JP2002173476A - 1,4−フェニレンジアミン誘導体及びその製造法 - Google Patents

1,4−フェニレンジアミン誘導体及びその製造法

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JP2002173476A
JP2002173476A JP2000372514A JP2000372514A JP2002173476A JP 2002173476 A JP2002173476 A JP 2002173476A JP 2000372514 A JP2000372514 A JP 2000372514A JP 2000372514 A JP2000372514 A JP 2000372514A JP 2002173476 A JP2002173476 A JP 2002173476A
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JP2000372514A
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English (en)
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Hitoshi Saka
仁志 坂
Masami Muraoka
正実 村岡
Satoshi Onuma
聡 大沼
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アシル−CoA:コレステロールアシルトラ
ンスフェラーゼ(ACAT)阻害作用を有する化合物の
合成を、高選択的かつ高収率で行うことができる製造法
および中間体を提供する。 【解決手段】 一般式2 [RおよびRは独立してアルキル基を表し、R
低級アルキル基を表す。]の化合物を、発煙硝酸と反応
させてニトロ化し、次いで酸で処理し、さらに還元する
ことにより一般式5 [R、Rは前記と同じ意味を表す。]の化合物を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アシル−CoA:
コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)
阻害作用を有し、高脂血症治療剤および動脈硬化治療剤
として有用なナフチリジン誘導体の合成中間体およびそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】WO 00/09505には、アシル−
CoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(A
CAT)阻害作用を有し、高脂血症治療剤および動脈硬
化治療剤として有用なナフチリジン誘導体が開示されて
おり、同文献に開示された化合物には下記一般式(1
2)で表される化合物が含まれる。
【化20】 [式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表
す。Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしく
は無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置
換の芳香族基を表す。RおよびRはアルキル基を表
す。]
【0003】一般式(12)で表される化合物を効率的
に合成するためには、4位のアミノ基が保護された一般
式(13)
【化21】 [式中、RおよびRはアルキル基を表す。Wは保護
されたアミノ基を表す。]で表される2,6−ジアルキ
ル−1,4−フェニレンジアミン誘導体が必要となる。
上記WO 00/09505ではRおよびRがイソ
プロピル基でWがトリチルアミノ基である1,4−フェ
ニレンジアミン誘導体を開示しているが、別の保護基で
保護された1,4−フェニレンジアミンに関しては具体
的な記載はない。更に、2,6−ジアルキル−1,4−
フェニレンジアミン誘導体類の効率的な合成法は知られ
ていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、AC
AT阻害活性を有し、高脂血症治療薬および動脈硬化治
療薬として有用なナフチリジン誘導体の合成に有用な
2,6−ジアルキル−1,4−フェニレンジアミン誘導
体およびその合成法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ね、下記一般式(18)で表さ
れる1,4−フェニレンジアミン誘導体が、上記目的に
有用であることおよびそれらの効率的な合成法を見出
し、本発明を完成するに到った。即ち、本発明は以下の
ものに関する。 〔1〕 一般式(2)
【化22】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
基を表し、Rは低級アルキル基を表す。]で表される
化合物を、発煙硝酸と反応させることを特徴とする一般
式(3)
【化23】 [式中、R、RおよびRは前記と同じ意味を表
す。]で表される化合物の製造法。 〔2〕 〔1〕記載の方法により一般式(3)で表され
る化合物を得、さらに酸と反応させることを特徴とす
る、一般式(4)
【化24】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
基を表す。]で表される化合物の製造法。 〔3〕 〔2〕記載の方法により一般式(4)で表され
る化合物を得、さらに還元することを特徴とする、一般
式(5)
【化25】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
基を表す。]で表される化合物の製造法。 〔4〕 RおよびRがイソプロピル基である〔1〕
〜〔3〕のいずれかに記載の製造法。 〔5〕 一般式(6)
【化26】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
基を表す。]で表される化合物を、2,3,5,6−テ
トラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−2,5−シクロ
ヘキサジエン−1−オンと反応させることを特徴とす
る、一般式(4)
【化27】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
表される化合物の製造法。 〔6〕 RおよびRがイソプロピル基である〔5〕
記載の製造法。 〔7〕 一般式(6)
【化28】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
基を表す。]で表される化合物を、2,3,5,6−テ
トラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−2,5−シクロ
ヘキサジエン−1−オンと反応させ、生成した一般式
(4)で表される化合物
【化29】 を単離することなく還元することを特徴とする一般式
(5)
【化30】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
表される化合物の臭化水素酸塩の製造法。 〔8〕 RおよびRがイソプロピル基である〔7〕
記載の製造法。
〔9〕 一般式(6)
【化31】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
基を表す。]で表される化合物と、反応系中で2,3,
5,6−テトラブロモ−p−クレゾールと発煙硝酸との
反応により生成する2,3,5,6−テトラブロモ−4
−メチル−4−ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−
1−オンとを反応させ、生成した一般式(4)で表され
る化合物
【化32】 を単離することなく還元することを特徴とする一般式
(5)
【化33】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
