JP2002168350A - 金属ガスケット - Google Patents
金属ガスケットInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゴム溶液量を少なくしてコスト低減を図るの
は勿論のこと、ビード部の面圧が低くても十分なシール
性能を確保でき、熱フローの発生やゴム被膜の熱劣化に
よる締め付けトルクの低下を良好に防止でき、更には、
加工性に優れると共に成形型の耐久性の向上を図る。 【解決手段】 表裏面にそれぞれ金属製基板2を湾曲成
形して形成された凹凸状のビード部5を有すると共に、
表裏面にそれぞれゴム溶液を塗布してその後の乾燥工程
により固化したゴム被膜7を有し、接合面間に介装して
ボルトで締め付けて前記接合面間をシールする金属ガス
ケット1であって、基板2として軟質金属を用い且つビ
ード部5の凹部12,13の底部のゴム被膜7の厚さを
他の部分より厚くし、ボルトで締め付けた際に、凹部1
2,13底部のゴム被膜7の弾性反発力を利用して面圧
を発生させる。
は勿論のこと、ビード部の面圧が低くても十分なシール
性能を確保でき、熱フローの発生やゴム被膜の熱劣化に
よる締め付けトルクの低下を良好に防止でき、更には、
加工性に優れると共に成形型の耐久性の向上を図る。 【解決手段】 表裏面にそれぞれ金属製基板2を湾曲成
形して形成された凹凸状のビード部5を有すると共に、
表裏面にそれぞれゴム溶液を塗布してその後の乾燥工程
により固化したゴム被膜7を有し、接合面間に介装して
ボルトで締め付けて前記接合面間をシールする金属ガス
ケット1であって、基板2として軟質金属を用い且つビ
ード部5の凹部12,13の底部のゴム被膜7の厚さを
他の部分より厚くし、ボルトで締め付けた際に、凹部1
2,13底部のゴム被膜7の弾性反発力を利用して面圧
を発生させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関や産業機
械等に用いられる金属ガスケットに関する。
械等に用いられる金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の金属ガスケットとして
は、薄板の鉄板やステンレス鋼板等の比較的硬質の基材
の表裏面全面にゴム溶液を塗布して該ゴム溶液をその後
の乾燥加硫工程により固化させてゴム被膜を形成し、次
いで、接合面の形状に合わせて打ち抜いた後に燃焼室穴
等の必要な穴加工を施すと共に表面の必要なシール箇所
に凸状のビード部を湾曲成形により形成したもの(所謂
プレコート製)が知られているが、このプレコート製金
属ガスケットは打ち抜いた部分にゴム被膜が形成されて
いるため、廃材(打ち抜いた部分)のリサイクルができ
ず、また、基材の全面にゴム溶液を塗布する必要がある
ことからゴム溶液量が増してコスト高になるという問題
がある。
は、薄板の鉄板やステンレス鋼板等の比較的硬質の基材
の表裏面全面にゴム溶液を塗布して該ゴム溶液をその後
の乾燥加硫工程により固化させてゴム被膜を形成し、次
いで、接合面の形状に合わせて打ち抜いた後に燃焼室穴
等の必要な穴加工を施すと共に表面の必要なシール箇所
に凸状のビード部を湾曲成形により形成したもの(所謂
プレコート製)が知られているが、このプレコート製金
属ガスケットは打ち抜いた部分にゴム被膜が形成されて
いるため、廃材(打ち抜いた部分)のリサイクルができ
ず、また、基材の全面にゴム溶液を塗布する必要がある
ことからゴム溶液量が増してコスト高になるという問題
がある。
【0003】このような事情から、近年、所謂アフター
コート製の金属ガスケットが多く用いられるようになっ
てきている。このアフターコート製金属ガスケットは、
薄板の鉄板やステンレス鋼板等の比較的硬質の基材を接
合面の形状に合わせて打ち抜いた後に燃焼室穴等の必要
な穴加工を施すと共に表面の必要なシール箇所に凸状の
ビード部を湾曲成形により形成し、次いで、表裏面全面
にゴム溶液を塗布して該ゴム溶液をその後の乾燥加硫工
程により固化させてゴム被膜を形成するようにしたもの
である。そして、シリンダヘッドとシリンダブロックと
の接合面間に介装して締結ボルトで締め付けた際にビー
ド部の凸部の頂部に面圧が集中するようにして該頂部の
