JP2002173903A - レール横断用マット、及びレール横断用マットの製造方法 - Google Patents

レール横断用マット、及びレール横断用マットの製造方法

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JP2002173903A
JP2002173903A JP2000372972A JP2000372972A JP2002173903A JP 2002173903 A JP2002173903 A JP 2002173903A JP 2000372972 A JP2000372972 A JP 2000372972A JP 2000372972 A JP2000372972 A JP 2000372972A JP 2002173903 A JP2002173903 A JP 2002173903A
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mat
crossing
rubber
layer
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JP2000372972A
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Inventor
Koji Kuwabara
厚二 桑原
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Misawa Toyo Co Ltd
Original Assignee
Misawa Toyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形が容易で生産性の向上に寄与することが
でき、古タイヤなどの産業廃棄物の有効活用を図ること
ができ、敷設の際には短期工事が可能である、レール横
断用マット、及びレール横断用マットの製造方法を提供
する。 【解決手段】 例えば図1に示すように、古タイヤをひ
じき状に粉砕してなるひじき状ゴムチップ10a…が互
いに絡み合った状態で、ウレタン系樹脂からなるバイン
ダを用いて一体に接合してなる下地層10の上面に、シ
ート状の保護層を設けてレール横断用マット1を構成す
る。保護層は、レール横断用マット1の表面を覆う表面
層30と、該表面層30が下地層10から剥離するのを
防止する中間層20とから構成する。上記構成によれ
ば、踏切の軌道構造を保護するに充分な強度と弾性を、
容易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レールの周囲に配
設され、車両等のレールの横断に用いられるレール横断
用マット、及びレール横断用マットの製造方法に関す
る。
【0002】
【背景の技術】従来、踏切には、プレート状もしくはマ
ット状のレール横断部材が、踏切部分のレールの周囲を
覆うように敷設されて道路面が形成され、自動車や人な
どが往来して交通できるようになっている。また、この
ような部材は、車両が踏切を通過するときに発生する衝
撃から、踏切の軌道構造を保護する役割もあわせ持って
いる。そして、このようなプレート状のレール横断部材
としては、例えば、木材、コンクリート、鉄板などが用
いられる場合がある。しかし、通常、木材は劣化(傷
み)が早く、一定期間ごとに交換することになりやす
く、コンクリートは固まるまでに時間がかかり、敷設の
際にかかる手間が大きくなりやすい。また、各種工事の
ために、一時的に車両が横断するような場所において
は、レール横断部材をコンクリート製にすると、工事後
の撤去が難しい。さらに、これらの材質のような、ある
程度の剛性を持つ材料を用いると、車両が踏切を通過す
るときに大きな騒音が発生しやすい。
【0003】そこで、例えば、特公昭60−24244
号公報では、ゴム製のレール横断用マットが開示されて
いる。前記公報によれば、ゴム製のレール横断用マット
を用いることで、車両が踏切を通過するときに発生する
騒音を低減することができるとともに、踏切の軌道構造
を保護するための強度や弾性を得ることができる。さら
に、敷設に際しては、基本的に、踏切部分に設置するの
みで良いので、容易に敷設することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、ゴム
製品をマット状もしくはプレート状に成形するには、例
えば、原料ポリマーや加硫剤などが混合された原料組成
物を金型内に仕込み、例えば、プレス成形などの方法
で、成形に必要な熱と圧力を加えて加硫成形する。しか
しながら、レール横断用マットは、踏切部分のレールを
覆うように敷設されるために、ある程度の厚物に成形す
る必要がある。そして、このような厚物の成形に際して
は、レール横断用マットの中心部と表面部とで熱の伝わ
りかたに差異が生じるために、成形上の工夫を要するこ
とが多い。また、レール横断用マットは、踏切部分に敷
き詰めることができるようにある程度大きな面積が要求
され、このために、金型や製造設備が大型化する場合に
は、製造コストの増加や生産性の低下につながる可能性
がある。
【0005】また、レール横断用マットは、踏切を往来
する自動車などの大きな荷重を支えるとともに、このよ
うな荷重から軌道構造を保護するための強度と弾性が要
求される。従って、強度や弾性などの要求特性を、より
効率的に得られるようにできる構成とすることが望まし
い。また、一方で、既に使用済みの古タイヤなどの産業
廃棄物の有効活用を図ることができれば産業界の利益も
大きい。
【0006】本発明の課題は、要求される強度や弾性を
効率的に得ることができるとともに、成形が容易で生産
性の向上に寄与することができ、さらに、古タイヤなど
の産業廃棄物の有効活用を図ることができ、敷設の際に
は短期工事が可能である、レール横断用マット、及びレ
ール横断用マットの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載のレール横断用マット1は、例えば、
図1〜3に示すように、レールAの周囲を覆うように配
設され、車両等のレールAの横断に用いられるレール横
断用マット1であって、ゴムもしくはゴム状物質を細長
く削って形成された多数の短い紐状の弾性材料(ひじき
状ゴムチップ10a…)と、成形に際して、前記弾性材
料(10a…)同士を一体に接合した状態とするバイン
ダとを含み、前記弾性材料(10a…)の少なくとも一
部が互いに絡み合った状態で、前記バンイダにより前記
弾性材料(10a…)同士が接合されてなる下地層10