表される化合物の臭化水素酸塩の製造法。 〔10〕 RおよびRがイソプロピル基である
〔9〕記載の製造法。 〔11〕 一般式(6)
【化34】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
基を表す。]で表される化合物を、ヨウ素酸の存在下ヨ
ウ素と反応させて一般式(8)で表される化合物
【化35】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
表される化合物とし、次いで酸の存在下一般式:ArC
HO[式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族基を表
す。]で表される化合物と反応させて一般式(9)
【化36】 [式中、R、RおよびArは前記と同じ意味を表
す。]で表される化合物とし、次いでパラジウム触媒お
よび塩基の存在下一酸化炭素と反応させて一般式(1
0)
【化37】 [式中、R、RおよびArは前記と同じ意味を表
す。]で表される化合物とし、次いでアジド化剤と反応
させて酸アジド体とした後一般式:ROH[式中、R
はアルキル基を表す。]で表されるアルコールと反応
させて一般式(11)
【化38】 [式中、R、RおよびRは前記と同じ意味を表
す。]で表される化合物とし、次いで還元することを特
徴とする一般式(18)
【化39】 [式中、R、RおよびRは前記と同じ意味を表
す。]で表される化合物の製造法。 〔12〕 RおよびRがイソプロピル基である〔1
1〕記載の製造法。 〔13〕 一般式(18)
【化40】 [式中、R、RおよびRは、それぞれ独立してア
ルキル基を表す。]で表される1,4−フェニレンジア
ミン誘導体またはその塩。 〔14〕 Rがtert−ブチル基である、〔13〕
記載の1,4−フェニレンジアミン誘導体またはその
塩。 〔15〕 RおよびRがイソプロピル基である〔1
3〕または〔14〕記載の1,4−フェニレンジアミン
誘導体またはその塩。
【0006】本発明に関し更に詳細に説明する。アルキ
ル基としては、例えば直鎖または分岐した炭素原子数1
〜10個のアルキル基が挙げられ、具体的には例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−
ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチ
ル、3−ペンチル、3−ヘキシル、4−ヘプチル、4−
オクチル、4−デカニル等が挙げられる。アルキル基に
は低級アルキル基が含まれる。低級アルキル基として
は、例えば直鎖または分岐した炭素原子数1〜4個のア
ルキル基が挙げられ、具体的には例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル等が挙げられる。
芳香族基としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2
−ナフチル等の炭素原子数10以下の芳香族基が挙げら
れる。ハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素酸
が挙げられる。芳香族スルホン酸としては、ベンゼンス
ルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の、置換または無置
換の芳香族基により置換されたスルホン酸が挙げられ
る。置換芳香族基の置換基としてはアルキル基が挙げら
れる。脂肪族スルホン酸塩としては、例えばメタンスル
ホン酸などのアルキル基により置換されたスルホン酸基
が挙げられる。発煙硝酸は通常含有量90%以上の硝酸
をいう。
【0007】一般式(13)で表される4位のアミノ基
が保護された2,6−ジアルキル−1,4−フェニレン
ジアミン誘導体類の一般的合成法は知られていない。ま
た、入手可能な2,6−ジイソプロピルアニリンおよび
そのメタンスルホニル体を通常一般的に用いられるニト
ロ化方法である硫酸中での硝酸によるニトロ化法を0℃
〜室温までの温度で実施すると、一般に当業者が予測す
る通り3−位がニトロ化され式(14)で表される化合
物が得られる
【化41】 [式中、Tは水素原子もしくはメタンスルホニル基を表
す。] しかるに、本発明者らは鋭意検討した結果、選択的に4
位に保護されたアミノ基を導入する方法を見出した。以
下順次記述する。
【0008】(1)アルキルスルホニルアミノベンゼン
誘導体のニトロ化による方法
【化42】 [式中、R、R、RおよびRは前記と同じ意味
を表す。]
【0009】(1−1) 一般式(2)で表される化合
物を発煙硝酸でニトロ化することにより4位がニトロ化
された一般式(3)で表される化合物を高い選択性で得
ることができる。反応は、一般式(2)で表される化合
物に、例えば酢酸(好ましくは含有量99%以上)中、
60℃〜110℃にて発煙硝酸を滴下することにより行
うことができる。発煙硝酸は1〜1.5当量を用いるこ
とにより、好適に反応が進行する。 (1−2) 一般式(3)で表される化合物を酸と反応
させて式:RSOで表される基を除去することによ
り一般式(4)で表される化合物を得ることができる。
反応は、例えば濃硫酸中、60℃〜80℃にて加熱する
ことにより行うことができる。 (1−3) 一般式(4)で表される化合物のニトロ基
を還元することにより一般式(5)で表される化合物を
得ることができる。ニトロ基の還元は通常一般的に用い
られる方法、例えば、メタノール、エタノール等のアル
コール系溶媒中、パラジウム等の金属触媒存在下水素添
加反応を行うことにより実施できる。また、亜鉛、鉄を
用いて実施することもできる(例えば、オーガニックフ
ァンクショナルグループプレパレーションズ第2版、ア
カデミックプレス社:ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPA
RATIONS Second Edition, ACADEMIC PRESS に記載され
ている方法で合成することができる)。 (1−4) 一般式(5)で表される化合物は一般に不
安定であり、通常酸との塩とすることにより安定化する
ことができる。塩とするための酸としては塩酸、臭化水
素酸等のハロゲン化水素に代表される無機酸や、ベンゼ
ンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の芳香族スル
ホン酸や、メタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸に代
表される有機酸が挙げられる。 (1−5) 一般式(5)で表される化合物またはその
塩の、4位のアミノ基を選択的に式:−COで表
されるアルコキシカルボニル基(好ましくはtert−ブト
キシカルボニル基(BOC基))で保護することによ
り、一般式(18)で表される化合物を得ることができ
る。一般式(5)で表される化合物またはその塩の保護
は自体公知の方法により実施できる(例えば PROTECTIV
E GROUPS inORGANIC SYNTHESIS, THIRD EDITION, JOHN
WILEY & SONS, INC.: New York に記載)。 (1−6) なお、上記反応に於いては(1−4)に於
いてのみ上記一般式で表される化合物の塩とし得ること
を挙げたが、それ以外の工程に於いてもそれぞれの化合
物を必要に応じて塩とすることができる。
【0010】(2)アニリン誘導体のニトロ化による方
法 (2−1)アニリン誘導体のニトロ化方法
【化43】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。] 一般式(6)で表される化合物を2,3,5,6−テト
ラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−2,5−シクロヘ
キサジエン−1−オンと反応させることにより、一般式
(4)で表される化合物を高い選択性で得ることができ
る。反応は、溶媒中、0℃から60℃にて、好ましくは
10℃〜30℃にて、1〜3当量、好ましくは1〜1.
