JP2002175287A - 排他制御装置及び排他制御方法 - Google Patents

排他制御装置及び排他制御方法

Info

Publication number
JP2002175287A
JP2002175287A JP2000373974A JP2000373974A JP2002175287A JP 2002175287 A JP2002175287 A JP 2002175287A JP 2000373974 A JP2000373974 A JP 2000373974A JP 2000373974 A JP2000373974 A JP 2000373974A JP 2002175287 A JP2002175287 A JP 2002175287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exclusive control
control device
identifier
exclusive
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000373974A
Other languages
English (en)
Inventor
Suminori Nishie
純教 西江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000373974A priority Critical patent/JP2002175287A/ja
Publication of JP2002175287A publication Critical patent/JP2002175287A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各装置の結合形態に依存せず、共有資源
も使用しない柔軟かつ簡便な排他制御機能を提供するこ
と。 【解決手段】 計算機101〜103は通信手段104
で疎結合されている。排他制御装置105〜107は各
計算機101〜103に実装されている。排他制御識別
子105A〜107Aは排他制御装置105〜107内
で仮想的に管理されている。排他制御実行時、要求元の
排他制御装置は自分の排他制御識別子を確保し、その
後、他の排他制御装置に対して排他制御識別子の譲渡を
要求する。他の全排他制御装置から排他制御識別子が譲
渡された場合に排他制御権が確立される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共有資源の排他制
御、特に複数の計算機間で共有されるディスク装置上の
データ、その他制御情報等に代表される共有資源をアク
セスするにあたり、資源情報の一貫性を保つために行わ
れる排他制御をおこなう排他制御装置及び排他制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】複数計算機間で共有される資源のアクセ
スにはデータの一貫性を保つために排他制御が必要とな
る。また、計算機の台数が増えるにつれ、排他制御のた
めのオーバヘッドが増してくる。このオーバヘッドを軽
減するために種々の技術が開発されてきた。例えば、特
開昭63−148365号には2つの計算機間に共有メ
モリを配置し、共有メモリ上のデータを操作すること
で、排他制御を実現する技術が開示されている。また、
特許第27811092号では半導体外部記憶装置を用
いて効率的かつ高速な制御を実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
排他制御技術では、共有メモリや半導体外部記憶装置が
故障するとシステム全体がダウンするという欠点があ
る。また、共有メモリや半導体外部記憶装置は特殊なデ
バイスであり、一般のメモリと比べ高価である。
【0004】さらに、オープン化、ダウンサイジング化
が進んだ現在、計算機間に共有メモリを配置できるとは
かぎらず、この場合はネットワークを介した排他制御が
必要になる。そのため、この方式は性能面で課題がある
ものの従来から多用されている。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、各装置の結合形態に依存せず共有資源も必要とし
ない柔軟かつ簡便な排他制御装置を提供することを目的
とする。
【0006】特に、複数の計算機のうち故障した計算機
があっても処理を続行すること、通信手順を簡素化し排
他制御のためのオーバヘッドを軽減し性能改善するこ
と、複数の排他制御モードを提供し計算機のアプリケー
ションに快適な機能を提供すること及び実装形態にあわ
せ通信手段を一般化し、多様な実装形態に対応すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明に係る排他制御装置は、通信手段を介して
接続された複数の計算機間の共有資源に対する排他制御
を行う排他制御装置であって、前記通信手段を介して各
計算機に対応する排他制御装置毎に配置された排他制御
識別子を全て受信した場合に排他制御権を獲得する構成
を採る。
【0008】この構成により、他の排他制御装置の全て
の排他制御識別子を受信した場合に排他制御権を獲得す
るので、各装置の結合形態に依存せず共有資源も必要と
しない柔軟かつ簡便な排他制御装置を提供することがで
きる。
【0009】具体的には、排他制御識別子のみの送受信
