JP2002170512A - トロイダル偏向器のコイル板、トロイダル偏向器のコイル板の製造方法、トロイダル偏向器、荷電粒子線露光装置、半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

トロイダル偏向器のコイル板、トロイダル偏向器のコイル板の製造方法、トロイダル偏向器、荷電粒子線露光装置、半導体デバイスの製造方法

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JP2002170512A
JP2002170512A JP2000368004A JP2000368004A JP2002170512A JP 2002170512 A JP2002170512 A JP 2002170512A JP 2000368004 A JP2000368004 A JP 2000368004A JP 2000368004 A JP2000368004 A JP 2000368004A JP 2002170512 A JP2002170512 A JP 2002170512A
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Mamoru Nakasuji
護 中筋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度のコイルを有するトロイダル偏向器の
コイル板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 熱伝導率がよい絶縁体であるAlNセラミ
ックス基板1の上にチタン薄膜8、銅薄膜9を成膜す
る。そして、その上にレジスト10をコーティングす
る。レジスト10表面にコイルパターンのマスクを置
き、レジスト10を感光させ、レジスト10を現像する
ことによりレジスト10にコイルパターンに対応する溝
2を形成する。その後、レジスト除去部分13から電圧
を印加することにより、銅薄膜9を介してレジストの溝
2の部分に銅メッキ2を成長させる。続いて、レジスト
10を全て除去し、銅メッキ2が形成されていない部分
のチタン薄膜8、銅薄膜9を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線等の荷電粒
子線を使用した装置に使用されるトロイダル偏向器のコ
イルのコイル板及びその製造方法、トロイダル偏向器、
それを使用した荷電粒子線露光装置、並びにこの荷電粒
子線露光装置を利用した半導体デバイスの製造法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡、電子線露光装置等におい
て、荷電粒子線の向きを変えるために電磁偏向器(本明
細書に置いては単に偏向器という)が用いられている。
これらの偏向器としては、従来、小さいAT数で大きな
偏向角が得られるサドル型のものが広く用いられてき
た。
【0003】しかしながら、サドル型偏向器では、4−
フォールド収差のうち5次以上の高次のものを取り除け
ないので、これらが問題となる場合にはトロイダル型の
偏向器が用いられるようになってきている。トロイダル
偏向器は、円筒型の内筒に、羽根状のコイル板を取り付
けたものであるが、そのコイル板としては、ドーナツ状
のコアにコイルを巻いたものが用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなドーナツ状のコアにコイルをコイルを巻く方式のコ
イル板においては、コイルを巻く場合の角度の精度を必
要な精度にすることが困難であり、このことに起因して
収差が発生するという問題点があった。
【0005】このような問題を解決するために、予め渦
巻き(四角な渦巻き)上に成形さえれた偏平なコイル
を、絶縁基板に接着剤を使用して接着することにより、
コイルの寸法精度を向上させる方法が開発されている。
又、絶縁基板上に、導電体の膜を成膜し、その上にコイ
ルの厚さに相当するレジストを塗布し、コイルのパター
ンに相当する形状の露光を行った後、レジストを現像す
ることにより、コイルのパターンに相当する部分のレジ
ストを除去し、前記導電体の膜を電極として、レジスト
が除去された部分に電気メッキにより導電体をレジスト
の厚さに相当する厚さだけ成膜し、その後、レジストと
その下にある導電体の膜を除去する工程を有してなるこ
とを特徴とするトロイダル偏向器のコイル板の製造方法
が開発されている。
【0006】しかしながら、これらの方法においては、
絶縁基板とコイルを構成する金属(銅や銀)と絶縁基板
の接着力が弱く、剥がれやすいという問題点があった。
また、トロイダル型偏向器は、サドル型偏向器に比べて
大きいAT値を必要とするため、発熱量が大きく、温度
変動によって特性が変化するという問題があった。さら
に、偏向コイルに電流を流すときに発生するローレンツ
力のために、コイルが振動するという問題点があった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、高精度のコイルを有し、しかもコイルが基板か
ら剥がれにくいトロイダル偏向器のコイル板及びその製
造方法、冷却が容易で振動の少ないトロイダル偏向器、