5当量の2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチル−
4−ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−1−オンと
反応させることにより、一般式(4)で表される化合物
を好適に得ることができる。溶媒は反応を妨げない限り
如何なる溶媒でも良いが、メタノール、エタノール等の
アルコール系溶媒が好ましい。
【0011】(2−2)アニリン誘導体のニトロ化に引
き続き還元する方法
【化44】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。] 上記(2−1)の方法による一般式(4)で表される化
合物の生成後、単離等の後処理をすることなく、反応混
合物を還元反応に付すことにより、上記(1)の方法に
おける一般式(5)で表される化合物の臭化水素酸塩で
ある一般式(7)で表される化合物を得ることができ
る。一般式(6)で表される化合物をメタノール、エタ
ノール等のアルコール系溶媒中、0℃から60℃にて、
好ましくは10℃〜30℃にて、1〜3当量、好ましく
は1〜1.5当量の2,3,5,6−テトラブロモ−4
−メチル−4−ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−
1−オンと反応させ、原料の消失を確認後、引き続き還
元反応を行うことにより一般式(7)で表される化合物
を合成することができる。還元反応は、例えば反応系中
に触媒量のパラジウム/炭素等の金属触媒を加え、常圧
〜5気圧の水素雰囲気下0℃〜50℃、好ましくは10
〜30℃にて水素添加反応を行うことにより実施でき
る。
【0012】(2−3)アニリン誘導体のニトロ化を系
中で発生させた2,3,5,6−テトラブロモ−4−メ
チル−4−ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−1−
オンにより行う方法 更に、2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチル−4
−ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−1−オンは
2,3,5,6−テトラブロモ−p−クレゾールから系
中で発生させて用いることもできる。
【化45】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。] 上記(2−1)および(2−2)の方法で使用する2,
3,5,6−テトラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−
2,5−シクロヘキサジエン−1−オンは、2,3,
5,6−テトラブロモ−p−クレゾールと発煙硝酸とを
反応させることにより、系中で生成させて使用すること
ができる。2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチル
−4−ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−1−オン
の生成は、2,3,5,6−テトラブロモ−p−クレゾ
ールを、例えば酢酸溶液とし、0℃〜20℃にて約1当
量の発煙硝酸を加え、10℃〜40℃にて実施できる。
2,3,5,6−テトラブロモ−p−クレゾールは、後
に反応させる化合物(6)に対して1〜3当量、好まし
くは1.2〜2当量を用いることにより好適に後の反応
が進行する。上記(2−1)の方法に使用する場合に
は、2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチル−4−
ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−1−オンが生成
した反応液に、例えばメタノール、エタノール等のアル
コール系溶媒を加え、一般式(6)で表される化合物を
加えて0℃から60℃にて、好ましくは10℃〜30℃
にて反応させることにより、一般式(4)で表される化
合物を合成することができる。また、このようにして得
られた一般式(4)で表される化合物を上記(2−2)
の方法と同様の条件により還元することで一般式(7)
で表される化合物を得ることができる。例えば上記方法
により系中で発生した一般式(4)で表される化合物を
単離することなく、メタノール、エタノール等のアルコ
ール系溶媒中触媒量のパラジウム/炭素等の金属触媒を
用い、常圧〜5気圧の水素雰囲気下0℃〜50℃、好ま
しくは10〜30℃にて水素添加反応を行うことによ
り、実施できる。
【0013】(3)アニリン誘導体のヨウ化による方法 一般式(18)で表される化合物は下記ルートにても合
成することができる。
【化46】 [式中、R、RおよびArは前記と同じ意味を表
し、Rはアルキル基を表す。]
【0014】(3−1) 一般式(6)で表される化合
物をヨウ素酸の存在下ヨウ素と反応させることにより、
4位にヨウ素化された一般式(8)で表される化合物を
高い選択性で得ることができる。反応は、例えば酢酸溶
媒中、硫酸および水存在下、0.1〜0.3当量のヨウ
素酸、0.3〜1.0当量のヨウ素を用い、50℃〜1
00℃好ましくは60℃〜90℃にて反応させることに
より行うことができる。
【0015】(3−2) 一般式(8)で表される化合
物を一般式:ArCHO[式中、Arは前記と同じ意味
を表す。]で表される化合物と反応させて一般式(9)
で表される化合物を得ることができる。反応は、例えば
ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒中、1〜3 当量の一般式:ArCHO[式中、Arは前記と同じ意
味を表す。]で表されるアルデヒドを用い、p−トルエ
ンスルホン酸等の酸の存在下、好ましくは80℃〜12
0℃にて反応させることにより行うことができる。Ar
として好ましくはフェニルが挙げられる。
【0016】(3−3) 一般式(9)で表される化合
物をパラジウム触媒および塩基の存在下一酸化炭素と反
応させて一般式(10)で表される化合物を得ることが
できる。反応は溶媒中、0.05〜0.1当量のパラジ
ウム触媒および2〜4当量の塩基存在下、一酸化炭素雰
