JP2002172390A - 油捕集材梱包体 - Google Patents

油捕集材梱包体

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JP2002172390A
JP2002172390A JP2000370041A JP2000370041A JP2002172390A JP 2002172390 A JP2002172390 A JP 2002172390A JP 2000370041 A JP2000370041 A JP 2000370041A JP 2000370041 A JP2000370041 A JP 2000370041A JP 2002172390 A JP2002172390 A JP 2002172390A
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bag
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Kazuyoshi Isotani
計嘉 磯谷
Motoyuki Ezaki
元幸 江崎
Kazuo Sato
一生 佐藤
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量の油捕集材の運搬、保管に適し、事故現
場での油捕集材の取扱いにも便利な油捕集材梱包体を提
供することを課題とする。 【解決手段】 親油疎水性不撚糸(11)を多数引き揃
え、紐状に纏めて成る油捕集素材(10)を多数本長尺の
ロープ状支持体(41、51)に結合して成る油捕集材(4
0、50)を、折り畳み、圧縮、袋詰めして成ることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場、精油施設、
タンカーその他の船舶などから、海洋、河川、湖沼等の
水面に流出した油を回収するために用いる油捕集材を、
省スペースで備蓄でき、また、運搬や事故現場での使用
にも便利なように梱包して成る油捕集材梱包体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水面に流出した油を回収するための油吸
着マット等は、従来、単にダンボール箱等に詰めた状態
で運搬、保管されていた。然しながら、それらの油捕集
マット等は嵩高であるため、備蓄のために多大のスペー
スを必要とし、運搬作業等も非効率的であった。また、
親油性の合成樹脂から成るリボンを用いた油吸着材も提
案されているが、従来公知のこの種の油吸着材は圧縮す
るとが一体的に固まってしまい、油吸着能力が失われる
ので、嵩高の状態のままで保管する必要があった。然し
ながらこれらを用いて、水面に広範囲に流出した油を包
囲するためには、被害現場に大量の油捕集材を持ち込ん
で、それらを手際よく迅速に水面に展開する必要がある
が、単に油捕集材をダンボール箱等に詰め込んだだけで
は、効率的な補給ができず、かつ、油捕集材同士が互い
に絡まり合って、効率のよい作業を行うことは到底困難
であった。特に、本出願人が先に特願2000−305700号に
おいて開示した油捕集材は、従来品に比べて油捕集能力
が大幅に改善され、油回収作業時の取扱いも容易化され
たものであるが、常態において嵩高である点については
従来品と同様であるため、これを運搬、備蓄、使用等に
便利な形態で提供することが望まれている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためなされたものであって、その目的とす
るところは、嵩高な大量の油捕集材をコンパクトに梱包
し、保管及び輸送時の省スペース化を図ることにより、
運搬、備蓄、保管に適し、事故現場での油捕集材の取扱
いにも便利な油捕集材梱包体を提供することにある。本
発明で用いる油捕集材は、強く圧縮して長期間保管して
も、解梱すれば容易に嵩高のふわふわした状態に復元で
き、油を効率良く捕集し得るものである。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明の上記の目的は、親油疎
水性不撚糸を多数引き揃え、紐状に纏めて成る油捕集素
