JP2002167421A - スラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充材の調製方法 - Google Patents

スラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充材の調製方法

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JP2002167421A
JP2002167421A JP2000364473A JP2000364473A JP2002167421A JP 2002167421 A JP2002167421 A JP 2002167421A JP 2000364473 A JP2000364473 A JP 2000364473A JP 2000364473 A JP2000364473 A JP 2000364473A JP 2002167421 A JP2002167421 A JP 2002167421A
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Japan
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urethane
resin filler
bag
slab
filler
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JP2000364473A
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Suketaka Kurahashi
甫任 倉橋
Minoru Ota
稔 太田
Yoshitaka Murata
吉隆 村田
Fumio Yamamoto
史夫 山本
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Shinto Paint Co Ltd
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AREN KK
Shinto Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の弾性てん充材に比べて比較的高価なウレ
タン系樹脂てん充材の材料ロスを低減させると共に、そ
の包装資材を容易且つ安価に廃棄処分することを可能に
することを主たる目的とする。 【解決手段】 スラブ軌道におけるスラブ下面3や突起
周部8の弾性てん充層3,8の補修及び又は新設に用い
るスラブ軌道用弾性てん充材の調製方法であって、ポリ
オールを主剤としたA材と、イソシアネートによる硬化
剤のB材と、増量及びバネ定数調整を行う体質顔料と
を、可燃性で且つ可撓性を備えた袋状の包装資材に個別
に収容して貯蔵し、施工現場へ搬入して混合槽内で撹拌
混合してウレタン系樹脂てん充材に調製することを特徴
としたスラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充材の調製方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラブ軌道におけ
るスラブ下面や突起周部の弾性てん充層の補修及び又は
新設に用いるスラブ軌道用弾性てん充材の調製方法であ
って、特に弾性てん充材の主要成分として2液混合型の
ウレタン系樹脂を用いたスラブ軌道用ウレタン系樹脂て
ん充材の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道の軌道構造は、バラスト道床上に並
設した枕木にレールを締結したバラスト軌道構造が古く
から採用されているが、耐久性や保守管理の容易性その
他の理由から、近年特に新幹線ではバラスト軌道に代わ
るスラブ軌道構造が用いられており、図1では代表的な
スラブ軌道構造図を示す。
【0003】スラブ軌道構造1は、路盤コンクリート2
上に設けたスラブ下面用の弾性てん充層3を介してコン
クリート製の軌道スラブ4が所定間隔毎に敷設され、各
軌道スラブ4上に架設したレール5を締結具6で連結す
ると共に、隣接する各軌道スラブ4,4間に円柱状の突
起部7を路盤コンクリート2上から突設させ、突起部7
の外周囲にも突起周部用の弾性てん充層8を設けてい
る。
【0004】弾性てん充層3,8は、スラブ下部用の弾
性てん充層3によって、軌道スラブ4上のレール5に作
用する垂直荷重を弾性的に支持すると共に、突起周部用
の弾性てん充層8によって、軌道スラブ4に作用する水
平荷重を弾性的に支持するが、これらの弾性てん充層