金属による弾性反発力により燃焼室穴の周囲等をシール
するようにしている。
コート製の金属ガスケットが多く用いられるようになっ
てきている。このアフターコート製金属ガスケットは、
薄板の鉄板やステンレス鋼板等の比較的硬質の基材を接
合面の形状に合わせて打ち抜いた後に燃焼室穴等の必要
な穴加工を施すと共に表面の必要なシール箇所に凸状の
ビード部を湾曲成形により形成し、次いで、表裏面全面
にゴム溶液を塗布して該ゴム溶液をその後の乾燥加硫工
程により固化させてゴム被膜を形成するようにしたもの
である。そして、シリンダヘッドとシリンダブロックと
の接合面間に介装して締結ボルトで締め付けた際にビー
ド部の凸部の頂部に面圧が集中するようにして該頂部の
金属による弾性反発力により燃焼室穴の周囲等をシール
するようにしている。
【0004】なお、基材の表裏面にゴム被膜を形成する
のは、金属ガスケットをシリンダヘッドとシリンダブロ
ックとの接合面間に介装して締結ボルトで締め付けた際
に大きな荷重が発生するビード部の凸部の頂部及び該凸
部の裏面側に形成される凹部のエッジ部(平坦面と凹部
との境部)に接触する接合面の加工面粗さを吸収するた
めである。
のは、金属ガスケットをシリンダヘッドとシリンダブロ
ックとの接合面間に介装して締結ボルトで締め付けた際
に大きな荷重が発生するビード部の凸部の頂部及び該凸
部の裏面側に形成される凹部のエッジ部(平坦面と凹部
との境部)に接触する接合面の加工面粗さを吸収するた
めである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
アフターコート製金属ガスケットにおいては、水平状態
にして基板の表裏面全面にゴム溶液を塗布した際に、ゴ
ム溶液が重力の作用によりビード部の凸部の頂部から稜
線を流れて該稜線と平坦面との間に溜まった状態で乾燥
するため、図8に示すように、基板dの表面に形成され
たビード部aの凸部bの頂部のゴム被膜cの厚さが薄
く、凸部bの頂部以外のゴム被膜cの厚さが厚くなって
しまう。
アフターコート製金属ガスケットにおいては、水平状態
にして基板の表裏面全面にゴム溶液を塗布した際に、ゴ
ム溶液が重力の作用によりビード部の凸部の頂部から稜
線を流れて該稜線と平坦面との間に溜まった状態で乾燥
するため、図8に示すように、基板dの表面に形成され
たビード部aの凸部bの頂部のゴム被膜cの厚さが薄
く、凸部bの頂部以外のゴム被膜cの厚さが厚くなって
しまう。
【0006】このため、ビード部aの凸部bの頂部に高
面圧を集中させるようにしたアフターコート製金属ガス
ケットでは、加工面粗さの粗い接合面の場合にビード部
aの凸部bの頂部に加工面粗さを十分に吸収できるだけ
のゴム被膜厚を形成する必要が生じて多量のゴム溶液を
使用することになる。この結果、凸部bの頂部以外のゴ
ム被膜cの厚さが必要以上に厚くなってしまい、ビード
部の面圧が低下してシール性能に悪影響を与えたり、熱
フローの発生やゴム被膜の熱劣化によって締め付けトル
クが低下するという不都合が生じてくる。
面圧を集中させるようにしたアフターコート製金属ガス
ケットでは、加工面粗さの粗い接合面の場合にビード部
aの凸部bの頂部に加工面粗さを十分に吸収できるだけ
のゴム被膜厚を形成する必要が生じて多量のゴム溶液を
使用することになる。この結果、凸部bの頂部以外のゴ
ム被膜cの厚さが必要以上に厚くなってしまい、ビード
部の面圧が低下してシール性能に悪影響を与えたり、熱
フローの発生やゴム被膜の熱劣化によって締め付けトル
クが低下するという不都合が生じてくる。
【0007】また、基板として比較的硬質な素材を用い
て、ビード部aの凸部bの頂部の金属による弾性反発力
を利用してシールするようにしているため、エンジンの
振動振幅によりビード部が疲労破壊する虞れがあり、加
工面においても湾曲成形によって基板にビード部を形成
する際の加工性が悪い上に成形型が長持ちしないという
不都合がある。
て、ビード部aの凸部bの頂部の金属による弾性反発力
を利用してシールするようにしているため、エンジンの
振動振幅によりビード部が疲労破壊する虞れがあり、加
工面においても湾曲成形によって基板にビード部を形成
する際の加工性が悪い上に成形型が長持ちしないという
