JP2002171241A - ストリーム伝送装置および方法 - Google Patents

ストリーム伝送装置および方法

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JP2002171241A
JP2002171241A JP2000363425A JP2000363425A JP2002171241A JP 2002171241 A JP2002171241 A JP 2002171241A JP 2000363425 A JP2000363425 A JP 2000363425A JP 2000363425 A JP2000363425 A JP 2000363425A JP 2002171241 A JP2002171241 A JP 2002171241A
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Akira Sugiyama
晃 杉山
Haruo Togashi
治夫 富樫
Susumu Todo
晋 藤堂
Hideyuki Matsumoto
英之 松本
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Sony Corp
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 VLCを用いて圧縮符号化され、さらにエラ
ー訂正符号化されたデータストリームに、エラー訂正符
号のエラー訂正能力を超えたエラーが存在する場合でも
安定的なシステムを実現する。 【解決手段】 可変長符号が復号化されたストリーム
の、DCTブロック以前のヘッダ部にエラーフラグが立
っていれば(S11)、ヘッダ部が既定値と置き換えら
れると共に、DCTブロックが灰色表示などを行うDC
成分の係数と置き換えられ、EOBが付加され、マクロ
ブロックが打ち切られる(S12)。エラーフラグがヘ
ッダ部に立っておらず、DC係数部に立っていれば(S
14)、DC成分のDCT係数が灰色表示などを行う係
数と置き換えられると共に、EOBが付加され、マクロ
ブロックが打ち切られる(S15)。エラーフラグがD
C係数部にも立っておらず、AC係数部に立っていれば
(S16)、その位置からEOBが付加され、マクロブ
ロックが打ち切られる(S17)。エラーフラグの位置
に基づきストリームが修正され、MPEGのシンタクス
エラーなどを回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばMPEG
2(Moving Pictures Experts Group 2)によるデータス
トリームにおいて、エラー訂正を行った結果、エラー訂
正符号のエラー訂正能力を超えてエラーが発生した場合
に出力されるエラーフラグを用いて、MPEG2ストリ
ームを修正するようなストリーム伝送装置および方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、ディジタルビデオ信号を圧縮
符号化する方式として、MPEG(Moving Pictures Exp
erts Group)と称される符号化方式が広く用いられてい
る。MPEG2は、DCT(Discrete Cosine Transfor
m)と予測符号化を用いた動画圧縮の規格である。1フレ
ーム分の画像データを所定サイズのマクロブロックに分
割し、マクロブロック単位で動きベクトルを用いて予測
符号化され、マクロブロックがさらに分割されたDCT
ブロック単位でDCTが行われ、可変長符号化される。
現状では、より拡張性が高く高画質が得られるようにさ
れたMPEG2が主流となっている。
【0003】MPEG2のデータは、階層構造を有する
データストリームからなる。階層は、上位からシーケン
ス層、GOP(Group Of Picture)層、ピクチャ層、スラ
イス層、マクロブロック層となっており、各層は、それ
ぞれ1以上の下位構造を含む。各層は、それぞれヘッダ
部を有する。また、マクロブロック層を除く各層には、
ヘッダ部に先んじてスタートコードが配される。
【0004】マクロブロックは、16画素×16画素か
らなるブロックであり、1以上のマクロブロックで1ス
ライスが構成される。一方、1ピクチャは、1画面に対
応し、スライスは、ピクチャを跨ることができない。ま
た、スライスヘッダは、画面の左端には必ず来るように
される。スライススタートコードには、当該スライスの
垂直方向の位置情報が含まれ、スライスヘッダには、拡
張されたスライス垂直位置情報や量子化スケール情報な
どが格納される。
【0005】一方、MPEG2のデータストリームは、
上述したように可変長符号(以降、VLC:Variable L
ength Codes)を用いて符号化されている。可変長符号
化は、そのデータの発生頻度に応じた符号長を、所定の
テーブル(以降、VLCテーブルと称する)に基づいて
割り当てることでなされる。復号時には、VLCテーブ
ルが参照されてVLCが解読される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
にMPEG2で圧縮符号化されたデータストリームは、
エラー訂正符号化されて伝送される。エラー訂正符号化
は、例えばリード・ソロモン符号と積符号とを用いてな
される。エラー訂正時、すなわち、エラー訂正符号化さ
れたデータの復号時には、エラー訂正符号の持つエラー
訂正能力を超えたエラーが存在する場合、その旨を示す
エラーフラグが出力され、エラー訂正が行われない。
【0007】エラー訂正が行われない場合、エラー訂正
を行うエラー訂正回路から出力されたVLCは、イレギ
ュラーなVLC、すなわち、VLCテーブルに載ってい
ないコードを含むVLCに変化してしまう可能性があ
る。このようなVLCがVLCデコーダに入力される
と、予期せぬコードの入力に対してVLCデコーダが対
応できず、ハングアップしてしまう可能性があるという
問題点があった。
【0008】図35は、可変長符号にエラーが発生した
場合に、VLCが変化してしまう例を示す。図35A
は、正常なストリームを示す。MPEGのストリーム
は、例えばこのようにデータ幅が8ビット(1バイト)
のストリームである。データ列400において、スライ
ス層の先頭を示す32ビット(4バイト)からなるスラ
イススタートコード(slice_start_cod
e)に続けて、スライスヘッダのパラメータである5ビ
ットからなるquantizer_scale_cod
e、1ビットからなるextra_bit_slic
e、マクロブロック層のパラメータである可変長符号の
macro_address_increment、m
acroblock_typeが配され、さらに続けて
所定のパラメータが配される。
【0009】データ列400内のslice_star
t_codeによって示されるスライス層内のあるDC
Tブロックのデータ列401において、図35Aの例で
は、VLCが所定のVLCテーブル(例えばMPEGに
規定されるDCT Coefficients Tab
le 1)に基づき、各行がそれぞれ意味を有する以下
のようなストリームになっている。
【0010】 ・・・・・ 0100 0000_0001_0010_0 0001_010 0010_0110_1 100 ・・・・・
【0011】このようなストリームに対し、斜線部の位
置でビット反転が発生し、図35Bの位置にエラーフラ
グが出力されたとする。すると、ストリームは、図35
Cのように変化する。これを、上述した所定のVLCテ
ーブルに当てはめると、次のようになる。
【0012】 ・・・・・ 0100 0000_0101_0010_0000_1010_0010 0110 1100 ・・・・・
【0013】この変化したストリームにおいて、上述し
たVLCテーブル(DCT Coefficients
Table 1)に基づき、2行目は、escape
(0000_01)+run 18(01_0010)
+level 162(0000_1010_001
0)を意味し、3行目は、EOB(End Of Block)を意味
する。このように、VLCは、1ビットだけのビット反
転で、元のストリームとは全く異なるVLCとして解か
れてしまう可能性がある。したがって、エラーが発生し
たVLC以降は、例えVLCが解けたとしても信頼でき
ず、次のスタートコード402までのデータを捨てる必
要がある。なお、スタートコードは、図35に示される
ように、バイトアラインされた32ビットのユニークな
コードであるため、検出が可能であり、エラーから復帰
することができる。
【0014】一方、エラーフラグを用いて、エラー訂正
符号の持つエラー訂正能力を超えたエラーが存在するデ
ータ以降を、単純に打ち切ってしまうことも考えられ
る。この場合でも、例えば打ち切られた近傍のデータ
は、存在しないコードを含むVLCに変化している可能
性があり、VLCデコーダのハングアップを招く危険性
があるという問題点があった。
【0015】また、エラーによりDCT係数のDC値が
失われた場合、MPEG2のデコーダにおいて、失われ
たDC値が「0」であると解釈されてしまう可能性もあ
る。この場合には、DC値が失われた部分が緑色のよう
な画像にデコードされてしまい、異常な画像になってし
まうという問題点があった。
【0016】このように、ビデオデータをVLCを用い
て圧縮符号化し、さらにエラー訂正符号化を行う場合、
エラーが発生するような環境では、安定的なシステムを
実現することが難しいという問題点があった。
【0017】したがって、この発明の目的は、VLCを
用いて圧縮符号化され、さらにエラー訂正符号化された
データストリームに、エラー訂正符号のエラー訂正能力
を超えたエラーが存在する場合でも、安定的なシステム
を実現できるストリーム伝送装置および方法を提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した課
題を解決するために、所定単位で可変長符号を用いて圧
縮符号化されたストリームを伝送するストリーム伝送装
置において、ストリームに付加されたエラー訂正符号を
復号化し、エラー訂正符号の持つエラー訂正能力を超え
てエラーが存在するときに、エラー位置に対応してエラ
ーフラグを立てるエラー訂正手段と、エラーフラグに基
づき、可変長符号の終端を示す情報を、エラーフラグが
存在する可変長符号の系列の、エラーフラグに対応する
位置に付加する終端情報付加手段とを有することを特徴
とするストリーム伝送装置である。
【0019】また、この発明は、所定単位で可変長符号
を用いて圧縮符号化されたストリームを伝送するストリ
ーム伝送方法において、ストリームに付加されたエラー
訂正符号を復号化し、エラー訂正符号の持つエラー訂正
能力を超えてエラーが存在するときに、エラー位置に対
応してエラーフラグを立てるエラー訂正のステップと、
エラーフラグに基づき、可変長符号の終端を示す情報
を、エラーフラグが存在する可変長符号の系列の、エラ
ーフラグに対応する位置に付加する終端情報付加のステ
ップとを有することを特徴とするストリーム伝送方法で
ある。
【0020】上述したように、この発明は、ストリーム
に付加されたエラー訂正符号を復号化し、エラー訂正符
号の持つエラー訂正能力を超えてエラーが存在するとき
に、エラー位置に対応して立てられたエラーフラグに基
づき、可変長符号の終端を示す情報を、エラーフラグが
存在する可変長符号の系列の、エラーフラグに対応する
位置に付加するようにしているため、エラーフラグ以降
の可変長符号を捨てることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明をディジタルVT
R(Video Tape Recorder)に対して適用した一実施形態
について説明する。この一実施形態は、放送局の環境で
使用して好適なものである。
【0022】この一実施形態では、圧縮方式としては、
例えばMPEG2方式が採用される。MPEG2は、動
き補償予測符号化と、DCTによる圧縮符号化とを組み
合わせたものである。MPEG2のデータ構造は、階層
構造をなしている。図1は、一般的なMPEG2のデー
タストリームの階層構造を概略的に示す。図1に示され
るように、データ構造は、下位から、マクロブロック層
(図1E)、スライス層(図1D)、ピクチャ層(図1
C)、GOP層(図1B)およびシーケンス層(図1
A)となっている。
【0023】図1Eに示されるように、マクロブロック
層は、DCTを行う単位であるDCTブロックからな
る。マクロブロック層は、マクロブロックヘッダと複数
のDCTブロックとで構成される。スライス層は、図1
Dに示されるように、スライスヘッダ部と、1以上のマ
クロブロックより構成される。ピクチャ層は、図1Cに
示されるように、ピクチャヘッダ部と、1以上のスライ
スとから構成される。ピクチャは、1画面に対応する。
GOP層は、図1Bに示されるように、GOPヘッダ部
と、フレーム内符号化に基づくピクチャであるIピクチ
ャと、予測符号化に基づくピクチャであるPおよびBピ
クチャとから構成される。
【0024】Iピクチャ(Intra-coded picture:イント
ラ符号化画像) は、符号化されるときその画像1枚の中
だけで閉じた情報を使用するものである。従って、復号
時には、Iピクチャ自身の情報のみで復号できる。Pピ
クチャ(Predictive-coded picture :順方向予測符号化
画像)は、予測画像(差分をとる基準となる画像)とし
て、時間的に前の既に復号されたIピクチャまたはPピ
クチャを使用するものである。動き補償された予測画像
との差を符号化するか、差分を取らずに符号化するか、
効率の良い方をマクロブロック単位で選択する。Bピク
チャ(Bidirectionally predictive-coded picture :両
方向予測符号化画像)は、予測画像(差分をとる基準と
