JP2002176690A - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JP2002176690A
JP2002176690A JP2000370578A JP2000370578A JP2002176690A JP 2002176690 A JP2002176690 A JP 2002176690A JP 2000370578 A JP2000370578 A JP 2000370578A JP 2000370578 A JP2000370578 A JP 2000370578A JP 2002176690 A JP2002176690 A JP 2002176690A
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baffle plate
groove
speaker
speaker unit
speaker system
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JP2000370578A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Tamura
和明 田村
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピーカユニットの振動系の反作用による振
動のバッフル板への伝搬を抑え歪みの低減や音像定位の
向上を実現すること。 【解決手段】 スピーカユニットが取り付けられたバッ
フル板のスピーカユニット取り付け部の外側全周にバッ
フル板の厚さより薄い溝を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響再生機器など
に用いるスピーカシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スピーカをバッフル板やキャビネットに
取り付けたスピーカシステムでは、バッフル板やキャビ
ネットがスピーカの動作時に振動し、この振動がスピー
カから出る音声に影響を与える。スピーカシステムのバ
ッフル板やキャビネットの振動を低減する方法として、
公開実用新案公報昭63−23890号に記載されたも
のが知られている。この公報によると、複数のスピーカ
をキャビネットに取り付けたスピーカシステムにおい
て、前記スピーカのうち低周波帯域を再生するウーハの
磁気回路部又は磁気回路部とフレームとの結合部付近
を、固定部材でキャビネットの前面のバッフル板以外の
部位に固定する。さらに、ウーハのフレームの前端縁部
をサブバッフル板に固定し、このサブバッフル板を気密
保持材を介してバッフル板に取り付けている。この構成
により、スピーカユニットの振動系の振動の反作用の発
生源である磁気回路部が、固定部材によりキャビネット
のバッフル板以外の部位に固定されることになり、バッ
フル板の振動が低減する。また、ウーハのフレーム前端
縁部をサブバッフル板に固定し、サブバッフル板を気密
保持材を介してバッフル板に取り付けているので、ウー
ハのフレームからバッフル板への振動の伝搬も抑えるこ
とができる。その結果、ウーハの振動系の振動の反作用
によるバッフル板の振動が低減し、歪みの低減と共に、
ステレオ音場における音像の定位も向上するというもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスピーカシ
ステムでは、磁気回路部を固定する固定部材、フレーム
前端縁部を固定するためのサブバッフル板及びサブバッ
フル板と前面のバッフル板との気密性を保つための気密
保持材が新たに必要になるとともに、組立時の作業工数
が増える。これにより、スピーカシステムのコストが大
幅に高くなる。磁気回路部の振動は、固定部材を介して
固定部材の取り付け部に伝わり、取り付け部が振動す
る。取り付け部とバッフル板とは連結しているので、結
局磁気回路部の振動は固定部材の取り付け部を介してバ
ッフル板へ伝る。本発明は、従来のこれらの問題を解決
し、コストを上昇させずにスピーカユニットの振動の反
作用により生じる振動がキャビネットへ伝搬するのを抑
えて、歪みの低減やステレオ音場における音像定位の向
上を実現することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカシステ
ムは、音声を発生するスピーカユニット、及び前記スピ
ーカユニットを取り付けるためのバッフル板を備え、前
記バッフル板に、バッフル板の前記ピーカユニットを取
り付ける部分を囲んでバッフル板の厚さより薄い板厚の
溝を設けている。本発明によれば、スピーカユニットの
振動系の振動の反作用による磁気回路部の振動はスピー
カユニットのフレームを経てフレームが固定されている
バッフル板の取り付け部分に伝わる。しかし、スピーカ
ユニットの取り付け部分を囲む溝の部分の板厚をバッフ
ル板の厚さより薄くしているので溝の部分で振動の損失
が生じ、溝で振動が遮断される。その結果、バッフル板
の溝の外側の、バッフル板の面積の大部分を占める部分
の振動が大幅に低減するので、バッフル板の振動により
発生する歪みが減少し、ステレオ音場での音像定位が向
上する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例につ
いて、図1から図15を用いて説明する。 《第1実施例》図1は本発明の第1実施例によるスピー
カシステムの断面図である。図1のスピーカシステム
は、外形寸法が、例えば幅(紙面に垂直な方向の寸法)
が220mm、高さHが220mm、奥行きDが160
mmの木製のキャビネット4と、口径12cmの円形の
スピーカユニット1が取り付けられたABS樹脂製の厚
さtが3mmのバッフル板2により密閉状態に構成され
ている。バッフル板2には、スピーカユニット1の取り
付け部6を囲んでスピーカユニット1と同心状の円形の
溝3が設けられている。溝3はバッフル板表面部の幅が
Wが3mm、最大深さdが6mm、厚さTが1.5mm
である、溝3はバッフル板2と同じ材料で一体に成型さ
れている。溝3の壁の上端2Aの断面曲率半径は約1m
mである。上端2Aをこの形状にすることにより、成型
金型の製作が容易になるとともに溝3の外観もよくな
る。溝3の底部の断面の曲率半径は1.5mmである。
溝3の内側上端2Aの直径Gは142mmである。スピ
ーカユニット1の中心と円形の溝3の中心は一致してい
る。
【0006】以上のように構成された本実施例のスピー
カシステムの動作について説明する。図2はスピーカシ
ステムのバッフル板における振動加速度の周波数特性を
示すグラフであり、スピーカユニット1に正弦波信号を
加えた時のバッフル板2の振動加速度を測定した相対値
である。測定方法は、バッフル板2の上に24の測定点
を設定し、各測定点における振動加速度の平均をとる。
上記の測定を0.1kHzから10kHzの範囲で行っ
た。実線Aは本実施例のスピーカシステムの実測結果で
あり、点線Bは溝3がないだけで他は全く同じ仕様のス
ピーカシステムの振動加速度の実測結果である。両実測
結果を比較すると、本実施例のものでは1kHzから5
kHz付近の振動加速度が、溝3のないものに比べて1
0〜20dB程度低減されている。
【0007】次に振動モードの有限要素法によるシミュ
レーション結果を図3及び図4に示す。図3,図4はバ
ッフル板2に取り付けたスピーカユニット1が振動系の
振動の反作用により加振された場合のバッフル板2の変
形モードを計算によって求めて表示した細図である。各
図において、バッフル板2の開孔の外側のフレーム取付
部5にスピーカユニット1のフレーム1Aが取り付けら
れているものとする。モデル作成と計算の簡略化のた
め、取り付け部5にフレームと磁気回路などスピーカユ
ニット1の重量を等価的に負荷し、この部分をバッフル
板2に垂直な方向に加振して、振動の反作用をバッフル
板2に等価的に加えている。図3の(a)は、スピーカ
システムが動作していないとき、すなわちバッフル板2
が振動していないときのモデル図である。図3の(b)
は本実施例によるスピーカシステムの動作中のバッフル
板2の変形モードを示す。図4の(a)は、溝3のない
スピーカシステムが動作していないときのモデル図であ
る。図4の(b)は溝3のないスピーカシステムの動作
中のバッフル板の変形モードを示す。図4の(b)の溝
3がない場合は、振動の反作用により、バッフル板2の
全面が変形していることがわかる。図3の(b)では、
溝3の内側はバッフル板2が変形しているが、溝3の外
側ではあまり変形していないことがわかる。これは、溝
3で振動伝搬にロスが生じて、この部分より外側への振
