JP2002181704A - 赤外線ガス分析計 - Google Patents

赤外線ガス分析計

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JP2002181704A
JP2002181704A JP2000383169A JP2000383169A JP2002181704A JP 2002181704 A JP2002181704 A JP 2002181704A JP 2000383169 A JP2000383169 A JP 2000383169A JP 2000383169 A JP2000383169 A JP 2000383169A JP 2002181704 A JP2002181704 A JP 2002181704A
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adhesive
gas
detector
diameter
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JP2000383169A
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English (en)
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Noriaki Kanamaru
訓明 金丸
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたって高感度が維持でき、安定し
た測定ができる赤外線ガス分析計を得る。 【解決手段】 金属製ブロック1に、その両端面からは
径φfの孔と径φb(φf<φb)の孔とを中央部に向
けて穿孔し、内周壁に段差aを有する貫通孔2を形成す
ると共に、段差a部を境にしてブロック1の側面から垂
直に径φfの孔の連結する通孔3と、径φbの孔を通孔
に連結するL字型のトンネル4とを穿孔し、段差aにそ
れを貼りしろとして隔壁となるCaF2の窓板7を、径φf
の孔に連なる孔5の境界の段差部にCaF2の窓板8を、径
φbの孔の皿ぐり部に後蓋9をそれぞれ酸性接着剤、米
国Tra-Con社製接着剤F202で接着して、前室10と後室11
とを形成する。また、通孔3の底部に薄膜型熱線式フロ
ーセンサ12を酸性接着剤を配置した後に、通孔3の開口
3′に蓋部材14を酸性接着剤で接着して閉鎖し、前後室1
0、11の連通路15を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外活性な被測定
成分ガスの赤外線スペクトル吸収に伴うガス圧変動を利
用して特定ガス種の濃度を計測する赤外線ガス分析計に
関する。
【0002】
【従来技術】2つ以上の異なる原子から成る異核分子の
多くは、波長1〜20μm の赤外光を照射すると、その化
学種に特有の振動および回転の運動エネルギー準位の遷
移がおこり、特定の赤外線スペクトルを吸収し、内部エ
ネルギーや体積あるいは圧力の増加など、熱力学的な変
化を引き起こす。非分散型赤外線ガス分析計(以下、ND
IRという)は、この様なガス成分の特性を利用して、そ
の濃度を計測する機器である。
【0003】検出器としてフローセンサを搭載したシン
グルビーム式NDIRの構成を図7に示す。図に示すように
この種のNDIRは、一般に、赤外光を発生するための光源
部20、被測定ガス(試料ガス)が導入されるセル部30、
セル部30を通過した赤外光の強度を計測することで最終
的に試料濃度を計測するディテクター(検出)部40の3
ユニットから構成されている。光源部20は赤外光の発生
を担い、赤外光を発生させるための発生源であるヒータ
ー(光源)21と、赤外光を断続してセル部30およびディ
テクター部40に入射させるためのチョッパー22とから構
成されている。
【0004】チョッパー22は、例えば、光源21からの光
の通過を許容するように、一部を切り欠いた切り欠き部
が形成された2枚羽根の回転円板23とこの回転円板23を
回転駆動するモータ24とで構成されており、回転円板23
をモータ24で回転させることで、回転円板23の未切り欠
き部(遮光部)が光源21の前に位置している際には光源
21からの赤外光を遮光し、切り欠き部が光源21の前に位