なる画像)として、時間的に前の既に復号されたIピク
チャまたはPピクチャ、時間的に後ろの既に復号された
IピクチャまたはPピクチャ、並びにこの両方から作ら
れた補間画像の3種類を使用する。この3種類のそれぞ
れの動き補償後の差分の符号化と、イントラ符号化の中
で、最も効率の良いものをマクロブロック単位で選択す
る。
【0025】従って、マクロブロックタイプとしては、
フレーム内符号化(Intra) マクロブロックと、過去から
未来を予測する順方向(Forward) フレーム間予測マクロ
ブロックと、未来から過去を予測する逆方向(Backward)
フレーム間予測マクロブロックと、前後両方向から予測
する両方向マクロブロックとがある。Iピクチャ内の全
てのマクロブロックは、フレーム内符号化マクロブロッ
クである。また、Pピクチャ内には、フレーム内符号化
マクロブロックと順方向フレーム間予測マクロブロック
とが含まれる。Bピクチャ内には、上述した4種類の全
てのタイプのマクロブロックが含まれる。
【0026】GOPには、最低1枚のIピクチャが含ま
れ、PおよびBピクチャは、存在しなくても許容され
る。最上層のシーケンス層は、図1Aに示されるよう
に、シーケンスヘッダ部と複数のGOPとから構成され
る。
【0027】MPEGのフォーマットにおいては、スラ
イスが1つの可変長符号系列である。可変長符号系列と
は、可変長符号を正しく復号化しなければデータの境界
を検出できない系列である。
【0028】また、シーケンス層、GOP層、ピクチャ
層およびスライス層の先頭には、それぞれ、バイト単位
に整列された所定のビットパターンを有するスタートコ
ードが配される。この、各層の先頭に配されるスタート
コードを、シーケンス層においてはシーケンスヘッダコ
ード、他の階層においてはスタートコードと称し、ビッ
トパターンが〔00 00 01 xx〕(以下、〔〕
による表記は、16進表記であることを示す)とされ
る。2桁ずつ示され、〔xx〕は、各層のそれぞれで異
なるビットパターンが配されることを示す。
【0029】すなわち、スタートコードおよびシーケン
スヘッダコードは、4バイト(=32ビット)からな
り、4バイト目の値に基づき、後に続く情報の種類を識
別できる。これらスタートコードおよびシーケンスヘッ
ダコードは、バイト単位で整列されているため、4バイ
トのパターンマッチングを行うだけで捕捉することがで
きる。
【0030】さらに、スタートコードに続く1バイトの
上位4ビットが、後述する拡張データ領域の内容の識別
子となっている。この識別子の値により、その拡張デー
タの内容を判別することができる。
【0031】なお、マクロブロック層およびマクロブロ
ック内のDCTブロックには、このような、バイト単位
に整列された所定のビットパターンを有する識別コード
は、配されない。
【0032】各層のヘッダ部について、より詳細に説明
する。図1Aに示すシーケンス層では、先頭にシーケン
スヘッダ2が配され、続けて、シーケンス拡張3、拡張
およびユーザデータ4が配される。シーケンスヘッダ2
の先頭には、シーケンスヘッダコード1が配される。ま
た、図示しないが、シーケンス拡張3およびユーザデー
タ4の先頭にも、それぞれ所定のスタートコードが配さ
れる。シーケンスヘッダ2から拡張およびユーザデータ
4までがシーケンス層のヘッダ部とされる。
【0033】シーケンスヘッダ2には、図2に内容と割
当ビットが示されるように、シーケンスヘッダコード
1、水平方向画素数および垂直方向ライン数からなる符
号化画像サイズ、アスペクト比、フレームレート、ビッ
トレート、VBV(Video Buffering Verifier)バッファ
サイズ、量子化マトリクスなど、シーケンス単位で設定
される情報がそれぞれ所定のビット数を割り当てられて
格納される。
【0034】シーケンスヘッダに続く拡張スタートコー
ド後のシーケンス拡張3では、図3に示されるように、
MPEG2で用いられるプロファイル、レベル、クロマ
(色差)フォーマット、プログレッシブシーケンスなど
の付加データが指定される。拡張およびユーザデータ4
は、図4に示されるように、シーケンス表示()によ
り、原信号のRGB変換特性や表示画サイズの情報を格
納できると共に、シーケンススケーラブル拡張()によ
り、スケーラビリティモードやスケーラビリティのレイ
ヤ指定などを行うことができる。
【0035】シーケンス層のヘッダ部に続けて、GOP
が配される。GOPの先頭には、図1Bに示されるよう
に、GOPヘッダ6およびユーザデータ7が配される。
GOPヘッダ6およびユーザデータ7がGOPのヘッダ
部とされる。GOPヘッダ6には、図5に示されるよう
に、GOPのスタートコード5、タイムコード、GOP
の独立性や正当性を示すフラグがそれぞれ所定のビット
数を割り当てられて格納される。ユーザデータ7は、図
6に示されるように、拡張データおよびユーザデータを
含む。図示しないが、拡張データおよびユーザデータの
先頭には、それぞれ所定のスタートコードが配される。
【0036】GOP層のヘッダ部に続けて、ピクチャが
配される。ピクチャの先頭には、図1Cに示されるよう
に、ピクチャヘッダ9、ピクチャ符号化拡張10、なら
びに、拡張およびユーザデータ11が配される。ピクチ
ャヘッダ9の先頭には、ピクチャスタートコード8が配
される。また、ピクチャ符号化拡張10、ならびに、拡
張およびユーザデータ11の先頭には、それぞれ所定の
スタートコードが配される。ピクチャヘッダ9から拡張
およびユーザデータ11までがピクチャのヘッダ部とさ
れる。
【0037】ピクチャヘッダ9は、図7に示されるよう
に、ピクチャスタートコード8が配されると共に、画面
に関する符号化条件が設定される。ピクチャ符号化拡張
10では、図8に示されるように、前後方向および水平
/垂直方向の動きベクトルの範囲の指定や、ピクチャ構
造の指定がなされる。また、ピクチャ符号化拡張10で
は、イントラマクロブロックのDC係数精度の設定、V
LCタイプの選択、線型/非線型量子化スケールの選
択、DCTにおけるスキャン方法の選択などが行われ
る。
【0038】拡張およびユーザデータ11では、図9に
示されるように、量子化マトリクスの設定や、空間スケ
ーラブルパラメータの設定などが行われる。これらの設
定は、ピクチャ毎に可能となっており、各画面の特性に
応じた符号化を行うことができる。また、拡張およびユ
ーザデータ11では、ピクチャの表示領域の設定を行う
ことが可能となっている。さらに、拡張およびユーザデ
ータ11では、著作権情報を設定することもできる。
【0039】ピクチャ層のヘッダ部に続けて、スライス
が配される。スライスの先頭には、図1Dに示されるよ
うに、スライスヘッダ13が配され、スライスヘッド1
3の先頭に、スライススタートコード12が配される。
図10に示されるように、スライススタートコード12
は、当該スライスの垂直方向の位置情報を含む。スライ
スヘッダ13には、さらに、拡張されたスライス垂直位
置情報や、量子化スケール情報などが格納される。
【0040】スライス層のヘッダ部に続けて、マクロブ
ロックが配される(図1E)。マクロブロックでは、マ
クロブロックヘッダ14に続けて複数のDCTブロック
が配される。上述したように、マクロブロックヘッダ1
4にはスタートコードが配されない。図11に示される
ように、マクロブロックヘッダ14は、マクロブロック
の相対的な位置情報が格納されると共に、動き補償モー
ドの設定、DCT符号化に関する詳細な設定などを指示
する。
【0041】マクロブロックヘッダ14に続けて、DC
Tブロックが配される。DCTブロックは、図12に示
されるように、可変長符号化されたDCT係数およびD
CT係数に関するデータが格納される。
【0042】なお、図1では、各層における実線の区切
りは、データがバイト単位に整列されていることを示
し、点線の区切りは、データがバイト単位に整列されて
いないことを示す。すなわち、ピクチャ層までは、図1
3Aに一例が示されるように、符号の境界がバイト単位
で区切られているのに対し、スライス層では、スライス
スタートコード12のみがバイト単位で区切られてお
り、各マクロブロックは、図13Bに一例が示されるよ
うに、ビット単位で区切ることができる。同様に、マク
ロブロック層では、各DCTブロックをビット単位で区
切ることができる。
【0043】一方、復号および符号化による信号の劣化
を避けるためには、符号化データ上で編集することが望
ましい。このとき、PピクチャおよびBピクチャは、そ
の復号に、時間的に前のピクチャあるいは前後のピクチ
ャを必要とする。そのため、編集単位を1フレーム単位
とすることができない。この点を考慮して、この一実施
形態では、1つのGOPが1枚のIピクチャからなるよ
うにしている。
【0044】また、例えば1フレーム分の記録データが
記録される記録領域が所定のものとされる。MPEG2
では、可変長符号化を用いているので、1フレーム期間
に発生するデータを所定の記録領域に記録できるよう
に、1フレーム分の発生データ量が制御される。さら
に、この一実施形態では、磁気テープへの記録に適する
ように、1スライスを1マクロブロックから構成すると
共に、1マクロブロックを、所定長の固定枠に当てはめ
る。
【0045】図14は、この一実施形態におけるMPE
Gストリームのヘッダを具体的に示す。図1で分かるよ
うに、シーケンス層、GOP層、ピクチャ層、スライス
層およびマクロブロック層のそれぞれのヘッダ部は、シ
ーケンス層の先頭から連続的に現れる。図14は、シー
ケンスヘッダ部分から連続した一例のデータ配列を示し
ている。
【0046】先頭から、12バイト分の長さを有するシ
ーケンスヘッダ2が配され、続けて、10バイト分の長
さを有するシーケンス拡張3が配される。シーケンス拡
張3の次には、拡張およびユーザデータ4が配される。
拡張およびユーザデータ4の先頭には、4バイト分のユ
ーザデータスタートコードが配され、続くユーザデータ
領域には、SMPTEの規格に基づく情報が格納され
る。
【0047】シーケンス層のヘッダ部の次は、GOP層
のヘッダ部となる。8バイト分の長さを有するGOPヘ
ッダ6が配され、続けて拡張およびユーザデータ7が配
される。拡張およびユーザデータ7の先頭には、4バイ
ト分のユーザデータスタートコードが配され、続くユー
ザデータ領域には、既存の他のビデオフォーマットとの
互換性をとるための情報が格納される。
【0048】GOP層のヘッダ部の次は、ピクチャ層の
ヘッダ部となる。9バイトの長さを有するピクチャヘッ
ダ9が配され、続けて9バイトの長さを有するピクチャ
符号化拡張10が配される。ピクチャ符号化拡張10の
後に、拡張およびユーザデータ11が配される。拡張お
よびユーザデータ11の先頭側133バイトに拡張およ
びユーザデータが格納され、続いて4バイトの長さを有
するユーザデータスタートコード15が配される。ユー
ザデータスタートコード15に続けて、既存の他のビデ
オフォーマットとの互換性をとるための情報が格納され
る。さらに、ユーザデータスタートコード16が配さ
れ、ユーザデータスタートコード16に続けて、SMP
TEの規格に基づくデータが格納される。ピクチャ層の
ヘッダ部の次は、スライスとなる。
【0049】マクロブロックについて、さらに詳細に説
明する。スライス層に含まれるマクロブロックは、複数
のDCTブロックの集合であり、DCTブロックの符号
化系列は、量子化されたDCT係数の系列を0係数の連
続回数(ラン)とその直後の非0系列(レベル)を1つ
の単位として可変長符号化したものである。マクロブロ
ックならびにマクロブロック内のDCTブロックには、
バイト単位に整列した識別コードが付加されない。
【0050】マクロブロックは、画面(ピクチャ)を1
6画素×16ラインの格子状に分割したものである。ス
ライスは、例えばこのマクロブロックを水平方向に連結
してなる。連続するスライスの前のスライスの最後のマ
クロブロックと、次のスライスの先頭のマクロブロック
とは連続しており、スライス間でのマクロブロックのオ
ーバーラップを形成することは、許されていない。ま
た、画面のサイズが決まると、1画面当たりのマクロブ
ロック数は、一意に決まる。
【0051】画面上での垂直方向および水平方向のマク
ロブロック数を、それぞれmb_heightおよびm
b_widthと称する。画面上でのマクロブロックの
座標は、マクロブロックの垂直位置番号を、上端を基準
に0から数えたmb_rowと、マクロブロックの水平
位置番号を、左端を基準に0から数えたmb_colu
mnとで表すように定められている。画面上でのマクロ
ブロックの位置を一つの変数で表すために、macro
block_addressを、macroblock
_address=mb_row×mb_width+
mb_column、このように定義する。
【0052】ストリーム上でのスライスとマクロブロッ
クの順は、macroblock_addressの小
さい順でなければいけないと定められている。すなわ
ち、ストリームは、画面の上から下、左から右の順に伝
送される。
【0053】MPEGでは、1スライスを1ストライプ
(16ライン)で構成するのが普通であり、画面の左端
から可変長符号化が始まり、右端で終わる。従って、V
TRによってそのままMPEGエレメンタリストリーム
を記録した場合、高速再生時に、再生できる部分が画面
の左端に集中し、均一に更新することができない。ま
た、データのテープ上の配置を予測できないため、テー
プパターンを一定の間隔でトレースしたのでは、均一な
画面更新ができなくなる。さらに、1箇所でもエラーが
発生すると、画面右端まで影響し、次のスライスヘッダ
が検出されるまで復帰できない。このために、1スライ
スを1マクロブロックで構成するようにしている。
【0054】図15は、この一実施形態による記録再生
装置の構成の一例を示す。記録時には、端子100から