及びそれを使用した荷電粒子線露光装置、さらには、こ
の荷電粒子線露光装置を使用した半導体デバイスの製造
方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、熱伝導率の大きな絶縁基板上に、リソ
グラフィプロセスとメッキによって形成された導電体か
らなるコイルを有することを特徴とするトロイダル偏向
器のコイル板であって、前記絶縁基板とコイルの間に、
絶縁基板とコイルの双方に対して密着性が良い材料が設
けられていることを特徴とするトロイダル偏向器のコイ
ル板(請求項1)である。
【0009】トロイダル偏向器のコイル板とは、トロイ
ダル偏向器において、典型的には円筒型の内筒に、羽根
上に取り付けられるコイルを有する板のことである。本
手段においては、このコイル板に設けられるコイルがリ
ソグラフィーとメッキによって形成されているので、コ
イルの製作精度が向上し、発生する収差を小さくするこ
とができる。また、コイルが設けられている基板が、熱
伝導率が大きな絶縁基板であるので、コイルに電流を流
すことによって発生する熱を、基板を通じて放出するこ
とができる。熱伝導率がよい絶縁基板の典型的な例とし
ては、アルミナイトライト(AlN)セラミックがあり、
コイルを構成する導電体としては銅又は銀が好ましい。
【0010】又、基板とコイルの中間に、双方に対して
密着性の良い物質を介在させているので、コイルと基板
が剥がれる可能性が少なくなる。AlNの基板に銅メッキ
や銀メッキによりコイルを形成する場合には、これらの
介在させる材料としてチタン又はクロムを使用すること
が好ましい。
【0011】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、通電されたときに発生するロ
ーレンツ力が、コイルを絶縁基板側に押し付けるように
働くことを特徴とするもの(請求項2)である。
【0012】本手段においては、通電磁においてコイル
が絶縁基板側に押し付けられるような力が働くので、コ
イルが絶縁基板から剥離するのを防止することができ
る。
【0013】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、絶縁基板の内
筒に固定される部分が、他の部分より薄くされているこ
とを特徴とするもの(請求項3)である。
【0014】コイルに流れる電流により発生するローレ
ンツ力を受け止め、かつ変形を起こさないためには、絶
縁基板の厚さはなるべく厚くすることが望ましい。ま
た、絶縁基板の厚さを厚くすることにより、コイルに発
生する熱を放散させる効果も向上する。しかし一方、コ
イルの数が増し、かつトロイダル偏向器の形状を小さく
しようとすると、内筒への取り付けスペース(隣り合う
コイルとの間隔)が小さくなり、内筒にコイル板を取り
付けることが困難になる場合がある。本手段において
は、絶縁基板の内筒に固定される部分が、他の部分より
薄くされているので、内筒への取り付けスペースが小さ
くなり、隣り合うコイル板との間隔が小さい場合でも取
り付けることが可能となる。
【0015】前記課題を解決するための第4の手段は、
熱伝導率の大きな絶縁基板上に、当該絶縁体とコイルを
形成する材料の双方に対して密着性の良い材料の膜を形
成し、その上に導電体の膜を成膜し、その上にコイルの
厚さに相当するレジストを塗布し、コイルのパターンに
相当する形状の露光を行った後、レジストを現像するこ
とにより、コイルのパターンに相当する部分のレジスト
を除去し、前記導電体の膜を電極として、レジストが除
去された部分に電気メッキにより導電体をレジストの厚
さに相当する厚さだけ成膜し、その後、レジストとその
下にある導電体の膜を除去する工程を有してなることを
特徴とするトロイダル偏向器のコイル板の製造方法(請
求項4)である。
【0016】本手段においては、リソグラフィーにより
レジストが除去された部分のレジストの厚さに相当する
厚さの導電体が、メッキにより形成される。よって、正
確な形状を有するコイルを形成することができ、収差の
発生を防止することができる。さらに、コイルなる導電
体の膜を成膜する前に、絶縁基板とコイルを形成する材
料の双方に対して密着性の良い材料の膜を形成している
ので、形成されるコイルと絶縁基板との密着性の良いコ
イル板を製造することができる。
【0017】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第4の手段の工程中に、コイルとなる導電体の厚さ
が一定となるように研磨する工程を付加したことを特徴
とするもの(請求項5)である。
【0018】たとえば、レジストが除去された部分に電
気メッキにより導電体をレジストの厚さに相当する厚さ
だけ成膜した後、レジストの上に盛り上がったメッキ導
体を所定の厚さまで研削する。又は、残ったレジストを
全て除去した後で、メッキ導体を所定の厚さまで研削す
る。このようにすることにより、コイルの厚さが一定と
なり、偏向器の特性が向上する。
【0019】前記課題を解決するための第6の手段は、
トロイダル偏向器のコイル板の幅と同じ略同じ長さを有
する内筒と外筒の間に、前記第1の手段から第3の手段
のいずれかであるトロイダル偏向器のコイル板を嵌め込