で簡便な排他制御が実現でき、処理の高速化がはかれ
る。また、計算機台数にほぼ比例した通信量で、排他制
御をおこなうことができるため、短時間で排他制御処理
は完了できる一方、処理の競合も軽減できる。さらに、
共有メモリや共有ファイルが必要なく、システムの信頼
性の向上を図ることができる。
【0010】また、本発明に係る排他制御装置は、通信
手段を介して接続された複数の計算機間の共有資源に対
する排他制御を行う排他制御装置であって、前記通信手
段を介して各計算機に対応する排他制御装置毎に配置さ
れ、個別に移動可能な複数の排他制御識別子のうち、少
なくとも各排他制御装置に対応して1つづつ受信した場
合に排他制御権を獲得する構成を採る。
【0011】この構成により、少なくとも各排他制御装
置に対応して1つづつ排他制御識別子を受信した場合に
排他制御権を獲得できるので、多重排他制御機能、すな
わち2つ以上の計算機が同時に排他制御権を獲得するこ
とができる。これにより、多重排他制御機能による利用
性の向上を図ることができると共に、上述した本排他制
御装置の効果をも奏することができる。
【0012】また、本発明に係る排他制御装置は、前記
複数の計算機のいずれかの排他制御装置から前記排他制
御識別子を通信異常で受信できないことを認識した場
合、当該通信異常の排他制御装置以外の排他制御装置の
前記排他制御識別子を受信した場合に排他制御権を獲得
する構成を採る。
【0013】この構成により、故障した計算機は本排他
制御処理系から除外でき、他の計算機に対する悪影響を
軽減できる。
【0014】また、本発明に係る排他制御装置は、前記
排他制御識別子をネットワークで伝送する構成を採る。
【0015】この構成によれば、LAN等のネットワー
クの種類によらずに本発明の排他制御が実現できる。
【0016】また、本発明に係る排他制御装置は、前記
排他制御識別子を前記計算機間の共有データバスで伝送
する構成を採る。
【0017】この構成によれば、一般的な疎結合、密結
合マルチプロセッサシステムでは、同様な通信を行うこ
とで簡便な排他制御が実現でき、オーバヘッドを低減で
きる。
【0018】また、本発明に係る排他制御装置は、前記
排他制御識別子を排他制御専用CPU割込み制御線で伝
送する構成を採る。
【0019】この構成によれば、管理できる資源数の制
約はあるものの、高速な排他制御が実現できる。
【0020】また、本発明に係る排他制御装置は、請求
項1から請求項6のいずれかに記載の排他制御装置を専
用コントローラとして実現する構成を採る。
【0021】この構成によれば、本排他制御装置をハー
ドウェア化し、計算機内に実装することができる。
【0022】また、本発明に係る排他制御方法は、通信
手段を介して接続された複数の計算機毎に実装され前記
複数の計算機間の共有資源に対する排他制御方法であっ
て、排他制御権の獲得を要求する場合に自装置に配置さ
れた排他制御識別子を保持し、他の排他制御装置に配置
された排他制御識別子の譲渡を要求し、全ての排他制御
装置に配置された排他制御識別子を受信した場合に排他
制御権を獲得するようにした。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る排他制御装置の骨子
は、通信手段を介して接続された複数の計算機間の共有
資源に対する排他制御を行う排他制御装置において、各
計算機に対応する排他制御装置毎に仮想的に配置された
排他制御識別子を全て獲得した場合に排他制御権を獲得
することである。これにより、排他制御識別子の送受信
という簡単な処理に応じて排他制御を実現できるので、
各装置の結合形態に依存せず共有資源も必要としない柔
軟かつ簡便な排他制御装置を提供することができる。
【0024】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して詳細に説明する。
【0025】(実施の形態1)図1は、本発明に係る実
施の形態1に係る排他制御装置が適用される計算機シス
テムの構成図である。
【0026】図1において、計算機101〜103は、
パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)やワ
ークステーション等で構成される。これらの計算機10
1〜103がネットワーク104を介して接続されてい
る。計算機101〜103は、それぞれ本実施の形態に
係る排他制御装置105〜107を有している。各排他
制御装置105〜107に対し、アプリケーションプロ
グラム108〜110が排他制御の要求をおこなう。各
排他制御装置105〜107には、排他制御識別子(以
下、単に「識別子」という)105A、106A、10
7Aが仮想的に存在する。
【0027】以下、図2を用いて識別子の概念について
説明する。図2は、本実施の形態に係る排他制御装置内
の識別子の概念図を示す。図2において、図1と同一の
符号を付した構成については同一の機能を有するものと
する。
【0028】初期状態では、上述のように各排他制御装
置105〜107に識別子105A〜107Aが配置さ
れている。各識別子105A〜107Aは、各排他制御
装置105〜107に固有のものであり、初期状態では
常に最初に配置されていた排他制御装置に存在するもの
である。各識別子105A〜107Aは、他の排他制御
装置からの識別子の譲渡要求を受けてネットワーク10
4を介して要求元の排他制御装置に仮想的に移動する。
