JP2002173100A - 微小重力環境におけるアクティブ制振システム - Google Patents

微小重力環境におけるアクティブ制振システム

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JP2002173100A
JP2002173100A JP2000374362A JP2000374362A JP2002173100A JP 2002173100 A JP2002173100 A JP 2002173100A JP 2000374362 A JP2000374362 A JP 2000374362A JP 2000374362 A JP2000374362 A JP 2000374362A JP 2002173100 A JP2002173100 A JP 2002173100A
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vibration
coil
vibration damping
rotating body
sensors
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Shuichi Kawasaki
秀一 川崎
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小重力環境におけるアクティブ制振システ
ムに関し、直形、非線形を組合せた制振により効果的な
制振を行う。 【解決手段】 回転軸50は軸受52で支持されて回転
する。回転軸50の周囲にはコイル1が所定の隙間を保
って支持部51へ取付けられる。又、コイル1の近辺に
は回転軸50の周囲4個所に所定の隙間を保って振動セ
ンサ3が取付けられ、コイル1も、センサに対応して4
分割されている。振動センサ3は回転軸50との隙間の
変位を検出し、その信号を図示してない制御装置へ入力
し、制御装置は変位の大きい個所のコイルの励磁を強め
てこの変位を吸収するように制御する。コイルの電流制
御は線形と非線形の入力信号を組合せて用いるので振動
特性に応じたコイルの入力信号が用いられ、効果的な制
振がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微小重力環境におけ
るアクティブ制振システムに関し、発生する振動を正確
に収束させるシステムである。
【0002】
【従来の技術】図6は現在宇宙で行なわれている回転式
実験装置の一例を示す平面図であり、図において、モー
タ、等の回転装置60には4本のパイプ61,62,6
3,64が取付けられ、放射状に伸びている。パイプ6
1〜64の先端には実験ボックス70,71,72,7
3が取付けられ、実験ボックス70〜73内には実験対
象物、例えば植物、等が入れられる。このような装置
は、無重力状態において回転装置60により約1回転/
秒程度の低速回転が与えられ実験ボックス70〜73内
の対象物の実験が行なわれる。
【0003】上記のような回転式実験装置では、パイプ
61〜64の先端に実験ボックス70〜73が取付けら
れており、先端部が大きな形状である。又、実験ボック
ス70〜73内には種類の異なる実験対象物が収納さ
れ、実験物の大きさも種々異なり、装置全体は回転軸中
心に対称な配置ではあるが、収納される実験対象物はア
ンバランスである。従って、回転によりパイプ61〜6
4及び実験ボックス70〜73には振動が発生し、振動
が発生すると実験対象物を変動させたり、悪影響を及ぼ
すことになる。
【0004】上記のように宇宙空間において発生する振
動はできるだけ回避しなければならず、そのために回転
軸の軸受にバネ等の弾性軸受けを使用し、又、電磁軸受
を使用してコイルの励磁電流を制御して軸の振動を抑え
ることも研究されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の宇
宙での回転式実験装置は、回転中に振動が発生し、回転
体を構成するアームや実験ボックスに振動を与え、実験
対象物に悪影響を及ぼしていた。又、これらの振動は、
回転軸を介して周囲環境へ伝播し、周囲の宇宙機器へも
