから発信される電磁波を、当
該電磁波の照射領域境界付近の複数の計測点にて受信
し、この受信した電磁波が、前記車載レーダから発信さ
れた電磁波であるかとともに所定の照射領域を照射して
いるか否かを判断し、当該判断結果から車載レーダの照
射領域が適正か否かを報知する方法である。
【0006】請求項1、8に係る発明において、複数設
けられた受信手段が車載レーダから発信される電磁波を
受信することから、レーダ発信後拡がりながら伝播する
電磁波を面上にて捕らえることとなる。これにより、車
載レーダから発信された電磁波が、所定の面を照射して
いるか否かを判断することができる。この受信手段は、
車載レーダの電磁波が照射するべき領域である照射領域
境界付近に設けられていることから、面上にて捕らえた
電磁波が、この照射領域を正しく照射しているか否か
(照射領域からずれた面を照射していないか否か)を判
断することができる。
【0007】判断手段は、受信手段にて電磁波を受信し
たか否かと、この受信した電磁波が検査対象車両の車載
レーダから発信された電磁波であるか否かを判断する。
受信手段が受信した電磁波が車載レーダから発信された
電磁波であると判断できれば、この電磁波に基づいて車
載レーダが適切な領域を照射しているか否かを検査する
ことができる。
【0008】そして、複数の受信手段が電磁波を受信
し、その受信した電磁波が車載レーダから発信された電
磁波であれば、車載レーダは所定の照射領域を照射して
おり、車載レーダは所定の照射方向に設定されていると
判断できる。報知手段は、車載レーダの設置に問題があ
るか否かを車載レーダの照射領域検査装置の外部に向け
て報知する。この報知手段は、複数の受信手段が受信し
た電磁波ごとに報知してもよいし、総合的な判断を報知
してもよい。また、報知の内容は、電磁波の受信状況に
基づいて「左側の受信手段は非受信」若しくは「光軸が
右方向にずれている」という報知又は「光軸を左方向に
修正しなさい」という報知であってもよい。この報知手
段は、車載レーダの照射領域を検査するために有用なあ
らゆる情報の報知を行う手段である。
【0009】この発明においては、複数の受信手段にて
車載レーダから発信された電磁波を受信して車載レーダ
の照射領域が適切であるか否かを検査することから、従
来の車載アンテナの受信状態を車外モニタに表示させる
発明のように車両の乗り降りを繰り返す必要がない。ま
た、レーダの照射領域のずれや光軸の修正情報を報知手
段にて確認することができるため、迅速に車載レーダの
照射領域を検査することができる。さらに、受信手段に
て受信した電磁波が、車載レーダから発信されたもので
あるか否かを判断するため、精度の高い検査を行うこと
ができる。
【0010】(2)また、上記目的を達成するため、上
記請求項1記載の発明において、請求項2記載の車載レ
ーダの照射領域検査装置は、前記受信手段が車載レーダ
からパルス出力されたパルス波を受信するパルス波受信
手段であることを特徴としている。この発明は、パルス
受信手段が車載レーダからパルス出力されたパルス波を
受信することができるため、請求項1記載の発明と同等
の効果を有する。ここで、パルス波のパルス出力の形態
は限定されることなく、単一のパルス波出力であって
も、複数のパルス波群出力であってもよい。
【0011】(3)さらに、上記目的を達成するため、
上記請求項2記載の発明において、請求項3記載の車載
レーダの照射領域検査装置は、前記判断手段が、前記パ
ルス波受信手段にて受信されたパルス波の強度を測定
し、当該測定した強度が閾値以上であるか否かを判定す
るパルス波受信強度判定部と、前記パルス波受信手段に
て受信されたパルス波の周期を測定し、当該測定した周
期が、前記車載レーダからパルス出力されたパルス波の
周期と実質的に同一であるか否かを判定するパルス波周
期判定部と、前記パルス波受信手段にて受信されたパル
ス波のパルス群のパルス数を測定し、当該測定したパル
ス群のパルス数が、前記車載レーダからパルス出力され
たパルス波のパルス群のパルス数と実質的に同一である
か否かを判定するパルス数判定部と、前記パルス波受信
手段にて受信されたパルス波のパルス群の周期を測定
し、当該測定したパルス群の周期が、前記車載レーダか
らパルス出力されたパルス波のパルス群の周期と実質的
に同一であるか否かを判定するパルス群周期判定部とを
有し、この判断手段が、前記パルス波受信強度判定部の
判定結果、前記パルス波周期判定部の判定結果、前記パ
ルス数判定部の判定結果、及び前記パルス群周期判定部
の判定結果のうち、いづれか2又は3以上の判定結果に
基づいて、前記受信手段が受信したパルス波が、前記車
載レーダから発信されたパルス波と実質的に同一である
とともに所定の照射領域を照射しているか否かを判断す
ることを特徴としている。
【0012】本発明において、車載レーダの照射領域が
適正であるか否かは、複数設けられた受信手段がパルス
波を受信していることと、このパルス波が車載レーダか
らのパルス波であることとの2つの観点に基づいて判断
する。前記4つの判定手段の判定結果は、2又は3以上
を組み合わせて車載レーダから発信されたパルス波の照
射領域の検査を行う。これら4つの判断結果は、いずれ
を選択して組み合わせても良く、またどのように組み合
わせてもよい。一例を説明すると、まず、判断手段は、
パルス波受信手段が受信したパルス波の情報を取得す
る。そして、判断手段中のパルス波受信強度判定部が、
各受信手段における受信パルス波の強度が閾値以上であ
るか否かを判断する。これにより、ある場所のパルス波
受信手段の受信強度が閾値以下の場合には、ある受信手
段の位置においてパルス波が照射されていないと考えら
れ、車載レーダの照射領域が適切ではない、すなわち車
載レーダの光軸方向が適切ではないということが判断で
きる。この情報に基づけば、車載レーダの照射領域がど
の方向(どの受信手段の方向)に偏っているかを判断す
ることができ、この判断に基づいて車載レーダの光軸を
調整することができる。
【0013】また、判断手段は、各受信手段が受信した
パルス波が検査対象である車載レーダから発信されたも
のであるか否か(実質的に同一であるか否か)を判定す
る。この判定は、判断手段中のパルス波周期判定部と、
パルス数判定部と、パルス群周期判定部とにおいて、予
め記憶させた車載レーダから発信されるパルス波に関す
る情報(パルス波周期、パルス数、パルス群周期)に基
づいて、それが実質的に同一か否か(減衰を考慮して同
一を判断する)において行われる。これらの判定は、パ
ルス波受信強度判定部の起動と前後して起動することが
できる。すなわち、まず、パルス波を受信し、受信パル
ス波の強度を判定してから、そのパルス波が車載レーダ
から発信されたパルス波であることを判定してもよい
し、パルス波を受信し、そのパルス波が車載レーダから
発信されたパルス波であることを判定してから、受信し
たパルス波の強度を判定してもよい。
【0014】このように、本発明に係る車載レーダの照
射領域検査装置は、パルス波受信手段が受信したパルス
波が検査対象の車載レーダから出力されたパルス波であ
るか否かを、パルス波周期と、パルス群のパルス数と、
パルス群のパルス群周期とから減衰を考慮した上で、2
又は3以上の判定結果を組み合わせて、その実施的同一
性から判定を行うため、自動車の製造ラインのように様
々な音や光の影響がありうる外部ノイズが多い環境下で
あっても、精度の高い検査を行うことができる。
【0015】以上により、この発明に係る車載レーダの
照射領域検査装置は、車載レーダの照射領域が適正であ
るか否かを迅速に検査することができるとともに、車載
レーダの照射領域(車載レーダの光軸)がどちらに偏っ
ているか、という光軸の調整に必要な情報を得ることが
できる。さらに、受信したパルス波が、検査対象である
車載レーダから発信されたパルス波であることをパルス