が設けられ、該下地層10の上面に、少なくとも一層の
弾性を有する保護層(例えば、表面層30や中間層2
0)が設けられていることを特徴とする。
【0008】請求項1記載のレール横断用マット1によ
れば、ゴムまたはゴム状物質を細長く削って形成された
多数の弾性材料(10a…)は、短い紐状とされている
とともに、短い紐状の弾性材料(10a…)の少なくと
も一部が互いに絡み合った状態で一体に接合されてい
る。従って、レール横断用マット1にある程度大きな力
が作用しても、短い紐状の弾性材料(10a…)同士が
互いに支え合うようになり、短い紐状の弾性材料(10
a…)が破断したりしにくく、レール横断用マット1に
作用する力を、好適に吸収することができる。従って、
例えば、弾性材料として粒状のもののみを含む場合と比
較して、レール横断用マット1に、軌道構造を保護する
に充分な強度と弾性を付与することができる。また、弾
性材料を一体に接合して成形されているので、レール横
断用マット1に、クッション性を付与することができ、
列車が通過する際や踏切を車両等が通過する際などに発
生する騒音を、好適に、低減することができる。なお、
多数の紐状の弾性材料(10a…)は、前記弾性材料
(10a…)同士の間に空隙を含んだ状態で、一体に接
合されることが好ましい。
【0009】また、レール横断用マット1は、踏切への
敷設の際には、基本的に所定の位置へ設置するだけでよ
く、簡易的であり、例えば、コンクリートで敷設する場
合のように多くの手間と時間を要することがなく、短時
間での敷設も容易である。また、敷設したレール横断用
マット1を取り外すことも容易であり、レール横断用マ
ット1を再使用することも可能である。さらに、取り外
したレール横断用マット1を、別な用途に転用すること
も可能であり、経済性を高めることができる。
【0010】また、基本的に通常のプレス成形などで製
造できるとともに、所望の形状のレール横断用マット1
を製造することも容易である。従って、踏切部分の、分
岐器内、曲線部などの形状へも容易に適用することがで
きる。また、広い範囲に敷設する場合においても、所定
の形状のレール横断用マット1を敷き詰めることで、容
易に敷設することができる。また、用途に応じて、適
宜、保護層(20、30)を選択することで、レール横
断用マット1に、耐摩耗性や耐水性や耐候性などの特性
を、容易に付与することができる。
【0011】また、多数の短い紐状の弾性材料(10a
…)同士を一体に接合してレール横断用マット1を製造
するには、レール横断用マット1に充分な強度を付与す
るために、充分な圧力を加えて押し固めるとともに、バ
インダにより一体に接合することが好ましい。この場合
には、成形時の圧力を変化させることで、レール横断用
マット1に付与する強度を調整することができる。
【0012】また、短い紐状の弾性材料(10a…)
は、互いに絡み合うように接合することができれば、形
状は特に限定されない。例えば、中央部に対して両端部
が細くとがった状態とされるとともに、断面形状が、円
や楕円などのように側縁部が規則的な形状とされるので
はなく、細かい凹凸を有したランダムな形状とされてい
る弾性材料(以下、ひじき状ゴムチップ10a…)を、
好適に用いることができる。また、互いに絡みあえる程
度の太さと長さを有すれば、上記ひじき状に限定される
ものではなく、例えば、断面形状が多角形でも円でも楕
円でも良く、また、全体が同じ太さでも良いし、太さが
ちがっていても良いし、中央部に対して両端部が太くさ
れていても良い。上記ひじき状ゴムチップ10a…を用
いる場合には、容易に、ひじき状ゴムチップ10a…の
少なくとも一部が互いに絡み合った状態で、一体に接合
することができる。
【0013】なお、ゴムもしくはゴム状物質や、弾性を
有する保護層とは、弾性を有する材質であれば限定され
るものではなく、例えば、周知の各種ゴム材料や熱可塑
性エラストマーなどの他に、ゴムと同様の性質をもつ各
種材料を広く含む意味である。この場合に各種ゴム材料
とは、各種天然ゴムおよび合成ゴムを主原料として、ゴ
ム工業一般に用いられる各種配合剤(例えば、加硫剤ま
たは架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、補強剤、充填
剤、軟化剤、可塑剤、顔料等)を適量配合して得られる
各種組成物を加硫(または架橋)したものを、好適に用
いることができる。また、この場合に、加硫とは、いわ
ゆる硫黄加硫に限定されるものではなく、架橋構造を形
成して弾性を有することができるものを広く含む。ま
た、ゴム材料としては、再生ゴムを用いても良い。再生
ゴムとは、既に使い古して廃物となった各種ゴム製品な
ど(加硫ゴム)を原料として、物理的または化学的に処
理して脱硫し、再び粘着性や可塑性を与えて、原料ゴム
や未加硫ゴムと同様に利用することができるようにした
ものである。
【0014】また、特に、短い紐状の弾性材料(10a
…)としては、産業廃棄物の有効利用を図り、リサイク
ル性を高めることができるものとするために、例えば、
既に使用済みの古タイヤを細長く削って、ひじき状(上
述)に形成したものを、好適に用いることができる。ま
た、保護層(20、30)についても、古タイヤから再
生したものを用いれば、同様にリサイクル性を高めるこ
とができる。
【0015】また、ひじき状ゴムチップ10a…を含む
とともに、用途や目的に応じて、例えば、粒状や板状な
どの他の形状を有するとともに、ゴムまたはゴム状物質
からなる各種弾性体を併用して、バインダによりマット
状に接合しても良い。この場合には、空隙率の調整が容
易であるとともに、粒状弾性体(10b…)として、紐
状の弾性体(10a…)よりも低コストな材料を使用す
れば、レール横断用マット1のトータルコストを低減す
ることができる。例えば、EPDMを粒状に粉砕して得
られる粒状弾性体(EPDMチップ10b…)を用いる
場合には、レール横断用マット1に高伸度な特性を与え
易くすることができる。
【0016】また、バインダとは、特に限定されるもの
ではなく、弾性材料(10a…)同士をマット状に一体
に接合することができれば、各種樹脂材料などを、単独
もしくは併用して用いることができる。特に、熱処理に
より硬化することができる樹脂材料などを、好適に用い
ることができる。
【0017】また、紐状の弾性材料(10a…)の少な
くとも一部が互いに絡み合った状態とは、例えば、一本
の弾性材料(10a…)に対して、複数の弾性材料(1
0a…)が交差するように接触していた場合に、前者の
弾性材料(10a…)が、一部の後者の弾性材料(10
