JP2002168377A - 水素燃料用ホース - Google Patents

水素燃料用ホース

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JP2002168377A
JP2002168377A JP2001281055A JP2001281055A JP2002168377A JP 2002168377 A JP2002168377 A JP 2002168377A JP 2001281055 A JP2001281055 A JP 2001281055A JP 2001281055 A JP2001281055 A JP 2001281055A JP 2002168377 A JP2002168377 A JP 2002168377A
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hose
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hydrogen fuel
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JP2001281055A
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Kazutaka Katayama
和孝 片山
Tomoshige Hibino
委茂 日比野
Ayumi Ikemoto
歩 池本
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素ガスバリア性やバリア層の耐水素ガス脆
化性,柔軟性等に優れ、燃料電池車用の水素燃料用ホー
ス等に好適なホースを提供する。 【解決手段】 内側樹脂層、金属薄膜層及び外側樹脂層
を備え、前記内側樹脂層には所定の低ガス透過性材料か
らなる低ガス透過層を設けた燃料電池車用の水素燃料用
ホース。更に好ましくは、上記した低ガス透過層の内側
に低透水層を設ける。特に好ましくは、この水素燃料用
ホースの少なくとも一部をコルゲート形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池車用の水素
燃料用ホースに関し、更に詳しくは、水素燃料用ホース
特有の問題である水素脆化,水蒸気の影響,触媒毒抽出
等の面で有効な対策を施し、かつ水素ガスに対するバリ
ア性やホースの柔軟性等の面でも対策した水素燃料用ホ
ースに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題や石油の枯渇問題がクロ
ーズアップされるに伴い、次世代車両としての燃料電池
自動車の開発が進められている。この場合の燃料として
は、水素ガスが代表的であり、又、水素生成改質器を用
いた場合には、メタノール,メタン等を利用することも
できる。又、ディーゼルエンジンの排ガスをクリーン化
する燃料としてジメチルエーテルが注目されている。ジ
メチルエーテルは、加圧により液化し易いので、エネル
ギー密度が高く、水素供給原料としても変換効率が高
い。
【0003】水素ガスは非常に透過性が高く、可燃性で
もあるため、慎重な取扱いが要求される。又、現在の技
術では燃料として水素ガスを単独で用いることは困難で
あり、発電効率を上げる目的で電解質膜の給水源とし
て、またメタン等炭化水素改質タイプにおける水素の給
源としての目的を持つ高温水蒸気と混合して用いられる
のが通常である。
【0004】従来、水素燃料の輸送管としては、水素脆
化の問題等から厚肉のステンレス鋼等を用いた金属管が
主流である。改質用のメタノール,メタン等の燃料配管
についても、腐食や燃料透過の問題から金属配管が有望
視されている。しかし、燃料電池車用の水素燃料用ホー
スとしては、厚肉の高剛性な金属管を用いることは車両
の軽量化や燃費向上の要求に反し、車両走行時の振動吸
収性等も期待できず、金属配管の設計の自由度が低下す
るため、好ましくない。一方、単に金属管を薄肉化して
も、ホースの強度や耐圧性が低下するし、高温水蒸気と
の接触下における腐食及び水素脆化が一層懸念される。
【0005】特開平7−275981号公報では、直管
状の金属パイプに対し樹脂を熱収縮又は押出しにより被