周期、パルス数、パルス群周期等から判定するため、精
度の高い車載レーダの照射領域の検査を行うことができ
る。
【0016】(4)上記目的を達成するため、請求項4
記載の車載レーダの照射領域検査装置は、前記パルス波
受信手段が縦方向又は横方向に移動しながら車載レーダ
から発信されるパルス波を受信することを特徴としてい
る。
【0017】この発明に係る車載レーダの照射領域検査
装置は、パルス波受信手段が移動しながら車載レーダか
ら発信されたパルス波を受信するため、移動中複数の場
所にてパルス波を受信することができる。これにより、
一つのパルス波受信手段が移動する方向に沿って複数の
場所で受信パルス波の照射領域を検査することができ、
車載レーダの照射領域検査装置に設けるパルス波受信手
段の数を少なくすることができる。
【0018】(5)また、上記目的を達成するため、上
記請求項1記載の発明において、請求項5記載の車載レ
ーダの照射領域検査装置は、前記受信手段が車載レーダ
から連続波出力された連続波を受信する連続波受信手段
であることを特徴としている。 この発明に係る車載レ
ーダの照射領域検査装置は、受信手段が車載レーダから
連続波出力された連続波を受信することができるため、
請求項1記載の発明と同等の効果を有する。
【0019】(6)さらに、上記目的を達成するため、
上記請求項5記載の発明において、請求項6記載の車載
レーダの照射領域検査装置は、前記判断手段が、前記連
続波受信手段にて受信された連続波の強度を測定し、当
該測定した強度が閾値以上であるか否かを判定する連続
波受信強度判定部と、前記連続波受信手段にて受信され
た連続波の周波数を測定し、当該測定した周波数が、前
記車載レーダから連続波出力された連続波の周波数と実
質的に同一であるか否かを判定する連続波周波数判定部
とを有することを特徴としている。
【0020】本発明において、車載レーダの照射領域が
適正であるか否かは、複数設けられた連続波受信手段が
連続波を受信していることと、この連続波が車載レーダ
からの連続波であることとの2つの観点に基づいて判断
する。
【0021】まず、判断手段は、連続波受信手段が受信
した連続波の情報を取得する。そして、判断手段中の連
続波受信強度判定部が、各連続波受信手段における受信
連続波の強度が閾値以上であるか否かを判断する。これ
により、ある場所の連続波受信手段の受信連続波が閾値
以下の場合には、ある受信手段の位置において連続波が
照射されていないと考えられ、車載レーダの照射領域が
適切ではない、すなわち車載レーダの光軸方向が適切で
はないということが判断できる。この情報に基づけば、
車載レーダの照射領域がどの方向(どの受信手段の方
向)に偏っているかを判断することができ、この判断に
基づいて車載レーダの光軸を調整することができる。
【0022】また、判断手段は、各連続波受信手段が受
信した連続波が検査対象である車載レーダから発信され
たものであるか否かを判定する。この判定は、判断手段
中の連続波周期判定部において、予め記憶させた車載レ
ーダからの連続波に関する情報(連続波周波数)に基づ
いて、実質的に同一か否かの判断(減衰を前提として)
において行われる。これらの判定は、連続波受信強度判
定部の起動と前後して起動することができる。すなわ
ち、まず連続波を受信し受信連続波の強度を判定してか
らその連続波が車載レーダから発信された連続波である
ことを判定してもよいし、連続波を受信し、その連続波
が車載レーダから発信された連続波であることを判定し
てから受信連続波の強度を判定してもよい。
【0023】このように、本発明に係る車載レーダの照
射領域検査装置は、受信手段が受信した連続波出力され
た連続波が検査対象の車載レーダから連続波出力された
連続波であるか否かを連続波周期から判定するため、自
動車の製造ラインのように様々な音や光の影響がありう
る外部ノイズが多い環境下であっても、精度の高い検査
を行うことができる。
【0024】以上により、この発明に係る車載レーダの
照射領域検査装置は、車載レーダの照射領域が適正であ
るか否かを迅速に検査することができるとともに、車載
レーダの照射領域(車載レーダの光軸)がどちらに偏っ
ているか、という光軸の調整に必要な情報を得ることが
できる。さらに、受信した連続波が検査対象である車載
レーダから発信された連続波であることを連続波の周波
数から判定するため、精度の高い車載レーダの照射領域
の検査を行うことができる。
【0025】(7)請求項7記載の車載レーダの照射領
域検査装置は、前記連続波受信手段が照射領域境界に沿
って移動しながら車載レーダから発信される連続波を受
信することを特徴としている。この発明に係る車載レー
ダの照射領域検査装置は、連続波受信手段が照射領域境
界に沿って移動しながら車載レーダから発信された連続
波を受信するため、移動中複数の場所にて連続波を受信
することができる。これにより、一つの連続波受信手段
が移動する照射領域境界に沿って、複数の場所で受信連
続波の照射領域を検査することができ、車載レーダの照
射領域検査装置に設ける連続波波受信手段の数を少なく
することができる。
【0026】
【発明の効果】(1)請求項1、8に係る発明によれ
ば、複数の受信手段にて車載レーダから発信されたパル
ス波を受信して、車載レーダの照射領域が適切であるか
否かを検査することから、従来の車載アンテナの受信状
態を車外モニタに表示させる発明のように、車両の乗り
降りを繰り返す必要がない。また、レーダの照射領域の
ずれや光軸の修正情報を報知手段にて確認することがで
きるため、迅速に車載レーダの照射領域を検査すること
ができる。さらに、受信手段にて受信したパルス波が、
車載レーダから発信されたものであるか否かを判断する
ため、精度の高い検査を行うことができる。
【0027】(2)請求項2に係る発明によれば、パル
ス受信手段が、車載レーダからパルス出力されたパルス
波を受信することができるため、請求項1記載の発明と
同等の効果を有する。
【0028】(3)請求項3に係る発明によれば、車載
レーダの照射領域が適正であるか否かを迅速に検査する
ことができるとともに、車載レーダの照射領域(車載レ
ーダの光軸)がどちらに偏っているか、という光軸の調
整に必要な情報を得ることができる。さらに、受信した
パルス波が、検査対象である車載レーダから発信された
パルス波であることを多方面(パルス周期、パルス数、
パルス群周期)から判定するため、精度の高い車載レー
ダの照射領域の検査を行うことができる。
【0029】(4)請求項4に係る発明によれば、パル
ス波受信手段が移動しながら車載レーダから発信された
パルス波を受信するため、移動中複数の場所にてパルス
波を受信することができる。これにより、一つのパルス
波受信手段が移動する方向に沿って、複数の場所で受信
パルス波の照射領域を検査することができ、車載レーダ
の照射領域検査装置に設けるパルス波受信手段の数を少
なくすることができる。
【0030】(5)請求項5に係る発明によれば、受信
手段が、車載レーダから連続波出力された連続波を受信
することができるため、請求項1記載の発明と同等の効
果を有する。
【0031】(6)請求項6に係る発明によれば、車載
レーダの照射領域が適正であるか否かを迅速に検査する
ことができるとともに、車載レーダの照射領域(車載レ
ーダの光軸)がどちらに偏っているか、という光軸の調
整に必要な情報を得ることができる。さらに、受信した
連続波が、検査対象である車載レーダから発信された連
続波であることを連続波の周波数から判定するため、精
度の高い車載レーダの照射領域の検査を行うことができ
る。
【0032】(7)請求項7に係る発明によれば、連続
波受信手段が照射領域境界に沿って移動しながら車載レ
ーダから発信された連続波を受信するため、移動中複数
の場所にて連続波を受信することができる。これによ
り、一つの連続波受信手段が移動する照射領域境界に沿