a…)に対しては上にあり、残りの後者の弾性材料(1
0a…)に対しては下にあるような状態も含むものであ
る。
【0018】請求項2記載のレール横断用マット1は、
請求項1記載のレール横断用マット1において、前記保
護層(20、30)は、前記下地層10の上面に設けら
れる中間層20と、該中間層20の上面に設けられる表
面層30と、を備え、前記中間層20により、前記表面
層30が前記下地層10から剥離するのが防止されてい
ることを特徴とする。
【0019】請求項2記載のレール横断用マット1によ
れば、請求項1と同様の効果を奏することができるとと
もに、中間層20により、表面層30が下地層10から
剥離するのが防止されるので、レール横断用マット1の
耐久性やクッション性を、さらに高めることができる。
これにより、レール横断用マット1の信頼性を向上する
ことができる。
【0020】中間層20は、下地層10と表面層30と
の間の機械物性(引張り強度や伸び率など)をもつよう
に調整されることが好ましい。この場合には、振動や外
力により各層の境界面に応力が作用したり、設置環境の
温度が変化して、各層の熱膨張率差に基づいて各層の境
界面に応力が作用したりした場合においても、上述の機
械物性が傾斜的となるように各層が積層されているの
で、このような応力を中間層が好適に吸収し、各境界面
に大きな応力が作用することを抑制できる。これによ
り、表面層30が剥離したりすることを抑制できる。さ
らに、中間層30としては、下地層10および表面層3
0と化学的な親和性が高いものを用いることが好まし
い。この場合には、各層の境界面に作用する応力を吸収
することとあわせて、さらに、表面層30が剥離するこ
とを抑制することができる。なお、上述の機械物性を調
整するには、例えば、ゴム工業一般で用いられている各
種配合剤を適宜配合することで調整することができる。
【0021】表面層30は、下地層10よりも強度が大
きな材料を適用することが好ましい。この場合には、表
面層30の強度を適宜調整することで、レール横断用マ
ット1に、軌道構造を保護するに充分な強度を、好適に
付与することができる。従って、表面層30として各種
ゴム材料を適用する際には、例えば、ゴム工業で用いら
れている各種補強材(例えば、カーボンブラックやシリ
カなど)を用いて、所定の強度に調整することが好まし
い。さらに、レール横断用マット1の表面は、踏切を往
来する人や自動車などが通行する道路面となるために摩
耗されやすい。また、紫外線や風雨などの外部環境に直
接さらされることになる。従って、表面層30として
は、軌道構造を保護するに充分な弾性と強度を備えると
ともに、耐摩耗性が良好な材質を用いることが好まし
く、さらに、耐候性、耐水性、耐食性などが良好で、長
期間の設置においても変質しにくい材質を用いることが
好ましい。
【0022】請求項3記載のレール横断用マット1は、
請求項1または2記載のレール横断用マット1におい
て、前記バインダは、ポリウレタン系樹脂の架橋前の材
料と、ポリウレタン樹脂とを混合したものであることを
特徴とする。
【0023】請求項3記載のレール横断用マット1によ
れば、請求項1または2と同様の効果を奏することがで
きるとともに、架橋前のポリウレタン系樹脂の材料を架
橋させることで、前記弾性材料(10a…)同士を一体
に接合することができる。従って、弾性材料(10a
…)同士を一体に接合するバインダとして、好適に用い
ることができる。
【0024】また、ポリウレタン系樹脂の架橋前の材料
としては、例えば、水酸基をもつ各種ポリオールとイソ
シアネート基をもつ物質とを含む各種組成物を用いるこ
とができる。該組成物は、熱処理により、水酸基とイソ
シアネート基とが架橋してウレタン結合を形成して硬化
することができ、好適に、ポリウレタン系樹脂の架橋前
の材料となる。なお、各種組成物としては、例えば、一
液型ウレタン系組成物を用いても良い。一液型ウレタン
組成物とは、例えば、水酸基を有する各種ポリオールと
各種イソシアネートとを主成分として所定の割合で混合
し、熱処理により、反応性末端基(水酸基とイソシアネ
ート基)が架橋してウレタン結合を形成して硬化するこ
とができるものである。
【0025】また、水酸基とイソシアネート基とからウ
レタン結合を形成する架橋反応は、製造時の環境(温湿
度)や、弾性材料(10a…)およびバインダ等からな
る原材料が含有する水分の影響を受けやすい。このため
に、バインダとなる、ポリウレタン系樹脂の架橋前の材
料が架橋する際の架橋速度が変化してしまうときには、
ポリウレタン系樹脂の架橋前の材料とポリウレタン樹脂
との混合割合を適宜調節することで、製造時の温湿度
や、原材料が含有する水分に応じて、架橋速度を調節す
ることができる。
【0026】また、製造時の温湿度や、原材料が含有す
る水分に応じて、架橋速度を調節するには、所定量の水
分を原材料として混合しても良い。
【0027】また、バインダとなる上記各種組成物とし
ては、二液型ウレタン系組成物を用いても良い。二液型
ウレタン系組成物とは、主剤となる各種ポリオールと、
主剤を架橋する硬化剤となる各種イソシアネートとを、
各々別々に保管するとともに製造時に任意の割合で混合
して用いるものである。この場合には、混合する硬化剤
の量を主剤に対して調整することにより、架橋速度を調
整することができる。
【0028】また、バインダとしては、さらに、常温で
架橋可能な常温硬化型の各種樹脂材料を単独もしくは併
用して用いても良い。この場合には、製造時の熱処理に
かけるエネルギーを低減することができ、製造負荷を低
減して、低コスト化を図ることができる。
【0029】請求項4記載のレール横断用マットは、請
求項1〜3のいずれか一つに記載のレール横断用マット
1において、前記弾性材料(10a…)は、古タイヤを
削るように粉砕して得られるものであることを特徴とす
る。
【0030】請求項4記載のレール横断用マット1によ
れば、請求項1〜3のいずれか一つと同様の効果を奏す
ることができるとともに、産業廃棄物である使用済みの
古タイヤの有効利用を図ることができ、リサイクル性を
高めることができる。また、古タイヤを削るように粉砕
するには、古タイヤを回転させながら表面側から紐状に
削ることにより、本発明に用いる弾性材料(10a…)
を得ることができる。また、用いる古タイヤの成分など
は特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム(B
R)を成分として適量含んでいるタイヤを好適に用いる
ことができる。この場合には、BRの性質のために、容