動伝搬が大幅に抑制されるためである。この有限要素法
を用いたシミュレーションにより溝3の形状と振動の減
衰に寄与する効果を調べた結果、溝3の形状について
は、溝3のバッフル板2の面での幅をW、最深部までの
深さをdとしたとき、d≧W×2である場合に顕著な効
果が得られることが確認できた。
【0008】溝3の厚さについては、前記シミュレーシ
ョン及び過去の成型実験から、バッフル板2の厚さを
t、溝3の厚さをTとするとき、T≦t×(3/4)の
関係にあるとき顕著な効果が得られるとともに良好な樹
脂成型性が得られることが確認できた。本実施例では、
スピーカユニット1の中心と円形の溝3の中心が一致し
ているが、ずれていても同等の効果が得られる。溝の形
状が、図5に示す溝31のように、図1に示すものと反
対にバッフル板21から突出するものでも同様の効果が
得られる。また、図6に示すように、バッフル板22に
断面が波形の溝32を設けた場合においても、同等又は
それ以上の効果が得られる。
【0009】《第2実施例》図7は、本発明の第2実施
例によるスピーカシステムのバッフル板23の正面図で
ある。以下の各寸法は図1の対応部分と同じである。バ
ッフル板23は、縦横の寸法が220mmの正方形のA
BS樹脂製で厚さtは3mmである。バッフル板23の
中央に口径12cmのスピーカユニット1が取り付けら
れている。バッフル板23にはスピーカユニット1を囲
むように、バッフル板23の表面での幅Wが3mm、最
大深さdが6mm、厚さTが1.5mmの溝33がバッ
フル板23と一体に成型されている。本実施例では溝3
3は長径が188mm、短径が142mmの楕円であ
る。以上のように構成された本実施例のスピーカシステ
ムの動作について説明する。
【0010】図8に本実施例のスピーカシステムのバッ
フル板における振動加速度の実測結果を示す。測定方法
は、第1実施例において示したものと同様である。点線
Aは第1実施例のものの実測結果であり、実線Cは第2
実施例のものの実測結果である。図8から判るように、
実線Cでは、1.2kHzから6kHzの範囲で振動低
減効果が大きくなっていることがわかる。これは、溝3
3の内側のバッフル板23Aの振動の振動モードがスピ
ーカユニット1の軸に対して非対称となるので、振動に
より周波数特性上でピークの発生する周波数が分散する
ためである。さらに、スピーカユニット1の振動板の背
圧による溝33より外側のバッフル板23の振動モード
も分散するので、第1実施例によるスピーカシステムよ
り振動低減効果が大きく、音圧周波数特性を更に平坦に
することができる。なお、第2実施例における溝33の
幅W、最大深さdは式d≧W×2を満たす範囲であれ
ば、同様の効果が得られる。
【0011】《第3実施例》図9は、第3実施例による
スピーカシステムのバッフル板24の正面図である。以
下の各部の寸法は図1の対応部分と同じである。縦横の
寸法が220mmの正方形のABS樹脂製で厚さtが3
mmのバッフル板24の中央に口径12cmのスピーカ
ユニット1が取り付けられている。スピーカユニット1
の外側にはバッフル板24の表面での幅Wが3mm、最
大深さdが6mmの円形の溝34がバッフル板24と一
体成型で設けられている。円形の溝34の内側端の直径
Gは142mmである。本実施例では溝34の部分の厚
さTが円周上の4箇所で部分的に厚くなされている。厚
い部分34Aは図9の(b)の断面図に示すように、厚
さtは2.5mmである。その他の薄い部分は図9の
(c)の断面図に示すように、厚さtは1mmである。
また、厚い部分34Aの円周上の長さは16mmであ
り、90°間隔で配置されている。バッフル板24を樹
脂成形するとき、溝部分の厚みを第1及び第2実施例の
ように均一にせずに、本実施例のように部分的に変える
ことにより成形性を向上させることができる。厚い部分
34A以外の部分の厚さを極力薄くすることで、振動低
減効果を低下させずに成形性を向上させることができ、
バッフル板24の成形歪がなくなって外観がよくなるな
ど品質を向上させることが可能になる。本実施例におい
て厚い部分34Aの数は4個であるが、3個以下であっ
ても同等の効果が得られる。厚い部分34Aを90°間
隔でスピーカ1の軸に対称に配置しているが、軸に非対
称に配置した場合においても、同等の効果が得られる。
【0012】《第4実施例》図10は、本発明の第4実