囲気下で50℃〜80℃にて行うことができる。パラジ
ウム触媒としては例えばリン誘導体が配位したパラジウ
ムが挙げられ、好ましくはジクロロビストリフェニルホ
スフィンパラジウムを用いることにより、好適に反応を
行うことができる。溶媒は反応を妨げない限り如何なる
溶媒でもよいが、5〜15%の含水ジメチルホルムアミ
ドを用いることにより、好適に反応を行うことができ
る。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピル
エチルアミン等の3級アミン類またはピリジン等が適当
である。
【0017】(3−4) 一般式(10)で表される化
合物をアジド化剤を用いて酸アジド体とし、一般式:R
OH[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]で表さ
れるアルコールと反応させることで一般式(11)で表
される化合物を得ることができる。アルコールとしてte
rt-ブタノールを用いればRがtert-ブチルである化合
物を合成できる。反応は、一般式(10)で表される化
合物を例えばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素
溶媒またはN,N−ジメチルホルムアミドに、好ましく
は2等量以上の過剰量の一般式:ROHで表されるア
ルコール存在下、0℃〜100℃、好ましくは、室温〜
50℃にて1〜3当量のジフェニルホスホリルアジド
(DPPA)等のアジド化剤を用いて酸アジド体とし、
引き続き60℃〜120℃に加熱することにより、カル
バメート誘導体(11)を得ることができる。
【0018】(3−5) 一般式(11)で表される化
合物を還元することにより窒素原子上の式:ArCH=
[式中、Arは前記と同じ意味を表す。]で表される基
を除去することで一般式(18)で表される化合物を得
ることができる。反応は、メタノール、エタノール等の
アルコール系溶媒中触媒量のパラジウム/炭素等の金属
触媒を用い、常圧〜5気圧の水素雰囲気下0℃〜50
℃、好ましくは10〜30℃にて行うことができる。
【0019】(4)ナフチリジン誘導体の合成 このようにして得られた一般式(18)で表される化合
物(好ましくはRがtert−ブチル基である化合物)
は、一般式(12)で表されるナフチリジン誘導体の合
成に好適に使用できる。例えば、以下の反応によりウレ
ア構造の構築が容易にでき、かつ引き続いての式:R
OCO−で表される基(好ましくはtert−ブトキシカル
ボニル基)の除去も容易に実施しえる。
【化47】 [式中、環A、Y、R、R、RおよびRは前記
と同じ意味を表す。Rは低級アルキル基またはフェニ
ル基を表す。Xは塩素原子または臭素原子などのハロゲ
ン原子を表す。環Lは環Aと同様な基を表すが、その置
換基としてアミノ基、アルキルアミノ基、水酸基などの
反応性基を有する場合はこれらは必要に応じて保護され
ているものとする。R41はRと同様な基を表すが、
置換基としてアミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、カ
ルボキシル基などの反応性基を有する場合はこれらは必
要に応じて保護されているものとする。YはYと同様
な基を表すが、置換基としてアミノ基、アルキルアミノ
基、水酸基、カルボキシル基などの反応性基を有する場
合はこれらは必要に応じて保護されているものとす
る。]
【0020】一般式(15)で表されるアミン誘導体
に、一般式(16)で表されるハロゲン化炭酸エステル
を0℃〜80℃にて反応させカルバミン酸エステルとし
たのち、更に一般式(18)で表されるアミン誘導体と
室温〜溶媒の沸点までの温度、または室温〜100℃に
て反応させることにより、一般式(17)で表されるウ
レア誘導体を得ることができる。次いで、式:ROC
O−で表される基および必要に応じて環L、Yおよび
41上の保護基を除去することにより、一般式(1
2)で表されるナフチリジン誘導体を得ることができ
る。一般式(16)で表されるハロゲン化炭酸エステル
としては、例えばクロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチ
ル、クロロ炭酸イソブチル、クロロ炭酸フェニル、クロ
ロ炭酸p−ニトロフェニル等を用いることができる。反
応は通常、溶媒中で行い、溶媒としては反応を妨げない
限りいかなる溶媒でもよく、例えばエチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル等のエステル溶媒、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン溶媒、アセトニトリル、イソブチロ
ニトリル等のニトリル溶媒、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等が用いられる。
【0021】
【実施例】以下に参考例、実施例により本発明を更に詳
細に説明するが本発明を何ら限定するものではない。
【0022】実施例1 2,6−ジイソプロピル−4−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノアニリン (a)2,6−ジイソプロピル−4−ニトロ−1−メタ
ンスルホニルアミノベンゼン 2,6−ジイソプロピル−1−メタンスルホニルアミノ
ベンゼン(70 g, 274mmol)の酢酸溶液(270 ml)に発
煙硝酸(21.6 g, 343 mmol)を加え、約60℃で45分間撹
拌後、約80℃に昇温し同温で2時間、約90℃で30分間撹
拌した。反応液に氷、トルエンを加えて分液後、水層を
酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和重曹水、飽和食
塩水で順次洗浄し無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。
溶媒を減圧留去後tert−ブチルメチルエーテル−ヘキサ
ンで晶析し、表題化合物を得た(28.2g, 93.7 mmol)。 融点:170〜174℃1 H-NMR(CDCl3)δ 1.30 (12H, d, J = 6.79Hz), 3.18
(3H, s), 3.48-3.57 (2H, m), 5.94 (1H, br s), 8.06
(2H, s).