易に、所望の形状に削るように粉砕することができるた
めに、加工上好ましい。なお、一般にタイヤは、天然ゴ
ム(NR)とスチレンブタジエンゴム(SBR)とBR
とを含むことが多い。
【0031】請求項5記載のレール横断用マットの製造
方法は、請求項1〜4のいずれか一つに記載のレール横
断用マット1の製造方法であって、金型のキャビティ内
に、前記保護層となる第一の原材料と、前記弾性材料
(10a…)及びバインダ等を混合した状態の第二の原
材料とを、積層した状態で充填し、前記キャビティ内に
所定の内圧を保持した状態の金型を、原材料を成形する
ために必要な所定の温度に調整された雰囲気に投入する
ことにより、成形するために必要な温度と圧力を与え
て、前記レール横断用マット1を成形することを特徴と
する。
【0032】請求項5記載のレール横断用マット1の製
造方法によれば、請求項1〜4のいずれか一つと同様の
効果を奏することができるとともに、レール横断用マッ
ト1を成形する金型を、好適に所定の温度に昇温するこ
とができる。また、混合時に、弾性材料(10a…)同
士を絡ませることができる。特に、レール横断用マット
1として用いる場合には、ある程度の厚さと大きさに成
形する必要があり、これに伴い金型が大きなものとなる
とともに熱容量も大きくなるが、この場合においても、
予め温度が調整された雰囲気に投入することにより、金
型温度を、原材料を成形するために必要な所定の温度
に、好適に、昇温することができる。従って、好適に、
原材料を成形するために必要な温度と圧力を与えて、容
易に、レール横断用マット1を製造することができる。
【0033】なお、所定の内圧を保持した状態の金型と
は、レール横断用マット1を成形するために必要になる
内圧を保持できれば、内圧を保持する方法としては如何
なる方法を用いても良い。例えば、原材料を混合した状
態で充填した金型に、周知のプレス成形で用いるプレス
機により、所定の圧力を加えた状態で、金型の上型と下
型とを機械的締結方法(例えば、ボルト締めなど)を用
いて締結することで、内圧を保持する方法を適用しても
良い。
【0034】なお、所定の温度に調整された雰囲気と
は、例えば、内部の雰囲気温度を任意の温度に調節可能
であるとともに任意の温度勾配で昇温および降温可能
で、かつ、所望の熱履歴を与えることができるように制
御可能な、各種オーブンの構成を、好適に適用すること
ができる。
【0035】また、金型のキャビティ内に所定の圧力を
保持した状態の金型を、原材料を成形するために必要な
所定の温度に調整された雰囲気に投入するので、原材料
をキャビティ内に充填するとともに所定の内圧を保持し
た状態の金型を、複数個まとめて投入しても良い。この
場合には、複数のレール横断用マット1を同時に成形す
ることもでき、生産性の向上と製造コスト低減を図るこ
とができる。
【0036】また、原材料を成形するために必要な所定
の温度に調整された雰囲気に投入するので、例えば、ベ
ルトコンベアなどを用いて、原材料を充填するとともに
所定の内圧を保持した状態の金型を、順次、所定の温度
に調整された雰囲気に連続して投入しても良い。この場
合には、さらに生産性の向上と製造コスト低減を図るこ
とができる。
【0037】また、金型のキャビティ内に原材料を混合
した状態で充填するときには、予め、キャビティ内に、
レール横断用マット1の脱型を容易にするために、ゴム
粉を敷き詰めておくことが好ましい。上記ゴム粉は、レ
ール横断用マット1が金型のキャビティ内面と接触する
部分におけるバインダ濃度を低めて、レール横断用マッ
ト1を容易に脱型するために用いるものである。例え
ば、一般に、鉄製の金型を用いてポリウレタン系樹脂か
らなる成形品を成形する場合には、キャビティ内面に成
形品が貼り付きやすく、脱型が困難な場合があるが、上
記ゴム粉を用いることにより、キャビティ内面との近傍
ではバインダ濃度が低くされているので貼り付きを低減
することができ、レール横断用マット1を容易に脱型す
ることができる。なお、ゴム粉とは限定されるものでは
ないが、レール横断用マット1と一体に成形されること
になるために、レール横断用マット1の特性を損なわな
い範囲の量を用いることが好ましい。
【0038】また、ひじき状ゴムチップ10a…を用い
る本発明の構成によれば、上述のように、レール横断用
マット1に強度を付与し易いために、金型のキャビティ
内に与える内圧の低減に寄与することができる。これに
より、製造設備の小型化や、製造設備のランニングコス
トの低減、製造作業負荷の低減などを図ることができ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図1〜3を参照して、本発
明の実施の形態の一例のレール横断用マット1を詳細に
説明する。レール横断用マット1は、図2に示すよう
に、既に使用済みの古タイヤをひじき状に粉砕したひじ
き状ゴムチップ10a…(短い紐状の弾性材料)と、エ
チレンプロピレン三元共重合体(EPDM)からなり粒
状に粉砕したEPDMチップ10b…と、ポリウレタン
系樹脂材料からなるバインダと、を混合してプレス成形
により押し固め、バインダを用いて一体に接合された下
地層10と、古タイヤからなる再生ゴムを主な成分とす
る中間層20と、長期の設置においても充分な機械強度
や耐久性をレール横断用マット1に付与する表面層30
と、が積層された三層構造となっている。なお、ひじき
状とは、上述のように、例えば、短い紐状の中央部に対
して両端部が細くとがった状態とされるとともに、断面
形状が、円や楕円などのように側縁部が規則的な形状と
されるのではなく、細かい凹凸を有したランダムな状態
とされた形状を意味する。
【0040】そして、レール横断用マット1は、例え
ば、図3に示すように、レールAの周囲を覆うようにし
て配設される。これにより、踏切に道路面が形成される
とともに、車両が通過するときの衝撃や、踏切を通過す
る自動車などの荷重などから、軌道構造を保護すること
ができるようになっている。
【0041】特に、下地層10は、図1(b)の模式図
に示すように、ひじき状ゴムチップ10a…同士が互い
に絡み合った状態で、一体に接合されている。これによ
り、レール横断用マット1に大きな力が作用した場合に
おいても、互いに絡み合ったひじき状ゴムチップ10a
…が好適に力を支えることができ、例えば粒状のゴムチ
ップのみからなる場合などと比較して、充分な強度を、
効率的に、得ることができる。なお、図1(b)は、下
地層10の表面の状態を、模式的に示した図であり、ひ