不都合がある。
【0008】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、溶液化した弾性素材の量を少なくし
てコスト低減を図ることができるのは勿論のこと、ビー
ド部の面圧を低くしても十分なシール性能を確保するこ
とができると共に、熱フローの発生や弾性被膜の熱劣化
による締め付けトルクの低下を良好に防止することがで
き、更には、加工性に優れると共に成形型の耐久性の向
上を図ることができる金属ガスケットを提供することを
目的とする。
されたものであり、溶液化した弾性素材の量を少なくし
てコスト低減を図ることができるのは勿論のこと、ビー
ド部の面圧を低くしても十分なシール性能を確保するこ
とができると共に、熱フローの発生や弾性被膜の熱劣化
による締め付けトルクの低下を良好に防止することがで
き、更には、加工性に優れると共に成形型の耐久性の向
上を図ることができる金属ガスケットを提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1に係る金属ガスケットは、表裏面にそれ
ぞれ金属製基板を湾曲成形して形成された凹凸状のビー
ド部を有すると共に、表裏面にそれぞれ溶液化した弾性
素材を塗布してその後の乾燥工程により固化した弾性被
膜を有し、上部材と下部材との接合面間に介装して締結
ボルトで締め付けることにより前記接合面間をシールす
るようにした金属ガスケットであって、前記金属製基板
として軟質金属を用い、且つ、前記ビード部の凹部の底
部の弾性被膜の厚さを他の部分より厚くし、前記接合面
間に介装して締結ボルトで締め付けた際に、前記凹部底
部の弾性被膜の弾性反発力を利用して面圧を発生させる
ようにしたことを特徴とする。
めに、請求項1に係る金属ガスケットは、表裏面にそれ
ぞれ金属製基板を湾曲成形して形成された凹凸状のビー
ド部を有すると共に、表裏面にそれぞれ溶液化した弾性
素材を塗布してその後の乾燥工程により固化した弾性被
膜を有し、上部材と下部材との接合面間に介装して締結
ボルトで締め付けることにより前記接合面間をシールす
るようにした金属ガスケットであって、前記金属製基板
として軟質金属を用い、且つ、前記ビード部の凹部の底
部の弾性被膜の厚さを他の部分より厚くし、前記接合面
間に介装して締結ボルトで締め付けた際に、前記凹部底
部の弾性被膜の弾性反発力を利用して面圧を発生させる
ようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項2に係る金属ガスケットは、請求項
1において、前記ビード部の凹部の幅を該凹部の形成方
向に沿って部分的に変化させ、これにより、前記凹部の
形成方向に沿って該凹部底部の弾性被膜の厚さに変化を
持たせたことを特徴とする。請求項3に係る金属ガスケ
ットは、請求項1又は2において、前記溶液化した弾性
素材がゴム又は樹脂溶液であることを特徴とする。
1において、前記ビード部の凹部の幅を該凹部の形成方
向に沿って部分的に変化させ、これにより、前記凹部の
形成方向に沿って該凹部底部の弾性被膜の厚さに変化を
持たせたことを特徴とする。請求項3に係る金属ガスケ
ットは、請求項1又は2において、前記溶液化した弾性
素材がゴム又は樹脂溶液であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例で
ある金属ガスケットを説明するための説明的平面図、図
2は図1のA−A線断面図、図3〜図6はそれぞれビー
ド部の変形例を説明するための説明的断面図、図7は本
発明の他の実施の形態である金属ガスケットを説明する
ための説明的平面図である。
参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例で
ある金属ガスケットを説明するための説明的平面図、図
2は図1のA−A線断面図、図3〜図6はそれぞれビー
ド部の変形例を説明するための説明的断面図、図7は本
発明の他の実施の形態である金属ガスケットを説明する
ための説明的平面図である。
【0012】図1において符号1はアフターコート製の
金属ガスケットであり、この金属ガスケット1は軟質金
属薄板からなる一枚の金属製基板2に曲げ加工を施して
