JP2002176306A - ヘリカルアンテナ、切断型アンテナおよび無線端末装置 - Google Patents

ヘリカルアンテナ、切断型アンテナおよび無線端末装置

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JP2002176306A
JP2002176306A JP2000372804A JP2000372804A JP2002176306A JP 2002176306 A JP2002176306 A JP 2002176306A JP 2000372804 A JP2000372804 A JP 2000372804A JP 2000372804 A JP2000372804 A JP 2000372804A JP 2002176306 A JP2002176306 A JP 2002176306A
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base
power supply
transmission path
density
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Masaru Kanazawa
賢 金澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、切断型アンテナに付加されて情報
端末等との間における無線伝送路の形成に供されるヘリ
カルアンテナと、そのヘリカルアンテナが付加された切
断型アンテナと、この切断型アンテナが搭載された無線
端末装置とに関し、無線基地局と情報端末等との間に並
行して個別の無線伝送路を形成することを目的とする。 【解決手段】 外部から与えられる力に応じて、給電路
を形成する給電片11に摺動しつつ可動する線状素子1
3の外側部あるいは外周の全てあるいは一部に螺旋状に
巻回された導電線の線路からなり、これらの線状素子1
3の底部と給電片11との距離に対して巻線の密度が単
調に増減すると共に、その距離が規定の複数の値である
ときに、この線状素子13に固有の共振周波数と異なる
個別の周波数に共振することによって構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切断型アンテナに
付加され、かつ情報端末、電子家電機器その他の装置と
の間における無線伝送路の形成に供されるヘリカルアン
テナと、そのヘリカルアンテナが付加されてなる切断型
アンテナと、この切断型アンテナが搭載されてなる無線
端末装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高密度実装を実現する
技術に併せて、高度に進展したディジタル無線伝送技術
およびディジタル信号処理技術の適用の下で、移動通信
システムの端末装置(以下では、簡単のため、携帯型の
端末装置であると仮定する。)の低廉化、小型化および
付加価値の向上が急速に図られつつある。
【0003】また、このような端末装置に具備されるべ
き機能の内、インタネットへのアクセスを可能とする機
能は必須となりつつあり、例えば、パソコン、PDAそ
の他の情報端末やLANだけではなく、例えば、Blueto
othやHome RFのように、モバイル機器と電子家電機器と
の間で所望のデータを迅速に、かつ確度高く転送するこ
とを可能とする携帯型の端末装置の実現が強く要望され
ている。
【0004】従来、データ通信に供される端末装置は、
その端末装置に備えられたコネクタにケーブルを介して
所定の情報端末に接続されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ケーブルによる端末装置と他の機器との間の接続はデー
タ通信の開始に先行して手作業で行われ、そのデータ通
信の終了時に適宜解除されなければならないために、ユ
ーザに煩雑な作業が強いられ、かつ利便性が低かった。
【0006】なお、端末装置と上記の情報端末その他の
機器との双方に備えられ、かつ上述したケーブルに接続
されたコネクタとしては、一般に、コスト、実装性およ
び安全性にかかわる制約の下で活線挿脱が可能なコネク
タは適用されない。また、このケーブルによって形成さ
れる伝送路は、一般に、無線伝送路によって代替が可能
である。
【0007】しかし、端末装置が無線基地局との間に形
成する無線伝送路は、例えば、800メガヘルツ帯、
1.5ギガヘルツ帯、1.9ギガヘルツ帯の何れかの無
線チャネルを介して形成される。一方、上述した端末装
置とその他の機器との間におけるデータの伝送に供され
るべき無線伝送路は、一般に、混信の防止その他の観点
より、これらの周波数帯の何れとも異なる周波数帯(例
えば、2.4ギガヘルツ帯)の無線チャネルを介して形
成されなければならない。
【0008】したがって、これらの周波数帯は異なって
はいても、周波数軸上における両者の間隔は携帯型の端
末装置に備えられているホイップアンテナを簡便に、か
つ効率的に共用できる程度には大きくなく、さらに、こ
れらの周波数帯において並行して無線伝送路が形成され
るためには、携帯型の端末装置であっても、新たにデー
タ通信用のアンテナが付加されなければならなかった。
【0009】しかし、このようなアンテナは、携帯型の
端末装置に厳しく要求される小型化および軽量化の制約
に阻まれて、実際には搭載され難かった。本発明は、性
能が低下することなく、無線基地局と情報端末その他の
機器との間に並行して個別の無線伝送路の形成を可能と
するヘリカルアンテナ、切断型アンテナおよび端末装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明にかかわ
るヘリカルアンテナの原理ブロック図である。請求項1
に記載の発明では、外部から与えられる力に応じて線状
素子13が可動し、その過程では、巻線の密度はこの線
状素子13の底部と給電片11との距離に応じて単調に
増減し、かつ中空部に介在する線状素子13の長さと密
度との双方もしくは何れか一方も変化する。
【0011】また、このような巻線の密度と、中空部に
介在する線状素子13の長さと密度との双方もしくは何
れか一方とに対する給電点インピーダンスの変化率は、
これらの線状素子13を含む各部の形状、寸法、素材お
よび配置に応じて、絶対値が等しい異符号の値に設定さ
れ得る。
【0012】さらに、共振波長は、本発明にかかわるヘ
リカルアンテナが線状素子13の外側部あるいは外周の
全てあるいは一部に螺旋状に巻回された導電性の線路か
らなるために、この線状素子13の共振周波数より高い
周波数のみに限らず、低い周波数に対しても全長が長く
なることなく共振し得る。したがって、本発明にかかわ
るヘリカルアンテナは、線状素子13の周囲に既存の狭
小な空間に配置され、その線状素子13を介して形成さ
れる無線伝送路に併せて、その無線伝送路が形成される
無線周波帯と異なる所望の無線周波帯に並行して無線伝
送路を形成することができる。
【0013】図2は、本発明にかかわる切断型アンテナ
の第一の原理ブロック図である。請求項2に記載の発明
では、外部から長手方向に与えられる力に応じて、第二
の素子24は、第一の素子21と共に可動する。その過
程では、第三の素子26の巻線の密度は第二の素子24
の底部と給電片25との距離に応じて単調に増加し、そ
の第三の素子26の中空部に介在する第二の素子24の
長さと密度との双方もしくは何れか一方も変化する。
【0014】また、このような巻線の密度と、第三の素
子26の中空部に介在する第二の素子24の長さと密度
との双方もしくは何れか一方とに対するこの第三の素子
26のインピーダンスの変化率は、これらの第二の素子
24と第三の素子26との形状、寸法、素材および相対
的な配置に応じて、絶対値が等しい異符号の値に設定さ
れ得る。
【0015】さらに、第三の素子26は、その第三の素
子26が第二の素子24の外側部あるいは外周の全てあ
るいは一部に螺旋状に巻回された導電性の線路からなる