置している際には光源21からの赤外光が通過し、セル部
30に照射される。
【0005】セル部30は、試料ガスが導入される部位で
あって、パイプ31の前後を赤外線が広いスペクトル域で
透過可能な赤外線透過性ガラスやCaF2等の窓板32で封止
し、パイプ31側面などに一端からもう一端へガスが流せ
るようガスの導出入孔33を備え、また、その内面は赤外
光を効率よく反射するために、鏡面仕上げや金などのコ
ーティングが施されている。
【0006】ディテクター部40は、通常、アルミなどの
金属製の前室となる前部ブロックと後室となる後部ブロ
ックで構成されている。これは、NDIRの原理上、検出部
は、被測定成分ガス(試料ガス)が導入されたセルを透
過してきた測定すべき赤外光を入射させ、内封された受
感ガスを昇圧させるための前後2室の形成と、前後室を
連通する連通路内に前後室の圧力差を検出するフローセ
ンサ等のセンサを配置するために必要な構成で、その構
成を図8に模式的に示す。
【0007】前後部ブロックB1、B2には同一径の貫通孔
が形成されおり、図示では、前部ブロックB1の貫通孔の
両端と、後部ブロックB2の前部ブロックB1との接合面の
反対側の貫通孔の一端が赤外光を透過する窓板43で封止
されており、前後ブロックB1、B2を図示のように接合し
て一体化した際に前部ブロックB1の貫通孔を封止する後
部ブロックB2に面する窓板43′が隔壁となって前室41と
後室42の2室とされる。
【0008】また、前部ブロックB1と後部ブロックB2に
は、両ブロックを接合一体化した際に接続されて連通路
44を形成するL字型のチャンネル(トンネル)51、52が
形成されており、前部ブロックB1に形成されたL字を90
°左回転させたたチャンネル51は、前部ブロックB1の端
面(図では左側面)の水平部チャンネル開口から挿入し
て前室41に通じる図で垂直の細孔部へのセンサ60の接着
による配置作業が可能なサイズの開口とされており、該
チャンネル51は、センサ室を形成している。
【0009】さらに、これら2室41、42には、NDIRの被
測定対象となる、例えば、CO2等の化学種のみ、あるい
は、この化学種をAr、He、N2等の不活性ガスで希釈され
たガスが充填(内封)されている。また、連通路44に配
置されるセンサ60としては、前後室の圧力差を検出でき
るものであればどのようなものでもよいが、センサが、
前後室の圧力差で連通路44内の内封ガスの流れを検出す
るフローセンサである場合には、一般に、小型で高精度
な薄膜技術で製作された薄膜型熱線式フローセンサが使
用されている。
【0010】このような構成で、光源部20から発した赤
外光は、セル部30を通過してディテクター部40に入射す
る。この時、セル内部に被測定成分ガスが存在すると、
セル内のガス濃度に応じて、入射した赤外光の一部がセ
ル内のガスに吸収され、残りの赤外光はディテクター部
40に入射する。ディテクター部40の前室41の正面から入
射した赤外光は、前室41および後室42で吸収されるが、
その多くは前室41で吸収される。吸収された光エネルギ
ーは分子の並進運動に変換されることになり、前後室4
1、42間に圧力差が発生し、これによって両室を連通す
る連通路44内に内封ガスの流れが生る。このガス流の流
速は、ディテクター部40への入射光強度に依存するの
で、前後室41、42の連通路44内に配置された薄膜型熱線
式フローセンサ60の熱線抵抗素子の抵抗値の変化として
計測することで、ディテクター部40への入射前後の赤外
光強度、すなわち、セル中の被測定成分ガス濃度を計測
することができる。
【0011】図9は、前後室41、42の連通路44内に配置
されて連通路内を流れるガスの流速を検出する薄膜型熱
線式フローセンサ60の模式図で、同図(a)の平面図に示
すように、基本的な構成は、ベースとなるガラス基板
(長さ5mm×幅5mm×厚さ0.25mm)61の中央部に1mm四
方の開口62を形成し、このガラス板61の両面に、同図
(b)の側面図に示すように、開口62を横切って、Niなど
の抵抗温度係数の大きな金属からなる熱線抵抗素子とし
ての櫛形電極(長さ1.1mm、幅15〜25μm、厚さ2〜6
μm、表面耐食用Auコート)63、64を薄膜技術で対向形
成(配置)したもので、この櫛形電極(熱線抵抗素子)
63、64に2つの外部抵抗(通常100Ωの固定抵抗)を組