じき状ゴムチップ10a…の表面をある程度直線的に図
示しているが、実際の表面の状態は、図1(b)よりも
微小な凹凸を持つランダムな状態になっているととも
に、ひじき状ゴムチップ10a…同士が、空隙10cを
含んだ状態で、互いに絡み合うように接合されている。
また、図1では、レール横断用マット1の表面の一部を
切り取って、下地層10の様子(図1(b))を図示し
ている。
【0042】また、レール横断用マット1は、図1〜3
に示すように、側縁部50が、断面略エ字状のレールA
(図3に図示)の側面にはめ合わせ可能な形状とされて
いる。そして、レール横断用マット1の側縁部は、基本
的に、レールAに密接して配設できるようになっている
が(例えば、図3に示す側縁部51)、レールAの周囲
に配設された状態で、列車の車輪が通過する側縁部に
は、輪縁路となる溝部40が設けられている(例えば、
図3に示す側縁部50)。このようにして、レール横断
用マット1はレールAにほぼ密接して配設され、レール
横断用マット1の弾性によりレールAの振動を好適に押
さえることができる。従って、踏切の軌道構造を保護す
ることができるとともに、車両が通過する際などに発生
する騒音を低減できるようになっている。なお、図1、
2に示すレール横断用マット1においては、側縁部50
に、上述の溝部40が設けられた様子を示している。
【0043】さらに、レール横断用マット1は、レール
Aの周囲に配設した状態で、側縁部50、51の下方側
に、ほぼ円弧状の断面の空洞部Bを形成できる形状とな
っている。これにより、踏切部分の水はけを確保するこ
とができ、踏切に水を貯めることなく外に排出すること
ができる。
【0044】表面層30は、図2に示すように、レール
横断用マット1の一部の側面を含めて、レール横断用マ
ット1の上面を覆うように設けられている。そして、表
面層30の材質としては、例えば、ゴム工業一般で用い
られる各種補強材(例えば、カーボンブラックなど)を
用いて、下地層10よりも大きな強度を持つように調整
された各種ゴム材料を、好適に用いることができる。従
って、レール横断用マット1の表面に、軌道構造を保護
するために充分な強度と弾性を、付与することができ
る。さらに、表面層30としては、踏切を往来する人や
自動車などが通行する際に摩耗することがないように、
耐摩耗性が良好なものを適用することが好ましい。ま
た、長期間の設置においても変質しにくいことが好まし
く、耐候性、耐水性、耐食性などが良好な材質を用いる
ことが好ましい。
【0045】また、表面層30の上面には、多数のほぼ
円状の凸部31…が設けられている。これにより、レー
ル横断用マット1の表面には凹凸が形成され、雨天時な
どに、レール横断用マット1の上面全体に水がたまるの
を防止するとともに、自動車や人などが踏切を往来する
ときの滑り止めとなる。
【0046】中間層20は、図2に示すように、下地層
10と表面層30との間に設けられており、本実施の形
態において中間層20の材質は、古タイヤをシート状に
再生したものとなっている。この際、例えば、ゴム工業
一般で用いられている各種配合剤を用いて、下地層10
と表面層30との間の機械物性(引張り強度や伸び率な
ど)をもつように調整されている。これにより、振動や
外力や設置環境の温度変化(各層の熱膨張率差)などに
より、各層の境界面に応力が作用する場合においても、
このような応力を中間層20が好適に吸収することがで
き、表面層30が剥離することを抑制することができ
る。また、本実施の形態においては、下地層10は、古
タイヤを粉砕してなるひじき状ゴムチップ10a…から
構成されているので、古タイヤを再生してなる中間層2
0は、下地層10との化学的な親和性が良好である。従
って、表面層30が剥離したりすることを、さらに抑制
することができる。
【0047】また、下地層10を構成するひじき状ゴム
チップ10a…とEPDMチップ10b…との混合割合
は、用途や目的にあわせて、任意の割合から適宜選択す
ることができる。なお、レール横断用マット1に充分な
強度を付与するためには、ひじき状ゴムチップ10a…
を多く混合すると、レール横断用マット10に強度を付
与し易い。また、EPDMチップ10b…を混合せず
に、ひじき状ゴムチップ10a…のみを用いても良い。
また、EPDMチップ10b…を併用すると、ひじき状
ゴムチップ10a…のみからなる場合と比較して、レー
ル横断用マット1に高伸度な特性を付与することができ
るとともに、低コスト化を図り易くすることができる。
【0048】なお、ひじき状ゴムチップ10a…と中間
層20と表面層30の材質は、上述の通りのものに限定
されるものではなく、ゴムと同様の弾性を有するもので
あれば、各種材質を用いることができる。例えば、弾性
を有する材質であれば、各種ゴム材料、樹脂材料、熱可
塑性エラストマー等を、単独もしくは併用して用いると
ともに、ゴム工業一般で用いられている充填材や補強材
や可塑剤などの各種配合剤を添加したもの等を用いるこ
とができる。
【0049】この場合において、各種ゴム材料とは限定
されるものではなく、例えば、常温で固体のゴム材料の
他に、常温で液状の粘弾性体を硬化させて得られる液状
反応硬化物等を用いても良い。
【0050】また、常温で固体のゴム材料とは、例え
ば、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、エチレ
ンプロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共重合体、
クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレ
ン、スチレン−ブタジエン−スチレン、ウレタンゴム、
または再生ゴム(上述)等を、単独若しくは併用して用
いたポリマーに対して、従来からゴム工業で用いられて
いる、加硫剤や架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、粘
着付与剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、溶剤等の、ゴ
ム工業一般で用いられている配合薬品を適宜配合して、
加硫(または架橋)したものが含まれる。この場合に、
加硫とは、硫黄加硫に限定されるものではなく、例え
ば、ゴム工業一般に用いられている有機過酸化物、金属
酸化物、有機多価アミンなどの各種架橋剤による架橋も
含まれる。
【0051】また、常温で液体のゴム材料とは、例え
ば、ウレタン、液状ポリブタジエン、変性シリコン、シ
リコン、ポリサルファイド等が含まれる。なお、これら
