JP2002168195A - プラスチック製ファン - Google Patents
プラスチック製ファンInfo
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Abstract
によってファン回転中の応力集中による亀裂の発生を防
止し得るプラスチック製ファンの提供。 【解決手段】 ファンブレードのボス部付け根部を金属
板、ワイヤ、針金、グラスファイバー、コイルスプリン
グ、プリプレグ、カーボンなどの短寸の繊維混合物等の
ブレード補強材にて補強する。
Description
用のプラスチック製ファンや自動車等における機関冷却
用ファンの回転を外部周囲の温度変化あるいは回転変化
に追随して制御せしめ、絶えず走行状態に応じた冷却風
量を自動調整して機関に供給する流体式ファンカップリ
ング装置等のプラスチック製ファンに関する。
ジエーターを冷却するエンジンファンを制御する流体式
ファンカップリング装置は、冷却用ファンが取付けられ
たハウジングの内部を仕切板により油溜り室と駆動ディ
スクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の
集溜する駆動ディスクの外周壁部に対向するハウジング
の内周壁面の一部にダムと、これに連なってトルク伝達
室側より油溜り室に通じる循環排出路を形成すると共
に、外部周囲の温度が設定値を超えると前記仕切板に設
けられた油供給調整孔を開放し、設定値以下では前記油
供給調整孔を閉鎖する弁部材を、前記ハウジングに設け
た感温体の温度変化に伴う変形に連動するように内部に
備え、トルク伝達室におけるトルク伝達間隙部での油の
有効接触面積を増減させて、回転軸体側から被駆動側の
ハウジング側へのトルク伝達を制御し冷却用ファンを回
転させる構造となっているものが一般的である。
グ装置における冷却用ファンとしては、金属製のものと
プラスチック製のものがあるが、プラスチック製ファン
の方が金属製ファンより軽量で振動吸収性が高く低騒音
でかつコストも安価であることから、プラスチック製フ
ァンが多く採用されている。図12、図13はそのプラ
スチック製ファンを例示したもので、環状のファンボス
部1の外周面に多数(通常4〜10枚)のファンブレー
ド2が配設されている。このファンはプラスチック(合
成樹脂材)射出成形体からなり、ファンブレード2の付
け根部はボス部1の軸線に対して所定角度傾斜しある迎
角をもって取付けられると共に、ファンブレード2自体
が付け根部3からその先端縁にいくにしたがって捩じら
れ徐々に小さな迎角をもった形状になっている。このフ
ァンは前記ハウジングに取着された金属製のインサート
4に取付けられる。なお金属製のインサート4は、先端
部が直角に折曲げられた環状のフランジ部を有するもの
と、フランジ部を有しないフラットなものとがある。
た流体式ファンカップリング装置等におけるプラスチッ
ク製ファンの場合は、回転中はファンブレードに遠心力
や風圧による捩れ、振動による曲げモーメントなどがか
かるため当該ブレードの付け根部に応力が集中し、この
応力集中によりブレードの付け根部に亀裂が入る可能性
があるという問題があった。
なされたもので、ファンブレードを補強材により補強す
ることによってファン回転中の応力集中による亀裂の発
生を防止し得るプラスチック製ファンを提供しようとす
るものである。
転中の応力集中による亀裂防止対策として、プラスチッ
ク製ファンを補強する手段をこうじたもので、その要旨
は、流体式ファンカップリング装置のプラスチック製フ
ァンにおいて、ファンブレードのボス部付け根部をブレ
ード補強材にて補強したことを特徴とするものである。
また前記補強材としては、金属板、ワイヤ、針金、グラ
ス、カーボン、ケブラーなどの長寸のファイバー、これ
らファイバーによるメッシュや布状あるいは網状材、コ
イルスプリングなどの長いものを少なくとも1つを単独
あるいは組合わせ、あるいはまた、長寸ファイバーによ
るプリプレグ状や短いファイバーを分散あるいは混合し
て用いることを特徴とし、またこれらの補強材は、ファ
ンブレードに埋設するか、または該ブレード表面に設け
ることを特徴とするものである。補強材をファンブレー
ドに埋設する手段としては、例えば当該ファンを射出成
形する際にファンブレードのボス部付け根部付近に位置
する部分に配置して当該ボス部付け根部に埋設すること
ができる。また補強材をファンブレード表面に設ける場
合は、当該表面に接着剤等を用いて取着する。
製ファンの第1実施例を示す一部斜視概念図、図2は同
じく第2実施例を示す一部斜視概念図、図3は同じく第
3実施例を示す一部斜視概念図、図4は同じく第4実施