材を多数本長尺のロープ状支持体に結合して成る油捕集
材を、紐による巻き縛り、折り畳み、圧縮、袋詰めして
成る油捕集材梱包体によって達成できる。
【0005】袋として、耐油性合成樹脂で、望ましくは
耐候安定剤入りのものから成るものを用い、これに上記
油捕集材を圧縮もしくは真空包装することにより、極め
てコンパクトな梱包体とすることができる。袋は油を吸
収した後の機材の回収に活用することができる。また、
本発明の上記の目的は、非通気性の素材から成る袋を用
い、これに油捕集材を袋詰めしたのち袋内部の空気を排
出し、圧縮、真空包装して成る油捕集材梱包体によって
達成される。。また更に、本発明の上記の目的は、非通
気性の素材から成る平らな袋を用い、油捕集材を薄手の
布団状に袋詰めし、内容物を圧縮しつつ、ロールカステ
ラ状に巻き締めて成る油捕集材梱包体によって達成でき
る。梱包体の形状を、油捕集材を詰めたとき底面が略平
面となるような形状、例えば略釣鐘型や円筒型、直方体
等の形状とすれば、起立状態で保管等が可能であるので
便利であり、また、略直方体形状とすれば、梱包体を多
数積み上げることが可能となるので、運搬、保管等に便
利である。
【0006】なお、袋詰めされる上記油捕集材として
は、親油疎水性不撚糸を多数引き揃え、紐状に纏めて成
る油捕集素材を、ループ状に巻いて適宜の箇所を結束す
ることによりマルチループ状の油捕集材を作製し、この
ループ状油捕集材を多数本長尺のロープ状支持体に結合
して成るものや、或いはまた、親油疎水性不撚糸を多数
引き揃え、紐状に纏めて成る油捕集素材を、適宜の長さ
に切断し、これを複数本束ねたものの一端を結束するこ
とにより房状の油捕集材を作製し、この房状油捕集材を
多数本長尺のロープ状支持体に結合して成るものなどが
好適である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施例
について説明する。図1は、本発明に係る油捕集材梱包
体の第1実施例を製造する中間段階における外観図、図
2は、上記第1実施例の完成状態を示す外観図、図3
は、本発明に係る油捕集材梱包体の第2実施例を示す平
面図、図4は、第3実施例を示す外観斜視図、図5は、
第4実施例を示す外観斜視図、図6は、第5実施例を示
す外観斜視図、図7は、本発明に係る油捕集材梱包体内
に袋詰めされる油捕集材の作製に用いる油捕集素材の一
実施例を示す正面図、図8は、油捕集素材のもう一つの
実施例を示す正面図、図9は、図7又は図8に示した油
捕集素材を用いて作製した油捕集材の第1実施例を示す
正面図、図10は、同様の油捕集素材を用いて構成した
油捕集材の第2実施例を示す正面図、図11は、図9に
示した油捕集材を用いて作製された油捕集材の正面図、
図12は、図10に示した油捕集材を用いて作製された
油捕集材の正面図、図13は、図12に示す油捕集材の
正面を示す写真、図14は、油捕集材を小さく巻き締め
た状態を示す一部拡大写真、である。
【0008】図1は、油捕集材をポリ袋に入れた状態を
示しており、これを圧縮して袋の口部を紐などで閉じた
ものが図2に示されており、これは本発明に係る油捕集
材梱包体の第1実施例であり、本発明の最も簡易な実施
形態である。ポリ袋は、耐候安定剤入りのものが望まし
い。
【0009】図3は、本発明に係る油捕集材梱包体の第
2実施例を示しており、この油捕集材梱包体1は、気密
性を有する袋1a内に油捕集材を多数収納し、排気チュー
ブ1cから内部の空気を吸引、排出して真空包装状態とし
たものである。袋1aの一側辺に気密にシール可能なファ
スナー1bを設け、これを開いた状態で袋内に油捕集材を
多数詰め込み、ファスナー1bを閉じたのち、排気チュー
ブ1cを通じて内部の空気を吸引、排出する。排気チュー
ブ1cには逆止弁がついており、外部から内部への空気の
流入が阻止されるようになっている。袋内が真空状態と
なるので、いわゆる布団圧縮袋のように、嵩高な油捕集
材を極めてコンパクトに凝縮して備蓄することができ
る。
【0010】図4は、本発明に係る油捕集材梱包体の第
3実施例を示しており、この油捕集材梱包体2は、袋2a
内に油捕集材を詰めたとき袋の底面2cが略平面となり、