って、複数の場所で受信連続波の照射領域を検査するこ
とができ、車載レーダの照射領域検査装置に設ける連続
波波受信手段の数を少なくすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】(1)第1の実施形態 以下、本発明の第1の実施形態を図面1〜図9に基づい
て説明する。図1は本発明の車載レーダの照射領域検査
装置を用いた車載レーダ送信軸の調整を説明するための
説明図であり、図2は本発明の第1の実施形態の車載レ
ーダの照射領域検査装置を示す図であり、図3は本発明
の第1の実施形態の車載レーダの照射領域検査装置の1
の受信装置が取得した信号の処理を示す第1の構成図で
あり、図4は本発明の第1の実施形態の車載レーダの照
射領域検査装置の1つの受信装置が取得した信号の処理
を示す第2の構成図であり、図5は、本発明の第1の実
施形態の車載レーダの照射領域検査装置の1つの受信装
置が取得した信号の制御手順を示すフローチャート図で
あり、図6は車載レーダから受信したパルス波の第1の
信号形態を示す図であり、図7は本発明の第1の実施形
態の車載レーダの照射領域検査装置に設けられた4つの
受信装置が取得した信号の処理を示す構成図であり、図
8は図7で示した第1の実施形態に係る車載レーダの照
射領域検査装置のブロック図であり、図9は図7で示し
た第1の実施形態に係る車載レーダの照射領域検査装置
の制御手順を示すフローチャート図である。
【0034】これらの図面に基づいて、本実施形態に係
る車載レーダの照射領域検査装置1を説明する。まず、
第1実施形態の概略を説明すると、この第1実施形態で
は電磁波は赤外線を用い、出力波形はパルス波形であ
る。この電磁波の同一性を判断するにあたってはパルス
強度、パルス周期(間隔)、パルス群中のパルス数及び
パルス群周期の検知結果を用いて判断を行う。また、こ
の実施形態においては受信装置2が上下左右の4個所に
設けられている。
【0035】<車載レーダの照射領域検査装置と検査対
象となる車載レーダ>図1(a)(b)は、本発明の車
載レーダの照射領域検査装置1を用いた車載レーダの光
軸の調整を説明するための説明図である。車両10には
レーダ装置100が搭載されている。レーダ装置100
から発信された電磁波の広がりを100aとして示し
た。レーダ装置100から発信された電磁波は放射状に
拡がって車載レーダの照射領域検査装置1の配置面を照
射する。車載レーダの照射領域検査装置1には、4つの
受信装置21,22,23,24が設けられ、それぞれ
が、車載レーダ100からの電磁波を受信する。
【0036】この車載レーダの照射領域検査装置1につ
いて説明する。この車載レーダの照射領域検査装置1
は、車載レーダの光軸を調整する際に使用される。具体
的には、車載レーダの前方、所定距離をおいて車載レー
ダの照射領域検査装置1を配置し、受信装置21,2
2,23,24が車載レーダの照射領域境界付近となる
ようにする。この状況の下で車載レーダ100を動作さ
せて電磁波を発信させた場合、車載レーダの照射領域検
査装置1の受信装置のすべて(21,22,23,2
4)が、車載レーダ100発信の電磁波を受信している
か否かを検査する。この検査結果について報知装置4の
報知に従い、車載レーダの光軸を上下左右に調整する。
【0037】<車載レーダの照射領域検査装置の全体構
成>図2は本発明の第1の実施形態の車載レーダの照射
領域検査装置を示す図である。第1の実施形態にかかる
車載レーダの照射領域検査装置1は、車載レーダ100
から発信される電磁波の発信形態を限定することなく検
査し、パルス発信であっても連続波発信であっても検査
できる。本実施形態の照射領域検査装置はパルス発信の
電磁波の検査を行う。第1の実施形態では、上下左右に
4つの受信装置21,22,23,24が設けられてい
る。受信装置2は、照射領域の境界付近に設けられ、車
載レーダ100から発信された電磁波を照射領域の境界
付近にて受信し、その受信状態と、受信した電磁波が検
査対象である車載レーダ100から発信された電磁波で
あるか否かを判断するための情報とを検知する。この受
信装置2は、検査対象の車載レーダ100が有する受信
装置(対象物からの反射電磁波を受信する)と同じ受信
装置であることが好ましい。
【0038】また、第1の実施形態では、受信装置2中
の受信部の隣に報知装置4を配置した。この報知装置4
は、車載レーダ100からの電磁波が閾値以上の強度で
受信されたか、及び/又は受信した電磁波のパルス周
期、パルス数等が実質的に同一か否かを判断した場合に
検査対象車載レーダ100からの電磁波であるか否か、
その他の車載レーダ100の光軸を調整するために必要
な情報を報知する装置(手段)である。受信装置2、判
断部3(図3、4参照)、報知装置4は、一体として車
載レーダの照射領域検査装置1を構成することもできる
し、有線又は無線で接続したうえで分割して配置しても
よい。また、複数の車載レーダの照射領域検査装置1の
複数の受信装置2が受信した信号を一つの判断部3が処
理することも可能である。
【0039】図3は本発明の第1の実施形態の車載レー
ダの照射領域検査装置の複数設けられた受信装置2の1
つが取得した信号を処理する判断部3を示す第1の構成
図である。この構成では判断部3中に、受信した電磁波
の強度を判定するレーダ信号強度検出部3aを備えてい
る。レーダ信号強度検出部3aは受信装置2から受けた
電磁波の強度を検出し、検出した強度をレーダ信号強度
判定部3bに送る。この強度に基づき、レーダ信号強度
判定部3bは、受信電磁波が所定の車輌から発信された
電磁波かを判定する。この判断の基準となる車載レーダ
100から発信される電磁波の情報(電磁波の同一性を
判断するためのあらゆる情報をいう。例えば、周波数、
周期、パルス数等を含む)は、予め車載レーダの照射領
域検査装置1に記憶させておく。
【0040】この判断においては受信する電磁波の減衰
も考慮する。レーダ信号判定部3Bに含まれる各構成
は、パルス電磁波を周期、パルス群のパルス数、パルス
群の周期の観点から特定する働きを有する。これは、パ
ルス波を特定するためには、これらの特定要素がすべて
必要というような限定的な意図ではなく、測定数値がゼ
ロ又は無限大という数値に基づいても電磁波の特定を行
うこともできる。例えば、パルス群のパルス数は「1」
であってもよく(パルス群発信ではなく、単一パルス発
信)、パルス群の周期が無限大(単一のパルス発信のみ
で特定する)ということも可能である。ただし、他の電
磁波(音、光等)の影響を受けやすい自動車検査ライン
においてはパルス群発信されたパルス電磁波に基づき検
査することが好ましい。判断部3は車載レーダからパル
ス発信された電磁波が、すべての受信装置において減衰
を考慮した閾値以上の強度で受信しているか否かを検知
する。 以上の車載レーダからの電磁波と受信電磁波と
の同一性の判断については、第2の実施形態、第3の実
施形態においても基本的に同じである。
【0041】図4はこの構成では判断部3中に、受信し
た電磁波の特徴を判定するレーダ信号情報検出部3cを
備えている。レーダ信号情報検出部3cは受信装置2か
ら受けた電磁波の情報を検出し、検出した情報をレーダ
信号情報判定部3dに送る。この情報に基づき、レーダ
信号情報判定部3dは、受信した電磁波が検査対象車載
レーダから照射されたものであるかを判定する。図3及
び図4に示した各構成は、それぞれ独立に設けられても
よいし、組み合わせて(レーダ信号強度検出部3aとレ
ーダ信号情報検出部3cとの組み合わせ、又はレーダ信
号強度判定部3bとレーダ信号情報判定部3dとの組み
合わせ)構成してもよい。以上、車載レーダからの電磁
波と受信電磁波との同一性の判断については、第1の実
施形態、第2の実施形態においても基本的に共通する。
【0042】<動作>図5は、本発明の第1の実施形態
の4つ車載レーダの照射領域検査装置のうち1つの受信