覆させ、次いで一般的な方法でコルゲート形状に成形し
ている。特開平8−127101号公報は給湯,温水暖
房等に係る配管であるが、金属管に対して変性ポリオレ
フィン樹脂の粉体塗装と、ポリブテン樹脂の粉体塗装と
を行い、耐熱水性と亀裂防止等の機械的強度の向上とを
図っている。これらの発明のように、金属管をコルゲー
ト形状とすることは、ホースに振動吸収性や組付けの容
易さをもたらす点で有利である。又、金属管の外面に樹
脂を被覆することは、金属管を薄肉化した場合のホース
強度の維持や金属管外面の腐食等からの保護上有利であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平7−275981号公報や特開平8−127101
号公報に係る発明では、金属管の外面は樹脂層で保護さ
れるが、金属管の内面が水素燃料や高温水蒸気に対して
暴露される。従って、金属の水素脆化や腐食が起こり易
く、ホース強度等が容易に低下する。又、金属管から金
属イオン等が溶出すると、燃料電池触媒の被毒劣化を起
こすことも懸念される。更に、露出した金属管は燃料電
池の電気絶縁性を障害し、燃料電池本体からの漏電を起
こす恐れがある。
【0007】仮に、上記特開平8−127101号公報
に開示された樹脂層を金属管の内面に形成すると仮定し
ても、本願発明者の研究によれば、変性ポリオレフィン
樹脂やポリブテン樹脂は、優れた防水性を示すものの水
素ガスを十分に遮断できず、水素ガスは樹脂層を透過し
て金属に浸透し、金属の水素脆化を起こす。
【0008】更に、上記各種の従来技術によっては、金
属管を用いたコルゲート形状ホースにおける良好な振動
吸収性,組付け性をもたらす柔軟性の基準、そのために
必要な金属層の肉厚、その際にホース強度を良好に維持
するための樹脂層の肉厚、等についても有効な示唆が得
られない。
【0009】そこで本発明は、燃料電池車用の水素燃料
用ホースにおいて、特有の問題である水素脆化,水蒸気
の影響,触媒毒抽出等の面で有効な対策を施し、かつ水
素ガスに対するバリア性やホースの柔軟性,ホース強度
等の面でも有効に対策することを、解決すべき課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、内側樹脂層と、金属薄膜層と、外側樹
脂層とを備えた燃料電池車用の水素燃料ホースであっ
て、前記内側樹脂層が、80°Cにおけるヘリウムガス
透過量が10 −9cm ・cm/cm・ sec・ cmHg 以下で
ある樹脂を用いた低ガス透過層を含む、水素燃料用ホー
スである。
【0011】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係る内側樹脂層における低ガス透過層の
内側に、純水透過量が5mg・ mm/cm/day 以下である
樹脂を用いた低透水層を設けた、水素燃料用ホースであ
る。
【0012】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係る低透水層及び低ガス透
過層に用いた樹脂がハロゲンを含まない樹脂である、水
素燃料用ホースである。
【0013】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明に係る水素燃料用ホースの少な
くとも一部がコルゲート形状とされ、ホース軸方向のバ
ネ定数が25N/mm以下である、水素燃料用ホースで
ある。
【0014】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明に係る金属薄膜層の肉厚が20
〜300μmである、水素燃料用ホースである。
【0015】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第5発明に係る金属薄膜層の肉厚Aに対
して、内側樹脂層と外側樹脂層との合計肉厚Bの比が、
A:B=1:4〜1:50である、水素燃料用ホースで
ある。
【0016】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第6発明に係る内側樹脂層及び/又は外
側樹脂層に用いた樹脂の体積固有抵抗値が1010Ω・
cm以上である、水素燃料用ホースである。