3,8には比較的安価であることなどの理由から、現状
ではセメントとアスファルト乳剤に細骨材などを混合し
たCAモルタル(セメントアスファルトモルタル)が主
として用いられている。
【0005】CAモルタルによる弾性てん充層3,8
は、長期使用中にはレール5の温度応力や列車の遠心力
などの影響を受けて疲労・劣化が進行し、特に豪雪及び
寒冷地域では露出或いは亀裂部分から浸透した水分が凍
結と融解を繰り返しながら劣化を早めるので、定期的に
補修工事を行う必要がある。
【0006】補修工事には、早期に所定強度の発現が可
能で且つ所定のバネ定数及び圧縮強度が得られる材料と
して、速硬性CAモルタルやポリエステル樹脂モルタル
或いはウレタン系樹脂などをてん充材として用いるが、
単価が高い点を除けば他の材料より優れた点が多いウレ
タン系樹脂てん充材の使用が最も望ましく、特に2液混
合型ウレタン系樹脂てん充材の使用が効果的で現状でも
多く用いている。
【0007】ウレタン系樹脂は、イソシアネートとポリ
オールで構成される末端にイソシアネート基を有するポ
リウレタンプレポリマーに、増量材兼バネ定数調整材
(以下、体質顔料という)や可塑材その他の添加材を加
えたポリウレタンプレポリマー組成物の状態に施工現場
で調製し、液状弾性てん充材として弾性てん充層3,8
に注入されるが、その調製方法には次のような形態が採
られていた。
【0008】ウレタン系樹脂てん充材は、A材とB材に
よる2液混合型であって、A材は主剤となる樹脂分とし
てポリエーテルポリオールに瀝青物質であるタールを反
応させたタール変性ポリオールを用い、これに体質顔料
や可塑材及びその他の添加材を予め混合状態にして、角
形石油缶などの鋼製大形容器に例えば18リットル単位
で収容されている。
【0009】A材中の体質顔料には、主剤の性状に影響
を及ぼすことが少ない材料として珪藻土や重質炭酸カル
シウムなどを用い、可塑材にはジブチルフタレート(D
BP)やジオクチルフタレート(DOP)などを用いる
と共に、その他の添加材として着色材や吸湿材或いは消
泡材などを含み、主剤と体質顔料と可塑材を含むその他
の添加材の配合比率は、重量比で概ね4:5:1であ
る。
【0010】硬化剤であるB材には、イソシアネートの
中でも反応性に優れ且つ取り扱いが容易なポリメリック
MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネー
ト)を用い、小丸缶などの鋼製小形容器に窒素ガスなど
の不活性ガス置換で密封状態にし、例えば2リットル単
位で収容されている。
【0011】このA材とB材の2液は、施工現場に搬入
して使用直前に容器を開封して混合用容器内で撹拌混合
を行うと共に、必要に応じて硬化促進材などを添加して
所望の性状に調製した後に、小分け用の分配バケツなど
の別容器に移し替えて使用する形態を採っているが、従
来技術によるスラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充材の調
製方法では改善を必要とする幾つかの課題が残されてい
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】第一の課題は、A材中
に予め混合させた体質顔料が貯蔵中に容器の底部に沈殿
し、使用する際にはB材と混合する前にA材のみの予備
混合をしておかないと、B材との混合を行った際に所望
の配合比率による均質な混合状態が得られず、弾性特性
その他の性能が損なわれる虞もあると共に、容器の底部
に沈殿した一部は使用不適な材料として廃棄を必要とす
る場合もあり、而も貯蔵期間によって沈殿状態が異なる
と、混合時間の調整を計る必要も生ずる。
【0013】すなわち、体質顔料には安価な重質炭酸カ
ルシウムの使用が望ましいが、多孔質の珪藻土より比重
が重いので比較的短期間で沈殿する難点があり、そのた
めに主として珪藻土が使用されていたが、この珪藻土で
も長期間貯蔵した場合には空隙中に主剤やその他の添加
材が含浸されて次第に比重が重くなり、容器の底部に沈
殿して前記課題が発生する。
【0014】第二の課題は、貯蔵並びに搬送のために使
用している鋼製容器の形態に起因して、空き缶になった
状態でも内部に付着して抽出されない残量が多く発生し
易いので、材料ロスが発生すると共に再利用するために
内部の洗浄処理を行う際にも手数が掛かり、その分だけ
費用が嵩んで材料費が高騰する。
【0015】第三の課題は、A材中に予め体質顔料とし
て珪藻土を添加した場合にはA材の粘度が高く(例え
ば、25℃で6Pa・s程度)なり、これによって鋼製
容器の内壁面や混合用容器の内壁面に付着して使用でき