入力されたディジタル信号がSDI(Serial Data Inter
face) 受信部101に供給される。SDIは、(4:
2:2)コンポーネントビデオ信号とディジタルオーデ
ィオ信号と付加的データとを伝送するために、SMPT
Eによって規定されたインターフェイスである。SDI
受信部101で、入力されたディジタル信号からディジ
タルビデオ信号とディジタルオーディオ信号とがそれぞ
れ抽出され、ディジタルビデオ信号は、MPEGエンコ
ーダ102に供給され、ディジタルオーディオ信号は、
ディレイ103を介してECCエンコーダ109に供給
される。ディレイ103は、ディジタルオーディオ信号
とディジタルビデオ信号との時間差を解消するためのも
のである。
【0055】また、SDI受信部101では、入力され
たディジタル信号から同期信号を抽出し、抽出された同
期信号をタイミングジェネレータ104に供給する。タ
イミングジェネレータ104には、端子105から外部
同期信号を入力することもできる。タイミングジェネレ
ータ104では、入力されたこれらの同期信号および後
述するSDTI受信部108から供給される同期信号の
うち、指定された信号に基づきタイミングパルスを生成
する。生成されたタイミングパルスは、この記録再生装
置の各部に供給される。
【0056】入力ビデオ信号は、MPEGエンコーダ1
02においてDCT(Discrete Cosine Transform) の処
理を受け、係数データに変換され、係数データが可変長
符号化される。MPEGエンコーダ102からの可変長
符号化(VLC)データは、MPEG2に準拠したエレ
メンタリストリーム(ES)である。この出力は、記録
側のマルチフォーマットコンバータ(以下、MFCと称
する)106の一方の入力端に供給される。
【0057】一方、入力端子107を通じて、SDTI
(Serial Data Transport Interface) のフォーマットの
データが入力される。この信号は、SDTI受信部10
8で同期検出される。そして、フレームメモリ170に
バッファリングされ、エレメンタリストリームが抜き出
される。抜き出されたエレメンタリストリームは、記録
側MFC106から供給される信号readyによって
読み出しタイミングを制御されてフレームメモリ170
から読み出され、記録側MFC106の他方の入力端に
供給される。SDTI受信部108で同期検出されて得
られた同期信号は、上述したタイミングジェネレータ1
04に供給される。
【0058】一実施形態では、例えばMPEG ES
(MPEGエレメンタリストリーム)を伝送するため
に、SDTI(Serial Data Transport Interface)−C
P(Content Package) が使用される。このESは、4:
2:2のコンポーネントであり、また、上述したよう
に、全てIピクチャのストリームであり、1GOP=1
ピクチャの関係を有する。SDTI−CPのフォーマッ
トでは、MPEG ESがアクセスユニットへ分離さ
れ、また、フレーム単位のパケットにパッキングされて
いる。SDTI−CPでは、十分な伝送帯域(クロック
レートで27MHzまたは36MHz、ストリームビットレ
ートで270M bpsまたは360M bps)を使用してお
り、1フレーム期間で、バースト的にESを送ることが
可能である。
【0059】すなわち、1フレーム期間のSAVの後か
らEAVまでの間に、システムデータ、ビデオストリー
ム、オーディオストリーム、AUXデータが配される。
1フレーム期間全体にデータが存在せずに、その先頭か
ら所定期間バースト状にデータが存在する。フレームの
境界においてSDTI−CPのストリーム(ビデオおよ
びオーディオ)をストリームの状態でスイッチングする
ことができる。SDTI−CPは、クロック基準として
SMPTEタイムコードを使用したコンテンツの場合
に、オーディオ、ビデオ間の同期を確立する機構を有す
る。さらに、SDTI−CPとSDIとが共存可能なよ
うに、フォーマットが決められている。
【0060】上述したSDTI−CPを使用したインタ
ーフェースは、TS(Transport Stream)を転送する場合
のように、エンコーダおよびデコーダがVBV(Video B
uffer Verifier) バッファおよびTBs(Transport Buf
fers) を通る必要がなく、ディレイを少なくできる。ま
た、SDTI−CP自体が極めて高速の転送が可能なこ
ともディレイを一層少なくする。従って、放送局の全体
を管理するような同期が存在する環境では、SDTI−
CPを使用することが有効である。
【0061】なお、SDTI受信部108では、さら
に、入力されたSDTI−CPのストリームからディジ
タルオーディオ信号を抽出する。抽出されたディジタル
オーディオ信号は、ECCエンコーダ109に供給され
る。
【0062】記録側MFC106は、セレクタおよびス
トリームコンバータを内蔵する。記録側MFC106
は、例えば後述する再生側MFC114とモードを切り
替えることにより共用される。記録側MFC106にお
いて行われる処理について説明する。上述したMPEG
エンコーダ102およびSDTI受信部108から供給
されたMPEG ESは、セレクタで何方か一方を選択
され、ストリームコンバータに供給される。
【0063】ストリームコンバータでは、MPEG2の
規定に基づきDCTブロック毎に並べられていたDCT
係数を、1マクロブロックを構成する複数のDCTブロ
ックを通して、周波数成分毎にまとめ、まとめた周波数
成分を並べ替える。また、ストリームコンバータは、エ
レメンタリストリームの1スライスが1ストライプの場
合には、1スライスを1マクロブロックからなるものに
する。さらに、ストリームコンバータは、1マクロブロ
ックで発生する可変長データの最大長を所定長に制限す
る。これは、高次のDCT係数を0とすることでなしう
る。
【0064】また、詳細は後述するが、ストリームコン
バータでは、供給されたMPEGESのシーケンスヘッ
ダ2に続くシーケンス拡張3を検出し、シーケンス拡張
3からクロマフォーマットを示す情報chroma_f
ormatを抜き出す。抜き出されたクロマフォーマッ
ト情報に基づき、クロマフォーマット4:2:2と4:
2:0とを共通して処理できるように、入力されたMP
EG ESの処理タイミングを制御する。
【0065】記録側MFC106において並べ替えられ
た変換エレメンタリストリームは、ECCエンコーダ1
09に供給される。ECCエンコーダ109は、大容量
のメインメモリが接続され(図示しない)、パッキング
およびシャフリング部、オーディオ用外符号エンコー
ダ、ビデオ用外符号エンコーダ、内符号エンコーダ、オ
ーディオ用シャフリング部およびビデオ用シャフリング
部などを内蔵する。また、ECCエンコーダ109は、
シンクブロック単位でIDを付加する回路や、同期信号
を付加する回路を含む。ECCエンコーダ109は、例
えば1個の集積回路で構成される。
【0066】なお、一実施形態では、ビデオデータおよ
びオーディオデータに対するエラー訂正符号としては、
積符号が使用される。積符号は、ビデオデータまたはオ
ーディオデータの2次元配列の縦方向に外符号の符号化
を行い、その横方向に内符号の符号化を行い、データシ
ンボルを2重に符号化するものである。外符号および内
符号としては、リードソロモンコード(Reed-Solomon co
de) を使用できる。
【0067】ECCエンコーダ109における処理につ
いて説明する。変換エレメンタリストリームのビデオデ
ータは、可変長符号化されているため、各マクロブロッ
クのデータの長さが不揃いである。パッキングおよびシ
ャフリング部では、マクロブロックが固定枠に詰め込ま
れる。このとき、固定枠からはみ出たオーバーフロー部
分は、固定枠のサイズに対して空いている領域に順に詰
め込まれる。
【0068】また、画像フォーマット、シャフリングパ
ターンのバージョン等の情報を有するシステムデータ
が、後述するシスコン121から供給され、図示されな
い入力端から入力される。システムデータは、パッキン
グおよびシャフリング部に供給され、ピクチャデータと
同様に記録処理を受ける。システムデータは、ビデオA
UXとして記録される。また、走査順に発生する1フレ
ームのマクロブロックを並び替え、テープ上のマクロブ
ロックの記録位置を分散させるシャフリングが行われ
る。シャフリングによって、変速再生時に断片的にデー
タが再生される時でも、画像の更新率を向上させること
ができる。
【0069】パッキングおよびシャフリング部からのビ
デオデータおよびシステムデータ(以下、特に必要な場
合を除き、システムデータを含む場合も単にビデオデー
タと称する)は、ビデオデータに対して外符号化の符号
化を行うビデオ用外符号エンコーダに供給され、外符号
パリティが付加される。外符号エンコーダの出力は、ビ
デオ用シャフリング部で、複数のECCブロックにわた
ってシンクブロック単位で順番を入れ替える、シャフリ
ングがなされる。シンクブロック単位のシャフリングに
よって特定のECCブロックにエラーが集中することが
防止される。シャフリング部でなされるシャフリング
を、インターリーブと称することもある。ビデオ用シャ
フリング部の出力は、メインメモリに書き込まれる。
【0070】一方、上述したように、SDTI受信部1
08あるいはディレイ103から出力されたディジタル
オーディオ信号がECCエンコーダ109に供給され
る。この一実施形態では、非圧縮のディジタルオーディ
オ信号が扱われる。ディジタルオーディオ信号は、これ
らに限らず、オーディオインターフェースを介して入力
されるようにもできる。また、図示されない入力端子か
ら、オーディオAUXが供給される。オーディオAUX
は、補助的データであり、オーディオデータのサンプリ
ング周波数等のオーディオデータに関連する情報を有す
るデータである。オーディオAUXは、オーディオデー
タに付加され、オーディオデータと同等に扱われる。
【0071】オーディオAUXが付加されたオーディオ
データ(以下、特に必要な場合を除き、AUXを含む場
合も単にオーディオデータと称する)は、オーディオデ
ータに対して外符号の符号化を行うオーディオ用外符号
エンコーダに供給される。オーディオ用外符号エンコー
ダの出力がオーディオ用シャフリング部に供給され、シ
ャフリング処理を受ける。オーディオシャフリングとし
て、シンクブロック単位のシャフリングと、チャンネル
単位のシャフリングとがなされる。
【0072】オーディオ用シャフリング部の出力は、メ
インメモリに書き込まれる。上述したように、メインメ
モリには、ビデオ用シャフリング部の出力も書き込まれ
ており、メインメモリで、オーディオデータとビデオデ
ータとが混合され、1チャンネルのデータとされる。
【0073】メインメモリからデータが読み出され、シ
ンクブロック番号を示す情報等を有するIDが付加さ
れ、内符号エンコーダに供給される。内符号エンコーダ
では、供給されたデータに対して内符号の符号化を施
す。内符号エンコーダの出力に対してシンクブロック毎
の同期信号が付加され、シンクブロックが連続する記録
データが構成される。
【0074】ECCエンコーダ109から出力された記
録データは、記録アンプなどを含むイコライザ110に
供給され、記録RF信号に変換される。記録RF信号
は、回転ヘッドが所定に設けられた回転ドラム111に
供給され、磁気テープ112上に記録される。回転ドラ
ム111には、実際には、隣接するトラックを形成する
ヘッドのアジマスが互いに異なる複数の磁気ヘッドが取
り付けられている。
【0075】記録データに対して必要に応じてスクラン
ブル処理を行っても良い。また、記録時にディジタル変
調を行っても良く、さらに、パーシャル・レスポンスク
ラス4とビタビ符号を使用しても良い。なお、イコライ
ザ110は、記録側の構成と再生側の構成とを共に含
む。
【0076】図16は、上述した回転ヘッドにより磁気
テープ上に形成されるトラックフォーマットの一例を示
す。この例では、1フレーム当たりのビデオおよびオー
ディオデータが4トラックで記録されている。互いに異
なるアジマスの2トラックによって1セグメントが構成
される。すなわち、4トラックは、2セグメントからな
る。セグメントを構成する1組のトラックに対して、ア
ジマスと対応するトラック番号
〔0〕とトラック番号
〔1〕が付される。トラックのそれぞれにおいて、両端
側にビデオデータが記録されるビデオセクタが配され、
ビデオセクタに挟まれて、オーディオデータが記録され
るオーディオセクタが配される。この図16は、テープ
上のセクタの配置を示すものである。
【0077】この例では、4チャンネルのオーディオデ
ータを扱うことができるようにされている。A1〜A4
は、それぞれオーディオデータの1〜4chを示す。オ
ーディオデータは、セグメント単位で配列を変えられて
記録される。また、ビデオデータは、この例では、1ト
ラックに対して4エラー訂正ブロック分のデータがイン
ターリーブされ、Upper SideおよびLowe
r Sideのセクタに分割され記録される。
【0078】Lower Sideのビデオセクタに
は、所定位置にシステム領域(SYS)が設けられる。
システム領域は、例えば、Lower Sideのビデ
オセクタの先頭側と末尾側とに、トラック毎に交互に設
けられる。
【0079】なお、図16において、SATは、サーボ
ロック用の信号が記録されるエリアである。また、各記
録エリアの間には、所定の大きさのギャップが設けられ
る。
【0080】図16は、1フレーム当たりのデータを4
トラックで記録する例であるが、記録再生するデータの
フォーマットによっては、1フレーム当たりのデータを
8トラック、6トラックなどで記録するようにもでき
る。
【0081】図16Bに示されるように、テープ上に記
録されるデータは、シンクブロックと称される等間隔に
区切られた複数のブロックからなる。図16Cは、シン