【0023】(b)2,6−ジイソプロピル−4−ニト
ロアニリン 2,6−ジイソプロピル−4−ニトロ−1−メタンスル
ホニルアミノベンゼン(176 g, 587 mmol )の90%硫酸水
溶液(400 ml)を約75℃で2時間加熱撹拌した。反応液
を放冷後氷水に注ぎ、クロロホルムにて抽出した。抽出
液を水酸化ナトリウムで中和した後、水、飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減
圧留去後ジエチルエーテルで晶析し、更にヘキサンを加
えて攪拌後析出した結晶を濾取した。母液を濃縮後、同
様の操作を行い、2番晶を濾取し、合わせて表題化合物
を黄色結晶として得た(95.1g, 418mmol)。 融点:126〜127℃1 H-NMR(CDCl3)δ 1.29 (12H, d, J = 6.90Hz), 2.80-
2.89 (2H, m), 4.43 (2H, br), 7.95 (2H, s).
【0024】(c)2,6−ジイソプロピル−1,4−
フェニレンジアミン塩酸塩 2,6−ジイソプロピル−4−ニトロアニリン(63.4
g, 285 mmol )、パラジウム/炭素(12.7 g)の酢酸エ
チル混合液(800 ml)を室温にて水素雰囲気下で18時間
撹拌した。セライト濾過した後、濾液を約0℃に冷却
し、塩酸/ジオキサン溶液(142.6 ml, 571 mmol)を滴
下して1時間撹拌後、析出した結晶を濾取して表題化合
物を得た(74 g)。 融点:290〜298℃
【0025】(d)2,6−ジイソプロピル−4−tert
−ブトキシカルボニルアミノアニリン 2,6−ジイソプロピル−1,4−フェニレンジアミン
塩酸塩(21 g, 79 mmol ) のジクロロメタン溶液(300
ml)に約0℃にてトリエチルアミン(44 ml, 316.7 mmo
l)、ジ− tert−ブチル ジカルボネート(19 g, 87.1
mmol)を加え室温にて4時間撹拌した。反応液に水を加
えて分液後水、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩
水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。
溶媒を減圧留去後ヘキサンを加え、析出した結晶を濾取
して表題化合物を得た。(19.2 g, 65mmol)。 融点:157〜159℃
【0026】実施例2 2,6−ジイソプロピル−4−ニトロアニリンの合成 2,6−ジイソプロピルアニリン(0.094 ml, 0.50 mmo
l)のエタノール(2.5ml)溶液に、室温下2,3,5,
6−テトラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−2,5−
シクロヘキサジエン−1−オン(234 mg, 0.50 mmol)
を加えた後3時間攪拌した。反応溶液に水を加えた、酢
酸エチルにより抽出し、有機層を水で二回洗浄した。硫
酸マグネシウム上で乾燥した後減圧下溶媒を留去し、残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表
題化合物を黄色結晶として得た(75.6 mg, 3.4mmol)。 融点:126〜127℃
【0027】実施例3 2,6−ジイソプロピル−1,4−フェニレンジアミン
2臭化水素酸塩 2,6−ジイソプロピルアニリン(0.188 ml, 1.00 mmo
l)のエタノール(15ml)溶液に氷冷下2,3,5,6
−テトラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−2,5−シ
クロヘキサジエン−1−オン(476 mg, 1.02 mmol)を
加えた後室温にて一晩攪拌した。反応溶液にパラジウム
/炭素(100 mg)を加え、室温にて水素雰囲気下4時間
攪拌した。減圧下溶媒を留去し酢酸エチルを加え攪拌し
た。析出した結晶を濾取して、表題化合物を無色結晶と
して得た(206 mg, 0.58mmol)。 融点:200 ℃(分解)1 H-NMR( DMSO-d6)δ1.16 (12H, d, J = 6.60Hz), 3.2
1-3.30 (2H, m), 7.19 (2H, s).