み合わせてブリッジ回路を形成して流量計測を行う。
【0012】櫛形電極63、64を含むとブリッジ回路に一
定電圧(通常5V)を印加した状態で、内封ガスが2電極
63、64を通過すると、風上側の熱線抵抗素子としての電
極の抵抗は熱を奪われて温度が低下して抵抗値が減少
し、他方風下側の熱線抵抗素子としての電極の抵抗は風
上側の抵抗素子から奪った熱が与えられ温度が上昇して
抵抗値の増加がおこる。この抵抗のアンバランスにより
ブリッジ回路に電位差が生じるので、この電位を測るこ
とで、連通路44内を流れるガスの流速を計測すること
ができる。
【0013】図10は、NDIRの薄膜型熱線抵抗式フローセ
ンサ60の信号処理部のブロック図で、2つの熱線抵抗素
子に2つの外部抵抗を組み合わせてブリッジ回路を形成
し、センサとしての該ブリッジ回路から得られる信号
は、ディテクター部40に入射する赤外断続光から生じる
ガス流パルスであるので、赤外光強度によって振幅の異
なる波形が生じることになる。NDIRでは一般に、被測定
対象物が存在する試料(=サンプルガス)測定時の波形
と、被測定対象物が存在しない不活性ガス(=ゼロガ
ス)での波形を整流し差し引いた値を出力信号として直
流信号を出力している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成のこの種の
NDIRで、試料セルに被測定対象物が存在しないゼロガス
を導入した状態での長期連続運転(測定)でも、時間の
経過とともにディテクター(検出)部の出力信号が徐々
に減少、すなわち、感度が徐々に低下し、安定した測定
が行なえないという問題がある。
【0015】本発明は、上記の課題を解決するために創
案されたものであって、時間経過とともに感度が低下す
ることがなく、ディテクター部の感度を長期間にわたり
一定の高感度に維持でき、安定した測定が可能な赤外線
ガス分析計を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の赤外線ガス分析計では、ディテクター部の
検出器を構成する各構成部材、すなわち、ディテクター
本体としてのブロックやブロックへの窓材、センサ等を
酸性接着剤で接着して組み立てることを特徴としてい
る。
【0017】なお、接着剤は、硬化剤が酸性であるエポ
キシ樹脂系接着剤であり、且つ、硬化剤が検出器の内封
ガスであるCO2より強酸を示すカルボン酸や鉱酸製の化
合物であることが好ましく、また、センサは、前記2室
の圧力差に基づく連通路内の封入ガス流の流速(流量)
を測定する熱線式フローセンサであることが好ましく、
さらに、前記測定セルに導入される被測定ガスが、酸性
ガスであることが好ましい。
【0018】ゼロガスの導入による長期連続運転であれ
ば、本来、ディテクター部の検出器の出力は時間経過に
関わらず一定値、すなわち、検出感度は時間経過に関わ
らず一定で、変化しないはずである。しかしながら、出
願人がゼロガス導入による長期連続運転を行い検出器の
出力データを採取したところ、検出器の出力信号は時間
経過とともに徐々に減少し、一定値を示さなかった。
【0019】そこで、時間経過にともない検出器の出力
信号が減少、換言すれば、感度が時間経過とともに低下
する要因について、出願人が鋭利実験・検討を繰り返し
た結果、その原因が検出器の組み立てに際して、それの
構成部材であるブロック、窓材、センサ相互の接着に用
いる接着剤にあることを見出し、検出器の構成部材の接
着に酸性接着剤を用いることで、感度低下を著しく改善
でき、長期にわたり感度低下がなく安定した測定が可能
となることが判明した。
【0020】すなわち、NDIRの検出器の感度低下の原因
を探るために、まず、最初に薄膜型熱線式フローセンサ
の変質(酸化、薄膜技術による製造過程での粒界成長な
ど)に起因するブリッジ回路出力の変化にあると仮定
し、各種分析やフローセンサのエージング(電気、温
度)を種々試みたがいずれも効果がなく、感度低下の改
善には至らなかったなかった。そこで、検出器を組み立
るのに、各構成部材、すなわち、検出器本体としてのブ
ロックの接着や窓材、センサ等をブロックに接着するの
に使用する接着材に着目した。
【0021】この種のNDIRのディテクター部の検出部
は、前後室には、受感ガス(例えば、O2等の化学種の