の材料は、固体化させるための硬化剤を所定量添加して
混合し、反応硬化させて用いることが好ましい。
【0052】また、下地層10としては、用途や目的に
応じて、EPDMチップ10b…の他、以上の各種ゴム
材料からなり任意の形状を有するゴムチップを、適宜、
併用して用いても良い。
【0053】下地層10を一体に接合するバインダは、
例えば、熱処理により架橋可能な反応性末端基(主に、
水酸基やイソシアネート基など)を含む一液型ウレタン
組成物と、既に反応性末端基が架橋した状態のポリウレ
タン系樹脂と、を混合たものを好適に用いることができ
る。従って、一液型ウレタン組成物と、反応性末端基が
架橋した状態のポリウレタン系樹脂との混合比を調整し
て、バインダとなるポリウレタン系樹脂に含まれる反応
性末端基の量を調整することができるので、バインダの
架橋速度を調整することができる。特に、レール横断用
マット10の製造時の環境(温湿度)や、ひじき状ゴム
チップ10a…やEPDMチップ10b…やバインダな
どからなる原材料に含まれる水分に応じて、バインダの
架橋速度を調整することができる。
【0054】また、バインダは、ひじき状ゴムチップ1
0a…やEPDMチップ10b…を一体に接合すること
ができれば、ポリウレタン系の樹脂材料に限定されるも
のではなく、ポリウレタン系以外の樹脂材料を用いても
良い。例えば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系
樹脂、ブタジエン系樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系
樹脂、メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、な
どの他、主鎖に各種反応性末端基を有する各種樹脂材料
を、該反応性末端基と架橋可能な各種物質と併用した組
成物などを、単独もしくは併用して用いても良い。
【0055】次に、本発明の実施の形態の一例のレール
横断用マット1の製造方法を説明する。始めに、表面層
30と中間層20となる原材料を得る(第一の原材
料)。第一の原材料は、レール横断用マット1の製造の
手間を削減するために、例えば、各々、シート状に成形
する。また、表面層30となる原材料は、例えば、上述
の補強材(例えばカーボンブラックなど)により、所定
の機械物性(引張り強度や伸び率など)に調整された各
種ゴム材料をシート状に成形する。この場合のシート状
の成形は、ゴム工業一般で行われるゴム製品の製造方法
と同様に、例えば下記の通りに、成形することができ
る。すなわち、始めに、用途や目的に応じた配合表(上
述の補強材を含む)にしたがって、必要な原料ポリマ−
や配合薬品などの原材料を準備し、必要であれば、例え
ば、練りロール機や、バンバリーミキサーなどの密閉式
混合機などを用いて素練りし、原料ポリマーに大きな剪
断力を加えて可塑性を与えておく。次いで、予め決めら
れた配合表の原材料を、例えば、練りロール機や、バン
バリーミキサーなどの密閉式混合機などを用いて大きな
剪断力を加えて、所定の配合比をもつ均一な状態に混練
りする。この後に、例えば、所定の厚さと大きさを持つ
シート状に分出しした後に、必要な温度と圧力を与えて
加硫して、所定の配合のゴム材料をシート状に成形する
ことができる。
【0056】また、古タイヤを再生したものから中間層
20となる原材料を得るには、例えば、以下のように行
うことができる。すなわち、既に使用済みの古タイヤを
再生して成形するには、ゴム工業一般で行われているよ
うに、先ず、加硫ゴム材料を細かく粉砕して異物等を取
り除いたのちに、高温で加熱分解する脱硫工程を経て、
加硫ゴム材料に可塑性を与える。次いで、適宜、ゴム工
業一般で用いられている各種ロール機を用いてシート状
とする。こうして得られた再生ゴムを用いて、例えば、
加硫配合することで、中間層20となる原材料を得るこ
とができる。なお、脱硫工程の際に、加硫ゴム材料の再
生を補助するための各種再生剤を併用しても良い。再生
剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、膨潤剤などの、
ゴム工業一般で用いられる各種配合剤等を用いても良
い。
【0057】一方、ひじき状ゴムチップ10a…とEP
DMチップ10b…とを所定量秤量して、充分に分散さ
れるよう混合するとともに、バインダとなる樹脂材料
(一液型ポリウレタン樹脂材料とポリウレタン樹脂材
料)を、周知のミキサー等により充分に混合して、下地
層10となる原材料(第二の原材料)を得る。第二の原
材料は、ひじき状ゴムチップ10a…やEPDMチップ
10b…の表面が充分にバインダにより覆われるように
充分に混合する。この場合に、一液型ポリウレタン樹脂
材料とポリウレタン樹脂材料との混合量は、製造時の温
湿度にあわせた架橋速度に調整するために、予め、決め
られた量を混合する。なお、架橋速度を調整するため
に、さらに、所定量の水分を混合しても良い。
【0058】次いで、以上の通りにして得られた第一の
原材料(表面層用シートと中間層用シート)と第二の原
材料となどを用いて、レール横断用マット1を成形す
る。まず、上型と下型のキャビティ内に、シリコーン原
液などの離型剤を散布する。また、下型の内面には、レ
ール横断用マット1の脱型を容易にするためにゴム粉を
敷き詰める。そして、上述の通りにして得たシート状の
第一の原材料を、表面層30となるシート状の原材料、
中間層20となる原材料、の順番で下型のキャビティ内
に敷き詰める。この上から、さらに、下地層10となる
第二の原材料を下型のキャビティ内に充填する。このよ
うにして、金型のキャビティ内に第一の原材料と第二の
原材料とを積層した状態で仕込む。さらに、上型との脱
型を容易にするために、下型に仕込んだ原材料の上面に
も上記ゴム粉を敷き詰める。
【0059】なお、金型は、例えば、原材料を仕込むた
めの凹部を備える下型と、該凹部と嵌合可能な凸部を備
える上型とからなっており、凹部と凸部が嵌合してなる
キャビティ内は、図1に示す形状にレール横断用マット
1を成形できるようになっている。また、金型は、上型
と下型とをボルトで固定して、キャビティ内に所定の内
圧を保持することができるようになっている。また、金
型の上型と下型のキャビティ内は、鏡面に研磨されると
ともに、テトラフルオロエチレンからなるシート(例え
ば、「ニトフロン粘着テープ」(日東電工社製)が貼り
付けられている。従って、レール横断用マット1の表面
に、微少なクラックが形成されるのを防止することがで