例を示す一部斜視概念図、図5は同じく第5実施例を示
す一部断面図、図6は同じく第6実施例を示す一部断面
図、図7は同じく第7実施例を示す一部断面図、図8は
同じく第8実施例を示す一部断面図、図9は同じく第9
実施例を示す一部断面図、図10は同じく第10実施例
を示す一部断面図、図11は同じく第11実施例を示す
一部断面図である。
ンは、ファンブレード2に補強材を埋設した実施例であ
り、環状のボス部1の軸線に対して所定角度傾斜しある
迎角をもって取付けられたファンブレード2の前記ボス
部1を、フラットで先端に環状のフランジ部を有しない
金属製のインサート4に取付けたファンにおいて、前記
金属製のインサート4に一体に突設した補強用金属板5
をファンブレード2のボス部付け根部3の部分に埋設
し、予め補強用金属板5に設けた複数個の貫通孔6がイ
ンジェクションされたプラスチックに対するアンカリン
グ効果を発揮してブレード付根に作用する遠心力に対す
る引張り力に耐えられるようになっている。この補強用
金属板5のブレード付け根部3からの長さは特に限定す
るものではないが、ファンブレード2の長さの略1/4
〜1/2程度で十分である。前記補強用金属板5は各ブ
レートに対応する位置に設けられていることはいうまで
もない。
は、図1に示す金属板5に替えて、ワイヤ、針金等の線
材15を補強材として用いたもので、環状のボス部1の
軸線に対して所定角度傾斜しある迎角をもって取付けら
れたファンブレード2の前記ボス部1を、先端部が直角
に折曲げられたフランジ部4−1を有する金属製のイン
サート4に取付けたファンにおいて、各ファンブレード
2の両側外表面に1本の線材15を取付けたもので、こ
の場合線材15はインサート4のフランジ部4−1に通
してそのファンブレード2の両側外表面に沿わして接着
剤により接着する。線材には、ワイヤ、針金、グラス、
カーボン、ケブラーなどの長寸のファイバーを用いる。
またこの場合も線材15のブレード付け根部3からの長
さは、ファンブレード2の長さの略1/4〜1/2程度
とする。なお、ここでは1個のファンブレード2に対し
て1本の線材15を設けた場合を示したが、線材15は
ファンブレード2の幅方向に複数組設けてもよい。
に示すプラスチック製ファンの各ファンブレード2毎に
1本ずつ独立させて取付けた線材15に替えて、プラス
チック製ファンの全ファンブレード2を補強し得る長さ
を有する1本の長い線材25を用い、ブレードに埋設し
た実施例であり、環状のボス部1の軸線に対して所定角
度傾斜しある迎角をもって取付けられたファンブレード
2の前記ボス部1を先端部が直角に折曲げられた環状の
フランジ部4−1を有する金属製のインサート4に取付
けたファンにおいて、1本の長い線材25を図示のよう
に金属製のインサート4に通して順次各ファンブレード
2にループ状に埋設したもので、線材は前記と同様、ワ
イヤ、針金、グラス、カーボン、ケブラーなどの長寸の
ファイバーからなる。またこの場合も線材25のブレー
ド付け根部3からの長さは、ファンブレード2の長さの
略1/3〜1/2程度とする。なお、ここでは1個のフ
ァンブレード2に対して1つのループを形成した場合を
示したが、この場合も前記と同様、線材15のループは
ファンブレード2の幅方向に複数組連続して設けてもよ
い。
材である線材をプラスチック製ファンのファンブレード
2に埋設した実施例であり、環状のボス部1の軸線に対
して所定角度傾斜しある迎角をもって取付けられたファ
ンブレード2の前記ボス部1を、先端にフランジ部を有
しない金属製のインサート4に取付けたファンにおい
て、ワイヤ、針金、グラス、カーボン、ケブラーなど長
寸のファイバー等からなる1本の線材35を交互に折曲
げて形成したものを各ファンブレード2毎にインジェク
ションにより埋設したもので、この場合もブレード付け
根部3からの線材35の長さは前記と同様、ファンブレ
ード2の長さの略1/4〜1/2程度とする。なお、線
材35は1枚のブレードに対して幅方向に複数個設けて
もよく、またその場合隣接する線材35と一部が重なっ
てもよい。
材にメッシュや布状、網状のものを用いた実施例であ
り、ファンブレード2の環状のボス部1を、先端に環状
のフランジ部4−1を有する金属製のインサート4に取
付けたファンにおいて、メッシュや布状、網状の1枚物
でかつファンブレード2の幅方向に広幅の補強材45を
インサート4のフランジ部4−1に狭幅の板部材7を介
して取付けたものを各ファンブレード2毎にインジェク
ションにより埋設したもので、この場合もブレード付け
根部3からの補強材45の長さは前記と同様、ファンブ
レード2の長さの略1/4〜1/2程度とする。