み、あるいは、この化学種をAr、He、N2等の不活性ガス
で希釈されたガス)を内封することから、前後ブロック
同士の接合、ならびに、各ブロックと窓板やセンサ等の
接合には、気密性に優れ、且つ、常温硬化が可能なエポ
キシ樹脂系の接着剤が用いられ、通常、アラルタイトAV
138(硬化剤HV998)(長瀬−Ciba社製)が用いられてい
る。アラルタイトAV138は、典型的なポリアミドアミン
系硬化剤を使用する接着剤で、ポリアミドアミンはアル
カリ性であるので、硬化させた際の未反応硬化剤に、検
出器に内封された受感ガスであるCO2が接着剤のアルカ
リ成分と吸着、あるいは、反応し、CO2濃度を低下さ
せ、検出器の感度をも低下させているのではないかと想
定した。
【0022】そこで、このような観点から、酸性接着剤
として、米国Tra-Con社製の接着剤F202で検出器構成部
材を接着して検出器を組み立て、該検出器をNDIRに搭載
し試料セルにゼロガスを導入して長期連続運転を行なっ
たところ、長期にわたり検出器出力が変化せず、換言す
れば感度低下がなく、安定した測定ができることが実験
的に確認できた。これは、酸性接着剤を用いることで、
接着剤も検出器の内封ガスであるCO2もともに酸性であ
ることから、CO2の吸着、反応を抑制し、CO2ガス濃
度低下を防ぐことができるものと考えられる。
【0023】特に、使用した米国Tra-Con社製の接着剤F
202の硬化剤はカルボン酸である無水マレイン酸や無水
フルタ酸等の無水カルボン酸は炭酸、すなわち、受感ガ
スであるCO2より強い酸であるので、弱酸を強酸に混ぜ
た際に弱酸が遊離する性質から、CO2が接着剤中に吸収
(浸透)され難い特性が作用しているものと考えられ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様を実験
結果に基づいて説明する。なお、NDIR自体は、図7で説
明したように、赤外光を発生するための光源部、試料が
導入されるセル部、セル部を通過した赤外光の強度を計
測することで最終的に試料濃度を計測するディテクター
(検出)部の3ユニットから構成されおり、また、ディ
テクター部は、図8で説明したように、熱線抵抗素子を
備えた薄膜型熱線式フローセンサが配置される連通路で
連結された前後2室とで構成されており、さらに、薄膜
型熱線式フローセンサは、図9説明したように、中央部
に開口が形成されたガラス基板と、このガラス板の両面
に、開口を横切って薄膜技術で対向形成(配置)された
抵抗温度係数の大きな金属からなる熱線抵抗素子(抵抗
体)としての櫛形電極とで構成されている。
【0025】図1は、本発明の主要部をなすディテクタ
ー部の構成を示すもので、(A)は組み立て前の各構成
部品を展開して示した断面図、(B)は組み立て後の断
面図である。アルミニュウム等の金属製の円柱体(ブロ
ック)1の左側端面からは径φfの孔が、右側端面から
は径φfより径が大きいφb(φf<φb)の皿ぐりさ
れた孔が中央部に向けて穿孔されて貫通孔2が形成さ
れ、ブロック1の貫通孔2の中央部の内周壁に、両端面
から穿孔される孔の径が異なることにより必然的に段差
aが形成される。
【0026】また、段差a部を境にしてブロック1の側
面から垂直に径φfの孔に連通する3段階に径の異なる
通孔3と、径φbの孔を通孔3の2段目に連通するL字
型のトンネル4とが穿孔形成されている。なお、実施例
では、ブロック1がセル部の一部を形成するように、セ
ルを構成するパイプ(図7の31)の内径と同径の径φf
の孔に通じる孔5と、該孔5に連通する被測定ガス導入
出孔(図3における33)となる挿入孔6が形成されてい
る。
【0027】このように穿孔加工されたブロック1の段
差a部に、段差aを貼りしろとして前後室の隔壁となる
CaF2の窓板7を酸性接着剤、例えば、米国Tra-Con社製
の接着剤F202で接着し、その後、孔5と径φfの孔との
境界部の段差部に該段差を貼りしろとしてセルの後窓と
なるCaF2の窓板8と、径φbの孔の皿ぐり部に後蓋9を
酸性接着剤(F202)で接着する。これにより、貫通孔2
内が前室10と後室11とに画成される。
【0028】ついで、通孔3の底部に薄膜型熱線式フロ
ーセンサ12を酸性接着剤(F202)で接着して配設し、通
孔3の開口3′に蓋部材14を酸性接着剤(F202)で接着