ために、この第二の素子24の共振周波数より高い周波
数のみに限らず、低い周波数に対しても全長が長くなる
ことなく共振し得る。
【0016】したがって、第二の素子24の周囲に既存
の狭小な空間に配置された第三の素子26によって、そ
の第二の素子24あるいは第一の素子21を介して形成
される無線伝送路に併せて、その無線伝送路が形成され
る無線周波帯と異なる所望の無線周波帯に並行して無線
伝送路が形成される。請求項3に記載の発明では、外部
から長手方向に与えられる力に応じて、第二の素子24
は、第一の素子21と共に可動する。その過程では、第
三の素子26Aの巻線の密度は第二の素子24の底部と
給電片25との距離に応じて単調に減少し、その第三の
素子26Aの中空部に介在する第二の素子24の長さと
密度との双方もしくは何れか一方も変化する。
【0017】また、このような巻線の密度と、第三の素
子26Aの中空部に介在する第二の素子24の長さと密
度との双方もしくは何れか一方とに対するこの第三の素
子26Aのインピーダンスの変化率は、これらの第二の
素子24と第三の素子26Aとの形状、寸法、素材およ
び相対的な配置に応じて、絶対値と符号との何れか一方
が異なる値に設定され得る。
【0018】さらに、第三の素子26Aは、その第三の
素子26Aが第二の素子24の外側部あるいは外周の全
てあるいは一部に螺旋状に巻回された導電性の線路から
なるために、この第二の素子24の共振周波数より高い
周波数のみに限らず、低い周波数に対しても全長が長く
なることなく共振し得る。したがって、第二の素子24
の周囲に既存の狭小な空間に配置された第三の素子26
Aによって、その第二の素子24あるいは第一の素子2
1を介して形成される無線伝送路に併せて、その無線伝
送路が形成される無線周波帯と異なる所望の複数の無線
周波帯に並行して無線伝送路が形成される。
【0019】図3は、本発明にかかわる切断型アンテナ
の第二の原理ブロック図である。請求項4に記載の発明
では、外部から長手方向に与えられる力に応じて、第二
の素子24は、第一の素子21と共に可動する。その過
程では、ローディングコイル31の巻線の密度は第二の
素子24の底部と給電片25との距離に応じて単調に増
加し、そのローディングコイル31の中空部に介在する
第二の素子24の長さと密度との双方もしくは何れか一
方も変化する。
【0020】また、このような巻線の密度と、ローディ
ングコイル31の中空部に介在する第二の素子24の長
さと密度との双方もしくは何れか一方とに対するこのロ
ーディングコイル31のインピーダンスの変化率は、こ
れらの第二の素子24とローディングコイル31との形
状、寸法、素材および相対的な配置に応じて、絶対値が
等しい異符号の値に設定され得る。
【0021】さらに、ローディングコイル31は、その
ローディングコイル31が第二の素子24の外側部ある
いは外周の全てあるいは一部に螺旋状に巻回された導電
性の線路からなるために、この第二の素子24の共振周
波数より高い周波数のみに限らず、低い周波数に対して
も全長が長くなることなく共振し得る。したがって、第
二の素子24の周囲に既存の狭小な空間に配置されたロ
ーディングコイル31とその第二の素子24とによっ
て、この第二の素子24あるいは第一の素子21を介し
て形成される無線伝送路に併せて、その無線伝送路が形
成される無線周波帯と異なる所望の無線周波帯に並行し
て無線伝送路が形成される。
【0022】図4は、本発明にかかわる無線端末装置の
原理ブロック図である。請求項5に記載の発明では、第
一の無線伝送路形成手段42は、請求項2または請求項
3に記載された切断型アンテナ41に備えられた給電片
25と、その給電片25と共にこの切断型アンテナ41
を構成する第一の素子21と第二の素子24との何れか
を介して、これらの素子が共振する第一の無線周波帯に
おいて第一の無線伝送路を形成する。第二の無線伝送路
形成手段43は、切断型アンテナ41に備えられた第三
の素子26、26Aを介してその第三の素子26、26
Aが共振する第二の無線周波帯において第二の無線伝送
路を形成する。
【0023】これらの第一の無線伝送路と第二の無線伝
送路とは、何ら二重給電が行われることなく、それぞれ
第一の素子21あるいは第二の素子24と、これらの素
子とは異なる第三の素子26、26Aとを介して個別に
並行して形成される。したがって、第一の素子21およ
び第二の素子24と第三の素子26、26Aとが適正に
密結合する限り、上述した二重給電に伴って生じ得る電
力効率の低下が回避される。
【0024】請求項1に記載の発明の第一の下位概念の
発明は、線状素子13の底部と給電片11との距離の増
減に応じて自立的に伸縮する形状、寸法および弾性を有
する。すなわち、インピーダンスが所望の値となるため
に確保されるべき巻線の密度と、中空部に介在すべき線
状素子13の長さとは、外部から物理的にあるいは力学
的に何ら補助されることなく、その線状素子13の可動
に応じて好適な値に設定される。
【0025】したがって、機械的な構造が複雑化するこ
となく、所望の特性が安定に維持される。請求項1に記
載の発明の第二の下位概念の発明は、線状素子13の底
部と給電片11との距離に応じて巻線の密度を規定の精
度で一定に保つ形状、寸法および弾性を有する。
【0026】すなわち、巻線の密度は、所望の電気的な
特性が得られる形状、寸法および弾性の下で必ずしも十
分な精度では一定に保たれない場合であっても、線状素
子13の位置の如何にかかわらず上記の精度で一定に維
持される。したがって、配置が可能な狭小な空間の制約
の下で、適用可能な導電性の素材の選定にかかわる制約
が緩和され、かつ所望の特性が確保される。
【0027】請求項2、3に記載の発明の第一の下位概
念の発明では、給電片25は、第三の素子26、26A
の給電端との絶縁を保ちつつその給電端を物理的に支持
する。すなわち、第三の素子26、26Aの給電端は、
第一の素子21(または第二の素子24)の給電端と共
に、その給電端に対して所定の間隔が保たれた状態で固
定される。
【0028】したがって、第三の素子26、26Aに対
する給電は、第二の素子24が既述の通りに可動する過
程においても安定に継続される。請求項2、3に記載の
発明の第二の下位概念の発明では、第三の素子26、2
6Aの給電端は、第二の素子24との絶縁が保たれ、そ
の第二の素子24の頂部より底部に近い端部に形成され
る。
【0029】すなわち、第三の素子26、26Aについ
ては、給電端が第一の素子21(または第二の素子2
4)の給電端から隔たった所望の位置に形成されるの
で、実装上の制約への対処が可能な選択枝が確保され
る。請求項2、3に記載の発明の第三の下位概念の発明
では、第三の素子26、26Aは、第二の素子24の底
部と給電片25との距離の増減に応じて自立的に伸縮す
る形状、寸法および弾性を有する。
【0030】すなわち、第三の素子26、26Aのイン
ピーダンスが所望の値となるために確保されるべき巻線
の密度と、その第三の素子26、26Aの中空部に介在
すべき第二の素子24の長さとは、外部から物理的にあ
るいは力学的に何ら補助されることなく、その第二の素
子24の可動に応じて好適な値に設定される。したがっ
て、機械的な構造が複雑化することなく、所望の特性が
安定に維持される。
【0031】請求項2ないし請求項4に記載の発明の第
一の下位概念の発明では、巻線密度適正化手段28は、
第二の素子24の底部と給電片25との距離に応じて第
三の素子26、26Aの巻線の密度を規定の精度で一定
に保つ。すなわち、第三の素子26、26Aの巻線の密
度は、その第三の素子26、26Aについて所望の電気
的な特性が得られる形状、寸法および弾性の下で必ずし
も十分な精度では一定に保たれない場合であっても、第
二の素子24の如何にかかわらず上記の精度で一定に維
持される。
【0032】したがって、第三の素子26、26Aの配
置が可能な狭小な空間の制約の下で、その第三の素子2