起立可能なように構成された袋を用いたことを特徴とす
る。油捕集材を詰めた梱包体を立てて置くことができる
ので便利である。ジッパー形式のファスナー2bを開いて
油捕集材を出し入れする。
【0011】図5に示す本発明に係る油捕集材梱包体60
は、耐油性合成樹脂で作製された袋部61と蓋部62から成
る気密性を有する袋であり、この中に、後述する油捕集
材を多数収納したものである。袋部61内に油捕集材を多
数収納した後、袋部61と蓋部62を、気密にシール可能な
ファスナー63によって閉じ、弁付き排気口64に吸気装置
(図では省略)を接続して袋内の空気を排出する。弁付
き排気口64には、外部から袋内への空気の流入を遮断す
る弁が備えられ、上記の如く調整排気された袋内を長期
間に亘って真空状態に保つことができる。そのため、常
態では嵩高な多数の油捕集材を極めてコンパクトに収納
でき、運搬や保管に便利である。
【0012】図6に示す本発明に係る油捕集材梱包体70
は、親油疎水性樹脂で作製された平たい袋に油捕集材を
薄く布団状に詰め、これを袋内の空気を絞り出しながら
ロールカステラ状ないしは伊達巻状に巻き締めて成るも
のである。この場合も袋内の空気を排除し、真空包装状
態とすることが望ましい。
【0013】なお、袋の形態や形状は、図1〜図6に示
したものに一切限定されず、円筒形、4面体、その他、
運搬や備蓄、保管、事故現場での使用に便利な形態、サ
イズ、重量であれば、全く任意である。
【0014】次に、図7〜図13を参照しつつ、本発明
に係る油捕集材梱包体内に多数収納すべき油捕集材につ
いて説明する。この油捕集材は、図11及び図12にそ
の模式図が示され、それを梱包のために巻き締めた状態
の写真が図14に示されている。このような油捕集材の
構成及びこれを製造する工程については、前記特願2000
−305700において詳しく説明したが、改めてここで図7
〜図13を順次参照しつつ説明する。
【0015】図7は、油捕集材の作製に用いる油捕集素
材の一実施例を示している。図7において、10は多数の
不撚糸、即ち、撚りを掛けられていないモノフィラメン
ト11を撚り合わすことなく一本に取り纏め、長尺の油捕
集素材としたものである。不撚糸11の長短、形状、材質
等は問わない。一実施例において、油捕集素材10はト
ウ、即ち、多数の不撚糸11を実質的に撚りをかけずに長
さ方向に多数本平行に引き揃え、直径10〜30mm程度の長
いフィラメント集合体としたものである。このトウにお
いて、フィラメント同士は束ねられたり撚り合わされた
りしてはいないが、フィラメント同士が適度に絡まり合
い、細長い紐状体としてまとまっているものである。
【0016】而して、不撚糸11は、一般的には、繊度1
デニール以上、100,000 デニール以下、望ましくは、1,
000 デニール以上、50,000デニール以下、更に望ましく
は、25,000デニール前後、即ち、20,000デニール以上、
30,000デニール以下のものとすることが推奨される。通
常、紡績に供されるトウは、繊維の分繊性、平行度が良
好なことが要求され、又、フィラメント同士のよじれ、
もつれなどは望ましくないとされるが、本発明において
は、むしろこれらは油捕集効果の増進に寄与する。
【0017】又、他の一実施例において、油捕集素材10
は、スライバー、即ち、スフ(ステープル・ファイバ
ー)等の短繊維を梳り、繊維を長さ方向に平行な状態に
引き揃え、通常、直径10〜30mm程度の細長い繊維連続体
としたものから成る。スライバーにおいては、短繊維同
士が適度に絡まり合い、細長い紐状体となっている。ス
ライバーを構成する短繊維としては、例えば、スプリッ
トヤーン、バーストヤーン、フィラメント及びステープ
ルファイバー等の短繊維が挙げられる。
【0018】一般的に本発明で用いるスフの繊度は、1
デニール以上、100,000 デニール以下、望ましくは、1,
000 デニール以上、50,000デニール以下、更に望ましく
は、25,000デニール前後、即ち、20,000デニール以上、
30,000デニール以下とすることが推奨される。このスラ
イバーにおいても、紡績に供されるものと異なり、フィ