【0017】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
以下の(1)〜(4)のいずれか1以上に該当する、前
記第1発明〜第7発明に係る水素燃料用ホースである。 (1)前記低透水層を構成する樹脂が、PP,酸変性P
P,PPS,PA6T,PE,ポリメチルペンテン,酸
変性PE,PA9T,PA612,PES,PEEK又
はPAMXD6である。 (2)前記低ガス透過層を構成する樹脂が、EVOH,
PBN,PA6,PA6−66,PA6ナノコンポジッ
ト,PA6−66ナノコンポジット,PA6T,PA9
T,PA612,PA46,PPS,PES又はPAM
XD6である。 (3)前記金属薄膜層を構成する金属が、ステンレス,
鉄,鉄合金,アルミニウム,アルミニウム合金,銅,銅
合金,ニッケル又はニッケル合金である。 (4)前記外側樹脂層を構成する樹脂が、PP,酸変性
PP,PPS,PA11,PA12,LLDPE,HD
PE,PA6T,PE,酸変性PE,PA9T,PA6
12,PA912,PES,PEEK又はPAMXD6
である。
【0018】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明に係る水素燃料輸送用ホースは金属薄膜層を備えるの
で、ホースの柔軟性を可及的に維持したもとで、高度の
水素ガス不透過性を発揮できる。又、金属が薄膜であっ
ても、内側樹脂層によって水素−高温水蒸気混合ガスか
らは遮断されるので、金属薄膜層の腐食を起こさない。
又、金属薄膜層からの金属イオンの溶出による燃料電池
触媒の被毒劣化も起こさない。
【0019】しかも内側樹脂層には前記した低ガス透過
層を含む。本願発明者の研究によれば、前記したヘリウ
ムガス透過量以下である低ガス透過層の存在により、水
素ガスは内側樹脂層において十分に遮断され、樹脂層を
透過した水素ガスによる金属薄膜層の水素脆化も有効に
回避することができる。
【0020】外側樹脂層により、水素燃料輸送用ホース
の強度,耐久性,耐チッピング性,絶縁性等を向上させ
ることができる。
【0021】(第2発明の作用・効果)第1発明の低ガ
ス透過層は、通常は上記のような十分な水素ガス遮断性
能を示すが、水の浸透を受けた場合にはその性能が若干
低下する傾向がある。又、水分が金属薄膜層にまで達す
ると、その腐食を促す懸念もある。しかし、第2発明の
ように低ガス透過層の内側に低透水層を設けることによ
り、これらの不具合を解消することができる。
【0022】本願発明者の研究によれば、前記した純水
透過量以下である低透水層の存在により、水の浸透に基
づく低ガス透過層の水素ガス遮断性能の低下を有効に防
止することができる。
【0023】(第3発明の作用・効果)前記した金属イ
オン抽出に基づく燃料電池触媒の被毒劣化の他、内側樹
脂層を構成する低透水層や低ガス透過層から有力な触媒
毒が抽出された場合には、同様の事態が起こり得る。し
かし、第3発明のように、低透水層や低ガス透過層の構
成樹脂として、有力な触媒毒成分であるハロゲンを含ま
ない樹脂を用いることにより、このような不具合を防止
できる。
【0024】(第4発明の作用・効果)本願発明者は、
金属薄膜層を有するコルゲート形状ホースにおいて、良
好な振動吸収性とホース組付けの容易さを確保するため
の最低基準となるバネ定数を実験的に究明した。即ち、
金属薄膜層を有し少なくとも一部がコルゲート形状とさ
れたホースは、ホース軸方向のバネ定数が25N/mm
以下であれば、上記の要求に対応できる。
【0025】(第5発明の作用・効果)水素燃料用ホー
スにおける金属薄膜層の肉厚としては20〜300μm
が適当である。その肉厚が20μm未満であると水素ガ
スバリア層としての機能が不十分となる恐れがあり、そ
の肉厚が300μmを超えても効果が飽和すると共に徒
らにホースの重量増加やバネ定数増加をもたらす。
【0026】(第6発明の作用・効果)金属薄膜層の肉
厚Aと内側樹脂層及び外側樹脂層の合計肉厚Bとの比が
第6発明の数値範囲内にあるとき、樹脂層による金属薄
膜層の補強効果が最も有効に発揮される。Aの数値1に
対するBの数値が4未満であると樹脂層による補強効果
が不十分となる恐れがあり、Aの数値1に対するBの数
値が50を超えても補強効果は飽和し、徒らにホースの