そして、要求元の排他制御装置から開放されると初期状
態で配置されていた排他制御装置に戻る。全ての識別子
が特定の排他制御装置に集まった場合、その排他制御装
置が排他制御権を獲得する。
【0029】図2においては、排他制御装置106が排
他制御装置105及び107に識別子の譲渡要求を行
い、識別子105A及び107Aが排他制御装置106
に移動した状態を示している。すなわち、排他制御装置
106が排他制御権を獲得した場合について示してい
る。
【0030】図3は、本排他制御装置105〜107の
通信手順に応じた状態を示す状態遷移図である。
【0031】初期状態S301では、上述のように各識
別子105A〜107Aが各排他制御装置105〜10
7に配置されている。いわゆる他の排他制御装置と通信
を行っていない状態を示す。
【0032】初期状態S301からある排他制御装置が
自ら排他制御権の獲得を要求すると、この要求元の排他
制御装置の状態が自分の識別子(以下、「自識別子」と
いう)を保持する状態S302(以下、「自識別子保持
状態S302」という)に移行する。自識別子保持状態
S302では、要求元の排他制御装置は自識別子が他の
排他制御装置に移動しないように保持する。
【0033】自識別子が保持されると、要求元の排他制
御装置の状態が他の排他制御装置の識別子(以下、「相
手識別子」という)の獲得を待つ状態S303(以下、
「相手識別子獲得待状態S303」という)に移行す
る。相手識別子獲得待状態S303は、全ての相手識別
子を獲得するか、あるいは通信異常が確認された排他制
御装置以外の識別子を獲得するまで継続する。
【0034】全ての相手識別子を獲得等すると、要求元
の排他制御装置の状態が相手識別子を保持した状態S3
04(以下、「相手識別子保持状態S304」という)
に移行する。相手識別子保持状態S304となったとき
にこの排他制御装置は、排他制御権を獲得したことにな
る。
【0035】相手識別子保持状態S304からその排他
制御装置が排他制御権を開放すると、その排他制御装置
の状態が初期状態S301に戻される。このとき、他の
排他制御装置も初期状態S301に戻される。
【0036】一方、初期状態S301から他の排他制御
装置が排他制御権の獲得を要求すると、その要求を受け
た排他制御装置の状態が自分の識別子(以下、「自識別
子」という)を放棄する状態S305(以下、「自識別
子放棄状態S305」という)に移行する。
【0037】排他制御権を獲得した排他制御装置が排他
制御権を開放すると、自識別子放棄状態S305から排
他制御装置の状態が初期状態S301に戻される。
【0038】図4は、図3に示す状態遷移を実現するた
めの本排他制御装置のソフトウェア構成を示すブロック
図である。
【0039】図4において、アプリケーション受信処理
部401は、アプリケーションインタフェース402
(以下、「アプリケーションI/F」という)を介して
アプリケーション108〜110からの処理要求を受信
する。アプリケーション要求受信キュー403は、FI
FO構造を有するデータバッファであり、アプリケーシ
ョン受信処理部401から与えられる処理要求をイベン
トとして蓄積する。
【0040】通信路受信処理部404は、通信路インタ
フェース405(以下、「通信路I/F」という)を介
して通信路からの処理要求を受信する。通信路受信キュ
ー406も、アプリケーション要求受信キュー403と
同様、FIFO構造を有するデータバッファであり、通
信路受信処理部404から与えられる処理要求をイベン
トとして蓄積する。
【0041】イベントハンドラ407は、アプリケーシ
ョン要求受信キュー403及び通信路受信キュー406
から蓄積されたイベントを順番に取り出す。このとき、
通信路受信キュー406のイベントを優先し、この通信
路受信キュー406のイベントがなくなってからアプリ
ケーション要求受信キュー403からイベントを取り出
す。取り出されたイベントの種別及び状態変数408が
処理マトリックス409に与えられる。状態変数408
は、図3で説明した排他制御装置の状態を示す変数が書
き込まれている。この状態変数408は、後述する処理
モジュール群により必要に応じて書き換えられる。
【0042】渡された状態変数408及びイベントに応
じた処理モジュールが処理マトリックス409により処
理モジュール群410から呼び出され、実行される。実
行される処理モジュールに応じた処理要求がアプリケー
ション送信処理部411及び通信路送信処理部412を
介して、それぞれアプリケーションや通信路に送信され
る。
【0043】処理モジュール群410は、多重排他制御
を必要とする場合には、多重排他制御管理テーブル41
3を参照して、処理を実行する。多重排他制御管理テー
ブル413には、相手識別子獲得状態S304で他の排
他制御装置の識別子を全て保持した状態から他の排他制
御装置から識別子譲渡要求があった場合に自識別子のコ
ピーを識別子譲渡要求してきた排他制御装置に渡すかど
うかの定義が記述されている。この多重排他制御管理テ
ーブル413に記述された定義に従って自識別子のコピ
ーを要求元の排他制御装置に渡すことでその排他制御装
置も相手識別子獲得状態S304となり多重排他制御が
実現される。
【0044】このようなソフトウェア構成を有し、アプ
リケーション又は通信路からの処理要求に応じて、その
都度、排他制御装置の状態が移行する。
【0045】次に、本排他制御装置の動作について図5