ラメント同士のよじれ、もつれなどがあるほうが望まし
い。
【0019】本発明に係る油捕集素材の第三の実施例に
おいては、スプリットヤーン、即ち、縦裂き糸が用いら
れる。本発明において用い得るスプリットヤーンの態様
としては、例えば、解繊糸、即ちフィルムを適当な幅で
切断し、延伸してから更に細かく縦方向に割り裂いて、
細い繊維集合体としたものを挙げることができる図8
は、油捕集素材として用いられるそのような解繊糸の一
実施例を示す写真による正面図である。又、スプリット
ヤーンの他の態様としては、例えば、細かくスリットし
たフィルムをフィブリル化するまで延伸し、衝撃的応力
を与えることにより弱い方向に割り、たて方向に裂け目
を生じせしめ、1〜5デニール程度の繊度の集合体とし
たものを挙げることができる。
【0020】スプリットヤーンは、一般的には、各繊維
が相互に連携をもち、繊維の性質としては、フィラメン
トと紡績糸の中間的性質を有する。本発明において用い
るスプリットヤーンの繊度は、特に限定されるものでは
ないが、一般的には、やや太めの500 〜5,000 デニール
程度となる。
【0021】本発明において用いる繊維の原料は、特に
限定されるものではなく、親油疎水性の繊維であれば任
意のもので良い。合成繊維であれば、ポリエチレン、ア
イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポ
リプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、オレ
フィン−ノルボルネンコポリマー、ポリブテン等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のビニ
ル系重合体、PET 、PBT 等の芳香族ポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリ乳酸、ポリ
サクシニックブチレート等の脂肪族ポリエステル、ポリ
ウレタン、ポリエステルポリオール、ポリカーボネー
ト、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート又はそれら
の共重合体から成る繊維を用いることができるが、中で
も親油性と疎水性とを有するポリオレフィン、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレンコポリマーが特に推奨さ
れる。
【0022】又これらの熱可塑性樹脂には、親油性を高
めるため、例えば、高級脂肪酸、ポリオレフィンワック
ス等を添加又は塗布することが推奨され、更に必要に応
じて、紫外線吸収剤等の耐候性付与剤を添加又は塗布し
ても良い。又、天然繊維としては、綿、麻、絹、木質繊
維などの植物繊維、羊毛などの動物繊維を用いることが
できる。使用する繊維の繊度は、1デニール以上、100,
000 デニール以下、望ましくは1,000 デニール以上、5
0,000デニール以下、更に望ましくは、25,000デニール
前後とすることが望ましい。上記の如き油捕集材は、圧
縮梱包出来、かつその圧縮状態から開放されると、直ち
に嵩高の状態に復元でき、表面積が広大となるので、大
量の油を吸着し得るようになる。
【0023】而して、図7又は図8に示した油捕集素材
を用いて、図9又は図10に示す如き油捕集材20又は30
を製造し、更にこれらの油捕集材20又は30をロープで連
ねて図11又は図12に示すような油捕集材40又は50を
製造する。先ず、図9に示した実施例においては、図7
又は図8に示した油捕集素材10を多数回ループ状に巻
き、そのようなループ21の一個所22を結束して、マルチ
ループ状の油捕集材20とする。ループの直径は1m以
上、3m以下とすることが望ましく、又、ループの巻き
数は1回以上、100 回以下、望ましくは80回以下、更に
望ましくは50回以下とすることが望ましい。ループが充
分に太い場合には、通常は3、4回巻、最低1回巻で充
分である。尚、この油捕集材を製造する際には、上記の
如く油捕集素材10を多数回ループ状に巻く代りに、適宜
の長さに切断した油捕集素材10を一巻してシングルルー