重量増加を招くだけである。
【0027】(第7発明の作用・効果)水素燃料用ホー
スは、金属薄膜層の内側及び外側の樹脂層により一応の
電気絶縁性を確保されるが、更に内側樹脂層及び/又は
外側樹脂層に前記体積固有抵抗値の樹脂を用いることに
より、水素燃料用ホースに起因する燃料電池本体からの
漏電が一層完全に防止される。
【0028】(第8発明の作用・効果) (1)低透水層を構成する樹脂、(2)低ガス透過層を
構成する樹脂、(3)金属薄膜層を構成する金属、
(4)外側樹脂層を構成する樹脂、としては、それらに
期待される作用・効果に鑑みて、第8発明の(1)〜
(4)にそれぞれ列挙したものが、特に好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第8発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは第1発明〜第8発明を一括して指してい
る。
【0030】〔水素燃料用ホース〕本発明に係る水素燃
料用ホースは、特に好ましくは燃料電池車における水素
燃料の輸送に使用される。しかし上記用途に限定され
ず、例えば、自動車用の燃料(ガソリン,ジメチルエー
テル)輸送ホースやフィラーホース、燃料電池車用の水
素ガス,メタノール又はジメチルエーテル等の輸送用ホ
ース、家庭用等に用いるガソリン,アルコール,水素ガ
ス,天然ガス,プロパンガスその他の燃料用ホース等に
任意に使用することができる。金属イオンやハロゲンイ
オン等が抽出されない点からは、純水ホース等も好適な
使用例である。
【0031】水素燃料用ホースは、少なくとも内側樹脂
層と金属薄膜層と外側樹脂層とを備える複層構造のホー
スである。必要により、上記各層の他に任意の層構造を
備えることができる。水素燃料用ホースは、ストレート
な管形状を有する直管状ホース、曲がり形状を有する曲
がり管状ホース、一部分又は大部分がコルゲート形状で
その他の部分が直管状又は曲がり管状とされたコルゲー
トホース、のいずれの形態も取ることができる。
【0032】ホース形状は、ホースの柔軟性や組付け性
を向上させる上で、とりわけコルゲートホースが好まし
い。その場合のホース軸方向のバネ定数は、好ましくは
25N/mm以下とされる。このようなバネ定数値は、
後述する金属薄膜層の肉厚の他、ホースのコルゲート形
状部の内外径差・山数や後述する各樹脂層の肉厚等の諸
元の設計により調整できる。
【0033】水素燃料用ホースのサイズは任意である
が、輸送流体が水素ガスである場合を考慮すると、流量
増大のために例えば内径を10〜50mm程度とするこ
とも好ましい。ホースの耐圧性は必要に応じて任意に設
計することができるが、輸送ガスの高圧化による流量増
大を考慮すると、例えば1.5MPa程度の耐圧性を持
たせることが好ましい。
【0034】〔内側樹脂層〕内側樹脂層は、少なくとも
前記した低ガス透過層を含み、好ましくは、その内周側
に前記低透水層を備える。
【0035】低ガス透過層は、80°Cにおけるヘリウ
ムガス透過量が10−9cm ・cm/cm・ sec・ cmHg
以下である樹脂を用いてなる。水素ガス透過量を以て規
定しないのは、その評価実験上の危険性を考慮したもの
である。又、低ガス透過層の構成樹脂はハロゲンを含ま
ない樹脂であることが好ましい。これらの点から、低ガ
ス透過層を構成する樹脂としては、EVOH,PBN,
PA6,PA6−66,PA6ナノコンポジット,PA
6−66ナノコンポジット,PA6T,PA9T,PA
612,PA46,PPS,PES又はPAMXD6等
を好ましく例示できる。低ガス透過層の肉厚は、水素ガ
スに対するバリア性能やホースの柔軟性に対する影響,
金属薄膜層に対する補強効果等を考慮して決定される
が、一般的には100〜1000μm程度が適当であ
る。
【0036】低透水層を設ける場合には、通常は水素燃
料用ホースの最内層として構成され、上記低ガス透過層
と金属薄膜層に対する水蒸気水分の浸透を防止する。低
透水層を構成する樹脂は、低透水性である限りにおいて
限定されない。低透水性の好ましい基準として、純水透
過量が5mg・ mm/cm/day 以下であることを例示でき
る。又、低透水層の構成樹脂はハロゲンを含まない樹脂