ない材料ロスが増加したり、この付着分に対する除去作
業も必要になると共に、特に冬場の作業などのように使
用時の温度が低い場合には粘度上昇が大きく、使用前に
加熱して粘度を下げる作業を必要とする。
【0016】第四の課題は、容器は内部の洗浄処理など
を行えば一応再利用は可能ではあるが、洗浄処理する際
に発生する廃液処理の問題やその処理費用が嵩むことな
どの理由から、実際には使用後に廃棄処分することにな
るが、産業廃棄物として処分する際には金属製のために
焼却できず、而も嵩張るのでクラッシャーで圧壊して遠
方の処分場へ移送するなど、煩雑で経費の掛かる作業を
必要とする。
【0017】そこで本発明では、従来技術が内包する前
記課題を解決し得るスラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充
材の調製方法を提供するものであって、他の弾性てん充
材に比べて比較的高価なウレタン系樹脂てん充材の材料
ロスを低減させると共に、その包装資材を容易且つ安価
に廃棄処分することを可能にすることを主たる目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、イソシアネー
トとポリオールで構成される末端にイソシアネート基を
有するポリウレタンプレポリマーによる2液混合型ウレ
タン系樹脂てん充材の調製方法であって、調製したウレ
タン系樹脂てん充材は新設又は既設のスラブ軌道の弾性
てん充層の構築又は修復に使用される。
【0019】このウレタン系樹脂てん充材は、ポリオー
ルを主剤としたA材と、イソシアネートによる硬化剤の
B材と、増量及びバネ定数調整を行う体質顔料とを、可
燃性で且つ可撓性を備えた袋状の包装資材に個別に収容
して貯蔵し、施工現場へ搬入して混合槽内で撹拌混合し
てウレタン系樹脂てん充材に調製する。
【0020】このスラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充材
の調製方法によると、従来技術ではA材中に予め添加さ
れていた体質顔料を、分離させて別の包装資材に収容し
て貯蔵し、施工現場で調製する際に混合するようにした
ので、長期貯蔵中に体質顔料が容器の底部に沈殿するこ
とによって生ずる弊害を解消することができる。
【0021】例えば、A材中に沈殿している体質顔料を
B材と混合する前に予備混合させたり、直接にB材と混
合する場合には混合時間を長くして十分な混合を行わな
いと均一な混合状態が得られず、作業時間をロスしたり
所定のバネ定数が均一に得られなくなる虞もあり、特に
体質顔料の沈殿量に多寡がある場合には混合時間の調整
を計る必要も生ずること、などを解消することができ
る。
【0022】また、貯蔵及び搬送に用いる包装資材を、
従来技術における鋼製容器から、可燃性で且つ可撓性を
備えた袋状のものに代えたことにより、使用する際には
内容物であるA材又はB材を絞り出して最後まで使い切
ることが可能となり、使用した後は小さく折り畳んだ状
態にして容易に搬送することができると共に、焼却処理
することが可能なために、余分な産業廃棄物を出さず、
而も安価な包装資材で済むなどの利点がある。
【0023】前記体質顔料として、従来技術で多く用い
られていた珪藻土の代わりに、重質炭酸カルシウムの粉
末を用いる形態を採ることができるが、A材中に予め体
質顔料を添加していた従来技術では、多孔質な珪藻土に
比べて比重の重い重質炭酸カルシウムを使用した場合
に、比較的短期間の貯蔵中にも重質炭酸カルシウムが沈
殿するので使用に適していなかったものであり、A材中
から体質顔料を除外したことによって使用を可能にし
た。
【0024】この重質炭酸カルシウムによる体質顔料
は、珪藻土に比べて安価であること、多孔質な珪藻土の
ように嵩張らないので移送その他の取り扱いが容易であ
ること、珪藻土に比べて粘度が低いので容器に付着する
材料ロスを軽減できるなどの利点がある。
【0025】より望ましい実施形態としては、樹脂分の
ポリエーテルポリオールに低分子量のタールを反応さ
せ、粘度1.5Pa・s程度に調製したタール変性ポリ
オールを主剤に用い、可塑材その他の添加材を必要に応
じて添加したA材と、粘度190mPa・s程度に調製
したポリメリックMDIを硬化剤に用いたB材と、重質
炭酸カルシウムの粉末を増量材及びバネ定数調整材に用
いた体質顔料とを、可燃性で且つ可撓性を備えた袋状の
包装資材に個別に収容して貯蔵し、施工現場へ搬入して
混合槽内で撹拌混合してウレタン系樹脂てん充材に調製
すると良い。
【0026】このスラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充材