形成されたものである。基板2には、燃焼室孔3及び油
孔4が形成され、燃焼室孔3及び油孔4の周囲にはビー
ド部5が形成され、ビード部5の周囲には複数のボルト
挿通孔6が形成され、また、表裏面全面にはゴム被膜7
(図2参照)が形成されている。
金属ガスケットであり、この金属ガスケット1は軟質金
属薄板からなる一枚の金属製基板2に曲げ加工を施して
形成されたものである。基板2には、燃焼室孔3及び油
孔4が形成され、燃焼室孔3及び油孔4の周囲にはビー
ド部5が形成され、ビード部5の周囲には複数のボルト
挿通孔6が形成され、また、表裏面全面にはゴム被膜7
(図2参照)が形成されている。
【0013】ここで、金属製基板2に用いられる軟質金
属としては、例えば、アルミニウムや銅の他、メッキし
た軟鉄、ばね性を要求しない硬さが100〜200Hv
の範囲の安価なSPCやSUSを用いることができる。
そして、これらの金属からなる薄板状の基材を接合面の
形状に合わせて打ち抜いた後に燃焼室孔3、油孔4及び
ボルト挿通孔6等の必要な穴加工を施すと共にビード部
5を湾曲成形により形成し、次いで、表裏面全面にゴム
溶液(溶液化した弾性素材)を塗布して該ゴム溶液をそ
の後の乾燥加硫工程により固化させてゴム被膜(弾性被
膜)7を形成するようにしている。このように軟質金属
の基板2を採用することにより、湾曲成形によって基板
2にビード部5を形成する際の加工性を良好にすると共
に、成形型の耐久性の向上を図るようにしている。
属としては、例えば、アルミニウムや銅の他、メッキし
た軟鉄、ばね性を要求しない硬さが100〜200Hv
の範囲の安価なSPCやSUSを用いることができる。
そして、これらの金属からなる薄板状の基材を接合面の
形状に合わせて打ち抜いた後に燃焼室孔3、油孔4及び
ボルト挿通孔6等の必要な穴加工を施すと共にビード部
5を湾曲成形により形成し、次いで、表裏面全面にゴム
溶液(溶液化した弾性素材)を塗布して該ゴム溶液をそ
の後の乾燥加硫工程により固化させてゴム被膜(弾性被
膜)7を形成するようにしている。このように軟質金属
の基板2を採用することにより、湾曲成形によって基板
2にビード部5を形成する際の加工性を良好にすると共
に、成形型の耐久性の向上を図るようにしている。
【0014】ビード部5は、基板2を湾曲成形して該基
板2の表裏面にそれぞれ形成されたハーフビード状の凹
凸部X1,Y1を備えている。基板2の表面(上面)に
形成された凹凸部X1は、凸部11が燃焼室孔3及び油
孔4から離間する側に配置され、凹部12が凸部11の
燃焼室孔3及び油孔4側で該凸部11と波状に連続して
配置されている。
板2の表裏面にそれぞれ形成されたハーフビード状の凹
凸部X1,Y1を備えている。基板2の表面(上面)に
形成された凹凸部X1は、凸部11が燃焼室孔3及び油
孔4から離間する側に配置され、凹部12が凸部11の
燃焼室孔3及び油孔4側で該凸部11と波状に連続して
配置されている。
【0015】一方、基板2の下面に形成された凹凸部Y
1は、凹凸部X1の凸部11の裏側が凹部13とされて
燃焼室孔3及び油孔4から離間する側に配置され、該凹
凸部X1の凹部12の裏側が凸部14とされて凹部13
の燃焼室孔3及び油孔4側で該凹部13と波状に連続し
て配置されている。なお、この実施の形態では、凹凸部
X1の凹部12と凸部11及び凹凸部Y1の凸部14と
凹部13をそれぞれ波状に連続させているが、ビード部
5の形成幅に制約が無い場合には、特に凹凸部を連続さ
せる必要はない。
1は、凹凸部X1の凸部11の裏側が凹部13とされて
燃焼室孔3及び油孔4から離間する側に配置され、該凹
凸部X1の凹部12の裏側が凸部14とされて凹部13
の燃焼室孔3及び油孔4側で該凹部13と波状に連続し
て配置されている。なお、この実施の形態では、凹凸部
X1の凹部12と凸部11及び凹凸部Y1の凸部14と
凹部13をそれぞれ波状に連続させているが、ビード部
5の形成幅に制約が無い場合には、特に凹凸部を連続さ
せる必要はない。
【0016】基板2の表裏面全面に塗布されるゴム溶液
としては、例えばクロロプレンゴム、NBR、フッ素ゴ
ム、シリコンゴム、ウレタンゴム等の溶液を使用するこ
とができる。基板2の表裏面全面にゴム溶液を塗布する