6、26Aを構成し得る導電性の素材の選定にかかわる
制約が緩和され、かつ所望の特性が確保される。請求項
2ないし請求項4に記載の発明の第二の下位概念の発明
では、素子長制限手段29Mは、第三の素子26、26
Aの長さの最大値を規定の上限値に制限する。
【0033】すなわち、第二の素子24の可動に応じて
第三の素子26、26Aの長さが過大となり得る場合で
あっても、その第三の素子26、26Aの巻線の密度が
無用に減少し、またはこの第三の素子26、26Aの何
れかの部分が予め決められた空間の外部に突出し、もし
くは進入することが回避される。請求項2ないし請求項
4に記載の発明の第三の下位概念の発明では、素子長制
限手段29mは、第三の素子26、26Aの長さの最小
値を規定の下限値に制限する。
【0034】すなわち、第二の素子24の可動に応じて
第三の素子26、26Aの長さが過小となり得る場合で
あっても、その第三の素子26、26Aの巻線の密度が
無用に増大し、またはこの第三の素子26、26Aの全
長が固有の弾性限界を超えて縮められることが回避され
る。請求項3に記載の発明に類似する発明では、外部か
ら長手方向に与えられる力に応じて、第二の素子24
は、その第一の素子21と共に可動する。その過程で
は、ローディングコイル31Aの巻線の密度は第二の素
子24の底部と給電片25との距離に応じて単調に減少
し、そのローディングコイル31Aの中空部に介在する
第二の素子24の長さと密度との双方もしくは何れか一
方も変化する。
【0035】また、このような巻線の密度と、ローディ
ングコイル31Aの中空部に介在する第二の素子24の
長さと密度との双方もしくは何れか一方とに対するこの
ローディングコイル31Aのインピーダンスの変化率
は、これらの第二の素子24とローディングコイル31
Aとの形状、寸法、素材および相対的な配置に応じて、
絶対値と符号との何れか一方が異なる値に設定され得
る。
【0036】さらに、ローディングコイル31Aは、そ
のローディングコイル31Aが第二の素子24の外側部
あるいは外周の全てあるいは一部に螺旋状に巻回された
導電性の線路からなるために、この第二の素子24の共
振周波数より高い周波数のみに限らず、低い周波数に対
しても全長が長くなることなく共振し得る。したがっ
て、第二の素子24の周囲に既存の狭小な空間に配置さ
れたローディングコイル31Aとその第二の素子24と
によって、この第二の素子24あるいは第一の素子21
を介して形成される無線伝送路に併せて、その無線伝送
路が形成される無線周波帯と異なる所望の複数の無線周
波帯に並行して無線伝送路が形成される。
【0037】請求項4に記載の発明の第一の下位概念の
発明では、給電片25は、ローディングコイル31、3
1Aとの絶縁を保ちつつそのローディングコイル31、
31Aの一端を物理的に支持する。すなわち、ローディ
ングコイル31、31Aの一端は、第一の素子21(ま
たは第二の素子24)の給電端と共に、その給電端に対
して所定の間隔が保たれた状態で固定される。
【0038】したがって、ローディングコイル31、3
1Aを介して行われる第二の素子24の給電は、第二の
素子24が既述の通りに可動する過程においても安定に
継続される。請求項4に記載の発明の第二の下位概念の
発明では、ローディングコイル31、31Aの一端は、
第二の素子24との絶縁が保たれ、その第二の素子24
の頂部より底部に近い端部に形成される。
【0039】すなわち、ローディングコイル31、31
Aについては、上述した一端が第一の素子21(または
第二の素子24)の給電端から隔たった所望の位置に形
成されるので、実装上の制約への対処が可能な選択枝が
確保される。
【0040】請求項2に記載の発明と請求項3に記載の
発明に類似する発明との第一の下位概念の発明では、ロ
ーディングコイル31、31Aは、第二の素子24の底
部と給電片25との距離の増減に応じて自立的に伸縮す
る形状、寸法および弾性を有する。すなわち、ローディ
ングコイル31、31Aのインピーダンスが所望の値と
なるために確保されるべき巻線の密度と、そのローディ
ングコイル31、31Aの中空部に介在すべき第二の素
子24の長さとは、外部から物理的にあるいは力学的に
何ら補助されることなく、その第二の素子24の可動に
応じて好適な値に設定される。
【0041】したがって、機械的な構造が複雑化するこ
となく、所望の特性が安定に維持される。請求項2に記
載の発明と請求項3に記載の発明に類似する発明との第
二の下位概念の発明では、巻線密度適正化手段32は、
第二の素子24の底部と給電片25との距離に応じてロ
ーディングコイル31、31Aの巻線の密度を規定の精
度で一定に保つ。
【0042】すなわち、ローディングコイル31、31
Aの巻線の密度は、そのローディングコイル31、31
Aについて所望の電気的な特性が得られる形状、寸法お
よび弾性の下で必ずしも十分な精度では一定に保たれな
い場合であっても、第二の素子24の位置如何にかかわ
らず上記の精度で一定に維持される。したがって、ロー
ディングコイル31、31Aの配置が可能な狭小な空間
の制約の下で、そのローディングコイル31、31Aを
構成し得る導電性の素材の選定にかかわる制約が緩和さ
れ、かつ所望の特性が確保される。
【0043】請求項2に記載の発明と請求項3に記載の
発明に類似する発明との第三の下位概念の発明では、素
子長制限手段33Mは、ローディングコイル31、31
Aの長さの最大値を規定の上限値に制限する。
【0044】すなわち、第二の素子24の可動に応じて
ローディングコイル31、31Aの長さが過大となり得
る場合であっても、そのローディングコイル31、31
Aの巻線の密度が無用に減少し、またはこのローディン
グコイル31、31Aの何れかの部分が予め決められた
空間の外部に突出し、もしくは進入することが回避され
る。
【0045】請求項2に記載の発明と請求項3に記載の
発明に類似する発明との第四の下位概念の発明では、素
子長制限手段33mは、ローディングコイル31、31
Aの長さの最小値を規定の下限値に制限する。すなわ
ち、第二の素子24の可動に応じてローディングコイル
31、31Aの長さが過小となり得る場合であっても、
そのローディングコイル31、31Aの巻線の密度が無
用に増大し、またはこのローディングコイル31、31
Aの全長が固有の弾性限界を超えて縮められることが回
避される。
【0046】請求項5に記載の発明の下位概念の発明で
は、第二の無線伝送路形成手段43は、第三の素子2
6、26Aとの不整合の程度を監視し、その不整合を是
正する。すなわち、第三の素子26、26Aは、その第
三の素子26、26Aの形状、寸法、素材の偏差、ある
いはこれらの選定にかかわる制約に起因して必ずしも十
分な精度でインピーダンス整合が図られない場合であっ
ても、安定に給電される。
【0047】請求項5に記載の発明に類似する発明で
は、第一の無線伝送路形成手段42Lは、請求項4に記
載の発明とその発明に類似する発明との何れか一方にか
かわる切断型アンテナ41Lに備えられた給電片25
と、その給電片25と共にこの切断型アンテナ41Lを
構成する第一の素子21と第二の素子24との何れかを
介して、これらの素子が共振する第一の無線周波帯にお
いて第一の無線伝送路を形成する。第二の無線伝送路形
成手段43Lは、切断型アンテナ41Lに備えられたロ
ーディングコイル31、31Aおよび第二の素子24を
介してその第二の素子24が共振する第二の無線周波帯
に第二の無線伝送路を形成する。
【0048】これらの第一の無線伝送路と第二の無線伝
送路とは、第一の無線伝送路形成手段42Lが第一の素
子21に対して給電をする状態では、請求項5に記載の
発明と同様に、何ら二重給電が行われることなく、その
第一の素子21と、ローディングコイル31、31Aを
介して給電される第二の素子24とを介して個別に並行
して形成される。
【0049】また、第一の無線伝送路形成手段42Lが
第二の素子24に対して給電をする状態では、第二の無