材にコイルスプリングを用いた実施例であり、ファンブ
レード2の環状のボス部1を、先端に環状のフランジ部
4−1を有する金属製のインサート4に取付けたファン
において、コイルスプリング55をインサート4のフラ
ンジ部4−1に突設したものを各ファンブレード2毎に
インジェクションにより埋設したもので、この場合もブ
レード付け根部3からのコイルスプリング55の長さは
前記と同様、ファンブレード2の長さの略1/4〜1/
2程度とする。なお、コイルスプリング55は1枚のブ
レードに対して幅方向に複数個設けてもよいし、巻径の
異なるものを組合わせてもよい。
材に次第に大径となる傘状のコイルスプリングを用いた
実施例であり、ファンブレード2の環状のボス部1を、
先端にフランジ部4−1を有する金属製のインサート4
に取付けたファンにおいて、ストレート部分65−1と
小径部65−2および大径部65−3を連続して設けた
コイルスプリング65をインサート4のフランジ部4−
1に突設したものを各ファンブレード2毎にインジェク
ションにより埋設したもので、この場合もブレード付け
根部3からのコイルスプリング55の長さは前記と同
様、ファンブレード2の長さの略1/4〜1/2程度と
する。またこの場合も、コイルスプリング65は1枚の
ブレードに対して幅方向に複数個設けてもよい。
材に長寸のファイバーをメッシュ状、布状、網目状にし
て貼付したプリプレグを用いた実施例であり、ファンブ
レード2の環状のボス部1を、先端に環状のフランジ部
4−1を有する金属製のインサート4に取付けたファン
において、1枚物でかつファンブレード2の幅方向に広
幅のプリプレグ75をインサート4のフランジ部4−1
に狭幅の板部材7を介して取付けたものを各ファンブレ
ード2毎にインジェクションにより埋設したもので、こ
の場合もブレード付け根部3からの補強材45の長さは
前記と同様、ファンブレード2の長さの略1/4〜1/
2程度とする。
材に金属製の板部材を用いた実施例であり、ファンブレ
ード2の環状のボス部1を、先端に環状のフランジ部4
−1を有する金属製のインサート4に取付けたファンに
おいて、ファンブレード2の幅方向に広幅の1枚物の金
属板からなり、付け根部を直角に折曲げた断面L字形の
補強板85をインサート4のフランジ部4−1に突設し
たものを各ファンブレード2毎にインジェクションによ
り埋設したもので、予め補強板85に設けた複数個の貫
通孔85−1がインジェクションされたプラスチックに
対するアンカリング効果を発揮してブレード付根に作用
する遠心力に対する引張り力に耐えられるようになって
いる。この場合もブレード付け根部3からの補強板85
の長さは前記と同様、ファンブレード2の長さの略1/
4〜1/2程度とする。
強材をインサートで形成したもので、図9に示す別体の
補強板に替えて、インサート4のフランジ部4−1にス
リットを入れて当該部分を垂直に折曲げて板状の補強部
95を形成したものを、各ファンブレード2毎にインジ
ェクションにより埋設したもので、予め補強部95に設
けた複数個の貫通孔95−1がインジェクションされた
プラスチックに対するアンカリング効果を発揮してブレ
ード付根に作用する遠心力に対する引張り力に耐えられ
るようになっている。この場合もブレード付け根部3か
らの補強部95の長さは前記と同様、ファンブレード2
の長さの略1/4〜1/2程度とする。
強材にガラス、カーボン、ケブラーなどの短寸の繊維を
混合してモールディングして用いた実施例であり、ファ
ンブレード2のボス部1を、先端にフランジ部4−1を
有する金属製のインサート4(またはフランジ部4−1
を有しない金属製のインサート4)に取付けたファンに
おいて、各ファンブレード2のボス部1付け根部3より
ファンブレード2の長さの略1/4〜1/2程度の範囲
に相当する部分にガラス、カーボン、ケブラーなどの短
繊維105を混合してインジェクションにより埋設した
ものである。
ァンは、いずれもファンブレードの付け根部付近の内部
もしくは表面および両者をそれぞれ金属板5、85、9
5、ワイヤ、針金、グラスファイバー製の線材15、2
5、35、メッシュや布状、網状の補強材45、コイル
スプリング55、65、プリプレグ75、カーボンなど
の短寸の繊維105の混合によって補強された構造とな
っているので、ファン回転中にファンブレード2に遠心
力がかかり当該ブレードの付け根部に応力が集中して
も、前記補強材の作用によりファンの剛性が高められる
ことによりブレードの付け根部に亀裂が入る可能性は回
避される。なお、ここでは前記した各種補強材を単体で
用いた場合を例示したが、各種補強材は2つ以上を組合
わせて用いることも可能である。