影響を及ぼし、機器の制御、等にも影響を与えることに
なる。このような振動を制振するために、電磁コイルを
用いてコイルの励磁電流を制御し、振動を吸収すること
も検討されているが、このような制振方法では制振入力
を線形又は単純な非線形の入力において実施されてお
り、かならずしも効果的な制振方法とはならず、任意に
発生する振動モードの変化に対しては対応し難く、制御
には限界があり、何らかの対策が望まれていた。
【0006】そこで本発明は、宇宙空間において回転体
に発生する任意の振動に対し、回転体の軸周囲や、軸受
に電磁コイルを採用し、回転体に発生する振動特性や固
有周期の変化に応じて制振入力を変化させアクティブ制
振を行うことにより、回転体を介して周囲の環境へ伝播
する振動を能動的に吸収し、任意の振動モードを減退さ
せることのできる微小重力環境におけるアクティブ制振
システムを提供することを課題としてなされたものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の課題を
解決するために、次の(1)〜(5)の手段を提供す
る。 (1)微小重力環境下で両端が軸支され回転する
回転体の周囲に所定の隙間を保って配設された制振用コ
イルと、同コイルの近辺で前記回転体周囲と所定の隙間
を保って周囲に均等配置された複数の振動センサと、同
複数のセンサからの前記隙間の変位信号を取込み、同変
位信号が所定の値よりも大きいと前記制振用コイルの励
磁電流を制御する制御装置とを備え、同制御装置は前記
変位信号の大小に応じて線形、非線形の信号を組合せて
振幅を変化させた信号を出力し、同信号で前記制振用コ
イルの励磁を制御することを特徴とする微小重力環境に
おけるアクティブ制振システム。
【0008】(2)前記回転体の両端の軸支は電磁軸受
で構成され、同電磁軸受は前記回転体を軸支すると共
に、前記制振用コイルも兼用することを特徴とする
(1)記載の微小重力環境におけるアクティブ制振シス
テム。
【0009】(3)前記制振用コイルは、前記振動セン
サの数と位置に対応して分割されたコイルであり、前記
制御装置は、前記複数の振動センサからの変位信号が最
も大きい振動センサの位置を判定し、同位置に対応する
前記制振用コイルの励磁電流を制御することを特徴とす
る(1)又は(2)記載の微小重力環境におけるアクテ
ィブ制振システム。
【0010】(4)前記電磁軸受は、前記振動センサの
数と位置に対応して分割されたコイルであり、前記制御
装置は、前記複数の振動センサからの変位信号が最も大
きい振動センサの位置を判定し、同位置に対応する前記
電磁軸受のコイルの励磁電流を制御することを特徴とす
る(2)記載の微小重力環境におけるアクティブ制振シ
ステム。
【0011】(5)前記制御装置は、前記振動センサか
らの変位信号の時間的変化を計測し、時間的変化の変化
率、変化を表す傾きをそれぞれ算定し、これら算定結果
のいずれかに基づいててき適切な制振を行なうよう前記
電磁軸受の励磁力を調整可能とすることを特徴とする
(3)又は(4)記載の微小重力環境におけるアクティ
ブ制振システム。
【0012】本発明の(1)においては、回転体の振動
は回転体周囲の複数の振動センサにより回転体との間の
隙間の変位として検出され、制御装置へ入力される。制
御装置では振動センサからの変位信号が通常の振動のな
い所定の値と比べ、大きいと制振用コイルの励磁電流を
制御して回転体の振動による変位を吸収する。この時の
制振用コイルの制御は、振動センサからの変位信号の大
小に応じて線形、非線形の信号を組合せることにより振
幅を変化させた信号を出力し、この出力信号で制振用コ
イルを制御する。このような制御により、振動を最適に
収束させることができる。
【0013】本発明の(2)では、回転体の両端の軸受
が電磁軸受であり、この電磁軸受のコイルが軸受として
機能すると共に、制振用コイルとしても機能し、回転体
の制振システムの構造が簡素化されると共に、回転体の
両端において振動を最適に収束させることができる。
【0014】本発明の(3)では、制振用コイルが複数
個に分割され、又、上記(4)でも電磁軸受のコイルが