クブロックの構成を概略的に示す。シンクブロックは、
同期検出するためのSYNCパターン、シンクブロック
のそれぞれを識別するためのID、後続するデータの内
容を示すDID、データパケットおよびエラー訂正用の
内符号パリティから構成される。データは、シンクブロ
ック単位でパケットとして扱われる。すなわち、記録あ
るいは再生されるデータ単位の最小のものが1シンクブ
ロックである。シンクブロックが多数並べられて(図1
6B)、例えばビデオセクタが形成される。
【0082】図15の説明に戻り、再生時には、磁気テ
ープ112から回転ドラム111で再生された再生信号
が再生アンプなどを含むイコライザ110の再生側の構
成に供給される。イコライザ110では、再生信号に対
して、等化や波形整形などがなされる。また、ディジタ
ル変調の復調、ビタビ復号等が必要に応じてなされる。
イコライザ110の出力は、ECCデコーダ113に供
給される。
【0083】ECCデコーダ113は、上述したECC
エンコーダ109と逆の処理を行うもので、大容量のメ
インメモリと、内符号デコーダ、オーディオ用およびビ
デオ用それぞれのデシャフリング部ならびに外符号デコ
ーダを含む。さらに、ECCデコーダ113は、ビデオ
用として、デシャフリングおよびデパッキング部、デー
タ補間部を含む。同様に、オーディオ用として、オーデ
ィオAUX分離部とデータ補間部を含む。ECCデコー
ダ113は、例えば1個の集積回路で構成される。
【0084】ECCデコーダ113における処理につい
て説明する。ECCデコーダ113では、先ず、同期検
出を行いシンクブロックの先頭に付加されている同期信
号を検出し、シンクブロックを切り出す。再生データ
は、シンクブロック毎に内符号デコーダに供給され、内
符号のエラー訂正がなされる。内符号デコーダの出力に
対してID補間処理がなされ、内符号によりエラーとさ
れたシンクブロックのID例えばシンクブロック番号が
補間される。IDが補間された再生データは、ビデオデ
ータとオーディオデータとに分離される。
【0085】上述したように、ビデオデータは、MPE
Gのイントラ符号化で発生したDCT係数データおよび
システムデータを意味し、オーディオデータは、PCM
(Pulse Code Modulation) データおよびオーディオAU
Xを意味する。
【0086】分離されたオーディオデータは、オーディ
オ用デシャフリング部に供給され、記録側のシャフリン
グ部でなされたシャフリングと逆の処理を行う。デシャ
フリング部の出力がオーディオ用の外符号デコーダに供
給され、外符号によるエラー訂正がなされる。オーディ
オ用の外符号デコーダからは、エラー訂正されたオーデ
ィオデータが出力される。訂正できないエラーがあるデ
ータに関しては、エラーフラグがセットされる。
【0087】オーディオ用の外符号デコーダの出力か
ら、オーディオAUX分離部でオーディオAUXが分離
され、分離されたオーディオAUXがECCデコーダ1
13から出力される(経路は省略する)。オーディオA
UXは、例えば後述するシスコン121に供給される。
また、オーディオデータは、データ補間部に供給され
る。データ補間部では、エラーの有るサンプルが補間さ
れる。補間方法としては、時間的に前後の正しいデータ
の平均値で補間する平均値補間、前の正しいサンプルの
値をホールドする前値ホールド等を使用できる。
【0088】データ補間部の出力がECCデコーダ11
3からのオーディオデータの出力であって、ECCデコ
ーダ113から出力されたオーディオデータは、ディレ
イ117およびSDTI出力部115に供給される。デ
ィレイ117は、後述するMPEGデコーダ116での
ビデオデータの処理による遅延を吸収するために設けら
れる。ディレイ117に供給されたオーディオデータ
は、所定の遅延を与えられて、SDI出力部118に供
給される。
【0089】分離されたビデオデータは、デシャフリン
グ部に供給され、記録側のシャフリングと逆の処理がな
される。デシャフリング部は、記録側のシャフリング部
でなされたシンクブロック単位のシャフリングを元に戻
す処理を行う。デシャフリング部の出力が外符号デコー
ダに供給され、外符号によるエラー訂正がなされる。訂
正できないエラーが発生した場合には、エラーの有無を
示すエラーフラグがエラー有りを示すものとされる。
【0090】外符号デコーダの出力がデシャフリングお
よびデパッキング部に供給される。デシャフリングおよ
びデパッキング部は、記録側のパッキングおよびシャフ
リング部でなされたマクロブロック単位のシャフリング
を元に戻す処理を行う。また、デシャフリングおよびデ
パッキング部では、記録時に施されたパッキングを分解
する。すなわち、マクロブロック単位にデータの長さを
戻して、元の可変長符号を復元する。さらに、デシャフ
リングおよびデパッキング部において、システムデータ
が分離され、ECCデコーダ113から出力され、後述
するシスコン121に供給される。
【0091】デシャフリングおよびデパッキング部の出
力は、データ補間部に供給され、エラーフラグが立って
いる(すなわち、エラーのある)データが修整される。
すなわち、変換前に、マクロブロックデータの途中にエ
ラーがあるとされた場合には、エラー箇所以降の周波数
成分のDCT係数が復元できない。そこで、例えばエラ
ー箇所以降の周波数成分のDCT係数をゼロとする。同
様に、高速再生時にも、シンクブロック長に対応する長
さまでのDCT係数のみを復元し、それ以降の係数は、
ゼロデータに置き替えられる。さらに、データ補間部で
は、ビデオデータの先頭に付加されているヘッダがエラ
ーの場合に、ヘッダ(シーケンスヘッダ、GOPヘッ
ダ、ピクチャヘッダ、ユーザデータ等)を回復する処理
もなされる。
【0092】データ補間部から出力されたビデオデータ
およびエラーフラグがECCデコーダ113の出力であ
って、ECCデコーダ113の出力は、再生側のマルチ
フォーマットコンバータ(以下、再生側MFCと略称す
る)114に供給される。再生側MFC114は、上述
した記録側MFC106と逆の処理を行うものであっ
て、ストリームコンバータを含む。再生側MFC114
は、例えば1個の集積回路で構成される。
【0093】ストリームコンバータでは、データ補間部
からのエラーフラグを用いてエラーのあるビデオデータ
に対して、適切な位置でブロック終端符号(EOB:En
d OfBlock)を付加し、データを打ち切る。DCTブロ
ックに跨がって、DCT係数がDC成分および低域成分
から高域成分へと並べられているため、このように、あ
る箇所以降からDCT係数を無視しても、マクロブロッ
クを構成するDCTブロックのそれぞれに対して、満遍
なくDCならびに低域成分からのDCT係数を行き渡ら
せることができる。
【0094】ストリームコンバータでは、記録側のスト
リームコンバータと逆の処理がなされる。すなわち、D
CTブロックに跨がって周波数成分毎に並べられていた
DCT係数を、DCTブロック毎に並び替える。また、
再生側MFC114では、供給されたストリームからシ
ーケンス拡張3を検出し、クロマフォーマットの情報を
抜き出す。ストリームコンバータにおける上述のDCT
係数の並び替えの際に、抜き出されたクロマフォーマッ
トの情報に基づき所定にタイミング制御を行う。これに
より、再生信号がMPEG2に準拠したエレメンタリス
トリームに変換される。
【0095】なお、ストリームコンバータの入出力は、
記録側と同様に、マクロブロックの最大長に応じて、十
分な転送レート(バンド幅)を確保しておく。マクロブ
ロック(スライス)の長さを制限しない場合には、画素
レートの3倍のバンド幅を確保するのが好ましい。
【0096】ストリームコンバータの出力が再生側MF
C114の出力であって、再生側MFC114の出力
は、SDTI出力部115およびMPEGデコーダ11
6に供給される。
【0097】MPEGデコーダ116は、エレメンタリ
ストリームを復号し、ビデオデータを出力する。すなわ
ち、MPEGデコーダ116は、逆量子化処理と、逆D
CT処理とがなされる。復号ビデオデータは、SDI出
力部118に供給される。上述したように、SDI出力
部118には、ECCデコーダ113でビデオデータと
分離されたオーディオデータがディレイ117を介して
供給されている。SDI出力部118では、供給された
ビデオデータとオーディオデータとを、SDIのフォー
マットにマッピングし、SDIフォーマットのデータ構
造を有するストリームへ変換される。SDI出力部11
8からのストリームが出力端子120から外部へ出力さ
れる。
【0098】一方、SDTI出力部115には、上述し
たように、ECCデコーダ113でビデオデータと分離
されたオーディオデータが供給されている。SDTI出
力部115では、供給された、エレメンタリストリーム
としてのビデオデータと、オーディオデータとをSDT
Iのフォーマットにマッピングし、SDTIフォーマッ
トのデータ構造を有するストリームへ変換される。変換
されたストリームは、出力端子119から外部へ出力さ
れる。
【0099】図15において、シスコン121は、例え
ばマイクロコンピュータからなり、この記録再生装置の
全体の動作を制御する。またサーボ122は、シスコン
121と互いに通信を行いながら、磁気テープ112の
走行制御や回転ドラム111の駆動制御などを行う。
【0100】ここで、クロマフォーマットについて、概
略的に説明する。図17、図18および図19は、それ
ぞれクロマフォーマット4:4:4、4:2:2および
4:2:0を説明するための図である。これらのうち、
図17A、図18Aおよび図19Aは、輝度信号Yおよ
び色差信号Cb、Crのサイズおよびサンプリングの位
相を示す。図において、「×」が輝度信号Yの位相を示
し、重なった2つの「○」は、色差信号Cb、Crの位
相を示す。
【0101】クロマフォーマット4:4:4は、図17
Aに示されるように、色差信号Cb、Crと輝度信号Y
のサイズおよびサンプリング位相は、互いに一致してい
る。したがって、8画素×8画素からなるDCTブロッ
クが4個でなるマクロブロックで考えた場合、図17B
に示されるように、色差信号Cb、Crのマトリクス
は、水平および垂直両次元で、輝度信号Yのマトリクス
と同じサイズの4ブロックからなる。
【0102】これに対して、クロマフォーマット4:
2:2は、図18Aに示されるように、色差信号Cb、
Crのサイズは、輝度信号Yのサイズに対して、水平方
向で1/2になっている。したがって、マクロブロック
で考えると、色差信号Cb、Crのマトリクスは、水平
方向の次元で輝度信号Yのマトリクスの1/2になって
いる。
【0103】さらに、クロマフォーマット4:2:0
は、図19Aに示されるように、色差信号Cb、Crの
サイズは、輝度信号Yのサイズに対して、水平および垂
直方向の両次元でそれぞれ1/2になっている。したが
って、マクロブロックで考えると、色差信号Cb、Cr
のマトリクスは、水平および垂直方向の両次元で、それ
ぞれ輝度信号Yのマトリクスの1/2になっている。
【0104】なお、上述の図17B、図18Bおよび図
19Bに示されるように、マクロブロックにおいて、マ
クロブロックを構成するDCTブロックには、図に示さ
れるように、左上から1、2、3および4の番号をそれ
ぞれ付して表す。図17〜図19に示される各マクロブ
ロック内のブロックの符号化順序は、クロマフォーマッ
トが4:4:4の場合で、図17Bに示されるように、
、Y、Y、Y 、Cb、Cr、Cb、C
、Cb、Cr、CbおよびCrの順とな
る。同様に、クロマフォーマット4:2:2の場合で、
図18Bに示されるように、Y、Y、Y、Y
Cb、Cr、CbおよびCrの順となり、クロ
マフォーマット4:2:0の場合で、図19Bに示され
るように、Y、Y、Y、Y、CbおよびCr
の順となる。
【0105】図20Aは、MPEGエンコーダ102の
DCT回路から出力されるビデオデータ中のDCT係数
の順序を示す。SDTI受信部108から出力されるM
PEG ESについても同様である。以下では、MPE
Gエンコーダ102の出力を例に用いて説明する。DC
Tブロックにおいて左上のDC成分から開始して、水平
ならびに垂直空間周波数が高くなる方向に、DCT係数
がジグザグスキャンで出力される。その結果、図20B
に一例が示されるように、全部で64個(8画素×8ラ
イン)のDCT係数が周波数成分順に並べられて得られ
る。
【0106】このDCT係数がMPEGエンコーダのV
LC部によって可変長符号化される。すなわち、最初の
係数は、DC成分として固定的であり、次の成分(AC
成分)からは、ゼロのランとそれに続くレベルに対応し
てコードが割り当てられる。従って、AC成分の係数デ
ータに対する可変長符号化出力は、周波数成分の低い
(低次の)係数から高い(高次の)係数へと、AC1
AC2,AC3,・・・と並べられたものである。可変長
符号化されたDCT係数をエレメンタリストリームが含
んでいる。
【0107】上述した記録側MFC106に内蔵され
る、記録側のストリームコンバータでは、供給された信
号のDCT係数の並べ替えが行われる。すなわち、それ
ぞれのマクロブロック内で、ジグザグスキャンによって
DCTブロック毎に周波数成分順に並べられたDCT係
数がマクロブロックを構成する各DCTブロックにわた
って周波数成分順に並べ替えられる。
【0108】図21は、この記録側ストリームコンバー
タにおけるDCT係数の並べ替えを概略的に示す。
(4:2:2)コンポーネント信号の場合に、1マクロ
ブロックは、輝度信号Yによる4個のDCTブロック
(Y1,Y2,Y3およびY4)と、色度信号Cb,Crの
それぞれによる2個ずつのDCTブロック(Cb1,C
2,Cr1およびCr2)からなる。
【0109】上述したように、MPEGエンコーダ10
2では、MPEG2の規定に従いジグザグスキャンが行
われ、図21Aに示されるように、各DCTブロック毎