及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、本排他制
御装置の動作を機能仕様記述言語(SDL)を用いて説
明したフロー図である。ここでは、図1に示す排他制御
装置105が正常に他の排他制御装置106及び107
の識別子106A及び107Aを獲得する場合の動作に
ついて説明する。なお、排他制御装置105が相手識別
子106A及び107Aを獲得する前段階では、全ての
排他制御装置が初期状態S301であるものとする。
【0046】計算機101が排他制御権の獲得を要求す
る場合、まず、アプリケーション108から排他制御装
置105に排他制御要求が出力される(ST501)。
この排他制御要求を受け取ると、排他制御装置105
は、自識別子105Aを他の排他制御装置106及び1
07に移動しないように保持する(ST502)。この
とき、排他制御装置105の状態が初期状態S301か
ら自識別子保持状態S302に移行する(ST50
3)。
【0047】この時点以降、排他制御装置105は、初
期状態S301である他の排他制御装置106及び10
7からの識別子の譲渡要求(以下、「識別子譲渡要求」
という)に対して識別子の譲渡拒否(以下、「識別子譲
渡拒否」という)で応答する。
【0048】自識別子105Aを保持した後、排他制御
装置105は他の排他制御装置106及び107に対し
て識別子譲渡要求を送出する(ST504)。識別子譲
渡要求を送出すると、排他制御装置105の状態が自識
別子保持状態S302から相手識別子獲得待ち状態S3
03に移行する(ST505)。
【0049】識別子譲渡要求を送出すると、他の排他制
御装置106及び107の状態に応じた応答が返される
こととなるが、ここでは排他制御装置106及び107
が共に初期状態S301であるため、識別子の譲渡を許
可する応答(以下、「識別子譲渡応答」という)が返さ
れる(ST506)。このとき、排他制御装置106及
び107の状態が初期状態S301から自識別子放棄状
態S305に移行する。
【0050】排他制御装置106及び107の双方から
識別子譲渡応答を受信した後、排他制御装置105は、
送信されてくる相手識別子106A及び107Aを獲得
する(ST507)。このとき、排他制御装置105の
状態が相手識別子獲得待ち状態S303から相手識別子
保持状態S304に移行する(ST508)。
【0051】自識別子105A、全ての相手識別子10
6A及び107Aが獲得されることで排他制御装置10
5の排他制御権が確立する。
【0052】排他制御権を獲得後において、計算機10
1が排他制御権の開放を要求すると、アプリケーション
108から排他制御装置105に排他制御権の開放要求
が出力される(ST509)。この開放要求を受け取る
と、排他制御装置105は、相手識別子の開放を示す要
求(以下、「相手識別子開放要求」という)を他の排他
制御装置106及び107に出力する(ST510)。
その後、保持していた相手識別子を開放する(ST51
1)。開放された相手識別子は、元々配置されていた排
他制御装置に戻される。このとき、排他制御装置105
の状態が相手識別子保持状態S304から初期状態S3
01に戻される。一方、排他制御装置105から自分の
識別子106A及び107Aを受信すると、他の排他制
御装置の状態も自識別子放棄状態S305から初期状態
S301に戻される。
【0053】なお、相手識別子保持状態S304におい
て、他の排他制御装置106及び107から識別子譲渡
要求を受信した場合には(ST512)、排他制御装置
105は識別子譲渡拒否で応答する(ST513)。そ
の後、ST508に戻り、相手識別子保持状態S304
を維持する。
【0054】一方、相手識別子獲得待ち状態S303に
おいて、排他制御装置107は初期状態S301である
が排他制御装置106が既に排他制御権を取得している
ような場合(すなわち、相手識別子保持状態S304の
場合)、排他制御装置107からは識別子譲渡応答で応
答されるが排他制御装置106からは識別子譲渡拒否が
応答される(ST514)。この場合、排他制御装置1
05は、相手識別子107Aを獲得することができるが
相手識別子106Aを獲得することができない(ST5
15)。このため、全ての相手識別子を獲得することが
できないので、排他制御装置105は排他制御権の獲得
を失敗したことを認識する。そして、排他制御装置10
5は、必要に応じて相手識別子107Aを開放した後
(ST511)、状態を初期状態S301に戻す。
【0055】また、相手識別子獲得待ち状態S303に
おいて、排他制御装置107は初期状態S301である
が排他制御装置106が何らかの理由で通信を行うこと
ができない場合、排他制御装置107からは識別子譲渡
応答で応答されるが、排他制御装置106からは何も応
答されない。このとき、排他制御装置105は、排他制
御装置106が通信異常であることを認識する(ST5
16)。この場合には、通信異常の排他制御装置は無条
件に識別子を獲得できたものと擬制し、排他制御装置1
05は相手識別子107Aのみ獲得する。同時に排他制
御権を取得すべき計算機が計算機103のみであること
を認識する。そして、排他制御装置105は、処理をS
T507に移行する。そして、上述の正常の処理と同様
に排他制御権を獲得する。
【0056】さらに、相手識別子獲得待ち状態S303
において、他の排他制御装置106又は107から識別