複数に分割されているので、回転体の振動による変位が
最も大きな個所に対応するコイルの励磁を効果的に制御
し、回転体の振動をより効果的に吸収することができ
る。
【0015】本発明の(5)では、制御装置は振動セン
サの振動信号から時間的変化率、変化の傾きをそれぞれ
算定し、これら変化率の大きさ、傾きの大きさに対応し
て制振用コイルの励磁を制御するので、より精度の高い
制振が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実
施の第1形態に係る微小重力環境におけるアクティブ制
振システムを示し、(a)は側面図、(b)は(a)に
おけるA−A断面図、(c)はB−B断面図である。
(a)図において、回転軸50は構造部60に軸受52
で支持されて、微小重力空間において回転する構成であ
る。なお、回転軸50は一端のみ図示しているが、両端
が同様に軸受で支持されている。回転軸50の周囲には
制振用のコイル1が所定の隙間を保持して支持部51で
支持されて取付けられている。又、コイル1の上部周囲
には回転軸50と所定の隙間を保って振動センサ3が配
置され同じく支持部51で支持されている。
【0017】(b)図において、コイル1は回転軸50
の周囲を所定の隙間を保って取り囲み、又、コイル1は
後述するように4個のコイルから構成され、回転軸の振
動による変位を電磁力により吸収する構成である。又、
(c)図において、回転軸50の周囲には4個の振動セ
ンサ3a,3b,3c,3dが所定の隙間を保って±
X,±Y方向に均等に配置されている。振動センサ3a
〜3dは回転軸50が振動して変位すると、回転軸周囲
と振動センサ3との隙間が変化するので、その隙間の変
化を検出し、全周囲で4個所における回転軸の位置変化
から振動方向も検出する。
【0018】図2は上記図1の構成の実施の第1形態に
おける制御の系統図である。図において、回転軸50周
囲の4個所の振動センサ3a,3b,3c,3dからの
回転軸50の振動の検出信号は、制御装置40の制御部
43へ取込まれる。制御部43では、振動のない時の回
転軸50と振動センサ3との基準値と検出された各セン
サからの値とを比較し、4個の振動センサ3のうち、ど
のセンサからの信号の変化が最も大きいかを判定する。
即ち、回転軸50とセンサとの隙間が最も小さいセンサ
を選び、そのセンサの位置と同じ位置にあるコイルに励
磁電流を流して回転軸50に反発力を強め、回転軸50
の変位を抑える。なお、センサからの信号の変位が最も
大きい場合には、隙間が最も大きくなるセンサの位置で
判定するが、隙間の最も小さい場合とは逆に、その位置
での制振用のコイルの吸引力を強めて回転軸50の位置
を正常な位置へ戻し、振動を吸収する。
【0019】制御部43は励磁するコイルを判定する
と、次に隙間の基準値からの差位の大きさを判定し、そ
の変位の大きさに応じて図3で示すように線形振動制御
部41と非線形振動制御部42との出力を組合せてコイ
ル(A),(B),(C),(D)のいずれかの励磁電
流を制御する。例えば、(a)では始めは直線状の線形
制御とし、振動が所定の基準値より大きくなると、振幅
1 以上で非線形の曲線状の信号を出力する。
【0020】図3は制御装置40からのコイルの励磁電
流のパターンを示す図である。(a)図のパターンは、
コイルへ入力される入力電流の振幅がA1 までは線形振
動制御部41から直線状の線形入力信号を出力し、振幅
1 で入力信号S1 以上からは非線形振動制御部42か
ら曲線状の非線形入力信号を出力する。この非線形の入
力信号は、例えば入力信号S=ax+ax2 +ax3
…axn (a、nは定数、xは振幅)のような非線形波
形とする。この(a)図の場合は振動の振幅が比較的大
きく、回転軸50とセンサとの隙間の変位が所定値より
大きく、低周波の振動の場合に有効で、非線形部分によ
り振動を急激に低減させる場合に適用される。
【0021】(b)図では入力信号の振幅が(a)図の
場合よりも小さい(A1 >A2 )場合であり、振幅A2
までは線形振動制御部41によりコイルへの入力信号を
出力し、振幅がA1 、入力信号S2 以上では非線形振動