であることが好ましい。これらの点から、低透水層を構
成する樹脂としては、PP,酸変性PP,PPS,PA
6T,PE,ポリメチルペンテン,酸変性PE,PA9
T,PA612,PES,PEEK又はPAMXD6等
を好ましく例示できる。低透水層の肉厚は、水に対する
バリア性能やホースの柔軟性に対する影響,金属薄膜層
に対する補強効果等を考慮して決定されるが、一般的に
は100〜1000μm程度が適当である。
【0037】内側樹脂層には、一定値以上の電気抵抗を
持たせることが好ましい。そのための好ましい手段の一
つが、上記低透水層又は低ガス透過層の構成材料として
体積固有抵抗値が1010Ω・cm以上である樹脂を用
いることであり、他の好ましい手段の一つが、上記の体
積固有抵抗値が1010Ω・cm以上である樹脂を用い
た樹脂層を低透水層又は低ガス透過層とは別に設けるこ
とである。
【0038】〔金属薄膜層〕金属薄膜層の構成形態は限
定されないが、具体的には、例えば、金属のシーム管,
シームレス管もしくはシーム管に引き抜きをかけたセミ
シーム管を用いて構成することができる。その構成材料
としては、鉄,鉄合金,アルミニウム,アルミニウム合
金,ステンレス鋼,銅,銅合金,ニッケル又はニッケル
合金等が好ましく、強度性,耐腐食性に優れるステンレ
ス鋼が特に好適である。
【0039】金属薄膜の肉厚は限定されないが、好まし
くは20μm〜300μm程度である。特に、水素燃料
用ホースがコルゲート形状である場合、20μm〜20
0μm程度とすることが好ましい。肉厚が20μm未満
であると水素ガスバリア層としての作用・効果に不安が
あり、肉厚が300μmを超えると水素燃料用ホースの
重量が徒らに増大してバネ定数も高くなる。
【0040】〔外側樹脂層〕外側樹脂層を構成する樹脂
は、前記したホースの強度,耐久性,耐チッピング性,
絶縁性等に寄与するものである限りにおいて限定されな
い。絶縁性に寄与する樹脂として、体積固有抵抗値が1
10Ω・cm以上である樹脂を好ましく例示できる。
外側樹脂層を構成する好ましい樹脂を具体的に例示すれ
ば、PP,酸変性PP,PPS,PA11,PA12,
LLDPE,HDPE,PA6T,PE,酸変性PE,
PA9T,PA612,PA912,PES,PEEK
又はPAMXD6等が挙げられる。
【0041】外側樹脂層は、単層により、又は上記いず
れかの要求特性をそれぞれ備えた複層の樹脂により構成
することができる。
【0042】〔各層の肉厚比〕水素燃料用ホースを構成
する内側樹脂層,金属薄膜層,外側樹脂層の各層の好ま
しい肉厚は、個別にはそれぞれ前記したように規定する
ことができるが、各層の相対的な肉厚については、前記
「第6発明の作用・効果」の欄で述べた理由から、金属
薄膜層の肉厚Aに対して、内側樹脂層と外側樹脂層との
合計肉厚Bの比がA:B=1:4〜1:50であること
が好ましく、A:B=1:4〜1:40であることが更
に好ましい。
【0043】〔水素燃料用ホースの製造方法〕本発明に
係る水素燃料用ホースの製造方法は任意であり、公知の
各種のプロセスを自由に利用できる。なお、内側樹脂層
及び/又は外側樹脂層を金属薄膜層(金属管)の端部ま
で被覆できるような製造方法を採用することが、より好
ましい。水素燃料用ホースの製造方法の実施形態の一例
を図1に示す。
【0044】図1(a)に示すような適宜な金属材料か
らなる薄肉直管状の金属管1を準備し、これを図1
(b)に示すように金型2,2(実際には、コルゲート
形状のキャビティを有する)を用いた液圧バルジ成形に
供して、図1(c)に示すような金属コルゲート管3を
準備する。
【0045】次に、上記金属コルゲート管3の内面に対
して、図1(c)に示す静電塗装ガン4aを用いて粉体
樹脂塗装(例えば静電粉体塗装)を行い、熱処理により
内側樹脂層(図示せず)を形成する。内側樹脂層が、例
えば低ガス透過層と低透水層からなる場合のように複層
構造である場合には、それに対応する必要な粉体樹脂塗
装を繰返して行う。
【0046】最後に、内面に樹脂層を形成した上記金属
コルゲート管3の外面に対して、図1(c)に示す静電
塗装ガン4bを用いて同上の粉体樹脂塗装を行う。外側
樹脂層が複層構造である場合のプロセスも同様である。
【0047】
【実施例】〔ホースの作製〕末尾の表1に示す実施例1