子譲渡要求を受信した場合には(ST517)、排他制
御装置105は相手識別子の獲得が競合していることを
認識する(ST518)。そして、排他制御装置105
は必要に応じて既に獲得した相手識別子106A又は1
07Aを開放した後(ST511)、状態を初期状態S
301に戻す。
【0057】なお、図5に示す初期状態S301におい
て、他の排他制御装置106及び107から識別子譲渡
要求を受信した場合(ST519)、排他制御装置10
5は要求元の排他制御装置106又は107に対して、
識別子譲渡応答で応答する(ST520)。このとき、
排他制御装置105の状態が初期状態S301から自識
別子放棄状態S305に移行する(ST521)。
【0058】そして、自識別子放棄状態S305におい
て、他の排他制御装置106又は107から識別子開放
要求を受信すると(ST522)、その後に送信されて
くる自分の識別子106A又は107Aを受信した後に
状態を初期状態S301に戻す。
【0059】このように本実施の形態の排他制御装置に
よれば、他の排他制御装置の全ての相手識別子を獲得し
た場合、あるいは、通信異常が確認された排他制御装置
以外の相手識別子を受信した場合に排他制御権を獲得す
る。各排他制御装置に仮想的に配置された識別子の獲得
結果に応じて排他制御機能を実現することができるの
で、各装置の結合形態に依存せず共有資源も必要としな
い柔軟かつ簡便な排他制御装置を提供することができ
る。
【0060】すなわち、本排他制御装置によれば、識別
子のみの送受信で簡便な排他制御が実現でき、処理の高
速化を計ることができる。また、計算機台数にほぼ比例
した通信量で、排他制御機能を実現することができるた
め、短時間で排他制御処理を完了し、排他制御処理の競
合も軽減できる。さらに、共有メモリや共有ファイルの
必要がないため、システムの信頼性の向上がはかれる。
さらに、故障した計算機は本排他制御処理系から除外で
き、他の計算機に対する悪影響を軽減できる。
【0061】また、本排他制御装置によれば、LAN等
のネットワークの種類によらずに本発明の排他制御が実
現できる。さらに、一般的な疎結合、密結合マルチプロ
セッサシステムにおいて同様な通信を行うことで簡便な
排他制御が実現でき、オーバヘッドを低減できる。
【0062】また、図5及び図6で説明した通信手順を
LSI化することで専用コントローラ等のハードウェア
でも本排他制御装置の機能を実現可能である。
【0063】次に、本実施の形態に係る排他制御装置の
変形例について説明する。上述の説明では、一つの計算
機のみが排他制御権を獲得する場合について説明してい
るが、ここでが複数の計算機が同時に排他制御権を獲得
する場合について説明する。以下、複数の計算機が同時
に排他制御することを多重排他制御機能という。
【0064】図7は、多重排他制御機能を実現するため
の排他制御装置の概念図である。図7に示す排他制御装
置は、図1と同様にネットワークを介して接続された計
算機内に備えられているものである。
【0065】図7において、各排他制御装置701〜7
03にはそれぞれ2つの識別子701A及び701B、
702A及び702B、703A及び703Bが仮想的
に存在する。各識別子701A及び701B〜703A
及び703Bは、各排他制御装置701〜703に固有
のものであり、初期状態では常に最初に配置されていた
排他制御装置に存在するものである。上述の説明と同様
に、他の排他制御装置からの識別子の譲渡要求を受けて
ネットワーク104を介して要求元の排他制御装置に仮
想的に移動する。なお、ここでは、識別子が各排他制御
装置に2つ配置されている場合について示しているが、
これに限定されず、3つ以上配置されるようにしてもよ
い。
【0066】図7(a)においては、排他制御装置70
1の識別子譲渡要求に応じて排他制御装置702及び7
03の識別子702A及び703Aが排他制御装置70
1に移動しており、排他制御装置701が既に排他制御
権を獲得している場合について示している。各排他制御
装置701、702及び703には、それぞれ自分の識
別子701B、702B及び703Bが残っている。な
お、排他制御権を獲得せず、識別子を一つでも保持して
いる排他制御装置の状態は初期状態S301とする。こ
こでは、排他制御装置702及び703の状態が初期状
態S301であり、排他制御装置701の状態が相手識
別子保持状態S304である。
【0067】この状態において、排他制御装置702を
備えた計算機が排他制御権の獲得を要求するものとす
る。この場合、排他制御装置702は、アプリケーショ
ンからの排他制御要求に応じて、自装置の状態を自識別
子保持状態S302に移行させ、自識別子702Bを他
の排他制御装置701及び703に移動しないように保
持する。そして、識別子譲渡要求を他の排他制御装置7
01及び703に送出し、ただちに自装置の状態を相手
識別子獲得待ち状態S303に移行させる。
【0068】識別子譲渡要求を受信すると、排他制御装
置703は初期状態S301であるため、識別子譲渡応
答を排他制御装置702に返す。その後、排他制御装置
703の状態が識別子放棄状態S305に移行される。
排他制御装置702は、この識別子譲渡応答に続いて、
識別子703Bを獲得する。
【0069】また、識別子譲渡要求を受信すると、排他
制御装置701は相手識別子保持状態S304である
が、図4で説明した多重排他制御管理テーブル413を