線伝送路は、第二の無線伝送路形成手段43Lによって
ローディングコイル31、31Aを介して給電される第
二の素子24が共用されることによって、第一の無線伝
送路と共に並行して形成される。したがって、第一の素
子21および第二の素子24とローディングコイル3
1、31Aとが適正に密結合する限り、上述した第一お
よび第二の無線伝送路が並行して安定に形成される。
【0050】請求項5に記載の発明に類似する発明の下
位概念の発明では、第二の無線伝送路形成手段43L
は、第二の素子24との不整合の程度を監視し、その不
整合を是正する。すなわち、第二の素子24は、そのロ
ーディングコイル31、31Aの形状、寸法および素材
の偏差、あるいはこれらの選定にかかわる制約に起因し
て必ずしも十分な精度でインピーダンス整合が図られな
い場合であっても、第二の無線伝送路形成手段43Lに
よって安定に給電される。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態について詳細に説明する。図5は、本発明の第一
および第三の実施形態を示す図である。図において、筐
体50の頂部に形成された連通孔には環状の絶縁体から
なるホルダ51が挿嵌し、そのホルダ51の中空部に
は、頂部を含む主要部が線状の導体から構成され、かつ
底部に径が同じ線上の絶縁体52Iが装荷された主素子
52が緩嵌する。主素子52の頂部には棒状の絶縁体5
3の一端が嵌合し、その絶縁体53の他端には、主素子
52の軸の仮想延長線の回りに巻回された螺旋状の副素
子54の基部(給電端)に相当する棒状のスリーブ55
の先端部が嵌合する。副素子54には、円筒状の絶縁体
からなるアンテナトップ56が被装する。
【0052】筐体50の内部に位置する主素子52の周
囲には、下記の条件の全てを満たす螺旋状素子57が巻
回される。 ・ 長さがその筐体50の内部に位置し得る主素子52
の最大の長さ(後述するストッパに螺合する長さを含ま
ない。)を上回る。 ・ 内径が主素子52の外形より大きい。
【0053】・ 外径が筐体50の内壁に予め形成され
た円筒状の溝50Cの内径より小さい螺旋状のコイルと
して構成される。 ・ ホルダ51の側部にそのホルダ51の中空部を通過
することなく形成された孔(以下、単に「支持孔」とい
う。)」に一端が嵌通する。主素子52の底部に装荷さ
れた絶縁体52Iの先端部の一部は、頂部が螺旋状素子
57の他端に当設する状態に保たれつつ下記の条件の全
てを満たすストッパ58の頂部の中央に垂直に埋設され
る。
【0054】・ 外径が上述した溝50Cの内壁より小
さい。 ・ 外側壁が溝50Cの内壁に摺動可能な円推台状の絶
縁体から構成される。 ・ 頂部の径が螺旋状素子57の外径より大きい。 ホルダ51の中空部の内壁には、主素子52の外壁に摺
動可能な形状および弾性を有する導体片からなり、かつ
一端が既述の支持孔とは異なる孔を介してそのホルダ5
1の外側壁に突出したバネ接触子59が植設される。
【0055】このバネ接触子59の一端は整合回路(空
中線共用器を兼ねる。)60tのアンテナ端子に接続さ
れ、その整合回路60tの受信出力と送信入力とはそれ
ぞれ受信部61tの受信入力と送信部62tの送信出力
とに接続される。
【0056】また、既述の支持孔に嵌通した螺旋状素子
57の一端は整合回路60dのアンテナ端子に接続さ
れ、その整合回路60dの受信出力と送信入力とはそれ
ぞれ受信部61dの受信入力と送信部62dの送信出力
とに接続される。図6は、本発明の第一の実施形態の動
作を説明する図である。以下、図5および図6を参照し
て本発明の第一の実施形態の動作を説明する。
【0057】主素子52は、アンテナトップ56を介し
て操作者がその主素子52の軸の方向に与える力に応じ
て可動し、下記の何れかの状態に維持される。 ・ 図6(a) に示すように、筐体50の内部に収納さ
れ、かつスリーブ55がバネ接触子59に接触する第一
の状態 ・ 図6(b) に示すように、筐体50の外部に大半が引
き出され、かつストッパ58がホルダ51の底部の近傍
に配置された係止部材(図示されない。)に係止すると
共に、そのストッパ59の近傍の外側壁がバネ接触子5
9に接触する第二の状態 なお、溝50Cは、上述した第一の状態と第二の状態
と、これらの状態の相互間の遷移の過程とにおいてスト
ッパ58の外側壁の位置を適正に保つ誘導路として機能
する。
【0058】したがって、整合回路60tは、第一の状
態ではバネ接触子59およびスリーブ55を介して副素
子54に対する給電を行い、かつ第二の状態ではバネ接
触子59を介して副素子に対する給電を行う。受信部6
1tおよび送信部62tは、主素子52あるいは副素子
54が共振する所定の周波数帯において無線伝送路を形
成する。
【0059】また、螺旋状素子57の配置、形状および
寸法は、上述した第一の状態と第二の状態とにおいてそ
れぞれ下記の条件を満たす。 ・ 第一の状態では、図6(a) に示すように、中空部の
大半の領域に導電体である主素子52が介在し、かつ全
長が最大の値となる。
【0060】・ 第二の状態では、中空部の大半の領域
に既述の絶縁体52Iが介在し、かつ全長が最小の値と
なる。すなわち、螺旋状素子57のインピーダンス(こ
こでは、この螺旋状素子を介して送受信が行われるべき
無線周波信号の周波数に対する値であると仮定する。)
は、第一の状態と第二の状態とでは、それぞれ下記の通
りに変化し得る。
【0061】・ 第一の状態では、螺旋状素子57の中
空部の大半の領域に主素子52が介在することによって
その中空部の透磁率μが大きな値となるほど高くなる
が、全長の増加によって巻線の密度nが低下するほど低
くなる。 ・ 第二の状態では、螺旋状素子57の中空部の大半の
領域に絶縁体52Iが介在することによってその中空部
の透磁率μが小さな値となるほど低下するが、全長の減
少によって巻き線の密度nが増加するほど高くなる。
【0062】しかし、本実施形態では、主素子52、絶
縁体52Iおよび螺旋状素子57の寸法、形状と、その
螺旋状素子57の弾性とは、第一の状態と第二の状態と
における上述した中空部の透磁率μの差と、巻線の密度
nの差とにそれぞれ起因して生じるこの螺旋状素子57
のインピーダンス(インダクタンス)の差が互いに所定
の精度で相殺される値に予め設定される。
【0063】したがって、螺旋状素子57のインピーダ
ンスは、第一の状態と第二の状態とにおいてほぼ同じ値
に保たれる。整合回路60dは、このような螺旋状素子
57とのインピーダンス整合を図りつつその螺旋状素子
57に対する給電を行う。受信部61dおよび送信部6
2dは、このようにして給電が行われる螺旋状素子57
が共振する所定の周波数帯において無線伝送路を形成す
る。
【0064】すなわち、主素子52または副素子54を
介して無線基地局との間に形成される無線伝送路に併せ
て、この無線伝送路が形成される周波数帯と異なる周波
数帯において、その主素子52の周囲にある狭小な余剰
の空間に巻回された螺旋状素子57を介して並行して無
線伝送路が形成される。このように本実施形態によれ
ば、携帯型の端末装置に厳しく要求される低廉化、小型
化および消費電力の節減にかかわる制約の範囲内におい
て、所望の周波数帯において情報端末や電子家電機器と
の間で相互に迅速なデータの伝送を可能とする無線伝送
路が確度高く形成される。
【0065】また、本実施形態に係る端末装置では、同
様のデータの伝送がケーブルを介して行われる従来例に
比べて、情報端末や電子家電機器との相対的な位置や距
離にかかわる制約が大幅に解消され、利便性が著しく高
められる。図7は、本発明の第二の実施形態を示す図で
ある。図において、図5に示すものと機能および構成が
同じものについては、同じ符号を付与して示し、ここで
は、その説明を省略する。
【0066】本実施形態と既述の第一の実施形態との構
成の相違点は、下記の点にある。 ・ 主素子52の底部には、絶縁体52Iが装荷されな
い。 ・ 主素子52の底部は、ストッパ58を貫通し、その