に、DCT係数がDC成分および低域成分から高域成分
に、周波数成分の順に並べられる。一つのDCTブロッ
クのスキャンが終了したら、次のDCTブロックのスキ
ャンが行われ、同様に、DCT係数が並べられる。
【0110】すなわち、マクロブロック内で、DCTブ
ロックY1,Y2,Y3およびY4、DCTブロックC
1,Cr1、Cb2およびCr2のそれぞれについて、D
CT係数がDC成分および低域成分から高域成分へと周
波数順に並べられる。そして、連続したランとそれに続
くレベルとからなる組に、〔DC,AC1,AC2,AC
3,・・・〕と、それぞれ符号が割り当てられるよう
に、可変長符号化されている。
【0111】記録側ストリームコンバータでは、可変長
符号化され並べられたDCT係数を、一旦可変長符号を
解読して各係数の区切りを検出し、マクロブロックを構
成する各DCTブロックに跨がって周波数成分毎にまと
める。この様子を、図21Bに示す。最初にマクロブロ
ック内の8個のDCTブロックのDC成分をまとめ、次
に8個のDCTブロックの最も周波数成分が低いAC係
数成分をまとめ、以下、順に同一次数のAC係数をまと
めるように、8個のDCTブロックに跨がって係数デー
タを並び替える。
【0112】並び替えられた係数データは、DC
(Y1),DC(Y2),DC(Y3),DC(Y4),D
C(Cb1),DC(Cr1),DC(Cb2),DC
(Cr2),AC1(Y1),AC1(Y2),AC
1(Y3),AC1(Y4),AC1(Cb1),AC1(C
1),AC1(Cb2),AC1(Cr2),・・・であ
る。ここで、DC、AC1、AC2、・・・は、図20を
参照して説明したように、ランとそれに続くレベルとか
らなる組に対して割り当てられた可変長符号の各符号で
ある。
【0113】記録側ストリームコンバータで係数データ
の順序が並べ替えられた変換エレメンタリストリーム
は、ECCエンコーダ109に内蔵されるパッキングお
よびシャフリング部に供給される。マクロブロックのデ
ータの長さは、変換エレメンタリストリームと変換前の
エレメンタリストリームとで同一である。また、MPE
Gエンコーダ102において、ビットレート制御により
GOP(1フレーム)単位に固定長化されていても、マ
クロブロック単位では、長さが変動している。パッキン
グおよびシャフリング部では、マクロブロックのデータ
を固定枠に当てはめる。
【0114】図22は、パッキングおよびシャフリング
部でのマクロブロックのパッキング処理を概略的に示
す。マクロブロックは、所定のデータ長を持つ固定枠に
当てはめられ、パッキングされる。このとき用いられる
固定枠のデータ長を、記録および再生の際のデータの最
小単位であるシンクブロックのデータ格納領域であるペ
イロードのデータ長と一致させている。これは、シャフ
リングおよびエラー訂正符号化の処理を簡単に行うため
である。図22では、簡単のため、1フレームに8マク
ロブロックが含まれるものと仮定する。
【0115】可変長符号化によって、図22Aに一例が
示されるように、8マクロブロックの長さは、互いに異
なる。この例では、固定枠である1シンクブロックのデ
ータ領域(ペイロード)の長さと比較して、マクロブロ
ック#1のデータ,#3のデータおよび#6のデータが
それぞれ長く、マクロブロック#2のデータ,#5のデ
ータ,#7のデータおよび#8のデータがそれぞれ短
い。また、マクロブロック#4のデータは、ペイロード
と略等しい長さである。
【0116】パッキング処理によって、マクロブロック
がペイロード長の固定長枠に詰め込まれる。過不足無く
データを詰め込むことができるのは、1フレーム期間で
発生するデータ量が固定量に制御されているからであ
る。図22Bに一例が示されるように、ペイロードと比
較して長いマクロブロックは、ペイロード長に対応する
位置で分割される。分割されたマクロブロックのうち、
ペイロード長からはみ出た部分(オーバーフロー部分)
は、先頭から順に空いている領域に、すなわち、長さが
ペイロード長に満たないマクロブロックの後ろに、詰め
込まれる。
【0117】図22Bの例では、マクロブロック#1
の、ペイロード長からはみ出た部分が、先ず、マクロブ
ロック#2の後ろに詰め込まれ、そこがペイロードの長
さに達すると、マクロブロック#5の後ろに詰め込まれ
る。次に、マクロブロック#3の、ペイロード長からは
み出た部分がマクロブロック#7の後ろに詰め込まれ
る。さらに、マクロブロック#6のペイロード長からは
み出た部分がマクロブロック#7の後ろに詰め込まれ、
さらにはみ出た部分がマクロブロック#8の後ろに詰め
込まれる。こうして、各マクロブロックがペイロード長
の固定枠に対してパッキングされる。
【0118】各マクロブロックに対応する可変長データ
の長さは、記録側ストリームコンバータにおいて予め調
べておくことができる。これにより、このパッキング部
では、VLCデータをデコードして内容を検査すること
無く、マクロブロックのデータの最後尾を知ることがで
きる。
【0119】上述したように、この一実施形態では、マ
クロブロック内でのDCT係数の並べ替えや、1ピクチ
ャ単位でのマクロブロックデータのペイロードへのパッ
キングといった処理を行っている。そのため、例えばテ
ープのドロップアウトなどによりエラー訂正符号のエラ
ー訂正能力を超えてエラーが発生したような場合でも、
画質の劣化を少なく抑えることができる。
【0120】図23および図24を用いて、係数並び替
えおよびパッキングによる効果について説明する。ここ
では、クロマフォーマットが4:2:2の例について説
明する。図23は、DCTブロックおよびDCT係数が
MPEG ESに準じて供給される場合を示す。この場
合には、図23Aのように、スライスヘッダやマクロブ
ロック(MB)ヘッダに続けて、DCTブロックが輝度
信号Y〜Y、色差信号Cb、Cr、Cbおよ
びCrの順に並べられている。各々のブロックでは、
DCT係数がDC成分およびAC成分の低次から高次へ
と並べられている。
【0121】ここで、例えばECCデコーダなどにおい
て、エラー訂正符号のエラー訂正能力を超えて、図23
Aの位置Aのタイミング、すなわち、ブロックCb
高次係数にエラーが発生したとする。上述したように、
MPEGでは、スライスが1つの可変長符号系列を構成
している。そのため、一度エラーが発生すると、エラー
位置から次のスライスヘッダが検出されるまでのデータ
は信頼できない。したがって、1スライス=1マクロブ
ロックで構成されるこのストリームでは、このマクロブ
ロック内の位置A以降のデータの復号化ができないこと
になる。
【0122】その結果、図23Bに一例が示されるよう
に、色差信号のブロックCr、CbおよびCr
は、DC成分すらも再現することができない。したが
って、ブロックYおよびYに相当する部分Bは、ブ
ロックCbの高次およびそれ以外の色差信号のブロッ
クが再現できないため、ブロックCbの低次係数で得
られる異常な色の画像となってしまう。また、ブロック
およびYに相当する部分Cは、輝度信号しか再現
されないため、モノクロームの画像となってしまう。
【0123】図24は、この一実施形態によるDCT係
数の並び替えを行った変換ストリームを示す。この例で
も、図23の場合と同様に、位置Aでエラーが発生した
ものとする。変換ストリームにおいては、図24Aに一
例が示されるように、スライスヘッダやマクロブロック
ヘッダに続けて、各DCTブロックを跨いでDCT係数
が成分毎にまとめられたブロックが、DC成分およびA
C成分の低次から高次へと並べられている。
【0124】この場合でも、エラー位置以降のデータ
は、次のスライスヘッダが検出されるまで信頼できず、
このマクロブロック内のエラー位置A以降のデータは、
再現されない。しかしながら、この変換ストリームで
は、エラーによって復号不能となるデータは、各DCT
ブロック内のDCT係数におけるAC成分の高次側であ
り、各DCTブロックのDCT係数におけるDC成分お
よびAC成分の低次側は、均等に得られることになる。
したがって、図24Bに示されるように、高次のAC成
分が再現されないために、画像の詳細な部分は欠ける
が、上述のMPEGESの場合のように、モノクローム
になったり、2つある色差成分のうち片方が欠けたよう
な異常な色になることは、殆どの場合回避できることに
なる。
【0125】これにより、上述のパッキングにより他の
固定枠長に格納されたデータが再現できなくても、ある
程度の画質が確保できることになる。そのため、高速再
生などの際の画質の劣化が抑えられる。
【0126】なお、VLCにエラーが発生した場合、次
のヘッダ(スタートコード)が検出されるまで、データ
が信頼できなくなる。VLCは、データの出現頻度に応
じた長さの符号長が割り当てられた所定のテーブルを用
いてデータ列が変換される。そのため、可変長符号化さ
れたデータ列において1ビットだけがビット反転して
も、意味の異なるVLCとして解かれてしまう可能性が
ある。そのため、エラーが発生した以降のVLCは、例
え解けたとしても信頼できず、信頼できるデータが現れ
るまでの間、データを捨てる必要がある。上述したよう
に、マクロブロック層を除く各層のスタートコードは、
符号の境界がバイト単位で区切られているユニークなコ
ードからなる。したがって、このスタートコードを検出
することで、エラーから復帰することが可能である。
【0127】図25は、上述したECCエンコーダ10
9のより具体的な構成を示す。図25において、164
がICに対して外付けのメインメモリ160のインター
フェースである。メインメモリ160は、SDRAMで
構成されている。インターフェース164によって、内
部からのメインメモリ160に対する要求を調停し、メ
インメモリ160に対して書込み/読出しの処理を行
う。また、パッキング部137a、ビデオシャフリング
部137b、パッキング部137cによって、パッキン
グおよびシャフリング部137が構成される。
【0128】図26は、メインメモリ160のアドレス
構成の一例を示す。メインメモリ160は、例えば64
MビットのSDRAMで構成される。メインメモリ16
0は、ビデオ領域250、オーバーフロー領域251お
よびオーディオ領域252を有する。ビデオ領域250
は、4つのバンク(vbank#0、vbank#1、
vbank#2およびvbank#3)からなる。4バ
ンクのそれぞれは、1等長化単位のディジタルビデオ信
号が格納できる。1等長化単位は、発生するデータ量を
略目標値に制御する単位であり、例えばビデオ信号の1
ピクチャ(Iピクチャ)である。図26中の、部分A
は、ビデオ信号の1シンクブロックのデータ部分を示
す。1シンクブロックには、フォーマットによって異な
るバイト数のデータが挿入される。複数のフォーマット
に対応するために、最大のバイト数以上であって、処理
に都合の良いバイト数例えば256バイトが1シンクブ
ロックのデータサイズとされている。
【0129】ビデオ領域の各バンクは、さらに、パッキ
ング用領域250Aと内符号化エンコーダへの出力用領
域250Bとに分けられる。オーバーフロー領域251
は、上述のビデオ領域に対応して、4つのバンクからな
る。さらに、オーディオデータ処理用の領域252をメ
インメモリ160が有する。
【0130】この一実施形態では、各マクロブロックの
データ長標識を参照することによって、パッキング部1
37aが固定枠長データと、固定枠を越える部分である
オーバーフローデータとをメインメモリ160の別々の
領域に分けて記憶する。固定枠長データは、シンクブロ
ックのデータ領域(ペイロード)の長さ以下のデータで
あり、以下、ブロック長データと称する。ブロック長デ
ータを記憶する領域は、各バンクのパッキング処理用領
域250Aである。ブロック長より短いデータ長の場合
には、メインメモリ160の対応する領域に空き領域を
生じる。ビデオシャフリング部137bが書込みアドレ
スを制御することによってシャフリングを行う。ここ
で、ビデオシャフリング部137bは、ブロック長デー
タのみをシャフリングし、オーバーフロー部分は、シャ
フリングせずに、オーバーフローデータに割り当てられ
た領域に書込まれる。
【0131】次に、パッキング部137cが外符号エン
コーダ139へのメモリにオーバーフロー部分をパッキ
ングして読み込む処理を行う。すなわち、メインメモリ
160から外符号エンコーダ139に用意されている1
ECCブロック分のメモリに対してブロック長のデータ
を読み込み、若し、ブロック長のデータに空き領域が有
れば、そこにオーバーフロー部分を読み込んでブロック
長にデータが詰まるようにする。そして、1ECCブロ
ック分のデータを読み込むと、読み込み処理を一時中断
し、外符号エンコーダ139によって外符号のパリティ
を生成する。外符号パリティは、外符号エンコーダ13
9のメモリに格納する。外符号エンコーダ139の処理
が1ECCブロック分終了すると、外符号エンコーダ1
39からデータおよび外符号パリティを内符号を行う順
序に並び替えて、メインメモリ160のパッキング処理
用領域250Aと別の出力用領域250Bに書き戻す。
ビデオシャフリング部140は、この外符号の符号化が
終了したデータをメインメモリ160へ書き戻す時のア
ドレスを制御することによって、シンクブロック単位の
シャフリングを行う。
【0132】このようにブロック長データとオーバーフ
ローデータとを分けてメインメモリ160の第1の領域
250Aへのデータの書込み(第1のパッキング処
理)、外符号エンコーダ139へのメモリにオーバーフ
ローデータをパッキングして読み込む処理(第2のパッ
キング処理)、外符号パリティの生成、データおよび外
符号パリティをメインメモリ160の第2の領域250
Bに書き戻す処理が1ECCブロック単位でなされる。
外符号エンコーダ139がECCブロックのサイズのメ
モリを備えることによって、メインメモリ160へのア
クセスの頻度を少なくすることができる。