手段が取得した信号の制御手順を示すフローチャート図
である。判断部3は、電磁波強度、パルス波周期、パル
ス群のパルス数、及びパルス群の周期の中から、これら
のうちのいずれか1つ或いは2以上の結果を組み合わせ
て総合的電磁波の同一性について判断することができる
が、第1の実施形態ではパルス強度を主の規準とし、他
の要素を従の規準として判断する。具体的には、動作が
開始されると(例えば、受信信号を受信すると)(ステ
ップ1)、受信装置2が受信した受信信号強度が閾値以
上か否かを判断する(ステップ2)。この閾値は発信さ
れた電磁波の減衰を考慮したものであって、照射領域に
配置された受信装置2を所定の強度以上で照射している
か否かを判断するための値である。照射領域の境界付近
に複数配置された受信装置2のすべてが閾値以上の強度
で電磁波を受信していれば車載レーダ100の照射領域
は適当であると考えられる。受信装置2が閾値以上の受
信信号を受信していない場合には(ステップ2)車載レ
ーダの光軸を調整してから再度受信信号を受け付ける
(ステップ1)。一方、受信信号強度が閾値以上であれ
ばステップ3に進む。ステップ3では、判断部3が、受
信装置2の受信した受信電磁波について、これが車載レ
ーダから出力された電磁波の信号形態と実質的に同一で
あるか否かを判断する(ステップ3)。この判断は、必
要に応じて発信された電磁波が受信されるまでの減衰を
考慮したうえで、実質的に同一であるか否かを判断す
る。具体的にはパルス間隔とパルス群周期については同
じ周期、パルス群中のパルス数は減衰分も考慮したうえ
でほぼ同じ数である場合に実施的に同一であると判断す
る。この判断規準は、文献又は実験に従い任意に規定す
ることができる。他方、車載レーダ発信の電磁波と異な
ると判断した場合には、受信装置2は車載レーダの照射
領域からずれていると考えられるから、再度車載レーダ
の光軸を調整し、ステップ1に戻る。一方実質的に同一
であると判断した場合には、その旨の報知信号が出力さ
れ(ステップ4)、報知装置4が動作する(ステップ
5)。
【0043】<受信装置が取得する電磁波>受信装置2
は車載レーダ100から発信された電磁波を受信する。
電磁波は、電波と光(赤外線、可視光、紫外線、X線、
γ線等)など電磁場の振動が伝わる現象をいい、具体的
に長距離検出用の車載レーダ装置として利用されるもの
には、赤外光を用いるレーザレーダや電波レーダなどが
ある。第1の実施形態では赤外線を採用し、出力波形は
パルス出力としている。なお、レーダ方式については短
時間のパルス信号を送信し、前方の物標からの反射波を
受信するまでの遅延時間より距離検出するパルス方式
や、三角波で周波数変調した連続波を送信し、前方物標
からの反射波の周波数と反射受信時の送信周波数差から
遅延時間を検出し、この情報から距離を算出するFM−
CW方式などがある。さらに、反射物標の方位を検出す
る方式には、送信信号の送出方位を横方向又は/及び縦
方向に移動させながら送信して、反射信号が得られる送
信信号送出方位から物標の方位を検出するビームスキャ
ン方式や、送出方位を異ならせた複数の固定ビームによ
り得られる受信強度差より物標方位を演算するモノパル
ス方式等がある。本実施形態では、いずれの方式を採用
する車載レーダ100であっても、その照射領域を検査
することができる。
【0044】図6は車載レーダから発信された電磁波の
第1の信号形態を示す図である。ここで示した電磁波の
例は間欠の赤外レーザ光(パルス幅τ)である。電磁波
(赤外レーザ光等)を前方に照射し、前方物標からの反
射光を受信するまでの時間差Tにより、物標までの距離
Dを算出するものである。具体的な算出方法は、D=C
・T/2(但し、Cは光速)とすることができる。ま
た、ビームスキャン方式を採用した場合には、(図10
で示す)反射ミラー101の角度を変えることで上記パ
ルス光の照射角度を横方向にずらして、距離計測を行
う。例えば、パルス幅τ=20nsecの赤外線を100μ
secの間隔で照射角度を0.02度づつ横方向にスキャ
ンしながら前方に照射する。横方向にビームスキャンす
る全角度はおよそ12度である。
【0045】4つの受信装置を有する車載レーダの照射
領域検査装置 図7は本発明の第1の実施形態の車載レーダの照射領域
検査装置に設けられた4つの受信装置が取得した信号の
処理を示す構成図である。この車載レーダの照射領域検
査装置1は、基本的に上記において説明した単体の車載
レーダの照射領域検査装置と働きは同様である。受信装
置21,22,23,24がそれぞれ別々の位置にて車
載レーダ100からの電磁波を受信し、これをそれぞれ
レーダ信号検出部3A1,3A2,3A3,3A4に送
信され、各電磁波の強度、情報(周期、パルス数、パル
ス群数、パルス群周期、周波数等)に基づいて、レーダ
信号判定部3Bにおいて車載レーダ100から発信され
た電磁波であるか否かを判断する。このレーダ信号判定
部3Bでは、「光軸方向がずれている」「光軸方向が適
当である」という情報のみならず、「光軸方向が右方向
にずれている」若しくは「光軸方向が上方向にずれてい
る」、又は「光軸を左方向に修正するべき」若しくは
「光軸方向を下方向に修正するべき」との判断であって
もよい。この判断情報を取得した報知装置4がその旨を
報知する。この実施形態では一つのレーダ信号判定部3
Bが4つの受信装置が受信した電磁波について判断した
が、このレーダ信号判定部3Bは受信装置2に対応して
分散して設けられてもよい。
【0046】図8は図7で示した第1の実施形態に係る
車載レーダの照射領域検査装置のブロック図である。車
載レーダ100から発信された電磁波は、受信装置2
(21,22,23,24)にて受信され、判断部3中
のレーダ信号検出部(3A1,3A2,3A3,3A
4)を経て、同じく判断部3中のレーダ信号判定部3B
にて、受信電磁波が適切な照射領域を照射しているか、
また受信した電磁波が所定の車載レーダの発信したもの
かを判断し、報知装置4が判断結果を報知する。この報
知装置4は、受信装置2ごとの検査結果を報知するもの
であってもよいし、複数の受信装置2からの情報に基づ
く総合的判断(検査結果)を報知するものであってもよ
い。また、報知装置4は、音声、光による指示等の情報
伝達手段により情報を報知する。報知装置は、視覚に訴
えるランプ点灯、聴覚に訴えるブザー音であってもよ
く、ランプの色を変えたり、ブザーの音の音色を変えた
り、具体的な音声ガイダンスによって検査結果を報知す
るものであってもよい。この車載レーダの照射領域検査
装置1の報知装置により報知された情報に基づき車載レ
ーダ100中の光軸調整手段を介して光軸が調整され、
照射領域が適当と判断されたとことで検査が終了する。
【0047】図9は図7で示した第1の実施形態に係る
車載レーダの照射領域検査装置の制御手順を示すフロー
チャート図である。ここで示した制御手順は、受信装置
2を4つ有する車載レーダの照射領域検査装置1の判断
部3におけるものである。動作開始後(ステップ1
1)、4つの受信装置が受信した電磁波の受信信号強度
が4個所ともすべて閾値以上であるか否かを判断する
(ステップ12)。4個所の受信強度がすべて閾値以上
であればステップ13へ進み、受信した電磁波が4個所
とも車載レーダ100から発信された電磁波であるか否
かを判断する(ステップ13)。この判断は、レーダ信
号検出部(3A1,3A2,3A3,3A4)で取得し
た電磁波の情報(周期、パルス数、パルス群数、パルス
群周期、周波数等)に基づいて行われる。受信電磁波が
車載レーダ100発信の電磁波である場合にはステップ
14へ進み、光軸方向が適当である場合には車載光軸の
調整が不要である旨の信号を出力し(ステップ14)、
報知装置4が車載光軸調整完了を報知する(ステップ1
5)。
【0048】一方、1個所でも受信信号強度が閾値以上
でない場合(ステップ12)、受信した電磁波が1個所