み、さらに、前記内筒と外筒の両端面に、板を固定した
ことを特徴とするトロイダル偏向器(請求項6)であ
る。
【0020】本手段においては、内筒、外筒及びその両
端面に固定された板より、前記トロイダル偏向器のコイ
ル板がしっかりと固定される。よって、コイルに流す電
流によって発生するローレンツ力により、コイルが振動
することが無く、安定した偏向作用を行わせることがで
きる。
【0021】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第6の手段であって、前記内筒、外筒、板が、熱伝
導率の大きな絶縁体で構成されていること特徴とするも
の(請求項7)である。
【0022】本手段においては、トロイダル偏向器のコ
イル板から発生する熱を、内筒、外筒、板を通して放熱
することができるので、コイルの熱変化が小さくなり、
これに起因する偏向器の特性変化を小さくすることがで
きる。
【0023】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第6の手段又は第7の手段であって、内筒と外筒の
両端面に固定された板には、冷媒を流す穴があけられて
いることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0024】本手段においては、これらの穴より冷媒を
流すことにより、コイルを冷却することができる。よっ
て、コイルの熱変化が小さくなり、これに起因する偏向
器の特性変化を小さくすることができる。
【0025】前記課題を解決するための第9の手段は、
前記第6の手段から第8の手段のいずれかであって、コ
イルの角度が所定角度となるように、トロイダル偏向器
のコイル板が嵌め込まれる位置がオフセットされている
ことを特徴とするもの(請求項9)である。
【0026】前記第6の手段から第8の手段において
は、コイルが絶縁基板の片面に設けられているために、
絶縁基板の中心と、コイルの中心がオフセットしてい
る。本手段においては、このオフセット分を勘案して、
コイル角度が所定角となるように、トロイダル偏向器の
コイル板が嵌め込まれる位置をオフセットさせているの
で、コイル角度が正確になり、所定の特性を有する偏向
器とすることができる。
【0027】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第6の手段から第9の手段のうちいずれかのト
ロイダル偏向器を有してなることを特徴とする荷電粒子
線露光装置(請求項10)である。
【0028】本手段においては、コイルによる発熱に起
因する温度変動の影響や、コイルのローレンツ力による
振動の影響を小さくでき、かつ、正確な偏向特性を有す
る偏向器を使用しているので、偏向特性が良好なものと
することができる。
【0029】前記課題を解決するための第11の手段
は、前記第10の手段である荷電粒子線露光装置を用い
て、レチクル又はマスクに形成されたパターンをウェハ
に転写するプロセスを有してなることを特徴とする半導
体デバイスの製造方法(請求項11)である。
【0030】本手段においては、正確な偏向特性が得ら
れるので、微細なパターンを正確に露光転写することが
でき、集積度の高い半導体デバイスを歩留良く製造する
ことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態であ
るトロイダル偏向器のコイル板、及びその製造工程の1
例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)はA−
A’断面図である。図1において、1はAlNセラミック
スの基板、2は銅メッキ及びレジストの溝、3は裏面コ
イル、4〜6はそれぞれトロイダルコイルの下板、上
板、内筒、外筒に差し込まれる部分、8はチタン薄膜、
9は銅薄膜、10はレジスト、11は銅メッキの盛り上
がり部分、12は基板の薄肉部分、13はレジスト除去
部分である。
【0032】熱伝導率がよい絶縁体であるAlNセラミッ
クス基板1の上にチタン薄膜8を50nm、さらにその上に
銅薄膜9を200nmスパッタリングにより成膜する。そし
て、その上にレジスト10を厚さが約500μmになるま
でコーティングする。レジストは、粘度の大きいポジ型
レジストを塗布して乾燥させる工程を複数回繰り返すこ
とにより、約500μm程度の厚さとする。
【0033】レジスト10表面にコイルパターンのマス
クを置き、平行性の良いX線で露光してレジスト10を
感光させ、レジスト10を現像することによりレジスト
10にコイルパターンに対応する溝2を形成する。この
とき、同時に電圧を印加する部分についても同様の方法
において、レジスト除去部分13を形成する。
【0034】その後、レジスト除去部分13から電圧を
印加することにより、銅薄膜9を介してレジストの溝2
の部分に銅メッキ2を成長させる。銅メッキ2の成長速
度は場所により異なるので、500μmより十分厚くまで
成長させる。これにより、銅メッキ2の盛り上がり部分
11が形成される。よって、機械研磨により、この盛り
上がり部分を除去し、メッキ厚さが均一な500μm程度
の厚さとなるようにする。
【0035】続いて、レジスト10を全て除去し、銅メ