際には、基板2を略水平状態にして表裏面共にビード部
5の凹部12,13を上面側に向けた状態して塗布を行
う。従って、基板2に塗布されたゴム溶液は重力の作用
によりビード部5の凸部11又は14の頂部から稜線を
流れて凹部12又は13に溜まり、この状態で乾燥加硫
工程によりゴム溶液を固化させて基板2の表裏面にゴム
被膜(弾性被膜)7を形成する。
としては、例えばクロロプレンゴム、NBR、フッ素ゴ
ム、シリコンゴム、ウレタンゴム等の溶液を使用するこ
とができる。基板2の表裏面全面にゴム溶液を塗布する
際には、基板2を略水平状態にして表裏面共にビード部
5の凹部12,13を上面側に向けた状態して塗布を行
う。従って、基板2に塗布されたゴム溶液は重力の作用
によりビード部5の凸部11又は14の頂部から稜線を
流れて凹部12又は13に溜まり、この状態で乾燥加硫
工程によりゴム溶液を固化させて基板2の表裏面にゴム
被膜(弾性被膜)7を形成する。
【0017】このため、基板2の表裏面に形成されたゴ
ム被膜7の膜厚は凹部12,13が最も厚く、凸部1
1,14の頂部が最も薄く、平坦部15(図1参照))
がその中間の厚さになる。具体的には、ビード幅にもよ
るが、通常、凹部12,13の膜厚が平坦部15の2〜
3倍、凸部11,14の膜厚が平坦部15の約半分程度
になる。この場合、凸部11,14の頂部の膜厚がかな
り薄くなるが、この実施の形態では、基板2の表裏面の
凹部12,13に溜まった厚肉のゴム被膜7によって表
裏面で互いにずれた状態のシールラインを形成してシー
ルに必要な面圧をガスケット係数2.0以下にしている
ため、従来のように接合面の加工粗さが粗いからといっ
て全体の膜厚を厚くする必要はない。これにより、基板
2の表裏面に塗布されるゴム溶液の量が少なくなってコ
スト低減を図ることができる。
ム被膜7の膜厚は凹部12,13が最も厚く、凸部1
1,14の頂部が最も薄く、平坦部15(図1参照))
がその中間の厚さになる。具体的には、ビード幅にもよ
るが、通常、凹部12,13の膜厚が平坦部15の2〜
3倍、凸部11,14の膜厚が平坦部15の約半分程度
になる。この場合、凸部11,14の頂部の膜厚がかな
り薄くなるが、この実施の形態では、基板2の表裏面の
凹部12,13に溜まった厚肉のゴム被膜7によって表
裏面で互いにずれた状態のシールラインを形成してシー
ルに必要な面圧をガスケット係数2.0以下にしている
ため、従来のように接合面の加工粗さが粗いからといっ
て全体の膜厚を厚くする必要はない。これにより、基板
2の表裏面に塗布されるゴム溶液の量が少なくなってコ
スト低減を図ることができる。
【0018】また、凹部12,13に溜まったゴム被膜
7の膜厚は接合面の加工面粗度により設定されるが、膜
厚はシールができれば薄いほうが良く、接合面の加工面
粗さの1.5〜2倍がよいとされている。それ以上の膜
厚だと、熱フローが発生したり、ゴム被膜7の熱劣化に
よって締め付けトルクが低下する虞れがある。因みに接
合面の加工面粗さは、通常、鋳鉄で15〜25μm、ア
ルミニウムで3〜8μmの範囲にある。凹部12,13
のゴム被膜7の膜厚調整は、ゴム溶液の粘度を調整した
り、曲げ角度(フルビードの場合は曲げR)を同一とし
てビード幅を変えることで容易に対応することができ
る。曲げ角度(フルビードの場合は曲げR)を同一とし
てビード幅を変える場合は、ビード幅が広い程、凹部が
深くなるため、ゴム被膜7の膜厚が厚くなる。なお、こ
の実施の形態では、基板2の表裏面のビード部5の幅を
同一にしているが、上下の接合面の面粗さの差や材質差
等に応じて表裏面でビード部5の幅を変えることもでき
る。
7の膜厚は接合面の加工面粗度により設定されるが、膜
厚はシールができれば薄いほうが良く、接合面の加工面
粗さの1.5〜2倍がよいとされている。それ以上の膜
厚だと、熱フローが発生したり、ゴム被膜7の熱劣化に
よって締め付けトルクが低下する虞れがある。因みに接
合面の加工面粗さは、通常、鋳鉄で15〜25μm、ア
ルミニウムで3〜8μmの範囲にある。凹部12,13
のゴム被膜7の膜厚調整は、ゴム溶液の粘度を調整した
り、曲げ角度(フルビードの場合は曲げR)を同一とし
てビード幅を変えることで容易に対応することができ
る。曲げ角度(フルビードの場合は曲げR)を同一とし