制御部42によりコイルへの入力信号を出力する。この
(b)図では上記(a)の場合よりも振動の振幅が小さ
い場合に適用される。
【0022】(c)図では非線形振動制御部42のみの
出力であり、この場合にはコイルの入力信号を急激に立
上げて振動を急激に制振するものであり、比較的周波数
の高い振動に対して有効な入力信号となる。
【0023】本実施の第1形態においては、振動センサ
3からの回転軸50の振動変位信号を制御装置40に取
込み、制御部43において振動センサからの変位信号の
大きさを基準値と比較して、その大きさに応じて線形振
動、非線形振動制御部41,42からの出力を組合せ振
幅を変化させてコイル1の入力信号を出力し、コイル1
の励磁電流を制御するので、効果的な制振がなされ、宇
宙における微小重力環境での回転体50の振動が制振さ
れて他の環境へ与える影響を防ぐことができる。
【0024】なお、制御装置40では、振動センサ3か
らの信号を取込み、振動の所定時間内の変化率を求め、
更に変化の傾きの大小わ算定し、これら量算定値から、
或いはこれら算定値の1つからそん大きさを判定し、そ
の大きさに応じて励磁電流を制御するようにしてもよ
い。例えば、変化率や変化の傾きが所定の値と比較して
大きいと、振動数が大きく、小さいと比較的ゆるやかな
振動であることが判定できる。
【0025】図4は本発明の実施の第2形態に係る微小
重力環境におけるアクティブ制振システム構成図であ
る。本実施の第2形態では、図1〜図3に示す実施の第
1形態と同じコイルと振動センサ、制御装置を従来例で
説明した図6に示す回転式実験装置に適用した例であ
り、(a)は側面図、(b)は(a)におけるC−C矢
視図、(c)はD−D断面図である。
【0026】(a)図において10は回転体全体を収納
するケーシングであり、ケーシング10には上下に凹部
10a,10bが設けられている。上下の凹部10a,
10b内の周囲には電磁軸受11,12が配設されてい
る。
【0027】電磁軸受11,12は、それぞれ凹部10
a,10b内の周囲に励磁用のコイル1,2を配設して
電磁軸受を構成している。3,4はそれぞれ凹部10
a,10b内のコイル1,2の内側に配設された振動セ
ンサであり、前記したように回転軸30との間の隙間の
変位を検出し、この変位より回転軸30の振動が検出で
きるものである。振動センサ3,4は(c)図に示すよ
うに周囲に対称に4個が配置され、±X,±Y方向の回
転軸30の振動変位を検出する構成である。
【0028】30は前記した回転軸であり、両端がそれ
ぞれ凹部10a,10b内に配置され、凹部10b内で
モータ13に連結し、電磁軸受11,12で両端部が軸
支される。従って、回転軸30はコイル1,2とは、そ
れぞれ所定の隙間を保って電磁力により空間部に支持さ
れモータ13で回転される。回転軸の周囲には(b)図
にも示すように、X,Y軸方向に4本のアーム24,2
5,26,27で固定され、水平に伸び先端には実験ボ
ックス20,21,22,23が取付けられている。
【0029】このような構成の回転体において、実験ボ
ックス20〜23内には実験対象となる物体、即ち、植
物や動物、等が入れられ、モータ13を駆動することに
より宇宙環境において低速回転させて宇宙での植物の成
長状況や動物の生存状況を観察する実験がなされる。実
験ボックス20〜23には、このように形状、大きさ、
重さの異なる実験物が収納されるため、回転すると実験
ボックス20〜23間の重さのアンバランスにより発生
する加速度に差が生じ、ボックス間で振動が発生する。
この振動はアーム24〜27を伝わって回転軸30を振
動させ、この振動は軸受部からケーシング10に伝わ
り、外部の環境に伝播され、周囲に悪影響を及ぼすこと
になる。
【0030】そこで実施の第2形態では、回転軸30の
軸受は電磁軸受11,12として回転軸30はケーシン
グ10の支持部には接触せず、図示していない電源から
供給される電流による電磁力により支持する構成とす
る。回転軸30に振動が発生すると、その振動は回転軸
30両端周囲のX,Y軸に配置した4個の振動センサ
3,4で検出する。振動センサ3,4では、回転軸30