ッキ2が形成されていない部分のチタン薄膜8、銅薄膜
9を除去する。その後、表面にパッシベーションのため
のAlNセラミックスをスパッタリングによりコーティン
グする。これにより、約500μmの厚さを有するコイル
が形成される。コイルの内部の端には、予めAlNセラミ
ックスの基板1に裏面に通じる穴を形成し、チタン薄
膜、銅薄膜、銅メッキがこの穴の中に形成されるように
する。そして、裏面に貫通した銅を、裏面電極3と導通
させる。このコイルは従来のように巻回されるものでは
なく、リソグラフィーにより作られているので、寸法精
度が正確であり、高性能のものが得られる。
【0036】コイルを形成する導電体としては、銅の他
に銀等の導電率の良い金属でメッキしやすい金属を用い
ることができる。また、チタン薄膜8は、AlNセラミッ
クスの基板と銅のコイルの密着性を良くするために使用
されるが、チタン薄膜の代わりに、クロム薄膜を用いて
もよい。
【0037】図2にこのようなコイル板を用いた本発明
のトロイダルコイルの実施の形態の例を示す。図2にお
いて、図1に示された構成要素と同じ構成要素には同じ
符号を付す。図2において、21は光軸、22は内筒、
23は外筒、24は磁場、25は磁場によって生じる
力、26は上板、27は下板、28はコイル支持部分、
29、30はオフセット部分、31は冷媒流通孔であ
る。
【0038】AlNセラミックスの基板(コイル基板)1
は、内筒22と外筒23の間に嵌め込まれて接着され、
さらに、上板26、下板27により、内筒22、外筒2
3の長さ方向の両端から押さえられて固定されている。
AlNセラミックスの基板(コイル基板)1は厚いので、
径の小さい内筒22に嵌め込むとき、隣り合うAlNセラ
ミックスの基板(コイル基板)1が重なってしまうこと
がある。
【0039】これを避けるため、AlNセラミックスの基
板(コイル基板)1には、図1に示すような薄肉部分1
2が設けられていて、その部分6が内筒22のコイル支
持部分28に嵌め込まれる。また、AlNセラミックスの
基板(コイル基板)1は厚いので、コイルの中心とAlN
セラミックスの基板(コイル基板)1の中心は、オフセ
ット30分だけずれている。よって、内筒22、外筒2
3に設けられたAlNセラミックスの基板(コイル基板)
1を差し込む溝は、この分だけオフセットして設けられ
ており、AlNセラミックスの基板(コイル基板)1が差
し込まれたときに、コイル2が所定の角度で取り付けら
れるようになっている。上板26、下板27にも同じ位
置にAlNセラミックスの基板(コイル基板)1を差し込
む溝が設けられている。
【0040】コイルに電流を流したとき、それによって
生じる磁場24によって生じる力25が、コイル2をAl
Nセラミックスの基板(コイル基板)1に押し付けられ
る方向に働くようにされている。これにより、コイル2
がAlNセラミックスの基板(コイル基板)1から剥がれ
ることが防止される。
【0041】上板26、下板27には、冷媒流通孔31
が設けられ、ここから冷媒を流入、流出させることによ
り、コイル2を冷却することができる。また、内筒2
2、外筒23、上板26、下板27は、AlN等の熱伝導
率の良い絶縁材料で形成することにより、コイル2に発
生する熱を外部に放出することができる。なお、図2に
おいては、y方向にビームを偏向させるコイルのみを示
し、x方向にビームを偏向させるコイルは図示を省略し
ている。
【0042】偏向コイルに周期的な電流を流したときに
周期的にコイル基板が力を受け、振動力が働くが、この
実施の形態においては、AlNセラミックスの基板1を用
いることにより、その高剛性を利用すると共に、板厚を
大きくし、しかも、その四方を内筒22、外筒23、上
板26、下板27で固定することにより、振動の発生を
防止している。
【0043】以下、前記実施の形態に示されたトロイダ
ル偏向器を用いた電子線露光装置の例を図3を用いて説
明する。図3において、41はマスク、42は電子線、
43は第1レンズ磁極、44は第1レンズコイル、45
は第2レンズ磁極、46は第2レンズコイル、47はウ
ェハ、48は偏向器コイルを示す。この電子光学系は1/
4縮小投影光学系で、電子線を偏向する偏向器コイル2
0からなる偏向器を有する。なお、この電子線露光装置
の図においては、マスク41を照明する照明光学系の図
示を省略している。
【0044】マスク41を通過した電子線42は、第1
レンズ磁極43、第1レンズコイル44を有する第1投
影用レンズ、第2レンズ磁極45、第2レンズコイル4
6を有する第2投影用レンズによりウェハ基板47面に
投影され、マスク41の像をウェハ基板47面に結像す
る。結像の横方向の位置は、偏向器48により可変とさ
れている。本実施の形態においては、各偏向器48とし
て、図2に示したような偏向器を使用している。よっ
て、正確な偏向を行わせることができると共に、振動等
が発生して、露光位置がずれることが無い。
【0045】以下、本発明に係る半導体デバイスの製造
方法の実施の形態の例を説明する。図4は、本発明の半
導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートであ
る。この例の製造工程は以下の各主工程を含む。 ウェハを製造するウェハ製造工程(又はウェハを準備
するウェハ準備工程) 露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(又
はマスクを準備するマスク準備工程) ウェハに必要な加工処理を行うウェハプロセッシング
工程 ウェハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動
作可能にならしめるチップ組立工程 できたチップを検査するチップ検査工程 なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程から
なっている。
【0046】これらの主工程の中で、半導体のデバイス
の性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウェハプロセッ
シング工程である。この工程では、設計された回路パタ
ーンをウェハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動
作するチップを多数形成する。このウェハプロセッシン
グ工程は以下の各工程を含む。 絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、あるいは電極部を
形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDや
スパッタリング等を用いる) この薄膜層やウェハ基板を酸化する酸化工程 薄膜層やウェハ基板等を選択的に加工するためにマス
ク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成する
リソグラフィー工程 レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエ
ッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる) イオン・不純物注入拡散工程 レジスト剥離工程 さらに加工されたウェハを検査する検査工程 なお、ウェハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り
返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造す
る。
【0047】図5は、図4のウェハプロセッシング工程
の中核をなすリソグラフィー工程を示すフローチャート
である。このリソグラフィー工程は以下の各工程を含
む。 前段の工程で回路パターンが形成されたウェハ上にレ
ジストをコートするレジスト塗布工程 レジストを露光する露光工程 露光されたレジストを現像してレジストのパターンを
得る現像工程 現像されたレジストパターンを安定化させるためのア
ニール工程 以上の半導体デバイス製造工程、ウェハプロセッシング
工程、リソグラフィー工程については、周知のものであ
り、これ以上の説明を要しないであろう。
【0048】本実施の形態においては、リソグラフィー
工程の露光転写に、本発明にかかる露光転写装置を使用
しているので、微細なパターンを有する半導体デバイス
を精度良く製造することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、コイルの製作精度が向上
し、発生する収差を小さくすることができと共に、コイ
ルに電流を流すことによって発生する熱を、基板を通じ
て放出することができる。又、コイルと絶縁基板の密着
性を高めることができる。
【0050】請求項2に係る発明においては、コイルが
絶縁基板から剥離するのを防止することができる。請求
項3に係る発明においては、内筒への取り付けスペース
が小さくなり、隣り合うコイル板との間隔が小さい場合
でも取り付けることが可能となる。
【0051】請求項4に係る発明においては、正確な形
状を有するコイルを形成することができ、収差の発生を
防止することができる。又、形成されるコイルと絶縁基
板との密着性の良いコイル板を製造することができる。
【0052】請求項5に係る発明においては、コイルの
厚さが一定となり、偏向器の特性が向上する。請求項6
に係る発明においては、コイルが振動することが無く、
安定した偏向作用を行わせることができる。
【0053】請求項7に係る発明、請求項8に係る発明
においては、コイルの熱変化が小さくなり、これに起因
する偏向器の特性変化を小さくすることができる。請求
項9に係る発明においては、コイル角度が正確になり、
所定の特性を有する偏向器とすることができる。
【0054】請求項10に係る発明においては、コイル
による発熱に起因する温度変動の影響や、コイルのロー
レンツ力による振動の影響を小さくでき、かつ、正確な
偏向特性を有する偏向器を使用しているので、偏向特性
が良好なものとすることができる。
【0055】請求項11に係る発明においては、正確な
偏向特性が得られるので、微細なパターンを正確に露光
転写することができ、集積度の高い半導体デバイスを歩
留良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるトロイダル偏向器の
コイル板、及びその製造工程の1例を示す概略図であ