参照し、多重排他制御が可能などうかを判断する。多重
排他制御が可能な場合、排他制御装置701は識別子譲
渡応答を排他制御装置702に返す。なお、ここで排他
制御装置701は、状態を移行させず相手識別子保持状
態S304を維持する。排他制御装置702は、この識
別子譲渡応答を受信し、識別子701Bを獲得する。
【0070】自識別子702B、全ての相手識別子70
1B及び703Bを獲得すると、排他制御装置702の
排他制御権が確立する。
【0071】このように変形することで本排他制御装置
で多重排他制御機能を実現することができるので、この
多重排他制御機能による利用性の向上を図ることができ
ると共に、上述した本排他制御装置の効果をも有するこ
とができる。具体的には、ファイルのレコード管理等、
多数の多重排他制御も可能で、例えば、保護付き書込み
と保護なし読出しの両方を許可するような排他制御も可
能である。
【0072】(実施の形態2)実施の形態2に係る排他
制御装置は、実施の形態1がネットワークを用いて識別
子の送受信を行うのに対して、CPU割込み制御装置を
用いて識別子の送受信を行う点で相違する。その他の点
においては、実施の形態1と同様の構成及び機能を備え
るものであるため、その説明は省略する。
【0073】図8は、本発明の実施の形態2に係る排他
制御装置が適用される計算機システムの要部の構成図で
ある。
【0074】図8において、CPU割込み制御装置80
1、802及び803は、各排他制御装置にそれぞれ搭
載されるものである。これらのCPU割込み制御装置8
01、802及び803は、要求送信割込み制御線80
4と応答送信割込み制御線805で接続されている。実
施の形態1で説明した、識別子譲渡要求、識別子開放要
求が要求送信割込み制御線804で送受信される。一
方、識別子譲渡応答、識別子譲渡拒否が応答送信割込み
制御線805で送受信される。これらの要求や応答は、
CPU割込み制御装置801、802及び803が搭載
されているそれぞれの排他制御装置には排他制御装置ソ
フトウェア割込み806、807、808を用いて通知
される。この通知を受けることで、図4で説明した受信
処理部401が起動される。
【0075】このように本実施の形態によれば、CPU
割込み制御装置を用いて識別子の送受信を行うことがで
きる。この場合においても、実施の形態1と同様に、各
排他制御装置に仮想的に配置された識別子の獲得結果に
応じて排他制御機能を実現することができるので、各装
置の結合形態に依存せず共有資源も必要としない柔軟か
つ簡便な排他制御装置を提供することができる。この場
合には、管理できる資源数の制約はあるものの、高速な
排他制御が実現できる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各排他制御装置に仮想的に配置された識別子の送受信と
いう簡単な処理で排他制御機能を実現することができる
ので、各装置の結合形態に依存せず共有資源も必要とし
ない柔軟かつ簡便な排他制御装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る排他制御装置が適
用される計算機システムの構成図
【図2】実施の形態1に係る排他制御装置内の識別子の
概念図
【図3】実施の形態1に係る排他制御装置の通信手順に
応じた状態遷移図
【図4】実施の形態1に係る排他制御装置において、図
3に示す状態遷移を実現するためのソフトウェア構成を
示すブロック図
【図5】実施の形態1に係る排他制御装置の動作を機能
仕様記述言語(SDL)を用いて説明したフロー図
【図6】実施の形態1に係る排他制御装置の動作を機能
仕様記述言語(SDL)を用いて説明したフロー図
【図7】実施の形態1の変形例に係る排他制御装置にお
ける多重排他制御機能を実現するため概念図
【図8】本発明の実施の形態2に係る排他制御装置が適
用される計算機システムの要部の構成図
【符号の説明】
101〜103 計算機 104 ネットワーク 105〜107 排他制御装置 105A〜107A 排他制御識別子 401 アプリケーション受信処理部 403 アプリケーション要求受信キュー 404 通信路受信処理部 406 通信路受信キュー 407 イベントハンドラ 408 状態変数 409 処理マトリックス 410 処理モジュール群 411 アプリケーション送信処理部 412 通信路送信処理部 413 多重排他制御管理テーブル 701〜703 排他制御装置 701A、701B、702A、702B、703A、
703B 排他制御識別子 801〜803 CPU割込み制御装置 804 要求送信割込み制御線 805 応答送信割込み制御線 806〜808 排他制御装置ソフトウェア割込み

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信手段を介して接続された複数の計算
    機間の共有資源に対する排他制御を行う排他制御装置で
    あって、前記通信手段を介して各計算機に対応する排他
    制御装置毎に配置された排他制御識別子を全て受信した
    場合に排他制御権を獲得することを特徴とする排他制御
    装置。
  2. 【請求項2】 通信手段を介して接続された複数の計算
    機間の共有資源に対する排他制御を行う排他制御装置で
    あって、前記通信手段を介して各計算機に対応する排他
    制御装置毎に配置され、個別に移動可能な複数の排他制