きる。これにより、さらに、レール横断用マット1に強
度を付与しやすくすることができる。
【0060】次いで、第一の原材料(表面層用シートと
中間層用シート)と第二の原材料とを積層した状態で仕
込んだ金型に、周知のプレス機を用いて所定の圧力を加
えた状態で、上型と下型とをボルトで固定して、キャビ
ティ内に所定の圧力を保持した状態とする。ここで、プ
レス機により金型に加える圧力は、成形後のレール横断
用マット1に充分な強度を付与するために、少なくとも
約1(MPa)以上の圧力を加えることが好ましい。また、
充分な強度を付与するためには、約4(MPa)以上の圧力
を加えることが好ましい。
【0061】次いで、キャビティ内に所定の圧力を保持
した状態の金型を、バインダを架橋させるための所定の
温度に調整されたオーブンに投入して、架橋するに充分
な熱履歴を与えてマット状に成形する。次いで、オーブ
ンから金型を取り出し充分に冷却させた後に、ボルトを
外して、レール横断用マット1を取り出す。以上によ
り、本発明の実施の形態のレール横断用マット1を製造
することができる。
【0062】以下、本発明の実施の形態のレール横断用
マットを、実施例1、2により詳細に説明する。 [実施例1]表面層30となる原材料としては、カーボン
ブラックなどにより所定の引張り強度や伸び率などをも
つように調整された天然ゴム(NR)を、シート状に成
形したものを用いた。このシートの厚さは約2×10-3(m)
であった。また、中間層20となる原材料としては、古
タイヤを上述の通りに再生した再生ゴムと、この再生ゴ
ムを粉末の状態としたゴム粉とを、適宜ブレンドして、
シート状に成形したものを用いた。このシートの厚さは
約3×10-3(m)であった。また、下地層10となる原材料
としては、ひじき状ゴムチップ10a…とEPDMチッ
プ10b…とをバインダと充分に混合したものを用い
た。ひじき状ゴムチップ10aとしては「ヒジキ32
0」(MTC社製)を用い、EPDMチップ10b…と
しては「TYN−1000HO」(ミサワ東洋社製)を
用いた。バインダとしては、一液型ウレタン組成物とし
て「タケネートF―181P」(タケダユープレックス
社製)を、反応性末端基が架橋した状態のポリウレタン
系樹脂として「Uレックス#100」(東京樹脂製)を
用いた。
【0063】次いで、以上の原材料を、上述の通りにし
て金型のキャビティ内に積層して充填した。この際、離
型剤として「シリコーンLE−45」(日本ユニカー社
製)を用い、離型のためのゴム粉として「W2−Aグレ
ード」(MTC社製)を用いた。この状態で、プレス機
により金型に約4(MPa)の圧力を加えるとともに、ボル
ト締めによりこの圧力を金型のキャビティ内に保持した
状態で、178℃に調整されたオーブンに投入して成形
を行った。この状態で2時間15分の熱履歴を与えて、
厚さが約1.70×10-1(m)のレール横断用マット1を得
た。なお、この場合に、オーブンに投入している時間
は、金型のキャビティ内に充填された原材料が178℃
に到達してからの時間とした。
【0064】こうして得られたレール横断用マット1の
各層(下地層10と中間層20と表面層30)の引張り
強度(Mpa)、伸び率(%)、硬度(JIS-A)は表1の通りであ
った。なお、測定はJIS-K-6301に基づいて行った。
【表1】
【0065】[実施例2]実施例2のレール横断用マット
1は、図4に下地層10の様子を示すように、下地層1
0に粉砕物10dがさらに混合されており、実施例1の
レール横断用マット1よりも剛性が高められている。以
下、実施例1と同様の構成要素については同一の符号を
付してその説明を省略し、実施例1と異なる部分を主体
に説明する。表面層30となる原材料としては、実施例
1と同様のものを用いた。中間層20となる原材料とし
ては、シートの厚さを約6×10-3(m)としたことを除い
て、実施例1と同様のものを用いた。下地層10となる
原材料としては、ひじき状ゴムチップ10a…とEPD
Mチップ10b…と粉砕物10dとバインダとを、表2
に示す配合で充分に混合したものを用いた。バインダは
実施例1と同様のものを用いた。粉砕物10dは「UB
チップ3510」(ミサワ東洋社製)を用いた。
【表2】 「UBチップ3510」は自動車のウレタンバンパ廃材
を粉砕したものである。図4に示すように、「UBチッ
プ3510」からなる粉砕物10dは鋭く尖った角をも
っておりその硬度(JIS-A)は90〜95であった。「UB
チップ3510」はウレタン系であり、本実施例で用い
るウレタン系バインダとの化学的な親和性が良好であ
る。
【0066】以上の原材料を用いて、実施例1と同様の
加工条件によりレール横断用マット1を得た。こうして
得られた実施例2における下地層10の引張り強度(Mp
a)、伸び率(%)、硬度(JIS-A)は表3の通りであった。
【表3】 下地層10の硬度は、粉砕物10dを混合することで実
施例1よりも高められており、実施例2のレール横断用
マット1の上を20〜50(t)の車両が通過しても、軌道構
造を保護するに充分な特性が持たせられた。
【0067】以上の本発明の実施の形態のレール横断用
マット1によれば、古タイヤを細長く削ってひじき状に
された多数のひじき状ゴムチップ10a…が、互いに絡
み合った状態で一体に接合されているので、軌道構造を
保護するに充分な強度と弾性を、好適に付与することが
できる。また、車両が通過する際や踏切を自動車などが
通過する際などに発生する騒音を、好適に、低減するこ
とができる。また、産業廃棄物である古タイヤの有効利
用を図り、リサイクル性を高めることができる。
【0068】また、踏切への敷設の際には、基本的に所
定の位置へ設置して固定するだけでよく、簡易的であ
り、短時間での敷設も可能である。また、基本的に通常
のプレス成形などで製造できるとともに、所望の形状の
レール横断用マットを製造することも容易である。
【0069】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において、適宜に変更可能であることは勿論であ
る。
【0070】
【発明の効果】請求項1記載のレール横断用マットによ
れば、ゴムまたはゴム状物質を細長く削って形成された
多数の紐状の弾性材料が、互いに絡み合った状態で一体
に接合されているので、軌道構造を保護するに充分な強
度と弾性を、容易に付与することができる。また、車両
が通過する際や踏切を自動車などが通過する際などに発
生する騒音を、好適に、低減することができる。また、
レール横断用マットは、踏切への敷設の際には、基本的