とセンサ間の振動による隙間の変動を検出して制御装置
へ入力し、制御装置では隙間が小さくなると、この隙間
を元の隙間に戻すように対応する電磁軸受11,12内
のコイル1,2の位置の電流を制御し、振動を能動的に
吸収するように制御するものである。
【0031】コイル1,2としては図1に示す実施の第
1形態と同じように、コイルを独立した4個の巻線を、
それぞれX軸,Y軸の4方向へ電磁力が作用するように
配設しておき、回転軸30の傾きによる変位に応じて変
位が大きく、コイルとの隙間の変動が一番大きい個所の
コイルの励磁を制御し、回転軸30との反発力、もしく
は吸引力を調整し、振動による変位を吸収するような構
成とする。
【0032】図5は制御の系統図であり、回転軸30上
端周囲に配設された振動センサ3a,3b,3c,3d
及び下端の振動センサ4a,4b,4c,4dからの各
検出信号は制御装置40の制御部43へ入力される。制
御部43では各振動センサ3,4のX,Y軸4方向の回
転軸端の振動に伴う変位を監視し、センサと回転軸間の
隙間が小さくなるか又は大きくなるとX,Y軸の対応す
る個所のコイル1,2の巻線の励磁電流を制御し、この
間の回転軸30とコイル間の反発力又は吸引力を強め隙
間を元の位置へ戻すように作動させる。なお、コイル
1,2の軸受として作用する励磁電流は図示していない
電源より供給されており、制御装置40はこの励磁電流
に制御用の電流を付加して制御するものである。
【0033】制御部43ではコイル2を制御する場合に
は、隙間の基準値からの差位の大きさを判定し、その変
位の大きさに応じて図3で示すように線形振動制御部4
1と非線形振動制御部42との出力を組合せて振幅を変
化させ、コイル(A),(B),(C),(D)のいず
れかの励磁電流を制御する。励磁電流のパターンは図3
と同じであるので説明は省略する。
【0034】本発明の実施の第2形態においても、実施
の第1形態と同様に振動センサからの変位信号の大きさ
を基準値と比較して、その大きさに応じて線形振動、非
線形振動制御部41,42からの出力を組合せて振幅を
変化させコイル1,2の入力信号を出力し、コイル1,
2の励磁電流を制御するので、回転式実験装置の効果的
な制振がなされ、宇宙における微小重力環境での回転軸
30の振動が制振されて他の環境へ与える影響を防ぐこ
とができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の微小重力環境におけるアクティ
ブ制振システムは、(1)微小重力環境下で両端が軸支
され回転する回転体の周囲に所定の隙間を保って配設さ
れた制振用コイルと、同コイルの近辺で前記回転体周囲
と所定の隙間を保って周囲に均等配置された複数の振動
センサと、同複数のセンサからの前記隙間の変位信号を
取込み、同変位信号が所定の値よりも大きいと前記制振
用コイルの励磁電流を制御する制御装置とを備え、同制
御装置は前記変位信号の大小に応じて線形、非線形の信
号を組合せて振幅を変化させた信号を出力し、同信号で
前記制振用コイルの励磁を制御することを特徴としてい
る。
【0036】上記構成により、制振用コイルの制御は、
振動センサからの変位信号の大小に応じて線形、非線形
の信号を組合せることにより振幅を変化させた信号を出
力し、この出力信号で制振用コイルを制御する。このよ
うな制御により、振動を最適に収束させることができ
る。
【0037】本発明の(2)では、回転体の両端の軸受
が電磁軸受であり、この電磁軸受のコイルが軸受として
機能すると共に、制振用コイルとしても機能し、回転体
の制振システムの構造が簡素化されると共に、回転体の
両端において振動を最適に収束させることができる。
【0038】本発明の(3)、(4)では、制振用コイ
ルが複数個に分割されているので、回転体の振動による
変位が最も大きな個所に対応するコイルの励磁を効果的
に制御し、回転体の振動をより効果的に吸収することが
できる。
【0039】本発明の(5)では、制御装置は振動セン
サの振動信号から時間的変化率、変化の傾きをそれぞれ
算定し、これら変化率の大きさ、傾きの大きさに対応し