施例によるスピーカシステムの断面図である。図10の
スピーカシステムは、例えば外形寸法が、幅(紙面に垂
直な方向の寸法)が220mm、高さHが220mm、
奥行きDが160mmの木製のキャビネット4と、口径
12cmのスピーカユニット1が取り付けられた、AB
S樹脂製で厚さtが3mmであるバッフル板25により
密閉状態に構成されている。前記スピーカユニット1の
取り付け部6を囲むように、バッフル板25の表面での
幅Wが3mm、最大深さdが6mm、厚さTが1.5m
mの溝35が、バッフル板25と一体成型で設けられて
いる。この溝35の内側上端の曲率は1mmである。溝
35の底面の断面曲率は1.5mmである。円周状に構
成された溝35の内側の直径は、170mmである。ス
ピーカユニット1の中心と円形の溝35の中心は一致し
ている。バッフル板25の、溝35より外側の部分に対
して、溝35より内側の部分25Aはスピーカシステム
の前方(図10では左方)に20mm突出している。ス
ピーカユニット1の取り付け部6から溝35までは直線
の斜面になされている。以上のように構成された本実施
例のスピーカシステムでは、スピーカユニット1を取り
付けた部分25Aが平面ではなく斜面であるので、音波
の回折による音圧周波数特性の乱れを少なくすることが
でき、比較的平坦な音圧周波数特性を得ることができ
る。第4実施例のスピーカシステムの音圧周波数特性を
第1実施例のスピーカシステムの音圧周波数特性と比較
しつつ説明する。図11は、前記両スピーカシステムの
音圧周波数特性の実測結果であり、点線Dは第1実施例
の、実線Eは第4実施例のそれぞれのスピーカシステム
の音圧周波数特性を示している。点線Dでは音波の回折
により700〜800Hz付近の音圧周波数特性に段差
Xが生じており、1.5kHz付近に凹みYが生じてい
る。しかしながら、実線Eでは急激な段差は少なく点線
Dに比べると平坦な特性になっている。これは、バッフ
ル板25が平面ではなく斜面であるために音波の回折に
よる影響を受け難くなっているためである。
【0013】第4実施例では、スピーカユニット1の振
動の反作用によるバッフル板25の振動が低減されると
ともに、比較的平坦な音圧周波数特性を有するスピーカ
システムを実現することが可能である。図10では、ス
ピーカユニット1取り付け部付近から溝35までのバッ
フル板25は直線の斜面になされているが、曲線の斜面
で構成されていても同様の効果が得られる。
【0014】《第5実施例》図12は、本発明の第5実
施例によるスピーカシステムの断面図である。第5実施
例のスピーカシステムは、例えば、外形寸法が、幅が2
20mm、高さHが220mm、奥行きDが160mm
である木製のキャビネット4と口径12cmのスピーカ
ユニット1が取り付けられたABS樹脂製で厚さtが3
mmのバッフル板26により密閉状態に構成されてい
る。バッフル板26のスピーカユニット1の取り付け部
6を囲む円周上にバッフル板26の表面での幅Wが3m
m、最大深さdが6mm、厚さTが1.5mmの溝36
がバッフル板26と一体成型で設けられている。この溝
36の内側上端の曲率は1mmである。また、溝36の
底部の断面曲率は1.5mmである。円周状に構成され
た溝36の内側の直径は170mmである。スピーカユ
ニット1の中心と円形に形成された溝36の中心は一致
している。溝36からスピーカユニット1の取り付け部
6までのバッフル板26の部分26Aは、溝36よりの
外側のバッフル板26よりも20mmだけキャビネット
4の内部に向かって凹んでいる。スピーカユニット1の
取り付け部6から溝36までのバッフル板26Aは直線
の斜面になされている。
【0015】以上のように構成された第5実施例のスピ
ーカシステムでは、スピーカユニット1の取り付け部6
付近から溝36までのバッフル板26Aがホーンを形成
しているので特定の周波数範囲の音圧が高くなる。第5
実施例のスピーカシステムの音圧周波数特性を第1実施
例のスピーカシステムの音圧周波数特性と比較しつつ説
明する。図13は、前記両スピーカシステムの音圧周波
数特性の実測結果であり、点線Dは第1実施例の、実線
Fは第5実施例のそれぞれのスピーカシステムの音圧周
波数特性を示している。点線Dに対して、実線Fでは、
1kHzから15kHzの範囲で音圧が約2dB高くな