の調製方法では、特にタール変性ポリオールを用いたこ
とによって、ポリオールとイソシアネートの反応を阻害
することがない状態で、施工した後のウレタン系樹脂て
ん充材を周辺と違和感のない目立たない黒褐色系に着色
することが可能である。
【0027】前記A材の包装資材には、A材を収容する
プラスチックシート製の袋状容器と、この袋状容器を係
止状態で収容するダンボール製の保形箱とを用いる形態
を採ることができる。
【0028】この袋状容器と保形箱による包装資材は、
角形石油缶などの鋼製大形容器に比べて安価であると共
に、A材を使い切った後の包装資材は、袋状容器を収容
したままの状態又は分離した状態で扁平状に折り畳むこ
とが可能であり、嵩張らない状態で焼却処理場へ容易に
搬送して焼却処分を行うことができ、特にダンボール製
の保形箱は回収して再利用することが可能であるなどの
利点がある。
【0029】前記B材の包装資材には、アルミ箔を心材
とする積層シート製で内部に不活性ガスを封入した袋状
密封容器を用いる形態を採ることができる。
【0030】この袋状密封容器にB材を袋詰めする形態
を採ると、使用後は焼却処理を行うことができ、而も安
価であることなど、従来技術における小丸缶などの鋼製
容器では得られない利点がある。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のスラブ軌道用ウ
レタン系樹脂てん充材の調製方法に付いて、好適な実施
形態に基づいて詳細に説明するが、使用するてん充材は
従来技術の場合と同様に樹脂分と硬化剤とを施工現場で
混合調製する2液混合型によるウレタン系樹脂てん充材
である。
【0032】A材は、主剤となる樹脂分としてポリエー
テルポリオールに瀝青物質であるタールを反応させたタ
ール変性ポリオールを用い、これに可塑材及びその他の
添加材を必要に応じて添加し、各材料の配合比率は全体
を100部とした場合の重量比を概ね、主剤の変性ポリ
オール80部、可塑材10部、その他の添加材10部に
すると共に、A材全体の粘度を25℃で1.5Pa・s
程度に調製する。
【0033】主剤となる樹脂分のタール変性ポリオール
は、瀝青物質であるタールを混合することで増量及び着
色を計っているが、タールはポリオールと硬化剤である
イソシアネートの反応機能を阻害せず且つ、充填した際
に目立たない黒褐色系の色を出すことができ、ここでは
特に低分子量のタールを用いる形態を採っている。
【0034】可塑材には、ジブチルフタレート(DB
P)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジエチルフタ
レート(DEP)など、ウレタンプレポリマーとの相溶
性に優れたものの使用が可能であるが、ここでは高沸点
炭化水素系のジオクチルフタレート(DOP)を使用す
る。
【0035】その他の添加材としては、例えば着色材や
吸湿材或いは消泡材などがあり、着色材はタールのみの
着色では不十分な場合に添加し、ここでは黒に着色する
カーボンブラックを用い、吸湿材には合成ゼオライト類
を、消泡材にはポリシロキサン系の破泡性ポリマーなど
を、それぞれ使用することが可能である。
【0036】これらの成分を含有するA材は、従来技術
では予め主剤となる樹脂分と混合させていた体質顔料を
除外した形態とし、これを従来技術における角形石油缶
などの鋼製容器の代わりに、焼却処理が可能な可燃性や
折り畳みが可能な可撓性などを備えた包装資材に、例え
ば10リットル程度を収容させている。
【0037】A材を収容する包装資材9は、例えば図2
で示す一例のように、プラスチックシート製の袋状容器
10とダンボール製の保形箱11で構成され、袋状容器
10は内層がナイロンシートで外層をポリエチレンシー
トにした2層構造のラミネートシートを用いて方形状の
容器本体12を形成し、上部の開口側には外ねじを備え
た注出口(図示は省略)をヒートシールで一体に取付
け、この注出口に螺合するねじキャップ13を着脱可能
に被着した形態を採ることができる。
【0038】容器本体12は、ナイロンシートの内層で
タールなどの臭気が外部に漏れることを防止すると共
に、ポリエチレンシートの外層で外部からの水分の侵入
を防止するようにし、注出口及びキャップ13にはプラ
スチック成形品を用い、注出口とキャップ13の間には
気密性を保持するシール部材を適宜介在させる。
【0039】また、この袋状容器10のみでは貯蔵及び
搬送時の取り扱いが不便であり、外力を受けて押し潰さ
れる虞もあるので、保形箱11に収納して保形を行って
いるが、保形箱11内で袋状容器10が自由に移動しな