てビード幅を変える場合は、ビード幅が広い程、凹部が
深くなるため、ゴム被膜7の膜厚が厚くなる。なお、こ
の実施の形態では、基板2の表裏面のビード部5の幅を
同一にしているが、上下の接合面の面粗さの差や材質差
等に応じて表裏面でビード部5の幅を変えることもでき
る。
【0019】そして、かかる構成の金属ガスケット1を
シリンダヘッド(上部材)とシリンダブロック(下部
材)との間に介装して締結ボルトで締め付けると、ま
ず、ビード部5の軟性金属からなる凸部11,14の各
頂部が変形を始め、次に徐々にゴム被膜7の薄い部分か
ら接合面に接触し、最後に凸部11,14がへたった状
態で凹部12,13に溜まった最も厚肉のゴム膜厚7が
弾性力を残して表裏同時に上下の接合面に接触する。こ
れにより、凸部11,14による一次シールがなされる
と共に、凹部12,13に溜まった最も厚肉のゴム被膜
7の弾性反発力を利用した二次シールがなされる。
シリンダヘッド(上部材)とシリンダブロック(下部
材)との間に介装して締結ボルトで締め付けると、ま
ず、ビード部5の軟性金属からなる凸部11,14の各
頂部が変形を始め、次に徐々にゴム被膜7の薄い部分か
ら接合面に接触し、最後に凸部11,14がへたった状
態で凹部12,13に溜まった最も厚肉のゴム膜厚7が
弾性力を残して表裏同時に上下の接合面に接触する。こ
れにより、凸部11,14による一次シールがなされる
と共に、凹部12,13に溜まった最も厚肉のゴム被膜
7の弾性反発力を利用した二次シールがなされる。
【0020】このとき、基板2の表裏面全面に形成され
たゴム被膜7は最も厚い凹部12,13で上述したよう
に接合面の加工面粗さの2倍以下とされているため、熱
フローの発生や弾性被膜の熱劣化による締め付けトルク
の低下を良好に防止することができ、しかも、凹部1
2,13に溜まった最も厚肉のゴム被膜7の弾性反発力
を利用して二次シールを行っているため、ゴム被膜7が
加工面粗さに食い込みやすくなって低い面圧での完全シ
ールを実現することができる。
たゴム被膜7は最も厚い凹部12,13で上述したよう
に接合面の加工面粗さの2倍以下とされているため、熱
フローの発生や弾性被膜の熱劣化による締め付けトルク
の低下を良好に防止することができ、しかも、凹部1
2,13に溜まった最も厚肉のゴム被膜7の弾性反発力
を利用して二次シールを行っているため、ゴム被膜7が
加工面粗さに食い込みやすくなって低い面圧での完全シ
ールを実現することができる。
【0021】なお、上記実施の形態では、ビード部5の
端部形状を傾斜させているが、図3に示すように、ビー
ド部5の端部に平坦部20を形成するようにしてもよ
い。また、上記実施の形態では、一枚の基板2を用いて
いるが、これに限定されず、例えば図4に示すように、
基板2の表裏面に上記実施の形態と同様のゴム被膜7が
形成された金属ガスケット1を二枚或いは三枚以上積層
してもよく、また、複数枚の基板を積層してその積層基
板の表裏面に上記実施の形態と同様のゴム被膜7を形成
するようにしてもよく、更には、図5に示すように、二
枚の基板2間に副板30を介装するようにしてもよい。
端部形状を傾斜させているが、図3に示すように、ビー
ド部5の端部に平坦部20を形成するようにしてもよ
い。また、上記実施の形態では、一枚の基板2を用いて
いるが、これに限定されず、例えば図4に示すように、
基板2の表裏面に上記実施の形態と同様のゴム被膜7が
形成された金属ガスケット1を二枚或いは三枚以上積層
してもよく、また、複数枚の基板を積層してその積層基
板の表裏面に上記実施の形態と同様のゴム被膜7を形成
するようにしてもよく、更には、図5に示すように、二
枚の基板2間に副板30を介装するようにしてもよい。
【0022】更に、上記実施の形態では、基板2の表裏
面にハーフビード状の凹凸部X1,Y1を備えた金属ガ
スケット1を例に採ったが、これに限定されず、例えば
図6に示すように、基板2の表裏面にフルビード状の凹
凸部X2,Y2を形成して上記実施の形態と同様のゴム
被膜7を形成するようにしてもよい。更に、上記実施の
形態では、表裏面共に全周にわたってビード幅を均等に
した場合を例に採ったが、図7に示すように、ボルト挿