    御識別子のうち、少なくとも各排他制御装置に対応して
    1つづつ受信した場合に排他制御権を獲得することを特
    徴とする排他制御装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の計算機のいずれかの排他制御
    装置から前記排他制御識別子を通信異常で受信できない
    ことを認識した場合、当該通信異常の排他制御装置以外
    の排他制御装置の前記排他制御識別子を受信した場合に
    排他制御権を獲得することを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の排他制御装置。
  4. 【請求項4】 前記排他制御識別子をネットワークで伝
    送することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれ
    かに記載の排他制御装置。
  5. 【請求項5】 前記排他制御識別子を前記計算機間の共
    有データバスで伝送することを特徴とする請求項1から
    請求項3のいずれかに記載の排他制御装置。
  6. 【請求項6】 前記排他制御識別子を排他制御専用CP
    U割込み制御線で伝送することを特徴とする請求項1か
    ら請求項3のいずれかに記載の排他制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の排他制御装置を専用コントローラとして実現すること
    を特徴とする排他制御装置。
  8. 【請求項8】 通信手段を介して接続された複数の計算
    機毎に実装され前記複数の計算機間の共有資源に対する
    排他制御方法であって、排他制御権の獲得を要求する場
    合に自装置に配置された排他制御識別子を保持し、他の
    排他制御装置に配置された排他制御識別子の譲渡を要求
    し、全ての排他制御装置に配置された排他制御識別子を
    受信した場合に排他制御権を獲得することを特徴とする
    排他制御方法。
JP2000373974A 2000-12-08 2000-12-08 排他制御装置及び排他制御方法 Pending JP2002175287A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000373974A JP2002175287A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 排他制御装置及び排他制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000373974A JP2002175287A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 排他制御装置及び排他制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002175287A true JP2002175287A (ja) 2002-06-21

Family

ID=18843256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000373974A Pending JP2002175287A (ja) 2000-12-08 2000-12-08 排他制御装置及び排他制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002175287A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7000050B2 (en) 2002-11-15 2006-02-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd Apparatus, method and program for contention arbitration
US7543295B2 (en) 2006-10-31 2009-06-02 International Business Machines Corporation Method for enhancing efficiency in mutual exclusion
JP2011081490A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Mitsubishi Electric Corp 表示装置
JP2013016180A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Robert Bosch Gmbh 技術ユニットの構成を装備する方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7000050B2 (en) 2002-11-15 2006-02-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd Apparatus, method and program for contention arbitration
US7543295B2 (en) 2006-10-31 2009-06-02 International Business Machines Corporation Method for enhancing efficiency in mutual exclusion