に所定の位置へ設置するだけでよく、簡易的であり、短
時間での敷設も容易である。また、基本的に通常のプレ
ス成形などで製造できるとともに、所望の形状のレール
横断用マットを製造することも容易である。
【0071】請求項2記載のレール横断用マットによれ
ば、請求項1と同様の効果を奏することができるととも
に、レール横断用マットの信頼性をさらに向上すること
ができる。
【0072】請求項3記載のレール横断用マットによれ
ば、請求項1または2と同様の効果を奏することができ
るとともに、架橋前のポリウレタン系樹脂の材料を架橋
させて、弾性材料同士を一体に接合するバインダとして
好適に用いることができる。また、ポリウレタン系樹脂
の架橋前の材料とポリウレタン樹脂との混合割合を適宜
調整して、製造時の温湿度や、原材料が含有する水分に
応じて、バインダの架橋速度を調節することができる。
【0073】請求項4記載のレール横断用マット1によ
れば、請求項1〜3のいずれか一つと同様の効果を奏す
ることができるとともに、産業廃棄物である使用済みの
古タイヤの有効利用を図ることができ、リサイクル性を
高めることができる。
【0074】請求項5記載のレール横断用マット1の製
造方法によれば、請求項1〜4のいずれか一つと同様の
効果を奏することができるとともに、好適、原材料を成
型するために必要な温度と圧力を与えて、容易に、レー
ル横断用マットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態のレール横断用
マット1の構成を示す図である。
【図2】図1のレール横断用マット1の断面構造を示す
図である。
【図3】図1のレール横断用マット1を、レールAの周
囲に敷設した様子を示す図である。
【図4】実施例2のレール横断用マット1における下地
層10の様子を示す図である。
【符号の説明】
A レール 1 レール横断用マット 10 下地層 10a ひじき状ゴムチップ(短い紐状の弾性材料) 20 中間層(保護層) 30 表面層(保護層)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールの周囲を覆うように配設され、車
    両等のレールの横断に用いられるレール横断用マットで
    あって、 ゴムもしくはゴム状物質を細長く削って形成された多数
    の短い紐状の弾性材料と、成形に際して、前記弾性材料
    同士を一体に接合した状態とするバインダとを含み、前
    記弾性材料の少なくとも一部が互いに絡み合った状態
    で、前記バンイダにより前記弾性材料同士が接合されて
    なる下地層が設けられ、 該下地層の上面に、少なくとも一層の弾性を有する保護
    層が設けられていることを特徴とするレール横断用マッ
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレール横断用マットにお
    いて、 前記保護層は、前記下地層の上面に設けられる中間層
    と、該中間層の上面に設けられる表面層と、を備え、 前記中間層により、前記表面層が前記下地層から剥離す
    るのが防止されていることを特徴とするレール横断用マ
    ット。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のレール横断用マ
    ットにおいて、 前記バインダは、ポリウレタン系樹脂の架橋前の材料
    と、ポリウレタン樹脂とを混合したものであることを特
    徴とするレール横断用マット。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載のレ
    ール横断用マットにおいて、 前記弾性材料は、古タイヤを削るように粉砕して得られ
    るものであることを特徴とするレール横断用マット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載のレ
    ール横断用マットの製造方法であって、 金型のキャビティ内に、前記保護層となる第一の原材料
    と、前記弾性材料及びバインダ等を混合した状態の第二
    の原材料とを、積層した状態で充填し、 前記キャビティ内に所定の内圧を保持した状態の金型
    を、原材料を成形するために必要な所定の温度に調整さ
    れた雰囲気に投入することにより、成形するために必要
    な温度と圧力を与えて、前記レール横断用マットを成形
    することを特徴とするレール横断用マットの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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ITMI20101012A1 (it) * 2010-06-07 2011-12-08 Thermit Italiana S R L Sistema e metodo di pavimentazione per attraversamenti di linee ferro-tranviarie
ITMI20101011A1 (it) * 2010-06-07 2011-12-08 Thermit Italiana S R L Pannello per sistema di pavimentazione per attraversamenti di linee ferro-tranviarie e metodo per la realizzazione di detto pannello

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ITMI20101012A1 (it) * 2010-06-07 2011-12-08 Thermit Italiana S R L Sistema e metodo di pavimentazione per attraversamenti di linee ferro-tranviarie
ITMI20101011A1 (it) * 2010-06-07 2011-12-08 Thermit Italiana S R L Pannello per sistema di pavimentazione per attraversamenti di linee ferro-tranviarie e metodo per la realizzazione di detto pannello

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