【0133】そして、1ピクチャに含まれる所定数のE
CCブロック(例えば32個のECCブロック)の処理
が終了すると、1ピクチャのパッキング、外符号の符号
化が終了する。そして、インターフェース164を介し
てメインメモリ160の領域250Bから読出したデー
タがID付加部148、内符号エンコーダ149、同期
付加部150で処理され、並列直列変換部124によっ
て、同期付加部150の出力データがビットシリアルデ
ータに変換される。出力されるシリアルデータがパーシ
ャル・レスポンスクラス4のプリコーダ125により処
理される。この出力が必要に応じてディジタル変調さ
れ、記録アンプ110を介して、回転ドラム111に設
けられた回転ヘッドに供給される。
【0134】なお、ECCブロック内にヌルシンクと称
する有効なデータが配されないシンクブロックを導入
し、記録ビデオ信号のフォーマットの違いに対してEC
Cブロックの構成の柔軟性を持たせるようになされる。
ヌルシンクは、パッキングおよびシャフリングブロック
137のパッキング部137aにおいて生成され、メイ
ンメモリ160に書込まれる。従って、ヌルシンクがデ
ータ記録領域を持つことになるので、これをオーバーフ
ロー部分の記録用シンクとして使用することができる。
【0135】オーディオデータの場合では、1フィール
ドのオーディオデータの偶数番目のサンプルと奇数番目
のサンプルとがそれぞれ別のECCブロックを構成す
る。ECCの外符号の系列は、入力順序のオーディオサ
ンプルで構成されるので、外符号系列のオーディオサン
プルが入力される毎に外符号エンコーダ136が外符号
パリティを生成する。外符号エンコーダ136の出力を
メインメモリ160の領域252に書込む時のアドレス
制御によって、シャフリング部137がシャフリング
(チャンネル単位およびシンクブロック単位)を行う。
【0136】さらに、126で示すCPUインターフェ
ースが設けられ、システムコントローラとして機能する
外部のCPU127からのデータを受け取り、内部ブロ
ックに対してパラメータの設定が可能とされている。複
数のフォーマットに対応するために、シンクブロック
長、パリティ長を始め多くのパラメータを設定すること
が可能とされている。
【0137】パラメータの1つとしての”パッキング長
データ”は、パッキング部137aおよび137bに送
られ、パッキング部137a、137bは、これに基づ
いて決められた固定枠(図22Aで「ペイロード長」と
して示される長さ)にVLCデータを詰め込む。
【0138】パラメータの1つとしての”パック数デー
タ”は、パッキング部137bに送られ、パッキング部
137bは、これに基づいて1シンクブロック当たりの
パック数を決め、決められたパック数分のデータを外符
号エンコーダ139に供給する。
【0139】パラメータの1つとしての”ビデオ外符号
パリティ数データ”は、外符号エンコーダ139に送ら
れ、外符号エンコーダ139は、これに基づいた数のパ
リティが発生されるビデオデータの外符号の符号化を行
う。
【0140】パラメータの1つとしての”ID情報”お
よび”DID情報”のそれぞれは、ID付加部148に
送られ、ID付加部148は、これらID情報およびD
ID情報をメインメモリ160から読み出された単位長
のデータ列に付加する。
【0141】パラメータの1つとしての”ビデオ内符号
用パリティ数データ”および”オーディオ内符号用パリ
ティ数データ”のそれぞれは、内符号エンコーダ149
に送られ、内符号エンコーダ149は、これらに基づい
た数のパリティが発生されるビデオデータとオーディオ
データの内符号の符号化を行う。なお、内符号エンコー
ダ149には、パラメータの1つである”シンク長デー
タ”も送られており、これにより、内符号化されたデー
タの単位長(シンク長)が規制される。
【0142】また、パラメータの1つとしてのシャフリ
ングテーブルデータがビデオ用シャフリングテーブル
(RAM)128vおよびオーディオ用シャフリングテ
ーブル(RAM)128aに格納される。シャフリング
テーブル128vは、ビデオシャフリング部137bお
よび140のシャフリングのためのアドレス変換を行
う。シャフリングテーブル128aは、オーディオシャ
フリング137のためのアドレス変換を行う。
【0143】この発明では、エラー訂正符号の復号化に
よるエラー訂正処理の際に、エラー訂正符号の持つエラ
ー訂正能力を超えてエラーが存在するときに出力される
エラーフラグに基づき、エラー訂正されなかったストリ
ームの修正を行う。
【0144】この発明の一実施形態では、以下に概略的
に説明する3つの方法を、エラーフラグが示すエラー箇
所の位置に応じて適宜に用いてストリーム修正を行う。
第1の方法は、あるDCTブロックのAC係数にエラー
フラグが発生した場合、エラーフラグが発生したAC係
数が含まれるDCTブロックにおいて、そのAC係数お
よびそれ以降の係数をEOB(End Of Block)に置き換
え、そのDCTブロックを打ち切る。
【0145】第2の方法は、あるDCTブロックのDC
係数にエラーフラグが発生した場合、そのDCTブロッ
クにおけるエラーフラグが発生したDC係数およびそれ
以降のDC係数を、例えば灰色などの表示を行う係数に
置き換えると共に、当該DCTブロック内のAC係数を
EOBとして、そのブロックを打ち切る。
【0146】第3の方法は、エラーフラグがDCTブロ
ック以前の位置で発生した場合、そのDCTブロックが
属するマクロブロックのヘッダのパラメータを、予め用
意されたパラメータで補うと共に、そのマクロブロック
を構成する全てのDCTブロックのDC係数を灰色表示
のものに置き換えると共に、EOBを付加し、そのマク
ロブロックを打ち切る。
【0147】エラーフラグの位置に基づき、ストリーム
に対して上述のような処理を行うことで、訂正されない
エラーが存在する場合にも、イレギュラーなVLCの発
生が防止され、デコーダのハングアップなどのトラブル
を防ぐことができる。
【0148】図27〜図32を用いて、この発明の実施
の一形態によるストリーム修正について、より詳細に説
明する。図27〜図29は、上述した、MPEGストリ
ームのDCT係数が並べ替えられた変換ストリームに対
するストリーム修正の例であり、図27、図28および
図29は、それぞれ上述の第1、第2および第3の方法
に対応する。先ず、この変換ストリームに対する修正に
ついて説明する。
【0149】変換ストリームに対する第1の方法につい
て、図27を用いて説明する。図27Aに示されるよう
に、スライスヘッダおよびマクロブロックヘッダに続い
てDCT係数が伝送される。変換ストリームであるの
で、係数は、DC成分のDCT係数DCが先頭に配さ
れ、その後にAC成分のDCT係数が低周波成分から高
周波成分へと、DCT係数AC1、AC2、・・・、AC
63と配される。なお、AC成分は、これら全てが常に配
されるわけではない。
【0150】そして、最後のAC成分のDCT係数の後
ろに、EOBが配される。DC成分およびAC成分のD
CT係数とEOBのそれぞれは、さらに、輝度成分Yに
よるDCTブロックY1、Y2、Y3およびY4、ならび
に、色差成分Cb、CrによるDCTブロックCb1
Cr1、Cb2およびCr2からなる。この配列は、図2
7、図28および図29において共通である。
【0151】ここで、図27Bに一例が示されるよう
に、AC成分のAC2における輝度成分YのDCTブロ
ックY4の位置にエラーフラグが立ち、このDCTブロ
ックにエラーが存在するものとする。変換ストリーム
は、VLCなので、これ以降のデータは信頼できないこ
とになる。
【0152】この場合、上述の第1の方法が適用され、
図27Cに一例が示されるように、エラーが存在するA
C成分のDCTブロックAC2において、エラーが存在
する輝度成分のDCTブロックY4およびそれ以降の各
成分のDCTブロックCb1、Cr1、Cb2、Cr2、Y
1、Y2、Y3がEOBと置き換えられる。AC3以降のD
CTブロックは、捨てられ、そのマクロブロックは、打
ち切られる。
【0153】変換ストリームに対する第2の方法につい
て、図28を用いて説明する。図28Aは、上述の図2
7Aと同一なので、説明を省略する。図28Bに一例が
示されるように、DC成分における色差成分のDCTブ
ロックCr2の位置にエラーフラグが立ち、このDCT
ブロックにエラーが存在するものとする。
【0154】この場合、上述の第2の方法が適用され、
図28Cに一例が示されるように、エラーが存在するD
C成分のDCTブロックCr2が例えば灰色を表示する
DCTブロックに置き換えられる。さらに、DC成分の
直後には、EOBが付加され、そのマクロブロックが打
ち切られる。
【0155】なお、この図28の例のように、色差成分
Cr、Cbのうち何れか一方のDCTブロックだけにエ
ラーが存在する場合、そのまま、エラーが存在する一方
のDCTブロックだけを灰色表示のDCTブロックに置
き換えてしまうと、そのブロックは、画面表示上で異常
な色のブロックとなってしまう。これは、マクロブロッ
クとしては、対になる他方の色差成分のDCTブロック
と演算を行うためである。この実施の一形態では、この
ような事態を避けるために、図28Cに示されるよう
に、対になる他方の色差成分(Cb2)のDCTブロッ
クまで遡って、灰色表示のDCTブロックに置き換え
る。
【0156】また、例えば、図28Bに点線で示される
ように、輝度成分のDCTブロックY4にエラーが存在
するときには、図28Dに一例が示されるように、エラ
ーが存在するDCTブロックY4およびそれ以降のDC
成分のDCTブロックが灰色表示のDCTブロックに置
き換えられる。
【0157】変換ストリームに対する第3の方法につい
て、図29を用いて説明する。図29Aは、上述の図2
7Aと同一なので、説明を省略する。図29Bに一例が
示されるように、スライスヘッダまたはマクロブロック
ヘッダにおいてエラーフラグが立ち、これらのヘッダ部
分にエラーが存在するものとする。
【0158】この場合、上述の第3の方法が適用され
る。図29Cに一例が示されるように、スライスヘッダ
やマクロブロックヘッダのパラメータであるquant
izer_scale_code、macrobloc
k_type、dct_typeなどのヘッダ情報を予
め用意し、このヘッダ情報を用いてエラーが存在するヘ
ッダ部分を修正する。また、ヘッダの直後に続くDC成
分は、各DCT成分が全て例えば灰色を表示するDCT
ブロックに置き換えられる。それと共に、DC成分の直
後にEOBが付加され、このマクロブロックが打ち切ら
れる。
【0159】なお、ヘッダ情報のうち、slice_s
tart_code、macroblock_esca
peおよびamcroblock_address_i
ncrementは、画面上でのマクロブロックの位置
を示すmb_rowおよびmb_columnから生成
される。mb_rowおよびmb_columnは、1
つ前のマクロブロックのmb_rowおよびmb_co
lumnからの連続性を利用して求めることができる。
【0160】ヘッダ部分の各パラメータは、例えば以下
の値で置き換えられる。 slice_start_code:〔00 00 0
1 xx〕(〔xx〕は、画面上のmb_rowから作
成) quantizer_scale_code:「100
00」(2進数表記) extra_bit_slice:「0」(2進数表
記) macroblock_escape:画面上のmb_
columnから作成される「0」または11ビットの
値 macroblock_address_increm
ent:画面上のmb_columnから作成される1
乃至11ビットの値 macroblock_type:「1」(2進数表
記) dct_type:「1」(2進数表記)
【0161】次に、MPEGストリームに対する修正に
ついて説明する。図30〜図32は、MPEGストリー
ムに対するストリーム修正の例であり、図30、図31
および図32は、それぞれ上述の第1、第2および第3
の方法に対応する。
【0162】MPEGストリームに対する第1の方法に
ついて、図30を用いて説明する。図30Aに示される
ように、スライスヘッダおよびマクロブロックヘッダに
続いて輝度成分Yによる輝度ブロックY1のデータが伝
送される。輝度ブロックY1に続けて、輝度ブロック
2、Y3、Y4、色差成分Cb、Crによる色差ブロッ
クCb1、Cr1、Cb2およびCr2が並べられる。
【0163】輝度ブロックY1、Y2、Y3およびY4、な
らびに、色差ブロックCb1、Cr1、Cb2およびCr2
のそれぞれにおいて、DC成分のDCT係数を先頭に、
AC成分のDCT係数が低次から高次へと並べられ、最
後にEOBが付加される。この配列は、図31および図
32でも同様である。
【0164】ここで、図30Bに一例が示されるよう
に、輝度ブロックY3におけるAC成分のDCT係数A
3の位置にエラーフラグが立ち、このDCT係数にエ
ラーが存在するものとする。MPEGストリームは、V
LCなので、これ以降のデータは信頼できないことにな
る。
【0165】この場合、上述の第1の方法が適用され、
図30Cに一例が示されるように、エラーが存在する輝
度ブロックY3におけるAC成分のDCT係数AC3がE
OBに置き換えられ、輝度ブロックY3のブロックが打
ち切られる。MPEGストリームの場合は、この輝度ブ
ロックY3のブロックの後ろに続く輝度信号Y4および色
差信号Cb1、Cr1、Cb2、Cr2のブロックでは、D
C成分さえ再現できないことになる。そこで、この実施
の一形態では、MPEGの規定違反を回避するため、こ
れらのブロックが、例えば灰色表示を行うDC成分のD
CTブロックとEOBに置き換えられ、そのマクロブロ
ックが打ち切られる。
【0166】MPEGストリームに対する第2の方法に
ついて、図31を用いて説明する。図31Aは、上述の