て制振用コイルの励磁を制御するので、より精度の高い
制振が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係る微小重力環境に
おけるアクティブ制振システムを示し、(a)は側面
図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(b)は
(a)におけるB−B断面図である。
【図2】本発明の実施の第1形態に係る制御の系統図で
ある。
【図3】本発明の実施の第1形態に係る振動制御部のコ
イルの励磁のパターンを示し、(a),(b)は線形、
非線形のパターンを組合せた例、(c)は非線形部のみ
のパターンを、それぞれ示す。
【図4】本発明の実施の第2形態に係る微小重力環境に
おけるアクティブ制振システムを示し、(a)は側面
図、(b)は(a)におけるC−C矢視図、(c)はD
−D断面図である。
【図5】本発明の実施の第2形態に係る制御の系統図で
ある。
【図6】従来の宇宙における回転式実験装置の平面図で
ある。
【符号の説明】
1,2 コイル 3,4 振動センサ 10 ケーシング 11,12 電磁軸受 20〜23 実験ボックス 24〜27 アーム 30〜50 回転軸 40 制御装置 41 線形振動制御部 42 非線形振動制御部 43 制御部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小重力環境下で両端が軸支され回転す
    る回転体の周囲に所定の隙間を保って配設された制振用
    コイルと、同コイルの近辺で前記回転体周囲と所定の隙
    間を保って周囲に均等配置された複数の振動センサと、
    同複数のセンサからの前記隙間の変位信号を取込み、同
    変位信号が所定の値よりも大きいと前記制振用コイルの
    励磁電流を制御する制御装置とを備え、同制御装置は前
    記変位信号の大小に応じて線形、非線形の信号を組合せ
    て振幅を変化させた信号を出力し、同信号で前記制振用
    コイルの励磁を制御することを特徴とする微小重力環境
    におけるアクティブ制振システム。
  2. 【請求項2】 前記回転体の両端の軸支は電磁軸受で構
    成され、同電磁軸受は前記回転体を軸支すると共に、前
    記制振用コイルも兼用することを特徴とする請求項1記
    載の微小重力環境におけるアクティブ制振システム。
  3. 【請求項3】 前記制振用コイルは、前記振動センサの
    数と位置に対応して分割されたコイルであり、前記制御
    装置は、前記複数の振動センサからの変位信号が最も大
    きい振動センサの位置を判定し、同位置に対応する前記
    制振用コイルの励磁電流を制御することを特徴とする請
    求項1記載の微小重力環境におけるアクティブ制振シス
    テム。
  4. 【請求項4】 前記電磁軸受は、前記振動センサの数と
    位置に対応して分割されたコイルであり、前記制御装置
    は、前記複数の振動センサからの変位信号が最も大きい
    振動センサの位置を判定し、同位置に対応する前記電磁
    軸受のコイルの励磁電流を制御することを特徴とする請
    求項2記載の微小重力環境におけるアクティブ制振シス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記制御装置は、前記振動センサからの
    変位信号の時間的変化を計測し、時間的変化の変化率、
    変化を表す傾きをそれぞれ算定し、これら算定結果のい
    ずれかに基づいててき適切な制振を行なうよう前記電磁
    軸受の励磁力を調整可能とすることを特徴とする請求項
    3又は4記載の微小重力環境におけるアクティブ制振シ
    ステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2016143135A1 (ja) * 2015-03-12 2017-12-28 ギガフォトン株式会社 放電励起式ガスレーザ装置

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