ストッパ58の底部から所定の長さに亘って突出する。 ・ 溝50Cの内壁の内、ストッパ58の底部が位置し
得る領域から溝50Cの底部に至る領域には、筒状の空
間(側壁には、螺旋状素子がはみ出ないことが保証され
る形状および寸法のスリット等が形成されてもよい。)
が形成される。
【0067】・ 螺旋状素子57はこの筒状の空間に配
置され、その螺旋状素子57の他端は溝50Cの底部に
固定される。 ・ 螺旋状素子57の一端は、既述の支持孔に嵌通する
ことなく整合回路60dのアンテナ端子に接続される。
図8は、本発明の第二の実施形態の動作を説明する図で
ある。
【0068】以下、図7および図8を参照して本発明の
第二の実施形態の動作を説明する。主素子52は、操作
者がアンテナトップ56を介してその主素子52の軸の
方向に与える力に応じて可動し、既述の第一の実施形態
と同様に第一の状態と第二の状態との何れかに維持され
る。なお、整合回路60t、受信部61tおよび送信部
62tは、これらの第一の状態と第二の状態とにおい
て、それぞれ副素子54と主素子52とが共振する所定
の周波数帯において既述の第一の実施形態と同様に無線
伝送路を形成する。
【0069】また、螺旋状素子57の配置、形状および
寸法は、上述した第一の状態と第二の状態とにおいてそ
れぞれ下記の条件を満たす。 ・ 第一の状態では、図8(a) に示すように、ストッパ
58の底部によって与えられる力に応じて弾性限界の範
囲を超えることなく全長が最小の値となり、かつ中空部
にはそのストッパ58の底部から突出した主素子52が
介在する。
【0070】・ 第二の状態では、図8(b) に示すよう
に、一端がストッパ58の底部に何ら接することなく全
長が最大の値となり、そのストッパ58の底部から突出
した主素子52の内、中空部に介在する主素子52の長
さ(「0」であってもよい。)は第一の状態において同
様に介在する長さに比べて短くなる。すなわち、螺旋状
素子57のインピーダンスは、第一の状態と第二の状態
とでは、それぞれ下記の通りに変化し得る。
【0071】・ 第一の状態では、巻線の密度nが最大
となるために増加し、さらに、中空部に介在する主素子
52の長さが大きいほどその中空部の透磁率μが大きく
なって増加し得る。 ・ 第二の状態では、巻線の密度nが最小となるために
減少し、さらに、中空部に介在する主素子52の長さが
短いほどその中空部の透磁率μが小さくなって減少し得
る。
【0072】しかし、本実施形態では、主素子52、ス
トッパ58および螺旋状素子57の寸法および形状と、
その螺旋状素子57の弾性とは、下記の何れかの条件が
成立する値に予め設定される。 ・ 第一の状態と第二の状態とにおける上述した透磁率
μと巻線の密度nとに応じて変化する螺旋状素子57の
インピーダンス(インダクタンス)が所望の異なる2つ
の周波数において同じ値となる。
【0073】・ 螺旋状素子57は、第一の状態と第二
の状態とにおいてそれぞれこれらの2つの無線周波数に
対して共振する。整合回路60dは、これらの2つの無
線周波数が予め既知の情報として与えられ、かつ螺旋状
素子57に対する給電の過程でインピーダンス整合が維
持されているか否かを判別すると共に、その判別の結果
が偽となったときに、続行して給電が行われるべき無線
周波数を交互に切り替える。
【0074】受信部61dおよび送信部62dは、この
ようにして螺旋状素子57が共振する周波数帯(上述し
た2つの無線周波数の何れか一方)において無線伝送路
を形成する。したがって、本実施形態によれば、主素子
52または副素子54を介して形成される無線伝送路に
併せて、その主素子52の底部に既存の余剰の狭小な空
間に配置された螺旋状素子57を介して、データ伝送に
供されるべき2つの無線周波数帯の何れかに無線伝送路
が並行して形成される。
【0075】以下、本発明の第三の実施形態について説
明する。本実施形態と既述の第一の実施形態との構成の
相違点は、図5に示すように、下記の条件の全てを満た
す形状、寸法および巻数で形成された螺旋状素子57A
が螺旋状素子57に代えて備えられた点にある。 ・ データ通信に供されるべき周波数fdにおいて主素
子52に密に結合(静電結合、電磁結合、これらの双方
の何れであってもよい。)する。
【0076】・ 主素子52が所定の波長(例えば、上
述した周波数fdの波長の四分の一に相当する。)にお
いて共振する。したがって、螺旋状素子57Aは、結合
回路60dから主素子52に至る給電路を形成し、その
主素子52の共振波長を短縮するローディングコイルと
して機能する。
【0077】ところで、整合回路60tは、既述の第一
の状態では、バネ接触子59およびスリーブ55を介し
て専ら副素子54のみに対して給電を行う。また、整合
回路60tは、既述の第二の状態では、副素子54に代
わって主素子52のみに対して給電を行う。したがっ
て、このような第二の状態では、整合回路60t、60
dは、無線基地局との間に無線伝送路が形成されるべき
周波数帯に上述した周波数fdが属さないことを前提と
して連係することによって、主素子52に対する二重給
電を行う。
【0078】なお、このような二重給電を実現する技術
については、公知の多様な技術の適用が可能であるの
で、ここでは、その説明を省略する。したがって、本実
施形態によれば、主素子52は、無線基地局との間に形
成される無線伝送路と、既述の情報端末あるいは電子家
電機器との間において行われるべきデータ伝送に供され
るべき無線伝送路との双方に共用される。
【0079】なお、本実施形態では、整合回路60dの
アンテナ端子が螺旋状素子57Aを介して主素子52に
結合している。しかし、本発明はこのような構成に限定
されず、例えば、上述した周波数fdに代わる所望の2
つの周波数fd1、fd2において、既述の螺旋状素子
57Aと主素子52との間に好適な結合度による結合路
が形成されるならば、図7に示す第二の実施形態におい
て、螺旋状素子57に代えてその螺旋状素子57Aが備
えられてもよい。
【0080】さらに、上述した各実施形態では、螺旋状
素子57、57Aの全長は、溝50Cに沿ってストッパ
58が可動し得る全ての範囲において、その螺旋状素子
57、57Aが固有の弾性力に応じてそのストッパ58
の頂部もしくは底部に自立的に接触することによって設
定され、または、このストッパ58に何ら接触すること
なく自立的に維持されている。
【0081】しかし、本発明はこのような構成に限定さ
れず、例えば、下記の構成の全てもしくは所望の一部が
適用されることによって、螺旋状素子57、57Aの全
長が設定され、あるいは維持されてもよい。・ 螺旋状
素子57、57Aの弾性力の不足分を物理的に補う何ら
かの部材や機構が付加される。
【0082】・ 螺旋状素子57、57Aの一端がホル
ダ51(あるいはストッパ58)の底部に係止される。 ・ 螺旋状素子57、57Aの他端がストッパ58の頂
部に係止される。また、上述した各実施形態では、螺旋
状素子57、57Aは、径が同じ線材が一様に巻回され
てなる螺旋状の線路として構成されている。
【0083】しかし、本発明はこのような構成に限定さ
れず、所望の電気的な特性(主素子52との結合によっ
て得られる総合的な特性を含む。)が達成されるよう
に、例えば、螺旋状素子57、57Aにかかわる下記の
項目の全てあるいは一部が不均一である線路として構成
されてもよい。 ・ 線材の径、断面の形状・寸法 ・ 巻線の密度 ・ 巻線の内径・外形 さらに、これらの線材の径、断面の形状・寸法、巻線の
密度、巻線の内径・外形の全てあるいは一部について
は、何らかの部材や機構が併せて付加されることによっ
て、物理的にあるいは機械的に所望の値に維持されても
よいまた、螺旋状素子57、57Aの全長については、
第一および第三の実施形態では、ストッパ58が溝50
Cに沿って可動し得る全ての範囲において変化し、かつ
第二の実施形態では、その螺旋状素子57、57Aに固
有の弾性力と自重(あるいは螺旋状素子57、57Aの