スチック製ファンは、ファンブレードの付け根部付近を
補強材で補強したことによりファンの剛性が高められ、
ファン回転中にファンブレードの付け根部に応力が集中
しても、当該ブレードの付け根部に亀裂が生じることは
ほとんどなく、また補強材には金属板、ワイヤ、針金、
グラス、カーボン、ケブラーなどの長寸のファイバー線
材、メッシュや布状、網状材、コイルスプリング、プリ
プレグ、カーボンなどの短寸の繊維等の混合物を用いる
ので、ファン重量が増すこともほとんどなく、さらにフ
ァン材料に低コストのプラスチックを用いることができ
るなどの優れた効果を奏する。
例を示す一部斜視概念図である。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
面図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 プラスチック製ファンにおいて、ファン
ブレードのボス部付け根部をブレード補強材にて補強し
たことを特徴とするプラスチック製ファン。 - 【請求項2】 前記補強材としては、金属板、ワイヤ、
針金、グラスファイバー、メッシュや布状、網状材、コ
イルスプリング、プリプレグおよび炭素繊維のうちいず
れか1つまたは2つ以上を組合わせて用いることを特徴
とする請求項1記載のプラスチック製ファン。 - 【請求項3】 前記補強材はファンブレードに埋設する
か、または該ブレード表面に設けることを特徴とする請
求項1または2記載のプラスチック製ファン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000366855A JP2002168195A (ja) | 2000-12-01 | 2000-12-01 | プラスチック製ファン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000366855A JP2002168195A (ja) | 2000-12-01 | 2000-12-01 | プラスチック製ファン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002168195A true JP2002168195A (ja) | 2002-06-14 |
Family
ID=18837399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000366855A Pending JP2002168195A (ja) | 2000-12-01 | 2000-12-01 | プラスチック製ファン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002168195A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015086803A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 株式会社日立産機システム | 羽根車及びこれを備えた軸流送風機 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5583590U (ja) * | 1978-12-04 | 1980-06-09 | ||
JPS63146198U (ja) * | 1987-03-17 | 1988-09-27 | ||
JPH09217601A (ja) * | 1996-02-13 | 1997-08-19 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 繊維強化複合材製翼車 |
JPH11132192A (ja) * | 1997-10-30 | 1999-05-18 | Matsushita Seiko Co Ltd | 天井扇風機 |
-
2000
- 2000-12-01 JP JP2000366855A patent/JP2002168195A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Cited By (1)
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JP2015086803A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 株式会社日立産機システム | 羽根車及びこれを備えた軸流送風機 |
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