でも車載レーダの電磁波でない場合(ステップ13)に
はステップ16へ進み、上下位置の受信機は照射領域に
合致しているか否かを判断する(ステップ16)。これ
は上下の位置に配置された受信装置21,23の受信状
態に基づいて判断される。上下位置の受信装置2のすべ
てが車載レーダ100発信の電磁波を閾値以上の強度で
受信している場合には、光軸は上下方向にずれていない
と判断できる。この場合にはステップ17へ進み、左右
方向のずれを検証する。左右の位置に配置された受信装
置2いずれが車載レーダ100からの電磁波を閾値以上
の強度で受信していないかとの情報を得ることで、左右
いずれの受信装置2が車載レーダ100の照射領域に合
致しないか、すなわち車載レーダ100の光軸が左右ど
ちら側に偏っているかを検証することができる。ステッ
プ17の検証において左方向の受信装置が照射領域から
ずれていることが判明すれば、右方向報知信号、すなわ
ち、右方向に位置する受信装置が車載レーダ100の電
磁波を閾値以上の強度で受信していない旨の報知信号が
出力され(ステップ19)、報知装置4により車載レー
ダ100が右方向にずれているとの報知がされる(ステ
ップ20)。この報知には、ずれている方向を示唆する
報知のみならず、車載レーダ100の光軸の調整すべき
方向を示唆する報知、その他レーザ軸の調整に有用な情
報の報知を含む。
【0049】この電磁波の受信状況の検証(ある受信装
置が検査対象である車載レーダ100から発信される電
磁波を閾値以上の強度で受信したか)は、上下、左右の
各組み合わせにおいて行われ(ステップ16〜ステップ
26)、車載レーダ100の光軸がいずれの方向に偏っ
ているかを検査する。
【0050】<車載レーダ>ここで、本発明の検査対象
となる車載レーダ100について図10〜図12に基づ
いて簡単に説明する。図10はビームスキャン式の車載
レーダを説明する説明図であり、反射ミラー101の角
度を変えることで上記パルス光の照射角度を横方向にず
らして、距離計測を行う。例えば、パルス幅τ=20ns
ecの赤外線を100μsecの間隔で照射角度を0.02
度づつ横方向にスキャンしながら前方に照射する。横方
向にビームスキャンする全角度はおよそ12度である。
【0051】図11はメカニカルスキャン式の車載レー
ダを説明する説明図であり、レーダ部全体をモータで左
右に回転させて送信ビームをスキャンするメカニカルス
キャン式のものを例とした。図12はマルチビーム式の
車載レーダを説明する説明図であり、送信方位の異なっ
た複数のアンテナを切り替えて送受信を行うマルチビー
ム式のものを例とした。
【0052】この実施形態によれば、複数の受信装置に
て車載レーダから発信された電磁波を受信して、車載レ
ーダの照射領域が適切であるか否かを検査することか
ら、従来の車載アンテナの受信状態を車外モニタに表示
させる発明のように、車両の乗り降りを繰り返す必要が
ない。また、レーダの照射領域のずれや光軸の修正情報
を報知装置にて確認することができるため、迅速に車載
レーダの照射領域を検査することができる。さらに、受
信装置にて受信した電磁波が、車載レーダから発信され
たものであるか否かを判断するため、精度の高い検査を
行うことができる。
【0053】(2)第2の実施形態 第2の実施形態を図13〜図18に基づいて説明する。
第2の実施形態は、基本的構成、動作については第1の
実施形態と共通するが、電磁波の種類は電波であり、出
力波形はパルス出力である。この電磁波の同一性を判断
するにあたっては電波強度、パルス周期(間隔)、パル
ス群中のパルス数及びパルス群周期の検知結果を用いて
判断を行う。また、この実施形態においては上下に移動
する受信装置と左右に移動する受信装置2が2つ設けら
れている。以下、第1の実施形態とは異なる点を中心に
説明し、共通する部分については省略する。
【0054】<第2の実施形態にかかる車載レーダの照
射領域検査装置>2つの受信装置を有する車載レーダの照射領域検査装置 図13は本発明の第2の実施形態に係る車載レーダの照
射領域検査装置のブロック図であり、図14は図13で
示した第2の実施形態に係る車載レーダの照射領域検査
装置に設けられた1つの受信装置の制御手順を示すフロ
ーチャート図であり、図15は図13で示した第2の実
施形態に係る車載レーダの照射領域検査装置に設けられ
た4つの受信装置の制御手順を示すフローチャート図で
あり、図16は電磁波をパルス出力する車載レーダを説
明する説明図であり、図17は車載レーダから受信した
パルス波の信号形態を示す図であり、図18は第2の実
施形態における受信装置の一例を示す図である。この実
施形態では、上下に移動する受信装置と左右に移動する
受信装置がそれぞれ2個所で検査を行い、合計4個所に
おける受信信号に基づいて車載レーダの照射領域の検査
を行う。
【0055】図13は本発明の第2の実施形態に係る車
載レーダの照射領域検査装置のブロック図である。第2
の実施形態に係る車載レーダの照射領域検査装置1x
は、車載レーダ100xから発信される電波がパルス波
である場合に、車載レーダ100xの照射領域を検査す
る。第1の実施形態と同様に、受信装置2x、判断部3
x、報知装置4xとを有している。ただし、受信装置2
xは、パルス波受信装置A,B,(21x、22x、)
を有しており、判断部3xは、電波受信強度判定部31
x、パルス波周期判定部32x、パルス数判定部33
x、パルス群周期判定部34xとを有している。
【0056】受信装置2xは、上下、左右に移動する2
つの受信装置が各2個所、合計4個所にて受信を行う。
なお、この場合にはレーダ装置からのパルス波を受信で
きるように、受信装置にホーンアンテナ等の電波受信装
置を設けることが好ましい。判断部3xは、受信装置2
xが受信した電磁波が、検査対象である車載レーダ10
0xから発信された電磁波であるか否かを判断すること
となる。
【0057】この判断の具体例をあげると、例えば、受
信パルス波がおおよそ100μsec間隔のパルス信号
であり、且つパルス数が10パルス以上観測され、該パ
ルス群の観測周期がスキャン周期である100msec
と同等であることが確認されると、観測されたパルス波
が検査対象であるビームスキャン式の車載レーダからの
送出信号であると判断し、この判断結果を報知装置へ送
出する。この検査対象となる車載レーダ100xから発
信される電磁波の情報は、検査に際して車載レーダの照
射領域検査装置1xに記憶させる。
【0058】判断部3x中のパルス波受信強度判定部3
1xは、照射された電磁波が所定の照射領域を照射して
いるか否かを判定する。所定の照射領域境界に設けられ
た受信装置2xの受信状況(閾値以上の受信強度がある
かどうか)により、パルス波発信の光軸方向が適当であ
るか否かを判断することができる。
【0059】判断部3x中のパルス波周期判定部32
x、パルス数判定部33x、パルス群周期判定部34x
は、受信パルス電磁波を特定するとともに、この受信パ
ルス電磁波が車載レーダ100xから発信されたパルス
電磁波であるか否かを判断する。この判断においては受
信する電磁波の減衰も考慮する。これらの各構成は、パ
ルス電磁波を周期、パルス群のパルス数、パルス群の周
期の観点から特定する働きを有する。これは、パルス波
を特定するためには、これらの特定要素がすべて必要と
いうような限定的な意図ではなく、測定数値がゼロ又は
無限大という数値に基づいても電磁波の特定を行うこと
もできる。例えば、パルス群のパルス数は「1」であっ
てもよく(パルス群発信ではなく、単一パルス発信)、
パルス群の周期が無限大(単一のパルス発信のみで特定
する)ということも可能である。ただし、他の電磁波
(音、光等)の影響を受けやすい自動車検査ラインにお
いてはパルス群発信されたパルス電磁波に基づき検査す
ることが好ましい。判断部3xは車載レーダからパルス