JP2011081490A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Mitsubishi Electric Corp 表示装置
JP2013016180A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Robert Bosch Gmbh 技術ユニットの構成を装備する方法
CN103019851A (zh) * 2011-07-05 2013-04-03 罗伯特·博世有限公司 用于装配技术单元的装置的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2557189B2 (ja) デバイス操作方法
US5991797A (en) Method for directing I/O transactions between an I/O device and a memory
TW544589B (en) Loosely coupled-multi processor server
US6757768B1 (en) Apparatus and technique for maintaining order among requests issued over an external bus of an intermediate network node
US5781741A (en) Message communications system in a parallel computer
US7395392B2 (en) Storage system and storage control method
JP2002342299A (ja) クラスタシステム、コンピュータ及びプログラム
US5592673A (en) Loosely coupled compound computer system using lock and semaphore mechanism for performing exclusive control of shared resource which is accessed through a distinct bus
US7114102B2 (en) Monitoring system and method for monitoring and processing data transmitted between a host and a managing system
JP2002175287A (ja) 排他制御装置及び排他制御方法
JP4856413B2 (ja) 演算処理装置、情報処理装置、及び演算処理装置の制御方法
JP3969308B2 (ja) シングルプロセッサ向けosによる並列処理システム
US7007122B2 (en) Method for pre-emptive arbitration
KR100978083B1 (ko) 공유 메모리형 멀티 프로세서에 있어서의 절차 호출 방법 및 절차 호출 프로그램을 기록한 컴퓨터로 판독 가능한 기록 매체
US7320044B1 (en) System, method, and computer program product for interrupt scheduling in processing communication
US20030041190A1 (en) System and method for efficiently performing a command swapping procedure
Ahuja et al. A multi-microprocessor architecture with hardware support for communication and scheduling
JP3644158B2 (ja) 並列計算機におけるデータ送受信方法
JP3307331B2 (ja) ネットワークファイルシステムのデータ転送方法
US6681260B1 (en) Data transfer method in function expansion system
KR100283622B1 (ko) 분산 다중처리기 구조 고속병렬컴퓨터에서의 디스크 공유 방법
KR950004249B1 (ko) 병렬처리 시스템에서의 호스트 컴퓨터와 노드 컴퓨터간의 데이타 전송방법 (Method for Transferring Data between the Host Computer and the Node Computer In a Parallel Processing System)
US20060078002A1 (en) Task queuing methods and systems for transmitting frame information over an I/O interface
US20030097489A1 (en) Fast socket technology implementation using semaphores and memory maps
JP2984594B2 (ja) マルチクラスタ情報処理システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060627