っていることが確認できる。これは、スピーカユニット
1の取り付け部6から溝36までのバッフル板26Aの
凹みのホーン効果により音圧が高くなるためである。こ
れにより、第5実施例のスピーカシステムではスピーカ
ユニット1の振動の反作用によるバッフル板26の振動
が低減されるとともに、高音部での音圧が高いスピーカ
システムを得ることができる。図12に示すものではス
ピーカユニット1の取り付け部6から溝36までの斜面
は直線になされているが、この斜面を曲線で構成しても
同様の効果が得られる。
【0016】《第6実施例》図14は、本発明の第6実
施例によるスピーカシステムの断面図である。第6実施
例のスピーカシステムは、例えば外形寸法が、幅が22
0mm、高さHが220mm、奥行きDが160mmの
木製のキャビネット4と、口径12cmのスピーカユニ
ット1が取り付けられたABS樹脂製の厚さtが3mm
のバッフル板27により密閉状態に構成されている。バ
ッフル板27のスピーカユニット1を取り付けた部分2
7Aの外側の円形の領域に、バッフル板26の表面にお
ける幅Wが20mm、最大深さdが8mm、厚さTが
1.5mmの溝37がバッフル板27と一体成型で設け
られている。溝37の内側上端の曲率は1mmである。
また、円周状に構成された溝37の内側の直径は145
mmである。スピーカユニット1の中心と円形の溝37
の中心は一致している。
【0017】以上のように構成された本実施のスピーカ
システムでは、バッフル板27の面積に対して溝37の
占める面積が大きく、溝37による音波の反射の影響が
大きくなる。そのため、音圧周波数特性において特定の
周波数に凹みが発生する。音圧周波数特性のこの凹みが
生じる周波数が、溝を設けない場合にピークが生じる周
波数に一致するように溝37の形状、寸法、位置を選定
すれば音圧周波数特性が平坦なスピーカシステムを実現
することができる。第6実施例のスピーカシステムの音
圧周波数特性を第1実施例のスピーカシステムの音圧周
波数特性と比較しつつ説明する。図15は、前記両スピ
ーカシステムの音圧周波数特性の実測結果であり、点線
Dは第1実施例の、実線Gは第6実施例のそれぞれのス
ピーカシステムの音圧周波数特性を示している。点線D
の音圧周波数特性では1kHz付近にピークが存在す
る。これはスピーカユニット1の特性によるものであ
る。
【0018】前記の第6実施例の溝37の中央を通る円
の直径Kは165mmであり、溝37の反射による音圧
周波数特性の凹みは、音速を344mとすると以下の式
(1)により求められる。 344m/(165mm×2)=1.042kHz ・・・(1) 式(1)から1kHz付近に凹みが発生する。この凹み
の生じる周波数はスピーカユニット1の特性によりピー
クが発生する周波数とほぼ一致している。従って、溝3
7により発生する音圧周波数特性の凹みとスピーカユニ
ット1の特性によるピークとが打ち消し合い、平坦な音
圧周波数特性を得ることができる。以上のように、第6
実施例のスピーカシステムでは、スピーカユニット1の
振動の反作用による振動が低減されるとともに、音圧周
波数特性が比較的平坦なスピーカシステムを実現するこ
とができる。第6実施例では、1kHz付近の音圧周波
数特性のピークを低減させるために、溝37の寸法を前
記のように選定したが、低減させたいピーク周波数に応
じて溝37の寸法を変えることにより所望の特性を得る
ことができる。
【0019】
【発明の効果】以上の各実施例で詳細に説明したよう
に、本発明のスピーカシステムによれば、スピーカユニ
ットの振動系の振動の反作用による振動がスピーカユニ
ットのフレームが固定されているバッフル板に伝わる
が、スピーカユニットを取り付けた部分を囲む溝をバッ
フル板に設けたことにより溝の厚みの薄い部分で振動エ
ネルギーの損失が生じて振動が遮断され、バッフル板の
溝より外側の部分の振動を大幅に低減させることができ
る。これによりバッフル板の不要な振動により発生する
歪みが低減されるとともにステレオ音場での音像定位を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のスピーカシステムの断面
【図2】本発明の第1実施例のスピーカシステムと従来
のスピーカシステムの振動加速度特性を示すグラフ
【図3】(a)及び(b)は本発明の第1実施例のバッ