発信された電磁波が、すべての受信装置において減衰を
考慮した閾値以上の強度で受信しているか否かを検知す
る。この判断部3xの判断に基づいて、報知装置4x
は、車載レーダの光軸方向についての情報を報知する。
この報知については第1の実施形態と同様である。
【0060】受信装置がある1つの受信個所で受信した
情報の処理 図14は図13で示した第2の実施形態に係る車載レー
ダの照射領域検査装置に設けられた1つの受信装置が一
個所にて受信した情報の制御手順を示すフローチャート
図である。動作が開始される(受信信号を受信する)と
(ステップ21)、各受信装置2xが受信信号が閾値以
上の強度であるか否かを判断する(ステップ22)。受
信装置2xの1個所でも受信強度が閾値以下であれば、
光軸を調整して再度ステップ21へ戻る。一方受信電磁
波の信号強度が閾値以上であればステップ23へ進み、
受信パルス波のパルス周期、パルス群中のパルス数、パ
ルス群の周期が、車載レーダから出力された電磁波のそ
れと合致するか否かを判断する(ステップ23)。合致
しなければ、車載レーダ100xの照射領域は適当でな
いため、再度光軸を調整してステップ21へ戻る。一
方、合致すると判断した場合にはその旨の報知信号が出
力され(ステップ24)、報知装置4xが動作する(ス
テップ25)。
【0061】2つの受信装置が4個所にて受信した情報
の処理 図15は図13で示した第2の実施形態に係る車載レー
ダの照射領域検査装置に設けられた4つの受信個所にて
受信した情報を処理する制御手段3xの制御手順を示す
フローチャート図である。ここで示した制御手順は、受
信装置2xを2つ有する車載レーダの照射領域検査装置
1の判断部3xにおけるものである。動作開始後(ステ
ップ201)、4つの受信装置が受信した電磁波の受信
信号強度が4個所ともすべて閾値以上であるか否かを判
断する(ステップ202)。4個所の受信強度がすべて
閾値以上であればステップ203へ進み、4個所で受信
した電磁波のパルス周期、パルス群中のパルス数、パル
ス群の周期は、いずれも車載レーダから出力された電磁
波のそれと合致するか、どうかを判断する(ステップ2
03)。受信電磁波が車載レーダ100x発信の電磁波
である場合にはステップ204へ進み、光軸方向が適当
である場合には車載光軸の調整が不要である旨の信号を
出力し(ステップ204)、報知装置4xが車載光軸調
整完了を報知する(ステップ205)。
【0062】一方、1個所でも受信信号強度が閾値以上
でない場合(ステップ202)、受信した電磁波が1個
所でも車載レーダの電磁波でない場合(ステップ20
3)にはステップ206へ進み、上下位置の受信機は照
射領域に合致しているか否かを判断する(ステップ20
6)。これは上下の位置に配置された受信装置21,2
3(図2参照)の受信状態に基づいて判断される。上下
位置の受信装置2xのすべてが車載レーダ100x発信
の電磁波を閾値以上の強度で受信している場合には、光
軸は上下方向にずれていないと判断できる。この場合に
はステップ207へ進み、左右方向のずれを検証する。
左右の位置に配置された受信装置2いずれが車載レーダ
100xからの電磁波を閾値以上の強度で受信していな
いかとの情報を得ることで、左右いずれの受信装置2が
車載レーダ100xの照射領域に合致しないか、すなわ
ち車載レーダ100xの光軸が左右どちら側に偏ってい
るかを検証することができる。ステップ207の検証に
おいて左方向の受信装置が照射領域からずれていること
が判明すれば、右方向報知信号、すなわち、右方向に位
置する受信装置が車載レーダ100xの電磁波を閾値以
上の強度で受信していない旨の報知信号が出力され(ス
テップ209)、報知装置4xにより車載レーダ100
xが右方向にずれているとの報知がされる(ステップ2
10)。この報知には、ずれている方向を示唆する報知
のみならず、車載レーダ100xの光軸の調整すべき方
向を示唆する報知、その他レーザ軸の調整に有用な情報
の報知を含む。
【0063】この電磁波の受信状況の検証(ある受信装
置が検査対象である車載レーダ100xから発信される
電磁波を閾値以上の強度で受信したか)は、上下、左右
の各組み合わせにおいておこなわれ(ステップ206〜
ステップ216)、車載レーダ100xの光軸がいずれ
の方向に偏っているかを検査する。
【0064】<パルス出力をする車載レーダ>図16は
電磁波をパルス出力する車載レーダを説明する説明図で
ある。図16の109は送信信号を発生する電圧制御発
信器(VOC)で、108はVOC109を保護するア
イソレータで、106は送信信号、LO信号、反射信号
を分波するサーキュレータで、107は送信のON/O
FFを制御するスイッチで、111は受信信号をLO信
号で周波数変換するミキサで、105は電波の送受信を
行う送受信アンテナである。115は送信直後のノイズ
を除去するゲート回路で、116はVOC109を変調
させる駆動回路である。
【0065】<パルス出力された信号>図17は車載レ
ーダから受信したパルス電磁波の信号形態を示す図であ
る。上記車載レーダ100xからは極短パルス(パルス
幅τ)の電磁波が一定時間間隔で前方に送信され、反射
を受信するまでの時間差Tから反射物標までの距離を算
出する点では第1の実施形態における算出方法と同様で
ある。
【0066】<受信装置の一の例>図18は第2の実施
形態において利用可能な受信装置の一例を示す図であ
る。図18で示した2つの受信装置25、26は、車載
レーダ100xの照射領域面を上下左右に移動する。こ
れにより、受信装置25は、照射領域の境界の上下部分
について受信状況を検査することができ、受信装置26
は照射領域の境界の左右部分について受信状況を検査す
ることができる。よって、4つの受信装置を設けなくて
も車載レーダの照射領域が適切であるか否かの検査を行
うことができ、車載レーダの照射領域検査装置1x全体
の構成部品を減らすことができる。この受信装置25、
26は、受信装置がパルス電磁波を受信するパルス受信
装置2xにのみ適用されるのではなく、連続波受信装置
においても、利用できる。
【0067】この実施形態によれば、車載レーダの照射
領域が適正であるか否かを迅速に検査することができる
とともに、車載レーダの照射領域(車載レーダの光軸)
がどちらに偏っているか、という光軸の調整に必要な情
報を得ることができる。さらに、受信した電磁波が、検
査対象である車載レーダから発信された電磁波であるこ
とを多方面(パルス周期、パルス数、パルス群周期)か
ら判定するため、精度の高い車載レーダの照射領域の検
査を行うことができる。
【0068】(3)第3の実施形態 第3の実施形態を図19〜図24に基づいて説明する。
第3の実施形態は電磁波種類は電波であり、出力波形は
三角波である。この電磁波の同一性を判断するにあたっ
ては電波強度、周波数の検知結果を用いて判断を行う。
また、この実施形態においては受信装置2が照射領域の
外周に沿って1周するものが設けられている。基本的構
成、動作については第1の実施形態と共通するが、受信
装置が受信する電磁波が連続出力された電磁波である点
で相違する。以下、第1の実施形態とは異なる点を中心
に説明し、共通する部分については省略する。
【0069】図19は本発明の第3の実施形態に係る車
載レーダの照射領域検査装置のブロック図であり、図2
0は図19で示した第3の実施形態に係る車載レーダの
照射領域検査装置に設けられた1つの受信装置の制御手
順を示すフローチャート図であり、図21は図19で示
した第3の実施形態に係る車載レーダの照射領域検査装
置に設けられた4つの受信装置の制御手順を示すフロー
チャート図であり、図22は電磁波を連続波出力する車
載レーダを説明する説明図であり、図23は車載レーダ
から受信した連続波の信号形態を示す図であり、図24
は第3の実施形態における受信装置の一例を示す図であ
る。