【0028】実施例4 2,6−ジイソプロピル−1,4−フェニレンジアミン
2臭化水素酸塩 2,3,5,6−クレゾール(634 mg, 1.50 mmol)の
酢酸(3.0 ml)溶液に約10℃で発煙硝酸を加え、室温に
て約1.5時間攪拌した。室温下エタノール(30ml)を加
えた後、氷冷下2,6−ジイソプロピルアニリン(0.18
9 ml, 1.00 mmol)を加え、室温下3時間攪拌した。反応
溶液に重曹水を加えた後酢酸エチルにより抽出し、有機
層を重曹水で二回洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥
した後、減圧下溶媒を留去した。濃縮残渣にメタノール
(20ml)とパラジウム/炭素(100 mg)を加え、室温に
て水素雰囲気下3時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、
濃縮残渣にアセトンを加え攪拌した。析出した結晶を濾
取して表題化合物を無色結晶として得た(243 mg, 0.69
mmol)。
【0029】実施例5 2,6−ジイソプロピル−4−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノアニリン (a)2,6−ジイソプロピル−4−ヨードアニリン 2,6−ジイソプロピルアニリン(3 ml, 15.9 mmol)
の酢酸(30 ml)/硫酸(0.2 ml)/水(0.8 ml)の混
合溶液に室温下ヨウ素酸(560 mg, 3.18 mmol )、ヨウ
素(1.41 g, 5.57 mmol)を加え約80℃にて3時間攪拌し
た。放冷後水を加え、酢酸エチルで抽出し有機層を10%
水酸化ナトリウム水で二回、チオ硫酸ナトリウム水で二
回洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を
減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより精製して表題化合物を茶褐色油状物として得た
(4.61 g, 15.3mmol)。1 H-NMR( DMSO-d6)δ1.11 (12H, d, J = 6.90Hz), 2.9
2-3.01 (2H, m), 4.76 (2H, s), 7.08 (2H, s).
【0030】(b)N-ベンジリデン 2,6−ジイソプ
ロピル−4−ヨードアニリン 2,6−ジイソプロピル−4−ヨードアニリン(2.00
g, 6.60 mmol)、ベンズアルデヒド(0.80 ml, 7.92 mm
ol)とp−トルエンスルホン酸(63 mg, 0.33 mmol)の
トルエン溶液(50 ml)をディーンスターク還流装置を
用いて8時間加熱還流した。反応溶液に水を加えた後酢
酸エチルにより抽出し、有機層を水で二回洗浄した。硫
酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下溶媒を留去し、
残渣にヘキサンを加え、析出した結晶を濾取して表題化
合物を茶褐色結晶として得た(1.97g, 5.0mmol)。 融点:137〜138℃
【0031】(c)N−ベンジリデン 2,6−ジイソプ
ロピル−4−カルボキシアニリン N−ベンジリデン 2,6−ジイソプロピル−4−ヨード
アニリン(4.83 g, 12.3 mmol)、トリエチルアミン
(5.49 ml, 39.4 mmol)の水(11 ml)/ジメチルホル
ムアミド(114 ml)混合溶液を一酸化炭素雰囲気下30分
間攪拌した後、ジクロロビストリフェニルホスフィンパ
ラジウム(432 mg, 5 mol%)を加え約70℃にて5時間で
加熱した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水を加えた
後、酢酸エチルにより抽出し、有機層を飽和塩化アンモ
ニウム水で二回洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥し
た後、減圧下溶媒を留去し、残渣にジイソプロピルエー
テル−ヘキサンを加え攪拌した。析出した結晶を濾取し
て、表題化合物を茶褐色結晶として得た(3.03 g, 9.96
mmol)。 融点:175〜176℃(分解)1 H-NMR(CDCl3)δ1.22 (12H, d, J = 6.78Hz), 2.94-
3.03 (2H, m), 7.53-7.55(3H, m), 7.89-7.95 (4H, m),
8.18 (1H, s).