フル板のシミュレーションによる変形モードを表わす線
【図4】(a)及び(b)は溝のないバッフル板のシミ
ュレーションによる変形モードを表わす線図
【図5】本発明の第1実施例のスピーカシステムの他の
例の溝の断面図
【図6】本発明の第1実施例のスピーカシステムのさら
に他の例の溝の断面図
【図7】本発明の第2実施例のスピーカシステムの正面
【図8】本発明の第2実施例のスピーカシステムの振動
加速度特性を、第1実施例のものと比較して示すグラフ
【図9】(a)は本発明の第3実施例のスピーカシステ
ムの正面図 (b)は(a)のb−b断面図 (c)は(a)のc−c断面図
【図10】本発明の第4実施例のスピーカシステムの断
面図
【図11】本発明の第4実施例のスピーカシステムの音
圧周波数特性のグラフ
【図12】本発明の第5実施例のスピーカシステムの断
面図
【図13】本発明の第5実施例のスピーカシステムの音
圧周波数特性のグラフ
【図14】本発明の第6実施例のスピーカシステムの断
面図
【図15】本発明の第6実施例のスピーカシステムの音
圧周波数特性のグラフ
【符号の説明】
1 スピーカユニット 1A フレーム 2、20、21、22、23、24、25、26、27
バッフル板 2A 内側上端 3、31、32、33、34、35、36、37 溝 4 キャビネット 5 フレーム取り付け部 6 取り付け部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声を発生するスピーカユニット、及び
    前記スピーカユニットを取り付けるためのバッフル板を
    備え、 前記バッフル板に、バッフル板の前記スピーカユニット
    を取り付ける部分を囲んでバッフル板の厚さより薄い板
    厚を有する溝を設けたことを特徴とするスピーカシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記溝の最も深い部分の深さが、前記溝
    のバッフル板の面上での幅の2倍以上であることを特徴
    とする請求項1に記載のスピーカシステム。
  3. 【請求項3】 前記溝の部分の板厚が、前記バッフル板
    の厚さの4分の3以下であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のスピーカシステム。
  4. 【請求項4】 前記溝のバッフル板の面上での形状が前
    記バッフル板に取り付けたスピーカユニットの中心軸に
    対して非対称であることを特徴とする請求項1、2また
    は3に記載のスピーカシステム。
  5. 【請求項5】 前記溝の、前記溝に沿う所定の長さの部
    分の板厚が他の部分より厚くなされていることを特徴と
    する請求項1、2、3または4に記載のスピーカシステ
    ム。
  6. 【請求項6】 バッフル板の、前記スピーカユニットを
    取り付けた部分から前記溝までの領域が、前記溝より外
    側の領域に対して音声の送出方向に突出していることを
    特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のスピ
    ーカシステム。
  7. 【請求項7】 バッフル板の、前記スピーカユニットを
    取り付けた部分から前記溝までの領域が、前記溝より外
    側の領域よりも音声の送出方向に対して後退しているこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の
    スピーカシステム。
  8. 【請求項8】前記溝での音波の反射により音圧周波数特
    性曲線上に生じる凹部の周波数と、スピーカユニットの
    音圧周波数特性曲線上にピークを生じる周波数とを実質
    的に一致させたことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6または7に記載のスピーカシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013110558A (ja) * 2011-11-21 2013-06-06 Hiroaki Tanimoto バッフル型スピーカ装置およびその組立セット

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