外側部と溝50Cとの間に生じる摩擦力)とが均衡する
値として最大値が与えられている。
【0084】しかし、本発明はこのような構成に限定さ
れず、例えば、溝50Cの内壁に形成され、かつ下記の
条件を満たす突起その他のストッパによって、螺旋状素
子57、57Aの両端あるいは一端が位置し得る範囲が
規制され、その螺旋状素子57、57Aの全長の最大値
と最小値との双方あるいは何れか一方が精度よく所望の
値に設定されてもよい。
【0085】・ 適正なストッパ58の可動が妨げられ
ない。 ・ ストッパ58が溝50Cに沿って可動する過程にお
いて、螺旋状素子57、57Aの巻線の密度が円滑に適
正な値に変化することが妨げられない。 ・ 螺旋状素子57、57Aの弾性力によって主素子5
2が無用に可動することがない。
【0086】さらに、上述した各実施形態では、螺旋状
素子57、57Aのインピーダンスがとるべき値に対す
る偏差に起因するインピーダンスの不整合が何ら是正さ
れていない。しかし、本発明はこのような構成に限定さ
れず、例えば、整合回路60dがこのような不整合の程
度を監視し、その結果に基づいてインピーダンス整合を
維持してもよい。
【0087】また、上述した第一および第三の実施形態
では、ホルダ51に形成された支持孔に嵌通した螺旋状
素子57、57Aの一端を介してその螺旋状素子57、
57Aに対する給電が行われている。しかし、本発明は
このような構成に限定されず、螺旋状素子57、57A
に対する給電は、下記の何れかの構成の下で行われても
よい。
【0088】・ 螺旋状素子57、57Aの他端に整合
回路60dのアンテナ端子が直結される。 ・ 溝50Cの側壁の内、螺旋状素子57、57Aの巻
線の密度の変化に適応可能な区間に亘って形成されたス
リットを介して、螺旋状素子57、57Aの両端の双方
に該当しない所定の箇所に整合回路60dのアンテナ端
子が直結される。
【0089】さらに、螺旋状素子57、57Aは、上述
した第一および第三の各実施形態では、主素子52の回
りに巻回されると共に、その主素子52の外側壁と溝5
0Cとで挟まれた狭小な空間に配置され、かつ第二の実
施形態では、溝50Cの底部の近傍に既存の筒状の余剰
の空間の内側に配置されている。しかし、本発明はこの
ような構成に限定されず、螺旋状素子57、57Aは、
下記の条件が維持されるならば、筐体50の内部にある
如何なる狭小な空間に配置されてもよい。
【0090】・ ストッパ58の可動に応じて既述の巻
線の密度と、螺旋状素子57、57Aによって形成され
る磁界の透磁率とが既述の通りに変化する。 ・ 主素子52との結合が適正に維持される。また、上
述した第一の実施形態では、第一の状態と第二の状態と
において螺旋状素子57、57Aのインピーダンス(イ
ンダクタンス)が既述の通りに所望の精度で同じ値とな
る要件として、「その螺旋状素子57、57Aによって
磁界が形成される空間の透磁率の変化がこの螺旋状素子
57、57Aの巻線の密度の変化によってほぼ相殺され
ること」が示されている。
【0091】しかし、本発明はこのように螺旋状素子5
7、57Aによって形成される個々の1巻きが同一の点
波源と見なされることを前提とする構成に限定されず、
例えば、上記の要件が必ずしも確度高く成立しない場合
であっても、下記の何れかの場合には、その螺旋状素子
57、57Aの垂直指向性が所望の指向性となるように
この螺旋状素子57、57Aの巻線のピッチが設定され
てもよい。
【0092】・ 整合回路60dと螺旋状素子57、5
7Aとの間におけるインピーダンスの不整合が許容され
る。 ・ その不整合が整合回路60dによって是正される。
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲において、多様な形態による実
施形態が可能であり、かつ構成装置の一部もしくは全て
に如何なる改良が施されてもよい。
【0093】以下、上述した各実施形態に開示された発
明の構成を階層的・多面的に整理し、かつ付記項として
順次列記する。 (付記1) 給電路を形成する給電片11に摺動しつつ
可動する線状素子13の外側部あるいは外周の全てある
いは一部に螺旋状に巻回された導電性の線路からなり、
これらの線状素子13の底部と給電片11との距離に応
じて巻線の密度が単調に増減すると共に、その距離が規
定の複数の値であるときに、この線状素子13に固有の
共振周波数と異なる個別の周波数に共振するヘリカルア
ンテナ。
【0094】(付記2) 付記1に記載のヘリカルアン
テナにおいて、線状素子13の底部と給電片11との距
離の増減に応じて自立的に伸縮する形状、寸法および弾
性を有することを特徴とするヘリカルアンテナ。 (付記3) 付記1または付記2に記載のヘリカルアン
テナにおいて、線状素子13の底部と給電片11との距
離に応じて巻線の密度を規定の精度で一定に保つ形状、
寸法および弾性を有することを特徴とするヘリカルアン
テナ。
【0095】(付記4) 第一の素子21と、前記第一
の素子21の基部に絶縁体22を介して頂部が連結さ
れ、かつ外部から長手方向に与えられる力に応じて可動
する第二の素子24と、前記長手方向に与えられる力に
応じて前記第一の素子21の基部、前記絶縁体22およ
び前記第二の素子24の側部に摺動し、これらの第一の
素子21と第二の素子24の基部との何れか一方に対す
る給電路を形成する給電片25と、前記第二の素子24
の外側部あるいは外周の全てあるいは一部に螺旋状に巻
回された導電性の線路からなり、かつ巻線の密度が第二
の素子24の底部と前記給電片25との距離に応じて単
調に増加すると共に、その距離が規定の複数の値である
ときに、この第二の素子24に固有の共振周波数と異な
る共通の周波数に共振する第三の素子26を備えたこと
を特徴とする切断型アンテナ。
【0096】(付記5) 第一の素子21と、前記第一
の素子21の基部に絶縁体22を介して頂部が連結さ
れ、かつ外部から長手方向に与えられる力に応じて可動
する第二の素子24と、前記長手方向に与えられる力に
応じて前記第一の素子21の基部、前記絶縁体22およ
び前記第二の素子24の側部に摺動し、これらの第一の
素子21と第二の素子24の基部との何れか一方に対す
る給電路を形成する給電片25と、前記第二の素子24
の外側部あるいは外周の全てあるいは一部に螺旋状に巻
回された導電性の線路からなり、かつ巻線の密度が第二
の素子24の底部と前記給電片25との距離に応じて単
調に減少すると共に、この第二の素子24に固有の共振
周波数と異なる複数の周波数に個別に共振する第三の素
子26Aを備えたことを特徴とする切断型アンテナ。
【0097】(付記6) 付記4または付記5に記載の
切断型アンテナにおいて、給電片25は、第三の素子2
6、26Aの給電端との絶縁を保ちつつその給電端を物
理的に支持することを特徴とする切断型アンテナ。
【0098】(付記7) 付記6に記載の切断型アンテ
ナにおいて、第三の素子26、26Aの給電端は、第二
の素子24との絶縁が保たれ、その第二の素子24の頂
部より底部に近い端部に形成されたことを特徴とする切
断型アンテナ。
【0099】(付記8) 付記4ないし付記7の何れか
1項に記載の切断型アンテナにおいて、第三の素子2
6、26Aは、第二の素子24の底部と給電片25との
距離の増減に応じて自立的に伸縮する形状、寸法および
弾性を有することを特徴とする切断型アンテナ。
【0100】(付記9) 付記4ないし付記8の何れか
1項に記載の切断型アンテナにおいて、第二の素子24
の底部と給電片25との距離に応じて第三の素子26、
26Aの巻線の密度を規定の精度で一定に保つ巻線密度
適正化手段28を備えたことを特徴とする切断型アンテ
ナ。 (付記10) 付記4ないし付記9の何れか1項に記載
の切断型アンテナにおいて、第三の素子26、26Aの
長さの最大値を規定の上限値に制限する素子長制限手段
29Mを備えたことを特徴とする切断型アンテナ。
【0101】(付記11) 付記4ないし付記10の何