プを多数作製し、これをドーナツ状に取り纏め、その一
個所を束ねるようにしても良い。
【0024】次に、図10に示した実施例においては、
油捕集素材10を所定の長さに切り揃えたカット素材31と
し、それらを所望本数ずつ取り纏めその一端32を結束
し、房状の油捕集材30とする。或いは又、このような房
状油捕集材30は、前記のマルチループ状油捕集材20のル
ープを、結束位置とは反対側で切断することによっても
製造し得るものである。
【0025】これらのループ状又は房状の油捕集材20又
は30の望ましい長さは 0.1m以上、5m以下、更に望ま
しくは、 0.3m以上、5m以下である。一般的には、マ
ルチループ状油捕集材20は、房状油捕集材30よりも製造
は簡単であるが、油捕集能力、保持能力の点では房状油
捕集材30の方が勝っている。その理由は、油を含んだ
際、房状油捕集材30の繊維は筆の穂先のように良く揃
い、総ての繊維が密着してその間に無駄無く油を含むか
らである。
【0026】これらの油捕集材は、図11及び図12に
示す如く、長いロープから成る支持体に多数連ねて結合
し、油捕集材として使用するものである。図11に示し
た油捕集材40は、多数のループ状油捕集材20をロープ41
に取り付けて成るものであり、図12に示した油捕集材
50は、多数の房状油捕集材30をロープ51に取り付けて成
るものである。而して、これらの油捕集材を取り付ける
間隔は、この装置を海上に敷設、展開した際に、油捕集
素材が適宜に接触し重なり合い、海上に浮遊する油を確
実に包囲し得るように定められる。
【0027】このとき用いるロープとしては、イージー
ループ(商品名、丸高製綱株式会社製)などの特殊カゴ
型構造ロープなどを使用することが推奨される。このロ
ープは細い紐を細長い中空円筒状に、荒い籠編みに編み
上げてなるロープであり、その端部の繊維を圧縮、一体
化処理して、ロープの編目を貫通し得る先細の連結用刺
針としてあり、これらの連結用刺針状の端部を荒目に編
まれたロープの編目を刺し通すことにより、極めて容易
に、ロープ端部同士を接続したり、アイを形成したりで
きるので、油捕集材同士を結合したり、端部をブイなど
に係留するのに便利である。
【0028】このような構成の油捕集材は、これを多数
一連に連結して、海面などに流出した油を包囲し、油の
拡散を防ぐと共に、油を吸着させた油捕集材を引上げ油
を搾り取って回収するため用いられる。即ち、例えば、
上記油捕集材を多数一連に連結して、長い油捕集材と
し、その両端を、それぞれ2艘の油回収船により保持せ
しめ、油が流出した海面上を曳航し、流出油を捕集する
ものである。
【0029】なお、図5又は図6に示したように、上記
油捕集材を袋に収納する際には、それらのロープ同士や
それに結合された多数の油捕集材同士がもつれたり絡ま
り合わないように、各油捕集材を図14に示すようにそ
れぞれ個別に折り畳み、巻き締めた上で、袋内に収納す
ることが推奨される。
【0030】上記油捕集材は、特に高粘度油の回収を目
的として開発されたものであるが、軽油、A重油等の低
粘度油でも自重の7 〜10倍程度の油を捕集し得るもので
ある。この油捕集能力は公知のものの1.5 倍程度に相当
するので、それらの回収にも効率良く使用できるもので
ある。このような油捕集能力の向上は、使用する油捕集
材の数量削減に役立ち、油保持能力の高さは油を捕集し
た装置を船上に引上げ処理する際の作業性を大幅に改善
する。また、本発明のようにこれら多数の油捕集材を袋
にコンパクトに収納して運搬、保管等することにより、
作業性が向上し、一刻を争う事故発生時にも迅速な対応
が可能となる。
【0031】なお、本発明の構成は叙上の実施例に限定
されるものでなく、例えば、多数の油捕集材を収納する
袋の材質、形状、形態は、必要に応じてさまざまに変更
することが可能であり、また、個々の油捕集材も、上記
実施例では、ロープから成る支持部材に一定の形状寸法
の油捕集材を取り付けたが、これは大小二様の油捕集材
を交互に取り付けることも推奨され、上記の油捕集素材
を筵状、網状などに織成して、油捕集材や油捕集材とし
て用いることもある等々、本発明は上記の説明から当業