〜実施例5、表2に示す比較例1及び比較例2の構成を
有するホースを作製した。これらのホースは、SUS3
04のスチールからなり表に示す肉圧の薄肉直管状の金
属管を、液圧バルジ加工により表に示す内径,外径及び
山数の金属コルゲート管とし、次いでこれらの金属コル
ゲート管の内面及び外面に対して表の「内層樹脂」,
「外層樹脂」の欄に示す種類の樹脂粉末を「肉厚」の欄
に示す厚さで静電塗装し、所定の熱処理を行ったもので
ある。
【0048】熱処理条件は、PPS樹脂粉末に対しては
420°C×20分、LLDPE樹脂粉末に対しては1
70°C×15分、EVOH樹脂粉末に対しては200
°C×10分、表に「AD」(接着材の意)と表記され
た無水マレイン酸変性PP樹脂粉末に対しては200°
C×10分、PP樹脂粉末に対しては210°C×15
分、PA6T樹脂粉末に対しては380°C×15分、
PBN樹脂粉末に対しては230°C×15分である。
【0049】又、内層樹脂は、実施例3においてはPP
/AD/EVOHの、実施例5においてはPP/AD/
PBNの複層構造であるが、これらは各層毎に粉体樹脂
塗装と所定条件での熱処理とを繰返して形成したもので
ある。
【0050】又、表1及び表2には、金属薄膜層の肉厚
Aを1とした場合の内層/外層樹脂層の合計肉厚Bの値
が表記されている。
【0051】〔ホースの評価〕上記各例に係るコルゲー
トホースについて、以下の評価を行った。
【0052】(バネ定数)JIS K6385に従い、
ストログラフ V−10B(東洋精機社製)に取付け、
10mmのストロークで軸方向のバネ定数(N/mm)
を測定した。測定結果を表1及び表2の「バネ定数」の
欄に示す。
【0053】(振動疲労耐久) 前処理:各例に係るコルゲートホースの片方端部に密栓
を施し、他の片方の端部にはバルブ付きの密栓を組付け
た。そして前記バルブより内部容量に対して10%の水
をコルゲートホース内部に入れ、更に水素ガスを0.3
MPaの圧力で封入−開放を繰返し内部空気を水素に置
換した後、0.3MPaの圧力で封入した。これらのホ
ースに対して、防爆オーブン中において80°C×8時
間と室温×16時間との組合わせのサイクルを20サイ
クル繰返した。
【0054】本試験:上記の前処理を行った各例に係る
コルゲートホースにつき、(株)鷺宮製作所製の油圧サ
ーボ疲労試験機(型式 FT−1)を用いて振動疲労試
験を行った。即ち、コルゲートホースの一端直管部を固
定すると共に他端直管部をホース径方向へ往復動するピ
ストンに連結し、3Hzの振動数でホースを±15°の
範囲で振動させた。
【0055】上記振動疲労試験の結果を表1及び表2の
「振動疲労耐久」の欄に示すが、表中、例えば「1E
6」との表記は1×10と言う回数、「5E4」と
の表記は5×10と言う回数を示し、「1E6<」
との表記は1×10 以上の振動耐久性を有するこ
とを示す。又、「クラック」とは、コルゲート形状部の
金属薄膜層における亀裂の発生を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】水素燃料用ホースの製造方法を概念的に示す図
である。
【符号の説明】 1 金属管 2 金型 3 金属コルゲート管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池本 歩 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA34 CA47 CA52 CB04 CB05 CB29 DA26 DB08 DB10 DB11 4G040 AB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側樹脂層と、金属薄膜層と、外側樹脂
    層とを備えた燃料電池車用の水素燃料用ホースであっ
    て、 前記内側樹脂層が、80°Cにおけるヘリウムガス透過
    量が10−9 cm・cm/cm・ sec・ cmHg 以下である
    樹脂を用いた低ガス透過層を含むことを特徴とする水素
    燃料用ホース。
  2. 【請求項2】 前記内側樹脂層における低ガス透過層の
    内側に、純水透過量が5mg・ mm/cm/day 以下である