れか1項に記載の切断型アンテナにおいて、第三の素子
26、26Aの長さの最小値を規定の下限値に制限する
素子長制限手段29mを備えたことを特徴とする切断型
アンテナ。
【0102】(付記12) 第一の素子21と、前記第
一の素子21の基部に絶縁体22を介して頂部が連結さ
れ、かつ外部から長手方向に与えられる力に応じて可動
する第二の素子24と、前記長手方向に与えられる力に
応じて前記第一の素子21の基部、前記絶縁体22およ
び前記第二の素子24の側部に摺動し、これらの第一の
素子21と第二の素子24の基部との何れか一方に対す
る給電路を形成する給電片25と、前記第二の素子24
の外側部あるいは外周の全てあるいは一部に螺旋状に巻
回された導電性の線路からなり、その第二の素子24に
結合して巻線の密度が第二の素子24の底部と前記給電
片25との距離に応じて単調に増加すると共に、その距
離が規定の複数の値であるときに、この第二の素子24
に固有の共振周波数と異なる個別の周波数にその第二の
素子24を共振させるローディングコイル31を備えた
ことを特徴とする切断型アンテナ。
【0103】(付記13) 第一の素子21と、前記第
一の素子21の基部に絶縁体22を介して頂部が連結さ
れ、かつ外部から長手方向に与えられる力に応じて可動
する第二の素子24と、前記長手方向に与えられる力に
応じて前記第一の素子21の基部、前記絶縁体22およ
び前記第二の素子24の側部に摺動し、これらの第一の
素子21と第二の素子24の基部との何れか一方に対す
る給電路を形成する給電片25と、前記第二の素子24
の外側部あるいは外周の全てあるいは一部に螺旋状に巻
回された導電性の線路からなり、その第二の素子24に
結合して巻線の密度が第二の素子24の底部と前記給電
片25との距離に応じて単調に減少すると共に、その距
離が規定の複数の値であるときに、この第二の素子24
に固有の共振周波数と異なる個別の周波数にその第二の
素子を共振させるローディングコイル31Aを備えたこ
とを特徴とする切断型アンテナ。
【0104】(付記14) 付記12に記載の切断型ア
ンテナにおいて、給電片25は、ローディングコイル3
1、31Aとの絶縁を保ちつつそのローディングコイル
31、31Aの一端を物理的に支持することを特徴とす
る切断型アンテナ。
【0105】(付記15) 付記12に記載の切断型ア
ンテナにおいて、ローディングコイル31、31Aの一
端は、第二の素子24との絶縁が保たれ、その第二の素
子24の頂部より底部に近い端部に形成されたことを特
徴とする切断型アンテナ。
【0106】(付記16) 付記12ないし付記15の
何れか1項に記載の切断型アンテナにおいて、ローディ
ングコイル31、31Aは、第二の素子24の底部と給
電片25との距離の増減に応じて自立的に伸縮する形
状、寸法および弾性を有することを特徴とする切断型ア
ンテナ。
【0107】(付記17) 付記12ないし付記15の
何れか1項に記載の切断型アンテナにおいて、第二の素
子の底部と給電片25との距離に応じてローディングコ
イル31、31Aの巻線の密度を規定の精度で一定に保
つ巻線密度適正化手段32を備えたことを特徴とする切
断型アンテナ。
【0108】(付記18) 付記12ないし付記17の
何れか1項に記載の切断型アンテナにおいて、ローディ
ングコイル31、31Aの長さの最大値を規定の上限値
に制限する素子長制限手段33Mを備えたことを特徴と
する切断型アンテナ。
【0109】(付記19) 付記12ないし付記18の
何れか1項に記載の切断型アンテナにおいて、ローディ
ングコイル31、31Aの長さの最小値を規定の下限値
に制限する素子長制限手段33mを備えたことを特徴と
する切断型アンテナ。
【0110】(付記20) 付記4ないし付記11の何
れか1項に記載された切断型アンテナ41と、前記切断
型アンテナ41に備えられた給電片25と、その給電片
25と共にこの切断型アンテナ41を構成する第一の素
子21と第二の素子24との何れかを介して、これらの
素子が共振する第一の無線周波帯において第一の無線伝
送路を形成する第一の無線伝送路形成手段42と、前記
切断型アンテナ41に備えられた第三の素子26、26
Aを介してその第三の素子26、26Aが共振する第二
の無線周波帯において第二の無線伝送路を形成する第二
の無線伝送路形成手段43とを備えたことを特徴とする
無線端末装置。
【0111】(付記21) 付記20に記載の無線端末
装置において、第二の無線伝送路形成手段43は、第三
の素子26、26Aとの不整合の程度を監視し、その不
整合を是正することを特徴とする無線端末装置。 (付記22) 付記12ないし付記19の何れか1項に
記載された切断型アンテナ41Lと、前記切断型アンテ
ナ41Lに備えられた給電片25と、その給電片25と
共にこの切断型アンテナ41Lを構成する第一の素子2
1と第二の素子24との何れかを介して、これらの素子
が共振する第一の無線周波帯において第一の無線伝送路
を形成する第一の無線伝送路形成手段42Lと、前記切
断型アンテナ41Lに備えられたローディングコイル3
1、31Aおよび前記第二の素子24を介してその第二
の素子24が共振する第二の無線周波帯において第二の
無線伝送路を形成する第二の無線伝送路形成手段43L
とを備えたことを特徴とする無線端末装置。
【0112】(付記23) 付記22に記載の無線端末
装置において、第二の無線伝送路形成手段43Lは、第
二の素子24との不整合の程度を監視し、その不整合を
是正することを特徴とする無線端末装置。
【0113】
【発明の効果】上述したように、請求項1ないし請求項
4に記載の発明では、既存の線状素子の周囲に既存の狭
小な空間が有効に活用されると共に、その線状素子を介
して形成される無線伝送路に併せて、この無線伝送路が
形成される無線周波帯と異なる所望の無線周波帯に並行
して無線伝送路を形成することができる。
【0114】また、請求項5に記載の発明では、上述し
た線状素子と余剰の空間に配置された素子とが適正に密
結合する限り、電力効率が低下する要因となり得る二重
給電が行われることなく、所望の無線周波帯に並行して
複数の無線伝送路が形成される。さらに、請求項1に記
載の発明の第一の下位概念の発明と、請求項2に記載の
発明と請求項3に記載の発明に類似する発明との第一の
下位概念の発明と、請求項2、3に記載の発明の第三の
下位概念の発明とでは、機械的な構造が複雑化すること
なく、所望の特性が安定に維持される。
【0115】また、請求項1に記載の発明の第二の下位
概念の発明と、請求項2ないし請求項4に記載の発明の
第一の下位概念の発明と、請求項2に記載の発明と請求
項3に記載の発明に類似する発明との第二の下位概念の
発明とでは、配置が可能な狭小な空間の制約の下で、適
用可能な導電性の素材の選定にかかわる制約が緩和さ
れ、かつ所望の特性が確保される。
【0116】また、請求項1に記載の発明の第三の下位
概念の発明と、請求項2に記載の発明と請求項3に記載
の発明に類似する発明との第三の下位概念の発明と、請
求項2ないし請求項4に記載の発明の第二の下位概念の
発明とでは、既述の線状素子の可動に応じて全長が過大
となり得る場合であっても、巻線の密度が無用に減少
し、または何れかの部分が予め決められた空間の外部に
突出し、もしくは進入することが回避される。
【0117】さらに、請求項1に記載の発明の第四の下
位概念の発明と、請求項2ないし請求項4に記載の発明
の第三の下位概念の発明と、請求項2に記載の発明と請
求項3に記載の発明に類似する発明との第四の下位概念
の発明とでは、線状素子の可動に応じて全長が過小とな
り得る場合であっても、巻線の密度が無用に増大し、ま
たはその全長が固有の弾性限界を超えて縮められること
が回避される。
【0118】また、請求項2、3に記載の発明の第一の
下位概念の発明では、第二の素子が可動する過程であっ
ても、第三の素子に対する給電が安定に継続される。さ
らに、請求項2、3に記載の発明の第二の下位概念の発