いように、例えば袋状容器10の注出口となる首部を段
ボール製の保形箱11に設けた係止保持手段で固定させ
るなどの形態を採ることができる。
【0040】袋状容器10に収納されたA材は、珪藻土
は勿論重質炭酸カルシウムその他の体質顔料が混合され
ていないので当然のことながら、長期間貯蔵した状態で
も袋状容器10の底部に体質顔料が沈殿することがない
と共に、特に珪藻土を含有していないので粘度を低くす
ることができる。
【0041】従って、容器の底部に沈殿した一部を使用
不適な材料として除去すること及び、使用する際にはB
材と混合する前にA材のみの予備混合を行うことは必要
がなく、低粘度のために袋状容器10の内面への付着量
を軽減させることができると共に、容器の形態から絞り
出すこともできるので、材料ロスを著しく少なくするこ
とができる。
【0042】また、袋状容器10と保形箱11による包
装資材9は角形石油缶などの鋼製容器に比べて安価であ
ると共に、A材を使い切った後の包装資材9は、袋状容
器10を収容したままの状態又は分離した状態で扁平状
に折り畳むことが可能であり、嵩張らない状態で焼却処
理場へ容易に搬送して焼却処分を行うことができ、特に
ダンボール製の保形箱11は回収して再利用できる利点
がある。
【0043】次に、硬化剤であるB材に使用するイソシ
アネートには、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリ
フェニレンポリイソシアネート)を使用するが、このポ
リメリックMDIは、粘度を25℃で190mPa・s
程度に調製して、従来技術における小丸缶などの鋼製容
器の代わりに、少なくとも可燃性と可撓性に加えて高い
気密性を備えた包装資材に、例えば2リットル程度を収
容させている。
【0044】B材を収容する包装資材14は、例えば図
3で示す一例のように、心材としたアルミ箔の両面にポ
リエチレンフィルムシートをそれぞれ重合させた積層シ
ート材を用い、扁平な袋状に形成してB材を充填した後
に内部の残留気体を窒素ガスなどの不活性ガスで置換さ
せ、開口部をヒートシールや超音波シールなどによって
密封状態にする形態を採ることができる。
【0045】このように、包装資材14にB材を袋詰め
する形態を採ると、使用時には残存するB材を絞り出し
て使い切ることが可能となり、材料ロスを軽減させるこ
とができると共に、使用後は焼却処理を行うことがで
き、而も安価であることなど、従来技術における小丸缶
などの鋼製容器では得られない利点がある。
【0046】次に、従来技術ではA材中に予め混合させ
ていた体質顔料は、例えば図3で示す一例のように、少
なくとも可燃性と可撓性を備えた例えばポリエチレンフ
ィルムシート材で袋状に形成した包装資材15内に粉体
状にして単独で収容されており、この体質顔料は珪藻土
の代わり重質炭酸カルシウムを用いており、例えば5K
g程度に袋詰めされている。
【0047】体質顔料としては、重質炭酸カルシウムの
他にタルク(Tale)やクレー(Clay)などの使
用も可能であるが、比較的安価であってポリウレタンプ
レポリマーとの比重差も少なく、而も分散性が良いので
混合した際にままこ(継粉)状態になりにくいこと、な
どの点に適合する重質炭酸カルシウムの使用が望まし
い。
【0048】このように、包装資材15にA材から除外
した体質顔料を袋詰めする形態を採ると共に、この体質
顔料として重質炭酸カルシウムを用いると、材料費を安
価にすることができ、而も多孔質の珪藻土に比べて嵩張
らないので貯蔵や移送が容易になることなどの利点があ
る。
【0049】以上のように、ウレタン系樹脂てん充材
は、変性ポリオールによる樹脂分を主剤として可塑材そ
の他の添加材を混合したA材と、イソシアネートによる
硬化剤のB材と、増量材兼バネ定数調整材である体質顔
料とを、個別の包装資材に収容させた状態で貯蔵してお
き、必要に応じてスラブ軌道を修復又は新設する施工現
場に搬送して調製が行われる。
【0050】施工現場における調製は、包装資材9の袋
状容器10から取り出したA材と、包装資材14から取
り出したB材と、包装資材15から取り出した体質顔料
を、ポリ容器などで形成された混合槽の中に、所定の配
合比率で(例えば、A材60部、B材10部、体質顔料
30部)で投入し、電動回転ミキサーなどの撹拌手段を
用いて撹拌混合する。
【0051】撹拌混合する際には、気温その他の現場の
条件に応じてアミン化合物などの触媒による硬化促進材
を添加する場合もあり、また同じ弾性てん充層でもスラ
ブ下面用の弾性てん充層3と突起周部用の弾性てん充層
8では、必要なバネ定数が異なるので適合する配合比率