    樹脂を用いた低透水層を設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の水素燃料用ホース。
  3. 【請求項3】 前記低透水層及び低ガス透過層に用いた
    樹脂がハロゲンを含まない樹脂であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の水素燃料用ホース。
  4. 【請求項4】 前記水素燃料用ホースの少なくとも一部
    がコルゲート形状とされ、ホース軸方向のバネ定数が2
    5N/mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の水素燃料用ホース。
  5. 【請求項5】 前記金属薄膜層の肉厚が20〜300μ
    mであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれ
    かに記載の水素燃料用ホース。
  6. 【請求項6】 前記金属薄膜層の肉厚Aに対して、内側
    樹脂層と外側樹脂層との合計肉厚Bの比が、A:B=
    1:4〜1:50であることを特徴とする請求項1〜請
    求項5のいずれかに記載の水素燃料用ホース。
  7. 【請求項7】 前記内側樹脂層及び/又は外側樹脂層に
    用いた樹脂の体積固有抵抗値が1010Ω・cm以上で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに
    記載の水素燃料用ホース。
  8. 【請求項8】 以下の(1)〜(4)のいずれか1以上
    に該当することを特徴とする請求項1〜請求項7のいず
    れかに記載の水素燃料用ホース。 (1)前記低透水層を構成する樹脂が、PP(ポリプロ
    ピレン),酸変性PP,PPS(ポリフェニレンスルフ
    ィド),PA6T(ヘキサメチレンジアミン−テレフタ
    レート共重合体),PE(ポリエチレン),ポリメチル
    ペンテン,酸変性PE,PA9T(ノナンメチレンジア
    ミン−テレフタレート共重合体),PA612(ヘキサ
    メチレンジアミン−ドデカメチレンジカルボン酸共重合
    体),PES(ポリエーテルスルフィド),PEEK
    (ポリエーテルエーテルケトン)又はPAMXD6(メ
    タキシリレンジアミン−アジピン酸共重合体)である。 (2)前記低ガス透過層を構成する樹脂が、EVOH
    (エチレン−ビニルアルコール共重合体),PBN(ポ
    リブチレンナフタレート),PA6(ポリアミド6),
    PA6−66(ポリアミド6とポリアミド66の共重合
    体),PA6ナノコンポジット(ポリアミド6と層状粘
    度鉱物とのナノスケールのハイブリッド材料),PA6
    −66ナノコンポジット(ポリアミド6とポリアミド6
    6の共重合体と、層状粘度鉱物とのナノスケールのハイ
    ブリッド材料),PA6T,PA9T,PA612,P
    A46(テトラメチレンジアミン−テトラメチレンジカ
    ルボン酸共重合体),PPS,PES又はPAMXD6
    である。 (3)前記金属薄膜層を構成する金属が、ステンレス,
    鉄,鉄合金,アルミニウム,アルミニウム合金,銅,銅
    合金,ニッケル又はニッケル合金である。 (4)前記外側樹脂層を構成する樹脂が、PP,酸変性
    PP,PPS,PA11(ポリアミド11),PA12
    (ポリアミド12),LLDPE(直鎖状低密度P
    E),HDPE(高密度PE),PA6T,PE,酸変
    性PE,PA9T,PA612,PA912(ノナンメ
    チレンジアミン−ドデカメチレンジカルボン酸共重合
    体),PES,PEEK又はPAMXD6である。
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JP2008296434A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Toppan Printing Co Ltd 水素ガスバリアフィルム

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