通孔51間のピッチが大きい金属ガスケット50の場合
は、ボルト締結時の締め付け力が大きいボルト挿通孔5
1近傍は表裏面共に凹凸状のビード部52の幅を狭くし
て該ビード部52の凹部のゴム被膜(共に図示せず。)
の膜厚を薄くし、締め付け力が小さい各ボルト挿通孔5
1間は表裏面共に凹凸状のビード部52の幅を広くして
該ビード部52の凹部のゴム被膜(共に図示せず。)の
膜厚を厚くするようにするのが好ましい。このようにす
ると、燃焼室孔53の周縁における面圧の均一化を図る
ことができ、シリンダボアの真円度が損なわれないよう
にすることができる。
面にハーフビード状の凹凸部X1,Y1を備えた金属ガ
スケット1を例に採ったが、これに限定されず、例えば
図6に示すように、基板2の表裏面にフルビード状の凹
凸部X2,Y2を形成して上記実施の形態と同様のゴム
被膜7を形成するようにしてもよい。更に、上記実施の
形態では、表裏面共に全周にわたってビード幅を均等に
した場合を例に採ったが、図7に示すように、ボルト挿
通孔51間のピッチが大きい金属ガスケット50の場合
は、ボルト締結時の締め付け力が大きいボルト挿通孔5
1近傍は表裏面共に凹凸状のビード部52の幅を狭くし
て該ビード部52の凹部のゴム被膜(共に図示せず。)
の膜厚を薄くし、締め付け力が小さい各ボルト挿通孔5
1間は表裏面共に凹凸状のビード部52の幅を広くして
該ビード部52の凹部のゴム被膜(共に図示せず。)の
膜厚を厚くするようにするのが好ましい。このようにす
ると、燃焼室孔53の周縁における面圧の均一化を図る
ことができ、シリンダボアの真円度が損なわれないよう
にすることができる。
【0023】更に、上記実施の形態では、溶液化した弾
性素材として、ゴム溶液を例に採ったが、これに代え
て、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルスルホン等のエンジニアプラスチックの溶液を
採用してもよい。
性素材として、ゴム溶液を例に採ったが、これに代え
て、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルスルホン等のエンジニアプラスチックの溶液を
採用してもよい。
【0024】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、溶液化した弾性素材の量を少なくし
てコスト低減を図ることができるのは勿論のこと、ビー
ド部の面圧を低くしても十分なシール性能を確保するこ
とができると共に、熱フローの発生や弾性被膜の熱劣化
による締め付けトルクの低下を良好に防止することがで
き、更には、加工性に優れると共に成形型の耐久性の向
上を図ることができるという効果が得られる。
1の発明によれば、溶液化した弾性素材の量を少なくし
てコスト低減を図ることができるのは勿論のこと、ビー
ド部の面圧を低くしても十分なシール性能を確保するこ
とができると共に、熱フローの発生や弾性被膜の熱劣化
による締め付けトルクの低下を良好に防止することがで
き、更には、加工性に優れると共に成形型の耐久性の向
上を図ることができるという効果が得られる。
【0025】請求項2の発明では、請求項1の発明に加
えて、燃焼室孔の周縁における面圧の均一化を図ること
ができるので、シリンダボアの真円度が損なわれないよ
うにすることができるという効果が得られる。
えて、燃焼室孔の周縁における面圧の均一化を図ること
ができるので、シリンダボアの真円度が損なわれないよ
うにすることができるという効果が得られる。
【図1】本発明の実施の形態の一例である金属ガスケッ
トを説明するための説明的平面図である。
トを説明するための説明的平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】ビード部の変形例を説明するための説明的断面
図である。
図である。
【図4】ビード部の変形例を説明するための説明的断面
図である。
図である。
【図5】ビード部の変形例を説明するための説明的断面
図である。
図である。
【図6】ビード部の変形例を説明するための説明的断面
図である。
図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である金属ガスケット