る。
【図2】本発明のトロイダルコイルの実施の形態の例を
示す図である。
【図3】本発明の実施の形態である電子線露光装置の要
部を示す図である。
【図4】本発明の半導体デバイス製造方法の一例を示す
フローチャートである。
【図5】リソグラフィー工程を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…AlNセラミックスの基板、2…銅メッキ及びレジス
トの溝、3…裏面コイル、4〜6…それぞれトロイダル
コイルの下板、上板、内筒、外筒に差し込まれる部分、
8…チタン薄膜、9…銅薄膜、10…レジスト、11…
銅メッキの盛り上がり部分、12…基板の薄肉部分、1
3…レジスト除去部分、21…光軸、22…内筒、23
…外筒、24…磁場、25…磁場によって生じる力、2
6…上板、27下板、28…コイル支持部分、29、3
0…オフセット部分、31…冷媒流通孔、41…マス
ク、42…電子線、43…第1レンズ磁極、44…第2
レンズコイル、45…第2レンズ磁極、46…第2レン
ズコイル、47…ウェハ、48…偏向器コイル

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導率の大きな絶縁基板上に、リソグ
    ラフィプロセスとメッキによって形成された導電体から
    なるコイルを有することを特徴とするトロイダル偏向器
    のコイル板であって、前記絶縁基板とコイルの間に、絶
    縁基板とコイルの双方に対して密着性が良い材料が設け
    られていることを特徴とするトロイダル偏向器のコイル
    板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトロイダル偏向器のコ
    イルであって、通電されたときに発生するローレンツ力
    が、コイルを絶縁基板側に押し付けるように働くことを
    特徴とするトロイダル偏向器のコイル板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の偏向器の
    コイル板であって、絶縁基板の内筒に固定される部分
    が、他の部分より薄くされていることを特徴とするトロ
    イダル偏向器のコイル板。
  4. 【請求項4】 熱伝導率の大きな絶縁基板上に、当該絶
    縁体とコイルを形成する材料の双方に対して密着性の良
    い材料の膜を形成し、その上に導電体の膜を成膜し、そ
    の上にコイルの厚さに相当するレジストを塗布し、コイ
    ルのパターンに相当する形状の露光を行った後、レジス
    トを現像することにより、コイルのパターンに相当する
    部分のレジストを除去し、前記導電体の膜を電極とし
    て、レジストが除去された部分に電気メッキにより導電
    体をレジストの厚さに相当する厚さだけ成膜し、その
    後、レジストとその下にある導電体の膜を除去する工程
    を有してなることを特徴とするトロイダル偏向器のコイ
    ル板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のトロイダル偏向器のコ
    イル板の製造方法の工程中に、コイルとなる導電体の厚
    さが一定となるように研磨する工程を付加したことを特
    徴とするトロイダル偏向器のコイル板の製造方法。
  6. 【請求項6】 トロイダル偏向器のコイル板の幅と同じ
    略同じ長さを有する内筒と外筒の間に、請求項1から請
    求項3のうちいずれか1項に記載のトロイダル偏向器の
    コイル板を嵌め込み、さらに、前記内筒と外筒の両端面
    に、板を固定したことを特徴とするトロイダル偏向器。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のトロイダル偏向器であ
    って、前記内筒、外筒、板が、熱伝導率の大きな絶縁体
    で構成されていること特徴とするトロイダル偏向器。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載のトロイダ
    ル偏向器であって、前記内筒と外筒の両端面に固定され
    た板には、冷媒を流す穴があけられていることを特徴と
    するトロイダル偏向器。
  9. 【請求項9】 請求項6から請求項8のうちいずれか1
    項に記載のトロイダル偏向器であって、コイルの角度が
    所定角度となるように、トロイダル偏向器のコイル板が
    嵌め込まれる位置がオフセットされていることを特徴と
    するトロイダル偏向器。
  10. 【請求項10】 請求項6から請求項9のうちいずれか
    1項に記載のトロイダル偏向器を有してなることを特徴
    とする荷電粒子線露光装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の荷電粒子線露光装
    置を用いて、レチクル又はマスクに形成されたパターン
    をウェハに転写するプロセスを有してなることを特徴と
    する半導体デバイスの製造方法。
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