【0070】1つの受信装置を有する車載レーダの照射
領域検査装置 図19は、本発明の第3の実施形態に係る車載レーダの
照射領域検査装置のブロック図である。図19は本発明
の第3の実施形態に係る車載レーダ100yの照射領域
検査装置1yのブロック図である。第3の実施形態に係
る車載レーダの照射領域検査装置1yは、車載レーダ1
00yから発信される電磁波が連続波である場合に、車
載レーダ100yの照射領域を検査する。第1の実施形
態と同様に、受信装置2y、判断部3y、報知装置4y
とを有している。ただし、受信装置2yは連続波受信装
置A1を有しており、判断部3yは連続波受信強度判定
部35yと、連続波周波数判定部36yとを有してい
る。
【0071】受信装置2yは、この場合にはレーダ装置
からの電磁波を受信できるように、受信装置にホーンア
ンテナ等の電波受信装置を設けることが好ましい。判断
部3yは、受信装置2yが受信した電磁波が、検査対象
である車載レーダ100yから発信された電磁波である
か否かを周波数において判断することとなる。この検査
対象となる車載レーダ100yから発信される電磁波の
周波数情報は、検査に際して車載レーダの照射領域検査
装置1yに記憶させる。
【0072】判断部3y中の連続波受信強度判定部35
yは、照射された電磁波が所定の照射領域を照射してい
るか否かを判定する。所定の照射領域境界に設けられた
受信手段2yの受信状況(閾値以上の受信強度があるか
どうか)により、連続波発信の光軸方向が適当であるか
否かを判断することができる。
【0073】判断部3y中の連続波周波数判定部36y
は、受信連続波出力の電磁波を特定するとともに、この
受信連続波出力の連続波が車載レーダ100yから発信
された連続波であるか否かを判断する。これらの各構成
は、連続波電磁波を周波数の観点から特定する働きを有
する。判断部3yは車載レーダから連続波発信された電
磁波が、すべての受信位置において閾値以上の強度で受
信しているか否かを検知する。この判断部3yの判断に
基づいて、報知装置4yは、車載レーダの光軸方向につ
いての情報を報知する。この報知については第1の実施
形態と同様である。
【0074】受信装置の検査位置のうち1個所において
受信した情報の処理 図20は図19で示した第3の実施形態に係る車載レー
ダの照射領域検査装置に設けられた受信装置が一個所に
て受信した情報の制御手順を示すフローチャート図であ
る。動作が開始される(受信信号を受信する)と(ステ
ップ31)、各受信装置2yが受信信号が減衰を考慮し
て閾値以上の強度であるか否かを判断する(ステップ3
2)。受信装置2yの1個所でも受信強度が閾値以下で
あれば、光軸を調整して再度ステップ31へ戻る。一方
受信電磁波の信号強度が閾値以上であればステップ33
へ進み、受信電磁波の周波数が、車載レーダから出力さ
れた電磁波のそれと実施的に同一か否かを判断する(ス
テップ33)。合致しなければ、車載レーダ100yの
照射領域は適当でないため、再度光軸を調整してステッ
プ31へ戻る。一方、合致すると判断した場合にはその
旨の報知信号が出力され(ステップ34)、報知装置4
yが動作する(ステップ35)。
【0075】図21は、図19で示した第3の実施形態
に係る車載レーダの照射領域検査装置に設けられた1つ
の受信装置の4個所の検査位置における制御手順を示す
フローチャート図である。ここで示した制御手順は、受
信装置2yの判断部3yにおけるものである。動作開始
後(ステップ301)、4個所で受信した電磁波の受信
信号強度が4個所ともすべて、減衰を考慮した上で、閾
値以上であるか否かを判断する(ステップ302)。4
個所の受信強度がすべて閾値以上であればステップ30
3へ進み、4個所で受信した電磁波が4個所とも車載レ
ーダ100yら発信された電磁波であるか否かを判断す
る(ステップ303)。この判断は、連続波受信装置2
yが受信した電磁波の周波数に基づいて行われる。受信
電磁波が車載レーダ100y発信の電磁波である場合に
はステップ304へ進み、光軸方向が適当である場合に
は車載光軸の調整が不要である旨の信号を出力し(ステ
ップ304)、報知装置4yが車載光軸調整完了を報知
する(ステップ305)。
【0076】一方、4個所のうち1個所でも受信信号強
度が閾値以上でない場合(ステップ302)、受信した
電磁波が1個所でも車載レーダの電磁波でない場合(ス
テップ303)にはステップ306へ進み、上下位置の
受信機は照射領域に合致しているか否かを判断する(ス
テップ306)。これは上下の位置に配置された受信装
置21,23の受信状態に基づいて判断される。上下位
置の受信装置2のすべてが車載レーダ100y発信の電
磁波を閾値以上の強度で受信している場合には、光軸は
上下方向にずれていないと判断できる。この場合にはス
テップ307へ進み、左右方向のずれを検証する。この
処理においては第2の実施形態と同様である(ステップ
306〜316)。
【0077】<連続波出力をする車載レーダ>図22
は、電磁波を連続波出力する車載レーダを説明する説明
図である。図22には一般的なFM−CWレーダレーダ
装置(車載レーダ100y)を示した。117は送信信
号とLO信号を分波する方向性結合器(カプラ)で、1
18は三角波発生器で、118で発生した三角波に基づ
いて送信信号を周波数変調する。前方物標からの反射波
と反射波受信時の送信信号との周波数差Δfから送信か
ら受信までの時間差T1を検出し、この時間差より物標
までの距離を算出するレーダ装置である。
【0078】<連続波出力された信号>図23は、車載
レーダから受信した連続波電磁波の信号形態を示す図で
ある。前方物標からの反射波と反射波受信時の送信信号
との周波数差Δfから送信から受信までの時間差T1を
検出し、この時間差より物標までの距離を算出する。
【0079】<受信装置の一の例>図24は第3の実施
形態において利用可能な受信装置の一例を示す図であ
る。図24で示した1つの受信装置27は、車載レーダ
100yの照射領域面の境界付近を移動する。これによ
り、受信装置27は、照射領域の境界全体について受信
状況を検査することができる。本実施形態では4個所に
おいて検査を行う例を説明したが、5個所以上の個所に
て検査を行うようにしてもよい。よって、第1の実施形
態で示したように4つの受信装置を設けなくても車載レ
ーダの照射領域が適切であるか否かの検査を行うことが
でき、車載レーダの照射領域検査装置1y全体の構成部
品を減らすことができる。この受信装置27は、受信装
置が連続波出力の電磁波を受信する連続波受信装置2y
にのみ適用されるのではなく、パルス波受信装置におい
ても、利用できる。
【0080】この実施形態によれば、車載レーダの照射
領域が適正であるか否かを迅速に検査することができる
とともに、車載レーダの照射領域(車載レーダの光軸)
がどちらに偏っているか、という光軸の調整に必要な情
報を得ることができる。さらに、受信した電磁波が、検
査対象である車載レーダから発信された電磁波であるこ
とを連続波の周波数から判定するため、精度の高い車載
レーダの照射領域の検査を行うことができる。
【0081】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載レーダの照射領域検査装置を用い
た車載レーダ送信軸の調整を説明するための説明図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施形態の車載レーダの照射領
域検査装置を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の車載レーダの照射領
域検査装置の1の受信装置が取得した信号の処理を示す
第1の構成図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の車載レーダの照射領
域検査装置の1つの受信装置が取得した信号の処理を示