【0032】(d)N−ベンジリデン 2,6−ジイソ
プロピル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノアニリ
ン N−ベンジリデン 2,6−ジイソプロピル−4−カル
ボキシアニリン(1.00 g,3.24 mmol)、トリエチルアミ
ン(0.590 ml, 4.26 mmol)のトルエン(25 ml)/tert
−ブチルアルコール(25ml)溶液にジフェニルホスホリ
ルアジド(0.910ml, 4.26 mmol)を室温下加え30分間攪
拌した後、約100℃にて12時間加熱した。反応溶液に飽
和塩化アンモニウム水を加えたのち酢酸エチルにより抽
出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水で二回、飽和重
曹水で二回洗浄した。硫酸マグネシウムにより乾燥した
後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー精製し、ヘキサンより晶析して表題化合
物を淡黄色結晶として得た(436mg, 1.39mmol)。 融点:164〜165℃
【0033】(e)2,6−ジイソプロピル−4−tert
−ブトキシカルボニルアミノアニリン N−ベンジリデン 2,6−ジイソプロピル−4−tert
−ブトキシカルボニルアミノアニリン(300 g, 0.788 m
mol)、パラジウム/炭素(30 mg)のメタノール懸濁液
(20ml)を室温にて水素雰囲気下4時間攪拌した。反応
懸濁液をセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去して、
表題化合物を白色結晶として得た(231mg)。 融点:157〜159℃
【0034】参考例1 N−[1−ブチル−4−[3−[3−(ヒドロキシ)プ
ロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ
−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−[2,6
−ジイソプロピル−4−アミノフェニル]ウレア (a)N−[1−ブチル−4−[3−[3−(アセトキ
シ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−
オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−
[2,6−ジイソプロピル−4−(tert−ブトキシカル
ボニルアミノ)フェニル]ウレアの合成
【0035】1−ブチル−3−アミノ−4−[3−[3
−(アセトキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジ
ヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン(150 g, 3
66 mmol)のテトラヒドロフラン(1500 ml)溶液に室温
にてクロロ炭酸フェニル(114.6 g, 730 mmol)を加
え、同温度にて2日間攪拌した。反応液に水(1800 m
l)、酢酸エチル(1800 ml)を加え攪拌、分液した。有
機層を水(2000 ml)、飽和重曹水(2000 ml)、飽和食
塩水(1500 ml)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウム
上で乾燥した。有機層を濃縮後、酢酸エチル(750 ml)
に溶解し約50℃に昇温した。ヘキサン(2000 ml)を加
え、放冷した。更に氷冷下攪拌し、析出した結晶を濾取
して、1−ブチル−3−フェノキシカルボニルアミノ−
4−[3−[3−(アセトキシ)プロポキシ]フェニ
ル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチ
リジンを無色結晶として得た(178.1 g, 336 mmol)。
得られた結晶をN, N−ジメチルホルムアミド(1500 m
l)に溶解し、2,6−ジイソプロピル−4−tert−ブ
トキシカルボニルアミノアニリン(98.3 g, 336 mmo
l)、ジメチルアミノピリジン(82.2 g, 673 mmol)を
順次加え、室温にて24時間攪拌した。反応液に酢酸エチ
ル(1500 ml)、水(1000 ml)、飽和塩化アンモニウム
水溶液(500 ml)を加え攪拌、分液した。有機層を飽和
塩化アンモニウム水溶液(1500 ml)、飽和食塩水(100
0 ml)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し
た。有機層を濃縮後、濃縮残渣にイソプロピルエーテル
(2000 ml)を加え約60℃にて攪拌した。約0℃まで徐々
に冷却し、同温度で2時間攪拌した。析出した結晶を濾
取して、表題化合物を無色結晶として得た(214.8 g, 2
96 mmol)。1 H-NMR δ (DMSO-d6) 0.93-1.05 (15H, m), 1.44 (9H,
s), 1.70 (2H, m), 1.98(3H, s), 2.03 (2H, m), 2.83
(2H, m), 4.14 (2H, t, J = 6.41Hz), 6.88-7.70 (11H,
m), 8.60 (1H, d, J = 3.12Hz), 9.12 (1H, br).
【0036】(b)N−[1−ブチル−4−[3−[3
−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジ
ヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イ
ル]−N’−[2,6−ジイソプロピル−4−(tert−
ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]ウレア N−[1−ブチル−4−[3−[3−(アセトキシ)プ
ロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ
−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−[2,6
−ジイソプロピル−4−(tert−ブトキシカルボニルア
ミノ)フェニル]ウレア(214 g, 294 mmol)のメタノ
ール溶液(2500 ml)に氷冷下、ナトリウムメトキシド
(113.2 ml, 441 mmol)を加え室温にて12時間攪拌し
た。約500 mlまで濃縮後、水(500 ml)、飽和塩化アン
モニウム水溶液(500 ml)、エーテル(2000 ml)を順
次加え攪拌、分液した。水槽を酢酸エチル(1000 ml)
で再抽出し、有機層を前の分液の有機層と合わせ、飽和
塩化アンモニウム水溶液(1500 ml)で2回、飽和重曹水
(1500 ml)、飽和食塩水(1000 ml)で順次洗浄後、無
水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を濃縮後、酢
酸エチル(500 ml)に溶解し、約50℃に加熱した。イソ
プロピルエーテル(2000 ml)を加え、約0℃までゆっく
り冷却し、ヘキサン(2500 ml)を加え同温度で2.5時間
攪拌した。析出した結晶を濾取して表題化合物を無色結
晶として得た(189 g, 275 mmol)。1 H-NMR δ (DMSO-d6) 0.93-1.03 (15H, m), 1.44 (9H,
s), 1.70 (2H, m), 1.86(2H, m), 2.85 (2H, m), 3.53
(2H, m), 4.02 (2H, m), 6.89 (1H, s), 7.13 (2H, s),
7.23 (1H, m), 7.59-7.67 (3H, m).