図30Aと同一なので、説明を省略する。図31Bに一
例が示されるように、色差ブロックCb2におけるAC
成分のDCT係数AC3の位置にエラーフラグが立ち、
このDCT係数AC3にエラーが存在するものとする。
MPEGストリームは、VLCなので、このDCT係数
AC3以降のデータは、信頼できないことになる。
【0167】このように、MPEGストリームにおい
て、エラーが色差ブロックCbおよびCrの間に存在す
る場合、DC成分のエラーではないが、上述の第2の方
法が適用される。図31Cに一例が示されるように、色
差ブロックCb2のDC成分のDCT係数はエラーでは
ないが、色差ブロックCr2のDC成分のDCT係数は
エラーとなっている。そのため、そのままエラーが存在
する色差ブロックCb2のDCT係数だけを灰色表示を
行うDC成分のDCT係数に置き換えると、上述したよ
うに、マクロブロックとしてはもう一方の色差ブロック
Cb2のDCTブロックと演算を行うことから、異常な
色表示のマクロブロックとなってしまう。
【0168】そこで、この実施の一形態では、エラーの
ために信頼できないデータとなってしまった色差ブロッ
クCr2のDC成分のDCT係数を灰色表示のDCT係
数に置き換えEOBを付加すると共に、色差ブロックC
2のDC成分まで遡って、灰色表示のDCT係数と置
き換えEOBを付加する。これにより、輝度ブロックY
3およびY4に対応する領域は、モノクロームの画像とし
て再現できる。
【0169】変換ストリームに対する第3の方法につい
て、図32を用いて説明する。図32Aは、上述の図3
0Aと同一なので、説明を省略する。図32Bに一例が
示されるように、スライスヘッダまたはマクロブロック
ヘッダにおいてエラーフラグが立ち、これらのヘッダ部
分にエラーが存在するものとする。
【0170】この場合、上述の第3の方法が適用され
る。図32Cに一例が示されるように、スライスヘッダ
やマクロブロックヘッダのパラメータであるquant
izer_scale_code、macrobloc
k_type、dct_typeなどのヘッダ情報を予
め用意し、このヘッダ情報を用いてエラーが存在するヘ
ッダ部分を修正する。ヘッダ部分の修正には、上述した
変換ストリームの場合と同様のヘッダ情報を用いること
ができる。
【0171】また、輝度ブロックY1、Y2、Y3および
4、ならびに、色差ブロックCb1、Cr1、Cb2およ
びCr2は、例えば灰色表示を行うDC成分のDCT係
数に置き換えられ、EOBが付加される。
【0172】図33は、これら第1、第2および第3の
方法によるストリーム修正処理を示す一例のフローチャ
ートである。このストリーム修正処理は、1フレーム毎
に完結する処理である。フレームが開始されると、最初
のステップS10で可変長符号の復号化(VLD)が行
われる。
【0173】次のステップS11で、可変長符号が復号
化されたストリームにおいて、DCTブロック以前のヘ
ッダ部にエラーフラグが立っているかどうかが判断され
る。若し、ヘッダ部にエラーフラグが立っていると判断
されれば、処理はステップS12に移行し、ヘッダ部が
予め用意されたヘッダ情報に置き換えられる。さらに、
DC成分のDCT係数が例えば灰色表示を行うデータに
置き換えられると共に、DC成分のDCT係数の直後に
EOBが付加され、そのマクロブロックが打ち切られ
る。そして、処理はステップS13に移行する。
【0174】一方、ステップS11でブロック以前のヘ
ッダ部にエラーフラグが立っていないと判断されれば、
処理はステップS14に移行する。ステップS14で
は、DC成分のDCTブロックの位置にエラーフラグが
立っているかどうかが判断される。若し、DC成分のD
CTブロックの位置にエラーフラグが立っていると判断
されれば、処理はステップS15に移行する。ステップ
S15では、エラーフラグが立った位置のDCTブロッ
クおよびそれ以降のDC成分のDCT係数を灰色表示を
行うDCT係数と置き換える。さらに、EOBが付加さ
れ、そのマクロブロックが打ち切られる。そして、処理
はステップS13に移行する。
【0175】また、ステップS14でDC成分のDCT
係数の位置にエラーフラグが立っていないと判断されれ
ば、処理はステップS16に移行する。ステップS16
では、AC成分のDCT係数の位置にエラーフラグが立
っているかどうかが判断される。若し、AC成分のDC
T係数の位置にエラーフラグが立っていると判断されれ
ば、処理はステップS17に移行する。ステップS17
では、エラーフラグが立った位置のDCT係数およびそ
のDCT係数以降のDCTブロックをEOBと置き換え
る。そして、処理はステップS13に移行する。
【0176】一方、ステップS16で、AC成分のDC
Tブロックの位置にエラーフラグが立っていないと判断
されれば、処理はステップS13に移行する。
【0177】ステップS13では、DCT係数の並び替
えが行われる。例えば、再生側MFC114では、スト
リームが変換ストリームからMPEG ESに並び替え
られる。同様に、記録側MFC106では、ストリーム
がMPEG ESから変換ストリームへと並び替えられ
る。そして、ステップS18で、当該フレームの最終マ
クロブロックまでの処理が終了したかどうかが判断され
る。最終マクロブロックまでの処理が終了したと判断さ
れれば、一連のフローチャートが終了される。一方、最
終マクロブロックまでの処理が終了していないと判断さ
れれば、処理はステップS10に戻され、次のマクロブ
ロックについて同様の処理がなされる。
【0178】上述した処理は、記録側MFC106およ
び再生側MFC114においてそれぞれストリームコン
バータの前段で行われる。再生側MFC114では、E
CCデコーダ113から出力されるエラーフラグに基づ
き、ECCデコーダ113でエラー訂正処理されて出力
された変換ストリームに対する処理が行われる。
【0179】一方、記録側MFC106では、例えばM
PEGエンコーダ102やSDTI受信部108から出
力された上述のMPEGストリームに対する処理が行わ
れる。なお、記録側MFC106では、エラーフラグ
は、エラー訂正処理により訂正できなかったエラーを示
すものではないと考えることができる。例えば、SDT
I受信部108やMPEGエンコーダ102において、
ストリームに欠落があった場合などに、欠落箇所にエラ
ーフラグを立てるようにする。
【0180】記録側MFC106および再生側MFC1
14は、同様な構成で実現可能なので、以下、再生側M
FC114を中心に説明する。図34は、再生側MFC
114の一例の構成を示す。なお、記録側MFC106
と再生側MFC114とは、構成を共有することができ
る。
【0181】再生時には、ECCデコーダ113から出
力された変換ストリームが再生側MFC114に入力さ
れ、遅延回路300および検出回路301に供給され
る。また、ECCデコーダ113から出力されたエラー
フラグがエラー遅延回路311に供給され、所定に遅延
が与えられ、位相調整される。エラー遅延回路311で
遅延されたエラーフラグは、遅延エラーフラグdl_e
rrとして出力される。
【0182】図34において、CPU_IF310は、
この再生側MFC114とシスコン121との間の通信
を制御するインターフェイスである。シスコン121か
ら出力された各種の命令やデータは、このCPU_IF
310を介して再生側MFC114の各部に供給され
る。
【0183】検出回路301は、供給された変換ストリ
ームからスライススタートコード12を検出する。スラ
イススタートコード12は、バイト単位で区切られた4
バイト(32ビット)からなり、最後の1バイトに当該
スライスの垂直方向の位置情報が示され、〔00 00
01 01〕〜〔00 00 01 AF〕の範囲の
値をとる。したがって、検出回路301では、例えばバ
イト毎のパターンマッチングを行うことで、スライスス
タートコード12を検出することができる。上述したよ
うに、この一実施形態では、1スライスが1マクロブロ
ックとされているため、スライススタートコード12を
検出することで、マクロブロックの先頭が検出されるこ
とになる。
【0184】検出回路301の検出結果は、信号sli
ce_start_code_detとして出力され、
タイミングジェネレータ302に供給される。それと共
に、タイミングジェネレータ302には、エラー遅延回
路311で所定に位相調整された遅延エラーフラグdl
_errが供給される。
【0185】タイミングジェネレータ302は、信号s
lice_start_code_detによってリセ
ットされ、マクロブロック毎に繰り返される信号であ
る、信号vld_timingsおよび信号vlc_t
imingsを出力する。これら信号vld_timi
ngsおよび信号vlc_timingsは、マクロブ
ロックを構成する輝度信号Y、Y、Yおよび
、ならびに、色差信号Cb、Cr、Cbおよ
びCrのそれぞれによるブロックの種類や、これら各
ブロックのDCT係数におけるDCおよびAC、さらに
は、各ヘッダの種類を表すコントロール信号である。信
号vld_timingsおよび信号vlc_timi
ngsは、それぞれ後述するVLD303およびVLC
308に供給される。
【0186】さらに、タイミングジェネレータ302で
は、遅延エラーフラグdl_errに基づき、エラーを
置換するタイミングで、タイミング信号err_tim
ingsを出力する。例えば、上述した図27B、図2
8B、図29B、図30B、図31Bおよび図32Bに
示されるように、エラーが発生した位置で”H”レベル
となるタイミング信号err_timingsがタイミ
ングジェネレータ302で生成される。
【0187】一方、遅延回路300に供給された変換ス
トリームは、上述した検出回路301などによる検出デ
ィレイを吸収するために所定の遅延を与えられ、位相調
整されて出力される。遅延回路300から出力された変
換ストリームは、可変長符号を復号化する可変長復号器
(VLD)303に供給される。
【0188】シスコン121から再生側MFC114に
対して、可変長符号の復号モードを指示する信号vld
_settingsが供給される。信号vld_set
tingsは、CPU_IF310を介してVLD30
3に供給される。VLD303では、入力された変換ス
トリームの解釈がこの信号vld_settingsに
基づきなされる。そして、タイミングジェネレータ30
2から供給された信号vld_timingsが示すタ
イムスロットに基づき、変換ストリームの可変長符号が
復号化される。
【0189】タイミングジェネレータ302からは、再
生側MFC114においては変換ストリームのデータ並
びを示す信号vld_timingsが出力され、記録
側MFC106においてはMPEG ESのデータ並び
を示す信号vld_timingsが出力される。
【0190】変換ストリームの可変長符号が復号化され
たストリームは、セレクタ306の第1の選択入力端に
入力されると共に、Cb/Cr遡り用遅延回路312に
供給される。Cb/Cr遡り用遅延回路312の出力
は、セレクタ306の第2の選択入力端に入力される。
セレクタ306の第3の選択入力端には、置換用データ
発生回路305(後述する)から出力された、置換用の
データが供給される。セレクタ306は、CPU_IF
310から供給された信号err_replaceに基
づき第1、第2および第3の選択入力端が選択され、入
力信号が切り替えられる。
【0191】置換用データ発生回路305では、欠損し
たDCTブロックと置き換えるためのデータが予め用意
される。置換用データ発生回路305には、スライスヘ
ッダおよびマクロブロックヘッダといったヘッダデータ
が予め用意される。また、置換用データ発生回路305
には、輝度ブロックY1〜Y4、色差ブロックCb1、C
1、Cb2およびCr2それぞれのDC成分のDCT係
数のデータが予め用意される。さらに、置換用データ発
生回路305には、EOBのデータが予め用意される。
これらの予め用意されたデータは、例えば置換用データ
発生回路305が有するメモリに記憶される。
【0192】置換用データ発生回路305では、シスコ
ン121による指示に基づきCPU_IF310を介し
て供給される、上述した信号err_replaceに
従い上述の予め用意され記憶されたデータを所定にセレ
クタ306に供給する。セレクタ306では、タイミン
グジェネレータ302から供給されるイミング信号er
r_timingsが”H”レベルであれば、VLD3
03から供給されたストリームを、置換用データ発生回
路305から供給された、上述の置換用データによって
置き換える。
【0193】なお、色差成分のDCTブロックCr1
Cr2のDC成分にエラーが存在する場合には、上述し
た第2の方法が適用される。このときには、Cb/Cr
遡り用遅延回路312でVLD303からの出力が遅延
されたデータを用いて、処理を行う。
【0194】セレクタ306から出力されたストリーム
は、一旦メモリ307およびメモリ313に書き込まれ
る。メモリ307に書き込まれたストリームは、可変長
符号化器(VLC)308にアドレス制御されること
で、データの並びがMPEGストリームの並びに変換さ
れて読み出される。VLC308によるメモリ307の
読み出しアドレスの制御は、シスコン121からCPU
_IF310を介してVLC308に供給された信号v
lc_settingsと、タイミングジェネレータ3
02から供給されたタイミング信号vlc_timin
gsとに基づきなされる
【0195】メモリ313は、スライスヘッダおよびマ
クロブロックヘッダを遅延させるためのメモリである。
これらのヘッダにエラーが存在する場合には、上述した
第3の方法に示されるように、置換用データ発生回路3
05において、ヘッダの先頭から、予め用意された規定
値によって置き換えがなされる。メモリ313により、
この処理のための遅延が与えられる。