を説明するための説明的平面図である。
を説明するための説明的平面図である。
【図8】従来の金属ガスケットのビード部を説明するた
めの説明的断面図である。
めの説明的断面図である。
1…金属ガスケット 2…金属製基板 3…燃焼室孔 4…油孔 5…ビード部 6…ボルト挿通孔 7…ゴム被膜(弾性被膜) X1,Y1…凹凸部 11,14…凸部 12,13…凹部
Claims (3)
- 【請求項1】 表裏面にそれぞれ金属製基板を湾曲成形
して形成された凹凸状のビード部を有すると共に、表裏
面にそれぞれ溶液化した弾性素材を塗布してその後の乾
燥工程により固化した弾性被膜を有し、上部材と下部材
との接合面間に介装して締結ボルトで締め付けることに
より前記接合面間をシールするようにした金属ガスケッ
トであって、 前記金属製基板として軟質金属を用い、且つ、前記ビー
ド部の凹部の底部の弾性被膜の厚さを他の部分より厚く
し、前記接合面間に介装して締結ボルトで締め付けた際
に、前記凹部底部の弾性被膜の弾性反発力を利用して面
圧を発生させるようにしたことを特徴とする金属ガスケ
ット。 - 【請求項2】 前記ビード部の凹部の幅を該凹部の形成
方向に沿って部分的に変化させ、これにより、前記凹部
の形成方向に沿って該凹部底部の弾性被膜の厚さに変化
を持たせたことを特徴とする請求項1記載の金属ガスケ
ット。 - 【請求項3】 前記溶液化した弾性素材がゴム又は樹脂
溶液であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属
ガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000366095A JP2002168350A (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 金属ガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000366095A JP2002168350A (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 金属ガスケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002168350A true JP2002168350A (ja) | 2002-06-14 |
Family
ID=18836765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000366095A Pending JP2002168350A (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 金属ガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002168350A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005299928A (ja) * | 2004-04-07 | 2005-10-27 | Freudenberg-Nok General Partnership | 成形プラスチックガスケット |
JP2013021049A (ja) * | 2011-07-08 | 2013-01-31 | Nok Corp | 電磁波シールドガスケット |
-
2000
- 2000-11-30 JP JP2000366095A patent/JP2002168350A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005299928A (ja) * | 2004-04-07 | 2005-10-27 | Freudenberg-Nok General Partnership | 成形プラスチックガスケット |
JP2013021049A (ja) * | 2011-07-08 | 2013-01-31 | Nok Corp | 電磁波シールドガスケット |
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