【0037】(c) N−[1−ブチル−4−[3−
[3−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2
−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−
イル]−N’−[2,6−ジイソプロピル−4−アミノ
フェニル]ウレア 約6規定の塩酸/エタノール溶液(1200 ml)を約0℃に
冷却し、N−[1−ブチル−4−[3−[3−(ヒドロ
キシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2
−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−
[2,6−ジイソプロピル−4−(tert−ブトキシカル
ボニルアミノ)フェニル]ウレア(134 g,195 ml)を加
え、室温にて20時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、濃縮
残渣にアセトン(2000 ml)を加え、約70℃で2時間攪拌
した。約0℃までゆっくり冷却し、同温度で2時間攪拌し
た。析出した結晶を濾取して表題化合物の塩酸塩を無色
結晶として得た。 融点:175〜176℃
【0038】
【発明の効果】本発明の製造法を用いることおよび本発
明の中間体を用いることにより一般式(12)で表され
るナフチリジン誘導体の合成が高選択的かつ高収率で行
うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 211/52 C07C 211/52 269/06 269/06 271/28 271/28 311/08 311/08 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07D 471/04 114 C07D 471/04 114N (72)発明者 大沼 聡 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C065 AA04 BB09 CC01 DD02 EE02 HH04 JJ04 JJ07 LL01 PP03 QQ05 4H006 AA01 AA02 AB84 AC30 AC46 AC51 AC52 AC56 AC59 BA25 BA30 BA37 BA69 BD70 BE02 BE40 BE53 RA38 RB02 RB34 4H039 CA54 CA65 CD10 CD20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(2) 【化1】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
    基を表し、Rは低級アルキル基を表す。]で表される
    化合物を、発煙硝酸と反応させることを特徴とする一般
    式(3) 【化2】 [式中、R、RおよびRは前記と同じ意味を表
    す。]で表される化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により一般式(3)
    で表される化合物を得、さらに酸と反応させることを特
    徴とする、一般式(4) 【化3】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
    基を表す。]で表される化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法により一般式(4)
    で表される化合物を得、さらに還元することを特徴とす
    る、一般式(5) 【化4】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
    基を表す。]で表される化合物の製造法。
  4. 【請求項4】 RおよびRがイソプロピル基である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造法。
  5. 【請求項5】 一般式(6) 【化5】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
    基を表す。]で表される化合物を、2,3,5,6−テ
    トラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−2,5−シクロ
    ヘキサジエン−1−オンと反応させることを特徴とす
    る、一般式(4) 【化6】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
    表される化合物の製造法。
  6. 【請求項6】 RおよびRがイソプロピル基である
    請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 一般式(6) 【化7】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
    基を表す。]で表される化合物を、2,3,5,6−テ
    トラブロモ−4−メチル−4−ニトロ−2,5−シクロ
    ヘキサジエン−1−オンと反応させ、生成した一般式
    (4)で表される化合物 【化8】 を単離することなく還元することを特徴とする一般式
    (5) 【化9】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
    表される化合物の臭化水素酸塩の製造法。
  8. 【請求項8】 RおよびRがイソプロピル基である
    請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】 一般式(6) 【化10】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
    基を表す。]で表される化合物と、反応系中で2,3,
    5,6−テトラブロモ−p−クレゾールと発煙硝酸との
    反応により生成する2,3,5,6−テトラブロモ−4
    −メチル−4−ニトロ−2,5−シクロヘキサジエン−
    1−オンとを反応させ、生成した一般式(4)で表され
    る化合物 【化11】 を単離することなく還元することを特徴とする一般式
    (5) 【化12】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
    表される化合物の臭化水素酸塩の製造法。
  10. 【請求項10】 RおよびRがイソプロピル基であ
    る請求項9記載の製造法。
  11. 【請求項11】 一般式(6) 【化13】 [式中、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル
    基を表す。]で表される化合物を、ヨウ素酸の存在下ヨ
    ウ素と反応させて一般式(8)で表される化合物 【化14】 [式中、RおよびRは前記と同じ意味を表す。]で
    表される化合物とし、次いで酸の存在下一般式:ArC
    HO[式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族基を表
    す。]で表される化合物と反応させて一般式(9) 【化15】 [式中、R、RおよびArは前記と同じ意味を表
    す。]で表される化合物とし、次いでパラジウム触媒お
    よび塩基の存在下一酸化炭素と反応させて一般式(1
    0) 【化16】 [式中、R、RおよびArは前記と同じ意味を表
    す。]で表される化合物とし、次いでアジド化剤と反応
    させて酸アジド体とした後一般式:ROH[式中、R
    はアルキル基を表す。]で表されるアルコールと反応
    させて一般式(11) 【化17】 [式中、R、RおよびRは前記と同じ意味を表
    す。]で表される化合物とし、次いで還元することを特
    徴とする一般式(18) 【化18】 [式中、R、RおよびRは前記と同じ意味を表
    す。]で表される化合物の製造法。
  12. 【請求項12】 RおよびRがイソプロピル基であ
    る請求項11記載の製造法。
  13. 【請求項13】 一般式(18) 【化19】 [式中、R、RおよびRは、それぞれ独立してア
    ルキル基を表す。]で表される1,4−フェニレンジア
    ミン誘導体またはその塩。
  14. 【請求項14】 Rがtert−ブチル基である、請
    求項13記載の1,4−フェニレンジアミン誘導体また
    はその塩。
  15. 【請求項15】 RおよびRがイソプロピル基であ
    る請求項13または14記載の1,4−フェニレンジア
    ミン誘導体またはその塩。
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