者が容易に想到し得る総ての変更例を包摂するものであ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成されるから、本
発明によるときは、大量の油捕集材の運搬、保管に適
し、被害現場での油捕集材の取扱いも便利な油捕集材梱
包体を提供し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油捕集材梱包体の第1実施例を製
造する中間段階における外観図である。
【図2】上記第1実施例の完成状態を示す外観図であ
る。
【図3】本発明に係る油捕集材梱包体の第2実施例を示
す平面図である。
【図4】第3実施例を示す外観斜視図である。
【図5】第4実施例を示す外観斜視図である。
【図6】第5実施例を示す外観斜視図である。
【図7】本発明に係る油捕集材梱包体内に袋詰めされる
油捕集材の作製に用いる油捕集素材の一実施例を示す正
面図である。
【図8】油捕集素材のもう一つの実施例を示す正面図で
ある。
【図9】図7又は図8に示した油捕集素材を用いて作製
した油捕集材の第1実施例を示す正面図である。
【図10】同様の油捕集素材を用いて構成した油捕集材
の第2実施例を示す正面図である。
【図11】図9に示した油捕集材を用いて作製された油
捕集材の正面図である。
【図12】図10に示した油捕集材を用いて作製された
油捕集材の正面図である。
【図13】図12に示す油捕集材の写真による正面図で
ある。
【図14】油捕集材を小さく巻き締めた状態を示す一部
拡大写真である。
【符号の説明】
1 油捕集材梱包体 1a 袋 1b ファスナー 1c 排気チューブ 2 油捕集材梱包体 2a 袋 2b ファスナー 2c 底面 10 油捕集素材 11 親油疎水性不撚糸 20 ループ状油捕集材 21 ループ 22 結束部 30 房状油捕集材 31 カット素材 32 結束部 40 油捕集材 41 ロープ状支持体 50 油捕集材 51 ロープ状支持体 60 油捕集材梱包体 61 袋部 62 蓋部 63 気密性ファスナー 64 弁付き排気口 70 油捕集材梱包体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D025 BA35 3E067 AA11 AB99 BA12A BB14A CA07 CA15 CA30 EA22 EB22 FA01 FB11 FC01 GD03 4D051 AA01 AB07 EA03 EB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親油疎水性不撚糸(11)を多数引き揃え、
    紐状に纏めて成る油捕集素材(10)を多数本長尺のロー
    プ状支持体(41、51)に結合して成る油捕集材(40、5
    0)を、折り畳み、圧縮、袋詰めして成る油捕集材梱包
    体(60)。
  2. 【請求項2】非通気性の素材から成る袋を用い、これに
    油捕集材を袋詰めしたのち袋内部の空気を排出し、圧
    縮、真空包装した請求項1に記載の油捕集材梱包体。
  3. 【請求項3】袋詰めされる上記油捕集材(40)が、親油
    疎水性不撚糸(11)を多数引き揃え、紐状に纏めて成る
    油捕集素材(10)を、ループ状に巻いて適宜の箇所を結
    束することによりループ状油捕集材(20)を作製し、この
    ループ状油捕集材(20)を多数本長尺のロープ状支持体
    (41)に結合して成る油捕集材(40)である請求項1又
    は2に記載の油捕集材梱包体。
  4. 【請求項4】袋詰めされる上記油捕集材(50)が、親油
    疎水性不撚糸(11)を多数引き揃え、紐状に纏めて成る
    油捕集素材(10)を、適宜の長さに切断し、これを複数
    本束ねたものの一端を結束することにより房状の油捕集
    材(30)を作製し、この房状油捕集材(30)を多数本長尺の
    ロープ状支持体(51)に結合して成る油捕集材(50)で
    ある請求項1又は2に記載の油捕集材梱包体。
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