す第2の構成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の車載レーダの照射領
域検査装置の1つの受信装置が取得した信号の制御手順
を示すフローチャート図である。
【図6】車載レーダから受信した電磁波の第1の信号形
態を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の車載レーダの照射領
域検査装置に設けられた4つの受信装置が取得した信号
の処理を示す構成図である。
【図8】図7で示した第1の実施形態に係る車載レーダ
の照射領域検査装置のブロック図である。
【図9】図7で示した第1の実施形態に係る車載レーダ
の照射領域検査装置の制御手順を示すフローチャート図
である。
【図10】ビームスキャン式の車載レーダを説明する説
明図である。
【図11】メカニカルスキャン式の車載レーダを説明す
る説明図である。
【図12】マルチビーム式の車載レーダを説明する説明
図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る車載レーダの
照射領域検査装置のブロック図である。
【図14】図13で示した第2の実施形態に係る車載レ
ーダの照射領域検査装置に設けられた1つの受信装置の
制御手順を示すフローチャート図である。
【図15】図13で示した第2の実施形態に係る車載レ
ーダの照射領域検査装置に設けられた4つの受信装置の
制御手順を示すフローチャート図である。
【図16】電磁波をパルス出力する車載レーダを説明す
る説明図である。
【図17】車載レーダから受信したパルス電磁波の信号
形態を示す図である。
【図18】第2の実施形態における受信装置の一例を示
す図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る車載レーダの
照射領域検査装置のブロック図である。
【図20】図19で示した第3の実施形態に係る車載レ
ーダの照射領域検査装置に設けられた1つの受信装置の
制御手順を示すフローチャート図である。
【図21】図19で示した第3の実施形態に係る車載レ
ーダの照射領域検査装置に設けられた4つの受信装置の
制御手順を示すフローチャート図である。
【図22】電磁波を連続波出力する車載レーダを説明す
る説明図である。
【図23】車載レーダから受信した連続波電磁波の信号
形態を示す図である。
【図24】第3の実施形態における受信装置の一例を示
す図である。
【符号の説明】
1、1x、1y…車載レーダの照射領域検査装置 2、21、22、25、26、27、2x、2y…受信
装置、パルス波受信装置、連続波受信装置 3、3x、3y…判断部 3A,3A1,3A2,3A3,3A4…レーダ信号検
出部 3a…レーダ信号強度検出部 3c…レーダ信号情報検出部 3B…レーダ信号判定部 3b…レーダ信号強度判定部 3d…レーダ信号情報判定部 31x…パルス波受信強度判定部 32x…パルス波周期判定部 33x…パルス数判定部 34x…パルス群周期判定部 35y…連続波受信強度判定部 36y…連続波周波数判定部 4、4x、4y…報知装置 5…電源部 10…車本体 100…車載レーダ 110…レーザ発光部 101…反射ミラー 102…発光素子(送光レンズを含む) 103…受光素子 104…受光レンズ 105…送受信アンテナ 106…サーキュレータ 107…RFスイッチ 108…アイソレータ 109…電圧制御発振器(VCO) 111…ミキサ 112…電源部 113…IFアンプ 114…トリガ回路 115…ゲート回路 116…VOC駆動回路 117…方向性結合器(カプラ) 118…三角波発生器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載レーダから発信される電磁波を受信
    する受信手段と、前記受信手段が受信した電磁波が、前
    記車載レーダから発信された電磁波であるとともに所定
    の照射領域を照射しているか否かを判断する判断手段
    と、前記判断手段の判断結果を報知する報知手段とを有
    し、 前記受信手段が、車載レーダから発信される電磁波の照
    射領域境界付近に複数設けられたことを特徴とする車載
    レーダの照射領域検査装置。
  2. 【請求項2】 前記受信手段が、車載レーダからパルス
    出力されたパルス波を受信するパルス波受信手段である
    ことを特徴とする請求項1記載の車載レーダの照射領域
    検査装置。
  3. 【請求項3】 前記判断手段が、前記パルス波受信手段
    にて受信されたパルス波の強度を測定し、当該測定した
    強度が閾値以上であるか否かを判定するパルス波受信強
    度判定部と、 前記パルス波受信手段にて受信されたパルス波の周期を
    測定し、当該測定した周期が、前記車載レーダからパル
    ス出力されたパルス波の周期と実質的に同一であるか否
    かを判定するパルス波周期判定部と、 前記パルス波受信手段にて受信されたパルス波のパルス
    群のパルス数を測定し、当該測定したパルス群のパルス
    数が、前記車載レーダからパルス出力されたパルス波の
    パルス群のパルス数と実質的に同一であるか否かを判定
    するパルス数判定部と、 前記パルス波受信手段にて受信されたパルス波のパルス
    群の周期を測定し、当該測定したパルス群の周期が、前
    記車載レーダからパルス出力されたパルス波のパルス群
    の周期と実質的に同一であるか否かを判定するパルス群
    周期判定部とを有し、 この判断手段が、前記パルス波受信強度判定部の判定結
    果、前記パルス波周期判定部の判定結果、前記パルス数
    判定部の判定結果、及び前記パルス群周期判定部の判定
    結果のうち、いづれか2又は3以上の判定結果に基づい
    て、前記受信手段が受信したパルス波が、前記車載レー
    ダから発信されたパルス波と実質的に同一であるととも
    に所定の照射領域を照射しているか否かを判断する請求
    項2記載の車載レーダの照射領域検査装置。
  4. 【請求項4】 前記パルス波受信手段が、縦方向又は横
    方向に移動しながら、車載レーダから発信されるパルス
    波を受信することを特徴とする請求項2又は3記載の車
    載レーダの照射領域検査装置。
  5. 【請求項5】 前記受信手段が、車載レーダから連続波
    出力された連続波を受信する連続波受信手段であること
    を特徴とする請求項1記載の車載レーダの照射領域検査
    装置。
  6. 【請求項6】 前記判断手段が、前記連続波受信手段に
    て受信された連続波の強度を測定し、当該測定した強度
    が閾値以上であるか否かを判定する連続波受信強度判定
    部と、 前記連続波受信手段にて受信された連続波の周波数を測
    定し、当該測定した周波数が、前記車載レーダから連続
    波出力された連続波の周波数と実質的に同一であるか否
    かを判定する連続波周波数判定部とを有する請求項5記
    載の車載レーダの照射領域検査装置。
  7. 【請求項7】 前記連続波受信手段が、照射領域境界に
    沿って移動しながら、車載レーダから発信される連続波
    を受信することを特徴とする請求項5又は6記載の車載
    レーダの照射領域検査装置。
  8. 【請求項8】 車載レーダから発信される電磁波を、当
    該電磁波の照射領域境界付近の複数の計測点にて受信
    し、 この受信した電磁波が、前記車載レーダから発信された
    電磁波であるとともに所定の照射領域を照射しているか
    否かを判断し、 当該判断結果を報知する車載レーダの照射領域検査方
    法。
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