【0196】並びを所定に変換されてメモリ307から
読み出されたデータは、VLC308に供給される。ま
た、スライスヘッダやマクロブロックヘッダにエラーが
存在する場合には、置き換えられたヘッダデータがメモ
リ313で遅延され、VLC308に供給される。VL
C308に供給されたこれらのデータは、間変調符号化
されると共に、8ビットまたは16ビットなどにビット
整列され、MPEGESとされて出力される。
【0197】記録側MFC106においては、VLD3
03に対して、MPEG ESのデータ並びのタイムス
ロットを示す信号vld_timingsが供給され
る。VLD303に供給されたMPEG ESは、この
vld_timingsに基づき可変長符号が復号化さ
れる。また、VLC308に対して、変換ストリームの
データ並びのタイムスロットを示す信号vlc_tim
ingsが供給される。VLC308に供給されたスト
リームは、この信号vlc_timingsに基づきデ
ータ並びを変換され、変換ストリームとされ、出力され
る。
【0198】なお、上述では、エラーの発生に対する修
正処理について説明したが、この発明の適用範囲は、こ
れに限られるものではない。この発明は、例えば、VT
Rによるサーチ再生に対しても有効に適用することがで
きる。例えば磁気テープにヘリカルトラックでデータを
記録するVTRの場合、高速サーチを行うと、記録時の
テープ速度よりも高速にテープが走行され、回転ヘッド
がヘリカルトラックを跨ぐため正確にトレースできず、
全てのデータを得ることができない。この実施の一形態
のVTRでは、上述したようにパッキング処理が行われ
るため、シンクブロックにおけるペイロードを越えるデ
ータは再現することができずに捨てられる。
【0199】したがって、データを切り捨てたポイント
にエラーフラグを立てるようにすれば、適切にエラー処
理(ストリーム修正)が行われ、ストリームは、MPE
Gのシンタクスを満足するようになる。このストリーム
を受け取った例えばMPEGデコーダは、高速サーチに
よる再生画像を正しく再現することができる。
【0200】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、可変
長符号化されたストリームを、エラーフラグの位置に基
づき修正するようにしているため、ストリームにエラー
訂正符号のエラー訂正能力を超えたエラーが発生した場
合でも、MPEGのシンタクスエラーを回避することが
できる効果がある。
【0201】つまり、この発明を放送業務用VTRなど
に適用することで、エラー訂正符号のエラー訂正能力を
超えたエラーの発生により、ストリームがMPEGのシ
ンタクスに存在しないVLCに変化してしまった場合で
も、このストリームを受け取ったデコーダなどがハング
アップする事態を回避することができる。
【0202】したがって、この発明を用いることで、エ
ラー訂正符号のエラー訂正能力を超えたエラーが発生す
るような環境においても、安定的なシステムを実現する
ことが可能になる効果がある。
【0203】また、全てのデータが再現できない高速サ
ーチ時にも、再現できなかったデータにエラーフラグを
立てることで、ストリームの修正を行うことができ、き
れいなサーチ画像を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】MPEG2のデータの階層構造を概略的に示す
略線図である。
【図2】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図3】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図4】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図5】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図6】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図7】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図8】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図9】MPEG2のストリーム中に配されるデータの
内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図10】MPEG2のストリーム中に配されるデータ
の内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図11】MPEG2のストリーム中に配されるデータ
の内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図12】MPEG2のストリーム中に配されるデータ
の内容とビット割り当てを示す略線図である。
【図13】データのバイト単位の整列を説明するための
図である。
【図14】一実施形態におけるMPEGストリームのヘ
ッダを具体的に示す略線図である。
【図15】一実施形態による記録再生装置の構成の一例
を示すブロック図である。
【図16】磁気テープ上に形成されるトラックフォーマ
ットの一例を示す略線図である。
【図17】クロマフォーマットを説明するための略線図
である。
【図18】クロマフォーマットを説明するための略線図
である。
【図19】クロマフォーマットを説明するための略線図
である。
【図20】ビデオエンコーダの出力の方法と可変長符号
化を説明するための略線図である。
【図21】ビデオエンコーダの出力の順序の並び替えを
説明するための略線図である。
【図22】順序の並び替えられたデータをシンクブロッ
クにパッキングする処理を説明するための略線図であ
る。
【図23】係数並び替えおよびパッキングによる効果に
ついて説明するための略線図である。
【図24】係数並び替えおよびパッキングによる効果に
ついて説明するための略線図である。
【図25】ECCエンコーダのより具体的な構成を示す
ブロック図である。
【図26】メインメモリのアドレス構成の一例を示す略
線図である。
【図27】実施の一形態によるストリーム修正について
に説明するための略線図である。
【図28】実施の一形態によるストリーム修正について
に説明するための略線図である。
【図29】実施の一形態によるストリーム修正について
に説明するための略線図である。
【図30】実施の一形態によるストリーム修正について
に説明するための略線図である。
【図31】実施の一形態によるストリーム修正について
に説明するための略線図である。
【図32】実施の一形態によるストリーム修正について
に説明するための略線図である。
【図33】実施の一形態によるストリーム修正処理を示
す一例のフローチャートである。
【図34】実施の一形態による再生側MFCの一例の構
成を示すブロック図である。
【図35】可変長符号にエラーが発生した場合にVLC
が変化してしまうことを説明するための略線図である。
【符号の説明】
1・・・シーケンスヘッダコード、2・・・シーケンス
ヘッダ、3・・・シーケンス拡張、4・・・拡張および
ユーザデータ、5・・・GOPスタートコード、6・・
・GOPヘッダ、7・・・ユーザデータ、8・・・ピク
チャスタートコード、9・・・ピクチャヘッダ、10・
・・ピクチャ符号化拡張、11・・・拡張およびユーザ
データ、12・・・スライススタートコード、13・・
・スライスヘッダ、14・・・マクロブロックヘッダ、
101・・・SDI受信部、102・・・MPEGエン
コーダ、106・・・記録側マルチフォーマットコンバ
ータ(MFC)、108・・・SDTI受信部、109
・・・ECCエンコーダ、112・・・磁気テープ、1
13・・・ECCデコーダ、114・・・再生側MF
C、115・・・SDTI出力部、116・・・MPE
Gデコーダ、118・・・SDI出力部、137a,1
37c・・・パッキング部、137b・・・ビデオシャ
フリング部、139・・・外符号エンコーダ、140・
・・ビデオシャフリング、149・・・内符号エンコー
ダ、170・・・フレームメモリ、301・・・検出回
路、302・・・タイミングジェネレータ、303・・
・VLD、305・・・置換用データ発生回路、306
・・・セレクタ、307・・・メモリ、308・・・V
LC、310・・・CPU_IF、311・・・エラー
遅延回路、312・・・Cb/Cr遡り用遅延回路、3
13・・・メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤堂 晋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 松本 英之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C059 KK01 MA00 MA23 ME01 PP16 RB02 RF05 RF07 RF21 SS11 TA76 TC22 TD11 UA05 5J064 AA01 BA09 BA16 BB08 BD03 5K014 AA01 AA05 BA01 FA08 FA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定単位で可変長符号を用いて圧縮符号
    化されたストリームを伝送するストリーム伝送装置にお
    いて、 ストリームに付加されたエラー訂正符号を復号化し、上
    記エラー訂正符号の持つエラー訂正能力を超えてエラー
    が存在するときに、上記エラー位置に対応してエラーフ
    ラグを立てるエラー訂正手段と、 上記エラーフラグに基づき、可変長符号の終端を示す情
    報を、上記エラーフラグが存在する上記可変長符号の系
    列の、上記エラーフラグに対応する位置に付加する終端
    情報付加手段とを有することを特徴とするストリーム伝
    送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のストリーム伝送装置に
    おいて、 1組の画像信号成分中の上記エラーフラグに対応するそ
    れぞれの可変長符号系列に上記終端を示す情報を付加す
    るようにしたことを特徴とするストリーム伝送装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のストリーム伝送装置に
    おいて、 上記エラーフラグが1対の色差成分の可変長系列のうち
    時間的に後に伝送される色差成分の可変長符号系列に対
    応する位置に存在するときに、該色差成分の可変長系列
    と対になる色差成分の可変長系列に遡って上記終端を示
    す情報を付加するようにしたことを特徴とするストリー
    ム伝送装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のストリーム伝送装置に
    おいて、 1組の画像信号成分中の上記エラーフラグに対応するそ
    れぞれの可変長符号系列を所定の値に置き換えるように
    したことを特徴とするストリーム伝送装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のストリーム伝送装置に
    おいて、 上記エラーフラグが1対の色差成分の可変長系列のうち
    時間的に後に伝送される色差成分の可変長符号系列に対
    応する位置に存在するときに、該色差成分の可変長系列
    と対になる色差成分の可変長系列に遡って上記所定の値
    に置き換えるようにしたことを特徴とするストリーム伝
    送装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のストリーム伝送装置に
    おいて、 上記エラーフラグが1組の画像信号成分のヘッダ情報の
    位置にあるときに、該ヘッダ情報を既定の値に置き換え
    るようにしたことを特徴とするストリーム伝送装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のストリーム伝送装置に
    おいて、 上記ストリームは、MPEGの規格に基づくものである
    ことを特徴とするストリーム伝送装置。
  8. 【請求項8】 所定単位で可変長符号を用いて圧縮符号
    化されたストリームを伝送するストリーム伝送方法にお
    いて、 ストリームに付加されたエラー訂正符号を復号化し、上
    記エラー訂正符号の持つエラー訂正能力を超えてエラー
    が存在するときに、上記エラー位置に対応してエラーフ
    ラグを立てるエラー訂正のステップと、 上記エラーフラグに基づき、可変長符号の終端を示す情
    報を、上記エラーフラグが存在する上記可変長符号の系
    列の、上記エラーフラグに対応する位置に付加する終端
    情報付加のステップとを有することを特徴とするストリ
    ーム伝送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008148004A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Pioneer Electronic Corp 映像復号装置、デジタル放送受信機、映像復号方法、映像復号プログラムおよび映像復号プログラムを格納した記録媒体
JP2012114830A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Oki Electric Ind Co Ltd データ更新装置及びプログラム、並びに、動画像復号装置及びプログラム、並びに、動画像配信システム

Cited By (2)

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