して固定して密閉閉鎖する。これにより、前室10と後室
11の連通路15が形成されて、同図(B)に示すディテク
ター部となる。なお、接着剤F202の硬化条件は、空気中
で130℃、2h以上である。また、窓板7・8、後蓋9
の接着と、薄膜型熱線式フローセンサ12を配置した上で
の蓋部材14による通孔3の開口3′への接着による閉鎖
は、何れを先に行ってもよい。また、組み立てられたデ
ィテクター部のブロック1の左端面がセルを構成する不
図示のパイプ端と位置合わせされて接合される。
【0029】図2は他の実施例を示すもので、ブロック
1に径φfと径φb(φf>φb)の孔を穿孔して有底
孔16を形成し、段差部に窓板7、8を酸性接着剤(例
えば、米国Tra-Con社製の接着剤F202)で接着して前後
室10、11としたものであり、この構成によれば、図1に
おける後蓋9は不要になる。なお、図1、図2における
貫通孔2、有底孔16、孔5の内面は、赤外光を効率よく
反射するために、バフ研磨による鏡面仕上げや金などの
コーティングを施すのが好ましい。また、図1、図2に
いて、17は、挿入孔6に挿入固定されたセルのガス導出
入孔(図7における33)となる細管である。
【0030】つぎに、各構成部材を酸性接着剤で接着し
たことによる作用を実験による実測結果に基づいて説明
する。図3は前述の米国Tra-Con社製の接着剤F202で検
出器構成部材を接着して組み立てて後に、受感ガス(CO
2+Ar)を封入した検出器を搭載したNDIRを25℃の恒
温槽に入れて、ゼロガスとして、N2ガスを流速200ml/m
inで測定セルに導入した後、検出器を作動させ、3日間
にわたって連続運転した際の検出器の出力変化を示す特
性図である。同図で分かるように6時間の初期遷移の後
安定しており、その後測定を行なった10日間にわたっ
ても出力変化はなく、一定の高い感度を維持した。ま
た、初期遷移は、NDIRを初めて運転した時のみ生じ、そ
の後の立ち上がり時間は、20min以下であることが実験
で確認できた。
【0031】これに対して図4は、従来のアラルタイト
AV138(硬化剤HV998)(長瀬−Ciba社製)で検出器の各
構成部材を接着し組み立てて後に、CO2+Arの受感ガス
を封入した検出器を搭載したNDIRを図3と同一条件のも
とでの検出器の出力変化を示す特性図である。同図で分
かるように初期6時間の大きな出力変動が生じ、その後
出力の低下、すなわち、感度低下はおさまらず、3日過
ぎても検出器出力は1mV/℃の割合で感度が低下し続け
た。
【0032】図5、図6は、時間経過とともに、検出器
の出力が低下する要因を見極めるために行なった接着剤
組成の分析結果を示す図である。図5は、米国Tra-Con
社製の接着剤F202のフーリエ変換赤外分光光度計(FTI
R)による分析結果のFTIRピークであり、波長1732cm
−1に酸性エポキシ樹脂接着剤の特徴であるエステル結
合のピークが観察できる。これにより、接着剤のアルカ
リ成分とCO2の吸着/反応でCO2ガス濃度を低下させて検
出器の感度低下をもたらすとの先の想定に誤りのないこ
とが分かる。
【0033】これに対して、図6は、従来より検出器構
成部材の接着に使用されているアラルタイトAV138(硬
化剤HV998)(長瀬−Ciba社製)を硬化条件60℃/2で硬
化させ、それのフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)によ
る分析結果のFTIRピークであり、典型的なポリアミドア
ミン系硬化剤を使用する接着剤の波形である。
【0034】なお、実施例はシングルビーム式NDIRであ
ったが、本発明は、ダブルビーム式NDIRにも適用できる
ものである。また、実施例では、単一のブロックの穿孔
加工と窓板等の接着で前後2室と、2室を連通する連通
路を形成したが、図8に示す従来例のように、前後2ブ
ロックを接合一体化した検出器にも適用しても同様の効
果が得られる。しかしながら、実施例のように単一のブ
ロックの穿孔加工で前後2室を有する検出器を構成すれ
ば、2ブロックを接合一体化したものに比し気密性が確
保でき、また、部品点数が少なく加工性に優れ、加工や
接着による組み立て工数が低減できる。
【0035】さらに、実施例では、前後2室の圧力差を
検出するセンサとして、ガス圧変動を内封受感ガスの流