で調製した後に、可使を待って弾性てん充層3又は弾性
てん充層8の施工に使用する。
【0052】このウレタン樹脂系てん充材は、A材中に
予め珪藻土による体質顔料を混合させた従来技術の場合
とは異なって、混合する際に初めて添加して既に沈殿し
ている体質顔料はないので、容易で且つ均一な撹拌混合
を行うことができ、良質な弾性てん充層3,8の新設又
は補修を可能にすると共に、従来技術のように貯蔵時間
によって発生する沈殿量の多寡に応じて混合時間を調整
する必要がない。
【0053】また、体質顔料である重質炭酸カルシウム
は珪藻土により粘度が低く混合槽の壁面に付着する量も
軽減されるので、材料ロスが少なく且つ混合槽に対する
事後の洗浄作業も容易であると共に、珪藻土に比べて沈
殿速度の速い弊害も、撹拌混合時に初めて添加する形態
を採ることによって解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施対象となるスラブ軌道構造の要部
を示す斜視図である。
【図2】主剤となるA材を収容する包装資材を示す斜視
図である。
【図3】硬化剤となるB材を収容する包装資材を示す斜
視図である。
【図4】体質顔料を収容する包装資材を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 スラブ軌道構造 2 路盤コンクリート 3 弾性てん充層(スラブ下面用) 4 軌道スラブ 5 レール 6 締結具 7 突起部 8 弾性てん充層(突起周部用) 9 包装資材(A材用) 10 袋状容器 11 保形箱 12 容器本体 13 キャップ 14 包装資材(B材用) 15 包装資材(体質顔料用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 稔 東京都千代田区神田錦町3丁目11番8号 株式会社アレン内 (72)発明者 村田 吉隆 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神 東塗料株式会社内 (72)発明者 山本 史夫 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神 東塗料株式会社内 Fターム(参考) 2D057 CA05 4J002 CK021 DE236 FD096 GL00 4J034 BA03 DG01 HA07 HC12 HC52 HC64 HC67 HC71 MA01 MA04 RA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオールを主剤としたA材と、イソシ
    アネートによる硬化剤のB材と、増量及びバネ定数調整
    を行う体質顔料とを、可燃性で且つ可撓性を備えた袋状
    の包装資材に個別に収容して貯蔵し、施工現場へ搬入し
    て混合槽内で撹拌混合してウレタン系樹脂てん充材に調
    製することを特徴としたスラブ軌道用ウレタン系樹脂て
    ん充材の調製方法。
  2. 【請求項2】 前記体質顔料には、重質炭酸カルシウム
    の粉末を用いる請求項1に記載したスラブ軌道用ウレタ
    ン系樹脂てん充材の調製方法。
  3. 【請求項3】 樹脂分のポリエーテルポリオールに低分
    子量のタールを反応させ、粘度1.5Pa・s程度に調
    製したタール変性ポリオールを主剤に用いて、可塑材そ
    の他の添加材を必要に応じて添加したA材と、粘度19
    0mPa・s程度に調製したポリメリックMDIを硬化
    剤に用いたB材と、重質炭酸カルシウムの粉末を増量材
    及びバネ定数調整材に用いた体質顔料とを、可燃性で且
    つ可撓性を備えた袋状の包装資材に個別に収容して貯蔵
    し、施工現場へ搬入して混合槽内で撹拌混合してウレタ
    ン系樹脂てん充材に調製することを特徴としたスラブ軌
    道用ウレタン系樹脂てん充材の調製方法。
  4. 【請求項4】 前記A材の包装資材には、A材を収容す
    るプラスチックシート製の袋状容器と、この袋状容器を
    係止状態で収容するダンボール製の保形箱とを用いる請
    求項1〜3のいずれかに記載したスラブ軌道用ウレタン
    系樹脂てん充材の調製方法。
  5. 【請求項5】 前記B材の包装資材には、アルミ箔を心
    材とする積層シート製で内部に不活性ガスを封入した袋
    状密封容器を用いる請求項1〜3のいずれかに記載した
    スラブ軌道用ウレタン系樹脂てん充材の調製方法。
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