明と、請求項4に記載の発明の第二の下位概念の発明と
では、実装上の制約への対処が可能な選択枝が確保され
る。
【0119】また、請求項3に記載の発明に類似する発
明では、第二の素子の周囲に既存の狭小な空間に配置さ
れたローディングコイルとその第二の素子とによって、
この第二の素子あるいは第一の素子を介して形成される
無線伝送路に併せて、その無線伝送路が形成される無線
周波帯と異なる所望の複数の無線周波帯に並行して無線
伝送路が形成される。
【0120】さらに、請求項4に記載の発明の第一の下
位概念の発明では、第二の素子が可動する過程であって
も、ローディングコイルを介する第二の素子の給電が安
定に継続される。また、請求項5に記載の発明の下位概
念の発明では、第一の素子および第二の素子とローディ
ングコイルとが適正に密結合する限り、既述の第一の無
線伝送路と第二の無線伝送路とが並行して安定に形成さ
れる。
【0121】さらに、請求項5に記載の発明に類似する
発明の下位概念の発明では、第二の素子は、ローディン
グコイルの形状、寸法および素材の偏差、あるいはこれ
らの選定にかかわる制約に起因して必ずしも十分な精度
でインピーダンス整合が図られない場合であっても、安
定に給電される。したがって、これらの発明が適用され
た無線端末装置では、コストの増加や伝送品質の低下が
伴うことなく、所望の情報端末や電子家電機器と無線伝
送路を介して効率的にデータ伝送を行いつつ連係するこ
とによって、多様な付加価値が高い通信サービスが提供
がされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわるヘリカルアンテナの原理ブロ
ック図である。
【図2】本発明にかかわる切断型アンテナの第一の原理
ブロック図である。
【図3】本発明にかかわる切断型アンテナの第二の原理
ブロック図である。
【図4】本発明にかかわる無線端末装置の原理ブロック
図である。
【図5】本発明の第一および第三の実施形態を示す図で
ある。
【図6】本発明の第一の実施形態の動作を説明する図で
ある。
【図7】本発明の第二の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の第二の実施形態の動作を説明する図で
ある。
【符号の説明】
11,25 給電片 13 線状素子 21 第一の素子 22 絶縁体 24,54 第二の素子 26,26A, 第三の素子 28,32 巻線密度適正化手段 29M,29m,33M,33m 素子長制限手段 31,31A ローディングコイル 41,41L 切断型アンテナ 42,42L 第一の無線伝送路形成手段 43,43L 第二の無線伝送路形成手段 50 筐体 50C 溝 51 ホルダ 52 主素子 52I,53 絶縁体 54 副素子 55 スリーブ 56 アンテナトップ 57,57A 螺旋状素子 58 ストッパ 59 バネ接触子 60d,60t 整合回路 61d,61t 受信部 62d,62t 送信部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 7/26 H04B 7/26 B Fターム(参考) 5J046 AA04 AA08 AA09 AB06 AB12 PA06 5J047 AA04 AB06 AB12 FD01 5K011 AA06 AA16 DA27 EA06 JA01 KA12 5K067 AA41 BB04 EE02 KK01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給電路を形成する給電片に摺動しつつ可
    動する線状素子の外側部あるいは外周の全てあるいは一
    部に螺旋状に巻回された導電性の線路からなり、これら
    の線状素子の底部と給電片との距離に応じて巻線の密度
    が単調に増減すると共に、その距離が規定の複数の値で
    あるときに、この線状素子に固有の共振周波数と異なる
    個別の周波数に共振するヘリカルアンテナ。
  2. 【請求項2】 第一の素子と、 前記第一の素子の基部に絶縁体を介して頂部が連結さ
    れ、かつ外部から長手方向に与えられる力に応じて可動
    する第二の素子と、 前記長手方向に与えられる力に応じて前記第一の素子の
    基部、前記絶縁体および前記第二の素子の側部に摺動
    し、これらの第一の素子と第二の素子の基部との何れか
    一方に対する給電路を形成する給電片と、 前記第二の素子の外側部あるいは外周の全てあるいは一
    部に螺旋状に巻回された導電性の線路からなり、かつ巻
    線の密度が第二の素子の底部と前記給電片との距離に応
    じて単調に増加すると共に、その距離が規定の複数の値
    であるときに、この第二の素子に固有の共振周波数と異
    なる共通の周波数に共振する第三の素子を備えたことを
    特徴とする切断型アンテナ。
  3. 【請求項3】 第一の素子と、 前記第一の素子の基部に絶縁体を介して頂部が連結さ
    れ、かつ外部から長手方向に与えられる力に応じて可動
    する第二の素子と、 前記長手方向に与えられる力に応じて前記第一の素子の
    基部、前記絶縁体および前記第二の素子24の側部に摺
    動し、これらの第一の素子と第二の素子の基部との何れ
    か一方に対する給電路を形成する給電片と、 前記第二の素子の外側部あるいは外周の全てあるいは一
    部に螺旋状に巻回された導電性の線路からなり、かつ巻
    線の密度が第二の素子の底部と前記給電片との距離に応
    じて単調に減少すると共に、この第二の素子に固有の共
    振周波数と異なる複数の周波数に個別に共振する第三の
    素子を備えたことを特徴とする切断型アンテナ。
  4. 【請求項4】 第一の素子と、 前記第一の素子の基部に絶縁体を介して頂部が連結さ
    れ、かつ外部から長手方向に与えられる力に応じて可動
    する第二の素子と、 前記長手方向に与えられる力に応じて前記第一の素子の
    基部、前記絶縁体および前記第二の素子の側部に摺動
    し、これらの第一の素子と第二の素子の基部との何れか
    一方に対する給電路を形成する給電片と、 前記第二の素子の外側部あるいは外周の全てあるいは一
    部に螺旋状に巻回された導電性の線路からなり、その第
    二の素子に結合して巻線の密度が第二の素子の底部と前
    記給電片との距離に応じて単調に増加すると共に、その
    距離が規定の複数の値であるときに、この第二の素子に
    固有の共振周波数と異なる個別の周波数にその第二の素
    子を共振させるローディングコイルを備えたことを特徴
    とする切断型アンテナ。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4の何れか1項に
    記載された切断型アンテナと、 前記切断型アンテナに備えられた給電片と、その給電片
    と共にこの切断型アンテナを構成する第一の素子と第二
    の素子との何れかを介して、これらの素子が共振する第
    一の無線周波帯において第一の無線伝送路を形成する第
    一の無線伝送路形成手段と、 前記切断型アンテナに備えられた第三の素子を介してそ
    の第三の素子が共振する第二の無線周波帯において第二
    の無線伝送路を形成する第二の無線伝送路形成手段とを
    備えたことを特徴とする無線端末装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011097256A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 Denso Wave Inc 非接触型情報通信装置
CN105896030A (zh) * 2016-05-04 2016-08-24 北京邮电大学 一种多频段分形结构移动终端天线

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