量として検出するフローセンサを用いたが、前後2室の
圧力差を圧力として検出するメンブレンコンデンサなど
の圧力検知素子であってもよい。この場合においても、
接着剤による吸着反応による受感ガス濃度の低下がない
ので、薄膜型熱線式フローセンサを用いるのと同等の効
果が得られる。しかしながら、薄膜型熱線式フローセン
サを用いれば、検出器を小型化できる。
【0036】
【発明による効果】本発明によれば、検出器の各構成部
材の接着による組み立てに、接着剤として酸性接着剤を
用いているので、前後室に内封した受感ガスの接着剤と
の吸着反応による濃度変化(濃度低下)がない。その結
果、検出器の検出感度低下がないので、長期間にわたっ
て高感度を維持でき、安定した測定ができる赤外線ガス
分析計が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の主要部であるディテクター部の構成
を模式的に示す断面図である。
【図2】 他の実施例に係るディテクター部の構成を模
式的に示す断面図である。
【図3】 図1のディテクター部を搭載したNDIRの検出
器の出力特性図である。。
【図4】 従来のディテクター部を搭載したNDIRの検出
器の出力特性図である。
【図5】 図1のディテクター部の接着組み立てに使用
する酸性接着剤のFTIRによる分析結果を示す図である。
【図6】 従来のディテクター部の接着組み立てに使用
されている接着剤のFTIRによる分析結果を示す図であ
る。
【図7】シングルビーム式NDIRの構成を模式的に示す断
面図である。
【図8】図7におけるNDIRのセンサ部の構成を模式的に
示す断面図である。
【図9】図8における薄膜型熱線式フローセンサの構成
を示す模式図である。
【図10】熱線式フローセンサのセンサ出力信号処理部の
ブロック図である。
【符号の説明】
1:ブロック 2:貫通孔 3:通孔(3′…開口) 4:トンネ
ル 5:孔 6:挿入孔 7、8:窓板 9:後
蓋 10:前室 11:後室 12:薄膜型熱線式フローセンサ 13:蓋部
材 14:蓋部材 15:連通
路 16:有底孔 17:細管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定セルと、測定セルの一端側に配置さ
    れた光源部と、測定セルを通過した赤外光の強度を検出
    する測定セルの他端側に配置された検出部とを備え、検
    出部がガスの封入された前後2室と、これら2室を連通
    する連通路と、連通路内に配置されて前記2室の圧力差
    を検出するセンサとで構成された赤外線ガス分析計であ
    って、前記検出部の構成部材を酸性接着剤で接着して組
    み立てたことを特徴とする赤外線ガス分析計。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の赤外線ガス分析計であ
    って、前記接着剤が、硬化剤が酸性であるエポキシ樹脂
    系接着剤であることを特徴とする赤外線ガス分析計。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の赤外線ガス分析計であ
    って、硬化剤が、カルボン酸、または、鉱酸性の化合物
    であることを特徴とする赤外線ガス分析計。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の赤外線ガス分析計であって、センサが、前記2室の圧
    力差に基づく連通路内のガス流の流速を測定する熱線式
    フローセンサであることを特徴とする赤外線ガス分析
    計。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の赤外線ガス分析計であって、前記測定セルに導入され
    る被測定ガスが、酸性ガスであることを特徴とする赤外
    線ガス分析計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007024545A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Denso Corp 光検知式ガスセンサ装置

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